JP2770799B2 - 油揚類の製造方法 - Google Patents

油揚類の製造方法

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JP2770799B2 JP7222937A JP22293795A JP2770799B2 JP 2770799 B2 JP2770799 B2 JP 2770799B2 JP 7222937 A JP7222937 A JP 7222937A JP 22293795 A JP22293795 A JP 22293795A JP 2770799 B2 JP2770799 B2 JP 2770799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝統的油揚げと同様の
ソフトで歯切れの良い食感を有し、伝統的油揚げより優
れる引張強度を有する油揚類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】伝統的な油揚類には油揚げやガンモドキ
等がある。
【0003】伝統的な油揚げの製造方法は、丸大豆を水
に浸漬し、磨砕し、これを絞って豆乳とオカラとに分離
し、該豆乳にニガリ等の凝固剤を加えて豆腐を調製し、
この豆腐を脱水し、成形し、フライして油揚げを製造す
るものである。又、ガンモドキは豆腐に野菜等を添加し
混練して成形しフライしたものである。
【0004】一方、例えば、分離大豆蛋白を用いる油揚
げの製造方法は、大豆蛋白、水及び必要により油脂を混
練してエマルジョン混練物となし、混練生地を調製し、
該生地を成形しフライして油揚げを製造する方法であ
る。
【0005】後者の方法による油揚げは前者の方法によ
る油揚げに比べ、表面が均質で組織が強く、乾燥した油
揚げは湯戻り復元性に優れる特徴を有するものの、弾力
的な食感を有しソフトさや歯切れの良さに劣る傾向にあ
る。
【0006】そこで、分離大豆蛋白を用いた油揚げで伝
統的油揚げに近似した組織を有する油揚類の製造法とし
て、凝固剤を前記大豆蛋白、水及び油脂の混練生地に加
える方法が開発され、更に、より伝統的油揚げに近づけ
る方法として特開昭55ー34070号の方法が開発さ
れた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は伝統的油揚げ
と同等或いはそれ以上の引張強度を有しながらも伝統的
油揚げと同様なソフトで歯切れの良い油揚類の製造を目
的とした。又、特開昭55ー34070号に記載の油揚
類よりソフトで歯切れの良い油揚類を目的とした。即
ち、特開昭55ー34070号に記載の発明より生地が
良く膨化して表皮組織が薄くガラス状の透明感を有する
いわゆるガラス目状組織を目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究するなかで、大豆蛋白溶液等を凝固
剤で凝固させた比較的固形分濃度の低いカード状凝固物
を調製し、これに粉末状大豆蛋白(好ましくは粉末状大
豆蛋白エマルジョン)を加える際にも凝固剤を加えて均
一化するという2段階に分けて大豆蛋白及び凝固剤を用
いる(2段階で凝固剤を使用する点で特開昭55ー34
070号と異なる)ことにより、前記課題を解決出来る
知見を得て本発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は、大豆蛋白溶液又は大豆蛋
白エマルジョン溶液を加熱し凝固剤を加えてカード状凝
固物を調製する工程、該カード状凝固物に粉末状大豆蛋
白及び凝固剤を加えて均一化する工程、及び該均一化生
地を成形しフライする工程を含む油揚類の製造方法、で
ある。
【0010】以下、本発明について詳述する。先ず、本
発明において、大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン
溶液を加熱し凝固剤を加えてカード状凝固物を調製す
る。
【0011】本発明に用いる大豆蛋白溶液は、豆乳(丸
