JP2824159B2 - (S)−(−)−α−ダマスコンの製法 - Google Patents

(S)−(−)−α−ダマスコンの製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルーツ様あるいはフ
ラワー様の香気香味を有し、食品用あるいは香粧品用の
調合香料の素材として有用な(s)−(−)−α−ダマ
スコンの新規な製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、本発明の後記式(1)で表される
(s)−(−)−α−ダマスコンの製法に関しては、本
発明者らが知る限りではJ.Am.Chem.So
c.,Vol.110,No.20,1988に記載さ
れる方法のみである。さらに後記式(1)の化合物の合
成に有用な後記式(3)の化合物はそのラセミ体につい
ては知られているが、該式(3)の化合物に特定された
物質は従来の文献には見当たらない新規な化合物であ
る。また、近年Ohloffらによって紅茶中のα−ダ
マスコンの絶対立体配置が(S)一体であることが確認
され、(S)一体は(R)一体に比べ著しく強い香気を
有していると報告されている([Tetrahedro
22,7003(1989)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
提案による方法は反応が複雑であるにもかかわらず、得
られる生成物は、(R)−(+)−α−ダマスコンおよ
び(S)−(−)−α−ダマスコンの混合物であり、そ
れぞれの光学純度を上げるためには再結晶を繰り返す必
要がるうえに、かかる操作によっても尚その光学純度は
必ずしも満足できるものではない。従って、後記式
(1)で表される(S)−(−)−α−ダマスコンのみ
を選択的に製造する方法の確立が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、
後記式(7)で表される新規な(R)−(+)−2,
4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オール
を原料として、後記式(6)、(5)、(4)、
(3)、(2)を経て、高い光学純度で選択的に本発明
の後記式(1)の(S)−(−)−α−ダマスコンを合
成することに成功した。従って、本発明の目的は、後記
式(1)の化合物の新規な製造方法を提供するにある。
【0005】本発明の式(1)の化合物の製造方法は下
記に示す反応式(A)で表すことができる。
【0006】
【化9】 式中、Buはブチル基を表し、DMSOはジメチルスル
ホキサイドを表す。
【0007】上記反応式Aに従う式(1)の化合物の製
造方法を順次詳細に説明する。まず、上記式(7)の化
合物から上記式(6)の化合物を合成するには、上記式
(7)の化合物を有機溶媒中、水素化カリウムの存在下
にトリブチルスタニルメチルアイオダイドと反応させる
ことにより行われる。
【0008】この反応で使用される式(7)の化合物
は、同一出願人による同一出願日の発明の名称「光学活
性2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−
オール及びその製法」の明細書に記載された方法により
容易に合成することができる。その概要は、例えば下記
の反応式Bによって示すことができる。
【0009】
【化10】
【0010】式中、AcOは無水酢酸を、DMAPは
ジメチルアミノピリジンを夫々示す。すなわち、エチル
ビニルケトンとイソブチルアルデヒドから式(a)で表
される2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−
1−オンを合成し、これを還元して式(b)で表される
ラセミ体の2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセ
ン−1−オールに導き、該ラセミ体アルコールを、従来
既知の酢酸エステル化反応を採用することにより、式
(c)で表される(±)−2,4,4−トリメチル−2
−シクロヘキセニルアセテートに容易に導くことができ
る。
【0011】このようにして得られた、ラセミ体のアセ
テートを、例えばブタ肝臓エステラーゼ、ブタすい臓リ
パーゼ等のエステル分解酵素を用いて不斉加水分解し、
更にシリカゲルクロマトグフィー等によって精製するこ
