JP2002030022A - 光学活性3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、その製法、新規中間体および香料組成物 - Google Patents
光学活性3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、その製法、新規中間体および香料組成物Info
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Abstract
ン(3−メチルシクロペンタデカノン)の合成中間体と
して重要な、光学活性3−メチル−5−シクロペンタデ
セン−1−オン、該化合物を高収率、高純度に製造でき
る新規な製法及び新規中間体並びに香料組成物を提供す
ることである。 【解決手段】 下記式(1)−1 【化1】 で表される(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペ
ンタデセン−1−オン。
Description
(3−メチルシクロペンタデカノン)の合成中間体とし
て重要な、光学活性3−メチル−5−シクロペンタデセ
ン−1−オン、該化合物を高収率、高純度に製造できる
新規な製法及び新規中間体並びに香料組成物に関する。
ノン)は、その光学異性体である(R)−(−)−体が
天然麝香の主要香気成分として存在し、特に、この
(R)−(−)−体は、(S)−(+)−体に比べてよ
り強く、拡散性が優れたボリューム感のある香気を有
し、重要なムスク系合成香料である。
提案がなされ、例えば、ドデカン−1,12−ジアール
を出発原料とする合成法(特開昭55−111438号
公報)、ノナジエン酸エステルからの合成法(Tetrahed
ron Lett.,2257(1979))、シクロドデセンを出発原料と
する合成法(J.Org.Chem.,52,3798-3806(1987))などが
提案されている。
は、例えば、3−メチル−2−シクロペンタデセン−1
−オンにルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触媒と
して不斉水素化する方法(特開平6−192161号公
報)、R体またはS体のシトロネラールと、ハロゲン化
不飽和炭化水素を反応する方法(特開2000−263
61号公報)などが提案されている。しかしながら、上
記の特開平6−192161号公報で提案されている光
学活性ムスコンの合成法は、使用されている触媒が再利
用可能であること、および高収率であるなど有効な合成
法であるが、出発原料が高価であるなどの問題がある。
また、上記の特開2000−26361号公報で提案さ
れている合成法は、光学活性シトロネラールとハロゲン
化不飽和炭化水素を反応させ、得られる11−ヒドロキ
シ−13,17−ジメチルオクタデカ−1,16−ジエ
ン誘導体とし、オゾン酸化を行った後、閉環して製造さ
れており必ずしも工業的に有利な合成法とは言い難い。
3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンが香料
化合物として有用であり、特にシス異性体がトランス異
性体より有用であることが示されている。しかしなが
ら、上記特許には該化合物の光学活性体については何ら
記載も示唆もされていない。
−シクロペンタデセン−1−オンはそのシス−、トラン
ス−立体配位は記載されていないが、ムスコンの合成中
間体として記載されている(Huaxue Xueba
o,53(9),909−915,1995参照)。し
かしながら、この化合物についての芳香特性については
記述されていない。
活性3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンお
よび該化合物を有効成分として含有するムスク様香気を
有する香料組成物を提供することである。
つ高収率で、更に簡便な方法により、工業的に有利に光
学活性3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン
を製造する方法を提供することである。
−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンの製造の
ために有用な新規中間体を提供することである。
記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、上記式
(1)−1および/または上記式(1)−2で表される
(R)−(−)または(S)−(+)−3−メチル−5
−シクロペンタデセン−1−オンがムスク様の香料とし
て有用であること、また、(R)−(−)−または
(S)−(+)−3−メチル−5−ヘキセンニトリルを
出発原料として10−ウンデセニル−1−マグネシウム
ハライドと反応し、閉環するという簡便な方法で、且つ
高収率で光学活性3−メチル−5−シクロペンタデセン
−1−オンが得られることを見出し本発明を完成した。
ンタデセン−1−オンである。式中、波線はシス−、ト
ランス−異性体の存在を示す。
ンタデセン−1−オンおよび/または下記式(1)−2
ンタデセン−1−オンを有効成分として含有することを
特徴とする香料組成物である。
ニトリルを、有機溶媒中、10−ウンデセニル−1−マ
グネシウムハライド(C11H21MgX)とカップリ
ング反応せしめて下記式(2)−1
プタデカジエン−6−オンを形成させ、これを閉環して
下記式(1)−1
ンタデセン−1−オンの製法である。
ニトリルを、有機溶媒中、10−ウンデセニル−1−マ
グネシウムハライド(C11H21MgX)とカップリ
ング反応せしめて下記式(2)−2
プタデカジエン−6−オンを形成させ、これを閉環して
下記式(1)−2
ンタデセン−1−オンの製法である。
(3)−1および式(3)−2で表される(R)−
(+)−4−メチル−1,16−ヘプタデカジエン−6
−オン、(S)−(−)−4−メチル−1,16−ヘプ
タデカジエン−6−オン、(R)−(−)−3−メチル
−5−ヘキセンニトリルおよび(S)−(+)−3−メ
チル−5−ヘキセンニトリルは文献未記載の新規化合物
である。
−1の化合物から式(1)−1の化合物を合成する態様
を反応行程[以下、(A)製法と称す]で示すと、以下
の如くになる。(A)製法
ら式(1)−2の化合物を合成する態様を反応行程[以
下、(B)製法と称す]で示すと、以下の如くとなる。(B)製法
−1−オンの製法は上記の(A)製法および(B)製法
に従って合成することができる。本発明の出発原料であ
る式(3)−1の化合物および式(3)−2の化合物
は、特に限定されないが、例えば、式(3)−1の化合
物は下記式(9)−1の化合物から容易に合成すること
ができる。式(9)−1の化合物から式(3)−1の化
合物を合成する態様を反応行程[以下、(C)製法と称
す]で示すと、以下の如くとなる。(C)製法
ルミニウムハイドライドを示す] また例えば、式(3)−2の化合物は下記式(18)−
2の化合物から容易に合成することができる。式(1
8)−2の化合物から式(3)−2の化合物を合成する
態様を反応行程[以下、(D)製法と称す]で示すと、
以下の如くとなる。(D)製法
トシル基、Bnはベンジル基を示す] 以下、上記の(A)製法及び(B)製法に従い、各工程
別に詳細に説明する。 (A)製法 (R)−(+)−4−メチル−1,16−ペンタデカジ
エン−6−オン[式(2)−1の化合物]の合成(第1
行程) 式(3)−1の化合物を有機溶媒中、10−ウンデセニ
ル−1−マグネシウムハライドとカップリング反応させ
る第1行程により式(2)−1の化合物を容易に製造で
きる。
えば、約−20℃〜約70℃程度、より好ましくは約2
0℃〜約40℃の温度範囲で、約1時間〜約2時間程度
を採用することができる。使用する10−ウンデセニル
−1−マグネシウムハライドのハロゲン原子の種類とし
ては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げるこ
とができ、その使用量は式(3)−1の化合物1モルに
対して、例えば、約1モル以上、より好ましくは約1.
