JP2002226431A - 液晶化合物の製造方法 - Google Patents

液晶化合物の製造方法

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JP2002226431A JP2001025082A JP2001025082A JP2002226431A JP 2002226431 A JP2002226431 A JP 2002226431A JP 2001025082 A JP2001025082 A JP 2001025082A JP 2001025082 A JP2001025082 A JP 2001025082A JP 2002226431 A JP2002226431 A JP 2002226431A
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Akihiro Osako
秋広 大迫
Narimasa Moriya
成真 守屋
Hitoshi Suenaga
仁士 末永
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Nagase Chemtex Corp
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    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的なトランス置換−シクロヘキシルプロ
パン−1,3−ジオール(IV)の合成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 シス置換−シクロヘキサノール(I)をシ
ス置換−シクロヘキシルスルホネート(II)に変換し、得
られたトランス置換−シクロヘキシルスルホネート(II)
をマロン酸ジエステル類と反応させ、トランス置換−シ
クロヘキシルマロン酸誘導体(III)とし、これを還元し
て、トランス置換−シクロヘキシルプロパン−1,3−
ジオール(IV)を合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシクロヘキサン化合
物に関する。更に詳しくは液晶として用いられる化合物
2−(トランス置換−シクロヘキシル)プロパン−1,
3−ジオール(IV)の製造方法、その製造に用いる中間
体、ならびにその中間体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−(トランス置換−シクロヘキシル)
プロパン−1,3−ジオール(IV)は、液晶原料として知
られており、その製造方法が種々検討されている。例え
ば、置換−シクロヘキサノールを出発原料とし、これと
三臭化リンとを反応させ、対応する臭化物を得、この臭
化物を塩基性条件下、アルコール溶媒中でマロン酸ジエ
ステルと反応させる方法(Mol. Cryst. Liq. Cryst. 19
90年、191巻、295頁)がある。しかし、この三臭化リン
を用いる方法では、副反応によりシクロヘキセンおよび
異性化した臭化物(位置異性体、立体異性体)が多く存
在するため、2−(トランス置換−シクロヘキシル)プ
ロパン−1,3−ジオール類を分離精製する操作が複雑
となり、収率が低い。副反応を低下させる方法として、
ジブロモトリフェニルホスフィンを用いる方法がある
が、このジブロモトリフェニルホスフインは高価であ
り、工業的には適さない方法である。
【0003】また、アルキルシクロヘキサノンとシアノ
酢酸エステルとをKnovenager反応させた後、還元する方
法が知られている(例えば、特開昭59−70684号
公報)。この方法には、中間体であるアルキルシクロヘ
キシリデン酢酸エチルを還元する工程があるが、トラン
ス選択性が良くなく、低収率である。
【0004】さらに、テルベン類から誘導する方法が知
られている(Synth. Commun. 1981年、11巻2号、105-11
9頁)。この方法は、出発物質が天然物質であるため、
原料の入手に制限を受けること、およびその方法自体に
汎用性がないなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、効率的なトラ
ンス置換−シクロヘキシルプロパン−1,3−ジオール
(IV)の合成方法が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2−(ト
ランス置換−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオ
ール(IV)の効率的な製造方法を検討した結果、以下の
式:
【0007】
【化5】
【0008】(式中、RはC〜C10の分岐してい
ても良いアルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基、
またはC〜Cの分岐していても良いアルキル基で置
換されたフェニル基あるいはシクロヘキシル基を示す。
は、独立に、低級アルキル基を示す)に示されるよ
うに、以下の工程(1)〜(3): 工程(1):シス置換−シクロヘキサノール(I)(化合物
(I))を出発原料とし、従来の方法である化合物(I)と臭
化物とを反応させる代りに、化合物(I)とメタンスルホ
ニル化剤とを反応させることにより、対応するシス置換
−シクロヘキシルメタンスルホネート(II)(化合物(I
I))が得られること; 工程(2):得られた化合物(II)とマロン酸ジエステル類
とを反応させることにより、トランス置換−シクロヘキ
シル−マロン酸誘導体(III)(化合物(III))が得られる
こと;および 工程(3):化合物(III)を還元することにより、2−(ト