とにより、100%e.e.(enanthio ex
cess:光学収率)の(R)−(+)−2,4,4−
トリメチル−シクロヘキセン−1−オール[式(7)の
化合物]を容易に得ることができる。
【0012】前記反応式(A)において、式(6)の化
合物の形成反応は低温で行うのが好ましく、通常は例え
ば約−10℃〜+10℃程度の範囲で行われる。反応時
間は適宜に選択することができるが、例えば約3〜5時
間程度が適当である。
【0013】水素化カリウムの使用量は、トリブチルス
タニルメチルアイオダイド1モルに対して例えば約1〜
2モル程度とすることができる。この水素化カリウム
は、一般に市販されている約20%のヌジョールサスペ
ンジョンを使うのが便利である。またトリメチルスタニ
ルメチルアイオダイドの使用量は、式(7)の化合物1
モルにつき、例えば約1〜2モル程度の範囲が適当であ
る。この反応における有機溶媒は、例えばジメチルスル
ホキシド、テトラヒドロフランなどがよく使用される
が、これに限定されることなく通常の有機溶媒が使用可
能である。これらの溶媒は、式(7)の化合物に対して
例えば約5〜20重量倍程度の範囲で使用される。反応
終了後は、例えばエーテルのごとき溶媒で生成物を抽出
し、濃縮し、所望によりカラムクロマトグラフィーなど
の手段で精製して式(6)の化合物が高収率、高純度で
得られる。
【0014】上述のようにして得られる上記式(6)の
化合物から上記式(5)の化合物を合成するには、上記
式(6)の化合物を、有機溶媒中n−ブチルリチウムと
反応させて行うことができる。この反応は、例えば約−
20℃〜約−78℃程度の温度範囲で約1〜約2時間か
けて行われる。この反応に使用される有機溶媒は、例え
ばテトラヒドロフランが好ましく、またその使用量は特
に制約されるものではないが、例えば上記式(6)の化
合物に対して約5〜20重量倍程度の範囲がよく使用さ
れる。また、n−ブチルリチウムの使用量は、上記式
(6)の化合物1モルに対して約1〜2モル程度とする
ことができる。反応終了後は、反応液を塩化アンモニウ
ム水溶液中に注ぎ、例えばエーテルのごとき有機溶媒で
生成物を抽出し、濃縮して、所望によりカラムクロマト
グラフィーなどで精製することにより上記式(5)の化
合物が高純度、好収率で得られる。
【0015】次に上記式(4)の化合物を合成するに
は、上記で得られる上記式(5)の化合物を有機溶媒
中、シュウ酸クロライドの存在下にジメチルスルホキシ
ドで酸化反応させることにより行われる。この反応は、
例えば約−50℃〜−78℃程度の低温で行うのが好ま
しく、この程度の温度条件下に、反応は例えば約20〜
30分間程度行われる。シュウ酸クロライドは、上記式
(5)の化合物1モルに対して、例えば約1〜3モル程
度使用される。また、ジメチルスルホキシドは、上記式
(5)の化合物に1モル対して例えば約1〜10モル程
度の範囲で使用される。また、有機溶媒はジクロルメタ
ンのごとき溶媒が好ましく、その使用量は、上記式
(5)の化合物に対して例えば約2〜10重量倍程度の
範囲がしばしば採用される。反応終了後は、反応液中に
トリエチルアミンのごときアルカリの適当量を添加し、
反応生成物をエーテルのごとき有機溶媒で抽出し、濃縮
後、所望によりカラムクロマトグラフィーのごとき手段
で精製して、上記式(4)の化合物が高純度、高収率で
得られる。
【0016】上述のようにして得られる上記式(4)の
化合物から上記式(3)の化合物を合成するには、上記
式(4)の化合物を有機溶媒中、別に調製したプロパギ
ルマグネシウムハライドとグリニアール反応させて行わ
れる。この反応は室温程度で、例えば約1〜2時間程度
かけて行われる。有機溶媒はテトラヒドロフランが使用
されるが、この他の通常グリニアール反応に使用される
有機溶媒であれば使用できる。この溶媒の使用量は適宜
に選択使用されるが、例えば上記式(4)の化合物に対
して約1〜10重量倍程度が適当な範囲である。また、
プロパギルマグネシウムハライドは上記式(4)の化合
物1モルに対して例えば約1〜10モル程度の範囲で使
用される。プロパギルマグネシウムハライドとしては、
プロパギルマグネシウムアイオダイドがより好ましいが
他のハライドでも差し支えない。反応終了後は、反応液
を常法に従って、塩化アンモニウム水溶液中に注ぎエー
テル抽出し、濃縮して所望によりカラムクロマトグラフ
ィーなどの手段により精製して、高純度、高収率で上記
