JP2022080024A - 大豆ミート原料及び大豆ミートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然肉の食感・風味を持った大豆ミート及び大豆ミート原料の製造方法を提供する。【解決手段】大豆ミートの原料となる大豆ミート原料の製造方法であって、全脂脱皮大豆粉が水に溶解混合されてなり、大豆タンパク質を2.5%~10%含有する全脂脱皮大豆粉水溶液を準備する工程と、前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、所定温度で加熱、殺菌する二段加熱殺菌工程と、前記二段加熱殺菌工程後の全脂脱皮大豆粉水溶液をTG添加可能温度まで冷却した後、TGを規定量添加混合するTG添加工程と、前記TG添加工程後、全脂脱皮大豆粉水溶液を容器に充填して豆腐様凝固物を製造する凝固工程と、前記豆腐様凝固物又は前記TG添加工程後の全脂脱皮大豆粉水溶液を、TGを失活させる為に70℃~100℃で加熱するTG失活工程と、前記豆腐様凝固物を冷凍温度条件下で一定時間以上凍結させる凍結工程と、を含むようにした。【選択図】なし
Description
本発明は、大豆粉を原料としながら、食感、風味を限りなく獣肉のそれに近づけ、肉代替物として使用できる疑似肉食品(本発明では、大豆ミートと称する)の製造方法及び大豆ミートの原料となる大豆ミート原料の製造方法に関する。
世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質供給が追い付かなくなる「タンパク質危機の時代が到来する可能性」が指摘されている。獣肉の代替タンパク質として植物肉(ベジタブルミート)の世界市場が急伸する予測がされている。
しかしながら、従来のベジタブルミートは分離タンパクを使用しているので、肉よりも値段が高いという問題があった。また、「大豆ミート」とも呼ばれる、大豆を原料として含む市販の植物性代替肉は、その原料は大豆タンパクがほとんどであり、大豆特有のにおいが気になる事が指摘されている。特に、これまで植物肉に使用されてきた主原料は大豆油を絞った後の脱脂大豆であり、従来の製法である脱脂大豆を使用すると、臭いがあり、青臭い感じがして、美味しくなく、味と食感に問題が指摘されている。
従来の豆腐は原料丸大豆を選別・洗浄後、水に数時間浸して柔らかくしたものを、摩砕、加水・煮沸したものを冷却する。これをろ過しオカラを分離し豆乳とする。この豆乳に苦汁、あるいはGDL(グルコノデルタラクトン)等の凝固剤を用いて凝固させ豆腐を製造する。最近では製造技術の進歩により、それまでごく一部しか利用されずその大部分を廃棄していた栄養成分の多いオカラ成分をも含有する豆腐も市場で注目されてきており、オカラ成分を丸々含有する全脂大豆粉を原料とする豆腐も製造されるようになってきた。
特許文献1には、大豆粉とトランスグルタミナーゼでの疑似肉食品を得ることが開示されているが、疑似肉食品を得る為に、エクストルーダーを使用することが必須条件になっている事と、乾燥された粒状植物性タンパク質を水和させ解繊された繊維状植物性タンパクと結着剤を含む原料混合物を加熱凝固させ疑似肉食品を得ており本願とは全く異なる物である。
従来、エクストルーダーは、食品加工での歴史においては、1869年にソーセージの連続製造、1930年代にパスタの連続製造やコーンフレークや膨化食品等のシリアルの製造、1940年代に動物飼料、1950年代に澱粉の糊化や粉砕、1960年代に大豆の組織化物の製造等が行われている。エクストルーダーの種類、構造、機能としては、回転軸が1つの一軸型と2つの二軸型があり、二軸型にはスクリューの回転方向、スクリューの噛合わせ方でも6種ある。その構造はモーターのある駆動部、原料の加熱混練部、組織化・成型を行う部分から成る。その機能は原料の移送、圧縮、粉砕、混練、発熱、溶融、押出及び成型を行うものである。よって、以上の点でエクストルーダーを用いての大豆ミートの製造は現在の知見では不可と判断せざるを得ない。
