JP2001522297A - 特に多層塗装を製造するための引掻抵抗被覆の製造方法 - Google Patents

特に多層塗装を製造するための引掻抵抗被覆の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、被覆材料が硬化状態で少なくとも107.6Paのゴム弾性領域での貯蔵弾性率E’及び最大で0.10の20℃での損失率tanδを示す被覆材料を塗布し、その際、貯蔵弾性率E’及び損失率は40±10μmの層厚を有する均質な独立フィルムに関して動的機械的熱分析を用いて測定したことを特徴とする引掻抵抗被覆の製造方法に関する。本発明はさらに多層塗装の製造のためのこの方法の使用並びにこの方法に適した被覆材料にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 特に多層塗装を製造するための引掻抵抗被覆の製造方法 本発明の対象は特に引掻抵抗多層塗装の製造のための引掻抵抗被覆の製造方法 である。 本発明はさらにこの方法に適した被覆材料に関する。 近年、自動車塗装用の耐酸性及び耐腐食性の透明塗料の開発においてめざまし い進歩が達成された。最近では、その他の特性においては同時に今までの特性水 準を維持して、かつ引掻抵抗の透明塗料についての自動車工業の要求がなされて いる。 現在、被覆の引掻抵抗を定量的に評価するために多様な試験法、例えばBAS F−ブラシテストを用いた試験、AMTEC社の洗浄ブラシ装置を用いた試験又 は自動車製造業者の多様な試験方法等が存在する。しかしながら、個々の試験結 果は各場合において対比することはできず、つまりこの試験結果は一つの同じ被 覆において選択された試験方法に応じて著しく異なる結果となり得、かつ引掻抵 抗試験の結果が場合により他の引掻試験における挙動について推測することがで きないという欠点がある。 従って、試料をいっぺん試験するだけで被覆の引掻 抵抗についての信頼の置ける表現が可能である引掻抵抗の定量的評価方法につい ての要望がなされている。特に、この試験の結果が、上記の多様な引掻抵抗試験 において被覆の引掻抵抗に関する信頼の置ける推測を可能にするのが好ましい。 文献には、引掻傷の発生の際の物理現象及びその現象から誘導される引掻抵抗 と被覆の他の物理的データとの関係についての若干の研究が既に記載されている 。引掻抵抗被覆についての多様な文献の最近の展望は、例えばJ.L.Courter,2 3rd Annual International Waterborne,High-Solids and Powder Coatings Sym posium,New Orleas 1996に記載されている。 さらに、例えばS.Sano et al.,"Relationship Between Viscoelastic Prope rty and Scratch Resistance of Top-Coat Clear Film",Toso Kagaku 1994,29 (12),P.475‐480の文献において、多様な熱硬化性メラミン/アクリレート系 又はイソシアネート/アクリレート系の引掻抵抗を洗浄ブラシ試験を用いて測定 し、得られた引掻抵抗を被覆の粘弾性特性との関係で試験している。 この文献に記載された試験結果から、この著者はいわゆる「インタークロスリ ンキング分子量(Inter-Crosslinking molecular weiqht)」が500を下回る か又はガラス転移温度が15℃以下である場合に、 被覆は良好な引掻抵抗を示すと推論している。自動車工業分野における透明塗料 塗膜の場合、被覆の十分な硬度を達成するためにガラス転移温度が15℃を上回 ることがもちろん必要である。架橋点の数を高めることによる引掻抵抗の改善は 、さらに実際にしばしば多くの問題、例えば不十分な貯蔵安定性並びにしばしば 全架橋位置の不完全な反応の問題を引き起こす。 +Lacke,Heft 10,1994,p.837‐843の文献中でも、多様な被覆の引掻抵抗を異 なる試験法で試験している。この場合、硬質の塗料が同じ荷重の場合に軟質の塗 料よりも高い損傷、ひいてはより僅かな引掻抵抗を示した。 さらにB.V.Gregorovich und P.J.Mc Gonical,Proceeding of the Advanced Coatings Technology Conference,Illinois,USA,3.‐5.November 1992,p .121‐125の報告においても、被覆の可塑的特性(靭性)を高めることにより、 引掻抵抗は可塑的流動(引掻傷の回復)の改善に基づき改善されるが、その際、 可塑的特性の向上は被覆の他の特性により制限されることが確認された。 さらに、P.Betz and A.Bartelt,Progress in Organic Coatings,22(1993) ,p.27‐37から、被覆の引掻抵抗を測定する多様な方法が公知である。この文 献において、さらに、被覆の引掻抵抗がガラ ス転移温度によるほかに例えばネットワークの均質性によって影響されていると いう示唆がある。 この文献において、透明塗料被覆の引掻抵抗をシロキサンマクロモノマーの組 込によって高めることが提案されている、それというのも、このシロキサンマク ロモノマーは透明塗料表面の均質性を高め、60℃を上回り改善された可塑流動を 生じるためである。 最後に、Loren W.Hill,Journal of Coatings Technology,Vol.64,No.80 8,May 1992,p.29‐41から、貯蔵弾性率(Speichermodul)と架橋密度との間 の関係が公知である。しかしながら、引掻抵抗被覆を得ることができる示唆又は 記載はこの文献には含まれていない。 さらに、欧州特許出願公開(EP−A)第540884号明細書から、ラジカ ル重合及び/又はカチオン重合可能なシリコーン含有透明塗料の使用下での自動 車分野における多層被覆の製造方法が公知であり、この場合、透明塗料の適用は 550nmの波長光の照射して又は光の遮断下で行われ、引き続きこの透明塗料 層を高エネルギー放射線で硬化させる。こうして得られた表面は良好な光学的特 性及び良好な引掻抵抗を示す。