式(3)の化合物が得られる。
【0017】上記式(3)の化合物からの上記式(2)
の化合物の合成は、上述のようにして得られる上記式
(3)の化合物を有機溶媒中、還元剤で水素化反応する
ことにより行われる。この反応に使用される還元剤は、
水素化リチウムアルミニウムがより好ましいが、例えば
Red−Al[Sodium bis(2−metho
xyethoxy)alminium hydroxi
de](ALDRICH社)などの他の還元剤も使用す
ることができる。これらの還元剤の使用量は、例えば上
記式(3)の化合物1モルに対して例えば約1〜10モ
ル程度の範囲とすることができる。有機溶媒はテトラヒ
ドロフランがよいが他の有機溶媒も使用可能である。反
応系に、例えばナトリウムメトキシドなどのごときアル
カリを添加することにより反応が促進されるのでより好
ましい。このようなアルカリの使用量は、上記式(3)
の化合物1モルに対して例えば約1〜約3モル程度であ
る。反応温度および反応時間は、例えば室温程度の温度
で約10〜30時間程度の範囲とすることができる。反
応終了後は生成物をエーテルのごとき溶媒で抽出し、濃
縮して所望によりカラムクロマトグラフィーのごとき手
段で精製して、高収率、高純度で上記式(2)の化合物
が得られる。
【0018】本発明の上記式(1)の化合物は、上記で
得られる上記式(2)の化合物を有機溶媒中、酸化剤の
存在下に酸化反応させることにより合成される。この酸
化反応は、使用する酸化剤の種類にもよるが通常は、例
えば約0〜約50℃程度の温度で、約5〜100時間程
度反応して行われる。酸化剤としは、通常活性二酸化マ
ンガンがよく使用されるが、他の酸化剤、例えばPDC
(ピリジウムジクロメート)なども使用される。有機溶
媒としてはアセトン、塩化メチレン、n−ペンタンなど
がよく使用され、これらの溶媒の使用量は、例えば上記
式(2)の化合物に対して約5〜約20重量倍程度の範
囲とすることができる。反応終了後、溶媒を濃縮して、
例えばカラムクロマトグラフィーのごとき手段で精製す
ることにより本発明の上記式(1)の化合物が高純度、
高収率で得られる。
【0019】以下、参考例及び実施例により本発明の数
態様をさらに具体的に説明する。
【実施例】
【参考例1】2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキ
セン−1−オン[式(a)の化合物]の合成 エチルビニルケトン75.0g(892mmol)とイ
ソブチルアルデヒド96.4g(1.34mol)の混
合物を50℃以下に保ち、かき混ぜながら濃硫酸2.2
5mlを少しづつ加えた。混合液を室温で5時間かき混
ぜた後、Dean−Stark trapを装着し、還
流条件下に16時間反応を行った。残渣を減圧蒸留し、
b.p.54〜55℃/5Torrの2,4,4−トリ
メチル−2−シクロヘキセン−1−オン86.2gを得
た。
【0020】
【参考例2】(±)−2,4,4−トリメチル−2−シ
クロヘキセン−1−オール[式(b)の化合物]の合成 エーテル800mlに水素化リチウムアルミニウム1
8.5g(486mmol)を溶解し、この溶液をかき
混ぜながら0℃に冷却し、参考例1で得られたケトン体
67.1g(486mmol)をエーテル300mlに
溶解した溶液を滴下した。0℃で1時間かき混ぜた後、
水を少しづつ加えて水素化リチウムアルミニウムを分解
した。固形物をろ過し洗浄後、濾液を濃縮して残渣を減
圧蒸留してb.p.,89〜90℃/19Torrの
(±)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン
−1−オール62.8gを得た。
【0021】
【参考例3】(±)−2,4,4−トリメチル−2−シ
クロヘキセニルアセテート[式()の化合物]の合成 参考例2で得られたラセミ体アルコール61.5g(4
39mmol)、無水酢酸67.3g(659mmo
l)及びピリジン77mlの混合物をかき混ぜながら0
℃に冷却し、そこへDMAP4.3g(35.2mmo
l)をすこしづつ加えた。さらに0℃で1時間かき混ぜ
た後、反応液を氷水中に注ぎエーテルで抽出する。抽出
物を硫酸銅水溶液、炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後エーテルを回収
し、残渣を減圧蒸留してb.p.82〜84℃/10.
