JP2001335689A - 電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、電子用品及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法 - Google Patents

電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、電子用品及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法

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JP2001335689A JP2000157511A JP2000157511A JP2001335689A JP 2001335689 A JP2001335689 A JP 2001335689A JP 2000157511 A JP2000157511 A JP 2000157511A JP 2000157511 A JP2000157511 A JP 2000157511A JP 2001335689 A JP2001335689 A JP 2001335689A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型の成形体は急激な温度変化に耐性が十分で
なく、バルク部品の外装体は柔軟性がなくマウンターの
吸着ノズルによるピックアップミスがあり、ケーシング
や、被覆ケーブルの電磁シールドもそのシールド層が複
雑な構造や微妙な変形によく追従するものとはいえず、
部品の外部電極、その外部電極を取り付けるはんだや、
中間部品同士の接合のための接合体も熱応力の緩和性に
は問題があり、建築物の電磁シールド壁のコーキング材
には電磁シールド用のものがない。 【解決手段】ポリサルファイドゴム骨格を高分子中に有
するポリサルファイド系ポリマーを主成分として含有す
るポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、これを用いて
得られた成形体、充填体、被覆体、外部電極又は接合体
を有する電子用品、該組成物を半硬化状態で適用し、適
用後完全硬化させるその使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子材料用ポリサルフ
ァイド系硬化性樹脂組成物、これを用いて得られる電子
用品及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成
物の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂等の硬化性樹脂は、フェラ
イト粉末や金属粉末等の電子材料粉末と混合され、ある
いは混合されないで使用される電子材料組成物の重要な
成分として用いられている。これらの樹脂や電子材料粉
末等の電子材料は、主に電子部品用の材料として、成形
材、被覆材、電極材、接合材その他に広く用いられてい
る。例えば電子材料としては以下の(1)〜(5)の用
途が挙げられる。 (1)被覆材としては以下の〜が挙げられる。 巻線型チップコイルでは、フェライトを含有する成
形材から得られるフェライトコアに巻線をした後に、そ
の上を被覆する外装材として用いられる。この場合に
は、樹脂成分を溶剤とともに混合して得た電子材料組成
物を塗布し、硬化させてもよいが、フェライト粉末も混
合したものも用いられる。 電子部品を内装するケーシングの表面に被覆する電
磁シールドの材料として用いられる。この場合には、磁
性体材料粉末を樹脂成分とともに混合した混合物を成形
したシートを単純に張り合わせている。なお、ケーシン
グそのものを金属粉末を樹脂成分とともに成形した成形
体により構成することも行われている。 デジタルビデオカメラ、パソコン、プリンター等を
接続するケーブルの被覆材として用いられる。この場合
には、樹脂成分を溶融して導線ととも押し出し成形す
る。 電子部品を搭載したプリント配線板のこれら電子部
品を含む全面を被覆する被覆材として用いられる。 (2) 成形材としては、例えば巻線型チップコイルの
コアを得る際の材料として用いられる。この場合、フェ
ライト粉末を樹脂成分その他の成分とともに用いて造粒
し、その粒子を用いて棒状に乾式成形した後、硬化さ
せ、その硬化した成形体を切削加工し、両端に鍔部を有
するコアを得る方法がある。このことは、切削加工は行
わないが、空芯コイルの巻枠の場合についても言える。
また、フェライト粉末を樹脂成分や溶剤とともに湿式混
合した組成物を射出成形等により成形した後、硬化させ
る、いわゆる加工レスの製造法もある。
【0003】(3)電極材としては、例えばガラスフリ
ットと銀粉末を含有する導電ペーストが用いられ、その
ペーストの塗布と、その後の焼付けにより例えばチップ
部品の外部端子電極が形成されている。また、導電体粉
末を樹脂成分や溶剤等ともに混合して得た導電ペースト
を塗布し、焼き付けて同様な目的の外部端子電極を形成
することも行われている。 (4)接合材としては、以下の、が挙げられる。 例えばチップ部品をプリント配線板のはんだ付けラ
ンドにはんだ付けするはんだが用いられている。 例えばLC積層複合電子部品のように、同種材料の
グリーンシート積層体と他の同種材料のグリーンシート
積層体を積層して焼成し、LC用素体とする場合には、
異種材料の接触するシート部分は接着材料としての機能
も有している。この場合には、フェライ粉末又は誘電体
材料粉末を樹脂や溶剤とともに湿式混合した電子材料組
成物によりグリーンシートが形成される。 (5)充填材としては、例えば建築物の壁面を電磁遮蔽
ボード、パネル又はタイルを継ぎ合わせて形成する場合
のその継ぎ目に充填する充填材がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の場合に
は、特に品質係数Qを高めた巻線型のインダクター(L
Qインダクターということもある)では、外装材として
は磁気特性及び環境信頼性の向上が求められている。磁
気特性としては外装材にフェライトを含有させて磁束密
度を向上させることが図られる。環境信頼性としては、
例えばインダクターの製造をコアに巻線をした後にその
両端に外部電極用として下地の電極膜を形成し、ついで
外装材を巻線部分及びその下地の電極膜の内端側に塗布
し、さらに残部の下地の電極膜にさらに電極層を積層し
て形成することにより行なう場合には、その得られた製
品を寒暖の差の雰囲気下に置いても、特に亀裂の入り易
い外装材と他の部材との接着界面にその亀裂を生じない
ことが求められる。ところが、従来のエポキシ樹脂をフ
ェライト粉末とともに使用した外装材を用いて巻線型イ
ンダクターを量産した場合には、その硬化性組成物を施
したその硬化後の外装材はフェライトコアとの界面で剥
離が多発する。これを改善するために、コア表面にシラ
ンカップリング剤による処理を行った後に外装材を塗布
し、外装材とフェライトコアとの密着力を向上し、その
剥離を減少させることも行われたが、リフローはんだ付
けを3〜5回繰り返したり、−55℃と125℃の間を
往復するヒートサイクルを100回繰り返すヒートサイ
クル試験を行なうと、フェライトコア近傍の外装材に樹
脂内破壊(クラック)が発生するという問題が生じる。
そこで、これらの問題を生じないようなエポキシ樹脂に
変わる新規な硬化性樹脂組成物の開発が望まれていた。
【0005】また、上記(1)の場合には、多数の同
種のチップ部品の集合体から個々の部品を吸着ノズルで
吸着してピックアップし、プリント配線板の所定の位置
にマウントする、いわゆるバルク部品のマウントにおい
て、外装材が硬く、変形し難いため、吸着ノズルと外装
材の被吸着面との間に隙間が生じやすく、滑りを引き起
こしてピックアップされず、マウントミスを起こすとい
う問題がある。従来は、そのマウントミスを減らすため
に、部品の形状の精度を向上することで対応してきた
が、歩留まりを考えると限界がある。また、上記(1)
の場合には、ケーシングの形状が複雑に屈曲したり、
細かい凹凸を含むような異形状部を有するときには、電
磁遮蔽シートをケーシングの壁面に密着して張り合わせ
ることが困難であり、電磁遮蔽の十分な効果を得られな
いことがある。上記(1)、の場合には、被覆材と
被被覆体との線膨張率の差に基づく熱応力により、接合
面が剥離したりあるいは被覆材の内部にクラック等の損
傷を生じることがある。また、上記(1)の場合に
は、被覆材は樹脂材料からなっているので、ケーブルの
導線を流れる電流により発生する電磁波が周囲に放射さ
れ、これによりケーブルの周囲の電子機器類に影響を与
えてその誤動作を起こさせる原因となる、いわゆる輻射
ノイズを抑制できない。そこで、従来は、アクリル変性
ポリエステル樹脂を樹脂成分とする磁性材料組成物を用
いた被覆材を被覆したケーブルも知られているが、その
ような対策を施されていない通常の被覆電線であるケー
ブルについては、そのまま使用せざるを得ず、既に配線
済みのものを含めて、上記の輻射ノイズを抑制できない
という問題がある。
【0006】上記(2)の場合には、最近の電子部品の
小型化に伴って、コアの小型化が要求されてきている
が、フエライト材料はこのコアが小型になるほど、硬く
て脆い性質が顕在し易く、精密な加工が困難になり、そ
のため規格外のものが発生し易く、歩留まりを悪くす
る。また、湿式混合による電子材料組成物を用いた射出
成形によるコアも靱性が小さい。これらの加工品、成形