引掻抵抗の高さ並びに引掻抵抗が測定されたデー タについてのより詳細な記載は、しかしながら欧州特許出願公開(EP−A)第 540884号明細書には記載されていない。 最後に、欧州特許出願公開(EP−A)第568967号明細書からも特に自 動車分野での、放射線硬化性透明塗料の使用下での多層塗装の製造方が公知であ る。しかしながら、欧州特許出願公開(EP−A)第568967号明細書によ ると、発明の本質は高い光学的品質を有する透明塗料層の達成のために、まず熱 的に硬化する透明塗料を、次に放射線硬化性透明塗料を設置することである。 従って、本発明の根底をなす課題は、引掻抵抗の被覆を製造する方法を提供す ることであった。この場合、この方法において使用される被覆材料は同時に良好 な貯蔵安定性(50℃での貯蔵の際に少なくとも8週間)を有し、高い引掻抵抗 と同時に高い耐薬品性、良好な耐湿潤性及び良好な研磨性を有する被覆が生じる のが好ましい。この被覆材料はさらに特に自動や分野における多層塗装の製造の ために、透明塗料及び/又は上塗塗料として適しているのが好ましい。さらに、 硬化した被覆材料は、良好な耐候性、良好な耐酸性/耐塩基性及び鳥の糞等に対 する良好な安定性、高い光沢及び良好な外観を有するのが好ましい。 さらに、物理的な特性値に関してその都度選択された試験方法に依存しない硬 化した被覆の引掻抵抗の客観的な評価が可能となるべきである。この場合、物理 的特性値を測定する方法は実際に使用可能でありかつ十分な精度を有し、視覚的 評価で引掻抵抗のできる限 り適正な特性決定を可能にするのが好ましい。 前記の課題は、意外にも、硬化後に少なくとも107.6のゴム弾性範囲内の貯 蔵弾性率E’及び最大で0.10の20℃での損失率tanδを有する被覆材料 を使用し、その際、40±10μmの層厚を有する均質な独立フィルムについて 貯蔵弾性率E’及び損失率tanδは動的機械的熱分析(Dynamisch-Mechanische n Thermo-Analyse)を用いて測定されることを特徴とする引掻抵抗被覆を製造す る方法により解決された。 さらに、本発明の対象は多層塗装の製造方法の使用並びにこの方法に適した被 覆材料でもある。 独立フィルムについて動的機械的熱分析(以後省略してDMTAとする)を用 いた粘弾性特性の測定によるだけで、引掻抵抗の被覆を生じる被覆材料の製造の ための全体的な代表的選択基準が提供されることは、意想外で、かつ予想できな かった。この場合、DMTA測定の結果は引掻抵抗の異なる試験法の結果と対比 可能であり、その結果、DMTA測定の結果について、他の引掻抵抗試験、例え ばBASFブラシ試験又はAMTEC試験又は自動車製造元の異なる試験方法の 結果に関して表現することができる。 試験温度で中程度か又はそれどころか僅かな可塑性成分だけで、それに対して 著しく高い貯蔵弾性率をゴム弾性領域で有する塗料も、高い引掻抵抗を有する被 覆を生じることはさらに意外である。この場合、本発明による被覆材料が高い引 掻抵抗と同時に良好な研磨性、良好な耐湿性、良好な耐候性、良好な耐薬品性並 びに耐酸性/耐塩基性及び高い光沢を有することが特に有利である。さらに、本 発明による被覆材料は、50℃での貯蔵の場合に8週間の貯蔵安定性を有する。 次に、まず、引掻抵抗被覆の本発明による製造方法において使用される被覆材 料を詳細に説明する。 本発明の本質は、硬化した被覆材料がゴム弾性範囲内において少なくとも107.6 Pa、有利に少なくとも108.0Pa、特に有利に少なくとも108.3Paの 貯蔵弾性率E’を有し、かつ最大0.10、有利に最大0.06の20℃での損 失率を有するように被覆材料を選択することであり、その際、貯蔵弾性率E’及 び損失率tanδは、40±10μmの独立フィルムについて動的機械的熱分析 を用いて測定される。損失率tanδはこの場合、損失弾性率E”と貯蔵弾性率 E’からの商として定義される。 動的機械的熱分析は、被覆の粘弾性特性の測定のための一般に公知の方法であ り、例えばMurayama,T.,Dynamic Mechanical Analysis of Polymeric Matrial ,Esevier,New York,1978及びLoren W.Hill,Journal of Coatings Technolo gy,Vol.64,No.808,May 1992,p.31‐33に記載されている。 この測定の実施は、例えばRheometrics Scientific社のMK II,MK III又はMK IVを用いて行うことができる。 貯蔵弾性率E’及び損失率tanδは均一な独立フィルムに関して測定される 。この独立フィルムは公知のように、被覆材料が付着しない支持体上に被覆材料 を塗布し、硬化させることにより製造される。適当な支持体の例として、ガラス 、テフロン及び特にポリプロピレンが挙げられる。ポリプロピレンはこの場合良 好な使用性の利点を有し、従って通常、支持体材料として使用される。 測定のために使用される独立フィルムの層厚はこの場合一般に40±10μm である。 ゴム弾性領域内の貯蔵弾性率の値及び硬化した被覆材料の20℃での損失率の 値に関する被覆材料の特別な選択は、この場合、良好な研磨性、耐薬品性及び耐 湿性並びに耐候性と同時に良好な引掻特性の所望の特性プロフィールを有する被 覆材料を準備することが簡単に可能である、それというのも、両方の特性値が簡 単なDMTA測定により測定可能であるためである。さらに、生じた被覆は高い 光沢及び耐酸性及び耐塩基性を有し、これは従来の熱硬化された塗料の相応する 値と比較可能である。 この場合、試験温度で中程度か又はそれどころか僅かな可塑性成分だけで、そ れに対して著しく高い貯蔵 弾性率をゴム弾性領域で有する塗料も、高い引掻抵抗を有する被覆を生じること は意外である。 硬化した被覆の引掻抵抗はこの場合有利に、Artikels von P.Betz und A.Ba rtelt,Progress in Organic Coatings,22(1993),p.27‐37の第28頁の図2 に記載されたBASFブラシ試験を用いて(但し、使用した重量に関しては一部 変更(ここで挙げられた280gの代わりに2000g)した)次のように評価 した。 