JP2003002887A - 14−メチルシクロペンタデカノリドの製法及び新規中間体 - Google Patents

14−メチルシクロペンタデカノリドの製法及び新規中間体

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JP2003002887A
JP2003002887A JP2001188295A JP2001188295A JP2003002887A JP 2003002887 A JP2003002887 A JP 2003002887A JP 2001188295 A JP2001188295 A JP 2001188295A JP 2001188295 A JP2001188295 A JP 2001188295A JP 2003002887 A JP2003002887 A JP 2003002887A
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Masamichi Ito
雅通 伊藤
Hirosuke Yoshikawa
啓輔 吉川
Takeshi Kitahara
武 北原
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T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 香料として有用な14−メチルシクロペンタ
デカノリドを高収率且つ高純度で製造することができる
新規な製法を提供すること。 【解決手段】 2−メチル−5−ヘキセニル 10−ウ
ンデセニレートをメタセシス反応により閉環し、次いで
水素添加することを特徴とする14−メチルシクロペン
タデカノリドの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香料として有用な
14−メチルシクロペンタデカノリドを容易に、高収率
で且つ高純度に製造することができる新規な製法および
該製法において中間で生成する新規な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ムスク系香料は代表的な香料成分であ
り、特徴的な香気を有すばかりでなく、調合香料に加え
ることにより香り全体に深みやまろやかさを与え、長期
間芳香を保たせる保留剤として重要な香料成分である。
【0003】現在、天然ムスク系香料は入手が困難であ
るため、合成ムスク系香料が使用されている。合成ムス
ク系香料は2つのタイプに大別され、一つは天然ムスク
成分から発見された構造を有する大環状ムスクであり、
もう一つは天然には存在しないがムスク様香気を有する
ニトロムスク、多環状ムスク類であり、これらのニトロ
ムスクや多環状ムスク類は大環状ムスクに比べて安価で
あるため、広く化粧品香料として使用されている。しか
しながら、最近の天然物志向および環境重視の観点から
大環状ムスクの使用が見直されている。
【0004】大環状ムスクの中ではムスコン(3−メチ
ルシクロペンタデカノン)について種々の合成検討がな
され、実用化されている。一方、大環状ラクトンとして
は、例えば、アンゲリカ根油中から見いだされているシ
クロペンタデカノリド(ω−ペンタデカラクトン)、ア
ンブレット種子油中に存在するアンブレットリド(ω−
6−ヘキサデセンラクトン)等が香料素材として利用さ
れ、種々の合成法が提案されている。
【0005】また、14−メチルシクロペンタデカノリ
ドの製法としてはムスコンをバイヤービリガー酸化によ
り合成した例(L.Ruzicka DRP511 884,prior.19.6.1928
(1980)[Chem.Abstr.1929,23,P4483])が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
なムスク様の香気を有する14−メチルシクロペンタデ
カノリドを安価な原料を使用して、高収率で、簡便な方
法により且つ工業的に有利に製造する方法および新規中
間体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、2−
メチル−5−ヘキセン−1−オールを出発原料として用
い、それを10−ウンデセン酸でエステル化し、メタセ
シス反応により閉環するという簡便な方法により、高収
率で14−メチルシクロペンタデカノリドが得られるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明は、下記式(3)
【0009】
【化6】
【0010】[式中、★は不斉炭素で、R体、S体もし
くはそれらの任意の混合物であることを表す]で示され
る2−メチル−5−ヘキセニル 10−ウンデセニレー
トをメタセシス反応により閉環して下記式(2)
【0011】
【化7】
【0012】[式中、★は上記と同様の意味を有する]
で示される14−メチル−10−シクロペンタデセノリ
ドを得、次いで水素添加することを特徴とする下記式
(1)
【0013】
【化8】
【0014】[式中、★は上記と同様の意味を有する]
で示される14−メチルシクロペンタデカノリドの製法
を提供するものである。
【0015】上記製法において出発物質として使用され
る上記式(3)の化合物は、例えば、下記式(4)
【0016】