ランス置換−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオ
ール(IV)(化合物(IV))が得られること;そして、工程
(1)により、従来の臭化物と化合物(I)とを反応させるよ
りもはるかに高い収率で、対応するシス型の化合物(II)
を得ることができること、および、この高いシス型含量
の化合物(II)から、液晶化合物(IV)が高い収率で製造で
きることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本願の第1発明は、化合物(II)
とマロン酸ジエステルとを反応させる工程(2)を含む、
化合物(III)の製造方法に関する。
【0010】本願の第2発明は、化合物(I)とメタンス
ルホニル化剤とを反応させて化合物(II)を得る工程
(1)、該得られた化合物(II)とマロン酸ジエステルとを
反応させる工程(2)を含む、化合物(III)の製造方法に関
する。
【0011】本願の第3発明は、化合物(II)とマロン酸
ジエステルとを反応させて化合物(III)を得る工程(2)、
および該化合物(III)を還元する工程(3)を含む、化合物
(IV)の製造方法に関する。
【0012】本願の第4発明は、化合物(I)とメタンス
ルホニル化剤とを反応させて化合物(II)を得る工程
(1)、該得られた化合物(II)とマロン酸ジエステルとを
反応させて化合物(III)を得る工程(2)、および該化合物
(III)を還元する工程(3)を含む、化合物(IV)の製造方法
に関する。
【0013】本発明は、さらに、化合物(IV)製造の中間
体である、シス−4−フェニル−シクロヘキシルメタン
スルホネート、シス−3−メチル−シクロヘキシルメタ
ンスルホネート、2−(トランス−4−フェニル−シク
ロヘキシル)−マロン酸ジエチルエステルおよび2−
(トランス−3−メチル−シクロヘキシル)−マロン酸
ジエチルエステルに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1〜第4発明を包含する置換シクロヘキサノ
ール(I)(化合物(I))から、2−(置換−シクロヘキシ
ル)プロパン−1,3−ジオール(IV)(化合物(IV))を
製造する方法は、次の反応スキームのように表される。
【0015】
【化6】
【0016】なお、式中、RはC〜C10の分岐し
ていても良いアルキル基、フェニル基、シクロヘキシル
基、またはC〜Cの分岐していても良いアルキル基
で置換されたフェニル基あるいはシクロヘキシル基を示
す。Rは、独立に、低級アルキル基を示す。
【0017】RのC〜C10の分岐していても良い
アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−
ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、ネオペンチル、
n−へキシル、1−メチル−1−エチルプロピル、n−へ
プチル、1,1−ジエチルプロピル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシル基等が挙げられる。
【0018】RのC〜Cの分岐していても良いア
ルキル基で置換されたフェニル基あるいはシクロヘキシ
ル基としては、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘ
キシル、n−ブチルシクロヘキシル、i−ブチルシクロ
ヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、n−プロピルシ
クロヘキシル、i−プロピルシクロヘキシル、メチルフ
ェニル、エチルフェニル、n−ブチルフェニル、i−ブチ
ルフェニル、t−ブチルフェニル、n−プロピルフェニ
ル、i−プロピルフェニル基等が挙げられる。
【0019】Rとしては、メチル基、エチル基、フェ
ニル基が好ましく用いられる。これらの置換基は、どの
部位にあってもよいが、4位に配置されることが好まし
い。
【0020】Rの低級アルキル基としては、メチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−
ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−
へキシル基などが挙げられる。Rとしては、メチル
基、エチル基が好ましく用いられる。
【0021】この反応スキームからわかるように、第1
発明は、工程(2)を含む。第2発明は工程(1)と工程(2)
を含む。第3発明は工程(2)と工程(3)を含み、第4発明
は工程(1)、(2)および(3)含む。
【0022】以下、上記反応スキームに従い、化合物
(I)(置換シクロヘキサノール(I))を出発材料として、
化合物(IV)(2−(置換−シクロヘキシル)プロパン−
1,3−ジオール)を製造する方法を説明する。 工程(1) 工程(1)は、下記式:
【0023】
【化7】
【0024】に示されるように化合物(I)(置換シクロ
ヘキサノール)とメタンスルホニル化剤とを反応させて
化合物(II)(置換シクロヘキシルスルホネート)を得る
工程である。
【0025】化合物(I)は、第4版実験化学講座20、
8(1992)等に記載の方法で、またはそれに準ずる
方法により合成することができる。市販の化合物(I)を
用いてもよい。工程(1)により得られる化合物(II)を合
成材料とすると、従来の、臭化置換シクロへキシルを合
成材料として用いて化合物(IV)を製造する方法と比べ
て、化合物(IV)の反応収率が大幅に向上する。
【0026】工程(1)のメタンスルホニル化反応は、当
業者が通常用いる方法で行われる。メタンスルホニル化