2モル〜約2モル程度の範囲を例示できる。
は、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキ
シエタン、トルエンなどを示すことができる。これらの
有機溶媒の使用量は、例えば、式(3)−1の化合物1
重量部に対して約1〜約10重量部の範囲を例示でき
る。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロ
マトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に採用して
高収率、高純度に式(2)−1の化合物が得られる。
ペンタデセン−1−オン[式(1)−1の化合物]の合
成(第2行程) 式(2)−1の化合物をオレフィンメタセシス反応によ
る第2行程により式(1)−1の化合物を容易に製造で
きる。
えば、約−10℃〜約100℃程度、より好ましくは約
40℃〜約50℃の温度範囲で、約1時間〜約3時間程
度を採用することができる。この反応で使用できる触媒
としては、例えば、下記式(a)及び(b)
味する]で表される化合物を挙げることができ、その使
用量は式(2)−1の化合物1モルに対して、約0.0
1モル〜約0.10モル程度を採用することができる。
また、この反応に用いる有機溶媒としては、例えば、テ
トラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタン、トル
エン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などを
示すことができる。これらの有機溶媒の使用量は、例え
ば、式(2)−1の化合物1重量部に対して約10〜約
1000重量部の範囲を例示できる。反応終了後、洗
浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなど
の通常の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式
(1)−1の化合物が得られる。
される(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペンタ
デセン−1−オンは、それ自体香料組成物として有用で
あるが、該化合物のオレフィンを水素化することにより
(R)−(−)−ムスコンを容易に製造できる。この反
応の反応温度および反応時間は、例えば、約10℃〜約
100℃程度、より好ましくは約30℃〜約50℃の温
度範囲で、約1時間〜約3時間程度を採用することがで
きる。この反応で使用できる触媒としては、例えば、P
d−C、Pd−Alumina、Ru−C、Ru−Al
umina、Pt−Cを挙げることができ、その使用量
は式(1)−1の化合物1モルに対して、約0.02モ
ル〜約0.1モル程度を採用することができる。また、
この反応に用いる有機溶媒としては、例えば、テトラヒ
ドロフラン、エーテル、ジメトキシエタン、トルエン、
エタノール、ヘキサンなどを示すことができる。これら
の有機溶媒の使用量は、例えば、式(1)−1の化合物
1重量部に対して約1〜約10重量部の範囲を例示でき
る。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロ
マトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に採用して
高収率、高純度に(R)−(−)−ムスコンが得られ
る。
いて、(B)製法に従って説明する。(B)製法 本発明のもう一方の目的化合物である式(1)−2で表
される(S)−(+)−3−メチル−5−シクロペンタ
デセン−1−オンは、鏡像関係にある式(1)−1で表
される(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペンタ
デセン−1−オンの合成法に準じて製造することができ
る。
て、式(2)−2で表される(S)−(−)−4−メチ
ル−1,16−ヘプタデカジエン−6−オンを合成する
第3行程は、前記(A)製法の式(3)−1の化合物を
式(3)−2の化合物に変える以外は(A)製法と同様
に合成することができる。以下同様にして、式(1)−
2の化合物を合成する第4行程は、該行程に対応する第
2行程の製造方法と同じ操作を行うことにより、目的と
する式(1)−2で表される(S)−(+)−3−メチ
ル−5−シクロペンタデセン−1−オンを高収率、高純