品は、例えばリフローはんだ付け工程で受ける熱応力に
対するリフローはんだ付け試験では、これに耐える点か
らは強度面でも問題がある。
【0007】また、上記(3)の場合には、銀粉末及び
ガラスフリットを使用して焼成した電極は、電子部品を
プリント配線板のはんだ付けランドにはんだ付けされる
が、両者はそれぞれ線膨張係数が異なるので、温度変化
により両者間に応力が発生し易く、電子部品にその影響
を与えることになり、電子部品が所定の性能を維持する
ことができる耐久性に難がある。このことは、導電体粉
末と樹脂成分を用いて焼付けにより形成した電極につい
ても、その樹脂成分として、エポキシ樹脂を用いている
ので、その応力を緩和することができず、同様な問題が
ある。また、上記(4)の場合には、上記(3)の場
合と同様に、電子部品の外部端子電極とはんだ付けラン
ドを接合するはんだは、硬いため、変形できないので、
温度変化により両者の間に発生する応力を緩和すること
ができず、電子部品にその影響を与えることになり、電
子部品の耐久性に難があり、このことは、上記(3)の
ことが加わることになれば、その耐久性をより一層悪く
する。また、上記(4)の場合には、焼成時に、例え
ばフェライトグリーンシート積層体と誘電体材料グリー
ンシート積層体からなる異なる材料のグリーンシート積
層体のそれぞれの積層体の収縮率が異なるので、得られ
た焼成体にクラックが入り易いという問題がある。その
焼成体にクラックが入らない場合でも、それぞれの積層
体の焼成体は線膨張率が異なるので、使用時等において
温度差のある状況下に置かれると、その繰り返し数が多
いほど、クラックが入りやすいという問題がある。ま
た、上記(5)の場合には、充填材としてシリコン系の
樹脂が使用されているが、その樹脂を使用した充填体を
通して建物外部から電磁波が侵入することを防止できな
いのみならず、電磁遮蔽ボード、パネル又はタイルの間
のこの樹脂を充填した部分から、建物内部で使用してい
るパソコンなどの電子機器類から発生する電磁波が外部
に漏洩し、その漏洩電磁波による情報漏洩のことも問題
視されている。
【0008】本発明の第1の目的は、リフローはんだ付
けやヒートサイクル試験のような熱負荷時の発生応力に
対して耐久性を有する電子材料用ポリサルファイド系硬
化性樹脂組成物、これを用いた電子用品及び電子材料用
ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法を提供
することにある。本発明の第2の目的は、マウンターの
吸着ノズルに吸着され易いバルク部品が得られるための
柔軟性を有し、被外装体との線膨張係数の相違による熱
応力にも耐性を有する外装材に用いられる電子材料用ポ
リサルファイド系硬化性樹脂組成物、これを用いた電子
用品及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成
物の使用方法を提供することにある。本発明の第3の目
的は、小型化しても強度があり、歩留まりを向上できる
とともに急激な温度変化にも耐性を有する成形体が得ら
れる電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、
これを用いた電子用品及び電子材料用ポリサルファイド
系硬化性樹脂組成物の使用方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、異形状表面を有するケーシング
に対してもこれに適合して被覆される柔軟性を有して十
分な電磁シールドを行なうことができ、被外装体との線
膨張係数の相違による熱応力にも耐性を有する被覆材に
用いられる電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組
成物、これを用いた電子用品及び電子材料用ポリサルフ
ァイド系硬化性樹脂組成物の使用方法を提供することに
ある。本発明の第5の目的は、輻射ノイズを防止するこ
とができるケーブルの被覆材や外皮材に用いられる電子
材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、これを用
いた電子用品及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性
樹脂組成物の使用方法を提供することにある。本発明の
第6の目的は、プリント配線板に取り付けた電子部品に
ついて温度変化による応力が発生してもこれを緩和でき
るその電子部品用外部電極が得られる電子材料用ポリサ
ルファイド系硬化性樹脂組成物、これを用いた電子用品
及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の
使用方法を提供することにある。本発明の第7の目的
は、プリント配線板に取り付けた電子部品について温度
変化による応力が発生してもこれを緩和できる、その取
付けのための接合を行なえる電子材料用ポリサルファイ
ド系硬化性樹脂組成物、これを用いた電子用品及び電子
材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法
を提供することにある。本発明の第8の目的は、部材同
士の接合においてそれぞれの部材における熱処理による
非可逆の膨張率又は収縮率が異なってもこれを吸収する
ことができ、クラックが発生しない部材接合体が得られ
る接合材に用いられる電子材料用ポリサルファイド系硬
化性樹脂組成物、これを用いた電子用品及び電子材料用
ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法を提供
することにある。本発明の第9の目的は、線膨張率の異
なる複数の被接合体間の接合材や、線膨張率の異なる被
被覆体に被覆する被覆材として用いても、温度差のある
状況下での熱応力に耐えることができる電子材料用ポリ
サルファイド系硬化性樹脂組成物、これを用いた電子用
品及び電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物
の使用方法を提供することにある。本発明の第10の目
的は、建物の電磁遮蔽用のボード、パネル又はタイルの
隙間から電磁波が侵入又は漏洩しない電磁遮蔽壁に用い
られる充填材が得られる電子材料用ポリサルファイド系
硬化性樹脂組成物、これを用いた電子用品及び電子材料
用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法を提
供することにある。本発明の第11の目的は、硬化のた
めの加熱による適用対象物の損傷を防止できる電子材料
用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、これにより得
られる電子用品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、ポリサルファイドゴム骨格(−
S−S−)を高分子中に有するポリサルファイド系ポリ
マーを主成分として含有する電子材料用ポリサルファイ
ド系硬化性樹脂組成物を提供するものである。また、本
発明は、(2)、 ポリサルファイド系ポリマーがポリ
サルファイドポリマーである上記(1)の電子材料用ポ
リサルファイド系硬化性樹脂組成物、(3)、ポリサル
ファイド系ポリマーがポリサルファイドとエポキシ系化
合物との反応生成物であるポリサルファイド変性エポキ
シポリマーである上記(1)の電子材料用ポリサルファ
イド系硬化性樹脂組成物、(4)、上記(1)ないし
(3)のいずれかのポリマーの樹脂とエポキシ樹脂とを
混合して使用する電子材料用ポリサルファイド系硬化性
樹脂組成物、(5)、エポキシ系硬化剤を含有する上記
(3)又は(4)の電子材料用ポリサルファイド系硬化
性樹脂組成物、(6)、機能性フィラーを含有する上記
(1)ないし(5)のいずれかの電子材料用ポリサルフ
ァイド系硬化性樹脂組成物、(7)、電子材料用ポリサ
ルファイド系樹脂組成物を用いて得られる電子材料から
なる形成体が成形材からなる成形体、充填材からなる充
填体、被覆材からなる被覆体、電極材からなる電極、又
は接合材からなる接合体である上記(1)ないし(6)
のいずれかの電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂
組成物、(8)、上記(7)に記載の成形体、充填体、
被覆体、電極又は接合体を有する電子用品、(9)、成
形体が成形型による成形により得られる巻線型チップコ
イルの巻芯であり、該巻芯を有する巻線型チップコイル
である上記(8)の電子用品、(10)、被覆体が巻線
型チップコイルの巻線の上に被覆された外装体であり、
該外装体を有する巻線型チップコイルである上記(8)
の電子用品、(11)、被覆体がケーシングの電磁シー
ルド用被覆体であり、該電磁シールド用被覆体を有する
電子用品用ケーシングである上記(8)の電子用品、
(12)、被覆体がケーブルの輻射ノイズ防止用外皮体
であり、該輻射ノイズ防止用外皮体を有する輻射ノイズ
防止ケーブルである上記(8)の電子用品、(13)、
被覆体がプリント配線板上の実装部品を外装する外装体
であり、該外装体を有するプリント配線板である上記
(8)の電子用品、(14)、充填体が電磁遮蔽壁を形
成する複数の電磁遮蔽ボード、パネル又はタイル間の充
填材として電磁遮蔽コーキング材を用いて得られる充填
体であり、該充填体を有する電磁遮蔽壁である上記
(8)の電子用品、(15)、電極がチップ型電子部品
の外部電極であり、該電極を有するチップ型電子部品で