【化9】
【0017】[式中、★は前記と同様の意味を有する]
で示される2−メチル−5−ヘキセン−1−オールを1
0−ウンデセン酸でエステル化することにより製造する
ことができる。
【0018】また、本発明は、上記製法において中間で
生成する新規化合物である下記式(2)
【0019】
【化10】
【0020】[式中、★は前記と同様の意味を有する]
で示される14−メチル−10−シクロペンタデセノリ
ドを提供するものである。
【0021】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の製法に従って式(4)の
化合物から式(2)の化合物を合成する工程を反応式で
示すと、以下のとおりである。
【0023】
【化11】
【0024】[式中、★は不斉炭素で、R体、S体また
はそれらの任意の混合物であることを表わす] 以下、各工程についてさらに詳細に説明する。第1工程 本工程は、式(4)の2−メチル−5−ヘキセン−1−
オールを有機溶媒中で10−ウンデセン酸とエステル反
応させることにより式(3)のエステル化合物を製造す
る工程である。
【0025】このエステル化反応は、通常、約20℃〜
約140℃、好ましくは約80℃〜約120℃の範囲内
の温度で、約1時間〜約2時間程度で終わらせることが
できる。本発明における10−ウンデセン酸の使用量
は、特に制限されないが、一般には、式(4)の化合物
1モルあたり約1モル以上、好ましくは約1.2モル〜
約2モルの範囲内とすることができる。この反応は好ま
しくは触媒の存在下で実施される。その際に使用される
触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、p−トルエンスル
ホン酸などを挙げることができる。
【0026】また、この反応に用いうる有機溶媒として
は、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキ
シエタン、トルエンなどを挙げることができる。これら
の有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、通常、式
(4)の化合物1重量部あたり約1〜約10重量部の範
囲内が好適である。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段で
適宜に処理することにより、高収率且つ高純度で式
(3)のエステル化合物が得られる。第2工程 本工程は、上記第1工程で得られる式(3)のエステル
化合物をオレフィンメタセシス反応に付すことにより式
(2)の化合物を製造する工程である。
【0027】この反応は、通常、約−10℃〜約100
℃、好ましくは約40℃〜約50℃の範囲内の温度で、
約1時間〜約3時間程度で終わらせることができる。こ
の反応は好ましくは触媒の存在下で実施される。その際
に使用される触媒としては、例えば、下記式(a)及び
(b)
【0028】
【化12】
【0029】[式中、Cyはシクロヘキシルを表す]で
示される化合物を挙げることができ、これらの触媒の使
用量は厳密に制約されるものではないが、一般には、式
(3)の化合物1モルあたり約0.01モル〜約0.1
0モルの範囲内が好適である。また、この反応は通常有
機溶媒中で実施され、使用しうる有機溶媒としては、例
えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタ
ン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素などが上げられる。これらの有機溶媒の使用量は、特
に制限されないが、通常、式(3)の化合物1重量部あ
たり約10〜約1000重量部の範囲内が好適である。
反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマト
グラフィーなどの通常の分離手段で適宜処理することに
より、高収率且つ高純度で式(2)の化合物が得られ
る。かくして得られる式(2)の14−メチル−10−
シクロペンタデセノリドは、従来の文献に未載の新規化
合物であり、ムスク様の香気特性を有し、香気付与剤と
しても有用である。第3工程 本工程は、上記第2工程で得られる式(2)の化合物の
環中の二重結合を水素化することにより、目的とする式
(1)の化合物を製造する工程である。
【0030】この水素化反応は、一般に、約10℃〜約
100℃、好ましくは約30℃〜約50℃の範囲内の温
度で、約1時間〜約3時間程度で終わらせることができ
る。この反応は通常触媒の存在下で実施される。その際
に使用される触媒としては、例えば、Pd−C、Ru−
C、Pt−C、Pd−アルミナ、Ru−アルミナなどを
挙げることができ、その使用量は式(2)の化合物の重
量を基準として、約2重量%〜約10重量%の範囲内と
することができる。また、上記反応は好ましくは有機溶
媒中で行われるが、この反応に用いうる有機溶媒として
は、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキ
シエタン、トルエン、エタノール、ヘキサンなどが挙げ
られる。これらの有機溶媒の使用量は、特に制限されな
いが、通常、式(2)の化合物1重量部あたり約1〜約
