JP2002020488A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィドの製造方法Info
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Abstract
ンスルフィドの製造方法を提供すること。 【解決手段】 極性溶媒中でジハロゲン芳香族化合物と
金属硫化物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを
製造する方法において、反応系が100℃以上となる条
件下で、反応に必要な水の全部又は一部を添加すること
により、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中に、これと
等量(質量)のポリアリーレンスルフィドを加え、26
5℃で8時間保持したときのポリアリーレンスルフィド
の206℃における固有粘度[η]の低下が0.05デシ
リットル/g以下であるポリアリーレンスルフィドを得
る製造方法である。
Description
フィド(以下、PASと略称することがある。)樹脂の
製造方法に関する。さらに詳しくは、高分子量かつ熱安
定性に優れるPAS樹脂を製造する方法、このような特
性を有するPAS樹脂、このPAS樹脂と無機フィラー
からなる樹脂組成物、及びこの樹脂組成物からなる成形
体に関する。
ポリフェニレンスルフィドは、機械的強度,耐熱性等に
優れると共に、良好な電気的特性や高い剛性を有するエ
ンジニアリングプラスティックとして知られており、電
子・電気機器部品の素材等の各種材料として広く用いら
れている。特にポリフェニレンスルフィドと無機フィラ
ーからなる樹脂組成物の成形品は、様々な用途に用いら
れている。
ゼン等のジハロゲン芳香族化合物と硫化ナトリウム,硫
化リチウム等のアルカリ金属硫化物とを反応させること
によりPASを得る従来の製造方法において、アルカリ
金属硫化物は極性溶媒に不溶であるため、所定量の水を
添加している。この場合、アルカリ金属硫化物は、水の
存在により溶媒に溶解するが、その一部が加水分解を受
けてアルカリ金属水硫化物に変化する。このアルカリ金
属水硫化物が、連鎖移動剤として働くため、PASの分
子量の向上が抑制されたり、ポリマーの末端が−SHと
なる。このため、熱安定性に劣るPASが生成するとい
う問題がある。この問題を解決するために、水を添加し
た後、低温において予備重合を行うことによりPASを
高分子化させる方法(特開昭64−9228号公報)
や、少量の水を加えて予備重合させることにより、アル
カリ金属硫化物の転化率を上げ、その後、水を加えて重
縮合させる方法(特開昭61−7332号公報)などが
提案されているが、高分子量かつ熱安定性に優れるPA
Sを得るという点において十分ではない。
鑑みなされたものであり、高分子量かつ熱安定性に優れ
るPASの製造方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、熱安定性に優れるPASを提供すること
を目的とする。
した結果、極性溶媒中でジハロゲン芳香族化合物と金属
硫化物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを製造
する方法において、反応系が100℃以上となる条件下
で、反応に必要な水の全部又は一部を添加することによ
り上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成し
たものである。すなわち、本発明の要旨は、以下の通り
である。 〔1〕 N−メチル−2−ピロリドン溶媒中に、これと
等量(質量)のポリアリーレンスルフィドを加え、26
5℃で8時間保持したときのポリアリーレンスルフィド
の206℃における固有粘度[η]の低下が0.05デシ
リットル/g以下であることを特徴とするポリアリーレ
ンスルフィド。 〔2〕 極性溶媒中でジハロゲン芳香族化合物と金属硫
化物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを製造す
る方法において、反応系が100℃以上となる条件下
で、反応に必要な水の全部又は一部を添加して、前記
〔1〕に記載のポリアリーレンスルフィドを得ることを
特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。 〔3〕 前記〔1〕に記載のポリアリーレンスルフィド
20〜90重量%及び無機フィラー80〜10重量%か
らなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 〔4〕 前記〔3〕に記載のポリアリーレンスルフィド
樹脂組成物を成形してなる成形体。
る。 1.ポリアリーレンスルフィド(PAS) 本発明のPASは、N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)溶媒中に、これと等量(質量)のポリアリーレンス
ルフィドを加え、265℃で8時間保持したときのポリ
アリーレンスルフィド(PAS)の206℃における固
有粘度[η]の低下が0.05デシリットル/g以下、好
ましくは0.03デシリットル/g以下,特に好ましく
は、0.02デシリットル/g以下であることを特徴とす
るポリアリーレンスルフィド樹脂である。このような樹
脂は、熱安定性が優れるため種々の過酷な用途にも使用