大豆を水浸漬し磨砕し絞る等してオカラを分離した豆乳
や脱脂大豆に水を加えて撹拌等して後オカラを遠心分離
等して除去した脱脂豆乳等)、分離大豆蛋白の水溶液又
は水分散液が適当である。通常、大豆蛋白溶液の乾燥固
形分中の粗蛋白含量が60重量%以上、好ましくは80
%以上、より好ましくは90%以上が適当である。
【0012】本発明に用いる大豆蛋白エマルジョン溶液
は、粉末状大豆蛋白エマルジョンを水に溶解させたも
の、或いは、分離大豆蛋白、油脂及び水性媒体を均質化
したもので溶液状のものを用いることができる。^ 本
発明において、大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン
溶液は加熱してもゲル化しない粗蛋白濃度が適当であ
る。例えば、大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
液中の粗蛋白濃度は10.5重量%以下が適当であり、
通常、1.8〜10.5重量%とすることができる。粗
蛋白濃度が低いと、適度な硬さの均一化生地を調製する
ために、後に用いる粉末状大豆蛋白の量を多く用いるこ
とが必要となるので、得られる油揚類の食感が弾力的な
ものとなる。粗蛋白濃度が高すぎると次の加熱によりゲ
ル化して後の作業が困難になる。又、加熱によりゲル化
したまま無理に後の工程を続けても、凝固剤とゲル化し
た大豆蛋白とは反応が困難となるので、得られる油揚類
はやはり弾力的な食感を有し、ソフトで歯切れの良い食
感に欠ける。
【0013】次いで、凝固剤を加える前に該大豆蛋白溶
液又は大豆蛋白エマルジョン溶液を加熱することが適当
である。
【0014】加熱することにより凝固剤と大豆蛋白溶液
又は大豆蛋白エマルジョン溶液中の大豆蛋白との反応を
促進し、カード状凝固物の生成を促進させることができ
る。加熱をしないか不足の場合、カード状凝固物の生成
に長時間を要するので実際の生産工程においては非能率
的であり、該カード状凝固物を生成しないまま後の工程
により油揚類を製造しても、得られる油揚類は弾力的な
食感を有し、ソフトで歯切れの良い食感は得られ難い。
【0015】加熱は、煮釜等の利用による蒸煮、蒸気直
接吹き込み等による直接加熱方法、蒸気で間接的に容器
を加熱する間接加熱方法等を利用することが出来る。短
時間に昇温できる加熱手段が好ましい。
【0016】加熱は、通常、60℃〜100℃、好まし
くは80℃〜95℃にて、1分〜10分、好ましくは2
分〜8分が適当である。尚、加熱時間は昇温時間と保持
時間を含む。加熱後一定時間保持することにより、大豆
蛋白と凝固剤との反応を促進させ、均一な凝固を図る為
に、一定温度に一定時間保持することが出来る。
【0017】又、大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョ
ン溶液を加熱した後、必要により、戻し水を加えること
ができる。
【0018】次に、以上のように加熱されて得られた大
豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶液に凝固剤を加
えてカード状凝固物を調製する。
【0019】大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
液を加熱し凝固剤を加える温度が60℃以上が好まし
い。より好ましくは約80℃〜100℃に加熱し約60
℃〜80℃に冷却した後凝固剤を加えることが適当であ
る。
【0020】凝固剤の種類は、ニガリ等の豆腐用凝固
剤、塩化カルシウム、硫酸カルシウムのようなカルシウ
ム塩、塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム等のマグネ
シウム塩、その他のアルカリ土類金属塩の1種又は2種
以上を用いることが出来る。好ましくはニガリ、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウムのような水易溶性の凝固剤
