JPH0670688A - 糖衣生成物及びその製造方法 - Google Patents

糖衣生成物及びその製造方法

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JPH0670688A
JPH0670688A JP4227527A JP22752792A JPH0670688A JP H0670688 A JPH0670688 A JP H0670688A JP 4227527 A JP4227527 A JP 4227527A JP 22752792 A JP22752792 A JP 22752792A JP H0670688 A JPH0670688 A JP H0670688A
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JP
Japan
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sugar
coated
lactitol
coating
product
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JP4227527A
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Inventor
Kanji Tamura
関治 田村
Mariko Tsuru
まり子 水流
Mamoru Takeda
守 武田
Tatsuo Kuwata
辰雄 桑田
Akira Kato
陽 加藤
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、糖衣生成物の吸湿性を向上させる
こと、及び糖衣層の厚さを増やすことなくかたさを増加
させてパリパリ感を出し、かつ糖衣層表面を滑らかにし
て、菓子類や医薬品の食感を向上させることを目的とす
る。 【構成】 芯材がラクチトール及び結晶セルロースを含
む糖衣層で被覆された糖衣生成物である。これはラクチ
トールを乾燥物質重量で40重量%乃至65重量%、及
び結晶セルロースを0.5重量%乃至3重量%含有する
糖衣シロップを糖衣パン内に載置した芯材に供給し乾燥
することにより製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、菓子類、医薬品等の芯
材にラクチトール及び結晶セルロースを糖衣した糖衣生
成物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】一般に糖衣が施されているものは、チュー
インガム又はキャンディーなどの菓子類、或いは錠剤な
どの医薬品等が知られている。
【0003】糖衣は、軸周囲を回転する糖衣パンという
傾斜容器内に予備成型した芯材を入れ、糖衣パン内の芯
材に糖衣層となる濃厚水溶液状の糖衣物質を供給しなが
ら乾燥させることによって行われ、これにより芯材の表
面に徐々に糖衣物質の結晶層を成長させ、最終的には糖
衣層を形成させるものである。
【0004】この糖衣に用いる糖衣物質としては、砂
糖、或いは糖アルコールであるソルビトール(特公平1
−26661号)又はマルチトール(特開昭61−24
9349号)が従来から使用されている。
【0005】また、糖衣を行う際に、糖衣の耐衝撃性を
強化するために、ゼラチン、アラビアゴム、微結晶セル
ロース(特公昭40−26918号)、又はプルラン及
び/又はその誘導体(特開昭59−219220号)、
或いは結晶セルロース及びプルラン(特開平1−135
716号)等のコーティング補強剤を含有させることが
公知である。
【0006】しかし、砂糖はう蝕性やカロリーが高い等
の健康上の問題点がある。また、ソルビトールやマルチ
トールは、砂糖に比べカロリーが低く難う蝕性という利
点はあるものの吸湿性が高い。従って、これらを菓子や
錠剤等へ糖衣物質として用いた場合、防湿対策を充分に
行わないと糖衣層を形成するソルビトール、マルチトー
ルが空気中の湿気を吸収して柔らかくなってしまうとい
う問題点があった。
【0007】これに対して、本発明者らは、吸湿性がほ
とんどなく、砂糖に似た良好な甘味質を有し、低カロリ
ーで、かつ難う蝕性を有する糖アルコールであるラクチ
トールを用いた糖衣生成物及び糖衣の方法についての発
明を既に特許出願している。しかし、前記出願のラクチ