5Torrの(±)−2,4,4−トリメチル−2−シ
クロヘキセニルアセテート75.7gを得た。
【0022】
【参考例4】(R)−(+)−2,4,4−トリメチル
−2−シクロヘキセン−1−オール[式(7)の化合
物]の合成 式(c)の化合物26.3g(145mmol)を0.
1モル燐酸バッファー(イオン交換水:メタノール=
8:2;pH7.5)1.11中に分散させ、激しくか
き混ぜながら−10℃に冷却し、ブタ肝臓エステラーゼ
(シグマ社製)50250unitを加えて65時間酵
素分解を行った。反応液を食塩と塩化アンモニウムで飽
和させ、エーテルで3回抽出した。抽出液を炭酸ナトリ
ウム、食塩水で洗浄し、炭酸マグネシウムで乾燥後エー
テルを回収し、残渣27.5gをシリカゲルクロマトグ
ラフィーにより精製した。その結果、式(7)の化合
物、(R)−(+)−2,4,4−トリメチル−2−シ
クロヘキセン−1−オール5.32gを得た。この化合
物の物性値は、b.p.63〜64℃/3Torr;
[α]=+95.7゜(21℃)(C=1.13、M
eOH);100%e.e.であった。
【0023】
【実施例1】(R)−(+)−2,4,4,−トリメチ
ル−2−シクロヘキセン−1−イル−トリブチルスタニ
ルメチルエーテル[式(6)化合物]の合成 フラスコに20%KH14.9g(74.3mmo
l)、THF190ml及びDMF48mlを仕込み、
この混合溶液を氷水で冷却し、かき混ぜながら0℃にて
式(7)の(R)−(+)−2,4,4−トリメチル−
2−シクロヘキセン−1−オール8g(57.1mmo
l)をTHF57mlに溶解した溶液を滴下する。0℃
で1時間かき混ぜた後、同温でBuSnCHI3
2.7g(76mmol)を加え、室温で2時間かき混
ぜながら反応させる。反応液を氷水中に注ぎエーテルで
抽出する。エーテル層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶液をエバポレーターで濃縮して残渣を
シリカゲルクロマトグラフィーで精製して式(6)のエ
ーテル体19.5gを得た。
【0024】
【実施例2】(S)−(−)−α−シクロゲラニオール
[式(5)の化合物]の合成 実施例1で得られたエーテル体19.5gをTHF28
0mlに溶解し、この溶液を−78℃に冷却する。そこ
へ1.66M濃度のn−BuLi36ml(57mmo
l)を−78℃に保ちながら滴下し、同温で1時間かき
混ぜた後さらに1時間かけて−20℃まで徐々に昇温す
る。反応液を塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、エーテ
ルで抽出する。抽出液を洗浄後、乾燥して濃縮し、残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、式
(5)の(S)−(−)−α−シクロゲラニオール3.
89gを得た(Y=57%)。その物性値は次のとおり
であった。b.p.56〜60℃/4Torr;[α]
=−116.0゜(21℃)。
【0025】
【実施例3】(S)−(−)−α−シクロシトラール
[式(4)の化合物]の合成 塩化メチレン23mlにシュウ酸クロライド0.85m
l(9.7mmol)を溶解し、−78℃に冷却し、そ
こへ塩化メチレン2.3mlに溶解したDMSO1.0
4ml(14.6mmol)を滴下する。−78℃で5
分間かき混ぜた後、実施例2で得られた式(5)のアル
コール1.0g(6.5mmol)を塩化メチレン7m
lに溶解した溶液を同温で滴下し、−78℃で15分間
かき混ぜる。次いで、トリエチルアミン4.07ml
(29.2mmol)を加え、−78℃で10分間かき
混ぜた後0℃まで昇温する。氷水を加え、エーテルで抽
出する。エーテル層を洗浄、乾燥後濃縮し粗製の式
(4)の(S)−(−)−α−シクロシトラール0.9
5gを得た(Y=97%)。
【0026】
【実施例4】(S)−(−)−デヒドローα−ダマスコ
ール[式(3)の化合物]の合成 実施例3で得られた式(4)のアルデヒド650mg
(4.28mmol)をTHF7mlに溶解した溶液中
に、室温下でプロパギルマグネシウムブロマイド(0.
