JP2002003078A - 剥離装置 - Google Patents

剥離装置

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JP2002003078A
JP2002003078A JP2000190252A JP2000190252A JP2002003078A JP 2002003078 A JP2002003078 A JP 2002003078A JP 2000190252 A JP2000190252 A JP 2000190252A JP 2000190252 A JP2000190252 A JP 2000190252A JP 2002003078 A JP2002003078 A JP 2002003078A
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peeling
sheet
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peeling device
rotation
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JP2000190252A
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Yoichi Okamoto
洋一 岡本
Mutsumi Yamamoto
睦 山本
Toshiyuki Muto
敏之 武藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ安価で、剥離に要する時間が短く、
また、剥離されるシートの長さと巻き取り長とを同じに
することができる剥離装置などを提供する。 【解決手段】 長尺部材の表面を保護しているシートを
剥離する剥離装置において、回転軸2を軸として回転す
る第1の回転部材3を有した移動可能な剥離機構1と、
第1の回転部材3の周上に設けられ、剥離しようとする
シートHを保持する第1のシート保持手段5と、剥離機
構1を長尺部材Mに対して相対移動させる移動手段と、
回転軸2を軸として回転する第2の回転部材4と、を備
え、剥離時に剥離機構1が移動手段により駆動されて移
動したとき、第2の回転部材4がシートHに沿っている
直線部材7上をころがって回転し、その回転に伴って第
1の回転部材3が剥離機構1の移動と連動して回転する
構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種機器などに貼
り付ける接着剤付き長尺部材の接着剤側に貼り付けられ
ている剥離紙や長尺部材の表面を保護している保護シー
トなどを長尺部材から剥離するための剥離装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、モルトプレーンやフェルトな
どから成る長尺な軟弱部材(シール部材)に剥離紙を貼
り付けた貼付部材からその剥離紙を剥離して、接着剤の
付着した軟弱部材を被貼付部材に貼り付ける自動貼付け
装置が提供されている。このような自動貼付け装置など
に用いられる、貼付部材から剥離紙を剥離する剥離装置
では、例えば、特開平10−316303号公報に示さ
れた剥離装置のように、貼付部材の一面側を固定位置に
保持し、前記貼付部材の剥離紙の接着している他面側の
一端を吸引手段により吸引保持するとともに、その吸引
手段を所定角度回転して剥離紙の一部分を剥離し、その
後、吸引手段を移動して貼付部材から剥離紙を剥離す
る。また、特開平5−273508号公報に示されたセ
パレータ剥離装置では、接着部へのごみの混入やセパレ
ータ付き部材の損傷を生じることなく、セパレータの剥
離によって生じる静電気を充分に除去することができる
ように、粘着ローラと除電ブローとを取り付けた剥しユ
ニットをステージに保持したセパレータに圧接させ、粘
着ローラとセパレータとを強固に接着させる。そして、
ステージの粘着ローラに対する相対的な移動により、粘
着ローラによってセパレータを巻き取りながら剥離させ
る。また、粘着ローラによって剥離されるセパレータと
その相手部材との境界部分に除電ブローから除電エアを
直接吹付ける。また、特開平7−253590号公報に
示された剥離装置では、基板に貼着された異方性導電テ
ープ(ACF)上にデバイスをボンディングするのに先
立って、ACFを保護するために貼着されたセパレータ
をACFから剥離する際、基板上のACFに貼着された
セパレータにローラ周面に設けた粘着テープを押し付
け、基板を粘着テープに対して水平移動させることによ
り粘着テープにセパレータを付着させてACFから剥ぎ
取る。また、これと同時に、ギャップセンサによりAC
Fの高さをその長手方向に沿って計測し、計測された高
さからセパレータが正常に剥離されたか否かをCPUで
判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−273508号公報および特開平7−2535
90号公報に示された従来技術においては、剥離される
部材の移動と剥離されたセパレータを巻き取る回転動作
が連動していないので、剥離される部材の移動長と巻き
取り長とが同じにならないときがある。また、巻き取ら
れたセパレータを巻き取り手段(回転部材)から取り出
そうとすると、簡単でないという問題もある。また、特
開平10−316303号公報に示された従来技術にお
いては、図22に示すように,剥離紙Hの端部を保持す
る保持手段60の移動距離が剥離紙Hの長さの約2倍必
要であり、例えば、長さ400mmの部材Mから剥離紙
Hを剥離するのに800mm以上のストロークを必要と
する。したがって、長尺部材の剥離紙を剥離するには装
置が大型化するし、剥離に要する時間も長くなる。本発
明の目的は、このような従来技術の問題を解決し、一つ
には、小型且つ安価で、剥離に要する時間が短く、ま
た、剥離される部材・剥離手段間の相対移動長と巻き取
り長とを同じにすることができる剥離装置を提供するこ
とにある。また、剥離されたシートの処理が容易である
剥離装置を提供することにある。また、併せて、確実な
剥離を確保できる剥離装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、請求項1記載の発明では、軟弱な長尺
部材の表面を保護しているシートを剥離する剥離装置に
おいて、回転軸を軸として回転する第1の回転部材を有
した移動可能な剥離機構と、前記第1の回転部材の周上
に設けられ剥離時に前記長尺部材の表面を保護している
前記シートを保持する第1のシート保持手段と、前記剥
離機構を前記長尺部材に対して相対移動させる移動手段
とを備え、前記移動手段による相対移動と前記第1の回
転部材の回転を連動させて前記シートを剥離する構成に
した。また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記第1のシート保持手段が吸着パッド
である構成にした。また、請求項3記載の発明では、請
求項1または請求項2記載の発明において、前記第1の
回転部材と同一の前記回転軸を軸として回転する第2の
回転部材を備え、剥離時に剥離されるシートが沿う直線
部材と前記第2の回転部材との間のころがり相対運動に
より前記第2の回転部材が回転し、該回転に伴う前記第
1の回転部材の回転と前記剥離機構の移動とを連動させ
る構成にした。また、請求項4記載の発明では、請求項
1、請求項2または請求項3記載の発明において、前記
シートを前記長尺部材から分離させるシート分離手段を
備え、前記第1のシート保持手段が前記シートの端部を
保持した状態で前記第1の回転部材が回転することによ
り前記シートを前記長尺部材から分離して前記第1の回
転部材側に巻き取った後、巻き取ったシートを前記シー
ト分離手段により前記剥離機構から分離する構成にし
た。また、請求項5記載の発明では、請求項1、請求項
2または請求項3記載の発明において、前記シートの一
部を前記長尺部材から剥離した状態で、剥離した部分の
シートを保持している前記シート保持手段と前記長尺部
材との間に進入部材を進入させて前記シートのすべてを
剥離する構成にした。
【0005】また、請求項6記載の発明では、請求項1
乃至請求項5記載の発明において、第2のシート保持手
段を備え、前記第1のシート保持手段がシートを保持し
た後、該第2のシート保持手段がシートを保持する構成
にした。また、請求項7記載の発明では、請求項6記載
の発明において、前記第2のシート保持手段がローラで
あり、該ローラの回転によりシートを剥離する構成にし
た。また、請求項8記載の発明では、請求項7記載の発
明において、前記ローラが前記第1の回転部材の回転に
よって回転する構成にした。また、請求項9記載の発明
では、請求項6、請求項7または請求項8記載の発明に
おいて、前記第2の保持手段がシートを保持した後、前
記第1のシート保持手段による保持を解除する構成にし
た。また、請求項10記載の発明では、請求項1乃至請
求項9記載の発明において、前記第1の回転部材の回転
位置を検出する回転位置検出手段を備え、前記第1の回
転部材の回転または移動動作を前記回転位置検出手段に
より検出された回転位置に基づいて制御する構成にし
た。また、請求項11記載の発明では、請求項1、請求