また特許文献2については、丸大豆から調整した濃縮豆乳に凝固剤とトランスグルタミナーゼを加えた濃縮豆乳を加熱して固化した豆腐を、軽フライすることにより、脱水の手間が無く風味・食感が良好な豆腐ステーキが得られる事が記載されているが本願とは異なる発明である。
本発明は、天然肉の食感・風味を持った大豆ミート及び大豆ミート原料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、疑似肉食品素材として、栄養豊富で伝統食品の豆腐から得る事とし、大豆ミートの製造に当たり、上記のような欠点を改善するために鋭意研究を重ねた結果、大豆粉からTG(トランスグルタミナーゼ)を主たる凝固剤として用いて製造した豆腐様凝固物を主原料とする大豆ミートの製造方法において、豆腐製造時の加熱条件による大豆タンパク質の変性度合いや、大豆タンパクの分解、タンパク結着力による異なる凝固のメカニズムを利用する事で、異なった食感の性状の大豆ミートの素材に変身させた豆腐様凝固物を、脱水後に、凍結(望ましくは急速凍結)する事によって多孔質の組織になったものを、乾燥処理あるいはマイクロウエーブ処理等をする事により組織の結着性が変化し、種々のタイプの大豆ミート原料となる事を見出した。
即ち、本発明の大豆ミート原料の製造方法は、大豆ミートの原料となる大豆ミート原料の製造方法であって、全脂脱皮大豆粉が水に溶解混合されてなり、大豆タンパク質を2.5%~10%含有する全脂脱皮大豆粉水溶液を準備する工程と、前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、二段階の所定温度で加熱、殺菌する二段加熱殺菌工程と、前記二段加熱殺菌工程後、前記全脂脱皮大豆粉水溶液をトランスグルタミナーゼ(TG)添加可能温度まで冷却した後、TGを規定量添加混合するTG添加工程と、前記TG添加工程後又は下記TG失活工程後の全脂脱皮大豆粉水溶液を容器に充填して豆腐様凝固物を製造する凝固工程と、前記豆腐様凝固物又は前記TG添加工程後の前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、TGを失活させる為に70℃~100℃で加熱するTG失活工程と、前記凝固工程及びTG失活工程後の豆腐様凝固物を冷凍温度条件下で一定時間以上凍結させる凍結工程と、を含むものである。
前記全脂脱皮大豆粉と水の溶解濃度は大豆粉濃度が6%~25%のものであることが好適である。
前記二段加熱殺菌工程が、70℃~78℃で5分~20分間加熱する第一段加熱工程と、90℃~100℃で3分~15分間加熱する第二段加熱工程と、を含むことが好ましい。
前記トランスグルタミナーゼ(TG)添加可能温度が70℃以下であることが好適である。
前記凍結工程が、-10℃以下で3時間以上の凍結処理を含むことが好ましい。
前記凍結工程前に、前記豆腐様凝固物を脱水する工程をさらに含むことが好適である。
前記TG失活工程の加熱温度が75℃~90℃であることが好ましい。
本発明の大豆ミートの製造方法は、前記大豆ミート原料の製造方法により得られる大豆ミート原料を用いて大豆ミートを製造することを特徴とする。
前記大豆ミートの製造方法において、前記大豆ミート原料を解凍した後、乾燥する工程を含むことが好適である。
本発明の大豆ミート原料は、前記大豆ミート原料の製造方法により製造されてなる大豆ミート原料である。
本発明の大豆ミートは、前記大豆ミートの製造方法により製造されてなる大豆ミートである。