この方法の場合、塗料表面を一塊りで負荷されるメッシュ状織物で傷つける。 このメッシュ状織物及び塗料表面は洗剤溶液で十分に濡らされる。試験ボードを モータ駆動でリフティング運動でメッシュ状織物のもとで前後へ押し引きした。 試験ボードの製造のために、まず18〜22μmの層厚を有するETLを、次 いで35〜40μmの層厚を有する充填層、次いで20〜25μmの層厚を有す る黒色ベース層及び引き続き40〜45μmの層厚を有する試験すべき被覆材料 を塗布し、それぞれ硬化させた。このボードを塗料の塗布後少なくとも2週間室 温で貯蔵し、その後試験を実施した。 試験成形体はナイロンメッシュ状織物(No.11,31μmメッシュ幅、Tg5 0℃)で覆われた消しゴム(4.5×2.0cm、幅広側が引掻方向に対して垂 直)。加重は2000gである。 各試験の前にメッシュ状織物を新規にし、その場合織物メッシュの走行方向は 引掻方向に対して平行である。ピペットを用いて攪拌したての0.25%のPers il溶液約1mlを消しゴムの前に置いた。モータの回転数は80sの時間で80 回の往復リフティングが実施されるように調節した。試験後に、残留した洗浄液 を冷たい水道水ですすぎ、試験ボードを圧縮空気を吹き付けて乾燥させた。DI N67530による光沢を損傷の前及び後で測定した(測定方向は引掻方向に対 して垂直)。 本発明による被覆材料はこの場合、BASFブラシ試験において明らかに改善 された引掻抵抗を有する。有利に本発明による被覆材料はこの場合硬化した状態 で、ベース塗料上に塗布された硬化した被覆材料のBASFブラシ試験によるデ ルタ−光沢−値が最大で8、有利に最大で4、特に有利に0であるような引掻抵 抗を示す。 耐酸性/耐塩基性は、いわゆるBART−試験(BASF ACID RESISTANCE TEST )を用いて試験した:前記のETL、充填層、ベース塗料及び上塗層で被覆した 鋼板を、勾配炉で温度負荷にさらした(30分40℃、50℃、60℃及び70 ℃)。あらかじめ計量ピペットで規定した試験物質(硫酸1%、10%、36% ;亜硫酸6%;塩酸10%;苛性ソーダ液5%)をのせた。これらの物質の作用 に引き続き、この物質 を流水で除去し、損傷を24時間後に所定のスケールを用いて視覚的に評価した : 評点 外観 0 欠陥なし 1 軽度なマーキング 2 マーキング/艶消し/軟化せず 3 マーキング/艶消し/色調変化/軟化 4 亀裂/腐食し始め 5 透明塗料は脱落 相応する上記の粘弾性特性を有する被覆材料は、有利にUV線又は電子線で、 特にUV線で硬化可能な被覆材料である。その他に例えばOrmoceren等をベース とする被覆材料も適している。 この放射線硬化性被覆材料は通常少なくとも1つの、有利に複数の放射線硬化 性結合剤、特にエチレン性不飽和プレポリマー及び/又はエチレン性不飽和オリ ゴマーをベースとする結合剤、場合により1種以上の反応希釈剤、場合により1 種以上の光開始剤並びに場合により常用の助剤及び添加剤を含有する。 DIN4カップ中での流出時間100sよりも短い23℃での粘度、特に有利 にDIN4カップ中での流出時間80sより短い粘度を有する放射線硬化性被覆 材料を使用するのが有利である。 結合剤として、この放射線硬化性被覆材料中には、例えば(メタ)アクリル官 能性(メタ)アクリルコポ リマー、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエ ステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アミノアクリレート、 メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート及び相応するメタクリレートが 使用される。有利には芳香族構造単位を有していない結合剤が使用される。エポ キシアクリレートの使用は硬質の引掻抵抗性の被覆を生じるが、これは一般に改 善に乏しい耐候性を示す。従って、ウレタン(メタ)アクリレート及び/又はポ リエステル(メタ)アクリレート、特に有利に脂肪族ウレタンアクリレートを使 用するのが有利である。 結合剤として本発明による被覆材料中では前記の放射線硬化性結合剤の水性分 散液も適している。さらに、主にシリコーン不含の、特に有利にシリコーン不含 の結合剤を使用するのが有利である、それというのも生じた被覆材料はシリコー ン含有被覆材料と比較して改善された再塗装性を示すためである。 結合剤として使用したポリマーもしくはオリゴマーは通常500〜50000 、有利に1000〜5000の数平均分子量を有する。 本発明による被覆材料中で、分子当たり少なくとも2個、特に有利に3〜6個 の二重結合を有するポリマー及び/又はオリゴマーを使用するのが有利である。 有利に使用した結合剤はさらに400〜2000、特に有利に500〜900の 二重結合当量を有する。さ らに、結合剤は23℃で有利に250〜11000mPa・sの粘度を有する。 ポリエステル(メタ)アクリレートは当業者に一般に公知である。これは多様 な方法で製造可能である。例えばアクリル酸及び/又はメタクリル酸を酸成分と して直接ポリエステルの構成の際に使用することができる。その他に、アルコー ル性分として(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルをポリエステル の構成の際に直接使用することができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは ポリエステルのアクリル化により製造するのが有利である。例えばまずヒドロキ シル基含有ポリエステルを構成し、これを次いでアクリル酸又はメタクリル酸と 反応させることができる。さらに、カルボキシル基含有ポリエステルを構成し、 これを次いでアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルと反応 させることができる。未反応の(メタ)アクリル酸は洗浄、蒸留又は有利に当量 のモノ−又はジエポキシ化合物と適当な触媒、例えばトリフェニルホスフィンの 使用下で反応させることにより反応混合物から除去することができる。