JP3152888B2 - 大豆蛋白膨化食品およびその製造法 - Google Patents
大豆蛋白膨化食品およびその製造法Info
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Description
まみ、栄養食品等として好適な大豆蛋白膨化食品に関す
るものである。
は、豆腐、凍豆腐、油揚、がんもどき、湯葉、おから等
があるが、これらは主として料理用に供されるもので、
スナック菓子、つまみ、栄養食品等として用いられてい
るものではない。豆乳を原料として、スナック菓子、つ
まみ、栄養食品等に属する食品を製造する方法に関して
は、特開平8−280347号公報に開示されている。
これは、豆乳に凝固剤を添加して豆腐より硬めの豆腐状
固形物を形成し、該凝固物を薄くスライスした後、油揚
げしてなる大豆を主成分とする油揚げ食品である。
特徴は、先ず、豆乳に凝固剤を添加して豆腐状の固形物
を得る際に、凝固剤の添加量を豆腐を製造する際よりも
多量にして、豆腐状の固形物を硬く締まった状態で固形
化することであり、具体的には、豆腐を製造するとき
が、濃度10%の豆乳50リットルに対して凝固剤15
0g前後であるのに対して、上記発明においては、凝固
剤300〜350gを添加している。
して油揚げすることであり、この油揚げの方法は、高温
の油の雰囲気中に短時間、例えば、温度200℃前後の
油に15〜25秒程度浸すようにしている。上記の発明
は、大豆の良質な蛋白質を子供達が、抵抗なく、かつ、
自然に食することができるように加工したものである
が、該発明により得られる油揚げ食品は、煎餅のように
パリッとした比較的硬いものである。
蛋白質源である豆乳を原料として、サクサクとした軽い
食感と好適な風味を有するスナック菓子、つまみ、栄養
食品等となる大豆蛋白膨化食品を提供することを目的と
するものである。
を解決するため鋭意検討を進めた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、凝固剤を添加、混合
して豆乳を凝固させてプレス処理した豆乳凝固物が加熱
により比重0.03〜0.3に全体が膨化してなること
を大豆蛋白膨化食品であり、その製造法は、 a)豆乳を90〜100℃まで加熱し、この温度に達し
たならば直ちに85℃以下にまで冷却する工程、 b)冷却した豆乳を凝固剤を添加、混合して凝固して水
分含量65〜85重量%にプレス処理して薄片状の凝固
物とする工程、 c)上記凝固物を100〜130℃で油揚げした後、さ
らに、160〜200℃で水分含量が10重量%以下に
なるまで油揚げして比重0.03〜0.3に全体を膨化
する工程、以上の工程を含むことを特徴とする大豆蛋白
膨化食品の製造法である。
凝固して水分含量65〜85重量%にプレス処理した
後、スライスして薄片状にするか、あるいは上記プレス
処理した凝固物を磨砕し、再びプレス処理した後、スラ
イスして薄片状にすることによって行う大豆蛋白膨化食
品の製造法である。また、前記c)の工程が、上記凝固
物を150〜250℃で3〜25分間加熱するか、ある
いは600〜5000Wで2〜20分間マイクロ波加熱
して水分含量10重量%以下、比重0.03〜0.3に
全体を膨化することによって行われる大豆蛋白膨化食品
の製造法である。本発明の大豆蛋白膨化食品は、豆乳凝
固物を油揚げ等の手段により加熱して、比重0.03〜
0.3、好ましくは0.05〜0.2に全体を膨化する
ことにより、サクサクとした軽い食感と好適な風味を有
するものであるが、その製造法について説明する。
洗浄した大豆を水に浸漬した後、この大豆に加水して磨
砕し、得られる呉を煮沸した後、これを圧搾、濾過して
オカラを分離し、豆乳を得る。原料大豆に制限はなく、
大豆粉あるいは脱脂大豆粉を用いる場合は、これに加水
して煮沸後、圧搾すれば豆乳が得られる。脱脂大豆粉を
用いれば、低脂肪でヘルシーな膨化食品が得られる。上
記の大豆に加水して磨砕する際、グリセリン脂肪酸エス
テルや酸敗油に水酸化カルシウムを加えたペースト等の
消泡剤を、豆乳に対して0.01〜0.5重量%用いて
もよい。
92〜98℃まで、直接蒸気吹き込み加熱、間接加熱等
の手段で加熱し、上記の温度に達したならば直ちに85
℃以下、好ましくは60〜75℃まで冷却する。呉に上
記の加熱、冷却処理を施す場合は、同処理の間あるいは
後の適当な時期にオカラを分離すればよい。この加熱お
よび冷却処理により、豆乳に含まれる蛋白質を一定レベ
ルにまで変性させることで、後の油揚げの際に豆乳凝固
物が全体に均一に膨化して、所望の軽い食感、食味の膨
化食品となる。加熱処理の温度が90℃未満であると、
豆乳が凝固せず、また、100℃を超えるか、あるいは
冷却を行わない場合は、凝固物が良好に膨化せず(未膨
化を含む)、硬い触感となる。豆乳はBrixが3〜6
%、好ましくは4〜5%、蛋白固形分が1.2〜2.3
重量%、好ましくは1.6〜2重量%に調製したものが
好適なものとして例示される。Brix、蛋白固形分が