度で合成することができる。
される(S)−(+)−3−メチル−5−シクロペンタ
デセン−1−オンは、それ自体香料組成物として有用で
あるが、該化合物のオレフィンを水素化することにより
(S)−(+)−ムスコンを容易に製造できる。この反
応の反応条件は、前記した式(1)−1で表される
(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペンタデセン
−1−オンから(R)−(−)−ムスコンを製造する方
法に準じて製造することができる。
て更に詳細に説明する。
ロラクトン[式(7)−1の化合物]の合成 300ml4径フラスコ中に(R)−3−カルボキシブ
チリックアシッド t−ブチルエステル[式(9)−1
の化合物]25g(0.133モル)、テトラヒドロフ
ラン50mlを仕込み、−10〜−20℃に冷却する。
そこへ、1Mボランテトラヒドロフラン溶液135ml
(0.135モル)を同温下に1.5時間で滴下した。
滴下終了後、徐々に温度を上げ室温下に一夜攪拌した。
GLCで未反応の消失を確認後、水10mlと酢酸10
mlの混合液を滴下し、テトラヒドロフランをエバポレ
ーターで濃縮する。酢酸エチルで抽出し、ソーダ灰洗
浄、硫酸マグネシウム乾燥後、濃縮し、式(8)−1で
表される化合物の粗製21.05gを得、パラトルエン
スルホン酸0.4gとトルエン200mlを加え、加熱
しながらラクトン化を行った。反応終了後、これに水を
加え、有機層をソーダ灰水洗、ブライン洗浄後、溶剤回
収、減圧蒸留し、式(7)−1の化合物8.6gを得た
(収率;65%,bp:92℃/2.4KPa)。
テン−1−オール[式(5)−1の化合物]の合成 100ml3径フラスコ中に(R)−3−メチル−γ−
ブチロラクトン[式(7)−1の化合物]3.0g(3
0ミリモル)、乾燥ジクロルエタン20mlを仕込み、
−65〜−60℃下に1Mジイソブチルアルミニウムハ
イドライドトルエン溶液36ml(36ミリモル)を3
0分で加え、同温下に1.5時間反応させた後、塩化ア
ンモニウム水溶液5mlを加え、昇温し、エーテルで希
釈し、室温下に30分攪拌した。常温下に溶剤回収し式
(6)−1で表される化合物の粗製を得た。次いで、2
00ml反応フラスコにアルゴン下、60%水素化ナト
リウム2.2g(0.09モル)、ジメチルスルホキシ
ド50mlを仕込み、室温下に1時間反応を行った。メ
チルトリフェニルホスホニウムブロマイド35.7g
(0.1モル)、ジメチルスルホキシド20mlを加え
攪拌し、式(6)−1の粗製、ジメチルスルホキシド3
0mlを加え、室温下に一夜放置した。水を加え攪拌
し、エーテル抽出、溶剤回収後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、式(5)−1の(R)−
2−メチル−4−ペンテン−1−オール1.3gを得た
(収率44.4%)。
テン−1−イル p−トルエンスルホネート[式(4)
−1の化合物]の合成 100ml反応フラスコ中に(R)−2−メチル−4−
ペンテン−1−オール[式(5)−1の化合物]1.3
g(13.2ミリモル)、乾燥ピリジン40mlを仕込
み、氷冷下0℃でパラトルエンスルホニウムクロリド
3.3g(17.6ミリモル)を加え、冷蔵庫に一夜放
置する。反応終了後、水を加え、エーテル抽出、ブライ
ン洗浄、硫酸銅水洗浄、ブライン洗浄、ソーダ灰水洗
浄、ブライン洗浄後、溶剤回収し、式(4)−1の粗製
2.7gを得た(収率81.1%)。
5−ヘキセンニトリル[式(3)−1の化合物]の合成 100mlフラスコ中に粗製の(R)−2−メチル−4
−ペンテン−1−イルp−トルエンスルホネート[式
(4)−1の化合物]2.7g(10.7ミリモル)、
ジメチルスルホキシド10ml、シアン化ナトリウム
0.8g(17.1ミリモル)を仕込み、一夜攪拌し
た。水を加え、エーテル抽出後、溶剤を常圧回収し、減
圧下に蒸留して式(3)−1の化合物1.0gを得た
(収率87.6%、bp:79〜81℃/4.55kP
a)。 [α]20D=−12.93(c=0.7150、Me
OH) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCL3)δ
(ppm)5.73(1H、ddt、J=17.3H
z、10.3Hz、3.4Hz)、5.11(1H、
d、J=17.3Hz)、5.08(1H、d、J=1