ポリエス テルアクリレートの製造についての詳細に関しては特に、ドイツ国特許出願公開 第3316593号明細書及びドイツ国特許出願公開第3836370号明細書 並びに欧州特許出願公開第54105号明細書、ドイツ国特許出願公告第200 3579号明細書及び欧州 特許第2866号明細書を参照する。 ポリエーテル(メタ)アクリレートも同様に当業者に一般に公知である。これ は多様な方法で製造可能である。例えばアクリル酸及び/又はメタクリル酸でエ ステル化されたヒドロキシル基含有ポリエーテルは、2価及び/又はそれ以上の 価のアルコールと多様な量のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと の反応により周知の方法(例えばHouben-Weyl,Band XIV,2,Makromolekular Stoffe II,(1963)参照)により得ることができる。テトラヒドロフラン又はブ チレンオキシドの重合生成物も使用可能である。 ポリエーテル(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートの フレキシブル化は例えば、相応するOH官能性プレポリマーもしくはオリゴマー (ポリエーテルベース又はポリエステルベース)を、長鎖の脂肪族ジカルボン酸 、特に少なくとも6個のC原子を有する脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸 、セバシン酸、ドデカン二酸及び/又はダイマー脂肪酸と反応させることにより 可能である。このフレキシブル化反応は、この場合アクリル酸もしくはメタクリ ル酸のオリゴマーもしくはプレポリマーへの付加の前又は後で実施することがで きる。 さらに、エポキシ(メタ)アクリレートも当業者に周知であり、従って詳説す る必要はない。これは通常アクリル酸をエポキシ樹脂、例えばビスフェノールA をベースとするエポキシ樹脂又は他の市販のエポキシ樹脂へ付加することにより 製造される。 エポキシ(メタ)アクリレートのフレキシブル化は、例えば相応するエポキシ 官能性プレポリマーもしくはオリゴマーを長鎖の、脂肪族ジカルボン酸、特に少 なくとも6個のC原子を有する脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、セバシ ン酸、ドデカン二酸及び/又はダイマー脂肪酸と反応させることにより可能であ る。このフレキシブル化反応は、この場合、アクリル酸もしくはメタクリル酸の オリゴマーもしくはプレポリマーへの付加の前又は後で実施することができる。 ウレタン(メタ)アクリレートも同様に当業者には周知であり、詳細に説明す る必要はない。これは、ジイソシアネート又はポリイソシアネートをジオール/ ポリオール及び/又はジアミン/ポリアミン及び/又はジチオール/ポリチオー ル及び/又はアルカノールアミンのグループからの鎖長延長剤と反応させ、引き 続き残留した遊離イソシアネート基を少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メ タ)アクリレート又は他のエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエ ステルと反応させることにより得ることができる。 鎖長延長剤、ジ−もしくはポリイソシアネート及びヒドロキシアルキルエステ ルの量はこの場合、有利に、 1) NCO基対鎖長延長剤の反応性の基(ヒドロキ シル基、アミノ基もしくはメルカプチル基)の当量比が3:1〜1:2、有利に 2:1にあり、及び 2) エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルのOH基が、 イソシアネート及び鎖長延長剤からのプレポリマーの遊離イソシアネート基に対 して化学量論的量で存在する ように選択される。 さらに、まず、ジイソシアネート又はポリイソシアネートのイソシアネート基 の一部を少なくとも1種のヒドロキシアルキルエステルと反応させ、残ったイソ シアネート基を引き続き鎖長延長剤と反応させることによりポリウレタンアクリ レートを製造することができる。この場合、鎖長延長剤、イソシアネート及びヒ ドロキシアルキルエステルの量は、NCO基対鎖長延長剤の反応性の基の当量比 が3:1〜1:2、有利に2:1であり、残りのNCO基対ヒドロキシアルキル エステルのOH基の当量比は1:1であるように選択される。もちろん、この両 方の方法の中間形も可能である。例えば、ジイソシアネートのイソシアネート基 の一部をまずジオールと反応させ、引き続きイソシアネート基のさらなる一部を ヒドロキシアルキル基と反応させ、引き続き残りのイソシアネート基をジアミン と反応させることができる。 ポリウレタンの多様な製造方法は公知(例えば欧州特許出願公開第20416 1号明細書参照)であり、 従って詳細に記載する必要はない。 ウレタン(メタ)アクリレートのフレキシブル化は例えば、相応するイソシア ネート官能性プレポリマーもしくはオリゴマーを、長鎖の脂肪族ジオール及び/ 又はジアミン、特に少なくとも6個のC原子を有する脂肪族ジオール及び/又は ジアミンと反応させることにより可能である。このフレキシブル化反応は、この 場合、アクリル酸もしくはメタクリル酸をオリゴマーもしくはプレポリマーへの 付加の前又は後で実施することができる。 適当な結合剤の例は、次の市販の製品も挙げることができる: ウレタンアクリレート Crodamer UVU 300,Croda Resins Ltd社,Kent,GB; 脂肪族ウレタントリアクリレート Genomer 4302,Rahn Chemie社,CH; 脂肪族ウレタンジアクリレート Ebecryl 284,UCB社,Drogenbos,ベルギー; 脂肪族ウレタントリアクリレート Ebecryl 294,UCB社,Drogenbos,ベルギー ; 脂肪族ウレタントリアクリレート Roskydal LS 2989,Bayer AG社,ドイツ; 脂肪族ウレタンジアクリレート V94-504,Bayer AG社,ドイツ; 脂肪族六官能性ウレタンアクリレート Viaktin VT E 6160,Vianova社,オーストリア; 脂肪族ウレタンジアクリレート Laromer 8861,BASF AG社並びにそこから派生 した試験製品 この結合剤は本発明の被覆材料中で有利に、透明塗料の場合被覆材料の総重量 に対してそれぞれ、もしくは顔料添加された系の場合に顔料及び充填剤なしの被 覆材料の重量に対してそれぞれ、5〜90重量%、特に有利に20〜70重量% の量で使用される。 