10重量部の範囲内が好適である。反応終了後、洗浄、
抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通
常の分離手段で適宜処理することにより、目的とする式
(1)の化合物を高収率且つ高純度で得ることができ
る。
【0031】なお、式(1)〜(4)の化合物は、分子
内に不斉炭素原子を1個有しており、(R)−体、
(S)−体又はこれらの任意の混合物の形態で存在する
が、本発明においてはこれらのいずれもが包含される。
【0032】前記反応式Aで示される式(1)の化合物
の製法において、出発物質として使用される式(4)の
化合物の光学活性体の1つである(R)−体(下記反応
式Bにおける式(4)−1の化合物)は、例えば、下記
反応式Bに示す合成ルートによって容易に製造すること
ができる。各反応工程の詳細については、後述の参考例
1〜3を参照されたい。
【0033】
【化13】
【0034】[式中、Tsはトシル基を表し、THPは
テトラヒドロピラニル基を表す] また、式(4)の化合物の光学活性体のもう1つである
(S)−体(下記反応式Cにおける式(4)−2の化合
物)は、例えば、下記反応式Cに示す合成ルートによっ
て容易に製造することができる。各工程の詳細について
は、後述の参考例4〜7を参照されたい。
【0035】
【化14】
【0036】[式中、Bnはベンジルを表し、Tsおよ
びTHPは上記と同様の意味を有する] 以下、本発明を実施例および参考例により具体的に説明
する。
【0037】
【実施例】参考例1:(S)−3−テトラヒドロピラニ
ロキシ−2−メチルプロピル p−トルエンスルフォネ
ート[式(6)−1の化合物]の合成 200mlフラスコ中に(R)−3−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチルプロパノール[式(7)−1の化
合物]8.7g(50mmol)と乾燥ピリジン60m
lを仕込み氷水冷する。p−TsCl12.4g(65
mmol)を少しづつ加えて、さらに0℃で3時間攪拌
する。反応液を冷蔵庫中で一夜放置し、氷水中に注ぎエ
ーテル抽出する。有機層を水洗、硫酸銅水洗、重曹水
洗、ブライン洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。エーテル層をエバポレーターで濃縮し、得られた粗
生成物15.6gをシリカゲルカラムクロマトにて精製
し(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)、式(6)−
1の化合物15.1g(収率:92.0%)を得た。
【0038】参考例2:(R)−1−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチル−5−ヘキセン[式(5)−1]
の合成 200mlフラスコ中に(S)−3−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチルプロピル p−トルエンスルフオ
ネート[式(6)−1の化合物]14.0g(43mm
ol)と乾燥テトラヒドロフラン40mlを仕込み、−
78℃に冷却する。同温で1.5Nアリルマグネシウム
クロリド/テトラヒドロフラン87ml(0.13mo
l)及び0.1NLi2CuCl4/テトラヒドロフラン
4ml(0.4mmol)を加え、徐々に0℃まで昇温
する。0℃で3時間攪拌後、さらに室温で16時間攪拌
する。反応液を塩化アンモニウム水に注ぎ、エーテル抽
出する。有機層をブライン洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥する。エーテル層をエバポレーターで濃縮し、
得られた粗生成物10.5gをシリカゲルカラムクロマ
トにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:
1)、式(5)−1の化合物7.7g(収率:82.6
%)を得た。
【0039】参考例3:(R)−2−メチル−5−ヘキ
セン−1−オール[式(4)−1の化合物]の合成 200mlフラスコ中に(R)−1−テトラヒドロピラ
ニロキシ−2−メチル−5−ヘキセン[式(5)−1の
化合物]7.6g(38mmol)、メタノール80m
l及びp−TsOH0.04g(0.2mmol)を仕
込み、室温下に5時間攪拌する。反応液にソーダ灰10
0mgを加えてクエンチングし、そのまま減圧下に蒸留
することにより、式(4)−1の化合物3.4g(収
率:78.8%)を得た。
【0040】参考例4:(S)−3−ベンジロキシ−2
−メチルプロパノール[式(7)−2の化合物]の合成 500mlフラスコ中に60%NaH3.9g(98m
mol)、テトラヒドロフラン200mlとDMF90
mlを仕込み加熱する。60〜70℃で(R)−3−テ
トラヒドロピラニロキシ−2−メチルプロパノール[式
(7)−1の化合物]13.0g(75mmol)のテ
トラヒドロフラン溶液30mlを滴下し、滴下後同温度
下に1時間攪拌する。次にベンジルブロミド14.1g
(82mmol)のテトラヒドロフラン溶液30mlを
滴下し、さらに1時間攪拌する。反応液を冷却後、メタ
ノール9.5mlを加えてクエンチングし、反応液を減
圧下に濃縮する。残渣をエーテルで希釈し、水、ブライ