剤としてはメタンスルホニルクロライド等が挙げられ
る。メタンスルホニル化剤は、化合物(I)に対して1〜
5当量添加される。好ましくは1〜2当量である。
【0027】メタンスルホニル化反応に用いられる有機
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどの
アルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;へキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、ベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等の
カルボン酸エステル類;アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等の
有機ニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−
メチル2−ピロリドン等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル類;等が挙げられ
る。
【0028】反応の際、塩基を使用しても良い。この
際、使用される塩基としては、例えば、無機塩基(例え
ば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)、有機塩基(例
えば、トリエチルアミン、ピリジン等)が挙げられる。
【0029】反応温度は約−80〜100℃、好ましく
は−30〜60℃である。反応時間は通常1分〜24時
間、好ましくは1分〜10時間である。
【0030】反応終了後、当業者が通常用いられる方
法、例えば、濃縮、抽出、力ラム分離等の方法で、化合
物(II)が精製される。 工程(2) 工程(2)は、下記式:
【0031】
【化8】
【0032】で表されるように、工程(1)で得られた置
換シクロヘキシルスルホネート(II)とマロン酸ジエステ
ルとを反応させて置換シクロヘキシルマロン酸ジエステ
ル(III)を得る工程である。
【0033】マロン酸ジエステル類としてはマロン酸ジ
メチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチルナトリウ
ム塩、マロン酸ジエチルナトリウム塩等が挙げられる。
マロン酸ジエステル塩が、収率を高める点で好ましい。
【0034】マロン酸ジエステル類は、置換−シクロヘ
キシルスルホネート(II)に対し、1当量以上、好ましく
は、2当量以上使用する。使用量を多くすると反応生成
物の収量の増加につながるが、あまり多すぎても、反応
に使用されないので、3当量程で十分である。
【0035】反応に際して、塩基を用いても良い。塩基
としては、無機塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(例えば、ト
リエチルアミン、ビリジン等)、アルコラート(ソジウ
ムエチラート、ソジウムメチラート、マグネシウムエチ
ラート等)が挙げられる。アルコラートが好ましく用い
られる。
【0036】反応に用いる塩基の量は、マロン酸ジエス
テル類に対して0.1〜10当量、好ましくは、0.1〜
5当量である。例えば、マロン酸ジエチルエステルに対
して、ソジウムエチラート2〜4当量、好ましくは3当
量用いることにより、化合物(II)の収率は大きく向上
する。
【0037】この工程(2)において、反応溶媒として非
ブロトン性有機溶媒を用いることが、反応収率を挙げる
上から好ましい。非プロトン性有機溶媒としては、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル等が挙げられる。好ましくは、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドである。
【0038】非プロトン性有機溶媒は化合物(II)1重量
部に対して、0.1〜20重量部使用される。あまり多
すぎても収量が変らないことから、好ましくは、0.1
〜5重量部である。
【0039】反応温度は、20〜120℃が好ましく、
よりましくは50〜90℃である。反応時間は10分〜
48時間であり、好ましくは30分〜24時間である。
反応終了後、化合物(III)は、当業者が通常行う精製方
法、例えば、濃縮、抽出、再結晶、力ラム精製あるいは
蒸留を行うことによって、精製される。
【0040】工程(3) 工程(3)は、下記式:
【0041】
【化9】
【0042】で表されるように、工程(2)で得られた化
合物(III)(置換シクロヘキシルマロン酸ジエステル)
を還元する工程であり、この方法により、化合物(IV)
(2−(置換−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジ
オール)が製造される。
【0043】この工程(3)では、化合物(III)に還元剤を
作用させる。還元剤としては、当業者が通常用いる還元
剤が用いられるが、水素化リチウムアルミニウム、水素
化ビス(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、
水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
【0044】還元剤は、化合物(III)に対して2当量以
上添加することが好ましい。より好ましくは、約2〜1
0当量である。反応温度は、−80〜80℃が好まし
く、より好ましくは−20〜50℃である。
【0045】反応は、適宜、有機溶媒を選択して行われ
る。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭
化水素類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;
テトラヒドロフラン、エチルエーテル等のエーテル類等
が挙げられる。
【0046】反応時間は10分〜48時間であり、好ま
しくは30分〜24時間である。反応終了後、化合物(I
V)は、当業者が通常行う精製方法、例えば、濃縮、抽
出、再結晶、力ラム精製あるいは蒸留を行うことによっ
て、精製される。
【0047】配置立体異性体 本発明において、出発物質として、シス−置換シクロヘ
キサノール化合物(化合物(Ia)を用いてメタンスルホニ
ル化する(工程(1))ことにより、高い収率で、シス−
置換シクロヘキシルスルホネート(化合物(IIa))を得
ることができる。このシス型の化合物(IIa)とマロン酸
ジエステルとを反応させる(工程(2))と、トランス−
置換シクロヘキシルマロン酸ジエステル(化合物(III
a))が効率よく得られ、さらにこの化合物(IIIa)を還元
する(工程(3))ことにより、シス−2−(置換−シク
ロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(化合物(IV
a))が製造される。
【0048】出発物質(化合物(I))としては、シス−
4−フェニル−シクロヘキサノール、シス−4−メチル
−シクロヘキサノール、シス−4−エチル−シクロヘキ
サノールが挙げられる。これらの出発物質をメタンスル
ホン化することにより、化合物(IIa)として、4−フェ
ニル−シクロヘキシルメタンスルホネート、4−メチル
−シクロヘキシルメタンスルホネート、4−エチル−シ
クロヘキシルメタンスルホネートが得られる。
【0049】ついで、マロン酸ジエステルと反応させる
が、反応させるマロン酸ジエステルを選択することによ
り、トランス配位である化合物(IIIa)として、2−(ト
ランス−4−フェニル−シクロヘキシル)マロン酸ジメ
チル、2−(トランス−4−フェニル−シクロヘキシ
ル)マロン酸ジエチル、2−(4−メチル−トランス−
シクロヘキシル)マロン酸ジメチル、2−(4−メチル
−トランス−シクロヘキシル)マロン酸ジエチル、2−
(4−エチル−トランス−シクロヘキシル)マロン酸ジ
メチル、2−(4−エチル−トランス−シクロヘキシ
ル)マロン酸ジエチルなどが製造される。
【0050】さらに上記トランス配位である化合物(III
a)を還元することにより、2−(トランス−4−フェニ
ル−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール、2
−(4−メチル−トランス−シクロヘキシル)プロパン
−1,3−ジオール、2−(4−エチル−トランス−シ
クロヘキシル)プロパン−1,3−ジオールなどが得ら
れる。
【0051】これらの化合物のうち、化合物(IIa)のシ
ス−4−フェニル−シクロヘキシルメタンスルホネート
およびシス−3−メチル−シクロヘキシルメタンスルホ
ネートは新規物質であり、化合物(IIIa)の2−(トラン
ス−4−フェニル−シクロヘキシル)−マロン酸ジエチ
ルエステルおよび2−(トランス−3−メチル−シクロ
ヘキシル)−マロン酸ジエチルエステルも、新規物質で
ある。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されない。 実施例1:2−(トランス−4−フェニル−シクロヘキ
シル)プロパン−1,3−ジオール(IVb)の合成 工程(1):4−フェニル−シクロヘキシルメタンスルホ
ネート(IIb)の合成 コルベンに4−フェニル−シクロヘキサノール40.0
g(0.227mol、cis/trans比=70/30)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)120mL、およびトリエ
チルアミン29.85gを注入し、水冷した。この反応
混合物にメシルクロライド29.9gを内温5〜50℃
で滴下した。室温付近で7時間攪拌し、原料消失を確認
後、クロロホルム、水を加えて分液し、5%塩酸水、
水、重曹水、水、飽和食塩水を用いて、この順序で溶媒
相を洗浄した。減圧下溶媒を濃縮して褐色固形物の表題
化合物54.2gを得た(収率93.9%)。1 H-NMR:(CDCl3, ppm) cis体:1.79 (m,4H), 1.88 (m,2H), 2.21 (m,2H), 2.58
(m,1H), 3.04 (s,3H),5.07 (m,1H), 7.15〜7.32 (m,5
H) IR (cm-1):2917, 1352, 1176, 909, 757, 700
【0053】工程(2):2−(4−フェニル−シクロヘ
キシル)マロン酸ジエチルエステル(IIIb)の合成 コルベンにエタノール20mLを注ぎ、内温 80℃まで
加熱した。そこへマロン酸ジエチル4.73g、粉末ソ
ジウムエチラート2.01g を添加した。さらに同温度
で、上記工程1で合成した4−フェニル−シクロヘキシ
ルメタンスルホネート(IIb) 5.00g(19.7mmo
l)を添加後、同温度で12 時間攪拌し、反応させた。
反応液にメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、水
を加えて分液し、溶媒相を水、飽和食塩水の順で洗浄
し、減圧下溶媒を留去した。残さをカラム精製(シリカ
×10w/w、ヘプタン/酢酸エチル)して表題化合物
3.07g(収率48.9%)を得た。ガスクロマトグラ
フィー(GC)分析純度(trans)46.34%、cis/tr
ans比=36/641 H-NMR(CDCl3, ppm) Trans体:1.26 (m,2H), 1.54 (m,2H), 1.70 (m,2H), 1.