ある上記(8)の電子用品、(16)、接合体がチップ
部品の外部電極をプリント配線板のはんだ付けランドに
接合する導電性接合体であり、該導電性接合体を有する
プリント配線板である上記(8)の電子用品、(1
7)、接合体が熱処理による非可逆の膨張率又は収縮率
が互いに異なる部材同士の界面を接合する界面接合体で
あり、該界面接合体を介して該部材同士が接合され、熱
処理されて得られた複合電子部品である上記(8)の電
子用品、(18)、接合体が異なる線膨張率を有する複
数の被接合体間を接合する接合体であり、該接合体を介
して接合された被接合体を有する電子部品である上記
(8)の電子用品、(19)、上記(1)ないし(6)
のいずれかの電子材料組成物を半硬化状態にして用い、
該半硬化状態の成形体、充填体、被覆体、外部電極又は
接合体を有する電子用品を形成し、ついで完全に硬化さ
せて硬化状態の該成形体、該充填体、該被覆体、該外部
電極又は該接合体を有する電子用品を得る電子材料用ポ
リサルファイド系樹脂組成物の使用方法を提供するもの
である。
【0010】本発明において、電子材料用ポリサルファ
イド系硬化性樹脂組成物はポリサルファイド系ポリマー
を主成分として含有するが、ポリサルファイド系ポリマ
ーとは、ポリサルファイドゴム骨格(−S−S−)を高
分子中に有するポリマーであり、サルフアイド基を多数
有するポリサルファイドを主成分に有するポリマーであ
ってもよく、ポリサルファイドポリマーそのものでもよ
い。ポリサルファイドは、例えば一般式 HS−(・・
・−SS)n ・・・−SH(但し、「・・・」はサルフ
ァイド結合、炭素−炭素結合、エーテル結合等からなる
骨格を有する有機基であり、nは0を含む整数であ
る。)で表され、次のように酸素により脱水反応し、こ
れが例えば上記の各ポリサルファイド分子の末端で起こ
る。酸化剤の存在下では、常温硬化性を持たせることが
できる。 ・・・−SH + HS−・・・ + O →・・・−
SS−・・・ ポリサルファイドの分子としては、具体的には、次のも
のが挙げられる。HS−C2 4 OCH2 OC2 4
SS−C2 4 OCH2 OC2 4 −SHこのような具
体的化合物は、建築物用コーキング材の成分として使用
されているものもあり、公知であり、市販されているも
のもある。
【0011】ポリサルファイド系ポリマーは、ポリサル
ファイドとその他のポリマーや化合物の成分との反応物
でもよく、エポキシ基その他の反応性官能基を導入する
ことによって、その反応性官能基による硬化性を持たせ
たものでもよい。上記ポリサルファイドとエポキシ化合
物の反応生成物であるポリサルファイド変性エポキシポ
リマーからなるポリサルファイド変性エポキシ樹脂とし
ては、チオール基(−SH)とエポキシ基との反応によ
り得られるポリマーからなる樹脂が挙げられ、例えば下
記一般式〔化1〕に示す反応により得られる直鎖高分子
であって、その平均重量分子量が1000〜22000
のポリマーからなる樹脂が挙げられる。また、下記一般
式〔化1〕に示す反応により得られる反応生成物を基本
骨格としてその両端のエポキシ基にさらにポリサルファ
イドポリマーが重合し、その末端チオール基にさらにエ
ポキシポリマーが重合して得られる直鎖高分子であっ
て、その平均重量分子量が1000〜22000のポリ
マーからなる樹脂であり、繰り返しの重合で最後に得ら
れる末端基がエポキシ基となるように配合当量比を調整
した樹脂も挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】(但し、Rはポリサルファイドポリマーの
両末端を除く残基の-(C2H4-O-CH2-O-C2H4-S-S)n-C2H4-O
-CH2-O-C2H4-を表わし、R’は-C6H4-CH2-C6H4- (C6H4
はベンゼン環)を表わす。) 反応成分と生成物の鎖の伸び性を図1に模式図で示す
(一般式〔化1〕のR、R’も示されている。)。この
際の具体的なエポキシ化合物としては、ビスフェノール
型エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(以上、大日本イ
ンキ化学工業社製)、エポセット(BPA328)、エ
ポセット(BPF307)(以上、日本触媒社製)が挙
げられる。上記反応生成物のように両端にエポキシ基を
有するもののみならず、高分子末端の一方その他分子中
にエポキシ基を有するポリサルファイド変性エポキシポ
リマーからなる樹脂は、硬化剤と併用することにより硬
化させることもでき、潜在型硬化剤(常温では硬化剤と
しての機能を発揮し難いが加熱すると硬化剤としての機
能を発揮する硬化剤)を使用すれば、通常の塗料と同じ
作業性を維持しながら、硬化樹脂からなる成形物や塗布
膜を得ることができる。
【0014】ポリサルファイドポリマーのようなポリサ
ルファイド、エポキシ化合物、上記のポリサルファイド
変性エポキシポリマーその他のエポキシ化合物の代わり
に他の反応性化合物を用いたポリサルファイド変性硬化
性ポリマーは、その1種又は2種以上を混合して使用
し、必要に応じてその他の硬化性ポリマー、ゴムを含む
非硬化性ポリマーや、潜在型硬化剤等の硬化剤、その他
充填剤やカップリング剤等の添加剤の少なくとも1種と
ともに用いて電子材料用硬化性樹脂組成物とし、その硬
化物の成形物や塗布膜を得るようにしてもよい。この場
合にも、図1の模式図に示す伸びの小さい骨格に伸びの
大きい骨格を付加することができる。硬化剤としてはイ
ミダゾール型アミンアダクト、直鎖型ジカルボヒドラジ
ド等を挙げることができる。具体的にはPN−H、MY
−H(以上、味ノ素(株)製)が挙げられる。
【0015】上記ポリサルファイド系ポリマーを主成分
に有する硬化膜は、柔軟性があるとして知られているシ
リコーン系樹脂の硬化膜と比較すると、Tgは同等か低
く、上述した接合材、電極材等に用いられた場合には熱
応力に対する緩和性が同等か優れる。また、エポキシ樹
脂の硬化膜に比べても、耐溶剤性、耐薬品性、金属その
他に対する密着力の耐熱性は同等程度か優れ、例えば2
30℃より酸化がようやく始まる程度である。また、上
記ポリサルファイドを含有する樹脂材料組成物は、シリ
コーン系樹脂に比べて、供給する酸素の量を加減するこ
とにより硬化を制御し易く、また、エポキシ基を導入し
たポリサルファイド系ポリマーもその硬化度を制御し易
く、Bステージ、すなわち半硬化状態(硬化量が半分よ
り多い場合、少ない場合もその程度を問わず含む)で対
象物の具体的形状に即して被覆や充填等を行うことがで
き、その対象物が異形状部を有する場合であってもこれ
によく適合させ、その後に完全に硬化させることができ
る。このように、シリコーン系樹脂やエポキシ樹脂に優
るとも劣らない特徴を備え、その適用にも融通性があ
り、その使用方法において優れているといえるが、これ
ら樹脂と併用して、ポリサルファイドやその他のポリサ
ルファイド系ポリマーとこれらの樹脂のポリマーを反応
させてもよい。
【0016】上記ポリサルファイド系ポリマー又はこれ
とその他のポリマー成分は、上記のその他の成分ととも
にエポキシ基含有反応性希釈剤その他の非反応性溶剤を
含む溶剤とともに配合されてもよく、その樹脂材料組成
物そのものも電子材料組成物として用いられるが、フェ
ライト粉末等の磁性体材料、銀粉、銅粉等の金属粉やカ
ーボン粉末等の導電性粉末、充填剤等の機能性フィラー
等の電子材料粉末と混合して用いることにより、導電体
材料組成物、磁性体材料組成物等の電子材料組成物とし
ても用いられる。上記ポリサルファイド系ポリマー又は
これとその他のポリマー成分を磁性体材料粉末とともに
混合して用いる場合には、磁性体材料粉末0〜60vo
l%、上記ポリサルファイド系ポリマー又はこれとその
他のポリマー成分40〜100vol%を混合し、これ
らに対して、必要に応じて他の樹脂や溶剤その他の添加
剤を加えて磁性体材料組成物を得る。
【0017】また、上記ポリサルファイド系ポリマー又
はこれとその他のポリマーを導電体材料粉末とともに混
合して用いる場合には、導電体材料0〜60vol%、
上記ポリサルファイド系ポリマー又はこれとその他のポ
リマー40〜100vol%を混合し、これらに対し
て、必要に応じて他の樹脂や溶剤その他の添加剤を加え
て、導電体材料組成物を得る。導電体材料粉末として
は、銀、銅、アルミニウムその他の金属の粉末、カーボ
ンブラックが挙げられる。フラーレン(C60、C70
型カーボン)も使用できる。なお、上記の例えば「0〜
60vol%」は「60vol%以下」、「60vol
%より多くない」としてもよく、その他の「0〜」の場
合もこれに準ずる。
【0018】本発明における電子材料用ポリサルファイ
ド系硬化性樹脂組成物は、樹脂成分をフェライト粉末、
導電体粉末、その他の充填剤粉末等の機能性フィラーの
ような電子材料粉末とともに混合して用いる場合と、こ
れらの電子材料粉末を用いない場合がある。前者として
は、適宜電子材料粉末の種類を選択することにより、被
覆材、成形材、電極材料、接合材及び充填材として使用
する場合が挙げられるが、後者としても、これらの各材
料として使用できるものもあり、例えば巻線型チップコ
イルの外装材として使用する場合が挙げられる。いずれ
の場合も、以下の物性を有することができる。まず、電
子材料粉末を用いない樹脂材料組成物の場合には、その
硬化物は、少なくとも下記(a)、(b)の特性を有す
ることができる。 (a)温度に対する剛性率の変化においてガラス状態か
らゴム状態に移行する過程におけるガラス転移温度が−