が得られる油揚げの強度を強くし適当である。
【0021】凝固剤の添加量は、凝固剤の種類により多
少異なるが、大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
液中の大豆蛋白と反応してカード状凝固物を生成させ、
余剰の凝固剤が残ることが少なく、又、凝固剤と未反応
の大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶液中の大豆
蛋白が残ることが少ない量用いる。例えば、大豆蛋白溶
液又は大豆蛋白エマルジョン溶液中の粗蛋白含量に対し
てカルシウム量として1重量%以上用いることが出来
る。
【0022】凝固剤の添加量が少なすぎると、大豆蛋白
溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶液中の大豆蛋白が全て
凝固せず、溶液状態で大豆蛋白が残り、目的とする油揚
類が得られ難い。
【0023】凝固剤を大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマル
ジョン溶液に加えた後、大豆蛋白と凝固剤の均一な反応
を促進させ、カード状凝固物を調製する為に撹拌するこ
とが出来る。
【0024】以上の工程においてカード状凝固物を調製
する際にゆ(豆腐製造工程において発生するホエーに相
当)の生成がないことも本発明の特徴の一つである。
【0025】このようにして調製されたカード状凝固物
は、粗蛋白濃度が1.8重量%以上が適当であり、通常
1.8重量%〜10.5重量%、好ましくは2.3重量
%〜7.0重量%とすることができる。
【0026】次に、前記カード状凝固物に粉末状大豆蛋
白と凝固剤を加え、混練等して均一化する。凝固剤を併
用しないと、均一化して成形しフライしても油揚類が伸
び難い。換言すれば膨化が十分でない為ソフトで歯切れ
の良い油揚類は得られ難い。詳しく説明すると、この凝
固剤の添加が生地の膨化を促進し、表皮組織が薄く透明
性を有するガラス状の表皮組織、いわゆるガラス目状表
皮組織を形成するのである。
【0027】本発明に用いる粉末状大豆蛋白は粉末状分
離大豆蛋白又は粉末状大豆蛋白エマルジョン或いは粉末
状分離大豆蛋白と粉末状大豆蛋白エマルジョンの併用が
適当である。得られる油揚げの食感をよりソフトなもの
にするには粉末状大豆蛋白エマルジョンが好ましく、粉
末状分離大豆蛋白を用いる場合や粉末状分離大豆蛋白と
粉末状大豆蛋白エマルジョンを併用する場合等は後述す
るように油脂を併用することが好ましい。
【0028】粉末状大豆蛋白エマルジョンは、大豆蛋
白、油脂及び水性媒体を均質化し噴霧乾燥等して粉末状
としたものを用いることが出来る。
【0029】これらの粉末状大豆蛋白のカード状凝固物
に対する添加量は、例えば、大豆蛋白溶液又は大豆蛋白
エマルジョン溶液と粉末状大豆蛋白の各々の粗蛋白の含
有量の比の値が0.06〜0.35となる範囲の量が適
当である。
【0030】この比の値が小さいと得られる油揚類の食
感が弾力的なものとなりソフトで歯切れの良いものでな
くなる傾向にある。又、この比が大きいと、均一化して
得られる均一化生地が柔らかすぎて油揚類生地の成形が
困難となる。
【0031】カード状凝固物に粉末状大豆蛋白及び凝固
剤を加える温度が60℃以下が好ましい。この温度が高
いと凝固がムラになりやすいからである。
【0032】凝固剤の種類は、カード状凝固物を調製す
る工程で用いた凝固剤と同じ種類のものを用いることが
でき、水易溶性のものを含むことも出来るが、硫酸カル
シウム、硫酸マグネシウム等の水難溶性の凝固剤を含む
ことが好ましい。カード状凝固剤を調製する際に用いた
凝固剤より比較的大豆蛋白との反応が遅い凝固剤のほう
がムラなく凝固し好ましい。
【0033】カード状凝固物の調製の際に用いた凝固剤
の量にもよるが、この均一化生地調製の際には、例え
ば、粉末状大豆蛋白中の粗蛋白含量に対してカルシウム
量として1.8重量%〜2.3重量%、好ましくは1.
