JP2002017266A - 硬質糖衣掛製品及びその製造方法 - Google Patents
硬質糖衣掛製品及びその製造方法Info
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Abstract
にない高い硬度とクランチ性を有した硬質糖衣掛製品を
得る。 【解決手段】 糖衣層中の固形分含有量が、分岐デキス
トリン及び/又はその還元物の含有量が10.0重量%
〜25.0重量%未満であり、マルチトール含有量が7
5.0重量%〜90.0重量%未満とする。
Description
ト、グミ、チョコレート等の食品あるいは医薬品に対し
て、マルチトール含有糖衣を施した硬質糖衣掛製品及び
その製造方法に関するものである。
ーであり、う蝕性も低いなどの好ましい性質を有してい
る。特に糖アルコール類の中でもマルチトールは、甘味
が高く、味質が良好であるなどの好ましい特徴を有して
いる。これらの特徴は、糖衣層の成分として好ましい性
質であるが、結晶の成長速度が遅いため、マルチトール
を主成分とした糖衣層の製造は容易なものではなかっ
た。
用いた糖衣層及びその製造方法として、特公平7−79
626号公報には、コーティングが本質的に結晶質であ
り、90重量%以上がマルチトールからなる、硬質コー
ティングにより得られた砂糖ぬきのコーティング菓子ま
たは薬剤製品が記載されている。また、同公報には、硬
質コーティングによって得られた砂糖ぬきコーティング
菓子または薬剤製品の製造法として、マルチトールシロ
ップ中のマルチトール濃度が乾燥物質の重量で、92%
以上、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは9
6%以上で、乾燥物質含有率が50〜70重量%、好ま
しくは55〜65重量%であるマルチトールシロップを
用いた製造法が記載されている。
純度90重量%以上の高純度マルチトールに糖衣補強剤
として、プルラン、ゼラチン、アラビアガムなどの増粘
多糖類を用いた、糖衣の製造方法が開示されている。
にマルチトールのみで構成されているか、もしくは増粘
多糖類を使用して糖衣層の結着性向上を図るなど、芯剤
の耐水性や保護性といったバリヤー機能の付与や、糖衣
層の味質の改善を目的としたものであるため、糖衣層の
クランチ性や噛み応えといった、糖衣層の食感に関する
改良は十分なものとは言えなかった。
トール糖衣層の原料となる糖衣液は、芯剤への付着性が
決して良好ではなく、マルチトールそのものが結晶化し
にくい性質であるため、糖衣層形成における液掛けと乾
燥の繰り返し回数が多い、所望の厚さを有した糖衣層を
形成させるのに長時間を要す、糖衣層を形成せず糖衣パ
ンに付着するなどしてロスとなる糖衣液の量が多いな
ど、マルチトール糖衣層の製造は容易なものではなかっ
た。
製造や製造効率そのものを改善するための手段として、
様々な品質改良剤の添加も試みられているが、品質改良
剤の添加により糖衣液中のマルチトール純度が低下し、
マルチトールの結晶化が起こりにくくなるため、効果的
な手段とは言えず、逆に糖衣層表面に凹凸ができるとい
った品質の低下や、糖衣層の形成を阻害してしまうなど
の影響が出るなどの問題があった。このため、糖衣液中
のマルチトール純度は最低でも90%以上と高い値に設
定する必要があり、品質改良剤の添加による糖衣層の硬
度やクランチ性及び製造効率の改善も困難であった。
糖衣層及びその製造方法では、糖衣層そのものの食感
や、製造効率についての問題点を有していながらも、そ
れらをさらに改善することは非常に困難であった。
る糖衣液中に特定の分岐デキストリン及び/又はその還
元物を特定の割合で含有させることにより、大幅に糖衣
層の硬度やクランチ性が増し、製造効率も改善されるな
ど、かかる課題の多くを解決し、本発明を完成するに至
った。以下、本発明の課題を解決する手段を説明する。
量%以上かつ25.0重量%未満の分岐デキストリン及
び/又はその還元物と、75.0重量%以上かつ90.