90 (m,4H), 2.18 (m,IH), 2.48 (m,1H), 3.23 (d,J=8.7
6Hz,1H), 3.74 (s,6H), 7.15〜7.32 (m,5H) IR (cm−1):2916, 1737, 1436, 767, 700
【0054】工程(3):2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン1,3−ジオール(IVb)の
合成 窒素気流下、コルベンに水素化リチウムアルミニウム
0.64g、乾燥したテトラヒドロフラン(THF)2
4mLを加えて混合液を調製し、氷水冷却した。他方、
上記工程(2)で得られた2−(4−フェニル−シクロヘ
キシル)−マロン酸ジエチルエステル(IIIb)3.00g
(9.42mmol)を乾燥したTHF6mLに溶解し、
これを内温25℃以下で、混合液に滴下した。室温で約
5時間反応した。反応液に5%塩酸水を加え、MTBE
で抽出した。溶媒相を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥処理を行った後、減圧下溶媒を留
去した。残渣をn−へプタン22mLで再結晶して、表
題化合物0.61g(収率27.6%)を得た。GC分析
純度は100%であった。1 H-NMR:(CDCl3, ppm) 1.21 (m,2H), 1.47 (m,2H), 1.61 (m,IH), 1.74 (m,I
H), 1.92 (m,4H), 2.54 (OH,2H), 3.87 (m,4H), 7.15~
7.32 (m,5H) IR(cm-1):3303, 2917, 1490, 1027, 757, 699, 535
【0055】実施例2:2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IVb)
の合成 工程2:2−(4−フェニル−シクロヘキシル)マロン
酸ジエチルエステル(IIIb)の合成 コルベンにDMF20mLを加えて内温80℃まで加熱
した。そこへマロン酸ジエチル4.73g、粉末ソジウ
ムエチラート2.01gを添加した。さらに、この温度
を保持したまま、実施例1で合成した4−フェニル−シ
クロヘキシルメタンスルホネート(IIb)5.00g(1
9.7mmol)を添加し、同温度で12時間攪拌反応し
た。反応液にMTBE、水を加えて分液後、水、飽和食
塩水の順で洗浄し、減圧下溶媒を留去した。残渣をカラ
ム精製(シリカ×10w/w、ヘプタン/酢酸エチル)
して表題化合物1.60g(収率25.5%)を得た。G
C分析純度(trans)81.9%、cis/trans比=13/8
7。
【0056】工程(3):2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IVb)
の合成 窒素気流下、コルベンに水素化リチウムアルミニウム
0.32g、乾燥したTHF12mLを加えて混合液を調
製し、氷水冷却した。他方、上記工程(2)で得られた2
−(4−フェニル−シクロヘキシル)−マロン酸ジエチ
ルエステル(IIIb)1.50g(4.71mmol)を乾燥
したTHF3mLに溶解し、これを内温25℃以下で、
混合液に滴下した。室温で約5時間反応した。反応液に
5%塩酸水を添加し、MTBEで抽出した。溶媒を水、
飽和食塩水の順で洗浄して硫酸マグネシウム乾燥処理
後、減圧下溶媒を留去した。残渣をn−へプタン12mL
で再結晶し、表題化合物0.72g(収率65.5%)を
得た。GC分析純度100%。
【0057】実施例3:2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IV
b)の合成 工程(2):2−(4−フェニル−シクロヘキシル)マロ
ン酸ジエチルエステル(IIIb)の合成 コルベンにDMF20mL を加えて内温80℃まで加熱
した。そこへマロン酸ジエチルNa塩5.38gを添加し
た。さらに、この温度を保持したまま、実施例1で合成
した4−フェニル−シクロヘキシルメタンスルホネート
(IIb)5.00g(19.7mmol)を添加し、同温度
で12時間攪拌反応した。反応液にMTBE、水を加え
て分液後、水、飽和食塩水の順で洗浄し、減圧下溶媒を
留去した。残渣をカラム精製(シリカ×10w/w、ヘ
プタン/酢酸エチル)して表題化合物1.67g(収率
26.6%)を得た。GC分析純度(trans)81.9
%、cis/trans比=13/87。
【0058】工程(3):2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IV
b)の合成 窒素気流下、コルベンに水素化リチウムアルミニウム
0.34g、乾燥したTHF12mLを加えて混合液を調
製し、氷水冷却した。他方、上記工程(2)で得られた2
−(4−フェニル−シクロヘキシル)−マロン酸ジエチ
ルエステル(IIIb)1.60g(5.02mmol)を乾燥
したTHF3mLに溶解し、これを内温25℃以下で、
混合液に滴下した。室温で約5時間反応した。反応液に
5%塩酸水を添加し、MTBEで抽出した。溶媒を水、
飽和食塩水の順で洗浄して硫酸マグネシウム乾燥処理
後、減圧下溶媒を留去した。残渣をn−へプタン12mL
で再結晶し、表題化合物0.77g(収率65.5%)を
得た。GC分析純度100%。
【0059】実施例4:2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IVb)