50〜50℃である剛性率の温度特性 (b)該ゴム状態において105 Paないし107 Pa
未満の剛性率 ここで、温度に対する剛性率は、ガラス状態からゴム状
態に移行する過程においては、その変化率が大きく、そ
の変化率の大きいことにより、その変化率の小さいガラ
ス状態やゴム状態と区別することができるが、その変化
率の大きい範囲の変化曲線に対応する温度範囲にガラス
転移温度があり、Tgで表示する。動的粘弾性の観点か
らいえば、ポリマーの弾性要素の大きさを表す動的貯蔵
弾性率(G’)は、温度の上昇に伴い低下するが、熱可
塑性樹脂がゴム域でもG’が低下し続けるのに対し、架
橋型のポリマーはゴム域ではG’が低下し続けることは
なく、平坦又は上昇する。一方、ポリマーの粘性要素の
大きさを表す動的損失弾性率(G’’)と温度関係は、
極大点をもつ曲線で示され、また、力学的損失(損失正
接)tanδ(δは位相角(応力と歪みベクトルの位相
差))は、応力とひずみの単振動の位相差から測定で
き、系に与えられた力学的エネルギーが発熱のために失
われる程度を示すスケールとなるが、曲線G’’、ta
nδのピーク値を示す温度が動的測定のTg(ガラス転
移温度)となり、これを上記のガラス転移温度Tgとし
てもよい。このTgを高めるには架橋密度の増大をはか
ったり、フェニル核等の核構造濃度の高いポリマーを設
計し、Tgを低くするには架橋密度をルーズにしたり、
例えば脂肪酸のアルキル鎖のポリマーへの導入や可塑剤
を混合すればよい。なお、詳細は「最新 顔料分散技
術」(1993年、技術情報協会発行、第53〜54
頁、2.1項)を参照するこができる。上記(a)、
(b)の特性の点からは、従来の電子材料分野に使用さ
れるエポキシ樹脂の硬化物は、Tgは50℃より大き
く、ゴム状態における剛性率は10 8 Pa以上であるこ
とが一般的であり、一方、通常の弾性の大きい架橋した
ゴムは、Tgは−50℃よりは倍以上も低いのが一般的
である。本発明は、上記(a)、(b)の両方の特性を
有するものを電子材料として使用する点に従来にない特
徴があり、柔軟性、靱性、熱応力に対する耐性等を備え
ることができる。なお、本発明で使用する樹脂成分は、
硬化性であることにより、熱可塑性のものとは区別され
ている。Tgが大き過ぎると、上記したリフローはんだ
付け試験等において温度差のある状況下に置かれた場合
の耐性がよくなく、これが小さ過ぎると、架橋密度が低
く、耐熱性が低くなる。また、剛性率が大きすぎると、
熱応力や機械的応力の緩和性が低下し、剛性率が小さ過
ぎると保形性が低下する。
【0019】このように、本発明において使用する電子
材料用硬化性樹脂組成物は、上記(a)、(b)の特性
を有することにより他の樹脂成分と差別化することがで
きるが、これらの特性にさらに下記(c)の特性を加え
ることにより、さらに一層よく差別化することができ
る。 (c)−50℃において5%の剪断歪によっても破壊し
ない伸長性 この(c)の特性は、破壊を起こすことなく外力を吸収
できる外力の吸収性を示すもので、従来の電子材料分野
に使用されるエポキシ樹脂の硬化物は、−50℃におけ
る5%の剪断歪によっては破壊を起こし、本発明に用い
る樹脂材料組成物と対比すると、この(c)の特性の点
では、上記(b)の特性の場合よりもその差は大きいと
いうことができる。
【0020】磁性体材料組成物、導電体材料組成物その
他のこれらに準じて得られる材料組成物を含む電子材料
用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物の硬化物の物性
値は次のようにすることができる。 (d)温度に対する剛性率の変化においてガラス状態か
らゴム状態に移行する過程におけるガラス転移温度が−
50〜50℃である剛性率の温度特性 (e)該ゴム状態において106 Paないし108 Pa
未満の剛性率 このように、本発明において使用する樹脂成分は、上記
(d)、(e)の特性を有することにより他の樹脂成分
を用いた同様の組成物と差別化することができるが、こ
れらの特性にさらに下記(f)の特性を加えることによ
り、さらに一層よく差別化することができる。 (f)−50℃において2%の剪断歪によっても破壊し
ない伸長性 なお、これらの(d)〜(f)の特性において、用語の
意味や、それぞれの特性の機能は上記(a)〜(c)の
特性について述べた場合に準ずる。このような電子材料
用の硬化性樹脂組成物を用いると、電子部品その他の電
子用品用の材料として従来にない優れた効果を発揮する
ことができる。例えば硬化剤の使用量の調整による硬化
物物性として架橋点間密度の減少や、ポリサルファイド
ゴム骨格の高分子骨格に占める割合を多くすることによ
りゴム分子鎖の絡み合いにより、ガラス転移温度を低下
させることができるとともに、低剛性率でありながら破
断伸びに優れた特性を発揮させることができる。その結
果として、樹脂硬化時の残留応力の低減化や、熱負荷に
より発生した応力の緩和を同時に実現できる。
【0021】具体的には、まず、上記磁性体材料組成物
を巻線型チップコイルの巻線の上に外装材として用いる
場合には、樹脂の硬化条件として、溶剤揮発量を低減化
又は無溶剤化して乾燥工程を見直すとともに、硬化樹脂
の物性としてガラス転移温度を低下させて、ガラス転移
温度以下で大きく発生する残留応力を低減させ、これら
により初期硬化、冷却時の残留応力を低下させることが
できる。また、ガラス転移温度の低下、ガラス状態での
剛性率低減(発生応力低減)、弾性内(限界)伸び率の
向上(ガラス転移温度以下における発生応力吸収)によ
り繰り返し熱負荷時の発生応力を低減又は吸収を行うこ
とができ、外装材のコアからの剥離やクラックの発生を
抑制することができる。上記の無溶剤化を行うには、例
えばエポキシ含有溶剤等の反応性希釈剤を使用すること
により実現でき、ガラス転移温度の低減は架橋密度を低
減させ、長分子鎖による絡み合い分子の増加により実現
でき、ガラス状態の剛性率の低下は可撓性付与剤として
例えば変性型シリコーンオイルを併用してもよい。これ
らにより、ガラス転移温度を常温(25℃)以下、破断
伸び率を5%以上(但し例えばフェライト粉末等の電子
材料粉末を50vol%添加した場合でも)、無溶剤
化、ガラス状態でのヤング率を現状量産品の半分程度に
することができる。ガラス状態での伸び率を向上する方
法としては、主剤による硬化物性改良を行なってもよ
い。このためには、上述したエポキシ樹脂とポリサルフ
ァイドポリマーを事前に反応させたポリサルファイド変
性エポキシポリマーを用いることが好ましい。また、巻
線型チップコイルのコアに巻線をし、その上に設ける外
装材として上記磁性体材料組成物あるいは上記樹脂材料
組成物を用いると、マウンターの吸着ノズルが吸着する
被吸着体の部位である、巻線型チップコイルの外装材部
分は低弾性率の柔軟なポリマー成分を用いることで、吸
着ノズルの接触面の形状に沿った形に外装材が変形し、
両者の間に隙間が生ぜず、その結果滑りがなくなり、マ
ウントミスを低減することができる。マウント後は元の
形状に復元し、部品の外形上不利になることはない。
【0022】上記磁性体材料組成物を成形材に用いて、
巻線型チップコイルのコアについて射出成形等による成
形体を得ると、主に低弾性率で柔軟性のあるポリマー成
分等を使用したことにより、リフローはんだ付け性、衝
撃に対する靱性を向上し、しかも電気特性を左右するフ
ェライトの充填量をポリマーの柔軟性に見合って増加さ
せることができる。これにより、切削加工の必要のな
い、いわゆる加工レスで、形状の自由度が大きく、小型
化が可能であり、高い精度を必要とすることなく、歩留
まりがよいとともに、高機能化を実現することができる
コアを得ることができる。そして従来にない低コスト、
高機能の巻線型チップコイルを得ることができる。ま
た、外装体の樹脂等の異なる熱膨張係数等にともなう応
力の吸収、チップの微細化に伴う耐衝撃性の向上を上述
したように樹脂の低弾性率化、ガラス転移温度の低水準
化、高伸び率により、低残留応力化を図り、発生応力を
緩和することにより実現できる。
【0023】また、上記磁性体材料組成物を使用してケ
ーシングの壁面に被覆すると、ケーシングに内装した電
子部品に影響を及ぼす外部からの電磁波を遮蔽し、ノイ
ズを除去することができる電磁シールド層を形成するこ
とができる。この場合、ポリマー成分を半硬化状態にし
て用いることによりゲル状にし、パテ状にした磁性体材
料組成物を被着体にコートし、加熱すると、全く未硬化
のポリマーを用いた場合より、作業性が著しく向上す
る。ポリマーを半硬化状態あるいは全く未硬化状態で用
いるいずれの場合も、磁性材料組成物を離型性を付与し
たフィルム上にキャステングするか、あるいは押し出し
成形等によりシート状にし、このシートを被着体に加熱
しながら密着させてもよい。このようにして用いるいず
れの場合も、従来のように電磁遮蔽シートを射出成形で
製造する面倒がないだけではなく、使用するポリマーは
低弾性率で柔軟性を有するので、異形状表面にも適合す
るとともに被着体によく密着し、繰り返しの寒暖の温度
差にも耐える、ケーシング用の電磁遮蔽シート層を形成
することができる。上記の外装材、被覆材として使用す
るいずれの場合も、温度差のある状況下に置かれた場合
の熱応力に対して優れたその応力緩和性を示すことがで
きる。また、ケーブルの導線の被覆材としては、上記磁
性材料組成物を導線とともに押し出し成形するか、ある
いは従来のケーブルの被覆材の上に塗布又は押し出し成
形することにより用いることができるが、この場合も、
