JP2946423B2 - アファノルフィンの製造法およびその中間体 - Google Patents

アファノルフィンの製造法およびその中間体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アファノルフィンの中間体、およびこの中
間体を出発物質とする(+)−アファノルフィンの製造
法に関する。
(従来の技術) (+)−アファノルフィンは、麻酔薬であるモルフィ
ンの類似体であるベンゾモルファン骨格を有し、その生
理活性は医薬品として有用と考えられている(ケミカル
レビュー(Chem.Rev.)77巻、1頁(1977年))。しか
し、天然物としてのアファノルフィンの骨格は知られて
いるが(テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Let
t.)29巻、4381頁(1988))、その絶対配置は決定され
ておらず、全合成も未だ報告されていない。従って、そ
の薬理活性は十分解明されていない。
(発明が解決しようとする課題) このようなことから、麻酔薬として有用なアファノル
フィンについて、その絶対配置を決定し、これを合成
し、その薬理活性を解明することが望まれ、その製造法
の開発が強く望まれていた。
本発明者らは、麻酔薬として有用なアファノルフィン
の絶対配置を定めると共に、(+)−アファノルフィン
のより効率的な製造法を見出し、この出願と同時に出願
する明細書においてこれを明らかにした。
従って、本発明の化合物である(+)−アファノルフ
ィンは本発明者らによって初めて合成され、その絶対配
置が明らかになったもので、本発明の化合物は新規化合
物である。
本発明は、アファノルフィンの中間体、およびこれを
原料として(+)−アファノルフィンを合成する方法を
提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、次の一般式(I)〜(IV)でそれぞれ示さ
れるアファノルフィン中間体である。
(RはC1〜C10のアルキル基を表す)。
また、本発明は前記一般式(I)で示されるアファノ
ルフィン中間体を出発物質として、一般式(II)、(II
I)、(IV)で示される化合物を一種以上経て一般式 (式中のRは水素原子またはC1〜C10のアルキル基を表
す)で示される(+)−アファノルフィンを製造する方
法である。
次に本発明の(+)−アファノルフィンの製造方法の
好適例について述べる。
本発明の化合物であるアファノルフィンの中間体
(I)は、入手容易な光学活性トリシクロ〔5.2.1.
02,6〕デカ−3−ヒドロキシジエンから容易に得ること
ができる次式で示される(+)−ジエノン化合物(A) から合成する(ジャーナル・オブ・ケミカルソサイアテ
ィー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Che
m.Comunn.)1989年271頁)。
化合物(A)をグリニヤール試薬と反応させ、1,4−
付加体化合物(B)を得る。これを加熱することにより
逆ジールス.アンダー反応を起こし、エノン化合物
(I)(前記一般式(I)のRがC1で表される)が得ら
れる。
次に、エノン化合物(I)の二重結合を過酸化水素で
酸化してオキシラン化合物(C)にした。ヒドラジンで
処理したのち、水酸基をクロム酸ピリジン塩酸塩で酸化
してケトンとし、二重結合をパラジウム−カーボンで還
元すると、2−(m−メトキシフェニル)−2−メチル
シクロペンタノン(D)が得られる。
この化合物(D)を水素化ナトリウム、蟻酸エチルを
用いてα−ホルミル化し、1,3−プロパンジチオールジ
トシレートを反応させて、中間体(II)(前記一般式
(II)のRがC1で表される)が得られる。
得られたアファノルフィンの中間体(II)は、水酸化
カリウム−t−ブチルアルコール溶液中で撹拌すること
により開環してカルボン酸になる。これをジアゾメタン
で処理しエステル化合物(E)とする。
エステル化合物(E)をメタクロロ過安息香酸などの
酸化剤によって酸化しスルホキシドとした後、さらにト
リフルオロ酢酸を加え室温で撹拌し、加熱還流すること
により中間(III)(前記一般式(III)のRがC1で表さ
れる)に変換することができる。
次に中間体(III)とエステルを水素化リチウムアル
ミニウムなどの還元剤を用いて、アルコール化合物
(F)に変換する。
アルコール化合物(F)とフタルイミドをミツノブ反
応で縮合し、さらにヒドラジンと反応させ、アミン化合
物を得る。
四酢酸鉛、無水炭酸カリウム存在下でアミン化合物を
加熱還流し、アジリジン誘導体(IV)(前記一般式(I
V)のRがC1で表される)を得る。
このアジリジン誘導体(IV)を素早くメチルフルオロ
スルホネートと反応させ、アンモニウム塩に導き、水素
化リチウムアルミニウムで処理することにより、前記一
般式(V)で表される(+)−アファノルフィン(式中
のRは水素原子である)が得られる。
以上述べて来た合成法の各々の反応における反応温
度、反応温度、反応溶媒などは、取扱い量などによって
当然異なるが、一般式(I)、(II)、(III)、(I
V)で示される中間体のいずれか、あるいはすべてを経
由させて(+)−アファノルフィンを製造することがで
きる。従ってこれらの中間体のいずれかを経由するので