の合成 工程(2):2−(4−フェニル−シクロヘキシル)マロ
ン酸ジエチルエステル(IIIb)の合成 コルベンにDMF20mLを加えて内温80℃まで加熱
した。そこへマロン酸ジエチルNa塩5.38gを添加し
た。さらに、この温度を保持したまま、実施例1で合成
した4−フェニル−シクロヘキシルメタンスルホネート
(IIb)5.00g(19.7mmol)を添加し、同温度
で12時間攪拌反応した。反応液にMTBE、水を加え
て分液後、水、飽和食塩水の順で洗浄し、減圧下溶媒を
留去した。残渣をカラム精製(シリカ×10w/w、ヘ
プタン/酢酸エチル)して表題化合物2.84g(収率
45.2%)を得た。GC分析純度(trans)77.75
%、cis/trans比=14/86。
【0060】工程(3):2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IVb)
の合成 窒素気流下、コルベンに水素化リチウムアルミニウム
0.54g、乾燥したTHF20mLを加えて混合液を調
製し、氷水冷却した。他方、上記工程(2)で得られた2
−(4−フェニル−シクロヘキシル)−マロン酸ジエチ
ルエステル(IIIb)2.50g(7.85mmol)を乾燥
したTHF3mLに溶解し、これを内温25℃以下で、
混合液に滴下した。室温で約5時間反応した。反応液に
5%塩酸水を添加し、MTBEで抽出した。溶媒を水、
飽和食塩水の順で洗浄して硫酸マグネシウム乾燥処理
後、減圧下溶媒を留去した。残渣をn−へプタン12mL
で再結晶し、表題化合物1.14g(収率62.2%)を
得た。GC分析純度100%。
【0061】実施例5:2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン1,3−ジオール(IVb)の
合成 工程(1):4−フェニル−シクロヘキシルメタンスルホ
ネート(IIb)の合成 コルベンに、4−フェニル−シクロヘキサノール(Ib)
40.0g(0.227mol、cis/trans比=92/
8)、DMF120mL、トリエチルアミン29.85g
を注入し、水冷した。この混合液にメシルクロライド2
9.9gを内温5〜60℃で滴下した。室温付近で7時
間攪拌し、原料消失を確認した。クロロホルム、水を加
えて分液後、5%塩酸水、水、重曹水、水、飽和食塩水
の順で洗浄した。減圧下溶媒を濃縮して褐色固形物の表
題化合物54.3gを得た。(収率94.0%)。
【0062】工程(2):2−(4−フェニル−シクロヘ
キシル)マロン酸ジエチルエステル(IIIb)の合成 コルベンにエタノール20mLを注ぎ、内温 80℃まで
加熱した。そこへマロン酸ジエチル4.73g、粉末ソ
ジウムエチラート2.01g を添加した。この温度を保
持したまま、実施例1で合成した4−フェニル−シクロ
ヘキシルメタンスルホネート(IIb)5.00g(19.7
mmol)を添加し、同温度で12時間攪拌反応した。
反応液にMTBE、水を加えて分液後、水、飽和食塩水
の順で洗浄し、減圧下溶媒を留去した。残渣をカラム精
製(シリカ×10w/w、ヘプタン/酢酸エチル)して
表題化合物3.27g(収率57.3%)を得た。GC分
析純度(trans)79.26%、cis/trans比=6/94。
【0063】工程(3):2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン1,3−ジオール(IVb)の
合成 窒素気流下、コルベンに水素化リチウムアルミニウム
0.70g、乾燥したTHF24mLを加えて混合液を調
製し、氷水冷却した。他方、上記工程2で得られた2−
(4−フェニル−シクロヘキシル)−マロン酸ジエチル
エステル(IIIb)3.00g(9.42mmol)を乾燥し
たTHF6mLに溶解し、これを内温25℃以下で、混
合液に滴下した。室温で約5時間反応した。反応液に5
%塩酸水を添加し、MTBEで抽出した。溶媒を水、飽
和食塩水の順で洗浄して硫酸マグネシウム乾燥処理後、
減圧下溶媒を留去した。残渣をn−へプタン22mLで再
結晶し、表題化合物1.66g(収率69.5%)を得
た。GC分析純度100%。
【0064】比較例1:従来法 工程(1a):4−ブロモ−シクロヘキシル−ベンゼンの合
成 コルベンに4−フェニル−シクロヘキサノールを10.
0g(56.7mol、cis/trans比=70/30)加え
た。そこへ三臭化リン7.67gを滴下した。加温して
内温70℃で1時間攪拌して、クロロホルム、水を加え
て分液後、重曹水、水、飽和食塩水の順で洗浄した。減
圧下溶媒を留去して残渣を力ラム精製(シリカゲル、ヘ
プタン/酢酸エチル)し、表題化合物9.22gを得た
(収率68.0%)。GC分析:cis/trans/異性体=5
8/10/32。
【0065】工程(2):2−(4−フェニル−シクロヘ
キシル)マロン酸ジエチルエステル(IIIb)の合成 コルベンにエタノール20mLを加えて内温80℃まで
加熱した。そこへマロン酸ジエチル6.02g、粉末ソ
ジウムエチラート2.13g を添加した。この温度を保
持したまま、工程(1a)で得られた4−ブロモ−シクロヘ
キシル−ベンゼン5.00g(20.9mmol)を添加
し、同温度で12時間攪拌反応した。反応液にMTB
E、水を加えて分液後、水、飽和食塩水の順で洗浄し、
減圧下溶媒を留去した。残渣をカラム精製(シリカ×1
0w/w、ヘプタン/酢酸エチル)して表題化合物2.