ポリマー成分は常温で低弾性率で柔軟性があり、輻射ノ
イズを防止することができるケーブルを提供することが
できる。
【0024】また、電子部品の外部電極材としては、上
記導電体材料組成物からなる導電材料ペーストを用いて
電子部品に塗布し、その塗膜を焼き付けて用いる。得ら
れた外部電極は表面に銅メッキ、ニッケルメッキ等を施
してからプリント配線板にはんだ付けにより取付けても
よい。この場合も、ポリマー成分は柔軟性があり、骨格
がゴム弾性を有するので、応力緩和性があり、リフロー
はんだ付け性に優れ、プリント配線板に取り付けた電子
部品の耐久性を向上することができる。この外部電極材
には上記の巻線コイルの外装材と同様の特性を持たせる
ことも好ましい。この際、外部電極をはんだ付けする代
わりに、上記導電材料ペーストを上記外部電極あるいは
従来の材料からなる外部電極と、プリント配線板のはん
だ付けランドのいずれかに塗布し、加熱することによ
り、電子部品の接合材とすることかできる。この際、加
熱条件は、リフロー加熱炉を用いて、例えば常温〜16
0℃、数分〜20分加熱すればよく、従来のロジン系物
質を用いたはんだペーストの場合には、260℃、5〜
10分加熱したことに比べれば、低い温度で硬化が可能
であり、プリント配線板の搭載部品への温度による損傷
を小さくすることができる。また、例えばLC積層複合
電子部品のインダクタ部とコンデンサ部に対応するそれ
ぞれのグリーンシート積層体の間に、上記(a)〜
(b)又は(a)〜(c)の特性を有する樹脂材料組成
物、また、上記(d)〜(e)又は(d)〜(f)の特
性を有する適宜充填材粉末を含有させた電子材料組成物
を用いて得られる接合材を介在させると、主としてポリ
マー成分の低弾性率で柔軟性等により、焼成時にそれぞ
れのグリーンシート積層体が収縮率の相違により応力を
発生してもこれを緩和し、焼成体にクラックが入るのを
防止することができる。また、上記インダクタ部とコン
デンサ部に対応するそれぞれのグリーンシート積層体の
焼成体を形成し、その間に上記(d)〜(e)又は
(d)〜(f)の特性を有することができる電子材料組
成物を用いて接合したLC素体のように、線膨張率の異
なる被接合体をこの電子材料組成物を用いて接合する
と、温度差のある状況下に置かれた場合の熱応力に対し
て緩和性をよく発揮できる電子部品等を得ることができ
る。また、建物の外壁の電磁遮蔽ボードやタイルの継ぎ
目に充填するコーキング材として、上記磁性体材料組成
物を用いると、繰り返しの寒暖の温度差にさらされて
も、主としてポリマー成分の低弾性率で柔軟性等によ
り、クラックが入ることがなく、耐熱性、耐候性に優れ
るとともに、電磁遮蔽効果を向上することができる。こ
の際、コーキング材は常温硬化させることもできるの
で、この点でも便利である。
【0025】このように、本発明の電子材料用硬化性樹
脂組成物は、各種用途に使用できるが、その用い方とし
て、上述したように、例えばケーシングの電磁シールド
層や、ケーブルの被覆材や外皮材を押し出し成形する場
合のように、ポリマー成分を半硬化状態にして用いるこ
とができるが、これらの用途に限らず、上記のその他の
用途においても、同様にポリマー成分を半硬化状態にし
た組成物を用いることができ、これにより、加熱温度、
加熱時間を制御することができ、例えば適用する電子部
品や電子用品の熱による損傷を無くしたり、少なくする
ことができるとともに、その他の利点を有することがで
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の電子材料用ポリサルファ
イド系硬化性樹脂組成物は、電子部品等の電子用品に適
用され、本発明はその電子用品も含み、この電子材料組
成物の使用方法も提供するものであり、詳細は後述の実
施例で述べる。ポリサルファイド系ポリマー又はこれと
その他のポリマー成分を電子材料粉末やその他の成分と
ともに併用しあるいは併用しないで混合して用いる場合
には、以下の配合を例示することができる。 (a) エポキシ樹脂とポリサルファイド樹脂を混合して使用する場合 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100重量部 ポリサルファイド樹脂 10〜240重量部 硬化剤 2〜50重量部 機能性フィラー 0〜2300重量部 シリカ(充填剤) 0〜130重量部 シランカップリング剤 0〜120重量部 溶剤 0〜540重量部 (b) ポリサルファイド変性エポキシ樹脂とポリサルファイド樹脂を混合して使 用する場合 ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 100重量部 ポリサルファイド樹脂 0〜200重量部 硬化剤 2〜50重量部 機能性フィラー 0〜2300重量部 シリカ(充填剤) 0〜130重量部 シランカップリング剤 0〜120重量部 溶剤 0〜540重量部 (c) エポキシ樹脂( ゴムフィラー分散系樹脂) とポリサルファイド樹脂を混合し て使用する場合 エポキシ樹脂( ゴムフィラー分散系樹脂) 100重量部 ポリサルファイド樹脂 10〜200重量部 硬化剤 2〜50重量部 機能性フィラー 0〜2300重量部 シリカ(充填剤) 0〜130重量部 シランカップリング剤 0〜120重量部 溶剤 0〜540重量部 上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(重量平均分子量
380でエポキシ当量190)は大日本インキ化学工業
社製、ポリサルファイド樹脂はポリサルファイドポリマ
ーの樹脂で東レ社製のチオコールLP3(上記一般式
〔化1〕で表される重量平均分子量1000のポリマー
の樹脂)、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂は東レ社
製のチオコールFLEP60(重量平均分子量560で
エポキシ当量280のエポキシ樹脂と上記一般式〔化
1〕で表される重量平均分子量1000のポリマーの反
応生成物からなる樹脂)、エポキシ樹脂はビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂(重量平均分子量420でエポキシ
当量210)は日本触媒化学社製エポセット(BPF3
07)、ゴムフィラーは日本合成ゴム社製の架橋NBR
エラストマー、硬化剤は味ノ素社製のPN−H、機能性
フィラーはフエライトパウダー(Ni−Znフェライト
(太陽誘電社製)等)、銀粉等の金属粉末、シリカは日
本シリカ社製SS50、シランカップリング剤は日本ユ
ニカ社製のγアミノプロピルエトキシシラン、溶剤は酢
酸2−エトキシエチルを挙げることができるがこれらに
限らない。これらは上記樹脂成分に機能性フィラーを混
練し、硬化剤(潜在型硬化剤)を添加した高信頼型一液
加熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
【0027】上記の電子材料用硬化性樹脂組成物その他
の電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物が適
用される電子部品等の電子用品の一例は図2〜6に示さ
れる。図2に示すように、1は両端に鍔部を有するコア
2の中央凹部に巻線3、コア2の両端鍔部に外部端子電
極4、4を有し、さらにその巻線3の上に被覆材による
外装体5を有する巻線型チップコイルである。この巻線
型チップコイルは、プリント配線板6の回路パターンの
はんだ付けランド6a、6aに上記電極4、4が接合材
による接合体7、7により接合されている。図示省略し
たが他のチップ部品も同様にして所定のはんだ付けラン
ドに取り付けられ、これら部品を含むプリント配線板6
の全面には被覆体8が設けられている。また、図3に示
すように、9は電磁遮蔽ケーシングであり、ディスプレ
ー部10とその他の電子部品が内装される本体11とか
らなり、両者の間に段部12が設けられ、このケーシン
グ外壁の全面に電磁シールド層13の被覆体が設けられ
ている。また、図4に示すように、14はLC積層複合
電子部品であり、コンデンサ部15とインダクタ部16
の間に接合体17が介装され、その両端には外部端子電
極18、18、その中央にコンデンサの接地側外部端子
電極19が形成されている。また、図5に示すように、
20は輻射ノイズ防止用ケーブルであり、被覆電線21
であるケーブルの外周に外皮体22を有する。また、図
6に示すように、23は建物の外壁であり、電磁遮蔽ボ
ード、パネル又はタイル24、24・・の継ぎ目に電磁
遮蔽コーキング材が充填され、充填体25、25・・が
形成されている。
【0028】このような電子用品において、上記コア2
の成形材、電磁遮蔽ケーシング9の電磁シールド層13
の被覆体の被覆材としては、ポリサルファイド系ポリマ
ー又はこれとエポキシ樹脂を併用したポリマー成分、フ
ェライト等の磁性体材料粉末、その他の成分として各種
添加剤を添加してもよい磁性体材料組成物を用い、コア
2については射出成形により成形し、電磁シールド層1
3についてはさらに溶剤を加えた流動性のある磁性体材
料組成物そのものを適用してもよいが、そのポリマー成
分を例えば空気中で加熱することにより半硬化状態と
し、ゲル状としたパテ状のものを生成し、これをケーシ
ング外壁の全面に加熱しながら供給する。また、上記巻
線型チップコイルの巻線3上の外装体5の被覆材、上記
LC積層複合電子部品14の接合体17の接合材として
は、ポリサルファイド系ポリマー又はこれとエポキシ樹
