JP2001322965A - 光学活性ムスコンの製法及び新規中間体 - Google Patents
光学活性ムスコンの製法及び新規中間体Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C49/00—Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
- C07C49/385—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring
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Abstract
ンを高収率、高純度に製造できる新規な製法を提供す
る。 【解決手段】 下記式(4)−1 【化1】 で表される(R)−(−)−3−メチル−6−ヘプテン
ニトリルおよび下記式(4)−2 【化2】 で表される(S)−(+)−3−メチル−6−ヘプテン
ニトリルを出発原料として、オレフィンメタセシス反応
をキーステップとする光学活性ムスコンの製法。(R)
−(−)−および(S)−(+)−3−メチル−6−ヘ
プテンニトリルは新規化合物である。
Description
光学活性ムスコンを高収率、高純度に製造できる新規な
製法および光学活性ムスコンの製造のために有用な新規
中間体に関する。
ノン)は、その光学異性体である(R)−(−)−体が
天然麝香の主要香気成分として存在し、特に、この
(R)−(−)−体は、(S)−(+)−体に比べて、
より強く、拡散性が優れたボリューム感のある香気を有
し、重要なムスク系合成香料である。
提案がなされ、例えば、ドデカン−1,12−ジアール
を出発原料とする合成法(特開昭55−111438号
公報)、ノナジエン酸エステルからの合成法(Tetrahed
ron Lett.,2257(1979))、シクロドデセンを出発原料と
する合成法(J.Org.Chem.,52,3798-3806(1987))などが
提案されている。
は、例えば、3−メチル−2−シクロペンタデセン−1
−オンにルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触媒と
して不斉水素化する方法(特開平6−192161号公
報)、R体またはS体のシトロネラールと、ハロゲン化
不飽和炭化水素を反応する方法(特開2000−263
61号公報)などが提案されている。しかしながら、上
記の特開平6−192161号公報で提案されている光
学活性ムスコンの合成法は、使用されている触媒が再利
用可能であること、および高収率であるなど有効な合成
法であるが、出発原料が高価であるなどの問題がある。
また、上記の特開2000−26361号公報で提案さ
れている合成法は、光学活性シトロネラールとハロゲン
化不飽和炭化水素を反応させ、得られる11−ヒドロキ
シ−13,17−ジメチルオクタデカ−1,16−ジエ
ン誘導体とし、オゾン酸化を行った後、閉環して製造さ
れており必ずしも工業的に有利な合成法とは言い難い。
な原料を使用して、かつ高収率で、更に簡便な方法によ
り、工業的に有利に光学活性ムスコンを製造する方法を
提供することである。
コンの製造のために有用な新規中間体を提供することで
ある。
記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、上記式
(4)−1または上記式(4)−2で表される(R)−
(−)−または(S)−(+)−3−メチル−6−ヘプ
テンニトリルを出発原料として9−デセン−1−マグネ
シウムハライドと反応し、閉環するという簡便な方法
で、且つ高収率で光学活性ムスコンが得られることを見
出し本発明を完成した。
ニトリルを、有機溶媒中、9−デセン−1−マグネシウ
ムハライド(C10H19MgX)とカップリング反応
せしめて下記式(3)−1
ジエン−7−オンを形成させ、これを閉環して下記式
(2)−1
ン−1−オンとし、該式(2)−1の化合物のオレフィ
ンを水素化してなることを特徴とする下記式(1)−1
ニトリルを、有機溶媒中、9−デセン−1−マグネシウ
ムハライド(C10H19MgX)とカップリング反応
せしめて下記式(3)−2
ジエン−7−オンを形成させ、これを閉環して下記式
(2)−2
ン−1−オンとし、該式(2)−2の化合物のオレフィ
ンを水素化してなることを特徴とする下記式(1)−2
で表される(R)−(−)−または(S)−(+)−3
−メチル−6−ヘプテンニトリルは文献未記載の新規化
合物である。
−1の化合物から式(1)−1の化合物を合成する態様
を反応行程[以下、(A)製法と称す]で示すと、以下
の如くになる。(A)製法
ら式(1)−2の化合物を合成する態様を反応行程[以
下、(B)製法と称す]で示すと、以下の如くとなる。(B)製法
よび(B)製法に従って合成することができる。本発明
の出発原料である式(4)−1の化合物および式(4)
−2の化合物の製法は、特に限定されないが、例えば、
式(4)−1の化合物は下記式(9)−1の化合物から
容易に合成することができる。式(9)−1の化合物か
ら式(4)−1の化合物を合成する態様を反応行程[以