できる樹脂である。
としては、PASとNMPとの混合物を用い、この混合
物を高温(265℃)で8時間に保持して、PASの固
有粘度[η]の変化を見る方法が好適である。この場合
PASとNMPとの混合割合は、任意であるが、再現性
を高めるために通常両者を等量(質量)、例えば、2.5
gずつ配合して行う。また、固有粘度[η]は、この種
の樹脂の溶解性を考慮すると、206℃に於ける値で表
示するのが便利である。
は、例えば、構造式−Ar−S−(ただしArはアリー
レン基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有
する重合体である。その代表的なものは、下記構造式
(I)
基、アルコキシ基、フェニル基、カルボン酸/金属塩、
アミノ基、ニトロ基、フッ素,塩素,臭素等のハロゲン
原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数であ
る。また、nは平均重合度を示し10〜200の範囲で
ある)で示される繰り返し単位を70モル%以上有する
PPS、あるいは下記構造式(II)
る。)で表されるPPSを挙げることができる。
状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、分岐
や架橋構造を有する構造のものが知られているが、本発
明の製造方法はその何れのタイプのものについても有効
である。PASとしては、繰り返し単位としてパラフェ
ニレンスルフィド単位を70モル%以上、さらに好まし
くは80モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリ
マーが挙げられる。共重合構成単位としては、例えばメ
タフェニレンスルフィド単位、オルソフェニレンスルフ
ィド単位、p,p' −ジフェニレンケトンスルフィド単
位、p,p' −ジフェニレンスルホンスルフィド単位、
p,p' −ビフェニレンスルフィド単位、p,p' −ジ
フェニレンエーテルスルフィド単位、p,p' −ジフェ
ニレンメチレンスルフィド単位、p,p' −ジフェニレ
ンクメニルスルフィド単位、ナフチルスルフィド単位な
どが挙げられる。また、本発明のポリアリーレンスルフ
ィドとしては、前記の実質上線状ポリマーの他に、モノ
マーの一部分として3個以上の官能基を有するモノマー
を少量混合使用して重合した分岐または架橋ポリアリー
レンスルフィドや、また、これを前記の線状ポリマーに
ブレンドした配合ポリマーも対象とすることができる。
としては、例えばm−ジハロベンゼン,p−ジハロベン
ゼン等のジハロゲンベンゼン類;2,3−ジハロトルエ
ン,2,5−ジハロトルエン,2,6−ジハロトルエ
ン,3,4−ジハロトルエン,2,5−ジハロキシレ
ン,1−エチル−2,5−ジハロベンゼン,1,2,
4,5−テトラメチル−3,6−ジハロベンゼン,1−
ノルマルヘキシル−2,5−ジハロベンゼン,1−シク
ロヘキシル−2,5−ジハロベンゼンなどのジハロゲン
アルキル置換ベンゼン類又はジハロゲンシクロアルキル
置換ベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロベンゼ
ン,1−ベンジル−2,5−ジハロベンゼン,1−p−
トルイル−2,5−ジハロベンゼン等のジハロゲンアリ
ール置換ベンゼン類;4,4’−ジハロビフェニル等の
ジハロゲンビフェニル類;1,4−ジハロナフタレン,
1,6−ジハロナフタレン,2,6−ジハロナフタレン
等のジハロゲンナフタレン類などが挙げられる。
機化合物(たとえば、アミド化合物,ラクタム化合物,
尿素化合物,有機イオウ化合物,環式有機リン化合物
等)を、単独溶媒として、または、混合溶媒として、好
適に使用することができる。
物としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド,N,N−ジエチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N,N−ジエチルアセトアミド,N,N
−ジプロピルアセトアミド,N,N−ジメチル安息香酸
アミド等を挙げることができる。
えば、カプロラクタム,N−メチルカプロラクタム,N
−エチルカプロラクタム,N−イソプロピルカプロラク
タム,N−イソブチルカプロラクタム,N−ノルマルプ
ロピルカプロラクタム,N−ノルマルブチルカプロラク
タム,N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アル
キルカプロラクタム類,N−メチル−2−ピロリドン
(NMP),N−エチル−2−ピロリドン,N−イソプ
ロピル−2−ピロリドン,N−イソブチル−2−ピロリ
ドン,N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン,N−ノ
ルマルブチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキシル−
2−ピロリドン,N−メチル−3−メチル−2−ピロリ
ドン,N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン,N−
メチル−34,5−トリメチル−2−ピロリドン,N−
メチル−2−ピペリドン,N−エチル−2−ピペリド
ン,N−イソプロピル−2−ピペリドン,N−メチル−
6−メチル−2−ピペリドン,N−メチル−3−エチル