73g(収率 41.0%)を得た。GC 分析純度(tra
ns)50.0%、cis/trans/異性体=11/55/34。
【0066】工程(3):2−(トランス−4−フェニル
−シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IVb)
の合成 窒素気流下、コルベンに水素化リチウムアルミニウム
0.54g、乾燥したTHF20mLを加えて氷水冷却し
た。この混合物に、工程(2)で得られた2−(4−フェ
ニル−シクロヘキシル)−マロン酸ジエチルエステル(I
IIb)2.50g(7.85mmol)を乾燥したTHF5
mLに溶解し、内温25℃以下で滴下した。室温で約5
時間反応した。反応液に5%塩酸水を添加し、MTBE
で抽出した。溶媒を水、飽和食塩水の順で洗浄して硫酸
マグネシウム乾燥処理後、減圧下溶媒を留去した。残渣
をn−へプタン20mLで再結晶し、表題化合物表題化合
物0.46g(収率25.0%)を得た。GC分析純度1
00%。
【0067】上記実施例1〜5および比較例1におい
て、工程(1)、工程(2)および工程(3)のそれぞれについ
てまとめた結果を、表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1に結果から明らかなように、比較例1
の、置換−シクロヘキサノールを出発原料とし、これと
三臭化リンとを反応させ、対応する臭化物を得、この臭
化物を塩基性条件下、アルコール溶媒中でマロン酸ジエ
ステルと反応させる方法では、最終の化合物(IV)が化合
物(I)から7%の収率でしか得られないのに対し、同じ
条件で、メシル体の化合物(II)を用いた実施例1は、化
合物(I)から、約13%の収率で得られることがわかっ
た。比較例1では、得られる臭化物にメタ異性体が存在
し、シス/トランス/異性体の割合が11/55/34
であった。
【0070】さらに、第2工程の化合物(II)から化合物
(III)を合成するに際し、溶媒としてDMFなどの非プ
ロトン性溶媒を用いた実施例2〜5は、実施例1と比べ
て、得られる化合物のトランス体の比率が、大きく向上
することを示している。実施例2における工程(2)の収
率はそれほど高くないが、トランス体の含量が高いた
め、70%トランス体を含む化合物(I)からの最終的な
トランス体の化合物(IV)の収率は、実施例1よりも高い
ことが示された。
【0071】また、実施例2のマロン酸ジエチルエステ
ルの代りに、そのNa塩を用いた実施例3はほとんど実
施例2と差はなかったが、実施例4で示されるように、
反応に使用する塩(ソジウムエチラート)を実施例2の
2倍(3当量)にしたところ、反応収率は大きく増大
し、トランス体の含有割合には変化をもたらさなかっ
た。その結果、化合物(I)からの最終的な化合物(IV)の
収率は26%であり、実施例2および3の1.5〜1.
6倍にもなった。従来の方法(比較例1)と比較する
と、約4倍の収率が達成される。
【0072】実施例6〜10 表2に記載の「出発材料」に記載の化合物を用い、工程
(1)、工程(2)および工程(3)の反応を行った。工程(2)に
おける溶媒はDMFを用い、マロン酸ジエステルとして
マロン酸ジメチルナトリウム塩を用いた。結果を表2に
示す。
【0073】
【表2】
【0074】この結果、各種の置換シクロヘキサノール
を出発物質として、対応するトランスジオール体が高い
収量で得られた。
【0075】なお、表2中、a〜fで示す化合物の分析
値は、以下の通りである。 a)4−エチル−シクロヘキシルメタンスルホネート: IR(cm-1):2932, 1353, 1176, 909
【0076】b)4−n−ブチル−シクロヘキシルメタ
ンスルホネート:1 H-NMR:(CDCl3, ppm):0.89 (t,3H), 1.20-1.42 (m,9
H), 1.55-1.67 (m,4H),2.00 (m,2H), 2.99 (s,3H) IR(cm-1):2956, 1359, 1181, 909
【0077】c)トランス−4−n−ブチル−シクロヘ
キシルメタンスルホネート:13 C-NMR(CDCl3, ppm):14.33, 19.97, 23.94, 30.05, 3
1.19, 33.45, 37.54, 38.65, 39.73, 41.91, 42.57, 7
9.55 IR(cm-1):2954, 1362, 1183, 910
【0078】d)シス−3−メチル−シクロヘキシルメ
タンスルホネート:13 C-NMR(CDCl3, ppm):20.09, 21.84, 26.60, 30.97, 3
3.65, 38.62, 38.82, 39.40, 81.66 IR(cm-1):1459, 1348, 1176, 910
【0079】e)2−(トランス−3−メチル−シクロ
ヘキシル)−マロン酸ジメチルエステル:1 H-NMR:(CDCl3, ppm):0.72 (m,1H), 0.82 (m,1H), 0.