あれば、その製造法は本発明の範疇に入り、反応温度、
反応時間、反応溶媒などの効果は、当業者の容易に類推
する範囲で変化させることができる。
また、出発原料のジシクロペンタジエンの鏡像異性体
を出発原料として用いれば、(−)−アファノルフィン
が得られる。
(発明の効果) 本発明の中間体を用いた製造法により、医薬品(麻酔
薬)として極めて有望な化合物であるアファノルフィン
を、効率よく得ることができる。
(実施例) 以下、実施例のより本発明をさらに詳しく説明する
が、各々の反応における反応温度、反応時間、反応溶媒
などは、取扱い量などによって当然異なるので、本発明
は実施例のみによって制限されるものではない。
実施例1 (+)−ジエノン化合物(A)から4−(m−メトキ
シフェニル)−4−メチル−シクロペント−2−エノン
(I)の調製 マグネシウム片2.37g(97.5mmo1)のテトラヒドロフ
ラン80ml懸濁液に、m−ブロモアニソール8.0ml(63.7m
mol)をゆっくり滴下した後、反応液を1時間加熱還流
した。反応液を室温に戻し、CuBr・SMe2385mg(1.88mmo
l)およびヘキサメチルホスホルアミド7.18ml(41.3mmo
l)を加えた後、−70℃に冷却した。10分間撹拌後、化
合物(A)3.0g(18.7mmol)とトリメチルクロロシラン
4.8ml(37.5mmol)の混合テトラヒドロフラン溶液を1
時間かけて滴下した。、同温で2時間撹拌後、室温まで
昇温し、トリエチルアミン4.5mlおよびn−ヘキサン54m
lを加え、セライトを用いて濾過した。有機層を水で洗
浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を除去
した。残渣をメタノール100mlに溶かし、フッ化カリウ
ム1.09g(8.8mmol)を室温にて加えた。5分間撹拌後、
水を加えジクロロメタン抽出し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣をシリカ
ゲル80gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、エ
チルエーテル−n−ヘキサン(1:15v/v)の流分より淡
黄色油状の1,4−付加体化合物(B)(5−(m−メト
キシフェニル)−5−メチル−トリシクロ〔5.4.1.0.
2,6〕デカ−3−オン−7−エン)の混合物4.68gを得
た。これは完全には精製できなかったので、そのまま次
の反応に用いた。
化合物(B)の混合物4.68gのo−ジクロロベンゼン9
0ml溶液を12時間、加熱還流した。反応液をシリカゲル1
00gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、エチル
エーテル−n−ヘキサン(1:10v/v)の流分より、淡黄
色油状物(I)(4−(m−メトキシフェニル)−4−
メチル−シクロペント−2−エノン)3.29g(化合物
(A)からの総収率87%)を得た。
実施例2 エノン化合物(I)から5−(m−メトキシフェニ
ル)−5−メチル−2,2−(プロパン−1,3−ジチオ)−
シクロペンタノン(II)調製 化合物(I)3.29g(16.3mmol)のメタノール60ml溶
液に氷冷下に30%過酸化水素水溶液5.5ml(48.9mmo
l)、5%水酸化ナトリウム水溶液6.5ml(8.14mmol)を
順次加え、15分間撹拌後、室温で2時間撹拌した。反応
液に水を加え、水層をエチルエーテルで抽出した。有機
層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム
水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に
溶媒を留去した。残渣をシリカゲル60gを用いてカラム
クロマトグラフィーに付し、エチルエーテル−n−ヘキ
サン(1:7v/v)の流分より黄色油状物のオキシラン化合
物(C)(4−(m−メトキシフェニル)−4−メチル
−2,3−エポキシ−シクロペンタノン)2.64g(収率74
%)を、ジアステレオマー混合物(5:3)として得た。
オキシラン化合物(C)100mg(0.46mmol)のメタノ
ール3ml溶液に、氷冷下ヒドラジン一水塩0.11ml(2.3mm
ol)および酢酸26μ(0.46mmol)を加え、10分間撹拌
後、12時間加熱還流した。反応液にエチルエーテルを加
え、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ル10gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、エチ
ルエーテル−n−ヘキサン(1:8v/v)の流分から淡黄色
油状物(5−(m−メトキシフェニル)−5−メチルシ
クロペント−2−エノールを含む)32mg(収率34%)を
ジアステレオマー混合物(5:3)として得た。
得られた5−(m−メトキシフェニル)−5−メチル
シクロペント−2−エノール141mg(0.69mmol)のジク
ロロメタン5ml溶液に氷冷却下に、クロム酸ピリジン塩
酸塩223ml(1.04mmol)を加え10分間撹拌後、室温で4
時間撹拌した。反応液をフロリジルを用いて濾過し、濾
液を減圧下に溶媒留去し、粗エノン化合物(5−(m−