0.3Hz)、2.36〜2.23(2H、m)、2.
15〜2.08(2H、m)、2.01〜1.89(2
H、m)、1.10(3H、d、J=6.8Hz)。
1,16−ヘプタデカジエン−6−オン[式(2)−1
の化合物]の合成 30mlフラスコ中にマグネシウム0.8g(31.3
ミリモル)、乾燥エーテル2mlを仕込み、ブロモ−1
0−ウンデセン6.1g(26ミリモル)を滴下した。
室温下に1時間攪拌後、同温下に(R)−(−)−3−
メチル−5−ヘキセンニトリル[式(3)−1の化合
物]1.0g(9.2ミリモル)を滴下した。同温下に
2時間反応し、原料の消失を確認後、50%塩酸水溶液
13mlを冷却下に加え、室温に戻し2時間攪拌した。
エーテル抽出、ソーダ灰水洗浄、ブライン洗浄後、溶剤
回収し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し式 (2)−1の化合物を1.6g得た(収率65.4
%)。 [α]20D=3.15(c=0.7582、MeO
H) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCL3)δ
(ppm)5.69(2H、m)、4.94〜4.82
(4H、m)、2.33(1H、dd、J=16.0H
z、5.6Hz)、2.27(2H、t、J=7.6H
z)、2.14〜1.86(6H、m)、1.53〜
1.20(14H、m)、0.83(3H、d、J=
6.4Hz)。
5−シクロペンタデセン−1−オン[式(1)−1の化
合物]の合成 200mlフラスコ中にルテニウム触媒0.23g
(0.28ミリモル)を仕込み、系内をアルゴン置換す
る。(R)−(+)−4−メチル−1,16−ヘプタデ
カジエン−6−オン[式(2)−1の化合物]1.5g
(5.68ミリモル)、アルゴン下で蒸留した塩化メチ
レン1500ml溶液を加え、41℃で4時間反応を行
った。減圧下に溶媒を回収後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、シス異性体0.47g、ト
ランス異性体0.15gを得た(収率46.2%)。 シス異性体 [α]20D=−11.56(c=0.7544、Me
OH) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCL3)δ
(ppm)5.39〜5.29(2H、m)、2.5〜
2.2(3H、m)、2.2〜1.9(6H、m)、
1.6〜1.2(14H、m)、0.93(3H、d、
J=6.1Hz) 13C−NMR(100MHz、CDCl3)δ(pp
m)132.7、129.7(オレフィン) 香気特性:強く、ピュアーなムスク様、若干暖かみがあ
り、肌くさい、ふくよかな匂い。 トランス異性体 [α]20D=−4.22(c=0.8654、MeO
H) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCL3)δ
(ppm)5.47〜5.36(2H、m)、2.5〜
2.2(3H、m)、2.2〜1.9(6H、m)、
1.6〜1.2(14H、m)、0.99(3H、d、
J=6.6Hz) 13C−NMR(100MHz、CDCl3)δ(pp
m)132.0、127.2(オレフィン) 香気特性:強く、ピュアーなムスク様の匂い。
ロピラニロキシ−2−メチルプロピオネート[式(1
7)−2の化合物]の合成 300ml4径フラスコ中に(S)−メチル3−ヒドロ
キシ−2−メチルプロピオネート[式(18)−2の化
合物]23.6g(0.20モル)、エーテル100m
l、ジヒドロピラン20.2g(0.24モル)および
パラトルエンスルホン酸0.5g(2ミリモル)を仕込
み、室温下に16時間攪拌する。反応液を重ソー水中に
注ぎ分液する。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥する。溶媒回収後、減圧下に蒸留し、
式(17)−2の化合物を34.5g得た(収率85.
4%、bp:83〜88℃/0.39kPa) 参考例5:(R)−3−テトラヒドロピラノロキシ−2
−メチルプロパノール[式(16)−2の化合物]の合
成 1L4径フラスコ中にリチウムアルミニウムハイドライ
ド6.4g(0.17モル)および乾燥エーテル400
mlを仕込み、氷水冷却下、5〜10℃/1時間で
(S)−メチル3−テトラヒドロピラニロキシ−2−メ
チルプロピオネート[式(17)−2の化合物]34.