脂を併用したポリマー成分、その他の成分として溶剤を
含有した流動性のある樹脂材料組成物を用い、前者につ
いては例えば管状体による注入により、後者については
グリーンシートを作成してこれをコンデンサ部15、イ
ンダクタ部16のそれぞれのグリーンシート積層体の間
に挟持し、圧着して焼成する。これらの場合に、上記磁
性体材料組成物を用いてもよい。この場合、各グリーン
シート積層体を別々に焼成し、そのそれぞれの焼成体を
上記接合材の樹脂材料組成物により接合し、硬化させ、
これをLC素体とし、これ以降は図4の場合と同様にし
てLC積層複合電子部品を得るようにしてもよい。ま
た、上記巻線型チップコイルの外部端子電極4、4、上
記LC積層複合電子部品14の外部端子電極18、18
及び19の電極材としては、ポリサルファイド系ポリマ
ー又はこれとエポキシ樹脂を併用したポリマー成分、金
属粉末等の導電体材料粉末、その他の成分として溶剤を
含有した流動性のある導電体材料組成物を用い、これを
各チップの所定の外面に塗布して焼き付ける。また、上
記巻線型チップコイルの電極4、4とはんだ付けランド
6a、6aとの接合体の接合材としては、上記電極材と
同様の材料をリフローはんだ付けに準じて、はんだ付け
ランド6a、6aにその材料を塗布し、その上に上記巻
線型チップコイル1を載置し、加熱硬化させる。また、
上記建物の外壁用のコーキング材については、上記磁性
体材料組成物を用いて例えば充填器により充填し、常温
硬化させる。なお、硬化は架橋を含むものである。
【0029】このようにすると、ポリサルファイド系ポ
リマー又はこれとエポキシ樹脂を併用したポリマー成分
を用いた電子材料組成物は、その硬化物が上記(a)〜
(b)又は(a)〜(c)の物性値を有し、いわゆる低
弾性率で柔軟性があるので、この電子材料組成物を用い
て得られた外装体等の被覆体、電極、接合体は熱負荷時
の発生応力に対しても剥離し難く、クラックが入り難
く、リフローはんだ付け性がよいとともに、応力緩和性
を有することができ、上述した特性を示すことができ
る。また、ポリサルファイド系ポリマー又はこれとエポ
キシ樹脂を併用したポリマー成分と電子材料粉末を用い
た電子材料組成物は、その硬化物が上記(d)〜(e)
又は(d)〜(f)の物性値を有し、この組成物を用い
て得られた成形体、被覆体、接合体、充填体も、熱負荷
時の発生応力に対しても剥離し難く、クラックが入り難
く、リフローはんだ付け性がよいとともに、応力緩和性
を有することができ、上述した特性を示すことができ
る。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例1(巻線型チップコイルのコアの成形) 以下の配合物をロールミル又は攪拌分散機により混合
し、磁性体材料組成物を製造する。 (配合物) エポキシ樹脂(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100重量部 ポリサルファイド樹脂(チオコールLP3) 210重量部 硬化剤(MY−H) 20重量部 フィラー(Ni−Znフェライト) 2000重量部 シリカ(SS−50) 23重量部 カップリング剤(γ−アミノプロピルエトキシシラン) 20重量部 離型剤(カルナバワックス) 10重量部 得られた磁性体材料組成物(磁性体材料粉末55体積
%)を射出成形により、成形し、空気中、150℃、3
0分加熱して硬化させ、図1に示すコア(巻芯)を得
る。得られたコアについて、上記(d)〜(f)の物性
値を、(d)、(e)については、動的粘弾性法による
剛性率の温度分散挙動の測定によりグラフ(G’、
G’’の温度(℃)依存性)で求めた。また、(f)に
ついては、動的粘弾性法による剛性率の時間分散挙動の
測定により求めたところ、そのグラフ(G’、G’’の
時間(秒)依存性)では破断を示す非直線性は確認され
なかった。グラフは、G’〔Pa〕は動的貯蔵弾性率、
G’’〔Pa〕は動的損失弾性率、tanδ(δは位相
角(応力と歪みベクトルの位相差))は力学的損失(損
失正接)である(以下、同様)。なお、具体的測定は、
「ARES機器操作ガイド(レオメトリック・サイエン
ティフィック・エフ・イー(株)」に準じて行った(以
下、同様)。以上の結果、G’’、tanδによるガラ
ス転移温度は−20〜−10℃、ゴム状態の動的貯蔵弾
性率(剛性率)(G’)は5×107 Paであった。ま
た、図2に示すように得られたコアに巻線を施した巻線
型チップコイル100個について、リフローはんだ付け
工程で電子部品が加熱される最高温度に近い250℃に
加熱してから常温に冷やす操作を1サイクルとして、5
00サイクル後にコアにおけるクラックや破損の有無を
調べるヒートサイクル試験を行なったところ、クラック
や破損の見られたものはなかった。
【0031】上記実施例1の配合物の代わりに以下の配
合物を用いた以外は同様のことを行ってもほぼ同様の結
果が得られた。 (配合物) ポリサルファイド変製エポキシ樹脂(FREP60) 100重量部 ポリサルファイド樹脂(チオコールLP3) 149重量部 硬化剤(PN−H) 10重量部 フィラー(Ni−Znフェライト) 1245重量部 シリカ(SS−50) 7重量部 カップリング剤(γ−アミノプロピルエトキシシラン) 12重量部 溶剤(酢酸2エトキシエチル) 194重量部
【0032】実施例2(巻線型チップコイルの巻線の外
装) 以下の配合物をボールミル、ロールミル又は攪拌分散機
散により混合し、粘度2〜6Pa・s(ブルックフィー
ルドB型粘度計で4号ローターを使用した50rpm
(毎分50回)における値、以下同様)の磁性体材料組
成物を製造する。 (配合物) アクリルゴム含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂 100重量部 (エポセットBPF307) ポリサルファイド樹脂(チオコールLP3) 200重量部 硬化剤(PN−H) 10重量部 フィラー(Ni−Znフェライト) 1500重量部 シリカ(SS−50) 18重量部 カップリング剤(γ−アミノプロピルエトキシシラン) 20重量部 溶剤(酢酸エトキシエチル) 180重量部 この磁性体材料組成物を図2の巻線3の上にノズルによ
り注入し、乾燥させた後、空気中、150℃、20分加
熱して硬化させた。硬化した外装体(フィラー合計50
vol%)について、実施例1と同様に、上記(d)、
(e)を測定し、グラフを得た。また、上記(f)の試
験を行ったところ、その特性を満たすものであった。グ
ラフから、G’’、tanδによるガラス転移温度は−
20℃〜20℃、ゴム状態の動的貯蔵弾性率(剛性率)
(G’)は約8×106 Paであった。得られた巻線型
チップコイル100個について、リフローはんだ付け工
程で電子部品が加熱される最高温度に近い250℃に加
熱してから常温に冷やす操作を1サイクルとして、50
0サイクル後にコアにおけるクラックや破損の有無を調
べるヒートサイクル試験を行なったところ、外装体につ
いてクラックや剥離の見られたものはなかった。なお、
磁性体材料粉末としてNi−Zn系フェライトパウダー
を使用したが、これを使用しない以外は上記と同様の電
子材料組成物を用いて上記と同様にして被覆し、外装し
てもよく、また、フィラーを使用しない以外上記と同様
の樹脂材料組成物を用いて上記と同様にして被覆し、外
装してもよく、この場合には、その硬化した外装体は、
上記(a)、(b)を上記(d)、(e)と同様に測定
してグラフを得た。上記(c)を上記(f)と同様に測
定したところ、その特性を満たすものであった。グラフ
から、G’’、tanδによるガラス転移温度は−30
〜−10℃、ゴム状態の動的貯蔵弾性率(剛性率)
(G’)は5×106 Paであった。得られた巻線型チ
ップコイル10000個についてその巻線の外装体をマ
ウンターの吸着ノズルにより吸着し、プリント配線板の
所定の位置にマウントしたところ、マウントミスは1個
もなかった。なお、巻線型チップコイル全体を上記磁性
体材料組成物、樹脂材料組成物により被覆し、上記と同
様に硬化させ、巻線型チップコイルを外装してもよい。
【0033】実施例3(ケーシングの電磁シールド層の
形成) 実施例2で用いた磁性材料組成物を空気中、150℃、
10分加熱して樹脂成分を半硬化状態にしてゲル状と
し、このようにして得られたパテ状のものを図3のディ
スプレー11及び本体12のケーシングの外壁にホット
メルト塗装法により塗布し、さらに型押しによる成形を
行ない、乾燥させた後、150℃、60分加熱して硬化
させ、電磁シールド層13を形成する。この電子シール
ド層については、上記磁性体材料粗製物の硬化物の物性
値とほぼ同様の物性値を示す。電磁シールド層13は段
部12の角隅部にも密着して形成されており、−50℃
〜+80℃の寒暖の繰り返し500回のヒートサイクル
試験においても、電磁シールド層13の損傷やケーシン
グからの剥離は見られなかった。なお、上記磁性材料組
成物を図4に示す外皮体22の外皮材や、被覆電線21
に被覆する被覆材として上記に準じて使用してもよく、
このような処置を施されたケーブルは複雑な屈曲にも耐
えることができ、上記のヒートサイクル試験にも耐える
ことができる。
【0034】実施例4(電極の形成) 以下の配合物をボールミル、ロールミル又は攪拌分散機
により混合し、粘度2〜6Pa・sの導電体材料組成物
