JP3497876B2 - 9Z−β−イオニリデン酢酸エステルの製造方法、および該方法に有用な中間体化合物 - Google Patents

9Z−β−イオニリデン酢酸エステルの製造方法、および該方法に有用な中間体化合物

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JP3497876B2
JP3497876B2 JP28561393A JP28561393A JP3497876B2 JP 3497876 B2 JP3497876 B2 JP 3497876B2 JP 28561393 A JP28561393 A JP 28561393A JP 28561393 A JP28561393 A JP 28561393A JP 3497876 B2 JP3497876 B2 JP 3497876B2
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    • C07C403/20Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone having side-chains substituted by carboxyl groups or halides, anhydrides, or (thio)esters thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/02Iron compounds
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、9Z−β−イオニリデ
ン酢酸エステルの製造方法、および該方法に有用な新規
な鉄カルボニル錯体化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の目的化合物である9Z−β−イ
オニリデン酢酸エステルは(式1)
【0003】
【化5】 (式中、R1 は低級アルキル基を示す)で表わすことが
でき、9Z−ビタミンA酸、9Z−ビタミンA、9Z−
ビタミンAアルデヒドおよび9Z−ビタミンAアセテー
トなどの9Z−ビタミンA関連化合物を製造するための
合成原料として重要である。
【0004】
【化6】 しかし、エステル基のα位の二重合がシス型の9Z−
β−イオニリデン酢酸エステルを選択的に製造する方法
はこれまで全く知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は安価に
かつ容易に入手できる工業原料から好収率かつ選択的に
9Z−β−イオニリデン酢酸エステルを製造する方法を
提供することにある。
【0006】また、本発明のもう1つの目的はかかる方
法に有用に使用される新規な中間体化合物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、β−イ
オノンにドデカカルボニル三鉄(0)を作用させること
により(式2)
【0008】
【化7】 で表わされる(3E)−トリカルボニル鉄[(η4
3,4,1′,2′)−4−(2′,6′,6′−トリ
メチル−1′−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−
オン]とし、このものに -CH2COOR1(式中、R1
は低級アルキル基を示す)で表わされる酢酸エステルの
エノレートアニオン体を作用させて(式3)
【0009】
【化8】 (式中、R1は低級アルキル基を示す)で表わされるヒ
ドロキシエステルを得た後、脱水反応により(式4)
【0010】
【化9】 (式中、R1は低級アルキル基を示す)で表わされるエ
ステル体とし、次いで脱鉄カルボニル化することを特徴
とする9Z−β−イオニリデン酢酸エステルの製造方法
が提供される。
【0011】なお、前述の方法において中間体化合物と
して経由する(式3)又は(式4)の鉄カルボニル錯体
化合物は、従来の文献に未載の新規な化合物である。
【0012】次に、本発明方法にしたがう9Z−β−イ
オニリデン酢酸エステルの製造について、以下のスキー
ムにしたがって説明する。
【0013】
【化10】 工程a β−イオノンとドデカカルボニル三鉄(0)とをベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族系炭化水素溶媒中で室温から
溶媒加熱還流温度の範囲で数時間から数十時間反応させ
る。この反応で生成する(式2)で示される(3E)−
トリカルボニル鉄[(η4−3,4,1′,2′)−4
−(2′,6′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキ
セニル)−3−ブテン−2−オン]は、ろ過操作などで
反応系中の不純物を取り除いたのち、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどの手段によって精製することが
できる。
【0014】工程b 工程aで得られた(3E)−トリカルボニル鉄[(η4
−3,4,1′,2′)−4−(2′,6′,6′−ト
リメチル−1′−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2
−オン]は、ジイソプロピルアミンとn−ブチルリチウ
ムから調製したリチウム ジイソプロピルアミドと酢
エステルとから得られる、酢酸エステルエノレートアニ
オン体と縮合させることにより、式(3)で表わされる
(4E)−トリカルボニル鉄[(η4−4,5,1′,
2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−1′−
シクロヘキセニル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−4
−ペンテン酸エステル]へと変換される。酢酸エステル
エノレートアニオン体の原料となる酢酸エステルとして