下、(C)製法と称す]で示すと、以下の如くとなる。(C)製法
ル基、DMSOはジメチルスルホキシドを示す] また例えば、式(4)−2の化合物は下記式(9)−2
の化合物から容易に合成することができる。式(9)−
2の化合物から式(4)−2の化合物を合成する態様を
反応行程[以下、(D)製法と称す]で示すと、以下の
如くとなる。(D)製法
程で示したものと同じ意味を示す] また、式(4)−2の化合物は、式(9)−1の化合物
からも容易に合成することができる。式(9)−1の化
合物から式(4)−2の化合物を合成する態様を反応行
程[以下、(E)製法と称す]で示すと、以下の如くと
なる。(E)製法
程で示した物と同じ意味を示す] 以下、上記の(A)製法及び(B)製法に従い、各工程
別に詳細に説明する。 (A)製法 (R)−5−メチル−1,16−ペンタデカジエン−7
−オン[式(3)−1の化合物]の合成(第1行程) 式(4)−1の化合物を有機溶媒中カップリング触媒の
存在下に9−デセン−1−マグネシウムハライドとカッ
プリング反応させる第1行程により式(3)−1の化合
物を容易に製造できる。
えば、約−20℃〜約70℃程度、より好ましくは約2
0℃〜約40℃の温度範囲で、約1時間〜約2時間程度
を採用することができる。使用する9−デセン−1−マ
グネシウムハライドのハロゲン原子の種類としては、例
えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることがで
き、その使用量は式(4)−1の化合物1モルに対し
て、例えば、約1モル以上、より好ましくは約1.2モ
ル〜約2モル程度の範囲を例示できる。
は、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキ
シエタン、トルエンなどを示すことができる。これらの
有機溶媒の使用量は、例えば、式(4)−1の化合物1
重量部に対して約1〜約10重量部の範囲を例示でき
る。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロ
マトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に採用して
高収率、高純度に式(3)−1の化合物が得られる。
セン−1−オン[式(2)−1の化合物]の合成(第2
行程) 式(3)−1の化合物をオレフィンメタセシス反応によ
る第2行程により式(2)−1の化合物を容易に製造で
きる。
えば、約−10℃〜約100℃程度、より好ましくは約
40℃〜約50℃の温度範囲で、約1時間〜約3時間程
度を採用することができる。この反応で使用できる触媒
としては、例えば、下記式(a)及び(b)
化合物を挙げることができ、その使用量は式(3)−1
の化合物1モルに対して、約0.01モル〜約0.10
モル程度を採用することができる。また、この反応に用
いる有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、
エーテル、ジメトキシエタン、トルエン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素などを示すことができ
る。これらの有機溶媒の使用量は、例えば、式(3)−
1の化合物1重量部に対して約10〜約1000重量部
の範囲を例示できる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、
蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段
を適宜に採用して高収率、高純度に式(2)−1の化合
物が得られる。
の化合物]の合成(第3行程) 式(2)−1の化合物のオレフィンを水素化する第3行
程により式(1)−1の化合物を容易に製造できる。
えば、約10℃〜約100℃程度、より好ましくは約3
0℃〜約50℃の温度範囲で、約1時間〜約3時間程度
を採用することができる。この反応で使用できる触媒と
しては、例えば、Pd−C、Ru−C、Pt−C、Pd
−Alumina、Ru−Aluminaを挙げること
ができ、その使用量は式(2)−1の化合物の重量を基
準として、約2重量%〜約10重量%程度を採用するこ
とができる。また、この反応に用いる有機溶媒として
は、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキ
シエタン、トルエン、エタノール、ヘキサンなどを示す
ことができる。これらの有機溶媒の使用量は、例えば、
式(2)−1の化合物1重量部に対して約1〜約10重
量部の範囲を例示できる。反応終了後、洗浄、抽出、乾
燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離
手段を適宜に採用して高収率、高純度に式(1)−1の
化合物が得られる。
いて、(B)製法に従って説明する。(B)製法 本発明のもう一方の目的化合物である式(1)−2で表
される(S)−(+)−ムスコンは、鏡像関係にある式
(1)−1で表される(R)−(−)−ムスコンの合成