トールのみからなる糖衣生成物にもなお改善の余地のあ
ることがわかった。例えば、この糖衣生成物は、糖衣層
のかたさがやや不足しているため、食べた時にカリカリ
とした良好な食感が得難く、かたさを増すためには糖衣
層を厚くしなければならない。また更に、糖衣層表面の
結晶の細かさ、滑らかさの点でもなお改善の余地があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたのもので、その課題は、糖衣生成物の吸湿
性を向上させること、及び糖衣層の厚さを増やすことな
くかたさを増加させてパリパリ感を出し、かつ糖衣層表
面を滑らかにして、菓子類や医薬品の食感を向上させる
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、ラクチトール、及び消化されないの
でカロリーのない食物繊維である結晶セルロースに着目
し、糖衣物質としてこれらラクチトール及び結晶セルロ
ースを用いて糖衣を行うことにより本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明によれば、芯材がラクチ
トール及び結晶セルロースを含む糖衣層で被覆された糖
衣生成物が提供される。
【0011】また、本発明によれば、ラクチトールを乾
燥物質重量で40重量%乃至65重量%、及び結晶セル
ロースを0.5重量%乃至3重量%含有する糖衣シロッ
プを糖衣パン内に載置した芯材に供給することを特徴と
する糖衣生成物の製造方法が提供される。
【0012】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】まず、本発明の糖衣生成物について説明す
る。本発明の糖衣生成物は芯材がラクチトール及び結晶
セルロースを含む糖衣層で被覆されたものである。
【0014】本発明における芯材としては、ラクチトー
ルおよび結晶セルロースにより糖衣され得るものであれ
ばどのようなものを用いてもよく、原料、形状、大きさ
等は特に問わない。例えば、チューインガム、キャンデ
イ等の菓子類、或いは錠剤、丸薬等の医薬品類等が好ま
しく用いられる。
【0015】本発明におけるラクチトールとしてはどの
ようなものを用いてもよく、またラクチトールの水和物
を用いてもよい。例えば太陽化学株式会社より入手可能
なラクチトール二水和物であるサントーズH−102
(商品名)を好ましく用いることができる。
【0016】本発明における結晶セルロースとしては、
精製パルプを酸加水分解、又は機械処理等することによ
り細分化した水不溶セルロースであればどのようなもの
でも用いることができる。結晶セルロースは市販されて
おり、例えば、旭化成工業株式会社より入手可能なアビ
セルFD−101(商品名)を好ましく用いることがで
きる。また特に、天然多糖を含有する結晶セルロースを
用いると、後述する糖衣シロップが分離しにくくなり、
懸濁状態もより一層良好に維持されるため好ましい。例
としては、旭化成工業株式会社より入手可能なアビセル
RC−N30(商品名)を好ましく用いることができ
る。
【0017】次に、本発明の糖衣生成物を製造するため
の糖衣法について説明する。
【0018】まず、糖衣パン内に載置した芯材に糖衣シ
ロップを糖衣パンを回転させながら供給する。
【0019】本発明における糖衣シロップは、ラクチト
ール水溶液に結晶セルロースを混合した懸濁液である。
この糖衣シロップは、ラクチトールを乾燥物質重量で4
0重量%乃至65重量%、及び結晶セルロースを0.5
重量%乃至3重量%含有するものである。ただしラクチ
トール及び結晶セルロース以外の物質を添加してもよ
く、例えば、澱粉、ゼラチン、アラビアガム、プルラ
ン、カラヤガム、キサンタンガム等の結合剤、ステビ
ア、アスパルテーム等の甘味剤、酸味剤、香料又は/及
び着色剤を添加してもよい。ラクチトール及び結晶セル
ロースの含有率の特に好ましい範囲は、それぞれ乾燥物
質重量で40重量%乃至60重量%、及び0.5重量%
乃至2重量%である。また、糖衣シロップの温度は70
℃以下であることが好ましく、特に好ましくは20℃乃
至55℃の範囲である。
【0020】糖衣シロップは滴下、噴霧等することによ
り供給することができる。
【0021】次に糖衣パンを回転させながら乾燥用送風
により乾燥する。
【0022】糖衣パンの回転数は1〜30回転/分が好