本発明によれば、天然肉の食感・風味を持った大豆ミート及び大豆ミート原料の製造方法を提供することができる。さらに本発明方法により得られる大豆ミート原料は、凍結された大豆ミート原料を解凍する際にドリップの発生を防ぐことができるという著大な効果を奏する。また、本発明では、丸ごと大豆に水を添加して作成するのでオカラ成分も含有しており、繊維質が多く、量も多いため、非常に安価である。本発明によれば、冷凍することで繊維感が増し、鶏肉風、獣肉風の疑似肉を安価で美味しく製造することができる。また乾燥前の大豆ミートは、食感は鶏肉風であり、肌色で臭いがなく、弾力がちょうどよく、ハンバーグの原料に最適であるが、味付け次第で多方面への応用が可能である。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明の大豆ミート原料の製造方法は、下記工程を含むものである。
全脂脱皮大豆粉が所定濃度で水に溶解混合されてなり、大豆タンパク質を2.5%~10%含有する全脂脱皮大豆粉水溶液を準備する工程(S100);
前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、二段階の所定温度で加熱、殺菌する二段加熱殺菌工程(S102);
前記二段加熱殺菌工程後、前記全脂脱皮大豆粉水溶液をトランスグルタミナーゼ(TG)添加可能温度まで冷却した後、TGを規定量添加混合するTG添加工程(S104);
前記TG添加工程後又は下記TG失活工程後の全脂脱皮大豆粉水溶液を容器に充填して豆腐様凝固物を製造する凝固工程(S106);
前記豆腐様凝固物又は前記TG添加工程後の前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、TGを失活させる為に70℃~100℃で加熱するTG失活工程(S108);及び
前記凝固工程及びTG失活工程後の前記豆腐様凝固物を冷凍温度条件下で一定時間以上凍結させる凍結工程(S110)。
全脂脱皮大豆粉が所定濃度で水に溶解混合されてなり、大豆タンパク質を2.5%~10%含有する全脂脱皮大豆粉水溶液を準備する工程(S100);
前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、二段階の所定温度で加熱、殺菌する二段加熱殺菌工程(S102);
前記二段加熱殺菌工程後、前記全脂脱皮大豆粉水溶液をトランスグルタミナーゼ(TG)添加可能温度まで冷却した後、TGを規定量添加混合するTG添加工程(S104);
前記TG添加工程後又は下記TG失活工程後の全脂脱皮大豆粉水溶液を容器に充填して豆腐様凝固物を製造する凝固工程(S106);
前記豆腐様凝固物又は前記TG添加工程後の前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、TGを失活させる為に70℃~100℃で加熱するTG失活工程(S108);及び
前記凝固工程及びTG失活工程後の前記豆腐様凝固物を冷凍温度条件下で一定時間以上凍結させる凍結工程(S110)。
本発明において、前記S106工程及びS108工程の工程順に特に制限はなく、前記TG添加工程後、凝固工程(S106)により豆腐様凝固物を製造し、その後、加熱により該豆腐様凝固物中のTGを失活させるTG失活工程(S108)を行っても良く、又は前記TG添加工程後、加熱により全脂脱皮大豆粉水溶液中のTGを失活させるTG失活工程(S108)を行い、その後、凝固工程(S106)により豆腐様凝固物を製造しても良い。
前記S100工程において、前記全脂脱皮大豆粉は特に制限はなく、公知の方法により得ることができるが、特許文献3記載の方法により製造されてなる全脂脱皮大豆粉が好適である。前記全脂脱皮大豆粉としては、具体的には、丸大豆100%を使用し、胚芽と皮を分離して無菌脱皮大豆を得た後、大豆特有の青臭みの原因となる酵素のリポキシギナーゼと消化阻害酵素であるトリプシンインヒビターを大豆の栄養成分を損なうことなしに除去した無菌全脂脱皮大豆粉がより好ましい。リポキシギナーゼ及びトリプシンインヒビターを除去する方法としては、70℃~150℃、好ましくは86℃~135℃で熱水又は水蒸気により60~300秒間の蒸煮を行うことが好適である。前記蒸煮した無菌脱皮大豆を乾燥した後、粉砕し、分級することにより、良質な水溶性タンパク質等の大豆の栄養成分を損なわずに脱臭及び消化阻害酵素を失活させた、所定の粒度以下(例えば、粒度600メッシュ以下)の無菌全脂脱皮大豆粉が得られる。