0重量%未満のマルチトールが含まれることを特徴とす
る硬質糖衣掛製品である。糖衣層の形成速度や表面の平
滑性を高める意味では、80.0重量%以上かつ90.
0重量%未満のマルチトールが含まれていることが好ま
しい。
3〜4の糖類及び/又はその還元物が3.0重量%以下
であることを特徴とする、請求項1に記載の硬質糖衣掛
製品である。糖衣層の形成をさらに促進させる意味で、
糖衣層中の固形分に含まれるDP3〜4の糖類及び/又
はその還元物の含有量は、2.0重量%以下とすること
が好ましく、可能であれば1.5重量%以下とすること
が最も好ましい。
20以上の糖類及び/又はその還元物が、5.0重量%
以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
硬質糖衣掛製品である。糖衣層のクランチ性や硬度を高
める意味で、糖衣層中の固形分に含まれるDP20以上
の糖類及び/又はその還元物の含有量は、7.0重量%
以上とすることが好ましく、可能であれば10.0重量
%以上とすることが最も好ましい。ただし、DP20以
上の糖類及び/又はその還元物の含有量が20.0重量
%を超えると、糖衣層の形成阻害が見られたり、糖衣液
の粘度が高くなりすぎ取扱いが悪くなるため好ましくな
い。
還元物が、下記(1)〜(3)の条件を満たす分岐デキ
ストリン及び/又は下記(1)〜(3)の条件を満たす
分岐デキストリンを還元したものである、請求項1〜3
の何れか一つに記載の硬質糖衣掛製品。 (1)分岐デキストリンのDEが20以下である。 (2)分岐デキストリンの固形分中に含まれるDP3〜
4の糖類の含有量が15.0重量%以下である。 (3)分岐デキストリンの固形分中に含まれるDP20
以上の糖類の含有量が30.0重量%以上である。
Eが20以下の物を使用することで好適に実施できる
が、糖衣掛製品のクランチ性や糖衣層の形成速度の点か
ら、DEが15以下であることが好ましく、DEが10
以下の分岐デキストリンが最も好ましい。分岐デキスト
リン及び/又はその還元物の固形分中に含まれるDP3
〜4の糖類及び/又はその還元物の含有量について、1
5.0重量%以下とすることで好適に実施できるが、糖
衣層の形成を促進させる意味で、DP3〜4の糖類及び
/又はその還元物の含有量は、好ましくは10.0重量
%以下であり、さらに好ましくは8.0重量%以下であ
る。また、分岐デキストリン及び/又はその還元物の固
形分中に含まれるDP20以上の糖類及び/又はその還
元物の含有量について、30.0重量%以上とすること
で好適に実施できるが、糖衣層のクランチ性や硬度をさ
らに高める意味で、DP20以上の糖類及び/又はその
還元物の含有量は、50.0重量%以上が好ましい。本
発明で使用する分岐デキストリンの還元物は、上記糖組
成及びDE値を有した分岐デキストリンを公知の手段で
還元したものが好適に使用できる。
つ25.0重量%未満の分岐デキストリン及び/又はそ
の還元物と、75.0重量%以上かつ90.0重量%未
満のマルチトールが含まれる糖衣液を用いることを特徴
とする硬質糖衣掛製品の製造方法である。
/又はその還元物については、上記第4に記載した糖組
成あるいはDE値を有した分岐デキストリンを用いるこ
とができ、さらに該分岐デキストリンを還元して得られ
る分岐デキストリンの還元物を用いることが好ましい。
ンは、DEが20以下、好ましくはDEが15以下、最
も好ましくはDEが10以下の分岐デキストリンであ
る。分岐デキストリンの還元物については、DEが20
以下、好ましくはDEが15以下、最も好ましくはDE
が10以下の分岐デキストリンを還元したものである。
/又はその還元物の固形分中に含まれるDP3〜4の糖
類及び/又はその還元物の含有量が、15.0重量%以
下、好ましくは10.0重量%以下、さらに好ましくは
8.0重量%以下である。また、分岐デキストリン及び
/又はその還元物の固形分中に含まれるDP20以上の
糖類及び/又はその還元物の含有量は、30.0重量%