項2または請求項3記載の発明において、移動可能な前
記剥離機構を2つ備え、該2つの剥離機構による剥離動
作を並行して行なう構成にした。また、請求項12記載
の発明では、請求項1乃至請求項11記載の発明におい
て、左右どちらの方向へも剥離可能に構成した。また、
請求項13記載の発明では、請求項1、請求項2または
請求項3記載の発明において、前記第1の回転部材の回
転原点をリセットするリセット手段を備えた構成にし
た。また、請求項14記載の発明では、請求項13記載
の発明において、前記リセット手段が当接部材と前記第
1の回転部材に設けられた2本のピンとからなり、該当
接部材または前記第1の回転部材のいずれかが移動する
ことにより原点合わせされていない位置では該当接部材
から前記2本のピンの一方のピンに対してモーメント力
が作用して前記第1の回転部材を原点合わせされる方向
に回転させる構成にした。
【0006】また、請求項15記載の発明では、請求項
13記載の発明において、前記リセット手段が2つの前
記当接部材と前記第1の回転部材に設けられた2本のピ
ンとからなり、該当接部材が互いに逆向きに移動するこ
とにより原点合わせされていない位置では該当接部材か
ら前記2本のピンの両方のピンに対してモーメント力が
偶力として作用して前記第1の回転部材を原点合わせさ
れる方向に回転させる構成にした。また、請求項16記
載の発明では、請求項13、請求項14または請求項1
5記載の発明において、前記リセット手段が前記第1の
回転部材の原点リセット状態を検知する原点検知手段を
備え、前記原点検知手段を用いて原点リセットを行う構
成にした。また、請求項17記載の発明では、請求項1
乃至請求項16記載の発明において、剥離動作の途中で
前記シートの保持状態が正常か否かを検査する検査手段
を備えた構成にした。また、請求項18記載の発明で
は、請求項17記載の発明において、前記検査手段の検
査結果により前記シートが正常に保持されていないと判
定されたとき、剥離動作を再実行する構成にした。ま
た、請求項19記載の発明では、請求項18記載の発明
において、前記再実行時に剥離起点位置を変更して剥離
を再実行する構成にした。また、請求項20記載の発明
では、請求項19記載の発明において、過去の剥離の成
否データに基づいて前記剥離起点位置を変更する構成に
した。また、請求項21記載の発明では、請求項18ま
たは請求項19記載の発明において、剥離動作の再実行
の際の剥離動作速度を再実行の回数につれて段階的に遅
くする構成にした。また、請求項22記載の発明では、
請求項18または請求項19記載の発明において、分割
された前記シートの一方の剥離が成功しない場合、分割
されたシートの他方の剥離動作を先に行い、次に前記一
方の側の剥離を再実行する構成にした。また、請求項2
3記載の発明では、請求項1、請求項2、請求項3また
は請求項13記載の発明において、前記シートが分割さ
れた分割位置を検出する位置検出手段を備え、前記位置
検出手段により検出された分割位置に基づいた位置から
剥離を開始する構成にした。また、請求項24記載の発
明では、請求項1乃至請求項23記載の発明において、
前記シートの付着した前記長尺部材の剥離起点部分を加
熱するシート加熱手段を備えた構成にした。また、請求
項25記載の発明では、請求項24記載の発明におい
て、前記シート加温手段が熱光源と光ファイバである構
成にした。
【0007】
【作用】前記のような手段にしたので、請求項1記載の
発明では、剥離機構を構成している第1の回転部材の周
上に設けられた第1のシート保持手段が長尺部材の表面
を保護しているシートを保持した状態で、第1の回転部
材が前記剥離機構の前記長尺部材に対する相対移動と連
動して回転することにより、前記シートが剥離される。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明におい
て、吸着パッドが第1のシート保持手段としてシートを
保持する。請求項3記載の発明では、請求項1または請
求項2記載の発明において、剥離されるシートが沿う直
線部材と、第1の回転部材と同一の回転軸を軸として回
転する第2の回転部材との間のころがり相対運動により
前記第2の回転部材が回転し、その回転に伴い、前記第
1の回転部材が剥離機構の移動と連動して回転する。請
求項4記載の発明では、請求項1、請求項2、または請
求項3記載の発明において、剥離されたシートが第1の
回転部材側に巻き取られた後、巻き取られたシートが剥
離機構から分離される。請求項5記載の発明では、請求
項1、請求項2、または請求項3記載の発明において、
シートの一部が長尺部材から剥離した状態で、剥離した
部分のシートを保持しているシート保持手段と長尺部材
との間に進入部材が進入して、シートのすべてが剥離さ
れる。請求項6記載の発明では、請求項1乃至請求項5
記載の発明において、第1のシート保持手段によりシー
トが保持された後、第2のシート保持手段によりシート
が保持される。請求項7記載の発明では、請求項6記載
の発明において、第2のシート保持手段であるローラの
回転によりシートが剥離される。請求項8記載の発明で
は、請求項7記載の発明において、ローラが第1の回転
部材の回転によって回転する。請求項9記載の発明で
は、請求項6、請求項7、または請求項8記載の発明に
おいて、第2の保持手段によりシートが保持された後、
第1のシート保持手段による保持が解除される。請求項
10記載の発明では、請求項1乃至請求項9記載の発明
において、第1の回転部材の回転位置が検出され、検出
された回転位置に基づいて第1の回転部材の回転または
移動動作が制御される。請求項11記載の発明では、請
求項1、請求項2、または請求項3記載の発明におい
て、2つの剥離機構により、剥離動作が並行して行われ
る。請求項12記載の発明では、請求項1乃至請求項1
1記載の発明において、左右どちらの方向へも剥離する
ことができる。
【0008】請求項13記載の発明では、請求項1、請
求項2、または請求項3記載の発明において、剥離開始
に当たって、第1の回転部材の回転原点をリセットする
ことができる。請求項14記載の発明では、請求項13
記載の発明において、リセット手段を構成している当接
手段または第1の回転部材のいずれかが移動することに
より、原点合わせされていない位置では当接部材から一
方のピンに対してモーメント力が作用して、第1の回転
部材が原点合わせされる方向に回転する。請求項15記
載の発明では、請求項13記載の発明において、リセッ
ト手段を構成している2つの当接部材が互いに逆向きに
移動することにより、原点合わせされていない位置では
当接部材から2つのピンに対してモーメント力が偶力と
して作用して、第1の回転部材が原点合わせされる方向
に回転する。請求項16記載の発明では、請求項13、
請求項14、または請求項15記載の発明において、原
点検知手段が第1の回転部材の原点リセット状態を検知
することにより原点リセットが行われる。請求項17記
載の発明では、請求項1乃至請求項16記載の発明にお
いて、剥離動作の途中でシートの保持状態が正常か否か
が検査される。請求項18記載の発明では、請求項17
記載の発明において、正常に保持されていないと判定さ
れたとき、剥離動作が再実行される。請求項19記載の
発明では、請求項18記載の発明において、再実行時に
剥離起点位置を変更して剥離が再実行される。請求項2
0記載の発明では、請求項19記載の発明において、過
去の剥離の成否データに基づいて剥離起点位置が変更さ
れる。請求項21記載の発明では、請求項18または請
求項19記載の発明において、剥離動作再実行の際の剥
離動作速度が再実行の回数につれて段階的に遅くなる。
請求項22記載の発明では、請求項18または請求項1
9記載の発明において、分割されたシートの一方の剥離
が成功しない場合、逆側の剥離動作が先に行われ、次に
もとの側の剥離が再実行される。請求項23記載の発明
では、請求項1、請求項2、請求項3、または請求項1
3記載の発明において、シート分割位置が検出され、検
出された分割位置に基づいた位置から剥離が開始され
る。請求項24記載の発明では、請求項1乃至請求項2
3記載の発明において、シートの付着した長尺部材の剥
離起点部分が加熱される。請求項25記載の発明では、
請求項24記載の剥離装置において、熱光源と光ファイ
バを用いた加熱手段により加熱が行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態を詳細に説明する。 <第1の実施例>図1は本発明の第1の実施例による剥
離装置の構成説明図であり、(a)が正面図、(b)が
上面図(但し、部材保持手段などは示されていない)、
(c)が側面図である。図示したように、この剥離装置
は、図示しない移動手段(駆動手段)により長尺なシー
ル部材M(請求項記載の長尺部材に相当する)に対して
相対移動可能な剥離機構1を有する。この剥離機構1
は、ベースプレート6と、そのベースプレート6に回転
自在に取り付けられた回転軸2と、その回転軸2に固定
されていて回転軸2の回転により回転する第1の回転部
材3と、同様に回転軸2に固定されていて回転軸2を回
転させる第2の回転部材4と、第1の回転部材3の周上