これよりも高すぎると凝固が進みすぎ、下回ると効率的
に凝固させにくく、成形しにくい。
るが、凝固剤としては、硫酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム等が用いられ、これを豆乳に対し
て0.1〜0.4重量%、好ましくは0.15〜0.2
5重量%添加することが好適なものとして例示される。
最終的に水分含量65〜85重量%、好ましくは70〜
80重量%の薄片状の凝固物とする。水分含量が65重
量%未満であると、油揚げしても膨化が悪く、反対に8
5重量%を超えると、中空状に膨らむ火膨れを起こして
均一に膨化しない傾向となり、上記範囲でこれらの問題
がなく、全体が均一に膨化した食品が得られる。
固して水分含量65〜85重量%、好ましくは70〜8
0重量%にプレス処理した後、スライスして薄片状にす
るか、あるいは上記プレス処理した凝固物を磨砕し、再
びプレス処理した後、スライスして薄片状にすることに
よって行う。後者の場合は、より気泡をかんだ凝固物が
得られ、これを油揚げするとよく膨化して、よりサクサ
クした食感の食品が得られる。得られた薄片状の凝固物
は、厚み2〜6mm、好ましくは3〜4mmで、表面積
(平板部の面積)100〜600mm2 のものとするこ
とが、油揚げで全体を均一に膨化しやすく望ましい。な
お、豆乳を凝固する場合は、十分に擂潰しながら凝固す
ることが、均一な組織の膨化物を得る上で望ましい。
10〜120℃で1〜10分間、好ましくは3〜7分間
油揚げした後、さらに、160〜200℃、好ましくは
170〜190℃で1〜10分間、好ましくは3〜7分
間油揚げし、水分含量を10重量%以下にして、凝固物
を全体に膨化する。最初の油揚げの意図するところは、
凝固物を全体に大きく膨化することにあり、揚げ温度が
上記範囲を超えるか、満たない場合は、いずれも十分に
膨化しにくい。続く高温の油揚げの意図するところは、
膨化した凝固物の水分含量が10重量%以下になるよう
に蒸発させることにあり、揚げ温度が上記範囲に満たな
い場合は、上記時間の範囲で膨化した凝固物の水分含量
を10重量%以下になるように蒸発させることができ
ず、上記範囲を超える場合は、焦げや油染みを生じやす
い。
は、c)の工程として、上記の油揚げ処理に代えて、熱
風加熱、マイクロ波加熱、過熱水蒸気加熱等の加熱手段
を採用することができる。要するに、c)の工程は、
b)の工程で得られた薄片状の凝固物を所望の水分含
量、比重になるように全体を均一に膨化させることがで
きる加熱手段の全てを包含する。熱風加熱の場合、加熱
条件は150〜250℃で3〜25分間であり、マイク
ロ波加熱の場合、600〜5000Wで2〜20分間で
あることが、各々上記の作用を得る上で好ましい。
食品を得るには、食塩、砂糖、調味料および香辛料等の
各種調味材を豆乳に加えるか、あるいは油揚げ後の食品
に添加して適宜調味すればよい。また、凝固物の膨化を
大きくするために、重曹、炭酸ナトリウム等のアルカリ
剤を加熱前または凝固前に添加して、凝固前の豆乳のp
Hを6.8〜7.4とするのが望ましい。以上の方法に
より全体が均一に膨化してなる大豆蛋白膨化食品が得ら
れ、スナック菓子、つまみ、栄養食品等となり、特に比
重が0.03〜0.3の大豆蛋白膨化食品は、軽い食感
の新規な食品となる。
明するが、本発明は、実施例の範囲に限定されるもので
はない。
漬した後、この生大豆を加水しながら磨砕して、これを
蒸煮釜で加熱攪拌し、95℃に達した時点で加水して6
5℃に冷却した。これを絞り機で圧搾して、豆乳とオカ
ラに分離し、Brix4.5%、蛋白固形分1.5重量
%の豆乳を得た。この豆乳10kgに3%塩化カルシウ
ム液(凝固剤液)1kgを掻き混ぜながら加え、豆乳を
凝固させた。
mmの型箱に入れて、荷重50kgで5分間、100k
gで5分間、300kgで5分間順次プレス処理して、
厚み10mmで水分含量72重量%のシート状生地を得
た。これをロールカッターで面の大きさ45×4mmに
裁断し、すなわち、表面積45×10mm、厚み4mm
の薄片状に形成して、これを115℃で5分間油揚げし
た後、さらに、180℃で3分間油揚げして大豆蛋白膨
化食品を製造した。上記食品は水分含量2.5重量%、
比重0.1で、全体が均一に膨化し、サクサクとした軽
い食感と特有の風味を有するスナック食品であった。
た後の水分含量85重量%の凝固物を磨砕し、実施例1
と同じ型箱に入れ、荷重50kgで5分間、100kg
で5分間、300kgで3分間プレス処理して、厚み1
0mmで水分含量75重量%のシート状生地を得、これ
をロールカッターで面の大きさ45×5mmに裁断し、
すなわち、表面積45×10mm、厚み5mmの薄片状
に成形した。これを120℃で7分間油揚げした後、さ
らに、180℃で6分間油揚げして大豆蛋白膨化食品を
製造した。これの比重、膨化の状態および食感について
は表1に示した。なお、膨化食品の水分含量は2、5重
量%であった。
達温して行った他は、実施例1と同様に実施した。得ら