法に準じて製造することができる。
て、式(3)−2で表される(S)−5−メチル−1,
16−ヘプタデカジエン−7−オンを合成する第4行程
は、前記(A)製法の式(4)−1の化合物を式(4)
−2の化合物に変える以外は(A)製法と同様に合成す
ることができる。以下同様にして、式(2)−2の化合
物を合成する第5行程は、該行程に対応する第2行程;
式(1)−2の化合物を合成する第6行程は、該行程に
対応する第3行程の製造方法と同じ操作を行うことによ
り、目的とする式(1)−2で表される(S)−(+)
−ムスコンを高収率、高純度で合成することができる。
て更に詳細に説明する。
ドロピラニロキシ−2−メチルプロピル p−トルエン
スルフォネート[式(8)−1の化合物]及び(R)−
(−)−3−テトラヒドロピラニロキシ−2−メチルプ
ロピル p−トルエンスルフォネート[式(8)−2の
化合物]の合成 200mlフラスコ中に(R)−3−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチルプロパノール[式(9)−1の化
合物]8.7g(50mmol)と乾燥ピリジン60m
lを仕込み氷水冷する。p−TsCl12.4g(65
mmol)を少しづつ加えて、さらに0℃で3時間攪拌
する。反応液を冷蔵庫中で一夜放置し、氷水中に注ぎエ
ーテル抽出する。有機層を水洗、硫酸銅水洗、重ソー水
洗、ブライン洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。エーテル層をエバポレーターで濃縮し、得られた粗
製15.6gをシリカゲルカラムクロマトにて精製し
(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)、式(8)−1
の化合物15.1g(収率:92.0%)を得た。
合物に変えて式(9)−2の(S)−3−テトラヒドロ
ピラニロキシ−2−メチルプロパノールを用いた以外
は、上記と同様にして式(8)−2の化合物を得た。
ニロキシ−2−メチル−5−ヘキセン[式(7)−1の
化合物]及び(S)−1−テトラヒドロピラニロキシ−
2−メチル−5−ヘキセン[式(7)−2の化合物]の
合成 200mlフラスコ中に(S)−3−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチルプロピル p−トルエンスルフオ
ネート[式(8)−1の化合物]14.0g(43mm
ol)と乾燥テトラヒドロフラン40mlを仕込み、−
78℃に冷却する。同温で1.5Nアリルマグネシウム
クロリド/テトラヒドロフラン87ml(0.13mo
l)及び0.1NLi2CuCl4/テトラヒドロフラ
ン4ml(0.4mmol)を加え、徐々に0℃まで昇
温する。0℃で3時間攪拌後、さらに室温で16時間攪
拌する。反応液を塩化アンモニウム水に注ぎ、エーテル
抽出する。有機層をブライン洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。エーテル層をエバポレーターで濃縮
し、得られた粗製10.5gをシリカゲルカラムクロマ
トにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:
1)、式(7)−1の化合物7.7g(収率:82.6
%)を得た。
合物に変えて式(8)−2の(R)−3−テトラヒドロ
ピラニロキシ−2−メチルプロピル p−トルエンスル
フオネートを用いた以外は、上記と同様にして式(7)
−2の化合物を得た。
セン−1−オール[式(6)−1の化合物]及び(S)
−2−メチル−5−ヘキセン−1−オール[式(6)−
2の化合物]の合成 200mlフラスコ中に(R)−1−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチル−5−ヘキセン[式(7)−1の
化合物]7.6g(38mmol)、メタノール80m
l及びp−TsOH0.04g(0.2mmol)を仕
込み、室温下に5時間攪拌する。反応液にソーダ灰10
0mgを加えてクエンチし、そのまま減圧下に蒸留する
ことにより、式(6)−1の化合物3.4g(収率:7
8.8%)を得た。
合物に変えて式(7)−2の(S)−1−テトラヒドロ
ピラニロキシ−2−メチル−5−ヘキセンを用いた以外
は、上記と同様にして式(6)−2の化合物を得た。
セン−1−イル p−トルエンスルフォネート[式
(5)−1の化合物]及び(S)−2−メチル−5−ヘ
キセン−1−イル p−トルエンスルフォネート[式
(5)−2の化合物]の合成 100mlフラスコ中に(R)−2−メチル−5−ヘキ
セン−1−オール[式(6)−1の化合物]3.3g
(29mmol)と乾燥ピリジン40mlを仕込み、氷
冷下にTsCl7.3g(1.3eq.)を加え、0〜
5℃で攪拌し、冷蔵庫で一夜放置した。反応液を水にあ
けてエーテル抽出し、硫酸銅水洗浄、重曹水洗浄、ブラ
イン洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、溶剤回収し、粗製
の式(5)−1の化合物7.5gを得た(収率:96.