に設けられ剥離時に長尺なシール部材Mの表面を保護し
ているシート(剥離紙)Pを保持する第1のシート保持
手段5と、を備えている。このシート保持手段5は、配
管11および中空の回転軸2を通して供給される真空に
よってシート(剥離紙)Pを吸着して保持する吸着パッ
ドであり、第1の回転部材3に埋設され、吸着面が第1
の回転部材3の周面より所定量突出しており、第1の回
転部材3とともに回転する(図示されている矢印は吸引
方向,真空発生器は図示しない)。
【0010】また、この剥離装置は、第2の回転部材4
が接して転がるための直線部材7と、シール部材Mを保
持する部材保持手段8と、を備えている。この直線部材
7に第2の回転部材4が接して転がり、それにより第2
の回転部材4および回転軸2が回転し、第1の回転部材
3が回転する。なお、ここに用いることができる第2の
回転部材4と直線部材7の組み合わせとしては、ラック
ギアとピニオンギア、平面に固定された歯付ベルトと歯
付プーリ、摩擦係数の大きい平板と円盤などがある。こ
れらの各組み合わせはそれぞれ順に、動力伝達力が大き
い、歯のピッチが細かく動作音が静かである、ピッチが
連続的で微調整可能であるといような特徴がある。な
お、第1の回転部材3と第2の回転部材4の直径は同程
度であることが望ましい。第1の回転部材3の直径が大
きすぎる場合は剥離されたシートを巻き取りすぎて無理
に引っ張ってしまい、小さすぎる場合は巻取り量が少な
く、剥離に必要な移動量が大きくなってしまうからであ
る。ベースプレート6は、図示しない昇降手段により昇
降し、第2の回転部材4と直線部材7とを接触状態にし
たり、非接触状態にしたりする。接触状態のときにのみ
第2の回転部材4が回転し、これにより回転軸2が回転
し、この回転軸2の回転にしたがって、第1の回転部材
3が回転する。なお、ベースプレート6など剥離機構1
は図示しない移動手段により直線部材7に沿ったシール
部材Mと平行に移動する。この移動手段としては、モー
タとボールネジと直動ガイドの組み合わせ、またはエア
シリンダなどにより実現することができる。更に、本実
施例による剥離装置は、第2のシート保持手段9a,9
bを剥離機構1内に備えている。この第2のシート保持
手段9a,9bは、例えば、弾性と摩擦力を有する従動
ローラであり、第1の回転部材3に所定の圧力で接して
いる。第1の回転部材3が回転すると、第2のシート保
持手段9a,9bは摩擦駆動力により連れ廻りする。
【0011】以下、図2を参照して、第1の実施例の剥
離装置の動作を説明する。なお、この剥離装置は、左右
対称形状であり、左右どちらの方向にも剥離可能な例で
示している。剥離されるシート(剥離紙)は中央でH1
とH2の2つに分割されている。まず、図2(a)に示
すように、ベースプレート6が上昇した状態、つまり、
第2の回転部材4が直線部材7に接触し、第1の回転部
材3の周面にある第1のシート保持手段5がシートH1
に接触した状態で、第1のシート保持手段5によりシー
トH1の中央側端部を保持する。次に、図2(b)に示
すように、図示しない移動手段により剥離機構1をシー
ル部材Mに並行に移動させる。これにより、第2の回転
部材4および回転軸2が回転し、第1の回転部材3が移
動量xに対応した量θの回転を行なう(図2参照,移動
方向および回転方向を矢印で示している)。第1の回転
部材3の回転移動に伴い、第1のシート保持手段5はシ
ール部材Mから離れ、シートH1が正常に保持されてい
れば、シートH1の端部がシール部材Mから剥離され
る。所定量回転したところで検査手段が保持状態を確認
する。そして、保持状態が保たれていない場合はS1の
位置へ戻る。保持状態が保たれていれば、そのまま移動
を続ける。そして、図2(c)に示すように、第2のシ
ート保持手段(この実施例では従動ローラ)9bにより
シートH1を保持できる位置まで移動したならば、第1
のシート保持手段5による保持を解除する。そこで、図
2(d)に示すように、第2のシート保持手段9bによ
りシートH1を保持しつつ、シートH1を剥離させてい
く。
【0012】図2(e)に示すように、シートH1を完
全に剥離し、シートH1が剥離機構1から離れた後、第
1の回転部材3の回転位置を検出する回転位置検出手段
が回転原点を検出した時点で剥離機構1を矢印で示した
ように下降させ、シートH2を第1のシート保持手段5
により保持する位置に移動する。ここで、回転原点と
は、第1の回転部材3の周面上に原点として定めた特定
の点であり、例えば、第1のシート保持手段5の中心点
である。また、回転原点が所定の位置、例えば、真上
(シートHを保持する位置)を向いた状態を原点合わせ
された状態と呼ぶ。例えば、回転部材3の周面上の第1
のシート保持手段5から180度の位置に反射板を設
け、第1の回転部材3の真下(下側中央)の位置に発光
素子と反射光を受光する受光素子とから成る光学センサ
を設けることにより回転原点を検出することにより原点
合わせすることができる。回転原点を検出することによ
り原点合わせされた状態になると、図示しない制御手段
が、例えば、モータを制御して剥離機構1を下降させ
る。そして、図2(f)に示すように、シートH1の剥
離の場合と対称な動作によってシートH2を剥離する。
なお、上述の説明では、シール部材M側を固定とし、剥
離機構1側を移動させるようにしているが、剥離機構1
側を固定とし、シール部材M側を移動させるようにして
もよい。また、両者を共に相対的に移動させてもよい。
このように、第1の実施例によれば、剥離機構1の移動
量L1はシートH1,H2の長さLと同程度で済むの
で、剥離機構の移動量がシートの長さの2倍になる従来
技術に比べれば、シール部材の長さが長い場合でも剥離
装置を小型にすることが可能であるし、剥離に要する時
間も短くなる。また、剥離機構1の移動と第1の回転部
材3の回転が連動するので、剥離される部材・剥離手段
間の相対移動長と剥離済み長(回転部材3側への巻き取
り長)とを同じにすることができるので、剥離されたシ
ートがたるんだり引っ張られたりする問題がなくなる。
また、剥離されたシートは第1の回転部材3に巻きつか
ないので、剥離後の処理が容易である。
【0013】図3は、第1の実施例の剥離装置における
位置修正を伴ったリトライ動作時の動作説明図である。
以下、図3に基づいて動作を説明する。まず、図3
(a)に示すように、第1のシート保持手段5によりシ
ートH1の中央側端部を保持する。そして、図3(b)
に示すように、所定量回転したところでシート保持状態
を検査する。検査手段として、例えば、配管11におけ
る負圧を検出するダイヤフラム構造のセンサ(図示しな
い)を備えて負圧を測定し、その値によりシート保持状
態を判定するのである。そして、シート保持状態が正常
でなく、吸着失敗と判定された場合には、吸着を解除
し、元の位置に戻る。なお、戻る際には回転軸2が逆回
転するので、第1の回転部材3も逆回転し、したがっ
て、第1のシート保持手段5も元の位置に戻る(戻り方
向を矢印で図示している)。この状態で、図3(c)に
示すように、剥離機構1を下降させて第2の回転部材4
を直線部材7から離した後、剥離機構1の起点位置を、
例えば、図示した矢印の方向へ所定量修正し(ずら
し)、再び剥離機構1を上昇させる。そして、図3
(d)に示すように、剥離動作を再実行する。そこで、
図3(e)に示すように、再びシート保持状態を検査
し、成功の場合は剥離動作を続行する。また、不成功の
場合は前記の動作を所定回数繰り返す。なお、この場
合、起動位置修正時の移動量(ずらし量)および方向は
予めプログラムしておいてもよく、位置検出装置を備え
てその位置検出装置からの信号に従って決定してもよ
く、作業者の入力に従って決定してもよい。このよう
に、剥離動作を再実行する際に起点位置を修正すること
もできるので、前述して効果に加え、シール部材Mの供
給位置のばらつきや分割位置のばらつきがある場合でも
剥離の成功率を高めることができる。なお、第1の実施
例において、第2の回転部材を備えずに、第1の回転部
材3がシートH上を転がるようにする構成も可能であ
る。また、前述した再実行動作は後述の各実施例におい
ても同様にして行うことができる。
【0014】<第2の実施例>図4は、第2の実施例に
よる剥離装置の構成説明図であり、(a)が正面図、
(b)が上面図(但し、部材保持手段などは示されてい
ない)、(c)が側面図である。図示したように、第2
の実施例の剥離装置は、長尺なシール部材Mに対して相
対移動可能な剥離機構1aを有している。この剥離機構
1aは、ベースプレート6と、そのベースプレート6に
回転自在に取り付けられた回転軸2と、その回転軸2に
固定されていて回転軸2の回転により回転する第1の回
転部材3と、同様に回転軸2に設けられたクラッチ12
と、そのクラッチ12を介して回転軸2を回転させる第
2の回転部材4aと、前記回転部材3の周上に設けら
れ、剥離時に長尺なシール部材Mの表面を保護している
シート(剥離紙)Hを保持する第1のシート保持手段5
と、第2の回転部材4aを駆動するモータ13と、を備
えている。なお、シート保持手段5は、第1の実施例に
おいて説明したように、配管11および中空の回転軸2
を通して供給される真空によってシート(剥離紙)Pを
吸着して保持する吸着パッドであり、第1の回転部材3