れた大豆蛋白膨化食品の比重、膨化の状態および食感に
ついて表1に示した。
に達温後、さらに、3分間煮込んで行った他は、実施例
1と同様に実施した。得られた大豆蛋白膨化食品の比
重、膨化の状態および食感について表1に示した。
量を60重量%とした他は、実施例1と同様に実施し
た。得られた大豆蛋白膨化食品の比重、膨化の状態およ
び食感について表1に示した。
量を90重量%とした他は、実施例1と同様に実施し
た。得られた大豆蛋白膨化食品の比重、膨化の状態およ
び食感について表1に示した。
固形分4%の豆乳として凝固剤を0.6重量%添加し、
豆乳の加熱を100℃に達温後、さらに、3分間煮込ん
で行って得たシート状生地を200℃で2分間油揚げし
た他は、実施例1と同様に実施した。得られた大豆蛋白
膨化食品の比重、膨化の状態および食感について表1に
示した。
℃で2分間油揚げした他は、実施例1と同様に実施し
た。得られた大豆蛋白膨化食品の比重、膨化の状態およ
び食感について表1に示した。
行う以外は、実施例1と同様にして得た薄片状のシート
状生地(油揚げ処理前のもの)を、熱風式オーブンを用
いて200℃で10分間加熱処理して大豆蛋白膨化食品
を製造した。上記食品は水分含量2重量%、比重0.1
0で、全体が均一に膨化し、サクサクとした軽い食感
と、あっさりとした特有の風味を有する低カロリーのス
ナック食品であった。
感と好適な風味を有するスナック菓子、つまみ、栄養食
品となる大豆蛋白膨化食品が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 凝固剤を添加、混合して豆乳を凝固させ
てプレス処理した豆乳凝固物が加熱により比重0.03
〜0.3に全体が膨化してなることを特徴とする大豆蛋
白膨化食品。 - 【請求項2】 a)豆乳を90〜100℃まで加熱し、
この温度に達したならば直ちに85℃以下にまで冷却す
る工程、 b)冷却した豆乳を凝固剤を添加、混合して凝固して水
分含量65〜85重量%にプレス処理して薄片状の凝固
物とする工程、 c)上記凝固物を100〜130℃で油揚げした後、さ
らに、160〜200℃で水分含量が10重量%以下に
なるまで油揚げして比重0.03〜0.3に全体を膨化
する工程、 以上の工程を含むことを特徴とする大豆蛋白膨化食品の
製造法。 - 【請求項3】 b)の工程が、冷却した豆乳を凝固して
水分含量65〜85重量%にプレス処理した後、スライ
スして薄片状にするか、あるいは上記プレス処理した凝
固物を磨砕し、再びプレス処理した後、スライスして薄
片状にすることによって行われる請求項2記載の大豆蛋
白膨化食品の製造法。 - 【請求項4】 c)の工程が、上記凝固物を150〜2
50℃で3〜25分間加熱するか、あるいは600〜5
000Wで2〜20分間マイクロ波加熱して水分含量1
0重量%以下、比重0.03〜0.3に全体を膨化する
ことによって行われる請求項2記載の大豆蛋白膨化食品
の製造法。
Priority Applications (1)
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JP05858697A JP3152888B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 大豆蛋白膨化食品およびその製造法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05858697A JP3152888B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 大豆蛋白膨化食品およびその製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10234309A JPH10234309A (ja) | 1998-09-08 |
JP3152888B2 true JP3152888B2 (ja) | 2001-04-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3152888B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7080796B2 (ja) | 2018-10-31 | 2022-06-06 | 株式会社東芝 | 電流導入端子構造及び電磁石装置 |
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KR101259199B1 (ko) * | 2005-03-16 | 2013-04-29 | 후지 세이유 가부시키가이샤 | 대두 퍼프의 제조법 |
-
1997
- 1997-02-27 JP JP05858697A patent/JP3152888B2/ja not_active Expired - Fee Related
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