は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸
i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸
t−ブチルなどの低級脂肪族アルコールと酢酸とから得
られるエステル体を使用することができる。
【0015】本反応にはテトラヒドロフランなどのエー
テル系溶媒の使用が適しており、さらに収率良く目的物
を得るためには−50〜−100℃の低温で実施するこ
とが望まれる。反応時間は通常、5分から2時間の内に
完結する。反応は塩化アンモニウム水溶液などを添加す
ることによって停止し、ジエチルエーテルなどで目的物
を抽出する。さらに目的物はシリカゲルカラムクロマト
グラフィーなどの手段によって精製することができる。
【0016】工程c 工程bで得られた(式3)で表わされる(4E)−トリ
カルボニル鉄[(η4−4,5,1′,2′)−5−
(2′,6′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキセ
ニル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−ペンテン酸
エステル]を脱水反応させて、(式4)で表わされる
(2Z,4E)−トリカルボニル鉄[(η4−4,5,
1′,2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−
1′−シクロヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペン
タジエン酸エステル]を得る。
【0017】本反応は、ピリジン等の塩基性溶媒中、チ
オニルクロリドを作用させることにより行うのが有利で
ある。反応は−10〜10℃近辺の温度で実施され、反
応時間としては5分〜2時間程度で完結する。反応後、
反応液に塩酸を加え、ジエチルエーテルなどを用いた抽
出操作が行われる。本反応では、エステルのα位の二重
結合がE体である(2E,4E)−トリカルボニル鉄
[(η4 −4,5,1′,2′)−5−(2′,6′,
6′−トリメチル−1′−シクロヘキセニル)−3−メ
チル−2,4−ペンタジエン酸エステル]の生成は目的
物に比べて少量であり、目的とするZ体を選択的に製造
できるという特徴がある。また、わずかに副生したE体
と目的物とは、シリカゲルカラムクロマトグラフィなど
の手段で精製分離することができる。
【0018】工程d 次に、工程cで得られた(式4)で表わされる鉄カルボ
ニル錯体化合物を脱鉄カルボニル化させて9Z−β−イ
オニリデン酢酸エステルを得る。
【0019】この反応は、(式4)で表わされる鉄カル
ボニルに錯体化合物を、エタノール、メタノールなどの
低級アルコール溶液中、室温付近の温度で数時間、塩化
第二銅で処理することによって達成される。反応後、溶
媒を除去し、食塩水およびジエチルエーテルなどのエー
テル系溶媒を添加し、抽出するなどの後処理を行う。目
的物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーもしくは蒸
留などで精製することができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
【0021】実施例1 工程a:(3E)−トリカルボニル鉄[(η4 −3,
4,1′,2′)−4−(2′,6′,6′−トリメチ
ル−1′−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オ
ン]の合成 ベンゼン(40ml)中、β−イオノン2.86g(1
5mmol)とドデカカルボニル三鉄(0)9g(18
mmol)を加えて20時間加熱還流した。冷却後、セ
ライトを用いて固形物をろ別した。ろ液を減圧下で濃縮
し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒:15%ジエチルエーテルを含むヘキサン)で精
製し、(3E)−トリカルボニル鉄[(η4 −3,4,
1′,2′)−4−(2′,6′,6′−トリメチル−
1′−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン]
4.09g(収率85%)を得た。
【0022】化合物の確認は以下の分析データにより行
った。 分析データ IR νmax cm-1(CHCl3 ):2050,198
0,1960,1670NMR δ(200MHz,C
DCl3 ):1.22(3H,s,Me),1.41
(3H,s,Me),1.46(3H,s,Me),
1.5−1.7(4H,m,CH2 ×2),1.8−
2.1(2H,m,CH2 ),2.17(3H,s,C
OMe),2.40(1H,d,J=9Hz,3−
H),5.66(1H,d,J=9Hz,4−H) UV−VIS λmax nm(EtOH):252 HRMS m/z:Calcd C1621FeO4 (M
+ +H)333.0763 Found:333.07
93
【0023】実施例2 工程b:(4E)−トリカルボニル鉄[(η4−4,
5,1′,2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチ
ル−1′−シクロヘキセニル)−3−ヒドロキシ−3−
メチル−4−ペンテン酸エチル]の合成 ジイソプロピルアミン0.86ml(6.2mmol)
とn−ブチルリチウム3.9ml(1.5M濃度、ヘキ
サン溶液、6.2mmol)より調製したリチウム
イソプロピルアミドのテトラヒドロフラン40ml溶液
中、窒素気流下、−70℃で酢酸エチル0.61ml
(6.2mmol)のテトラヒドロフラン3ml溶液を
加えて10分間撹拌した。この溶液に、(3E)−トリ
カルボニル鉄[(η4−3,4,1′,2′)−4−
(2′,6′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキセ
ニル)−3−ブテン−2−オン]1.0g(3.1mm