に埋設され、吸着面が第1の回転部材3の周面より所定
量突出しており、第1の回転部材3とともに回転する
(図示されている矢印は吸引方向,真空発生器は図示し
ない)。さらに、第2の実施例による剥離装置は、第2
の回転部材4aが接してその上を転がるための直線部材
7と、シール部材Mを保持する部材保持手段8と、を備
えている。この直線部材7に第2の回転部材4aが乗っ
て、モータ13の回転により転がる。なお、モータ13
はベースプレート6に支持されていて、第2の回転部材
4aが転がるとき、モータ13も剥離機構1aと共にシ
ール部材Mに沿って移動する。また、ここに用いること
ができる回転部材4aと直線部材7の組み合わせとして
は、ラックギアとピニオンギア、平面に固定された歯付
ベルトと歯付プーリ、摩擦係数の大きい平板と円盤など
がある。また、第2の実施例による剥離装置は、剥離機
構1a内に第2のシート保持手段14(図5参照)を備
えている。また、クラッチ12は第2の回転部材4aの
回転が第1の回転部材3に伝達される状態にしたり、伝
達されない状態にしたりする。
【0015】以下、図5に従って、この実施例の動作を
説明する。まず、図5(a)に示すように、シートHの
一端を第1のシート保持手段5により保持する。次に、
図5(b)に示すように、第1のシート保持手段5がシ
ートHを保持した状態でモータ13を駆動し、クラッチ
12を介して第1の回転部材3を回転させ、それにより
シートHを剥離する。そして、図5(c)に示すよう
に、第2のシート保持手段14を作用させてシート端を
強固に保持する。ここで、クラッチ12を解除して(回
転非伝達状態にして)第1の回転部材3の回転を停止さ
せ、その状態でシートHに十分なたるみが生じる位置ま
で剥離機構1aを移動させる。なお、このような回転や
移動の開始または停止に係わる制御のタイミングは第1
の回転部材3の回転位置を検出する回転位置検出手段の
検出結果に従って行う。例えば、ステッピングモータで
駆動する構成では、剥離起点位置からの駆動時以後にス
テッピングモータに与えたパルス数を計数して回転位置
を検出することができるし、エンコーダなどを用いるこ
とも可能である。回転位置検出手段は他の実施例でも同
様の位置検出を行い、検出位置に応じて図示しない制御
手段が同様の駆動制御を行う。そして、図5(d)に示
すように、剥離機構1aを停止させ、部材保持手段8を
上昇させ、進入部材15の進入する隙間を確保する。そ
して、図5(e)に示すように、剥離機構1aが停止し
た状態で、進入部材15が図示しない駆動手段(これは
第1の実施例において剥離機構1を移動させた方法で実
現することができる)により駆動されてシール部材Mと
剥離機構1aとの隙間に進入し、シートHを剥離する。
そして、図5(f)に示すように、シートHがすべて剥
離されるまで進入部材15を進める。そして、図5
(g)に示すように、シール部材MからシートHが完全
に剥離された後、第2のシート保持手段14による保持
を解除し、剥離したシートHを剥離機構1aから分離す
る。なお、この分離については、自重落下による分離に
まかせてもよいし、吸引手段または把持手段により、よ
り確実に分離してもよい。このように、第2の実施例に
よる剥離装置によれば、剥離機構1aの移動距離L1が
シール部材Mの長さLより短くてよいし、進入部材15
の移動距離L2がシール部材Mの長さLと同等程度で済
むので、シール部材Mが長尺であっても装置を小型化す
ることができる。また、剥離されたシートHが第1の回
転部材3に巻きつかないので、剥離後の処理が簡単であ
る。また、第2のシート保持手段14によりシート端を
強固に保持することができるので、進入部材15を高速
で動かしてもシートHの保持状態が保たれ、したがっ
て、剥離動作の所要時間を短縮することができる。ま
た、進入部材15の動作は単純な往復動作のみであるの
で、高い位置精度を必要とせず、従って、装置を安価に
製作することができる。
【0016】<第3の実施例>図6は、第3の実施例に
よる剥離装置の動作説明図である。図示したように、こ
の実施例の剥離装置は剥離機構を2つ備える。これは、
剥離しようとするシートを中央部で2分割するととも
に、2つの剥離機構21a,21bを所定の距離だけ離
して移動ベース22上に配置するものである。なお、そ
れぞれの剥離機構21a,21bは、図示しない昇降手
段により各々独立に昇降させることができる。また、移
動ベース22は、図示しない移動手段によりシール部材
Mと並行に移動することができる。以下、図6によりこ
の実施例の動作を説明する。まず、図6(a)に示すよ
うに、第1の剥離機構21aを上昇させ(図6に矢印で
示す)、シートH1に当接させる。そして、図6(b)
に示すように、移動ベース22を距離L1だけ移動させ
てシートH1を剥離する。さらに、第2の剥離機構21
bを上昇させ、シートH2に当接させる。また、シール
部材Mとの接触を避けるため、第1の剥離機構21aを
下降させる。そして、図6(c)に示すように、移動ベ
ース22を逆方向に距離L1だけ移動させてシートH2
を剥離する。このように、第3の実施例による剥離装置
によれば、移動ベース22の移動距離L1をシール部材
Mの長さLよりも小さくすることができるので、装置を
小型・安価にすることができる。また、剥離機構が中央
まで戻る無駄がないので、剥離動作に要する時間が短く
なる。
【0017】<第4の実施例>図7は、第4の実施例に
よる剥離装置の動作説明図である。図示したように、こ
の実施例の剥離装置は、例えば、第1の実施例と同様な
構成で(但し、第1の回転部材3に対応する第1の回転
部材24a,24bは図示したように半円型に近い形状
である)、2つの剥離機構23a,23bを備え、2分
割されたシートH1,H2を同時に剥離する。以下、図
7に従って、この実施例の動作を説明する。まず、図7
(a)に示すように、剥離機構23aを左へ、剥離機構
23bを右へ移動させることにより(図7に矢印で示
す)、回転部材24aを左へ転がるように回転させ、回
転部材24bを右へ転がるように回転させる。すると、
図7(b)にしめすように、第1のシート保持手段25
aに保持されたシートH1が回転部材24aの回転など
により剥離され、同時に、第1のシート保持手段25b
に保持されたシートH2が回転部材24bの回転などに
より剥離される。そして、図7(c)に示すように、第
1のシート保持手段25a,25bによる保持を解放
し、第2のシート保持手段27aによりシートH1を保
持して剥離を続行し、第2のシート保持手段27bによ
りシートH2を保持して剥離を続行する。このように、
第4の実施例による剥離装置によれば、第1の実施例の
効果を実現することができるとともに、シートH1,H
2を同時に剥離することができるので、剥離動作に要す
る時間がさらに短くなる。
【0018】<第5の実施例>図8は、第5の実施例に
よる剥離装置の動作説明図である。図示したように、こ
の実施例の剥離装置は、第1の実施例においてシートを
第1の回転部材3から分離させるシート分離手段を備
え、第1のシート保持手段5がシートHの端部を保持し
た状態で第1の回転部材3が回転することによりシート
Hをシール部材Mから分離して第1の回転部材3側に巻
き取った後、巻き取ったシートHをシート分離手段によ
り第1の回転部材3から分離する。シートHを第1の回
転部材3で巻き取った後(図8(a)および図8(b)
参照)、回転部材3からシートHのみをシート分離手段
であるシート押出し機構(プッシャ)29により押し出
す(図8(c)参照)。なお、シート押出し機構29は
リング状で、その内径は回転部材3の外形よりわずかに
大であり、図示しないエアシリンダのエア圧により回転
部材3の外側を摺動して、複数回巻きついた状態で回転
部材3の表面から浮いているシールHを押し出す。この
ように、第5の実施例による剥離装置によれば、第1の
回転部材3から巻き取られたシートを容易に取り出すこ
とができる。
【0019】<第6の実施例>図9は、第6の実施例に
よる剥離装置の動作説明図であり、中央で2つに分割さ
れているシートの一方を剥離する動作を示している。以
下、図9に従って、この実施例の動作を説明する。ま
ず、図9(a)に示すように、シートH1の中央側端部
位置P1に剥離機構1を位置決めした後、剥離機構1を
上昇させて第1のシート保持手段5により吸着を開始す
る。次に、図9(b)に示すように、シート保持手段5
によりシートH1の中央側端を保持した状態で移動手段
により剥離機構1をシール部材Mに並行に移動させる。
このとき、第2の回転部材4は直線部材7と接触しなが
ら回転し、回転軸2および第1の回転部材3も同時に回
転する(図1参照)。これにより、第1のシート保持手
段5はシール部材Mから離れ、シートH1の保持状態が
保たれていれば、シートH1の端部がシール部材Mから
剥離される。そして、第2のシート保持手段9bに保持
される直前のP2の位置まできたとき、シート保持状態
を検査し、保持状態が保たれていない場合は位置P1へ
戻る。また、保持状態が保たれていれば、そのまま先へ
進む。そして、図9(c)に示すように、第2のシート
保持手段9bがシートH1を保持した後の所定の位置P
3を検出すると、制御手段が第1のシート保持手段5に
よる吸着を解除させる。そして、図9(d)に示すよう