9%)。
合物に変えて式(6)−2の(S)−2−メチル−5−
ヘキセン−1−オールを用いた以外は、上記と同様にし
て式(5)−2の化合物を得た。
6−ヘプテンニトリル[式(4)−1の化合物]及び
(S)−(+)−3−メチル−6−ヘプテンニトリル
[式(4)−2の化合物]の合成 100mlフラスコ中に(R)−2−メチル−5−ヘキ
セン−1−イル p−トルエンスルフォネート[式
(5)−1の化合物]7.5g、DMSO20ml及び
NaCN2.6g(1.6eq.)を仕込み、室温下に
一夜放置した。水を加え、エーテル抽出、ブライン洗
浄、溶剤回収後、クロマトにより精製し(エーテル:ヘ
キサン=1:9)、式(4)−1の化合物2.5gを得
た(収率:74.4%)。 [α]20D=−8.15(c=0.9042,MeO
H) 1H−NMR(400MHz,TMS,CDCL3)δ
(ppm)5.78(1H,ddt,J=17.3H
z,10.3Hz,3.4Hz),5.04(1H,
d,J=17.3Hz),4.99(1H,d,J=1
0.3Hz),2.36〜2.22(2H,m),2.
15〜2.06(2H,m),1.93〜1.84(1
H,m),1.56〜1.36(2H,m),1.08
(3H,d,J=6.6Hz) 上記の実施例において、式(5)−1の化合物に変えて
式(5)−2の(S)−2−メチル−5−ヘキセン−1
−イル p−トルエンスルフォネートを用いた以外は、
上記と同様にして式(4)−2の化合物を得た。 [α]20D=8.21(c=1.2422,MeO
H) 1H−NMR(400MHz,TMS,CDCL3)δ
(ppm)5.78(1H,ddt,J=17.3H
z,10.3Hz,3.4Hz),5.04(1H,
d,J=17.3Hz),4.99(1H,d,J=1
0.3Hz),2.36〜2.22(2H,m),2.
15〜2.06(2H,m),1.93〜1.84(1
H,m),1.56〜1.36(2H,m),1.08
(3H,d,J=6.6Hz) 実施例2:(R)−5−メチル−1,16−ヘプタデカ
ジエン−7−オン[式(3)−1の化合物]および
(S)−5−メチル−1,16−ヘプタデカジエン−7
−オン[式(3)−2の化合物]の合成 30mlフラスコ中にマグネシウム1.2g(47mm
ol)及び乾燥エーテル5ml中に、9−デセニルブロ
マイド8.6g(39mmol)を滴下した。室温下に
1時間攪拌後、(R)−(−)−3−メチル−6−ヘプ
テンニトリル[式(4)−1の化合物]2.5g(20
mmol)を滴下し加え、室温下に2時間攪拌した。原
料の消失を確認後、50%HCl20mlを冷却下に加
え、室温に戻し2時間攪拌した。エーテル抽出、ソーダ
灰水洗浄、ブライン洗浄後、溶剤回収し、クロマトによ
り精製し式(3)−1の化合物3.6gを得た(収率:
70.5%)。 1H−NMR(400MHz,TMS,CDCL3)δ
(ppm)5.79(2H,ddt,J=16.3H
z,6.8Hz,3.0Hz),5.01(2H,d,
J=16.3Hz),4.93(2H,d,J=6.8
Hz),2.39(1H,dd,J=15.5Hz,
7.6Hz),2.36(2H,t,J=7.2H
z),2.18(1H,dd,J=15.5Hz,7.
6Hz),2.1〜1.9(4H,m),1.6〜1.
4(3H,m),1.4〜1.1(12H,m),0.