を製造する。 (配合物) アクリルゴム含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂 100重量部 (エポセットBPF307) ポリサルファイド樹脂(チオコールLP3) 188重量部 硬化剤(PN−H) 10重量部 フィラー(Ag粉末) 2600重量部 溶剤(酢酸エトキシエチル) 280重量部 得られた導電体材料組成物をディッピング法により図2
の巻線型チップコイルの両端面にディップし、加熱条件
150℃、60分で硬化させ、図2に示す外部電極4、
4を形成する。硬化膜(フィラー合計55体積%)の厚
さは50μmであった。得られた外部電極の物性を調べ
るために、離型性のあるフィルムにスクリーン印刷によ
り厚さを0.2mmとしたこと以外は同様に試験片を作
成し、これについて、上記(d)〜(f)の物性値を、
実施例1のコアの場合と同様に測定したところ、
(d)、(e)については実施例1に示す場合とほぼ同
様であり、(f)についてはその特性を満たすものであ
った。また、その試験片100個について実施例1と同
様のヒートサイクル試験を行ったところ、損傷の見られ
るものはなかった。なお、図4に示すLC積層複合電子
部品の外部端子電極18、18及び19についても同様
にして形成できる。
【0035】実施例5(チップ部品の電極とプリント配
線板のはんだ付けランドとの接合) 実施例4で用いた導電体材料組成物をスクリーン印刷に
より、図2に示すプリント配線板6のはんだ付けランド
6a、6aに塗布し、巻線型チップコイル1の電極4、
4(実施例4による電極)をその未乾燥塗布膜の上に載
置し、それから150℃、60分加熱して硬化させ、図
2の接合体7、7とする。この接合体は実施例4の試験
片とほぼ同様の性能を示す。
【0036】実施例6(LC積層複合電子部品の製造時
のグリーンシート積層体の接合) 図7に示すように、フェライトグリーンシート31、3
1・・・には、図8に示すように、各フェライトグリー
ンシート毎にコイルパターン31a、31b、31c、
31dを形成し、それぞれコイルパターン31a、31
b、31dを各別に形成した3枚のインダクタ用フェラ
イトグリーンシートを順次重ね、その下にさらにコイル
パターン31b、31cを各別に形成した2枚のインダ
クタ用フェライトグリーンシートを重ね、さらにその下
にコイルパターン31dを形成したインダクタ用フェラ
イトグリーンシートを重ね、インダクタ用フェライトグ
リーンシート積層体を形成する。その際、図8に示すよ
うに、各パターンに形成したビアホール31a−1、3
1b−1、31c−1に塗布され充填された導体ペース
トにより各コイルパターンは接続されるようにする。そ
してフェライトグリーンシート31、31・・そのもの
を上に3枚、下に3枚重ねる。また、誘電体セラミック
グリーンシート32、32・・・には、図8に示すよう
に、各誘電体セラミックグリーンシート毎に内部電極パ
ターン32a、32bを形成し、図7に示すように、そ
れぞれ内部電極パターン32a、32bを各別に形成し
た2枚のコンデンサ用セラミックグリーンシートを順次
重ね、その下にさらにこの積層体と同じように形成した
積層体を重ね、コンデンサ用セラミックグリーンシート
積層体を形成する。そして誘電体セラミックグリーンシ
ート32、32・・そのものを上に3枚、下に2枚重ね
る。図7に示すように、このようにして得られたそれぞ
れのグリーンシート積層体を、実施例2で用いた磁性体
材料組成物においてNi−Zn系フェライトバウダーを
除いたこと以外は同様の樹脂材料組成物を使用すること
以外上記各グリーンシートと同様にして形成された接合
用グリーンシートを介在させて積層し、LCグリーンシ
ート積層体が得られる。このようにして得られたLCグ
リーンシート積層体は圧着され、この圧着積層体からな
る未焼成部品素体は、容器に適宜並べられて炉に入れら
れ、200℃、1時間加熱した。このようにして、図4
に示すコンデンサ部15とインダクタ部16の間に接合
体17が介装されたLC素体が得られ、その両端にはコ
イル、コンデンサの引出部に接続する導体膜を、Agを
主とする金属材料と樹脂成分からなる導体ペーストの塗
布により形成し、ついでこれを150℃、30分間加熱
して焼付け、さらにこの導体膜にNiメッキ、続いては
んだメッキを施して、両端に外部端子電極18、18、
その中央にコンデンサの接地側外部端子電極19が形成
される。なお、接合体17はフェライトグリーンシート
と誘電体セラミックグリーンシートの熱履歴に伴う収縮
応力を緩和することができる。また、上記コンデンサ部
15とインダクタ部16を別々に形成した後、両者を上
記樹脂材料組成物や、充填剤を混合した電子材料組成物
により接合し、硬化させてもよい。このように接合材と
して上記の樹脂材料組成物を使用する場合、これに充填
剤あるいは両方を混合使用するいずれの場合も、主に樹
脂が低弾性率で柔軟性がある等のことにより、焼成時の
各グリーンシート積層体の収縮率の相違による応力を緩
和し、その焼成品にクラックが入らないようにできる。
上記コンデンサ部15とインダクタ部16を別々に形成
した後、両者を電子材料粉末を混合しない上記電子材料
組成物により接合し、硬化させたLC積層複合電子部品
100個について、実施例1と同様のヒートサイクル試
験を行ったところ、損傷の見られたものはなかった。
【0037】実施例7(建物の外壁のコーキング材の充
填) 実施例1で用いた磁性体材料組成物を図6の電磁遮蔽ボ
ード又はタイルの継ぎ目に充填し、自然乾燥する。得ら
れる充填体は実施例1のコアに準じた性能が得られる。
【0038】比較例1 実施例1において、ポリサルファイド系ポリマーを使用
せず、その分エポキシ樹脂で置き換えた磁性体材料組成
物を使用したこと以外は同様にしてコアを作製し、この
コアについて、実施例1と同様に上記(d)、(e)の
特性をグラフで求めた。上記(f)の特性を満たすこと
ができなかった。グラフから、G’’、tanδによる
ガラス転移温度は80℃〜120℃、ゴム状態の動的貯
蔵弾性率(剛性率)(G’)は6×108 Paであっ
た。また、得られたコアに図2に示すように巻線を施し
た巻線型チップコイル100個について、実施例1と同
様にヒートサイクル試験を行ったところ、20個にクラ
ックが見られた。
【0039】比較例2 実施例2において、ポリサルファイド系ポリマーを使用
せず、その分エポキシ樹脂で置き換えた磁性体材料組成
物を使用したこと以外は同様にして外装体を形成し、硬
化した外装体について、実施例2と同様に、上記
(d)、(e)を測定してグラフを得た。また、上記
(f)の試験を行ったところ、その特性を満たすことが
できなかった。グラフから、G’’、tanδによるガ
ラス転移温度は100℃〜120℃、ゴム状態の動的貯
蔵弾性率(剛性率)(G’)は約8×10 8 Paであっ
た。得られた巻線型チップコイル100個について、リ
フローはんだ付け工程で電子部品が加熱される最高温度
に近い250℃に加熱してから常温に冷やす操作を1サ
イクルとして、500サイクル後にコアにおけるクラッ
クや破損の有無を調べるヒートサイクル試験を行なった
ところ、外装体についてクラックや剥離が65個見られ
た。得られた巻線型チップコイル10000個について
その巻線の外装体をマウンターの吸着ノズルにより吸着
し、プリント配線板の所定の位置にマウントしたとこ
ろ、マウントミスは7個あった。
【0040】比較例3 実施例3において、磁性体材料組成物として、比較例2
で使用した磁性体材料組成物を使用したこと以外は同様
にして電磁シールド層を形成したが、図2の段部12の
角隅には電磁シールド層が密着しておらず、、実施例3
と同様のヒートサイクル試験を行ったところ、電磁シー
ルド層にクラックが見られた。
【0041】比較例4 実施例4において、ポリサルファイド系ポリマーを使用
せず、その分エポキシ樹脂で置き換えた導電体材料組成
物を使用したこと以外は同様にして電極及び試験片を作
製した。その試験片100個について実施例4と同様に
ヒートサイクル試験を行ったところ、15個にクラック
が見られた。なお、上記(d)、(e)の特性は、比較
例2の場合と同様であり、上記(f)の特性を満たすこ
とができなかった。
【0042】比較例5 実施例5において、導電体材料組成物として比較例4で
用いた導電体材料組成物を使用したこと以外は同様にし
て接合体を形成した。この接合体についても比較例4と
同様の結果が得られる。
【0043】比較例6 実施例6において、上記コンデンサ部15とインダクタ
部16を別々に形成した後、両者を電子材料粉末を混合
しない上記電子材料組成物により接合し、硬化させる
際、この電子材料組成物の代わりに比較例2で用いた電
子材料組成物を用いたこと以外は同様にしてLC積層複
合電子部品を作製した。そのLC積層複合電子部品10
0個について実施例6と同様に試験したところ、10個
に接合部での剥離が見られた。
【0044】上記結果から、電子材料粉末を含有する電
子材料組成物を用いた硬化物のガラス転移温度は−50
℃〜0℃、好ましくは−35℃〜−5℃、ゴム状態での
剛性率(G’)が5×106 Pa〜8×107 Pa、電
子材料粉末を含有しない電子材料組成物を用いた硬化物
のガラス転移温度は−50℃〜0℃、好ましくは−40
℃〜20℃、ゴム状態の動的貯蔵弾性率(剛性率)
(G’)は4×106 〜8×106Pa であることが好
ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、リフローはんだ付けや
ヒートサイクル試験のような熱負荷時の発生応力に対し
て耐久性を有し、マウンターの吸着ノズルに吸着され易