に、第2のシート保持手段9bによりシートH1を挟持
・送引しつつ、シートH1を完全に剥離させる。そし
て、図9(e)に示すように、P4の位置で剥離機構1
を下降させ、原点リセット手段により第1の回転部材3
の回転原点(例えば、第1のシート保持手段5が設けら
れている周面位置)をリセットする(原点合わせす
る)。つまり、第1のシート保持手段5が真上の位置に
来るようにする。そして、そのままの姿勢で剥離機構1
を次の剥離位置P1’の位置へ移動させる。図10に、
第1の回転部材3の回転原点を機械的にリセットする機
械的リセット手段を備えた例として、当接部材であるス
トッパ31と第1の回転部材3に設けられた2本のピン
32とから機械的リセット手段を構成した例を示す。な
お、図において、(a)は正面図、(b)は側面図であ
る。この例では、第1のシート保持手段5の中心位置か
ら回転中心位置へ下ろした直線の延長線に対して2本の
ピン32が対称な位置になるように2本のピン32を設
ける。そして、水平方向に長いストッパ31を上方へ移
動させるか(図10に上向きの矢印で示す)、または第
1の回転部材3を下方へ移動させるかして(下向きの矢
印で示す)、原点合わせされていない位置、即ち、第1
のシート保持手段5が真上にない状態の位置ではストッ
パ31から一方のピン32に対してモーメント力を作用
させ、第1の回転部材3を原点合わせされる方向に回転
させる。
【0020】つまり、第1の回転部材3には、2本のピ
ン32が回転軸2から等距離で且つ第1のシート保持手
段5が真上を向いたときに2本のピン32の高さが同一
になるように固設され、ベースプレート6およびベース
アングル33がストッパ31を支持しているストッパベ
ース34に対して昇降するように構成する。また、スト
ッパ31およびストッパベース34は剥離機構1ととも
に水平移動するように構成する。そして、剥離機構1の
下降動作により、2本のピン32のうちストッパ31に
近い側のピン32がストッパ31に当接し、第1の回転
部材3にモーメント力が作用する。そうすると、そのモ
ーメント力により第1の回転部材3が回転し、原点合わ
せされる方向へ回転する。こうして、2本のピン32が
ともにストッパ31に当接する位置(原点合わせ状態)
に達すると、この位置でストッパ31から2本のピン3
2に加わるモーメント力が釣り合い、第1の回転部材3
は停止する。このように、第6の実施例による剥離装置
によれば、原点リセットにより第1のシート保持手段5
による次回のシート保持を確実に行うことができ、剥離
機構の下降と同時に原点リセット動作が完了するので、
短いリセット動作時間で原点リセットを行うことができ
る。また、原点リセットのためのアクチュエータを剥離
機構の上下アクチュエータと兼用できるので、機構の構
成が単純で、小型化が可能となる。なお、原点リセット
できる角度の範囲および昇降ストロークの必要量は、第
1のシート保持手段5が真上を向いたときの2本のピン
32の高さおよび回転軸2・ピン32間の距離によって
調整することができる。なお、以上の構成において、2
本のピンの代わりに、水平方向に長い塀状突起、即ち、
2本のピンを直線または両端が最も下の位置に来る曲線
で結んだ形の水平方向に長い塀状突起を設ける構成でも
よい。
【0021】<第7の実施例>図11は、第7の実施例
による剥離装置の構成説明図である。なお、図におい
て、(a)は正面図、(b)は側面図である。図10
(第6の実施例)と同一の愛用には同一の符号を付した
ので重複する説明は省略するが、図10(第6の実施
例)と異なる点の一つは、2本のピンの配置である。第
7の実施例では、図示したように、第1のシート保持手
段5が真上を向いたとき、2本のピン32が垂直に並
ぶ。また、剥離機構が水平移動してもストッパは固定で
動かない。このような構成で、剥離機構1の下降動作に
続いて剥離機構1を左方に移動させる(図示の例の場
合)。これにより、2本のピン32のうちストッパ31
に近い側のピン32がストッパ31に当接し、第1の回
転部材3にモーメント力が作用する。そうすると、その
モーメント力により第1の回転部材3が回転し、原点合
わせされる方向へ回転する。こうして、2本のピン32
がともにストッパ31に当接する位置(原点合わせされ
た位置)に達すると、この位置でストッパ31から2本
のピン32に加わるモーメント力が釣り合い、第1の回
転部材3は停止する。
【0022】<第8の実施例>図12は、第8の実施例
による剥離装置の構成説明図である。なお、図において
(a)は正面図,(b)は側面図である。この剥離装置
は、機械的リセット手段が2つの当接部材と第1の回転
部材に設けられた2本のピンとからなり、当接部材が互
いに逆向きに移動することにより原点合わせされていな
い位置では当接部材から両方のピンに対してモーメント
力が偶力として作用して前記第1の回転部材を原点合わ
せ方向に回転させる。図12に示した剥離装置は、この
ような機械的リセット手段をグリッパタイプのアクチュ
エータを用いて実現した例であり、第1の回転部材3に
は、回転軸対称な位置に2本のピン32を固設してい
る。また、グリッパ36の開閉中心が回転軸2と同一と
なるように回転軸2の左右には、グリッパ爪37a,3
7bを固設し、回転軸対称な開閉動作を行なう。このよ
うな構成で、剥離が終了すると、剥離機構1を下降させ
る。そして、グリッパ爪37a,37bを閉じると、2
本のピン32が偶力を受け、第1の回転部材3は原点合
わせされる方向に回転する。こうして、グリッパ爪37
a,37bが最も閉じた位置に達すると、グリッパ爪3
7a,37bから2本のピン32に加わるモーメント力
が釣り合い、回転が停止する。このように、第8の実施
例による剥離装置によれば、グリッパ爪37a,37b
から2本のピン32に作用する力が偶力として作用する
ので、回転軸2に加わるラジアル力が小さくなる。その
ため、回転抵抗が小さくなり、原点リセットが容易にな
る。なお、原点リセット可能な範囲は図示したように原
点合わせされた位置を中心に±80度程度である。
【0023】<第9の実施例>図13は、第9の実施例
による剥離装置の構成説明図である。なお、図において
(a)は正面図,(b)は側面図である。この剥離装置
では、第1の回転部材の原点リセット状態を検知する原
点検知手段を備え、この原点検知手段を用いて原点リセ
ットを行う。そのため、図13(a),(b)に示した
ように、第1の回転部材3に回転位置の基準となる原点
ドグ40を固設する。また、ベースプレート6には第1
の回転部材3の回転原点を検出する原点センサ41を固
設する。この原点センサ41は、例えば、発光素子と受
光素子を備えた光学センサであり、原点ドグからの反射
光を検出する。図14は、この実施例の動作フローを示
すフローチャートである。以下、図14に従って、この
実施例の動作を説明する。まず、前記実施例に示した方
法で機械的原点リセット行う(ステップS61)。そし
て、剥離機構1を上昇位置の状態にして、原点センサ4
1により原点合わせ状態(原点リセット状態)か否かを
検査(確認)する(ステップS62)。その結果、原点
合わせ状態でないと判定されたならば(ステップS62
の判断:NO)、第2の回転部材4を直線部材7上で中
央方向に転がすことにより、第1の回転部材3を、例え
ば、反時計回り方向に所定量回転させる(ステップS6
3)。そして、第1の回転部材3を時計方向に微小量移
動(回転)させながら(ステップS64)、回転原点が
検出されたか(原点センサONか)否かを判定し(ステ
ップS65)、検出されなければ(ステップS65の判
断:NO)同方向への移動を続行する。ステップS65
において、回転原点が検出された場合(ステップS65
の判断:YES)、原点センサ41がONになった位置
で回転を停止させ(このとき、第1のシート保持手段5
は真上を向いている)、剥離機構1を下降させる(ステ
ップS66)。なお、上記では、機械的リセット手段を
併用する場合で説明したが、機械的リセット手段を併用
しない構成も可能である。このような構成では、例え
ば、剥離終了後、剥離機構1を上昇させたままの状態で
原点センサ41がONになるまで剥離機構1を中央側へ
移動させ、ONになった時点で回転を止め、剥離機構1
を下降させ、下降状態で次の剥離起点位置へ進む。この
ように、第9の実施例による剥離装置によれば、第1の
回転部材がどのような角度にあっても原点リセットを行
うことができる。但し、機械的原点リセットと比較する
とリセットに時間がかかるので、その点においては前述
のように機械的原点リセットと併用するのがよい。
【0024】<第10の実施例>第1の実施例による剥
離装置において剥離動作の再実行について説明したが、
第10の実施例による剥離装置では、剥離動作の再実行
の際の剥離動作速度を再実行の回数につれて段階的に遅
くする。シート(剥離紙)Hをシール部材Mから剥離す
るのに要する力は剥離する速度が小さい方が小さいの
で、剥離の信頼性を向上させるには速度が小さい方が有
利であるが、必要以上に速度を遅くすることは剥離動作
の所要時間増大を招くので実用的ではない。そのため、
この実施例では、通常は剥離速度を遅くせず、再実行時
に再実行の回数につれて段階的に遅くするのである。図
15は、第10の実施例の剥離装置の動作フローを示す