0g(0.17モル)の乾燥エーテル150ml溶液を
滴下する。滴下後、室温下に4時間攪拌し、GLCで未
反応の消失を確認後、再び冷却し、硫酸ナトリウム水を
少しずつ滴下してクエンチする。固形物をろ別し、溶剤
回収後、減圧下に蒸留し、式(16)−2を23.6g
得た(収率80.6%、bp:97〜99℃/0.46
kPa)。
−メチルプロパノール[式(14)−2の化合物]の合
成 500ml4径フラスコ中に60%水素化ナトリウム
3.9g(98モル)、テトラヒドロフラン200m
l、ジメチルホルムアミド90mlを仕込み加熱する。
60〜70℃で(R)−3−テトラヒドロピラニロキシ
−2−メチルプロパナール[式(16)−2の化合物]
13.0g(75ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液
30mlを滴下し、滴下後同温下に1時間撹拌する。次
に同温下にベンジルブロミド14.1g(82ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン溶液30mlを滴下し、さら
に1時間撹拌する。反応液を冷却後、メタノール9.5
mlを加えてクエンチし、反応液を減圧下に濃縮する。
残さをエーテルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。エーテルをエバポレータ
ーで濃縮し、式(15)−2で表される化合物の粗製2
2.0gを得る。この粗製に、メタノール200mlを
加えて希釈し、さらにパラトルエンスルホン酸1.0g
を加えて室温下に16時間撹拌する。反応液に重ソー粉
末2g加え、溶媒回収後水を加え、エーテル抽出した。
ブライン洗浄後、減圧蒸留し、式(14)−2の化合物
を12.5g得た(収率97.8%、bp:115〜1
20℃/0.65kPa)。
−メチルプロピル p−トルエンスルホネート[式(1
3)−2の化合物]の合成 200ml4径フラスコ中に(S)−3−ベンジロキシ
−2−メチルプロパノール[式(14)−2の化合物]
9.0g(50ミリモル)、乾燥ピリジン60mlを仕
込み氷水冷する。パラトルエンスルホニルクロリド1
2.4g(65ミリモル)を少しづつ加えて、さらに0
℃で3時間撹拌する。反応液を冷蔵庫中で一夜放置し、
翌日、氷水中に注ぎエーテル抽出する。有機層を水洗、
硫酸銅水洗、水洗、重ソー水洗、ブライン洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。エーテルをエバポレータ
ーで濃縮し、得られた粗製15.0gをシリカゲルカラ
ムクロマトにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=
9:1)、式(13)−2の化合物を14.3g得た
(収率85.5%)。
−メチルブタノニトリル[式(12)−2の化合物]の
合成 100ml反応フラスコ中に(R)−3−ベンジロキシ
−2−メチルプロピルp−トルエンスルホネート[式
(13)−2の化合物]7.0g(21.0ミリモ
ル)、ジメチルスルホキシド20ml、シアン化ナトリ
ウム1.8g(36.7ミリモル)を加え、室温下に一
夜放置した。水を加え、エーテル抽出、ブライン洗浄、
溶剤回収後、減圧下に蒸留し、式(12)−2の化合物
を3.8g得た(収率95.0%、bp:130〜13
2℃/0.39kPa)。
−メチルブタナール[式(11)−2の化合物]の合成 100ml反応フラスコ中に(S)−4−ベンジロキシ
−3−メチルブタノニトリル[式(12)−2の化合
物]4.6g(24.4ミリモル)、乾燥 ジクロルエ
タン46mlを仕込み、アルゴン下に冷却した。−78
℃で1.0Mのジイソブチルアルミニウムハイドライド
トルエン溶液27ml(27ミリモル)を30分で加え
室温まで昇温した。反応後、5%硫酸を加え30分攪拌
後、エーテル抽出、ソーダ灰洗浄、ブライン洗浄、溶剤
回収後、減圧下に蒸留し、式(11)−2の化合物を
3.8g得た(収率81.4%、bp:115〜120
℃/0.65kPa)。