以上、好ましくは50.0重量%以上である。
れるDP3〜4の糖類及び/又はその還元物の含有量
は、3.0重量%以下とすることで好適に実施できる
が、好ましくは2.0重量%以下であり、さらに好まし
くは1.5重量%以下である。糖衣液の固形分中に含ま
れるDP20以上の糖類及び/又はその還元物の含有量
は、5.0重量%以上とすることで好適に実施できる
が、好ましくは7.0重量%以上であり、さらに好まし
くは10.0重量%以上である。糖衣液の固形分中に含
まれるDP20以上の糖類及び/又はその還元物の含有
量が20.0重量%を超えると、糖衣液の粘度が増大し
取扱いが困難になり、芯剤への均一な付着性や、糖衣層
の形成速度の低下といった影響を受けるため好ましくな
い。
ストリン分子中にα−1,6結合に由来する分岐構造を
有しているものを指し、例えばアミロペクチンを有した
澱粉を加熱焙焼したり、酵素又は酸で液化することによ
って得られたものを用いることができる。
原料の種類に特別の制限はなくトウモロコシ、ジャガイ
モ、サツマイモ、米、麦、タピオカ、等の各種澱粉素材
を原料として利用することができる。
トリンを公知の手段で還元したものであれば良く、例え
ば、公知の水素化触媒と共に水素加圧下で約80〜15
0℃に加温し、分岐デキストリンを水素添加することで
容易に入手できる。
澱粉からの加水分解率の小さいものが好ましく、DEが
20以下、好ましくはDEが15以下、最も好ましくは
DEが10以下である。また、本発明で用いられる分岐
デキストリンの還元物は、澱粉からの加水分解率の小さ
い分岐デキストリンを還元したものが好ましく、例え
ば、上記DE値を有した分岐デキストリンをそのまま還
元したものであれば、問題なく使用できる。
トリン及び/又はその還元物の使用が必要であるが、デ
キストリン中に含まれる分岐デキストリン及び/又はそ
の還元物の含有量が固形分換算で少なくとも30.0重
量%以上、好ましくは50.0重量%以上であれば、直
鎖デキストリン及び/又はその還元物との混合物であっ
ても、問題なく使用することができる。
/又はその還元物の含有量は、固形分換算で3.0〜2
5.0重量%であることが好ましい。分岐デキストリン
及び/又はその還元物の含有量が10.0重量%を下回
ると、糖衣液の粘度の低下により芯剤への付着性が低下
し、それに伴い糖衣層の形成効率が低下するため好まし
くない。また、糖衣層の形成速度の低下や、糖衣液の芯
剤への付着性低下などの点からも好ましくない。一方、
分岐デキストリン及び/又はその還元物の含有量が固形
分換算で25.0重量%を超えると、糖衣液の粘度が高
くなりすぎてしまい、芯剤に対して均一に糖衣液が付着
しにくくなること、マルチトール含有量の低下により糖
衣層の形成速度が低下するなどの理由で好ましくない。
び/又はその還元物の場合、分岐デキストリン及び/又
はその還元物と比較して、デキストリンの老化現象が顕
著に見られ、糖衣液として取扱いが困難となるため好ま
しくない。
マルチトール以外の成分として、特にDP3〜4の糖類
及び/又はその還元物は、マルチトールを主成分とする
糖衣層の形成を困難にする要因であるとの知見に基づ
き、糖衣層の形成に好適な糖衣液中の糖組成条件を検討
した。その結果、糖衣液中に含まれるDP3〜4の糖類
及び/又はその還元物の含有量は、固形分換算で3.0
重量%以下、好ましくは2.0重量%以下、さらに好ま
しくは1.5重量%以下とすることにより、本発明に係
る糖衣層が好適に行なわれることを見出した。
/又はその還元物の混入要因である分岐デキストリン及
び/又はその還元物について、入手容易性と、糖衣層形
成の実施容易性の両面から、本発明を好適に実施できる
糖組成条件を検討した。その結果、分岐デキストリン及
び/又はその還元物中に含まれるDP3〜4の糖類及び
/又はその還元物の含有量は、固形分換算で15.0重
量%以下、好ましくは10.0重量%以下、さらに好ま
しくは8.0重量%以下とすることが好適であった。
元物中の、DP3〜4の糖類及び/又はその還元物の含