フローチャートである。以下、図15に従って、この実
施例の動作を説明する。まず、初期値の一つとして再実
行回数nを0に設定する(ステップS71)。制御手段
は起点位置P1(以下の各位置を含め図9を参照)から
開始される回転(移動)の速度、つまり剥離速度をv
(n)(ここではv(0))に設定し、その速度で剥離
を開始する(ステップS72)。シート保持状態確認位
置P2に達し(ステップS73)、シート保持状態確認
位置P2において、シートHが保持されているか否かを
検査する(ステップS74)。
【0025】このとき、シートHが保持されていないな
らば(ステップS74の判断:NO)、剥離速度を減速
した値に設定する。つまり、再実行回数nの値を1増や
し、剥離速度をv(0)より小さい値のv(1)にする
(ステップS75)。そして、再実行回数nが所定値
(例えば、3)より大か否かを判定し(ステップS7
6)、所定値より小さい場合は(ステップS76の判
断:NO)、起点位置P1へ戻り、減速された剥離速度
で再実行し、それでも剥離できない場合は再実行回数を
増やし、さらに剥離速度を減速して剥離を再実行する。
再実行回数nが所定値より大になると(ステップS76
の判断:YES)、エラー処理ルーチンへ進む。それに
対して、最初の実行または再実行でシート保持が正常で
あると判定されたならば(ステップS74の判断:YE
S)、剥離速度を高速にして位置P3へ進む(ステップ
S77)。そして、位置P4において原点リセットを行
う(ステップS78)。この実施例では、分割されたシ
ートの一方の剥離が成功しない場合、逆側の剥離動作を
先に行い、次にもとの側の剥離を再実行する。分割され
たシートが分割位置で微小量重なっている場合があるの
で、下側に位置するシートは上側に位置するシートに比
べて剥離に要する力が大きく、剥離が困難になるが、第
10の実施例による剥離装置では、このような場合でも
剥離を容易に行うことができる。
【0026】<第11の実施例>図16は、第11の実
施例による剥離装置の動作フローを示すフローチャート
である。以下、図16に従って、この実施例の動作を説
明する。まず、分割された2つのシート中の左側シート
の剥離を実行する(ステップS81)。そして、例え
ば、前記位置P2においてシート保持状態を検査するこ
とにより剥離成功か否かを判定する(ステップS8
2)。その結果、剥離成功と判定された場合には(ステ
ップS82の判断:YES)、左側シートの剥離終了
後、制御手段が図示しないメモリ内にフラグLの値とし
て1を設定する。剥離成功でないと判定された場合には
(ステップS82の判断:NO)、フラグLの値として
0を設定する。フラグ設定後、分割されたシートの逆側
シート(この例では右側シート)の剥離を実行し(ステ
ップS85)、メモリに設定されているフラグLが1か
0かを判定する(ステップS86)。フラグの値が0で
あれば(ステップSの判定:L=0)、もとの側(この
例では左側)のシートの剥離を再実行し処理を終了する
(ステップS87)。フラグの値が1であれば(ステッ
プSの判定:L=1)、そのまま処理を終了する。この
ように、第11の実施例による剥離装置によれば、重な
った上側のシートが剥離された後に下側のシートが剥離
されるので、下側のシートも容易に剥離することができ
る。
【0027】<第12の実施例>第12の実施例による
剥離装置では、第1の実施例に示した起点位置変更時、
過去の剥離の成否データに基づいて剥離起点位置を変更
する。シート端の位置ばらつきの範囲に応じて,剥離起
点位置P(0)〜P(5)を用意し、それぞれの起点位
置での剥離成功率データ:S(x)=m(x)/n
(x)をメモリに記憶しておくのである。但し、n
(x)はその起点位置での実行回数,m(x)はその起
点位置での成功回数である。図17は、この実施例によ
る剥離装置の動作フローを示すフローチャートであり、
図18はその動作説明図である。以下、図17および図
18に従って、この実施例の動作を説明する。まず、メ
モリから成功率データS(x)を読み出し、その値の大
きい順に起点位置P(x)を選択する(ステップS9
1)。剥離機構1を選択した起点位置P(x)に位置付
け(ステップS92)、その起点位置で剥離機構1を上
昇させ、剥離を開始する(ステップS93)。シート保
持状態確認位置P2へ進め(ステップS94)、位置P
2においてシート保持状態を検査し(ステップS9
5)、その結果を用いて成功率データS(x)を更新す
る。つまり、保持正常であれば、その位置での実行回数
n(x)および成功回数m(x)を1だけ増やし、保持
不良であればn(x)だけを1増やす。即ち、保持不良
であれば(ステップS95の判断:NO)、剥離機構1
を上昇させた状態で位置P1へ戻し、その位置で剥離機
構1を下降させ(ステップS97)、再実行回数n(初
期値は0)を1だけ増やす(ステップS98)。そし
て、nが所定値(例えば、5)より大か否かを判定し
(ステップS99)、大であれば(ステップS99の判
断:YES)、エラー処理ルーチンへ進む。大でなけれ
ば(ステップS99の判断:NO)ステップS91へ戻
る。そして、成功率が次に高い起点位置P(x)につい
て同様に繰り返す。それに対して、ステップS95にお
いて保持正常と判定されたならば(ステップS95の判
断:YES)、シート保持解除位置P3で第1のシート
保持手段5によるシート保持を解除し、第2のシート保
持手段9bによるシート保持で剥離を続ける(ステップ
S100)。そして、剥離終了位置P4において剥離機
構1の移動を停止させ、剥離機構1を下降させる(ステ
ップS101)。このように、第12の実施例による剥
離装置によれば、データに基づいた起点位置選択が可能
になるので、剥離成功率が高くなる。
【0028】<第13の実施例>図19および図20
は、第13の実施例による剥離装置の要部の説明図であ
る。図19に示したように、この剥離装置では、第1の
実施例や第6の実施例の剥離装置において、シートが分
割された分割位置P0を検出する位置検出手段として光
学センサ42を備え、その光学センサ42により検出さ
れた分割位置P0に基づいた位置から剥離を開始する。
光学センサ42は発光素子43と受光素子44を備え、
受光素子44が発光素子43からの反射光を検出するこ
とにより分割位置P0を検出する。このような構成で、
剥離開始時、シートHから離れた状態でシートHに沿っ
て剥離機構1(図20参照)をゆっくりと移動させ、分
割位置P0をスキャンする。分割位置P0では、シート
の段差または隙間により受光素子44に入る光量が変化
するので、その変化を検出するのである。つまり、制御
手段は受光素子44からの信号に変化があった時点の位
置情報Aをメモリに記憶し、Aから第1のシート保持手
段5の幅Dの半分の距離を戻した位置Bを左側シートの
剥離起点位置とするのである。同様に、右側シートの剥
離起点位置をAからD/2だけ進めた位置Cとする。な
お、分割位置P0のおおよその位置はわかっているの
で、スキャン範囲はその位置の周辺に限定できる。この
ように、第13の実施例による剥離装置によれば、分割
位置を自動的に検出できるので、高い剥離成功率で、且
つ、効率的に剥離動作を行うことができる。
【0029】<第14の実施例>図21は、第14の実
施例による剥離装置の要部の構成説明図である。図示し
たように、この剥離装置では、前述した各実施例の剥離
装置において、シートHの付着したシール部材Mの剥離
起点部分を加熱するシート加熱手段を備える。ここで、
図21(a)は、回転軸2に取り付けられる第1のシー
ト保持手段46(第1のシート保持手段5に相当)を金
属吸着パッド47およびその周面に備えた面状発熱ヒー
タ48などから構成したものであり、図21(b)は、
第1のシート保持手段50を、内面に面状発熱ヒータ5
2を備えた吸着パッドホルダ51および図示しない吸着
パッド(ゴム製で吸着パッドホルダ51に上からかぶせ
る)などから構成したものであり、図21(c)は、集
光レンズ53、遮光板54、光ファイバ55を介して外
部熱源56から剥離起点部分に熱を与えるようにしたも
のである。なお、加温により接着剤の流動性が高まって
剥離力は低下するが、対象物に貼り付けて温度が低下し
た後は元に戻るので、接着力が低下する恐れはない。む
しろ、対象物との密着性がよくなるので、接着力は増大
する。このように、第14の実施例による剥離装置によ
れば、シール部材Mの剥離起点部分を加熱することがで
きるので、シートHの接着力が弱まり、容易に剥離する
ことができるようになる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果を奏することができる。即ち、請求項1記載
の発明では、剥離機構を構成している第1の回転部材の
周上に設けられた第1のシート保持手段が長尺部材の表
面を保護しているシートを保持した状態で、前記第1の
回転部材が前記剥離機構の前記長尺部材に対する相対移
動と連動して回転することにより、前記シートが剥離さ
れるので、相対移動長と巻き取り長とを同じにすること
ができ、したがって、剥離されたシートがたるんだりシ
ートが引っ張られたりすることがなくなる。また、回転
部材を備えず、相対移動だけで剥離する場合に比べると
相対移動長が短くなり、したがって、小型且つ安価とな