−2−ピペリドンなどを挙げることができる。また、前
記尿素化合物としては、たとえば、テトラメチル尿素,
N,N' −ジメチルエチレン尿素,N,N' −ジメチル
プロピレン尿素などを挙げることができる。
たとえば、ジメチルスルホキシド,ジエチルスルホキシ
ド,ジフェニルスルホン,1−メチル−1−オキソスル
ホラン,1−エチル−1−オキソスルホラン,1−フェ
ニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有
機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オ
キソホスホラン,1−ノルマルプロピル−1−オキソホ
スホラン,1−フェニル−1−オキソホスホランなどを
挙げることができる。これら各種の極性有機化合物は、
それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、さら
には、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混合し
て、前記極性溶媒として使用することができる。
はN−アルキルカプロラクタム及びN−アルキルピロリ
ドンであり、特に好ましいのはN−メチル−2−ピロリ
ドンである。 金属硫化物 金属硫化物としては、硫化ナトリウム,硫化リチウム及
び硫化カリウム等のアルカリ金属化合物を主として用い
ることができる。これらは一種単独で、または二種以上
を混合して用いてもよい。また、アルカリ土類硫化物や
他の硫黄源を併用してもよい。
剤,末端停止剤などをジハロゲン化合物と併用してもよ
い。コモノマ−や分岐剤を共重合してもよい。コモノマ
ーとしては、2,3−ジクロロフェノール、2,3−ジ
ブロモフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,
4−ジブロモフェノール、2,5−ジクロロフェノー
ル、2,5−ジブロモフェノール、2,4−ジクロロア
ニリン、2,4−ジブロモアニリン、2,5−ジクロロ
アニリン、2,5−ジブロモアニリン、3,3’−ジク
ロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジブ
ロモ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジク
ロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−
ジブロモ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ジ(3
−クロロ−4アミノ)フェニルメタン、m−ジクロロベ
ンゼン、m−ジブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ン、o−ジブロモベンゼン、4,4’−ジクロロジフェ
ニルエ−テル、4,4’−ジクロロジフェニルルホン等
が挙げられる。また、分岐剤としては、1,2,4−ト
リクロロベンゼン、1,3,5−トリクロベンゼン、
1,2,3−トリクロロベンゼン等が挙げられる。末端
停止剤としては、p−ブロモフェノール、m−ブロモフ
ェノール、o−ブロモフェノール、p−クロロフェノー
ル、m−クロロフェノール、o−クロロフェノール、p
−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、o−
フルオロフェノール、p−ヨードフェノール、m−ヨー
ドフェノール、o−ヨードフェノール等のハロゲン化フ
ェノールなどが挙げられ、中でもp−ブロモフェノー
ル、p−クロロフェノールが好ましい。
下で添加するが、100〜270℃が好ましく、より好
ましくは150〜260℃、特に好ましくは180〜2
40℃である。この温度が100℃未満では、得られる
PASの熱安定性が低下し、270℃を超えると、反応
が急激に進行するため、高分子量のPASを得ることが
できない。なお、水の一部を添加する場合、反応に必要
な水の残りの部分は、あらかじめ金属硫化物とジハロゲ
ン芳香族化合物ともに反応器に仕込んでおいてもよい。
本発明においては、水の全部を高温で添加することが好
ましい。また、水は、極性溶媒とともに加熱して供給し
てもよい。水は、蒸留水が好ましい。水の投入方法とし
ては、密閉ボンベに水と極性溶媒との混合物を入れ、オ
ートクレーブにループ型に取り付け、圧力をバランスさ
せ、重力の作用により水を落とす方法を採用することが
できる。
比で0.8〜1.2とすることが好ましく、より好ましくは
0.9〜1.1、特に好ましくは0.95〜1.05である。こ
のモル比が0.8〜1.2の範囲外であると、高分子量のP
ASを得ることができないおそれがある。水の使用量
は、金属硫化物に対してモル比で0.05〜4.0とするこ
とが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0、特に好まし
くは0.15〜2.5である。このモル比が0.05未満であ
ると、反応が不十分となるおそれがあり、このモル比が
4.0を超えると、高分子量のPASを得ることができな
いおそれがある。本発明においては、反応を促進させる
ために上記原料以外に、アルカリ金属化合物等の金属水
酸化物、アルカリ金属N−メチルアミノ酪酸塩等の金属
N−メチルアミノ酪酸塩を添加してもよい。これらの添
加物使用量は、金属硫化物に対してモル比で0.01〜1.
0とすることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.
8、特に好ましくは0.1〜0.6である。
〜280℃、より好ましくは250〜270℃における
一段反応を行ってもよく、重縮合の前に、180〜23
0℃、好ましくは190〜220℃、より好ましくは1
95〜215℃において予備重合を行ってもよい。重縮
合の反応時間は、0.5〜10時間、好ましくは1.0〜1
0時間、より好ましくは1.5〜10時間である。この反
応時間が0.5時間未満であると、反応が不十分となるた
め、分子量が十分に高くならないおそれがあり、また、
反応時間が10時間を超えても特に効果が得られるもの
でもない。また、反応器としては、回分式及び連続式の
いずれも用いることができる。
により得られたPAS20〜90重量%と無機フィラー
80〜10重量%からなるものであり、好ましくはPA
S20〜70重量%と無機フィラー80〜30重量%、
より好ましくはPAS40〜70重量%と無機フィラー
60〜30重量%からなるものである。無機フィラーと
しては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン
酸カリウムウイスカ、炭化ケイ素ウイスカ、マイカセラ
ミック繊維、ウオストナイト、マイカ、タルク、シリ
カ、アルミナ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、カ
ーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸リ
チウム、二硫化モリブデン、黒鉛、酸化鉄、ガラスビー
ズ、燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、燐酸マグネシウム、窒化ケイ素、ハイドロタルサイ
ト等を挙げることができる。これらの無機フィラーを一
種又は二種以上組み合わせて使用することができる。ま
た、これらの中にあっては、特にガラス繊維がよい。
ルカリガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスの
いずれでもよく、また、繊維長は好ましくは0.1〜8m
m、より好ましくは0.3〜6mmであって、繊維径は好
ましくは0.1〜30μm、より好ましくは0.5〜25μ
mである。繊維長が0.1mmより小さければ補強効果が
低いし、8mmより大きければ、流動性が低下する。ま
た、繊維径は0.1μmより小さければ流動性が低下す
るし、30μmより大きければ強度が低下する。更に、
ガラス繊維の形態としては、特に制限はなく、例えばロ
ービング、ミルドファイバー、チョップトストランドな
どの各種のものが挙げられる。これらのガラス繊維は単
独でも二種以上を組み合わせて用いることもできる。ま
た、ガラス繊維には、樹脂との親和性を高めるために、
アミノシラン系、エポキシシラン系、ビニルシラン系、
メタクリルシラン系等のシラン系カップリング剤やテト
ラメチル・オルソチタネート、テトラエチル・オルソチ
タネートほかチタネート系カップリング剤、クロム錯化
合物、ホウ素化合物で表面処理されたものであってもよ
い。
ては特に制限はないが、PAS、無機フィラー及び必要
に応じて用いられるシランカップリング剤、酸化防止
剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、導電性付与剤、着色剤、
含量等の添加剤を配合し、タンブラーブレンダー,ヘン
シェルミキサーなどで混合し、さらに単軸押出機や多軸
押出機を用いて溶融混練造粒するか、あるいはニーダ
ー,バンバリーミキサーなどで溶融混練造粒することに
より、調製することができる。本発明の成形体は、上記
PAS樹脂組成物を射出成形法や押出し成形法などの方
法により製造することができる。
する。なお、PASの熱安定性は、以下の方法により評
価した。
ルの小型耐圧セル(SUS316製)に投入し密栓し
た。このセルをオイルバス中で265℃まで昇温し、こ
の温度で8時間保持した。その後、セルを取り出し冷却
して、PASを取り出し、水洗・乾燥したものの固有粘
度[η]を、下記の方法で測定した。
gをα−クロロナフタレン10ミリリットル中に235
℃,15分間内で溶解させ、206℃の恒温槽内で得ら
れる粘度と、ポリマ−を溶解させていないα−クロロナ
フタレンの粘度との相対粘度を測定した。この値を用い
て次式に従って固有粘度[η]を算出した。
対粘度)/ポリマ−濃度 実施例1 容積1リットルのオートクレーブに硫化リチウム23.1
g(0.503モル)、無水水酸化リチウム1.96g(8
1.8ミリモル)及びNMP188ミリリットルを入れ、
215℃に保った。そこへ、p−ジクロロベンゼン75.