有量について、固形分換算で15.0重量%を超えた場
合、マルチトール糖衣層の形成が著しく遅くなるか、又
は糖衣層が形成されなくなるため好ましくない。
又はその還元物は、特にDP20以上の糖類及び/又は
その還元物の含有量が、固形分換算で30.0重量%以
上、好ましくは50.0重量%以上であることが望まし
い。
ストリンの還元物のいずれも好適に使用できるが、分岐
デキストリンの還元物を用いた場合、熱や酸に対する安
定性が向上し変色しにくくなる効果を有する他、摂取カ
ロリーが低減すること、う蝕の発生を抑制する効果が高
くなること、血糖値の上昇を抑制すること、等の理由で
より有利に使用できる。
本発明の実施を妨げない範囲であれば、分岐デキストリ
ン及び/又はその還元物に、水飴及び/又は還元水飴を
適宜添加させることも可能である。
し、芯剤表面を送風により乾燥させるまでの工程を1サ
イクルとして、この工程を繰り返し行うことで硬質糖衣
層が施された糖衣製品が得られる。糖衣層形成に要する
糖衣サイクルの回数は、糖衣層を施そうとする芯剤の数
量、大きさ、形状、1サイクル当たりの糖衣液の塗布量
にもよるが、通常は50〜100サイクル程度で、芯剤
に対する糖衣率が50%の糖衣層を得ることが可能であ
る。芯剤に1gの枕型チューインガムを用いた場合、1
サイクルに要する時間はおよそ8〜10分であり、糖衣
率が50%の糖衣層を得るために要する時間は9〜15
時間である。
衣時間の短縮が上げられる。糖衣時間の短縮とは、所望
の厚さを有した糖衣層となるまでに要する時間が短いこ
とを示す。これは、分岐デキストリン及び/又はその還
元物を添加することにより、糖衣液の芯剤への付着性が
改善され、同時に糖衣液の糖衣パンへの付着量が減少す
るため、糖衣液のロスを最小限に止めることが可能とな
ったことや、糖衣層の成長促進が考えられる。
り、糖衣パンの洗浄回数や洗浄時間の短縮が可能とな
り、生産効率の改善が可能となった。
性が優れているため、糖衣掛作業中に芯剤へ被覆した糖
衣層の剥離が少なく、製品歩留まりを向上させることが
可能となる。
安定なため、高温での糖衣液の長時間保管や酸を含有し
た糖衣液でも分解が見られず、安定な糖衣層の形成が可
能である。
ルと分岐デキストリン及び/又はその還元物を混合した
糖衣液を塗布し、その後マルチトール結晶を粉掛けする
操作を行う糖衣方法も利用可能である。この方法を採用
した際の利点としては、さらに短期間で所望の厚さの糖
衣層に達することが挙げられる。
ルと分岐デキストリン及び/又はその還元物を混合した
溶液にマルチトール結晶が混濁した状態(スラリー状)
のものを糖衣液として利用することも可能である。ま
た、必要に応じ、糖衣液が塗布された芯剤に対して粉状
のマルチトール結晶を添加させても良い。このスラリー
糖衣方法を採用した際の利点としては、短期間で所望の
厚さの糖衣層が得られること、乾燥時の結晶化が速くな
ることがなどが挙げられる。
衣層は、分岐デキストリン及び/又はその還元物を含有
して固化するため、通常のマルチトールのみで製造され
る糖衣層よりも高い硬度を有する。硬度の高い糖衣層
は、噛み砕いたときにパリパリとした心地よい食感を有
した糖衣層となる。また、分岐デキストリン及び/又は
その還元物を含有した糖衣液は、芯剤に対して均一に付
着するため、糖衣層表面の凹凸が少なく、美しい糖衣層
となる。
妨げない範囲であれば、糖衣液中に結合剤としてアラビ
アガム、ゼラチン、プルラン、キサンタンガム、ヒドロ
キシメチルセルロース、食物繊維等などを自由に添加し
て、糖衣層を形成させることも可能である。さらに、糖
衣層の風味付として、各種フレーバー類、高甘味剤類、
酸味料類、ビタミン類、等の添加や、着色料の添加も本
発明の実施を妨げない範囲であれば、特に問題なく使用
することが可能である。
り、糖衣製造方法は公知の手段であれば問題はなく、ま
た糖衣装置についても特別な制限は受けず、糖衣層を施
すことが可能なものであれば、医薬用途、菓子用途など