5MinTHF)43ml(21mmol)を滴下す
る。室温下で1時間かき混ぜた後、塩化アンモニウム水
溶液中に注ぎ、エーテル抽出する。エーテル層を洗浄
後、乾燥して濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィーで精製し式(3)の(S)−(−)−デヒドロ−α
−ダマスコール645mgを得た。該新規化合物の物性
は以下のとおりであった。b.p.95〜100℃/T
orr;H−NMR(90MHz,CDCl)δ=
0.88(s,3H)、1.03(s,3H)、1.1
〜2.2(m,6H)、1.83(d,3H)、1.9
8(s,3H)、4.62(d,1H)、5.72
(m,1H)。
【0027】
【実施例5】 実施例4で得られた式(3)の化合物をTHF10ml
に溶解し、そこへTHF7mlに溶解した水素化リチウ
ムアルミニウム(LAH)269mg(7.08mmo
l)及びナトリウムメチラート227mg(3.54m
mol)を加え、室温下で約20時間かき混ぜて反応を
行う。反応液を氷水で冷却し、水を少量加えて過剰のL
AHを分解する。固形物をろ過別しエーテル洗浄後、ろ
液と洗液を合わせて濃縮し、残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製して式(2)のアルコール体262m
gを得た。
【0028】
【実施例6】 実施例5で得られた式(2)のアルコール体170mg
(0.88mmol)をアセトン9mlに溶解し、活性
化した二酸化マンガン2gを加え、室温下で70時間か
き混ぜ反応を行う。二酸化マンガンを濾別し、アセトン
で洗浄する。濾液と洗液を合わせて濃縮し、残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーにて精製し、式(1)の
(S)−(−)−α−ダマスコン112mgを得た(Y
=67%)。これをヘキサンから結晶化して86mgの
結晶を得た。m.p.17〜18℃;[α]=−50
1.5°(21℃)(C=1.2,CHCl)。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高光学純度を有する新
規化合物(R)−(+)−2,4,4−トリメチル−2
−シクロヘキセン−1−オールを出発原料とすることに
より、香料物質として有用な(S)−(−)−α−ダマ
スコンを工業的に極めて有利に、且つ高光学純度をもっ
て製造することができる。また、本発明方法によって得
られる新規中間体の(S)−(−)−デヒドロ−α−ダ
マスコールは、光学活性な香料化合物の合成中間体とし
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/42 C07C 47/42 C11B 9/00 C11B 9/00 N (56)参考文献 特公 昭55−3328(JP,B1) Helv.Chim.Acta. (1973),56(7),P.2548−2563 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 33/14 C07C 49/557 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(7) 【化2】 で示される(R)−(+)−2,4,4−トリメチル−
    2−シクロヘキセン−1−オールを水素化カリウムの存
    在下に、トリブチルスタニルメチルアイオダイドと反応
    させて、下記式(6) 【化3】 式中、Buはブチル基を表す、 で示される(R)−(+)−2,4,4−トリメチル−
    2−シクロヘキセン−1−イル−トリブチルスタニルメ
    チルエーテルを形成させ、該式(6)の化合物をn−ブ
    チルリチウムと反応させて、下記式(5) 【化4】 で示される(s)−(−)−α−シクロゲラニオールを
    形成させ、該式(5)の化合物をシュウ酸クロライドの
    存在下、ジメチルスルホキシドで酸化反応させて、下記
    式(4) 【化5】 で示される(s)−(−)−α−シクロシトラールを形
    成させ、該式(4)の化合物をプロパギルマグネシウム
    ハライドとグリニアール反応させて、下記式(3) 【化6】 で示される(s)−(−)−デヒドロ−α−ダマスコー
    ルを形成させ、該式(3)の化合物を還元剤の存在下に
    水素化反応させて、下記式(2) 【化7】 で示される(s)−(−)−α−ダマスコールを形成さ
    せ、該式(2)の化合物を酸化剤の存在下に酸化反応さ
    せることを特徴とする下記式(1) 【化8】 で示される(s)−(−)−α−ダマスコンの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Helv.Chim.Acta.(1973),56(7),P.2548−2563

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JPH04279536A (ja) 1992-10-05

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