本発明による被覆材料は、場合によりなお1種以上の反応性希釈剤を含有する ことができる。この反応性希釈剤は、この場合エチレン性不飽和可能物であるこ とができる。この反応性希釈剤はモノ−、ジ−又はポリ不飽和であることができ る。これは通常粘度及び塗料工業的特性、例えば架橋密度に影響を及ぼす。 反応性希釈剤は、本発明による被覆材料中で、有利に、透明塗料の場合には被 覆材料の総重量に対してそれぞれ、もしくは顔料添加された系の場合には顔料及 び充填剤なしの被覆材料の重量に対してそれぞれ、0〜70重量%、特に有利に 15〜65重量%の量で使用される。 反応性希釈剤として、例えば(メタ)アクリル酸及びそのエステル、マレイン 酸及びそのエステルもしくは半エステル、ビニルアセテート、ビニルエーテル、 ビニル尿素などが使用される。例として、アルキレングリコールジ(メタ)アク リレート、ポリエチレング リコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ ート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセリン −トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエ ン、ジビニルベンゼン、ペンタエリトリトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ トリテトラ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ ート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチルアク リレート、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチルアクリレート、ジメチルア ミノエチルアクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエ チルアクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミ ド及びジシクロペンチルアクリレート、欧州特許出願公開第250631号明細 書に記載された400〜4000、有利に600〜2500の分子量を有する長 鎖の線状ジアクリレートである。例えば両方のアクリレート基はポリオキシブチ レン構造により分けることができる。さらに、1,12−ドデシル−ジアクリレ ート及びアクリル酸2モルと一般に36個のC原子を有するダイマー脂肪アルコ ール1モルとの反応生成物が使用可能である。前記のモノマーの混合物も適して いる。 反応性希釈剤としてモノ−及び/又はジアクリレート、例えばイソボロニルア クリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア 有利である。特に有利にイソボロニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリ レート及びトリプロピレングリコールジアクリレートが使用される。 本発明による被覆材料は、場合により、有利に、顔料及び充填剤なしの被覆材 料の重量に対して0〜10重量%の割合で、UV線で硬化する調製物中で有利に 2〜6重量%の割合で、通常放射線硬化性被覆材料中で使用される光開始剤、例 えばベンゾフェノン、ベンゾイン又はベンゾインエーテル、有利にベンゾフェノ ンをUV−調製物中に含有する。例えばCiba Geigy することもできる。 さらに、本発明により得られた被覆材料は、場合によりなお通常の助剤及び/ 又は添加剤、例えば光保護剤(例えばHALS−化合物、ベンズトリアゾール、 オキサラニリドなど)、スリップ剤、重合抑制剤、艶消し剤、消泡剤、レベリン グ剤及び皮膜形成助剤、例えばセルロース誘導体又は他の上塗層において通常使 用される添加物を含有する。通常の助剤及び/又は添加剤は、顔料及び充填剤な しでの被覆材料の重量に対して15重量%まで、有利に2〜9重量%の量で使用 される。 本発明による被覆材料は、特に透明塗料として使用され、その結果通常、充填 剤を含有しないか又は透明な充填剤のみを含有しかつ遮閉する顔料は含有しない 。しかしながら、顔料添加された被覆材料として使用することも可能である。こ の場合、被覆材料は、被覆材料の総重量に対して1種以上の顔料2〜40重量% を含有する。この場合、被覆材料はなお、被覆材料の総重量に対して1種以上の 充填剤1〜20重量%を含有することができる。 本発明による被覆材料は、ガラス及び多様な金属支持体、例えばアルミニウム 、鋼、多様な鉄合金等の上に塗布することができる。有利に自動車塗装(自動車 製造塗装及び自動車捕集塗装)の分野においての透明塗料又は上塗塗料としてと して使用される。もちろん、この被覆材料は多様な金属上への適用の他に、多の 支持体、例えば木材、紙、プラスチック、鉱物性の下地等の上にも適用すること ができる。さらに、包装容器の被覆の分野並びに家具工業用のシートの被覆の分 野でも使用することができる。 金属支持体上の被覆の製造のために、本発明による被覆材料は有利にプライマ ー又は下塗塗料で被覆され た金属板もしくは金属帯状物上に適用される。プライマーとして通常使用される プライマーが使用される。下塗塗料として通常の下塗塗料並びに水性の下塗塗料 が使用される。さらに、本発明による被覆材料は、まず電気泳動被覆及び引き続 き機能層及び下塗塗料でウェットオンウェットで被覆されている金属材料上に適 用することもできる。前記の方法の場合、一般に下塗塗料及び充填剤もしくは機 能層は本発明による被覆材料の適用の前に焼き付けされている必要がある。 