るし、剥離に要する時間も短くなる。また、請求項2記
載の発明では、請求項1記載の発明において、吸着パッ
ドを第1のシート保持手段として用いるので、保持およ
び保持解除の制御を容易に行うことができる。また、請
求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の
発明において、剥離されるシートが沿う直線部材と、第
1の回転部材と同一の回転軸を軸として回転する第2の
回転部材との間のころがり相対運動により前記第2の回
転部材が回転し、その回転に伴い、前記第1の回転部材
が剥離機構の移動と連動して回転するので、確実な同期
を取ることができるし、第1の回転部材を回転させるた
めの専用の駆動手段が不要となり、小型・安価となる。
また、請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2、
または請求項3記載の発明において、剥離されたシート
が第1の回転部材側に巻き取られた後、巻き取られたシ
ートが剥離機構から自動的に分離されるので、剥離され
たシートの処理が容易になる。
【0031】また、請求項5記載の発明では、請求項
1、請求項2、または請求項3記載の発明において、シ
ートの一部が長尺部材から剥離した状態で、剥離した部
分のシートを保持しているシート保持手段と長尺部材と
の間に進入部材が進入して、シートのすべてが剥離され
るので、剥離機構の移動距離を短くすることができ、し
たがって、装置を小型化することができる。また、請求
項6記載の発明では、請求項1乃至請求項5記載の発明
において、第1のシート保持手段によりシートが保持さ
れた後、第2のシート保持手段によりシートが保持され
るので、強力な剥離強度を実現することができる。ま
た、請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明にお
いて、第2のシート保持手段が第1の回転部材に当接す
るローラであるので、剥離されたシートを送り出しなが
ら剥離することができ、したがって、剥離機構の移動量
を増やさなくて済む。また、請求項8記載の発明では、
請求項7記載の発明において、ローラが第1の回転部材
の回転によって回転するので、ローラを回転させるため
の専用の駆動手段が不要となり、小型・安価となる。ま
た、請求項9記載の発明では、請求項6、請求項7、ま
たは請求項8記載の発明において、第2の保持手段によ
りシートが保持された後、第1のシート保持手段による
保持が解除されるので、シートが第1の回転部材に巻き
込まれずに済み、したがって、剥離後の処理が容易にな
る。また、請求項10記載の発明では、請求項1乃至請
求項9記載の発明において、第1の回転部材の回転位置
が検出され、検出された回転位置に基づいて第1の回転
部材の回転または移動動作が制御されるので、適切な位
置で回転や移動を止めたり開始させたりすることができ
る。また、請求項11記載の発明では、請求項1、請求
項2、または請求項3記載の発明において、2つの剥離
機構により、剥離動作が並行して行われるので、剥離に
要する時間を短くすることができる。また、請求項12
記載の発明では、請求項1乃至請求項11記載の発明に
おいて、左右どちらの方向へも剥離することができるの
で、シートが中央で分割されている場合、剥離機構が1
個でも両方のシートを中央部起点で剥離することがで
き、端を起点とする場合に比べて剥離の成功率が高くな
る。
【0032】また、請求項13記載の発明では、請求項
1、請求項2、または請求項3記載の発明において、剥
離開始に当たって、第1の回転部材の回転原点をリセッ
トすることができるので、確実な剥離を実現できる。ま
た、請求項14記載の発明では、請求項13記載の発明
において、リセット手段を構成している当接手段または
第1の回転部材のいずれかが移動することにより、原点
合わせされていない位置では当接部材から一方のピンに
対してモーメント力が作用して、第1の回転部材が原点
合わせされる方向に回転するので、リセットに要する時
間が短くて済む。また、請求項15記載の発明では、請
求項13記載の発明において、リセット手段を構成して
いる2つの当接部材が互いに逆向きに移動することによ
り、原点合わせされていない位置では当接部材から2つ
のピンに対してモーメント力が偶力として作用して、第
1の回転部材が原点合わせされる方向に回転するので、
同様に、短時間でリセットすることができる。また、請
求項16記載の発明では、請求項13、請求項14、ま
たは請求項15記載の発明において、原点検知手段が第
1の回転部材の原点リセット状態を検知することにより
原点リセットが行われるので、リセット可能な第1の回
転部材の姿勢(回転位置状態)に制約がない。
【0033】また、請求項17記載の発明では、請求項
1乃至請求項16記載の発明において、剥離動作の途中
でシートの保持状態が正常か否かが検査されるので、保
持されないまま無駄な動作を続行しなくて済む。また、
請求項18記載の発明では、請求項17記載の発明にお
いて、正常に保持されていないと判定されたとき、剥離
動作が再実行されるので、剥離されないまま終わるとい
うことがまれになる。また、請求項19記載の発明で
は、請求項18記載の発明において、再実行時に剥離起
点位置を変更して剥離が再実行されるので、再実行時の
剥離成功率が高くなる。また、請求項20記載の発明で
は、請求項19記載の発明において、過去の剥離の成否
データに基づいて剥離起点位置が変更されるので、再実
行時の剥離成功率がさらに高くなる。また、請求項21
記載の発明では、請求項18または請求項19記載の発
明において、剥離動作再実行の際の剥離動作速度が再実
行の回数につれて段階的に遅くなるので、剥離に要する
時間が長くならないし、剥離されないまま終わるという
こともまれになる。また、請求項22記載の発明では、
請求項18または請求項19記載の発明において、分割
されたシートの一方の剥離が成功しない場合、逆側の剥
離動作が先に行われ、次にもとの側の剥離が再実行され
るので、分割箇所で左右のシートがわずかに重なってい
ても剥離が可能になる。また、請求項23記載の発明で
は、請求項1、請求項2、請求項3、または請求項13
記載の発明において、シート分割位置が検出され、検出
された分割位置に基づいた位置から剥離が開始されるの
で、シート端部の最適な位置を保持して剥離することが
可能となり、したがって、剥離成功率が高くなる。ま
た、請求項24記載の発明では、請求項1乃至請求項2
3記載の発明において、シートの付着した長尺部材の剥
離起点部分が加熱されるので、剥離が容易になる。ま
た、請求項25記載の発明では、請求項24記載の剥離
装置において、熱光源と光ファイバを用いた加熱手段に
より加熱が行われるので、シートに非接触で加熱するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による剥離装置の構成説
明図である。
【図2】本発明の第1の実施例による剥離装置の動作説
明図である。
【図3】本発明の第1の実施例による剥離装置の他の動
作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例による剥離装置の構成説
明図である。
【図5】本発明の第2の実施例による剥離装置の動作説
明図である。
【図6】本発明の第3の実施例による剥離装置の動作説
明図である。
【図7】本発明の第4の実施例による剥離装置の動作説
明図である。
【図8】本発明の第5の実施例による剥離装置の動作説
明図である。
【図9】本発明の第6の実施例による剥離装置の動作説
明図である。
【図10】本発明の第6の実施例による剥離装置の構成
説明図である。
【図11】本発明の第7の実施例による剥離装置の構成
説明図である。
【図12】本発明の第8の実施例による剥離装置の構成
説明図である。
【図13】本発明の第9の実施例による剥離装置の構成
説明図である。
【図14】本発明の第9の実施例による剥離装置の動作
フローを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第10の実施例による剥離装置の動
作フローを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第11の実施例による剥離装置の動
作フローを示すフローチャートである。
【図17】本発明の第12の実施例による剥離装置の動
作フローを示すフローチャートである。
【図18】本発明の第12の実施例による剥離装置の動
作説明図である。
【図19】本発明の第13の実施例による剥離装置の構
成説明図である。
【図20】本発明の第13の実施例による剥離装置の動
作説明図である。
【図21】本発明の第14の実施例による剥離装置の構
成説明図である。
【図22】従来技術の一例を示す剥離装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 剥離機構 2 回転軸 3 第1の回転部材 4 第2の回転部材 5 第1のシート保持手段 6 ベースプレート 7 直線部材 8 部材保持手段 9 第2のシート保持手段 12 クラッチ 14 第2のシート保持手段 15 進入部材 21 剥離機構 22 移動ベース 23 剥離機構 24 第1の回転部材 25 第1のシート保持手段 27 第2のシート保持手段 29 シート押し出し機構 31 ピン 32 ストッパ 40 原点ドグ 41 原点センサ 42 光学センサ 46 第1のシート保持手段 55 光ファイバ 56 外部熱源