メトキシフェニル)−5−メチル−シクロペント−2−
エノン)145mgを得た。これを精製することなく次の反
応に用いた。
粗エノン化合物145mgのエタノール5ml溶液に10%パラ
ジウム−カーボン20mgを加え、水素気流下に室温で8時
間撹拌した。反応液をセライトを用いて濾過し、濾液を
減圧下に溶媒留去した。残渣をシリカゲル10gを用い
て、カラムクロマトグラフィーに付し、エチルエーテル
−n−ヘキサン(1:10v/v)の流分より黄色油状物
(D)(2−(m−メトキシフェニル)−2−メチル−
シルロペンタノン103mg(ヒドラジン処理化合物からの
総収率71%)を得た。
水素化ナトリウム(60% w/w in oil)39mg(0.98mmo
l)のベンゼン1ml懸濁液に、氷冷下に油状物(D)100m
g(0.49mmol)とギ酸エチル80μ(0.98mmol)の混合
ベンゼン溶液を滴下し、室温で3時間撹拌した。水を加
え、2Nの硫酸水溶液で酸性とした後、エチルエーテルで
抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
に溶媒除去し、粗α−ホルミル体120mgを得た。次に得
られた粗α−ホルミル体120mgのエタノール溶液に1,3−
プロパンジチオールジトシレート265mg(0.64mmol)お
よび酢酸カリウム351mg(3.58mmol)を加え、3時間加
熱還流した。反応液を減圧下に溶媒留去した後、水を加
えエチルエーテルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液
で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下に溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲル10gを用
いてカラムクロマトグラフィーに付し、エチルエーテル
−n−ヘキサン(1:10v/v)の流分より白色油状物(I
I)(5−(m−メトキシフェニル)−5−メチル−2,2
−(プロパン−1,3−ジチオ)−シクロペンタノン)80m
g(収率53%)を得た。
実施例3 1−メトキシカルボニル−7−メトキシ−1−メチル−
1,2−ジヒドロナフタレン(III)の調製 化合物(II)3.60g(11.7mmol)のt−ブチルアルコ
ール90ml溶液を60℃に保ち、粉末の水酸化カリウム2.71
g(46.7mmol)を加え、そのまま13時間撹拌した。水を
加え、冷濃塩酸で酸性にし、エチルエーテルで抽出し、
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
得られた粗カルボン酸をエーテル溶液とし、ジアゾメタ
ン/エチルエーテルを加えた。溶媒留去後、シリカゲル
カラマトグラフィーに付し、エステル化合物(E)(2
−(m−メトキシフェニル)−2−メチル−5,5−(プ
ロパン−1,3−ジチオ)−ペンタン酸メチルエステル)
3.13g(82%)を得た。
エステル化合物(E)2.13g(6.26mmol)のジクロロ
メタン30ml溶液に重炭酸ナトリウム1.57g(18mmol)を
加え、氷冷下にメタクロロ過安息香酸1.19g(6.89mmo
l)を加えた。5分間撹拌後、水を加え、ジクロロメタ
ンで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後、硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、粗モノスルホ
キシド化合物を得た。次にこれをトルエン40ml溶液と共
に冷却下、トリフルオロ酢酸を滴下した。室温で20分間
撹拌後、130℃で5分間還流し、空冷後、飽和重炭酸ナ
トリウム水溶液を加え、有機層を分取後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(III)
(1−メトキシカルボニル−7−メトキシ−1−メチル
−1,2−ジヒドロナフタレン)804mg(収率55%、3.46mm
ol)を得た。
実施例4 アジリジン誘導体(IV)の調製 水素化リチウムアルミニウム132mg(3.46mmol)のテ
トラヒドロフラン10ml懸濁液に氷冷下、実施例3で得ら
れた化合物(III)804mg(3.46mmol)のテトラヒドロフ
ラン5ml溶液を滴下し、室温で1時間撹拌し、氷冷下に
濃アンモニア水を加え、そのまましばらく撹拌した後、
セライトでろ過し、エチルエーテルで抽出し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、粗アルコール(F)
の1−ヒドロキシメチル−7−メトキシ−1−メチル−
1,2−ジヒドロナフタレンを得た。一部、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付して精製し、次のデータを
得た。
粗アルコール(F)280mg(1.37mmol)、フタルイミ
ド363mg(2.47mmol)およびトリフェニルホスフィン647
mg(2.47mmol)の混合テトラヒドロフラン溶液に、氷冷
下ジイソプロピルアゾジカルボキシレート0.49ml(2.47
mmol)を滴下し、室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、縮