従って、本発明の対象は、 (1) 顔料添加された下塗塗料を支持体表面上に塗布し、 (2) 下塗塗料層を乾燥又は架橋させ、 (3) こうして得られた下塗塗料層上に透明の上塗塗料層を塗布し、引き続き 、 (4) 上塗塗料層を硬化させる 多層塗装の製造方法において、上塗塗料として本発明による被覆材料を使用する ことを特徴とする多層塗装の製造方法でもある。 特に、この場合、本発明による被覆材料は、自動車ボディ及びこれらの一部並 びにトラックボディなどの自動車製造塗装及び/又は自動車補修塗装の分野での 多層塗装の製造のための上塗塗料として適している。 塗膜の硬化は、放射線、有利にUV線を用いて行われる。この硬化方法の装置 及び条件は文献(例えば、 R.Holmes,U.V.and E.B.Curing Formulations for rinting Inks,Coatings and Paints,SITA Technology,Academic Press,London,United Kingdom 1984 参照)から公知であり、さらに記載する必要はない。 次に本発明を実施例により詳細に説明する。この場合、他に明示していない限 り全ての部は重量部を意味する。 例1〜4 表1に示した成分から、ディソルバー又は撹拌機を用いて強力に攪拌しながら 被覆材料1〜4を製造した。この透明塗料1〜4から、それぞれポリプロピレン 上に適用された40±10μmの層厚の独立フィルムを製造し、DMTAを用い て測定した。この皮膜の完全な硬化はこの場合2Hg−UVランプで行った。入 射された線量は約1800mJ/cm2であった。均質な完全に硬化した独立フ ィルムから、DMTA測定を用いて粘弾性の特性値を測定した。こうして測定さ れたゴム弾性領域の貯蔵弾性率E’及び20℃での損失率tanδをそれぞれ表 2に記載した。 さらに、例1〜4の被覆材料から完仝に硬化した被覆の引掻抵抗をBASFブ ラシ試験を用いて光沢の減少の測定により決定した。このため、それぞれの被覆 材料を、あらかじめBASF Lacke+Farben AG社(Muenster)の市販の電気泳動塗装 (層厚18〜22μm )、BASF Lacke+Farben AG社(Muenster)の市販の充填層のEcoprime 130(13 0℃で30分焼き付け;乾燥塗膜層厚35〜40μm)及びBASF Lacke+Farben AG社(Muenster)の市販の水性下塗塗料(130℃で30分焼き付け;乾燥塗膜 層厚20〜25μm)で被覆された金属板上に乾燥塗膜層厚40〜45μmで塗 布し、UV線で硬化させた(入射したエネルギー1800mJ/cm2)。 この全体の構造からBASFブラシ試験を用いて引掻抵抗を測定した。この結 果も同様に表2に記載した。さらに、研磨性、耐酸性/耐塩基性、貯蔵安定性及 び再塗装性自体も表2中に記載した。 比較例1 1. アクリレート樹脂の製造 撹拌機、モノマー混合物又は開始剤溶液用の2つの滴下漏斗、窒素導入管、温 度計及び還流冷却器を備えた4lの利用容量を有する実験室反応器中に、158 ℃〜172℃の沸騰範囲の芳香族炭化水素画分758gを秤量して装入した。こ の溶液を140℃に加熱した。140℃になった後、エチルヘキシルアクリレー ト1108g、スチレン55g、4−ヒドロキシブチルアクリレート404g及 びアクリル酸16gからナルモノマー混合物を4時間の間に、及び前記の芳香族 溶剤95g中のt−ブチルペルエチルヘキサノエート63gの開始剤溶液を4. 5時間の間、一定に反応器 中に供給した。モノマー混合物及び開始剤溶液の供給を同時に開始した。開始剤 の供給が終わった後、反応混合物をさらに2時間140℃に保持し、その後冷却 した。生じたポリマー溶液は固形物含有量62%(130℃で1hで循環空気炉 中で測定)、酸価9及び粘度21dPas(前記の芳香族溶剤中のポリマー溶液 の60%の溶解について測定、23℃でICI−プレート−錐−粘度計を使用) を有していた。 2. ブロックドイソシアネート1の製造 供給容器及び還流冷却器を備えた前記した装置中で、ヘキサメチレンジイソシ アネートの市販のイソシアヌレートトリマー504.0g及び前記の芳香族溶剤 257.2gを秤量して装入した。この溶液を50℃に加熱した。次いで、供給 容器からジエチルマロネート348.0g、酢酸エチルエステル104.0g及 びキシレン中のナトリウム−p−ドデシルフェノラート50%の溶液2.5gを 、2時間にわたり、溶液中へ温度が70℃を上回らないように供給した。次いで ゆっくりと90℃に加熱し、この温度を6時間保持した。次いで、ナトリウム− p−ドデシルフェノラート溶液2.5gをさらに添加し、反応混合物中のNCO 基の含有量が0.48%に達するまで90℃で保持した。次いでn−ブタノール 35.1gを添加した。こうして得られた溶液は59.6%の不揮発性分及び5 90mPausの粘度(23℃でICI−プレート− コーン−粘度計中で測定)を有していた。 3. ブロックドイソシアネート2の製造 ブロックドイソシアネート2の製造を、ブロックドイソシアネート1の製造と 同様に行うが、ヘキサメチレンジイソシアネート−トリマー504.0gの代わ りに、市販のイソホロンジイソシアネートの市販のイソシアヌレートトリマー6 66.1gを使用した。 4. 透明な上塗塗料の製造 透明の上塗塗料を、アクリレート樹脂、イソシアネート1、イソシアネート2 及びアミノプラスト樹脂を次に記載する順序で秤量供給し、実験室タービン撹拌 機で攪拌することにより良好に混合し、次いで第1の量のキシレンを添加し、同 様に良好に攪拌した。UV吸収剤及びラジカル捕捉剤をキシレン(第2の量)と 一緒に別々にこれらが完仝に溶解するまであらかじめ混合し、次いで最初の部の 調製剤に添加し、同様に良好に攪拌混合した。次いでn−ブタノール及びレベリ ング剤を添加し、良好に混合した。得られた塗料を同様に適用のためにキシレン を用いて23secの粘度(DIN−4カップで20℃で測定)まで調節した。 アクリレート樹脂 38.5部 Setamine US-138(市販のメラミン樹脂) 28.6部 イソシアヌレート1 3.6部 イソシアヌレート2 4.0部 キシレン 9.8部 ベンズトリアゾールベースのUV吸収剤 1.7部 立体障害アミンベースの市販の光保護剤 1.5部 キシレン 5.3部 ブタノール 5.0部 レベリング剤(キシレン中のポリエーテル置換ポリジメチルシロキサンの5% 溶液) 2.0部 例1と同様に、被覆材料V1から、ポリプロピレン上に適用した40±10μ mの層厚の均質な独立フィルムを製造し、DMTAで試験した(硬化条件20分 /140℃)。 