前記全脂脱皮大豆粉と水の溶解濃度は、大豆タンパク質の含有量が2.5%~10%となるように設定すればよいが、前記全脂脱皮大豆粉水溶液中の大豆粉濃度が6%~25%であることが好ましく、12%~23%であることがより好ましい。
前記S102工程前に、全脂脱皮大豆粉水溶液を均質処理しても良い。均質処理の方法は特に制限はないが、大豆粉の性状、濃度等によって圧力条件下(例えば、10~50MPa)で処理してもよい。
前記S102工程において、加熱温度は、大豆タンパク質のゲル形成能を向上させる二段階の所定温度で行う。大豆タンパク質の7s(コングリシニン)の変性に必要な第1の条件(例えば、71℃-10分)、及び11s(グリシニン)の変性に必要な第2の条件(例えば、92℃-5分)を満足するような殺菌条件を確保することにより、しっかりしたゲルで離水の少ない豆腐様凝固物を確保することができる。
前記二段加熱殺菌工程において、前記全脂脱皮大豆粉水溶液の加熱殺菌条件としては、具体的には、第一段目の加熱工程は7sの変性のために70℃~78℃で5分~20分間の範囲で適宜選択して加熱し、第二段目の加熱工程は11sの変性のために90℃~100℃で3分~15分間の範囲で適宜選択して加熱することが好適である。
前記二段加熱殺菌工程において、前記全脂脱皮大豆粉水溶液の加熱殺菌条件としては、具体的には、第一段目の加熱工程は7sの変性のために70℃~78℃で5分~20分間の範囲で適宜選択して加熱し、第二段目の加熱工程は11sの変性のために90℃~100℃で3分~15分間の範囲で適宜選択して加熱することが好適である。
本発明では、大豆粉の殺菌方法を70℃-10分、95℃-10分のような二段殺菌をすることによって、大豆タンパク質の7S,11Sの変性を利用し、より高い粘性、保形性等の物性を変化させ、これにTGの力も加味し効果を増加させることができる。
前記S104工程において、70℃以下、望ましくは70℃~60℃まで冷却した後、凝固剤としてトランスグルタミナーゼ(TG)を添加するのが好適である。
TGの添加量は、前記全脂脱皮大豆粉水溶液に対して0.05%~3.0%が好ましく、0.1%~1.0%がより好ましい。なお、本発明はTGを主とした凝固剤として用いるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の公知の凝固剤をさらに添加しても良い。例えば、コンニャクマンナンを添加することにより、触感がもちもちする効果がある。
TGの添加量は、前記全脂脱皮大豆粉水溶液に対して0.05%~3.0%が好ましく、0.1%~1.0%がより好ましい。なお、本発明はTGを主とした凝固剤として用いるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の公知の凝固剤をさらに添加しても良い。例えば、コンニャクマンナンを添加することにより、触感がもちもちする効果がある。
前記S106工程において、全脂脱皮大豆粉水溶液を充填する容器としては、特に制限はなく、所望の形状の容器を用いればよい。
前記容器中でTGにより全脂脱皮大豆粉水溶液が凝固し、豆腐様凝固物が製造される。凝固温度及び凝固時間は特に制限はないが、70℃~60℃で5分~15分以上静置することが好適である。
前記S108工程において、TGを失活させる為の加熱温度は70℃~100℃であり、75℃~90℃が好ましく、80℃~85℃がより好ましい。加熱時間は特に制限はないが、加熱温度に応じて3分~20分間の範囲で適宜選択するのが好適であり、5分~15分間がより好適である。