ol)のテトラヒドロフラン5ml溶液を加えて更に2
0分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液5mlを加
えて反応を止め、テトラヒドロフランを減圧下で留去
後、ジエチルエーテル(60ml×3回)で抽出した。
抽出液を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去後、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶液:20%ジエチル
エーテルを含むヘキサン)で精製し、(4E)−トリカ
ルボニル鉄[(η4−4,5,1′,2′)−5−
(2′,6′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキセ
ニル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−ペンテン酸
エチル]1.14g(収率88%)を得た。
【0024】化合物の確認は以下の分析データにより行
った。 分析データ IR νmax cm-1(CHCl3 ):3500,205
0,1960 NMR δ(200MHz,CDCl3 ):1.07
(3H,s,Me),1.28(3H,t,J=7H
z,Me),1.37(3H,s,Me),1.40
(3H,s,Me),1.42(3H,s,Me),
1.4−1.6(4H,m,CH2 ×2),1.7−
2.0(2H,m,CH2 ),2.12(1H,d,J
=9Hz,4−H),2.63(2H,s,CH2 ),
3.67(1H,s,OH,disappeared
with D2 O),4.21(2H,q,J=7H
z,OCH2 ),5.17(1H,d,J=9Hz,5
−H) UV−VIS λmax nm(EtOH):237 HRMS m/z:Calcd C2027FeO5 (M
+ −OH)403.1206 Found:403.1
193
【0025】実施例3 工程c:(2Z,4E)−トリカルボニル鉄[(η4
4,5,1′,2′) −5−(2′,6′,6′−トリメチル−1′−シクロ
ヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペンタジエン酸エ
チル]の合成 (4E)−トリカルボニル鉄[(η4 −4,5,1′,
2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−1′−
シクロヘキセニル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−4
−ペンテン酸エチル]200mg(0.48mmol)
のピリジン2ml溶液中、氷冷下、チオニルクロリド
0.06mlを滴下して10分間撹拌した。反応液に1
0%塩酸20mlを加えた後、ジエチルエーテル(40
ml×3回)で抽出した。抽出液を10%塩酸および飽
和塩化ナトリウム溶液の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を除去後、残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:10%ジエチルエーテル
を含むヘキサン)で精製し、第一フラクションより、
(2Z,4E)−トリカルボニル鉄[(η4 −4,5,
1′,2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−
1′−シクロヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペン
タジエン酸エチル]124mg(収率65%)、第二フ
ラクションより(2E,4E)−トリカルボニル鉄
[(η4 −4,5,1′,2′)−5−(2′,6′,
6′−トリメチル−1′−シクロヘキセニル)−3−メ
チル−2,4−ペンタジエン酸エチル]20mg(収率
10%)を得た。
【0026】化合物の確認は以下の分析データにより行
った。 (2Z,4E)−トリカルボニル鉄[(η4 −4,5,
1′,2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−
1′−シクロヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペン
タジエン酸エチル]の分析データ IR νmax cm-1(CHCl3 ):2050,197
0,1690,1605NMR δ(200MHz,C
DCl3 ):1.28(3H,t,J=7Hz,M
e),1.37(3H,s,Me),1.39(3H,
s,1−Me),1.43(3H,s,Me),1.4
−1.7(4H,m,CH2 ×2),1.79(3H,
s,Me),1.8−2.0(2H,m,CH2 ),
4.18(2H,q,J=7Hz,OCH2 ),4.7
2(1H,d,J=10Hz,4−H),5.33(1
H,d,J=10Hz,5−H),5.64(1H,
s,2−H)UV−VIS λmax nm(EtOH):
285 HRMS m/z:Calcd C2026FeO5 (M
+ )402.1128 Found:402.1140 (2E,4E)−トリカルボニル鉄[(η4 −4,5,
1′,2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−
1′−シクロヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペン
タジエン酸エチル]の分析データ IR νmax cm-1(CHCl3 ):2040,197
0,1700,1610NMR δ(200MHz,C
DCl3 ):1.28(3H,s,Me),1.30
(3H,t,J=7Hz,Me),1.43(3H,
s,Me),1.49(3H,s,Me),1.5−
1.8(4H,m,CH2 ×2),1.8−2.0(2
H,m,CH2 ),2.27(3H,s,Me),2.