4−メチル−1−ペンテン[式(10)−2の化合物]
の合成 100ml反応フラスコ中、アルゴン下に、メチルトリ
フェニルホスホニウムブロマイド14.3g(40ミリ
モル)、乾燥テトラヒドロフラン50mlを仕込み、n
−BuLi/ヘキサン22.5ml(35.9ミリモ
ル)を−20〜−30℃にて30分で加え、同温下に3
0分攪拌した。(S)−4−ベンジロキシ−3−メチル
ブタナール[式(11)−2の化合物]4.6g(2
4.0ミリモル)、乾燥テトラヒドロフラン20mlを
加え、同温下に1時間攪拌した。水を加え、エーテル抽
出、溶剤回収後、減圧下に蒸留し、式(10)−2の化
合物を4.3g得た(収率93.8%、bp:85〜8
7℃/0.39kPa)。
ンテノール[式(5)−2の化合物]の合成 1L4径フラスコ中に液体アンモニア250mlを仕込
み、(S)−5−ベンジロキシ−4−メチル−1−ペン
テン[式(10)−2の化合物]4.3g(22.5ミ
リモル)の乾燥テトラヒドロフラン溶液40mlを加え
る。−50〜−40℃で金属ナトリウム1.9g(8
2.5ミリモル)を少しづつ加え、さらに−50℃で1
時間撹拌する。反応液に粉末塩化アンモニウム9.2g
を加えてクエンチし、昇温してアンモニアを飛ばす。残
さに塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテル抽出、ブ
ライン洗浄、溶剤回収後、減圧下に蒸留し、式(5)−
2の化合物を2.0g得た(収率88.1%、bp:7
2〜75℃/4.55kPa)。
ンテン−1−イル p−トルエンスルホネート[式
(4)−2の化合物]の合成 100ml反応フラスコ中に(S)−2−メチル−4−
ペンテノール[式(5)−2の化合物]1.9g(19
ミリモル)、乾燥ピリジン20mlを仕込み氷水冷す
る。パラトルエンスルホニウムクロリド5.4g(28
ミリモル)を少しづつ加えて、さらに0℃で3時間撹拌
する。反応液を冷蔵庫中で一夜放置する。反応終了後、
水を加え、エーテル抽出、ブライン洗浄、硫酸銅水洗
浄、ブライン洗浄、ソーダ灰水洗浄、ブライン洗浄後、
溶剤回収し式(4)−2の化合物の粗製を4.8g得た
(収率100.3%)。
5−ヘキセンニトリル[式(3)−2の化合物]の合成 100mlフラスコに粗製の(S)−2−メチル−4−
ペンテン−1−イル p−トルエンスルホネート[式
(4)−2の化合物]4.8g(19.0ミリモル)、
ジメチルスルホキシド20ml、シアン化ナトリウム
1.8g(36.7ミリモル)を仕込み一夜攪拌した。
水を加え、エーテル抽出後、溶媒を常圧回収後、減圧下
に蒸留し、式(3)−2の化合物を1.8g得た(収率
87.6%、bp:79〜81℃/4.55kpP
a)。 [α]20D=13.24(c=0.8910、MeO
H) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCl3)δ
(ppm)5.73(1H、ddt、J=17.3H
z、10.3Hz、3.4Hz)、5.11(1H、
d、J=17.3Hz)、5.08(1H、d、J=1
0.3Hz)、2.36〜2.23(2H、m)、2.
15〜2.08(2H、m)、2.01〜1.89(2
H、m)、1.10(3H、d、J=6.8Hz)。
1,16−ヘプタデカジエン−6−オン[式(2)−2
の化合物]の合成 30mlフラスコにマグネシウム1.0g(39.1ミ
リモル)、乾燥エーテル2mlを仕込み、ブロモ−10
−ウンデセン7.6g(32.4ミリモル)を滴下し
た。室温下に1時間攪拌後、同温下に(S)−(+)−
3−メチル−5−ヘキセンニトリル[式(3)−2の化
合物]1.8g(16.2ミリモル)を滴下した。同温
下に2時間反応し原料の消失を確認後、50%塩酸20
gを冷却下に加え、室温に戻し2時間攪拌した。エーテ
ル抽出、ソーダ灰水洗浄、ブライン洗浄後、溶剤回収
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、式(2)−1の化合物を3.1g得た(収率72.