9重量%〜2.2重量%とすることが出来、例えば、豆
乳粉末であれば0.03重量%以上用いることが出来
る。
【0034】凝固剤の添加量が少なすぎると、均一化し
成形した生地をフライしても伸びないのでソフトで歯切
れの良い油揚類を得ることが困難であり、凝固剤の添加
量が多すぎると、均一化したとき生地の一部が締まりす
ぎ、即ち固くなりすぎて離水したり、均一化して成形し
た生地をフライしてもソフトで歯切れの良い油揚類は得
られ難い。
【0035】もし、この均一化生地調製の際に凝固剤を
用いないと、フライしたときに膨化が少なく、表皮組織
がガラスのように薄くキラキラ光るように透明ないわゆ
るガラス目状の表皮組織は得られない。このガラス目状
の表皮組織がよりソフトで歯切れの良い食感を醸し出す
ものである。
【0036】本発明においては2度に分けて凝固剤をそ
れぞれ大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶液と粉
末状大豆蛋白に対して添加することにより、ガラス目状
の表皮組織を有し、ソフトで歯切れが良く適度の引張強
度を有する油揚類に適した均一化生地を調製することが
できるものである。特開昭55ー34070号公報に記
載の油揚げではこのガラス目状の表皮組織が得られな
い。
【0037】又、均一化生地を調製する工程において、
粉末状大豆蛋白や凝固剤と共に油脂を用いることが出来
る。
【0038】特に、大豆蛋白溶液を用いた場合や粉末状
大豆蛋白が粉末状分離大豆蛋白や粉末状分離大豆蛋白と
粉末状大豆蛋白エマルジョンを併用した場合には、均一
化して成形した生地(フライ前の生地)中の油脂の量が
粗蛋白含量に対して20重量%〜65重量%、好ましく
は40重量%〜50重量%となるように油脂を添加する
ことが好ましい傾向にある。
【0039】均一化生地中の油脂の量が少な過ぎるとフ
ライしたとき成形された生地が伸び過ぎ、いわゆるへた
る現象が起き易く、油脂の量が多すぎると伸び難いので
ソフトで歯切れの良い油揚類は得られ難い傾向にある。
【0040】均一化の手段はサイレントフードカッター
等の剪断力を高パワーでかけることができる装置を用い
ることができる。
【0041】以上の均一化生地は油揚類の形、即ち、油
揚げの形や、さらに野菜類や海草類等を加えてがんもど
きの形等に成形することができる。
【0042】油揚げやがんもどき生地の調製や成形は公
知の方法を用いることができる。成形は手作業でもでき
るが、工業的にはドラム成形等の機械的手段を採用する
ことができる。
【0043】次に、成形された生地をフライする。フラ
イは単段フライ乃至多段フライを用いることが出来る。
【0044】フライ温度勾配は60℃〜200℃、通常
70℃〜180℃程度まで連続的に変化させることがで
き、フライ時間はフライ温度との関係で自由に調節する
ことができる、以上のようにして得られた油揚類は、例
えば、油揚げの場合、伝統的な油揚げと同様のソフトで
歯切れの良い食感を有しながらも引張強度の強いもので
ある。
【0045】又、油揚類は、がんもどきであればそのま
ま流通、保存、調理して食することができ、油揚げであ
ればそのまま流通・保存・調理だけでなく、包材として
一辺をカットし開いていんげんまめ、人参等の野菜、し
いたけ等のキノコ、その他の可食性具材を詰めたり、或
いはこれらの具材を油揚げで巻いて干瓢等の可食性紐材
で固定して流通、保存、調理することができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
する。 実施例1 分離大豆蛋白(不二製油(株)製「フジプロE」、粗蛋
白含量90%)2kg、植物油脂(不二製油(株)製
「大豆白絞油」)0.9kg(粗蛋白含量に対し50
%)、水25kgを加え、サイレントカッターで均質化
し、大豆蛋白エマルジョン溶液(粗蛋白含量6.45
%)となし、煮釜の中で蒸気を吹き込み95℃まで3分
かけて昇温し、同温度で1分間加熱保持した後、戻し水