67(1H,d,J=9Hz,4−H),4.18(2
H,q,J=7Hz,OCH2 ),5.38(1H,
d,J=9Hz,5−H),5.79(1H,s,2−
H) UV−VIS λmax nm(EtOH):280 HRMS m/z:Calcd C2026FeO5 (M
+ )402.1128Found:402.1121
【0027】実施例4 工程d:9Z−β−イオニリデン酢酸エチルの合成 (2Z,4E)−トリカルボニル鉄[(η4 −4,5,
1′,2′)−5−(2′,6′,6′−トリメチル−
1′−シクロヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペン
タジエン酸エチル]150mg(0.37mmol)の
エチルアルコール10ml溶液に、室温で塩化第二銅2
51mg(1.86mmol)のエチルアルコール3m
l溶液を加え5時間撹拌した。エチルアルコールを減圧
留去後、ジエチルエーテル(20ml×3回)で抽出し
た。抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:10%ジエチ
ルエーテルを含むヘキサン)で精製し、9Z−β−イオ
ニリデン酢酸エチル83mg(収率85%)を得た。
【0028】9Z−β−イオニリデン酢酸エチルの分析
データ NMR δ(200MHz,CDCl3 ):1.06
(3H,s,1−Me),1.08(3H,s,1−M
e),130(3H,t,J=7Hz,Me),1.4
−1.9(4H,m,CH2 ×2),1.81(3H,
s,5−Me),2.1−2.4(2H,m,C
2 ),2.08(3H,s,9−Me),4.19
(2H,q,J=7Hz,OCH2 ),5.67(1
H,s,10−H),6.63(1H,d,J=16H
z,7−H),7.68(1H,d,J=16Hz,8
−H)
【0029】参考例 9Z−β−イオニリデン酢酸エチルからの9Z−レチノ
イン酸の合成
【0030】(1)9Z−β−イオニリデンアセトアル
デヒドの合成 氷冷下、窒素気流中、LiAlH4 24mg(0.63
mmol)のジエチルエーテル懸濁液20mlに、9Z
−β−イオニリデン酢酸エチル83mg(0.32mm
ol)のジエチルエーテル溶液8mlをゆっくり加え、
更に2時間撹拌した。過剰のLiAlH4 を飽和酒石酸
カリウムナトリウム溶液で分解後、セライトを用いてろ
過した。ろ液を塩化メチレンで抽出し、さらに硫酸ナト
リウムで乾燥した。この塩化メチレン溶液を総量が約3
0mlになるまで溶媒を留去し、二酸化マンガン550
mg(6.3mmol)を加えて14時間振とうした。
二酸化マンガンをセライトでろ過し、二酸化マンガンは
塩化メチレンで良く洗浄した。ろ液を濃縮して残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:20
%ジエチルエーテルを含むヘキサン)で精製し、9Z−
β−イオニリデンアセトアルデヒド39mg(収率69
%)を得た。
【0031】9Z−β−イオニリデンアセトアルデヒド
の分析データ NMR δ(200MHz,CDCl3 ):1.06
(3H,s,1−Me×2),1.4−1.9(4H,
m,CH2 ×2),1.75(3H,s,5−Me),
2.1−2.4(2H,m,CH2 ),2.10(3
H,s,9−Me),5.87(1H,d,J=8H
z,10−H),6.63(1H,d,J=16Hz,
7−H),7.10(1H,d,J=16Hz,8−
H),10.18(1H,d,J=8Hz,CHO)
【0032】(2)9Z−レチノイン酸エチルの合成 氷冷下、窒素気流中、トリエチル 3−メチル−4−ホ
スホノクロネート693mg(2.8mmol)のテ
トラヒドロフラン20ml溶液中に、n−ブチルリチウ
ム1.9ml(1.5M濃度、ヘキサン溶液,2.8m
mol)を滴下後、室温で20分間撹拌した。氷却下、
β−イオニリデンアセトアルデヒド300mg(1.4
mmol)のテトラヒドロフラン5mlをゆっくりと加
え、更に30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液
3mlを加えて反応を停止し、テトラヒドロフランを減
圧下留去後、ジエチルエーテル(20ml×3回)で抽
出した。抽出液は飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:10%ジ
エチルエーテルを含むヘキサン)で精製し、9Z−レチ
ノイン酸エチル379mg(収率84%)を得た。
【0033】9Z−レチノイン酸エチルの分析データ NMR δ(200MHz,CDCl3 ):1.03
(6H,s,1−Me×2),1.29(3H,t,J