3g(0.512モル)、水6.46g(0.359モル)及
びNMP75.3ミリリットルの溶液をあらかじめ100
℃に加熱しておいたものを投入し、200℃で5時間予
備重合を行った。その後、260℃に昇温し、3時間重
合を行った。攪拌翼の回転数は320rpmとした。重
合が終了した後、100℃まで降温し、沈殿した顆粒状
のポリマーをろ過した。得られたポリマーを熱水で2回
洗浄し、最後にアセトンで洗浄した。これを120℃で
12時間真空乾燥し、PASを得た。得られたPASの
熱安定性実験を行った。結果を表1に示す。
g(0.503モル)、無水水酸化リチウム1.96g(8
1.8ミリモル)、p−ジクロロベンゼン75.3g(0.5
12モル)、水6.46g(0.359モル)及びNMP2
63.3ミリリットルを室温において入れ、200℃に昇
温し、その後は実施例8と同様の操作を行ってPASを
得た。得られたPASの熱安定性実験を行った。結果を
表1に示す。
メチルアミノ酪酸リチウム10.1g(81.8ミリモル)
を用いた以外は実施例1と同様の操作を行ってPASを
得た。得られたPASの熱安定性実験を行った。結果を
表1に示す。 比較例2 比較例1において、無水水酸化リチウムの代わりにN−
メチルアミノ酪酸リチウム10.1g(81.8ミリモル)
を用いた以外は比較例1と同様の操作を行ってPASを
得た。得られたPASの熱安定性実験を行った。結果を
表1に示す。
トリウム(三協化成社製)39.3g(0.503ミリモ
ル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行ってPA
Sを得た。得られたPASの熱安定性実験を行った。結
果を表1に示す。 比較例3 比較例1において、無水水酸化リチウムの代わりに無水
硫化ナトリウム(三協化成社製)39.3g(0.503ミ
リモル)を用いた以外は比較例1と同様の操作を行って
PASを得た。得られたPASの熱安定性実験を行っ
た。結果を表1に示す。
g(0.503モル)、無水水酸化リチウム1.96g(8
1.8ミリモル)、p−ジクロロベンゼン75.3g(0.5
12モル)及びNMP188ミリリットルを入れ、21
5℃に保った。そこへ、水6.46g(0.359モル)及
びNMP75.3ミリリットルの溶液をあらかじめ100
℃に加熱しておいたものを投入し、200℃で5時間予
備重合を行った。その後、260℃に昇温し、3時間重
合を行った。攪拌翼の回転数は320rpmとした。重
合が終了した後、100℃まで降温し、沈殿した顆粒状
のポリマーをろ過した。得られたポリマーを熱水で2回
洗浄し、最後にアセトンで洗浄した。これを120℃で
12時間真空乾燥し、PASを得た。得られたPASの
熱安定性実験を行った。結果を表1に示す。
定性に優れるPASを得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 N−メチル−2−ピロリドン溶媒中に、
これと等量(質量)のポリアリーレンスルフィドを加
え、265℃で8時間保持したときのポリアリーレンス
ルフィドの206℃における固有粘度[η]の低下が0.
05デシリットル/g以下であることを特徴とするポリ
アリーレンスルフィド。 - 【請求項2】 極性溶媒中でジハロゲン芳香族化合物と
金属硫化物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを
製造する方法において、反応系が100℃以上となる条
件下で、反応に必要な水の全部又は一部を添加して、請
求項1に記載のポリアリーレンスルフィドを得ることを
特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のポリアリーレンスルフィ
ド20〜90重量%及び無機フィラー80〜10重量%
からなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項3に記載のポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物を成形してなる成形体。
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JP2000205995A JP2002020488A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
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