による限定も受けず、実施することができる。
明を説明するが、本発明の技術範囲は以下の例に制限さ
れるものではない。
組成を有する物質を用いた。分岐デキストリンはDEが
8相当のものを使用した。また、本実施例にて使用され
る分岐デキストリンの還元物Aは、DE8の分岐デキス
トリンを還元したものを使用した。分岐デキストリンの
還元物Bは、分岐デキストリンの還元物Aと還元水飴を
固形分重量比で3:1で混合したものである。分岐デキ
ストリンの還元物Cは、分岐デキストリンの還元物Aと
還元水飴を固形分重量比で1:1で配合したものであ
る。分岐デキストリンの還元物Dは、分岐デキストリン
の還元物Aと還元水飴を固形分重量比で1:3で配合し
たものである。
が約1gの枕型チューインガムセンターを使用した。各
例ごとに、このチューインガムセンターを200g用意
し、小型糖衣機(菊水製作所製、16DS型)に入れ、
硬質糖衣掛製品の製造を試みた。糖衣層の作成は、室内
温度約22℃、相対湿度55%の条件下で行ない、小型
糖衣機の糖衣パンは毎分25回転の速度で回転させ、糖
衣率が50%になるまで糖衣層の作成作業を行った。な
お糖衣率50%とは、芯剤200gに対してその50%
の重量である100g分の糖衣層が施されたことを意味
する。
用意した。この糖衣液の固形分中のマルチトール含有量
は84.8重量%であった。次に、糖衣液を50℃に維
持しつつ糖衣パン内に噴霧し、枕型チューインガムセン
ターが濡れる程度に液掛けし、次いで50℃の温風を吹
きかけ、糖衣液が噴霧された芯剤表面を乾燥させた。糖
衣液の液掛けと乾燥からなるこの工程を1サイクルと
し、1サイクルに要する時間は10分で統一した。合計
58サイクルを行ない、芯剤に対しての糖衣率が50%
の実施品1を得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると84.2重
量%であった。次に、本実施例で調製した糖衣液を用い
た以外は、実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させ、
合計58サイクルで、芯剤に対しての糖衣率が50%の
実施品2を得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると80.4重
量%であった。次に、本実施例で調製した糖衣液を用
い、糖衣液温度を60℃に保持した以外は、実施例1と
同様の方法で糖衣層を形成させ、合計53サイクルで、
芯剤に対しての糖衣率が50%の実施品3を得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると85.3重
量%であった。次に、本実施例で調製した糖衣液を用
い、実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させ、合計6
0サイクルで、芯剤に対しての糖衣率が50%の実施品
4を得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると85.8重
量%でった。次に、本実施例で調製した糖衣液を用い、
実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させ、合計62サ
イクルで、芯剤に対しての糖衣率が50%の実施品5を
得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると89.0重
量%でった。次に、本実施例で調製した糖衣液を用い、
実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させ、合計52サ
イクルで、芯剤に対しての糖衣率が50%の実施品6を
得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると74.6重
量%であった。次に、本実施例で調製した糖衣液を用い
た以外は、実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させよ