こうして得られたゴム弾性領域での貯蔵弾性率E’及び20℃での損失率ta nδの値は表2に記載した。 表2中には、さらに被覆材料の貯蔵安定性並びに研磨性、耐湿性、耐酸性/耐 塩基性に関する硬化した被覆の試験結果、及び再塗装性を記載した。 さらに、被覆材料V1から、硬化した被覆の引掻抵抗を例1と同様にBASF ブラシ試験を用いて、光沢減少の測定により決定した。このため、被覆材料V1 は例1に記載した、電気泳動塗装、充填層及び下塗塗料を備えた金属板上に乾燥 層厚40〜45μmで適用し、下塗塗料と一緒に熱硬化させた(140℃で20 分)。この全体構造から、BASFブラシ試験を用い て引掻抵抗を測定した。測定されたΔ光沢−値も同様に例2に記載した。 比較例2 欧州特許出願公開(EP−A第)540884号明細書の例1と同様に、被覆 材料V2を次の組成からディソルバー又は撹拌機を用いて強力に攪拌しながら製 造した: Novacure 3200(Interorganaの脂肪族エポキシアクリレート) 44.5部 Ebecryl 264(UCBの脂肪族ウレタンアクリレート) 32.2部 Irgacure 184(CIBA GEIGYの光開始剤) 3.0部 ジプロピレングリコールジアクリレート 10.0部 トリメチロールプロパントリアクリレート 10.0部 Ebecryl 350(UCBのシリコーンアクリレート) 0.3部 例1と同様に、被覆材料V2から、ポリプロピレン上に適用した40±10μ mの層厚の均質な独立フィルムを製造し、UV線(入射エネルギー1800mJ /cm2)で硬化させ、DMTAで試験した。こうして測定されたゴム弾性領域 での貯蔵弾性率E’の値及び20℃での損失率tanδの値は表2に記載した。 表2中には、さらに再塗装性に関する完全に硬化した被覆の試験の結果も記載 した。 さらに、被覆材料V2から、硬化した被覆の引掻抵抗を例1と同様にBASF ブラシ試験を用いて、光沢減少の測定により決定した。このため、被覆材料V2 は例1に記載した、電気泳動塗装、充填層及び下塗塗料を備えた金属板上に乾燥 層厚40〜45μmで適用し、UV線で硬化させた(入射エネルギー1800m J/cm2)。この全体構造から、BASFブラシ試験を用いて引掻抵抗を測定 した。測定されたΔ光沢−値も同様に例2に記載した。 比較例3 1. アクリレート樹脂の製造 撹拌機、モノマー混合物及び開始剤溶液用の2つの滴下漏斗、窒素導入管、温 度計及び還流冷却器を備えた4lの利用容量を有する実験室反応器中に、158 ℃〜172℃の沸騰範囲の芳香族炭化水素画分879gを秤量して装入した。こ の溶液を140℃に加熱した。140℃になった後、上記の芳香族溶剤87g及 びt−ブチルペルオクトエート87gからなる開始剤混合物を4.75時間の間 に均一に反応器中へ供給した。開始剤混合物の添加し始めた15分後に、ブチル メタクリレート819g、メチルメタクリレート145g及びヒドロキシプロピ ルメタクリレート484gからなるモノマー混合物を4時間の間に供給した。開 始剤の供給が終わった後、反応混合物をさらに2時間140℃に保持し、その後 冷却した。生じたポリマー溶液は固形物含有量60%(130℃で1hで循環空 気炉中で測定)及びOH価130(固形物含有量に対して)を有していた。 2. イソシアネートの製造 ヘキサメチレンジイソシアネートの市販の90%のイソシアヌレートトリマー 23g及びイソホロンジイソシアネートの市販の70%のイソシアヌレートトリ マー64gを、ブチルアセテート6.5g及び上記の芳香族溶剤混合物6.5g と良好に混合した。 3. 透明な上塗塗料の製造 透明な上塗塗料を、アクリル樹脂を秤量し、実験室タービン撹拌機で攪拌する ことで良好に混合し、次いでキシレン以外のの溶剤及びレベリング剤を添加し、 同様に良好に攪拌した。UV吸収剤及びラジカル捕捉剤をキシレンと一緒に別々 にこれらが完全に溶解するまであらかじめ混合し、次いで調製剤の第1の部に添 加し、同様に良好に攪拌混合した。イソシアネートを適用の直前に添加した。得 られた塗料は場合により適用のためにキシレンで、20℃でDIN−4カップ中 で測定して粘度23secに調節した。 アクリレート樹脂 78.0部 イソシアネート 35.0部 ブチルグリコールアセテート 8.0部 ブチルアセテート 5.5部 ベンゾトリアゾールをベースとするUV−吸収剤 1.5部 立体障害アミンをベースとする市販の光保護剤 1.0部 キシレン 3.0部 レベリング剤(キシレン中のポリエーテルで置換されたポリジメチルシロキサン の5%溶液) 3.0部 例1と同様に、被覆材料V3から、ポリプロピレン上に適用した40±10μ mの層厚の均質な独立フィルムを製造し、DMTAで試験した(硬化条件20分 /140℃)。 こうして測定されたゴム弾性領域での貯蔵弾性率E’の値及び20℃での損失 率tanδの値は表2に記載した。 表2中には、さらに被覆材料V3の貯蔵安定性並びに研磨性、耐湿性、耐薬品 性に関する硬化した被覆の試験結果を記載した。 さらに、被覆材料V3から、硬化した被覆の引掻抵抗を例1と同様にBASF ブラシ試験を用いて、光沢減少の測定により決定した。このため、被覆材料V3 は例1に記載した、電気泳動塗装、充填層及び下塗塗料を備えた金属板上に乾燥 層厚40〜45μmで適用され、下塗層と一緒に熱的に硬化させた(20分で1 40℃)。この全体構造から、BASFブラシ試験を 用いて引掻抵抗を測定した。測定されたΔ光沢−値も同様に例2に記載した。 試験結果の要約: 引掻抵抗について最適化する通常の透明塗料(比較例1)の高い引掻抵抗は、 tanδ−値の早期の向上で達成される。しかしながらこれは他の欠点、例えば 僅かな貯蔵安定性、悪い研磨性及び悪い耐薬品性を伴う。 比較例V2の被覆材料は20℃で高いtanδ−値及び良好な引掻抵抗により 優れているが、同時に悪い再塗装性を示す。 