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱な長尺部材の表面を保護しているシ
    ートを剥離する剥離装置において、回転軸を軸として回
    転する第1の回転部材を有した移動可能な剥離機構と、
    前記第1の回転部材の周上に設けられ剥離時に前記長尺
    部材の表面を保護している前記シートを保持する第1の
    シート保持手段と、前記剥離機構を前記長尺部材に対し
    て相対移動させる移動手段とを備え、前記移動手段によ
    る相対移動と前記第1の回転部材の回転を連動させて前
    記シートを剥離する構成にしたことを特徴とする剥離装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の剥離装置において、前記
    第1のシート保持手段が吸着パッドであることを特徴と
    する剥離装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の剥離装置
    において、前記第1の回転部材と同一の前記回転軸を軸
    として回転する第2の回転部材を備え、剥離時に剥離さ
    れるシートが沿う直線部材と前記第2の回転部材との間
    のころがり相対運動により前記第2の回転部材が回転
    し、該回転に伴う前記第1の回転部材の回転と前記剥離
    機構の移動とを連動させる構成にしたことを特徴とする
    剥離装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3記載
    の剥離装置において、前記シートを前記長尺部材から分
    離させるシート分離手段を備え、前記第1のシート保持
    手段が前記シートの端部を保持した状態で前記第1の回
    転部材が回転することにより前記シートを前記長尺部材
    から分離して前記第1の回転部材側に巻き取った後、巻
    き取ったシートを前記シート分離手段により前記剥離機
    構から分離する構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2または請求項3記載
    の剥離装置において、前記シートの一部を前記長尺部材
    から剥離した状態で、剥離した部分のシートを保持して
    いる前記シート保持手段と前記長尺部材との間に進入部
    材を進入させて前記シートのすべてを剥離する構成にし
    たことを特徴とする剥離装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5記載の剥離装置に
    おいて、第2のシート保持手段を備え、前記第1のシー
    ト保持手段がシートを保持した後、該第2のシート保持
    手段がシートを保持する構成にしたことを特徴とする剥
    離装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の剥離装置において、前記
    第2のシート保持手段がローラであり、該ローラの回転
    によりシートを剥離する構成にしたことを特徴とする剥
    離装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の剥離装置において、前記
    ローラが前記第1の回転部材の回転によって回転する構
    成にしたことを特徴とする剥離装置。
  9. 【請求項9】 請求項6、請求項7または請求項8記載
    の剥離装置において、前記第2の保持手段がシートを保
    持した後、前記第1のシート保持手段による保持を解除
    する構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9記載の剥離装置
    において、前記第1の回転部材の回転位置を検出する回
    転位置検出手段を備え、前記第1の回転部材の回転また
    は移動動作を前記回転位置検出手段により検出された回
    転位置に基づいて制御する構成にしたことを特徴とする
    剥離装置。
  11. 【請求項11】 請求項1、請求項2または請求項3記
    載の剥離装置において、移動可能な前記剥離機構を2つ
    備え、該2つの剥離機構による剥離動作を並行して行な
    う構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11記載の剥離装
    置において、左右どちらの方向へも剥離可能に構成した
    ことを特徴とする剥離装置。
  13. 【請求項13】 請求項1、請求項2または請求項3記
    載の剥離装置において、前記第1の回転部材の回転原点
    をリセットするリセット手段を備えたことを特徴とする
    剥離装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の剥離装置において、
    前記リセット手段が当接部材と前記第1の回転部材に設
    けられた2本のピンとからなり、該当接部材または前記
    第1の回転部材のいずれかが移動することにより原点合
    わせされていない位置では該当接部材から前記2本のピ
    ンの一方のピンに対してモーメント力が作用して前記第
    1の回転部材を原点合わせされる方向に回転させる構成
    にしたことを特徴とする剥離装置。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の剥離装置において、
    前記リセット手段が2つの前記当接部材と前記第1の回
    転部材に設けられた2本のピンとからなり、該当接部材
    が互いに逆向きに移動することにより原点合わせされて
    いない位置では該当接部材から前記2本のピンの両方の
    ピンに対してモーメント力が偶力として作用して前記第
    1の回転部材を原点合わせされる方向に回転させる構成
    にしたことを特徴とする剥離装置。
  16. 【請求項16】 請求項13、請求項14または請求項
    15記載の剥離装置において、前記リセット手段が前記
    第1の回転部材の原点リセット状態を検知する原点検知
    手段を備え、前記原点検知手段を用いて原点リセットを
    行う構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至請求項16記載の剥離装
    置において、剥離動作の途中で前記シートの保持状態が
    正常か否かを検査する検査手段を備えたことを特徴とす
    る剥離装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の剥離装置において、
    前記検査手段の検査結果により前記シートが正常に保持
    されていないと判定されたとき、剥離動作を再実行する
    構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の剥離装置において、
    前記再実行時に剥離起点位置を変更して剥離を再実行す
    る構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の剥離装置において、
    過去の剥離の成否データに基づいて前記剥離起点位置を
    変更する構成にしたことを特徴とする剥離装置。
  21. 【請求項21】 請求項18または請求項19記載の剥
    離装置において、剥離動作の再実行の際の剥離動作速度
    を再実行の回数につれて段階的に遅くする構成にしたこ
    とを特徴とする剥離装置。
  22. 【請求項22】 請求項18または請求項19記載の剥
    離装置において、分割された前記シートの一方の剥離が
    成功しない場合、分割されたシートの他方の剥離動作を
    先に行い、次に前記一方の側の剥離を再実行する構成に
    したことを特徴とする剥離装置。
  23. 【請求項23】 請求項1、請求項2、請求項3または
    請求項13記載の剥離装置において、前記シートが分割
    された分割位置を検出する位置検出手段を備え、前記位
    置検出手段により検出された分割位置に基づいた位置か
    ら剥離を開始する構成にしたことを特徴とする剥離装
    置。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至請求項23記載の剥離装
    置において、前記シートの付着した前記長尺部材の剥離
    起点部分を加熱するシート加熱手段を備えたことを特徴
    とする剥離装置。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の剥離装置において、
    前記シート加温手段が熱光源と光ファイバであることを
    特徴とする剥離装置。
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