ましい。また乾燥用送風の温度は60℃以下が好まし
く、特に20〜40℃の範囲が好ましい。この工程の間
に、芯材の表面に糖衣層が成長していく。
【0023】糖衣は、上記シロップの供給と乾燥との2
工程から構成される連続サイクルによって行われる。な
お、サイクルの回数は、所望とする糖衣層の厚さや重量
により決定される。
【0024】このようにして作成された糖衣生成物に、
更に艶出しのためにミツロウ、カルナバロウ等のワック
ス剤を添加してもよい。
【0025】
【作用】本発明の糖衣生成物は、ソルビトール、マルチ
トールを使用した糖衣生成物に比べ、高湿度雰囲気中に
おいても吸湿性が低いので糖衣層が柔らかくならなず、
従って品質の劣化が少ない。
【0026】また、ラクチトールのみからなる糖衣生成
物に比べ固いので、食べた時の歯ごたえが良く、糖衣層
の薄層化が可能である。糖衣層表面が滑らかなので外観
品質も良好である。
【0027】さらに、砂糖に似た良好な甘味質を有し、
しかも砂糖を使用したものに比べ低カロリーで、かつ難
う蝕性であるので健康上好ましい。
【0028】
【実施例】本発明の実施例を詳細に説明する。
【0029】実施例1 <A>糖衣生成物の作成 まず、下記の手順によりチューインガムを芯材とする糖
衣生成物を作成した。
【0030】1)糖衣シロップの調製 ラクチトール(商品名:サントーズH−102、太陽化
学株式会社製)に水を加え、加熱しながら撹拌溶解して
ラクチトール水溶液を作成した。一方、結晶セルロース
(商品名:アビセルFD−101、旭化成工業株式会社
製)に水を加え撹拌懸濁した。これにラクチトール水溶
液に添加することにより糖衣シロップを調製した。なお
糖衣シロップは常時撹拌しておいた。
【0031】この手順でラクチトール又は結晶セルロー
ス含有率の異なる数種類の糖衣シロップを調製した。
【0032】2)糖衣 1)で調製された糖衣シロップを用いて常法により糖衣
を行った。すなわち、糖衣パン(畑鐵工所製HU−C
型)内に、下記表1の組成を有するチューインガム(各
縦12mm,横19mm,厚み5mmの枕形)1200
gを入れ、糖衣パンを毎分24回転で回転させながら、
約40℃に維持した糖衣シロップ5g乃至12gを注射
器で滴下することにより供給した。
【0033】
【表1】 糖衣シロップを供給した後、回転を続けながら糖衣パン
内に約22℃の風を送風しながら約10分間乾燥した。
本操作を80回乃至120回繰り返し、糖衣層の厚さが
0.4mm乃至0.6mmの糖衣生成物を作成した。
【0034】<B>糖衣生成物の品質評価 上記<A>で得られた糖衣生成物からランダムに10試
料を抽出し、それぞれについて以下の手順で品質評価を
行った。
【0035】1)糖衣層のかたさ まず、糖衣生成物から糖衣層を取り出して不動工業株式
会社製(商品名: RHEO METER NRM- 20
03J型)の測定機の試料測定台(直径4mmの穴)の
中心にのせ、該糖衣層に直径1mmの円柱を貫通させて
その時の応力をそれぞれ測定し、その平均値を糖衣層の
かたさとして評価した。
【0036】2)糖衣生成物の表面の外観観察 次に各糖衣生成物に関し、糖衣層表面の結晶の細かさ、
滑らかさ、均一さ等を総合的に判断することで外観を評
価して下記に示す判定を下した。
【0037】◎:非常に良い ○:良い △:普通
×:不良 なお対照として、ラクチトールのみからなる糖衣生成物
を作成し同様の評価を行った。
【0038】その結果を下記表2〜3に示す。
【0039】
【表2】
【表3】 上記表2〜3より糖衣シロップ中のラクチトール含有率
が乾燥物質重量で40重量%〜65重量%、及び結晶セ
ルロース含有率が0.5重量%〜3重量%であれば、得
られた糖衣生成物はラクチトールのみを用いた場合に比
べ、糖衣層がかたく、糖衣層表面も滑らかであることが
わかった。また特に、ラクチトール含有率が乾燥物質重
量で40重量%〜60重量%、かつ結晶セルロース含有
率が0.5重量%〜2重量%であれば、より滑らかな糖
衣層表面のものが得られることがわかった。
【0040】しかし、ラクチトール及び結晶セルロース
の含有率がこの前記の範囲外であると、十分なかたさが
得られず、滑らかな糖衣層表面にならないことがわか
る。
【0041】実施例2 下記表4の組成を有する打錠品(縦13mm,横20m
m,厚み6mmの枕形)を芯材とし、実施例1における