いバルク部品が得られるための柔軟性を有し、被外装体
との線膨張係数の相違による熱応力にも耐性を有する外
装材に用いられる電子材料用ポリサルファイド系硬化性
樹脂組成物、これを用いた電子用品を提供することがで
きる。また、小型化しても強度があり、歩留まりを向上
できるとともに急激な温度変化にも耐性を有する成形体
が得られ、異形状表面を有するケーシングに対してもこ
れに適合して被覆される柔軟性を有して十分な電磁シー
ルドを行なうことができ、被外装体との線膨張係数の相
違による熱応力にも耐性を有する被覆材に用いられ、輻
射ノイズを防止することができるケーブルの被覆材や外
皮材に用いられ、プリント配線板に取り付けた電子部品
について温度変化による応力が発生してもこれを緩和で
きるととにもその取付けのための接合を行なえ、部材同
士の接合においてそれぞれの部材における熱処理による
非可逆の膨張率又は収縮率が異なってもこれを吸収する
ことができ、クラックが発生しない部材接合体が得ら
れ、線膨張率の異なる複数の被接合体間の接合材や、線
膨張率の異なる被被覆体に被覆する被覆材として用いて
も、温度差のある状況下での熱応力に耐えることができ
る電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物、こ
れを用いた電子用品を提供することができる。さらに建
物の電磁遮蔽用のボード、パネル又はタイルの隙間から
電磁波が侵入又は漏洩しない電磁遮蔽壁に用いられる充
填材が得られる電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹
脂組成物、これを用いた電子用品を提供することができ
る。また、適用後の樹脂の硬化量を減らすことができ、
その硬化のための加熱による適用対象物の損傷を防止で
き、作業性を向上することができる電子材料用ポリサル
ファイド系硬化性樹脂組成物の使用方法、これにより得
られる電子用品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリサルファイド変性エポキシポリマーの得ら
れる過程と鎖の伸び性の関係を示す模式図である。
【図2】本発明の電子用品の第1の実施例のプリント基
板搭載電子部品の部分断面図である。
【図3】本発明の電子用品の第2の実施例のケーシング
の断面図である。
【図4】本発明の電子用品の第3の実施例のLC積層複
合電子部品の斜視図である。
【図5】本発明の電子用品の第4の実施例の輻射ノイズ
防止ケーブルの断面図である。
【図6】本発明の電子用品の第5の実施例の建物の外壁
の一部の斜視図である。
【図7】本発明の電子用品の第6の実施例のLC積層複
合電子部品の一製造工程を示す斜視図である。
【図8】その一部の説明図である。
【符号の説明】
1 巻線型チップコイル 2 コア(巻芯) 4、4 外部端子電極 5 外装体 7、7、17 接合体 9 電磁遮蔽ケーシング 13 電磁シールド層 14 LC複合電子部品 20 輻射ノイズ防止用ケーブル 21 被覆電線 22 外皮体 24、24・・電磁遮蔽ボード、パネル又はタイル 25 充填体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 A 5E070 C C09D 163/00 C09D 163/00 181/04 181/04 H01F 27/00 H01F 17/04 A 17/04 27/32 A 27/32 15/00 D (72)発明者 伊藤 光由 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA42 AA68 AB18 AB26 AH12 AH19 BA02 BA03 BB06 BC02 4J002 CD05X CD20W CD20X CN02W DE097 DE107 DE117 DJ016 EX078 FD016 FD017 GQ00 4J036 AD08 CD15 DA01 FA03 FA05 FB15 JA15 KA01 KA03 4J038 DB061 DB062 DB421 DB422 DK001 DK002 GA03 GA07 GA13 HA026 HA066 HA216 JA69 KA03 KA08 KA12 NA03 NA14 NA20 NA22 PA19 PB09 5E044 AA08 AC01 AD06 CA01 CA02 DA03 5E070 AA01 AB02 BA07 BB01 DA15 DA17 DB02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリサルファイドゴム骨格(−S−S
    −)を高分子中に有するポリサルファイド系ポリマーを
    主成分として含有する電子材料用ポリサルファイド系硬
    化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリサルファイド系ポリマーがポリサル
    ファイドポリマーである請求項1記載の電子材料用ポリ
    サルファイド系硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリサルファイド系ポリマーがポリサル
    ファイドとエポキシ系化合物との反応生成物であるポリ
    サルファイド変性エポキシポリマーである請求項1記載
    の電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リマーの樹脂とエポキシ樹脂とを混合して使用する電子
    材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ系硬化剤を含有する請求項3又
    は4に記載の電子材料用ポリサルファイド系硬化性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 機能性フィラーを含有する請求項1ない
    し5のいずれかに記載の電子材料用ポリサルファイド系
    硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 電子材料用ポリサルファイド系樹脂組成
    物を用いて得られる電子材料からなる形成体が成形材か
    らなる成形体、充填材からなる充填体、被覆材からなる
    被覆体、電極材からなる電極、又は接合材からなる接合
    体である請求項1ないし6のいずれかの電子材料用ポリ
    サルファイド系硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の成形体、充填体、被覆
    体、電極又は接合体を有する電子用品。
  9. 【請求項9】 成形体が成形型による成形により得られ
    る巻線型チップコイルの巻芯であり、該巻芯を有する巻
    線型チップコイルである請求項8の電子用品。
  10. 【請求項10】 被覆体が巻線型チップコイルの巻線の
    上に被覆された外装体であり、該外装体を有する巻線型
    チップコイルである請求項8の電子用品。
  11. 【請求項11】 被覆体がケーシングの電磁シールド用
    被覆体であり、該電磁シールド用被覆体を有する電子用
    品用ケーシングである請求項8の電子用品。
  12. 【請求項12】 被覆体がケーブルの輻射ノイズ防止用
    外皮体であり、該輻射ノイズ防止用外皮体を有する輻射
    ノイズ防止ケーブルである請求項8の電子用品。
  13. 【請求項13】 被覆体がプリント配線板上の実装部品
    を外装する外装体であり、該外装体を有するプリント配
    線板である請求項8の電子用品。
  14. 【請求項14】 充填体が電磁遮蔽壁を形成する複数の
    電磁遮蔽ボード、パネル又はタイル間の充填材として電
    磁遮蔽コーキング材を用いて得られる充填体であり、該
    充填体を有する電磁遮蔽壁である請求項8の電子用品。
  15. 【請求項15】 電極がチップ型電子部品の外部電極で
    あり、該電極を有するチップ型電子部品である請求項8
    の電子用品。
  16. 【請求項16】 接合体がチップ部品の外部電極をプリ
    ント配線板のはんだ付けランドに接合する導電性接合体
    であり、該導電性接合体を有するプリント配線板である
    請求項8の電子用品。
  17. 【請求項17】 接合体が熱処理による非可逆の膨張率
    又は収縮率が互いに異なる部材同士の界面を接合する界
    面接合体であり、該界面接合体を介して該部材同士が接
    合され、熱処理されて得られた複合電子部品である請求
    項8の電子用品。
  18. 【請求項18】 接合体が異なる線膨張率を有する複数
    の被接合体間を接合する接合体であり、該接合体を介し
    て接合された被接合体を有する電子部品である請求項8
    の電子用品。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし6のいずれかの電子材
    料組成物を半硬化状態にして用い、該半硬化状態の成形
    体、充填体、被覆体、外部電極又は接合体を有する電子
    用品を形成し、ついで完全に硬化させて硬化状態の該成
    形体、該充填体、該被覆体、該外部電極又は該接合体を
    有する電子用品を得る電子材料用ポリサルファイド系樹
    脂組成物の使用方法。
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