89(3H,d,J=6.6Hz) 上記の実施例において、式(4)−1の化合物に変えて
式(4)−2の(S)−(+)−3−メチル−6−ヘプ
テンニトリルを用いた以外は、上記と同様にして式
(3)−2の化合物を得た(収率:72.6%)。得ら
れた化合物のNMRスペクトルは式(3)−1の化合物
と一致した。
ロペンタデセン−1−オン[式(2)−1の化合物]お
よび(S)−3−メチル−6−シクロペンタデセン−1
−オン[式(2)−2の化合物]の合成 3000mlフラスコ中にRu−cat.0.4g
(0.49mmol)を仕込み、系内をアルゴン置換す
る。(R)−5−メチル−1,16−ヘプタデカジエン
−7−オン[式(3)−1の化合物]2.6g(9.8
mmol)及び塩化メチレン2590ml溶液を加え、
41℃で3時間反応した。減圧下に溶媒を回収後、クロ
マトにより精製し、式(2)−1の化合物1.2gを得
た(収率:51.4%)。 1H−NMR(400MHz,TMS,CDCL3)δ
(ppm)5.39〜5.30(2H,m),2.48
〜2.31(3H,m),2.14(1H,dd,J=
12.9Hz,7.5Hz),2.1〜1.9(4H,
m),1.7〜1.5(3H,m),1.5〜1.2
(12H,m),0.93(3H,d,J=6.6H
z) 上記の実施例において、式(3)−1の化合物に変えて
式(3)−2の(S)−5−メチル−1,16−ヘプタ
デカジエン−7−オンを用いた以外は、上記と同様にし
て式(2)−2の化合物を得た(収率:46.3%)。
得られた化合物のNMRスペクトルは式(2)−1の化
合物と一致した。
(1)−1の化合物]および(S)−(+)−ムスコン
[式(1)−2の化合物]の合成 50mlオートクレーブに(R)−3−メチル−6−シ
クロペンタデセン−1−オン[式(2)−1の化合物]
1.2g(5mmol)、Pd−C0.05g(Wet
type)及び99%エタノール12mlを仕込み、
40℃、水素圧0.49Mpaで反応した。反応終了
後、触媒を濾過しクロマトにより精製し、式(1)−1
の化合物1.1gを得た(収率:93.7%)。 [α]20D=−12.85(c=0.9638,Me
OH) 1H−NMR(400MHz,TMS,CDCL3)δ
(ppm)2.45〜2.37(3H,m),2.18
(1H,dd,J=15.0Hz,5.4Hz),1.
8〜1.5(3H,m),1.5〜1.1(20H,b
r s),0.94(3H,d,J=6.8Hz) 上記の実施例において、式(2)−1の化合物に変えて
式(2)−2の(S)−3−メチル−6−シクロペンタ
デセン−1−オンを用いた以外は、上記と同様にして式
(1)−2の化合物を得た(収率:95.0%)。得ら
れた化合物のNMRスペクトルは式(2)−1の化合物
と一致した。 [α]20D=12.94(c=0.6326,MeO
H) (光学純度の測定)上記の実施例で得られた式(1)−
1及び式(2)−1の化合物について、下記の条件によ
る光学活性カラムを用いたGLC測定により、それぞれ
光学純度が99%ee.以上であることを確認した。GLC測定条件 Instrument:HP5890 Column:2,6-Me-3-Pe-β-CD(0.25mmI.D.×50mL.) Column Temp.:100℃ to 160℃
(0.7℃/min) Column Press.:114kPa(N2) Flow Rate:0.90ml/min Split Ratio:1:30 Injector Temp.:230℃ Detector Temp.:250℃ Sample Volume:0.2μl(3% in
Hexane) 保持時間 (R)−(−)−Muscone:131.5min (S)−(+)−Muscone:130.8min
活性ムスコンを高収率、高純度に、且つ簡便に製造する
ことができるため極めて有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式(4)−1 【化1】 で表される(R)−(−)−3−メチル−6−ヘプテン
ニトリルを、有機溶媒中、9−デセン−1−マグネシウ
ムハライド(C10H19MgX)とカップリング反応
せしめて下記式(3)−1 【化2】 で表される(R)−5−メチル−1,16−ヘプタデカ
ジエン−7−オンを形成させ、これを閉環して下記式
(2)−1 【化3】 で表される(R)−3−メチル−6−シクロペンタデセ
ン−1−オンとし、該式(2)−1の化合物のオレフィ
ンを水素化してなることを特徴とする下記式(1)−1 【化4】 で表される(R)−(−)−ムスコンの製法。 - 【請求項2】 下記式(4)−2 【化5】 で表される(S)−(+)−3−メチル−6−ヘプテン
ニトリルを、有機溶媒中、9−デセン−1−マグネシウ
ムハライド(C10H19MgX)とカップリング反応
せしめて下記式(3)−2 【化6】 で表される(S)−5−メチル−1,16−ヘプタデカ
ジエン−7−オンを形成させ、これを閉環して下記式
(2)−2 【化7】 で表される(S)−3−メチル−6−シクロペンタデセ
ン−1−オンとし、該式(2)−2の化合物のオレフィ
ンを水素化してなることを特徴とする下記式(1)−2 【化8】 で表される(S)−(+)−ムスコンの製法。 - 【請求項3】 下記式(4)−1 【化9】 で表される(R)−(−)−3−メチル−6−ヘプテン
ニトリル。 - 【請求項4】 下記式(4)−2 【化10】 で表される(S)−(+)−3−メチル−6−ヘプテン
ニトリル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143079A JP4651155B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 光学活性ムスコンの製法 |
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