最適条件のひとつであるラクチトールを乾燥物質重量で
50重量%、結晶セルロースを1重量%含有する糖衣シ
ロップを用いて、実施例1と同様の手順により糖衣生成
物を作成した。
【0042】
【表4】 得られた糖衣生成物を実施例1の<B> 2)に従って
評価したところ、芯材にチューインガムを使用した場合
と同様に、ラクチトールのみからなる糖衣生成物に比べ
滑らかな糖衣層表面を有していた。
【0043】実施例3 芯材をチューインガムとし、下記表5に示す組成の糖衣
シロップを用いて実施例1と同様の手順により糖衣生成
物を作成した。
【0044】
【表5】 得られた糖衣生成物の固さを実施例1の<B> 1)の
手順に従って測定したところ、糖衣層のかたさが462
g/mmであった。これより、ステビア等の甘味剤を加
えてもラクチトールのみからなる糖衣生成物に比べ十分
にかたく、糖衣層表面も滑らかであることがわかった。
【0045】実施例4 芯材をチューインガムとし、上記表5のシロップ組成の
結晶セルロース成分を天然多糖含有結晶セルロース(商
品名:アビセルRC−N30、旭化成工業株式会社製)
に置き換えた処方で実施例1と同様の手順により、糖衣
生成物を作成した。
【0046】得られた糖衣生成物は、糖衣層のかたさが
480g/mmと、ラクチトールのみからなる糖衣生成
物に比べ十分にかたく、糖衣層表面も滑らかであった。
【0047】実施例5 芯材を同一重量のチューインガムとし、糖衣物質として
それぞれラクチトール、砂糖、マルチトール、及びソル
ビトールを用いて同一重量の糖衣チューインガムを作成
し、これらの35℃、80%RHにおける吸湿性を比較
した。
【0048】なお吸湿率は として計算した。
【0049】その結果を図1に示す。図1よりラクチト
ールを用いた糖衣チューインガムの吸湿性が最も優れて
いることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明の糖衣生成物は、ソルビトール、
マルチトールを使用した糖衣生成物に比べ、高湿度雰囲
気中においても吸湿性が低いので糖衣層が柔らかくなら
なず、従って品質の劣化が少ない。
【0051】また、ラクチトールのみからなる糖衣生成
物に比べかたいので、食べた時の歯ごたえが良く、糖衣
層の薄層化が可能である。糖衣層表面が滑らかなので外
観品質も良好である。
【0052】さらに、砂糖に似た良好な甘味質を有し、
しかも砂糖を使用したものに比べ低カロリーで、かつ難
う蝕性であるので健康上好ましい。
【0053】本発明の糖衣生成物の製造方法は、食品、
医薬品等広範囲の分野に利用できる技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラクチトール、マルチトール、ソルビトール及
び砂糖を用いた糖衣生成物の吸湿性を比較して示すグラ
フ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑田 辰雄 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社食生活研究所内 (72)発明者 加藤 陽 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社食生活研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材がラクチトール及び結晶セルロース
    を含む糖衣層で被覆された糖衣生成物。
  2. 【請求項2】 ラクチトールを乾燥物質重量で40重量
    %乃至65重量%、及び結晶セルロースを0.5重量%
    乃至3重量%含有する糖衣シロップを糖衣パン内に載置
    した芯材に供給することを特徴とする糖衣生成物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法により製造された糖
    衣生成物。
JP4227527A 1992-08-26 1992-08-26 糖衣生成物及びその製造方法 Pending JPH0670688A (ja)

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Cited By (6)

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