うとしたが、糖衣液の粘度が高いため操作性が悪いため
芯剤に塗布しても糖衣液が芯剤を均一にコーティングさ
れず、また芯剤に塗布した糖衣液も結晶化が起こらない
ため、糖衣層が形成されなかった。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると72.5重
量%である。次に、本実施例で調製した糖衣液を用いた
以外は、実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させよう
としたが、芯剤に塗布した糖衣液が結晶化せず、糖衣層
が形成されなかった。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると86.3重
量%である。次に、本実施例で調製した糖衣液を用い、
1サイクルに要する時間を12分とした以外は、実施例
1と同様の方法で糖衣層を形成させ、合計70サイクル
で、芯剤に対しての糖衣率が50%の比較品3を得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると95.2重
量%である。次に、本実施例で調製した糖衣液を用い、
送風温度を30℃にした以外は、実施例1と同様の方法
で糖衣層を形成させ、合計87サイクルで、芯剤に対し
ての糖衣率が50%の比較品4を得た。
のマルチトール含有量は、固形分換算すると95.4重
量%である。次に、本実施例で調製した糖衣液を用いた
以外は、実施例1と同様の方法で糖衣層を形成させ、合
計85サイクルで、芯剤に対しての糖衣率が50%の比
較品5を得た。
いて、下記試験項目を実施した。
例と同一の方法で製造した、厚さ1.0mmの糖衣層の
試験片を用意し、クリープメーターRE33005(山
電株式会社製)を用いて、試験片が破断した時の最大荷
重を測定することで行った。測定は、押し込み速度:
1.0mm/min、接触面積:0.13cm2、ロー
ドセル:20kgf、プランジャー:No.49の条件
で行い、測定は10回行い、結果はその平均値とした。
門のパネリストが前記の実施品及び比較品を試食して評
価した。クランチ性の評価は、 ◎ :非常にパリパリとし、良好な歯応えを有する ○ :パリパリとした歯応えを有する △ :少しパリパリとした感覚を有する × :パリパリとした食感がなく、歯応えがない ××:糖衣層が形成されない 以上の5段階で評価した。
パネリストにより、実施品及び比較品の表面の仕上がり
具合を評価した。平滑性の評価は、 ◎ :非常に滑らかで凹凸が無い ○ :滑らかである △ :凹凸が見られる × :糖衣層が形成されない 以上の4段階で評価した。
剤に対する糖衣率が50%に達するまでの糖衣サイクル
数と、糖衣開始時から8時間後の糖衣率を求めた。
衣液の固形分重量と、芯材を被覆している糖衣層の固形
分重量とを求め、その差から、芯材に被覆されなかった
糖衣液中の固形成分の量を、ロス量として、糖衣液被覆
量に対するロス率を各実施例及び比較例で算出し、それ
ぞれの違いを評価した。
は表2に、比較品1〜5については表3にまとめた。
品1〜6は、何れも糖衣層のクランチ性と平滑性が良好
であり、非常に高い硬度を有した糖衣層であった。
低い糖衣液を用い、比較例2では分岐デキストリンの還
元物に替わり、その一部を糖衣補強剤であるアラビアガ
ムに置き換えて糖衣層の形成を試みたが、芯材に塗布さ
れた糖衣液からマルチトール結晶が析出せず、糖衣層が
形成されなかった。
P3〜4に該当する糖類の還元物の含有量が15.0%
を超え、また糖衣液の固形分中に含まれるDP3〜4糖
類の還元物の含有量も3%を超えるため、マルチトール
糖衣層の形成速度が遅くなった。その結果、1サイクル
の時間が10分では糖衣層が析出せず、糖衣層形成まで
に1サイクルあたり12分の時間を要した。また、ロス
となる糖衣液の分量が増加し、糖衣サイクル数も増大す
るなど、糖衣効率が悪化した。さらに、比較品3で得ら