=7Hz,Me),1.4−1.7(4H,m,CH2
×2),1.75(3H,s,5−Me),2.01
(3H,s,9−Me),2.02(2H,br t,
J=7Hz,CH2 ),2.35(3H,s,13−M
e),4.18(2H,q,J=7Hz,OCH2 ),
5.78(1H,s,14−H),6.06(1H,
d,J=11.5Hz,10−H),6.23(1H,
d,J=15Hz,12−H),6.28(1H,d,
J=16Hz,7−H),6.67(1H,d,J=1
6Hz,8−H),7.10(1H,dd,J=15,
11.5Hz,11−H)
【0034】(3)9Z−レチノイン酸の合成 9Z−レチノイン酸エチル50mg(0.15mmo
l)のメタノール溶液5mlへ、25%水酸化ナトリウ
ム水溶液3mlを加えた後、50℃で4時間撹拌した。
冷却後、メタノールを留去し、水15mlを加えてジエ
チルエーテル(10ml×2回)で抽出した。水層を、
冷却しながら10%塩酸で酸性にし、酢酸エチル(15
ml×3回)で抽出した。抽出液を飽和塩化ナトリウム
溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒:10%ジエチルエーテルを含むヘキサン)で精
製し、9Z−レチノイン酸32mg(収率70%)を得
た。
【0035】9Z−レチノイン酸の分析データ NMR δ(200MHz,CDCl3):1.03
(6H,s,1−Me×2),1.4−1.7(4H,
m,CH2×2),1.77(3H,s,5−Me),
2.03(3H,s,9−Me),2.06(2H,b
r t,J=7Hz,CH2),2.36(3H,s,
13−Me),5.82(1H,s,14−H),6.
09(1H,d,J=11Hz,10−H),6.28
(1H,d,J=15Hz,12−H),6.32(1
H,d,J=15.5Hz,7−H),6.68(1
H,d,J=15,5Hz,8−H),7.16(1
H,dd,J=15,11Hz,11−H
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、安価にかつ容易に入手
できるβ−イオノンを出発原料に用いて好収率かつ選択
的に9Z−β−イオニリデン酢酸エステルを製造するこ
とができる。9Z−β−イオニリデン酢酸エステルは、
9Z−ビタミンA酸、9Z−ビタミンA、9Z−ビタミ
ンAアルデヒド、9Z−ビタミンAアセテートなどの9
Z−ビタミンA関連化合物を製造するための合成原料と
して重要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−239832(JP,A) 特開 昭52−57107(JP,A) 特公 昭38−1633(JP,B1) 特公 昭40−20852(JP,B1) 特公 昭37−11820(JP,B1) 特公 昭37−3719(JP,B1) 特公 昭37−6525(JP,B1) 特公 昭36−16023(JP,B1) J. Organometallic Chemistry,1986年,Vo l.302,No.1,C13−C16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 403/00 C07F 15/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式3)又は(式4) 【化1】 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で表される鉄
    カルボニル錯体化合物。
  2. 【請求項2】 β−イオノンにドデカカルボニル三鉄
    (0)を作用させることにより(式2) 【化2】 で表わされる(3E)−トリカルボニル鉄[(η4
    3,4,1′,2′)−4−(2′,6′,6′−トリ
    メチル−1′−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−
    オン]とし、このものに -CH2COOR1(式中、R1
    は低級アルキル基を示す)で表わされる酢酸エステルの
    エノレートアニオン体を作用させて(式3) 【化3】 (式中、R1は低級アルキル基を示す)で表わされるヒ
    ドロキシエステルを得た後、脱水反応により(式4) 【化4】 (式中、R1は低級アルキル基を示す)で表わされるエ
    ステル体とし、次いで脱鉄カルボニル化することを特徴
    とする9Z−β−イオニリデン酢酸エステルの製造方
    法。
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