ンで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。エーテ
ルをエバポレーターで濃縮し、粗生成物22.0gを得
る。粗生成物にメタノール200mlを加えて希釈し、
さらにp−TsOH1.0gを加えて室温下に16時間
攪拌する。反応液に重曹粉末2gを加え、溶媒回収後、
水を加えエーテル抽出した。ブライン洗浄後、減圧蒸留
し、式(7)−2の化合物12.5gを得た。
【0041】参考例5:(R)−3−ベンジロキシ−2
−メチルプロピル p−トルエンスルフォネート[式
(6)−2]の合成 200mlフラスコ中に(S)−3−ベンジロキシ−2
−メチルプロパノール[式(7)−2の化合物]9.0
g(50mmol)と乾燥ピリジン60mlを仕込み、
氷水冷する。p−TsCl12.4g(65mmol)
を少しずつ加えて、さらに0℃で3時間攪拌する。反応
液を冷蔵庫中で一夜放置し、氷水中に注ぎエーテル抽出
する。有機層を水洗、硫酸銅水洗、重曹水洗、ブライン
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。エーテルを
エバポレーターで濃縮し得られた粗生成物15.0gを
シリカゲルカラムクロマトにて精製し、式(6)−2の
化合物14.3g(収率:85.5%)を得た。
【0042】参考例6:(S)−6−ベンジロキシ−5
−メチル−1−ヘキセン[式(5)−2の化合物]の合
成 200mlフラスコ中に(R)−3−ベンジロキシ−2
−メチルプロピル p−トルエンスルフォネート[式
(6)−2の化合物]13.4g(40mmol)およ
び乾燥テトラヒドロフラン40mlを仕込み、−78℃
に冷却する。同温で1.5Nアリルマグネシウムクロリ
ド/テトラヒドロフラン80ml(0.12mol)及
び0.1NLi2CuCl4/テトラヒドロフラン4ml
(0.4mmol)を加え、徐々に0℃まで昇温する。
0℃で3時間攪拌後、さらに室温で16時間攪拌する。
反応液を塩化アンモニウム水に注ぎ、エーテル抽出す
る。有機層をブライン洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥する。エーテル層をエバポレーターで濃縮し、得ら
れた粗生成物11.0gをシリカゲルカラムクロマトに
て精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1)、式
(5)−2の化合物7.5g(収率:91.8%)を得
た。
【0043】参考例7:(S)−2−メチル−5−ヘキ
セン−1−オール[式(4)−2の化合物]の合成 1lフラスコ中に液体アンモニア320mlを仕込み、
(S)−6−ベンジロキシ−5−メチル−1−ヘキセン
[式(5)−2の化合物]6.9g(34mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン64ml溶液を加える。−50
〜−40℃で金属ナトリウム2.9g(0.12mo
l)を少しずつ加え、さらに−50℃で1時間攪拌す
る。反応液に粉末塩化アンモニウム9.2gを加えてク
エンチングし、昇温してアンモニアを飛ばす。残渣に塩
化アンモニウム水溶液を加え、エーテル抽出する。有機
層をブライン洗浄した後エバポレーターで濃縮し、得ら
れた粗生成物4.2gを減圧下に蒸留することにより、
式(4)−2の化合物2.8g(収率:75.0%)を
得た。
【0044】実施例1:(R)−2−メチル−5−ヘキ
セニル 10−ウンデセニレートおよび(S)−2−メ
チル−5−ヘキセニル 10−ウンデセニレート[式
(3)の化合物]の合成(第1工程) 50mlフラスコ中に(R)−2−メチル−5−ヘキセ
ン−1−オール[式(4)−1の化合物]1.0g
(8.8mmol)、10−ウンデセン酸1.8g
(9.6mmol)、p−TsOHを少量及びシクロヘ
キサン20mlを加え、共沸脱水しながら反応を行っ
た。水の留出がなくなったところで反応をやめ、ソーダ
灰水洗浄、ブライン洗浄後に溶媒回収し、減圧下に蒸留
して(R)−2−メチル−4−ペンテニル 10−ウン
デセニレート[(R)−体の式(3)の化合物]1.8
g(収率:72.9%)を得た。
【0045】上記の実施例において、(R)−2−メチ
ル−5−ヘキセン−1−オール[式(4)−1の化合
物]に変えて(S)−2−メチル−5−ヘキセン−1−
オール[式(4)−2の化合物]を使用した以外は同様
に処理して(S)−2−メチル−5−ヘキセニル 10
−ウンデセニレート[(S)−体の式(3)の化合物]
を得た。
【0046】実施例2:(R)−14−メチル−10−
シクロペンタデセノリドおよび(S)−14−メチル−
10−シクロペンタデセノリド[式(2)の化合物]の
合成 (第2工程)1000mlフラスコ中に、Ru−ca
t.0.17g(0.21mmol)を仕込み、系内を
アルゴン置換する。(R)−2−メチル−5−ヘキセニ
ル 10−ウンデセニレート[(R)−体の式(3)の
化合物]1.0g(3.6mmol)及び塩化メチレン
1000ml溶液を加え、41℃で4時間反応した。減
圧下に溶媒を回収後、クロマトにより精製し、(R)−
14−メチル−10−シクロペンタデセノリド[(R)
−体の式(2)の化合物]0.70g(収率:78.2