前記TG失活後の豆腐様凝固物は、凍結工程前に圧搾等により脱水することが好適である。全脂脱皮大豆粉水溶液中の大豆粉濃度が25%以上の場合は凍結された大豆ミート原料を解凍する際にドリップは出ないが、25%未満の場合は解凍時に一定の割合でドリップが発生してしまうおそれがある。そのため、豆腐様凝固物中の水分量が26%以下となるように、豆腐様凝固物に圧力を加えて強制的に脱水した後、凍結処理を行うことが好適である。
前記S110工程において凍結工程の冷凍条件は特に制限はなく、大豆固形物が冷凍固化する温度域以下であれば理論上豆腐様凝固物は凍結する為、例えば、0℃以下で凍結処理してもよいが、解凍時発生するドレイン量の過多がその後の製品に及ぼす影響が大きいので、実用上は-10℃以下、より好適には-15℃~-20℃以下とすることにより、安定的に目的とする大豆ミート原料を得ることができる。
凍結時間も特に制限はないが、-10℃以下で3時間以上の凍結処理が好ましく、一晩以上凍結させることがより好ましい。また、豆腐様凝固物の冷却速度も特に制限はないが、-15℃以下の急速冷凍条件下が好ましい。豆腐様凝固物を凍結処理することにより、多孔質構造を持った大豆ミート原料を得ることができる。
凍結時間も特に制限はないが、-10℃以下で3時間以上の凍結処理が好ましく、一晩以上凍結させることがより好ましい。また、豆腐様凝固物の冷却速度も特に制限はないが、-15℃以下の急速冷凍条件下が好ましい。豆腐様凝固物を凍結処理することにより、多孔質構造を持った大豆ミート原料を得ることができる。
前記凍結工程前の豆腐様凝固物が高温の場合は、所定温度まで冷却した後、冷凍することが好ましい。例えば、豆腐様凝固物を冷水もしくは氷水中で35℃以下まで冷却した後、冷凍することが好適である。
前記凍結工程の前又は後において、必要に応じて、豆腐様凝固物に粉砕等の切断処理を行っても良い。前記豆腐様凝固物は、目的とする大豆ミートに好適な大豆ミート原料とする為に、その後の調理方法に相応しい大きさにカット、裁断することが好ましい。
本発明方法で得られる大豆ミート原料は、天然肉の食感・風味を持ち、さらに凍結された大豆ミート原料を解凍する際にドリップの発生を防ぐことができ、極めて美味な大豆ミートを製造することができる。
本発明の大豆ミートの製造方法は、前記得られた大豆ミート原料を用いて大豆ミートを製造するものである。
前記大豆ミートの製造方法が、前記大豆ミート原料を解凍した後、乾燥する工程を含むことが好適である。乾燥工程は特に制限はないが、最終製品での期待する組織の物性等に応じて、常温~80℃の条件下での熱風乾燥、電子レンジを用いての短時間での乾燥あるいは物理的な脱水処理等を適宜選択することにより、目的とする物性を有する大豆ミートを得ることできる。
前記大豆ミートの製造方法が、前記大豆ミート原料を解凍した後、乾燥する工程を含むことが好適である。乾燥工程は特に制限はないが、最終製品での期待する組織の物性等に応じて、常温~80℃の条件下での熱風乾燥、電子レンジを用いての短時間での乾燥あるいは物理的な脱水処理等を適宜選択することにより、目的とする物性を有する大豆ミートを得ることできる。
さらに、得られた大豆ミート原料に具材や調味料を混ぜ、必要に応じてレンジ処理(例えば、500~600W、5~60分間)を行ったり、調理に必要であればフライパン等で調理し味を調えることによって、目的によって、より獣肉からの調理品に近い性状、風味、食感のものを得ることができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1)
下記方法により大豆ミート原料を製造した後、ハンバーグタイプの大豆ミートを製造した。