8%)。 [α]20D=−2.36(c=1.0992、MeO
H) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCl3)δ
(ppm)5.69(2H、m)、4.94〜4.82
(4H、m)、2.33(1H、dd、J=16.0H
z、5.6Hz)、2.27(2H、t、J=7.6H
z)、2.14〜1.86(6H、m)、1.53〜
1.20(14H、m)、0.83(3H、d、J=
6.4Hz)。
5−シクロペンタデセン−1−オン[式(1)−2の化
合物]の合成 3000mlフラスコ中にRu−cat.0.47g
(0.57ミリモル)を仕込み、系内をアルゴン置換す
る。(S)−(−)−4−メチル−1,16−ヘプタデ
カジエン−6−オン[式(2)−2の化合物]2.95
g(11.2ミリモル)、塩化メチレン溶液3000m
lを加え、41℃で4時間反応を行った。減圧下に溶媒
を回収後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、式(1)−2の化合物を1.36g得た(収率
51.5%)。このものを更に中圧カラムによりシス異
性体0.78g、トランス異性体0.29gに分離し
た。 シス異性体 [α]20D=10.17(c=0.9634、MeO
H) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCl3)δ
(ppm)5.39〜5.29(2H、m)、2.5〜
2.2(3H、m)、2.2〜1.9(6H、m)、
1.6〜1.2(14H、m)、0.93(3H、d、
J=6.1Hz) 13C−NMR(100MHz、CDCl3)δ(pp
m)132.7、129.7(オレフィン) 香気特性:弱い、ムスク様、ややウッディー感ある匂
い。 トランス異性体 [α]20D=4.51(c=0.9744、MeO
H) 1H−NMR(400MHz、TMS、CDCl3)δ
(ppm)5.47〜5.36(2H、m)、2.5〜
2.2(3H、m)、2.2〜1.9(6H、m)、
1.6〜1.2(14H、m)、0.93(3H、d、
J=6.6Hz) 13C−NMR(100MHz、CDCl3)δ(pp
m)132.0、127.2(オレフィン) 香気特性:弱い、ムスク様、ややウッディー感ある匂
い。
−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンまたは
(S)−(+)−3−メチル−5−シクロペンタデセン
−1−オンを用い、下記処方のムスクタイプの石鹸用香
料組成物を調製し、10名の専門パネラーによる評価を
行った。その結果、本発明の(R)−(−)−3−メチ
ル−5−シクロペンタデセン−1−オンまたは(S)−
(+)−3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オ
ンを含有した香料組成物において嗜好性の高いパウダリ
ームスク様香気が付与されることが確認された。
ルシクロペンタデカノン)の合成中間体として重要な、
光学活性3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オ
ン、該化合物を高収率、高純度に製造できるため極めて
有用である。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記式(1)−1 【化1】 で表される(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペ
ンタデセン−1−オン。 - 【請求項2】 下記式(1)−1 【化2】 で表される(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペ
ンタデセン−1−オンおよび/または下記式(1)−2 【化3】 で表される(S)−(+)−3−メチル−5−シクロペ
ンタデセン−1−オンを有効成分として含有することを
特徴とする香料組成物。 - 【請求項3】 下記式(3)−1 【化4】 で表される(R)−(−)−3−メチル−5−ヘキセン
ニトリルを、有機溶媒中、10−ウンデセニル−1−マ
グネシウムハライド(C11H21MgX)とカップリ
ング反応せしめて下記式(2)−1 【化5】 で表される(R)−(+)−4−メチル−1,16−ヘ
プタデカジエン−6−オンを形成させ、これを閉環して
下記式(1)−1 【化6】 で表される(R)−(−)−3−メチル−5−シクロペ
ンタデセン−1−オンの製法。 - 【請求項4】 下記式(3)−2 【化7】 で表される(S)−(+)−3−メチル−5−ヘキセン
ニトリルを、有機溶媒中、10−ウンデセニル−1−マ
グネシウムハライド(C11H21MgX)とカップリ
ング反応せしめて下記式(2)−2 【化8】 で表される(S)−(−)−4−メチル−1,16−ヘ
プタデカジエン−6−オンを形成させ、これを閉環して
下記式(1)−2 【化9】 で表される(S)−(+)−3−メチル−5−シクロペ
ンタデセン−1−オンの製法。 - 【請求項5】 下記式(2)−1 【化10】 で表される(R)−(+)−4−メチル−1,16−ヘ
プタデカジエン−6−オン。 - 【請求項6】 下記式(2)−2 【化11】 で表される(S)−(−)−4−メチル−1,16−ヘ
プタデカジエン−6−オン。 - 【請求項7】 下記式(3)−1 【化12】 で表される(R)−(−)−3−メチル−5−ヘキセン
ニトリル。 - 【請求項8】 下記式(3)−2 【化13】 で表される(S)−(+)−3−メチル−5−ヘキセン
ニトリル。
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-
2000
- 2000-07-13 JP JP2000212320A patent/JP4495313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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