れた糖衣層は、クランチ性が低く、平滑性及び硬度も十
分なものとは言えず、糖衣層の品質にも問題があった。
その還元物に替えて、糖衣補強剤であるアラビアガムを
使用して糖衣層の形成を試みたところ、得られた糖衣層
の平滑性については問題がなかった。しかしながら、比
較品4の糖衣層の硬度及びクランチ性については十分に
満足できるレベルにまで達していなかった。また、ロス
となる糖衣液の分量が多い、1サイクル当たりの糖衣効
率が悪い、糖衣層形成に要する糖衣サイクル数が多い、
などの問題があった。
含有量が10%を下回る条件で糖衣層の形成を試みた。
比較品5の糖衣層の平滑性については問題がなかった。
しかしながら、糖衣層の硬度及びクランチ性については
十分に満足できるレベルにまで達していなかった。ま
た、ロスとなる糖衣液の分量が多い、1サイクル当たり
の糖衣効率が悪い、糖衣層形成に要する糖衣サイクル数
が多い、などの問題があった。
形成させるのに要した糖衣サイクル数は、従来技術に基
づく方法で行われた比較例よりも、大幅にその回数が減
少した。糖衣サイクル数が減少した理由の一つとして、
糖衣率50%の糖衣層を得るまでの間にロスとなった糖
衣液の分量の違いが挙げられ、実施例では25〜31g
であるのに対し、比較例では34〜50gとなってお
り、芯剤に対する糖衣液の付着性が改善されていること
が解った。また、本発明にかかる製造方法において、単
位時間当たりの糖衣層形成度について、糖衣形成作業を
開始してから8時間後の糖衣率を評価したところ、実施
品では38〜45%であるのに対し、比較品では27〜
29%程度で30%を下回る結果となった。
た硬質糖衣層が施された硬質糖衣掛製品は、糖衣層の硬
度が高く、クランチ性や平滑性についても優れた性質を
有していた。また、糖衣層形成効率の重要な因子であ
る、糖衣液の芯剤への付着性の改善、糖衣液の糖衣パン
への付着量の低下などの効果を有し、液掛けに使用した
糖衣液量に対してロスとなる糖衣液の量が減少した。ま
た、糖衣層製造時に糖衣パン壁面へ付着する糖衣液の量
が減少するため、糖衣パンの洗浄が簡略化される効果も
得られるなど、大幅に糖衣層の製造効率を改善すること
が可能となった。
Claims (5)
- 【請求項1】糖衣層中の固形分に、10.0重量%以上
かつ25.0重量%未満の分岐デキストリン及び/又は
その還元物と、75.0重量%以上かつ90.0重量%
未満のマルチトールが含まれることを特徴とする硬質糖
衣掛製品。 - 【請求項2】糖衣層中の固形分に含まれる重合度(Degr
ee of Polymerization;DP)3〜4の糖類及び/又は
その還元物が3.0重量%以下であることを特徴とす
る、請求項1に記載の硬質糖衣掛製品。 - 【請求項3】糖衣層中の固形分に含まれるDP20以上
の糖類及び/又はその還元物が、5.0重量%以上であ
ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硬質糖衣
掛製品。 - 【請求項4】分岐デキストリン及び/又はその還元物
が、下記(1)〜(3)の条件を満たす分岐デキストリ
ン及び/又は下記(1)〜(3)の条件を満たす分岐デ
キストリンを還元したものである、請求項1〜3の何れ
か一つに記載の硬質糖衣掛製品。 (1)分岐デキストリンのデキストロース当量(Dextro
se Equivalent;DE)が20以下である。 (2)分岐デキストリンの固形分中に含まれるDP3〜
4の糖類の含有量が15.0重量%以下である。 (3)分岐デキストリンの固形分中に含まれるDP20
以上の糖類の含有量が30.0重量%以上である。 - 【請求項5】固形分中に10.0重量%以上かつ25.
0重量%未満の分岐デキストリン及び/又はその還元物
と、75.0重量%以上かつ90.0重量%未満のマル
チトールが含まれる糖衣液を用いることを特徴とする硬
質糖衣掛製品の製造方法。
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