全脂脱皮大豆粉として、丸大豆100%を使用し、大豆特有の青臭みの原因となる酵素のリポキシギナーゼと消化阻害酵素であるトリプシンインヒビターを大豆の栄養成分を損なうことなしに除去した無菌全脂大豆粉を用いた。該無菌全脂大豆粉が15%濃度となるように溶解した水溶液1kgを、15MPaで均質処理し、これを一段目75℃-10分、2段目90℃-15分の殺菌処理をし、70℃まで冷却した。ここでトランスグルタミナーゼ(TG)を1g添加混合した後、容器に充填し、豆腐様凝固物1kgを得た。
前記豆腐様凝固物を80℃で10分間加熱処理し、TGを失活させた。これを強力に圧搾により脱水し、圧搾豆腐様凝固物650gを得た。
得られた圧搾豆腐様凝固物を-20℃で5時間冷凍保存し、多孔質構造を持った大豆ミート原料を得た。
下記方法により大豆ミート原料を製造した後、ハンバーグタイプの大豆ミートを製造した。
全脂脱皮大豆粉として、丸大豆100%を使用し、大豆特有の青臭みの原因となる酵素のリポキシギナーゼと消化阻害酵素であるトリプシンインヒビターを大豆の栄養成分を損なうことなしに除去した無菌全脂大豆粉を用いた。該無菌全脂大豆粉が15%濃度となるように溶解した水溶液1kgを、15MPaで均質処理し、これを一段目75℃-10分、2段目90℃-15分の殺菌処理をし、70℃まで冷却した。ここでトランスグルタミナーゼ(TG)を1g添加混合した後、容器に充填し、豆腐様凝固物1kgを得た。
前記豆腐様凝固物を80℃で10分間加熱処理し、TGを失活させた。これを強力に圧搾により脱水し、圧搾豆腐様凝固物650gを得た。
得られた圧搾豆腐様凝固物を-20℃で5時間冷凍保存し、多孔質構造を持った大豆ミート原料を得た。
得られた大豆ミート原料は、味に関しては丸大豆を原料としているが、大豆特有の青臭みも無く、美味であり、市場の脱脂大豆から作成した大豆ミートのような脱脂大豆特有の風味が見られるものとは、はっきり区別がつくものであった。また、見た目に関しては全く遜色ないものが得られた。
得られた大豆ミート原料を砕片した後、600W-10分レンジ処理により乾燥した。レンジ処置後、解凍によるドリップの発生は確認されなかった。
その後、下記配合により味付けを行い、フライパンで加熱処理し、大豆肉ハンバーグ500gを得た。
<味付けの配合>
砕片処理された大豆ミート原料:300g
玉ねぎ: 100g
パン粉: 10g
大豆乳: 40g
塩、胡椒: 少々
ウスターソース: 25g
トマトケチャップ: 25g
その後、下記配合により味付けを行い、フライパンで加熱処理し、大豆肉ハンバーグ500gを得た。
<味付けの配合>
砕片処理された大豆ミート原料:300g
玉ねぎ: 100g
パン粉: 10g
大豆乳: 40g
塩、胡椒: 少々
ウスターソース: 25g
トマトケチャップ: 25g
得られた大豆肉ハンバーグは、天然肉の食感・風味を持ち、大豆特有の青臭みも無く、美味であり、見た目に関しても獣肉を使用したハンバーグと比べて全く遜色無いものが得られた。
(実施例2)
下記方法により大豆ミート原料を製造した後、調理した大豆ミート片を製造した。
実施例1と同様の全脂脱皮大豆粉250gを750gの水に溶解し、大豆粉水溶液1kgを得た。該大豆粉水溶液を、75℃-10分間加熱、続いて95℃-10分間加熱し、70℃まで冷却した後、トランスグルタミナーゼ(TG)0.5gを添加混合した。
TG添加後の大豆粉水溶液を80℃-15分間加熱し、TGを失活させた物をアルミ製の深型バットに流し込み、静置し豆腐様凝固物800gを得た。
前記豆腐様凝固物を静置状態で冷水もしくは氷水中で35℃以下まで冷却し、-20℃以下で一晩冷凍させ、大豆ミート原料を得た。
下記方法により大豆ミート原料を製造した後、調理した大豆ミート片を製造した。
実施例1と同様の全脂脱皮大豆粉250gを750gの水に溶解し、大豆粉水溶液1kgを得た。該大豆粉水溶液を、75℃-10分間加熱、続いて95℃-10分間加熱し、70℃まで冷却した後、トランスグルタミナーゼ(TG)0.5gを添加混合した。