6kg(加熱した大豆蛋白エマルジョン溶液に対し約1
/5量)を加え、濃度が8Brix(以下Bx)の加熱され
た75℃の大豆蛋白エマルジョンを得た。水430gに
溶解した凝固剤A(塩化カルシウム(2水塩)69.5
g(粗蛋白含量に対しカルシウム量として1.05
%))を添加撹拌した。2分間の放置後、再撹拌し、さ
らに8分間放置した後、総重量38.4kg、固形分
7.50%のカード状凝固物(A)を得た。
【0047】このカード状凝固物(A)を40℃まで冷
却した後、サイレントカッターに投入し、分離大豆蛋白
11.2kg及び植物油脂5.04kg(粗蛋白含量に
対し50%)を加え混練し、水1.6kgに溶解した凝
固剤B(塩化カルシウム(2水塩)208g及び硫酸カ
ルシウム480g(粗蛋白含量に対しカルシウム合計量
が2.15%))を加え混練し均一化した均一化生地
(B)を得、51mm×51mm×6mmに成形し、7
5℃で6分、110℃で3.5分、175℃で3分の連
続多段油中加熱することにより膨化させて油揚げを得
た。
【0048】この製品は、市販の伝統的油揚げ製品に近
似したガラス目状の表皮組織をもち、食感も同様なソフ
トで歯切れの良いものであった。一方、表皮の引張強度
は350gとなり、市販製品が230gであったのに比
べ強く、油揚げを包材とする食品への加工適性を有して
いた。
【0049】尚、引張強度の測定法は以下である。測定
装置としてレオナーメーター(山電社製)を使用した。
油揚げを2cmの幅にカットし、豆腐層を両側表皮に均
一になるように裂き輪状にする。これを2本の10mm
φの円柱プランジャーに引っ掛け、1mm/分の速度で
輪が引きちぎれるまでの荷重を引張強度として測定し
た。 実施例2 実施例1と同原料を用い、大豆蛋白の割合を振らす以外
は実施例1と同じ量の原料を用いて表1に示す範囲の濃
度に設定した大豆蛋白エマルジョン溶液、カード状凝固
物(A)を得て、均一化生地(B)を調整し、油揚げを
製造した。
【0050】
【表1】 -------------------------------------------------------- No.1 No.2 -------------------------------------------------------- (A)カード状凝固物 分離大豆蛋白量 3.0kg 1.0kg (B)均一化生地 分離大豆蛋白量 10.2kg 12.2kg -------------------------------------------------------- この結果、実施例2で、大豆蛋白エマルジョン中の粗蛋
白含量が9.66%のNo.1では、実施例1と同等の
組織、食感を有し、引張強度が300gの製品を得るこ
とができた。尚、このときに大豆蛋白エマルジョン溶液
に用いた分離大豆蛋白とカード状凝固物に加えた分離大
豆蛋白の比の値は0.29であった。
【0051】又、大豆蛋白エマルジョン中の粗蛋白含量
が3.22%のNo.2では、実施例1と比較して、表
皮のガラス目が小さい組織で、食感がやや弾力的なもの
となった。尚、このときの大豆蛋白エマルジョン溶液に
用いた分離大豆蛋白とカード状凝固物に加えた分離大豆
蛋白の比の値は0.08であった。
【0052】尚、実施例2のNo.1の大豆蛋白エマル
ジョン中の粗蛋白含量が9.68%を越えて大豆蛋白エ
マルジョン溶液を調製する場合、加熱によりゲルを形成
し、そのまま塩化カルシウムを加えてもカード状には凝
固せず、ドウのような混練生地を形成し、カード状凝固
物を得ることが出来なかった。 比較例1 表2に示すように実施例1の全原料を一度に混練して油
揚げを製造した。
【0053】
【表2】 ---------------------------------------------- (A)カード状凝固物 分離大豆蛋白量 なし (B)均一化生地 分離大豆蛋白量 13.2kg ---------------------------------------------- この製品は、ガラス目が無い緻密な表皮組織であり、食