合物の7−メトキシ−1−メチル−1−フタルイミジル
メチル−1,2−ジヒドロナフタレン300mg(収率65.7%)
を得た。
得られた縮合物40mg(0.12mmol)のエタノール3ml溶
液にヒドラジン一水塩17μ(0.36mmol)を加え、40分
間加熱還流した。空冷後、減圧下に溶媒を留去し、ジク
ロロメタンを加え、セライトを用いて濾過した。減圧下
に溶媒を留去し、粗アミン化合物の1−アミノメチル−
1−メチル−7−メトキシ−1,2−ジヒドロナフタレン2
0mgを得た。
四酢酸鉛(90%)194mg(0.394mmol)と無水炭酸カリ
ウム211mg(1.53mmol)の無水ベンゼン3ml溶液を60℃に
保ち、前記工程で得られた粗アミン化合物20mgのベンゼ
ン溶液をすばやく加え、20分間還流し、空冷後、10%水
酸化ナトリウム水溶液を加え、エチルエーテルで抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、粗ア
ジリジン誘導体(IV)を得た。
実施例5 (+)−アファノルフィンメチルエーテル(V)の調製 実施例4で得られた粗アジリジン誘導体(IV)をでき
るだけ素早くジクロロメタン2ml溶液とし、氷冷下にメ
チルフルオロスルホネート19.4μを滴下し、5分間撹
拌後、溶媒留去し、粗アンモニウム塩を得た。さらにこ
れをテトラヒドロフラン1ml溶液とし、氷冷下に水素化
リチウムアルミニウム9.4mgのテトラヒドロフラン液1ml
懸濁液を滴下し、室温で30分間撹拌した。濃アンモニア
水を加え、しばらく撹拌後、セライトで濾過後、溶媒を
留去した。さらに、10%水酸化ナトリウム水溶液を加
え、ジクロロメタンで抽出した。炭酸カリウムで乾燥
後、溶媒を留去し、得られた残渣をプレパラティブ薄層
クロマトグラフィーに付し(+)−アファノルフィンメ
チルエーテル((V)式中のRがメチル基)13mg(収率
24.4%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.48(S,3H),1.86(d,1H,J=11.0
Hz,2.01−2.05(m,1H),2.49(S,3H),2.77(d,1H,J=
9.15Hz),2.83−2.89(m,2H),3.03(d,1H),J=17.1H
z),3.43(m,1H),3.78(S,3H),6.69(dd,1H,J=8.24,
3.05Hz),6.78(d,1H,J=2.45Hz),7.02(d,1H,J=8.55
HzMS(m/z):218(M++1),217(M+),202(100%) 〔α〕27 −7.40゜(c0.35,CHCl3) 実施例6 (+)−アファノルフィン(V)の調製 実施例5で得られた(+)−アルファノルフィンメチ
ルエーテル13mg(0.06mmol)のジクロロメタン溶液を−
80℃に冷却し、三臭化ホウ素の1.0Mジクロロメタン溶液
0.2ml(0.2mmol)を加えた後、3時間で−10℃まで昇温
した。反応液に飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジ
クロロメタンで抽出した。合わせたジクロロメタン層を
炭酸カリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をプレパ
ラティブ薄層クロマトグラフィーに付し、(+)−アフ
ァノルフィン((V)式中のRが水素原子である)18mg
(収率71%)を得た;m.p.204−205℃ 〔α〕27 +40.1゜(c0.12,塩酸塩,H2O) 諸スペクトルデータは文献値(TetrahedronLett.,29,
4381(1988))と完全に一致した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (RはC1〜C10のアルキル基を表す)で示されるアファ
    ノルフィン中間体。
  2. 【請求項2】一般式 (RはC1〜C10のアルキル基を表す)で示されるアファ
    ノルフィン中間体。
  3. 【請求項3】一般式 で示されるアファノルフィン中間体を出発物質とし、こ
    のものを順次二重結合の酸化、ケトン化、還元、α−ホ
    ルミン化および1,3−プロパンジチオールジトシレート
    との反応に付して一般式(II)で示される化合物に変換
    する工程、かくして得られた一般式(II)の化合物を順
    次開環、エステル化、酸化によるスルホキシド化および
    閉環反応に付して一般式(III)で示される化合物に変
    換する工程、かくして得られた一般式(III)の化合物
    を順次還元剤を用いるアルコール化、フタルイミドとの
    縮合、アミン化および加熱還流下の反応に付して一般式
    (VI)で示される化合物に変換する工程、かくして得ら
    れた一般式(IV)の化合物をアンモニウム塩に導いた
    後、水素化リチウムアルミニウムで処理する工程を経て
    一般式(V)で示される(+)−アファノルフィンを製
    造する方法。 (式中のRは水素原子またはC1〜C10のアルキル基を表
    す)
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