TG添加後の大豆粉水溶液を80℃-15分間加熱し、TGを失活させた物をアルミ製の深型バットに流し込み、静置し豆腐様凝固物800gを得た。
前記豆腐様凝固物を静置状態で冷水もしくは氷水中で35℃以下まで冷却し、-20℃以下で一晩冷凍させ、大豆ミート原料を得た。
得られた大豆ミート原料を室温で-5℃前後まで解凍した後、目的とする肉片サイズの大きさに切り分け、電子レンジを用いて600W-5分~15分適宜処理し乾燥させた。その間でのドリップは確認されなかった。
前記乾燥後の大豆ミート原料500gに食塩10g、砂糖3g、味の素3gを練りこみ、フードカッターで粉砕した。ここにオニオンを適量投入し、約200gのサラダ油を加え、良く練りこんだ。このようにして得られた物を50~80g程度の大きさにし、オーブンで表面を焼いた。これを容器に入れ、20~30分間蒸したものをレンジ処理し、約6個~8個の大豆ミート片が得られた。
前記得られた大豆ミート片は、大豆特有の青臭みや、一部類似市販品で見られる脱脂大豆特有の臭気も無く美味なものであった。
前記得られた大豆ミート片は、大豆特有の青臭みや、一部類似市販品で見られる脱脂大豆特有の臭気も無く美味なものであった。
Claims (11)
- 大豆ミートの原料となる大豆ミート原料の製造方法であって、
全脂脱皮大豆粉が水に溶解混合されてなり、大豆タンパク質を2.5%~10%含有する全脂脱皮大豆粉水溶液を準備する工程と、
前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、二段階の所定温度で加熱、殺菌する二段加熱殺菌工程と、
前記二段加熱殺菌工程後、前記全脂脱皮大豆粉水溶液をトランスグルタミナーゼ(TG)添加可能温度まで冷却した後、TGを規定量添加混合するTG添加工程と、
前記TG添加工程後又は下記TG失活工程後の全脂脱皮大豆粉水溶液を容器に充填して豆腐様凝固物を製造する凝固工程と、
前記豆腐様凝固物又は前記TG添加工程後の前記全脂脱皮大豆粉水溶液を、TGを失活させる為に70℃~100℃で加熱するTG失活工程と、
前記凝固工程及びTG失活工程後の豆腐様凝固物を冷凍温度条件下で一定時間以上凍結させる凍結工程と、
を含む、大豆ミート原料の製造方法。 - 前記全脂脱皮大豆粉と水の溶解濃度は大豆粉濃度が6%~25%のものである、請求項1記載の製造方法。
- 前記二段加熱殺菌工程が、70℃~78℃で5分~20分間加熱する第一段加熱工程と、90℃~100℃で3分~15分間加熱する第二段加熱工程と、を含む、請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記トランスグルタミナーゼ(TG)添加可能温度が70℃以下である、請求項1~3のいずれか1項記載の製造方法。
- 前記凍結工程が、-10℃以下で3時間以上の凍結処理を含む、請求項1~4のいずれか1項記載の製造方法。
- 前記凍結工程前に、前記豆腐様凝固物を脱水する工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項記載の製造方法。
- 前記TG失活工程の加熱温度が75℃~90℃である、請求項1~6のいずれか1項記載の製造方法。
- 請求項1~7のいずれか1項記載の方法により得られる大豆ミート原料を用いて大豆ミートを製造する、大豆ミートの製造方法。
- 前記大豆ミート原料を解凍した後、乾燥する工程を含む、請求項8記載の製造方法。
- 請求項1~7のいずれか1項記載の方法により製造されてなる、大豆ミート原料。
- 請求項8又は9記載の方法により製造されてなる、大豆ミート。
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