感が弾力的なものとなった。 比較例2 大豆を水に浸漬し(水温15℃、20時間浸漬で、重量
が約2.4倍になる)、加水(生大豆に対して10倍)
しながら摩砕して、煮釜の中で4分間で95℃まで加熱
蒸煮し、同温度で30秒間保持した。これに戻し水(生
大豆に対して4倍)を加え、これを圧搾濾過(120メ
ッシュ)し豆乳とオカラに分離し、濃度4.5Bxの豆
乳を調製した。該豆乳(72℃)に凝固剤として塩化カ
ルシウム(生大豆に対して0.02重量%、粗蛋白に対
して0.05重量%)を加え約10分間凝固させた後、
水分量が約75%、厚みが10mmの板状になるように
圧搾脱水(ホエー)し、適当な大きさにカットし、95
〜115℃の温度勾配の中を10分、130〜170℃
の温度勾配の中を10分で油中加熱により膨化させて油
揚げを得た。
【0054】この製品は、膨化状態が良好で、ガラス目
状の表皮組織をもち、食感はソフトで歯切れの良いもの
であった。しかし、表皮の引張強度は230gで、油揚
げを包材とする食品への加工に対して十分な表皮強度を
持つものではなかった。 実施例3 実施例1のカード状の凝固物(A)を得る時の大豆蛋白
エマルジョン溶液の戻し水添加後の温度を80℃、凝固
剤Aを硫酸カルシウム(64.8g、カルシウム量とし
て塩化カルシウム(2水塩)と同等量)とし、その他は
実施例1と同様にして油揚げを得た。
【0055】この製品は、実施例1のものと同様な表皮
組織及び食感であった。又、表皮の引張強度は300g
で実施例1のものよりは若干弱いものであったが、油揚
げを包材とする食品への加工に対して十分な表皮強度を
持つものであった。 実施例4 実施例1で、カード状凝固物(A)を得るための原料の
うち、分離大豆蛋白及び植物油脂を、粉末状大豆蛋白エ
マルジョン(不二製油(株)製「サンラバー10」、粗
蛋白質量60%、油脂量30%)3kgと置換し、さら
に均一化生地(B)を得るための原料のうち、分離大豆
蛋白及び植物油脂を、同じ粉末状大豆蛋白エマルジョン
16.8kgと置換し、実施例1と同様にして油揚げを
得た。この油揚げは、実施例1の油揚げと同等の組織、
食感及び強度を有するものであった。 実施例5 実施例1のカード状凝固物(A)を得るときに、植物油
脂を添加しないで大豆蛋白溶液を調製し、カード状凝固
物を得て、均一化生地(B)を調製する際に、実施例1
でカード状凝固物(A)を得るときに用いる植物油脂量
を分離大豆蛋白等の原料に上乗せ添加し、油揚げを製造
した。得られた油揚げは、実施例1と同等の組織、食感
及び引張強度を有するものであった。 比較例5 凝固剤の添加方法を以下にようにする以外は実施例1と
同様にして油揚げを得た。
【0056】即ち、大豆蛋白エマルジョン溶液からカー
ド状凝固物(A)を得るときに、凝固剤Aと凝固剤Bを
一緒にして同時に添加した。
【0057】このとき、カード状凝固物は得られたが、
生地混練時の分離大豆蛋白と植物油脂との乳化性が悪
く、成形性不良で、油中加熱による膨化も妨げられ得ら
れた油揚げは硬いものであった。 比較例6 実施例1のカード状凝固物(A)を得るときに、大豆蛋
白エマルジョン溶液を加熱処理することなく凝固剤Aを
添加したところ、カード状凝固物とはならずに粗コロイ
ド状になった。
【0058】後の工程は実施例1と同様にして油揚げを
製造した。得られた油揚げは、比較例1及び2と同様に
弾力的であり、食感はソフトでなく、歯切れが悪かっ
た。 比較例7 実施例1のカード状凝固物(A)を得るときに、凝固剤
Aを添加せず、後の工程は実施例1と同様にして油揚げ
を製造する方法、及び後の工程で凝固剤Aと凝固剤Bを
同時に添加する方法で油揚げを得た。
【0059】これらの製品はどちらも、比較例1と同様
に緻密な表皮組織で、食感は弾力的であり、歯切れが悪
かった。 比較例8 実施例1の均一化生地(B)を製造する時に使用する凝
固剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして油揚げ
を製造したところ、油揚げの伸びが悪く、食感は弾力的
であり、ソフトでなく歯切れも悪いものであった。 実施例6 実施例1のカード状凝固物(A)38kgをがん練り機に
投入し、粉末状大豆蛋白エマルジョン1kgを加え混練
後、人参、ひじき等を加え、径50mm、厚さ20mm
に成形後、110℃5分、130℃2分、150℃3分
で油中加熱したところ、ソフトでなめらかなな食感を有
するガンモドキを得ることが出来た。 実施例7 実施例1と同様の方法において、市販粉末豆乳(日本蛋
白工業(株)販)に水を加えて4.5Bxに調整して得た
豆乳を大豆蛋白エマルジョンに替えて実施例1と同様に
してカード状凝固物(A)を得た。このときの塩化カル
シウムは豆乳の粗蛋白に対して0.05重量%であっ
た。後の工程は実施例1と同様にして油揚げを得た。
【0060】この製品は、実施例1と同等の組織、食感
及び強度を有する製品を得ることができた。
【0061】
【効果】以上、本発明により伝統的油揚げと同等或いは
それ以上の引張強度を有しながらも、伝統的油揚げのよ
うにソフトで歯切れの良い油揚げを製造可能になったも
のである。丸大豆を原料としないで、大豆蛋白或いは粉
末豆乳を用いて前記油揚げの製造が可能になったので、
伝統的油揚げの製造工程に生じるホエーやオカラのよう
な産業副産物の生じないエコロジカルな製造方法が可能
になったものである。
【0062】又、従来知られている一度に大豆蛋白、水
及び必要により油脂を均一化し凝固剤を添加し混練し成
形しフライして得られる油揚げに比べ、本発明の油揚げ
は、表皮組織がガラスのような透明性を帯びたいわゆる
ガラス目状表皮組織を有し、食感はソフトで歯切れの良
いものである。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
    液を加熱し凝固剤を加えてカード状凝固物を調製する工
    程、該カード状凝固物に粉末状大豆蛋白及び凝固剤を加
    えて均一化する工程、及び該均一化生地を成形しフライ
    する工程を含む油揚類の製造方法。
  2. 【請求項2】大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
    液を加熱し凝固剤を加える温度が60℃以上で、カード
    状凝固物に粉末状大豆蛋白及び凝固剤を加える温度が6
    0℃以下である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】カード状凝固物を調製する工程に用いる凝
    固剤が水易溶性で、均一化する工程に用いる凝固剤が水
    難溶性又は水易溶性と水難溶性の併用である請求項1又
    は請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
    液中の粗蛋白濃度が10.5重量%以下である請求項1
    乃至請求項3のいずれかの製造方法。
  5. 【請求項5】カード状凝固物中の粗蛋白濃度が1.8重
    量%以上である請求項1乃至4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】大豆蛋白溶液又は大豆蛋白エマルジョン溶
    液の粗蛋白の含有量と粉末状大豆蛋白の粗蛋白の含有量
    の比の値が0.06〜0.35である請求項1乃至請求
    項5のいずれかの製造方法。
  7. 【請求項7】カード状凝固物に加える粉末状大豆蛋白が
    粉末状分離大豆蛋白又は粉末状大豆蛋白エマルジョンで
    ある請求項1乃至請求項6のいずれかの製造方法。
  8. 【請求項8】カード状凝固物に油脂を添加する請求項1
    乃至請求項7のいずれかの製造方法。
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