87 (m,3H), 0.95 (1H),1.30(1H), 1.60(1H), 1.78(1H),
2.11(1H), 3.16(1H), 3.72(3H), 3.3(3H) IR(cm-1):1731, 1436, 1021
【0080】f)2−(トランス−4−t−ブチル−シ
クロヘキシルプロパン)−1,3−ジオール1 H-NMR:(CDCl3, ppm):0.83(s,9H), 0.98(m,1H), 1.33
(m,1H), 1.55(m,1H), 1.79(m,4H), 2.83(OH,2H), 3.79
(dd,2H),3.86(dd,2H) IR(cm-1):3303, 2936, 1432, 1094, 1017, 689
【0081】
【発明の効果】シス置換−シクロヘキサノール(I)を出
発物質とし、これをメタンスルフォニル化してシス置換
−シクロヘキシルスルホネート(II)に変換し、この(II)
をマロン酸ジエステル類と反応させ、トランス置換−シ
クロヘキシルマロン酸誘導体(III)とし、これを還元し
て、トランス置換−シクロヘキシルプロパン−1,3−
ジオール(IV)を合成することにより、従来、(I)の臭
化物を用いて製造した場合よりも4倍以上も高い収率
で、(IV)を製造することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 309/66 C07C 309/66 C09K 19/30 C09K 19/30 (72)発明者 末永 仁士 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化学 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB64 AC41 AC48 BA92 BE22 BE23 BJ20 BT12 FE11 FG22 4H027 CM03 CV03 CW03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】 (式中、RはC〜C10の分岐していても良いアル
    キル基、フェニル基、シクロヘキシル基、またはC
    の分岐していても良いアルキル基で置換されたフェ
    ニル基あるいはシクロヘキシル基を示す。Rは、独立
    に、低級アルキル基を示す)で表される、置換シクロヘ
    キシルスルホネート(II)とマロン酸ジエステルとを反応
    させる工程(2)を含む、置換シクロヘキシルマロン酸ジ
    エステル(III)の製造方法。
  2. 【請求項2】 次式: 【化2】 (式中、RはC〜C10の分岐していても良いアル
    キル基、フェニル基、シクロヘキシル基、またはC
    の分岐していても良いアルキル基で置換されたフェ
    ニル基あるいはシクロヘキシル基を示す。Rは、独立
    に、低級アルキル基を示す)で表される、置換シクロヘ
    キサノール(I)とメタンスルホニル化剤とを反応させて
    置換シクロヘキシルスルホネート(II)を得る工程(1)、
    該得られた置換シクロヘキシルスルホネート(II)とマロ
    ン酸ジエステルとを反応させる工程(2)を含む、置換シ
    クロヘキシルマロン酸ジエステル(III)の製造方法。
  3. 【請求項3】 次式: 【化3】 (式中、RはC〜C10の分岐していても良いアル
    キル基、フェニル基、シクロヘキシル基、またはC
    の分岐していても良いアルキル基で置換されたフェ
    ニル基あるいはシクロヘキシル基を示す。Rは、独立
    に、低級アルキル基を示す)で表される、置換シクロヘ
    キシルスルホネート(II)とマロン酸ジエステルとを反応
    させて置換シクロヘキシルマロン酸ジエステル(III)を
    得る工程(2)、および該置換シクロヘキシルマロン酸ジ
    エステル(III)を還元する工程(3)を含む、2−(置換−
    シクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオール(IV)の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 次式: 【化4】 (式中、RはC〜C10の分岐していても良いアル
    キル基、フェニル基、シクロヘキシル基、またはC
    の分岐していても良いアルキル基で置換されたフェ
    ニル基あるいはシクロヘキシル基を示す。Rは、独立
    に、低級アルキル基を示す)で表される、置換シクロヘ
    キサノール(I)とメタンスルホニル化剤とを反応させて
    置換シクロヘキシルスルホネート(II)を得る工程(1)、
    該得られた置換シクロヘキシルスルホネート(II)とマロ
    ン酸ジエステルとを反応させて置換シクロヘキシルマロ
    ン酸ジエステル(III)を得る工程(2)、および該置換シク
    ロヘキシルマロン酸ジエステル(III)を還元する工程(3)
    を含む、2−(置換−シクロヘキシル)プロパン−1,
    3−ジオール(IV)の製造方法。
  5. 【請求項5】 シス−4−フェニル−シクロヘキシルメ
    タンスルホネート。
  6. 【請求項6】 2−(トランス−4−フェニル−シクロ
    ヘキシル)−マロン酸ジエチルエステル。
  7. 【請求項7】 シス−3−メチル−シクロヘキシルメタ
    ンスルホネート。
  8. 【請求項8】 2−(トランス−3−メチル−シクロヘ
    キシル)−マロン酸ジエチルエステル。
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