著しく引掻に弱いが同時に良好な耐酸性により優れている成分透明塗料(比較 例3)は、これに対して、tanδ−値の遅い向上を示し、ゴム弾性領域中の貯 蔵弾性率E’の僅かな値を示した。 本発明による被覆材料は、引掻抵抗について最適化された常用の比較例1の透 明塗料と比較して、107.6Paのゴム弾性領域におけるより高い貯蔵弾性率E ’並びに損失率tanδの遅い向上及び相応して20℃での低いtanδ値によ り優れている。このように、優れた引掻抵抗(例えばBASFブラシ試験におい て僅かな引掻又は引掻がなく、Δ光沢は8以下であり、AMTECブラシ試験に おいて改善された引掻抵抗)と同時に良好な研磨性並びに良好な耐薬品性及び耐 湿性を有する被覆を生じる被覆材料の提供が可能であ る。さらに、本発明による被覆材料は、比較例1の引掻抵抗について最適化され た通常の透明塗料と比較して改善された貯蔵安定性により優れている。 表1:例1〜4の被覆材料の組成 表1についての注: 1) Viaktin VTE 6160,Vianova社の市販の脂肪族六官能性ウレタンアクリレー ト; エポキシアクリレート; 性ポリエーテルアクリレート; 性ウレタンアクリレート; 肪族ウレタンジアクリレート(ジプロピレングリコー ルジアクリレートの代わりにヘキサンジオールアクリレート中に溶解); 6) V94/504-2,Bayer AG社の脂肪族二官能性ウレタンアクリレート; 7) ヘキサンジオールジアクリレート 剤; 剤; 11) 3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン; 12) Byk 333,シロキサンベースの市販のスリップ添加剤; 13) Byk 306,シロキサンベースの市販のスリップ添加剤; 表2:例1〜4及び比較例V1〜V3の被覆材料の試験結果評点スケール: O: 極めて良好 O−Δ: 良好 Δ: 普通 X: 不十分 表2の中: Δ光沢:BASFブラシ試験の付加前と直後との光沢値の差; 研磨性:研磨ペーストを用いた研磨後の研磨痕の発生に関する塗膜表面の視覚的 評価; 耐湿性:40℃及び相対湿度100%で10日間の貯蔵による一定気候試験を用 いて測定; 耐薬品性:前記のBART試験を用いて測定; 貯蔵安定性:50℃で8週間貯蔵後の、23℃でDIN4カップ中での流出粘度 としての被覆材料の粘度の試験:良好な貯蔵安定性は貯蔵後でも粘度上昇がほと んどない; 再塗装性:視覚的評価及びそれ自体再塗装性の格子切り込み試験を用いて評価
【手続補正書】 【提出日】平成11年10月15日(1999.10.15) 【補正内容】 (1) 明細書第2頁12行の「New Orleas」を「New Orleans」と補正する。 (2) 明細書第7頁9行の「硬化した被覆材料が」を「硬化した被覆が」と補 正する。 (3) 明細書第8頁1行の「Rheometrics」を「Rheometric」と補正する。 (4) 明細書第8頁18行の「被覆材料を」を「被覆を」と補正する。 (5) 明細書第25頁最終行の「mPaus」を「mPas」と補正する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウーヴェ マイゼンブルク ドイツ連邦共和国 ドゥイスブルク カル ディナール―ガレン―シュトラーセ 42 (72)発明者 カール−ハインツ ヨースト ドイツ連邦共和国 トロイスドルフ ガル テンシュトラーセ 7 (72)発明者 アンドレア ヘッセルマイヤー ドイツ連邦共和国 ドレンシュタインフル ト ヘルシュ 92

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 硬化後に少なくとも107.6Paのゴム弾性領域での貯蔵弾性率E’及び 最大で0.10の20℃での損失率tanδを示す被覆材料を使用し、その際、 貯蔵弾性率E’及び損失率は40±10μmの層厚を有する独立フィルムに関す る動的機械的熱分析を用いて決定されたことを特徴とする引掻抵抗性被覆の製造 方法。 2. 硬化した状態で、少なくとも107.6Paのゴム弾性領域での貯蔵弾性率 E’及び最大で0.10の20℃での損失率tanδを示し、その際、貯蔵弾性 率E’及び損失率は40±10μmの層厚を有する遊離被膜に関して動的機械的 熱分析を用いて決定されたことを特徴とする被覆材料。 3. 被覆材料が、硬化した状態で少なくとも108.0Pa、有利に少なくとも 108.3Paのゴム弾性領域での貯蔵弾性率E’及び/又は最大0.06の20 ℃での損失率tanδを有する、請求項1又は2記載の方法又は被覆材料。 4. 被覆材料が、硬化した状態で、下塗塗料上に適用されて硬化した被覆材料 のBASFブラシ試験によるデルタ−光沢値が最大8、有利に最大4、特に有利 に0であるような引掻抵抗を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の 方法又は被覆材料 。 5. 被覆材料はUV線又は電子線を用いて硬化可能である、請求項1から4ま でのいずれか1項記載の方法又は被覆材料。 6. 被覆材料が23℃でDIN4中での流出時間100sより下、有利に80 sより下の粘度を示す、請求項5記載の方法又は被覆材料。 7. 被覆材料が結合剤として1種以上のポリエステル(メタ)アクリレート及 び/又はポリウレタン(メタ)アクリレートを含有し、及び/又は使用した結合 剤は主にシリコーン不含である、請求項5又は6記載の方法又は被覆材料。 8. 反応性希釈剤として1種以上のモノアクリレート及び/又はジアクリレー トを含有する、請求項5から7までのいずれか1項記載の方法又は被覆材料。 9. (1) 顔料添加された下塗塗料を支持体表面上に塗布し、 (2) 下塗塗料層を乾燥又は架橋させ、 (3) こうして得られた下塗塗料層上に透明の上塗塗料を塗布し、引き続き (4) 上塗塗料層を硬化させる多層塗装の製造方法において、上塗塗料とし て請求項2から8までのいずれか1項記載の被覆材料を使用することを特徴とす る、多層塗装の製造方法。 10. 自動車分野に関する多層塗装を製造するために使用する、請求項9記載 の方法。
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