%)を得た。 [α]20 D =−6.06(c=0.758,MeOH)1 H−NMR(400MHz,TMS,CDCl3)δ
(ppm)5.33〜5.30(2H,m),4.07
〜4.02(1H,m),3.85〜3.81(1H,
m),2.37〜2.31(2H,m),2.05〜
1.18(19H,m),0.93(3H,d,J=
6.6Hz) 上記の実施例において、(R)−2−メチル−5−ヘキ
セニル 10−ウンデセニレート[(R)−体の式
(3)の化合物]に変えて(S)−2−メチル−5−ヘ
キセニル 10−ウンデセニレート[(S)−体の式
(3)の化合物]を用いた以外は上記と同様にして
(S)−14−メチル−10−シクロペンタデセノリド
[(S)−体の式(2)の化合物]0.74g(収率:
82.5%)を得た。 [α]20 D =10.64(c=1.616,MeOH)1 H−NMR(400MHz,TMS,CDCl3)δ
(ppm)5.33〜5.30(2H,m),4.07
〜4.02(1H,m),3.85〜3.81(1H,
m),2.37〜2.31(2H,m),2.05〜
1.18(19H,m),0.93(3H,d,J=
6.6Hz) 実施例3:(R)−14−メチルシクロペンタデカノリ
ドおよび(S)−14−メチルシクロペンタデカノリド
[式(1)の化合物]の合成(第3工程) 50mlオートクレーブに(R)−14−メチル−10
−シクロペンタデセノリド[(R)−体の式(2)の化
合物]0.158g(0.6mmol)、Pd−C0.
01g(Wet type)及びn−ヘキサン2mlを
仕込み、40℃、水素圧0.49Mpaで反応した。反
応終了後、触媒を濾過しクロマトにより精製し、(R)
−14−メチルシクロペンタデカノリド[(R)−体の
式(1)の化合物]0.155g(収率:97.3%)
を得た。 [α]20 D =10.67(c=0.712,MeOH)1 H−NMR(400MHz,TMS,CDCl3)δ
(ppm)4.09(1H,dd,J=11.0Hz,
3.9Hz),3.78(1H,dd,J=11.0H
z,8.3Hz),2.33(2H,t,J=6.6H
z),1.83〜1.08(23H,m),0.91
(3H,d,J=6.8Hz) 上記実施例において、(R)−14−メチル−10−シ
クロペンタデセノリド[(R)−体の式(2)の化合
物]に変えて(S)−14−メチル−10−シクロペン
タデセノリド[(S)−体の式(2)の化合物]を用い
た以外は同様にして、(S)−14−メチルシクロペン
タデカノリド[(S)−体の式(1)の化合物]0.1
65g(収率:96.9%)を得た。 [α]20 D =−15.92(c=0.766,MeO
H)1 H−NMR(400MHz,TMS,CDCl3)δ
(ppm)4.09(1H,dd,J=11.0Hz,
3.9Hz),3.78(1H,dd,J=11.0H
z,8.3Hz),2.33(2H,t,J=6.6H
z),1.83〜1.08(23H,m),0.91
(3H,d,J=6.8Hz)
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、香料として有用な14
−メチルシクロペンタデカノリドの新規な製法が提供さ
れ、該ラクトン類を高収率、高純度で且つ簡便に製造す
ることができるため極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 武 東京都目黒区三田2−6−17−213 Fターム(参考) 4C062 JJ70 4H006 AA02 AC48 AC81 4H039 CA12 CA66 CB10 CD10 CD30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(3) 【化1】 [式中、★は不斉炭素で、R体、S体またはそれらの任
    意の混合物であることを表す]で示される2−メチル−
    5−ヘキセニル 10−ウンデセニレートをメタセシス
    反応により閉環して下記式(2) 【化2】 [式中、★は上記と同様の意味を有する]で示される1
    4−メチル−10−シクロペンタデセノリドを得、次い
    で水素添加することを特徴とする下記式(1) 【化3】 [式中、★は上記と同様の意味を有する]で示される1
    4−メチルシクロペンタデカノリドの製法。
  2. 【請求項2】 式(3)の2−メチル−5−ヘキセニル
    10−ウンデセニレートを、下記式(4) 【化4】 [式中、★は不斉炭素で、R体、S体またはそれらの任
    意の混合物であることを表す]で示される2−メチル−
    5−ヘキセン−1−オールを10−ウンデセン酸でエス
    テル化することにより製造する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 下記式(2) 【化5】 [式中、★は不斉炭素で、R体、S体またはそれらの任
    意の混合物であることを表す]で示される14−メチル
    −10−シクロペンタデセノリド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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