JPH09263745A - エポキシ樹脂系封止用接着剤組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂系封止用接着剤組成物

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JPH09263745A
JPH09263745A JP8077887A JP7788796A JPH09263745A JP H09263745 A JPH09263745 A JP H09263745A JP 8077887 A JP8077887 A JP 8077887A JP 7788796 A JP7788796 A JP 7788796A JP H09263745 A JPH09263745 A JP H09263745A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin
sealing
bisphenol
parts
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JP8077887A
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Michinobu Oomoto
陸伸 大本
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
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    • H01L23/28Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection
    • H01L23/29Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection characterised by the material, e.g. carbon
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿性に優れ、1mm以下の狭い封止幅でも十
分な耐湿気密性を示す、比較的安価な封止用接着剤組成
物を提供する。 【解決手段】ノボラック型エポキシ樹脂35重量部、エポ
キシ当量 400〜550 のビスフェノールA型エポキシ樹脂
18〜28重量部、及びエポキシ当量 175〜220 のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂2〜6重量部からなるエポキシ
樹脂中に、ブチラール化度70〜74モル%、残存水酸基量
24〜28モル%、残存アセチル基量 1.5〜2.5 モル%のポ
リビニルブチラール樹脂2〜6重量%、および分子量 8
00〜2000の多硫化ゴム6〜15重量%を含有する、エポキ
シ樹脂系封止用接着剤組成物。さらに少量の充填材およ
び濡れ剤を含有させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止、特にセラミ
ックパッケージ等の電子部品の封止に用いるエポキシ樹
脂系封止用接着剤組成物に関する。より具体的には、耐
湿性に優れ、1mm以下の狭い封止幅でも優れた耐湿気密
性を示すエポキシ樹脂系封止用接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子(ICチップ)等の電子部品
は、これを外部環境から遮断し、機械的衝撃から保護す
ると同時に、取扱いと組立を容易にするために、周囲を
完全に包囲するように封止したパッケージの形態で使用
されることが多い。封止法としては、金属またはセラミ
ックにより気密に保持する気密封止法と、トランスファ
ー成形によりチップの周囲を樹脂(主にエポキシ系樹脂
に大量の充填材を混合した組成物)で包囲する樹脂封止
法とがある。安価な樹脂封止パッケージがICパッケー
ジの大部分を占めている。
【0003】封止材としてセラミックを使用したセラミ
ックパッケージは、樹脂封止パッケージに比べて高価で
あるが、封止材の熱伝導性がよく、動作中にチップで
発生する熱の放熱性がよい、耐熱性が高く、寸法安定
性がよい、吸湿性がなく、湿度に強い、完全密封が
可能、といった特長がある。
【0004】そのため、セラミックパッケージは、大型
コンピュータ、高信頼性を必要とする宇宙機器・軍事機
器用、樹脂封止では耐えられない環境で使用される大電
力用、自動車用等といった分野に主に使用されてきた。
しかし、電子部品の小型化・高性能化の要求に応えてI
Cチップの集積度が上がり、それにつれて発熱量も増え
てきたため、最近では民生用コンピュータ等にも放熱性
に優れたセラミックパッケージを採用する動きが広がっ
ている。
【0005】セラミックパッケージは、放熱板を兼ねる
セラミック基板上にICチップを搭載した後、封止用の
キャップ (蓋) を基板に封止用接着剤で接合することに
より封止される。封止用のキャップは、基板と同様にセ
ラミック製であることが多いが、金属製のキャップも一
部では使用される。通常は、図1(A) 〜(C) に示すよう
に、キャップの脚部の端面に封止用接着剤を塗布し、基
板に押しつけて接合が行われる。この時に、基板に押し
つけられた接着剤が、図1(C) に示すように、台形状に
裾広がりのメニスカス形状を有することが、接着の信頼
性を得るのに重要である。
【0006】セラミック基板とキャップとの接合に用い
る封止用接着剤としては、樹脂封止材料と同様に、エポ
キシ樹脂系の接着剤が主に使用されている。この封止用
接着剤には、封止に必要な性能、例えば、接着強度の耐
久性や耐湿性が要求されるが、汎用のエポキシ樹脂系接
着剤(エポキシ樹脂+硬化剤)ではこれらの性能が不十
分であるため、航空宇宙用に開発されたポリマーアロイ
型のエポキシ樹脂系接着剤も使用されるようになってき
た。このポリマーアロイ型のエポキシ樹脂系接着剤は、
硬いポリマーであるエポキシ樹脂に少量の柔軟なポリマ
ー、例えば、エポキシ樹脂と反応性の末端官能基 (カル
ボン酸基、アミン基等) を持つニトリルゴム、を微細に
分散させた、いわゆる海島構造の複合接着剤である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】電子部品の小型化がま
すます進む中で、基板の封止幅(封止用接着剤の幅)も
狭くなり、従来の汎用のエポキシ樹脂系接着剤はもちろ
ん、上述したポリマーアロイ型のエポキシ樹脂系接着剤
でも対応できなくなってきている。例えば、水晶振動子
等の封止幅は0.7 mm以下となり、この封止幅では、現状
のエポキシ樹脂系接着剤では高温高湿試験 (プレッシャ
ー・クッカー試験、PCT)において8時間未満の封止気密
性しかない。従来は封止幅が典型的には2mm程度または
それ以上と広かったため、PCT において25〜50時間とい
う封止気密性を保持していた。
【0008】従って、封止幅が1mm以下と狭くなって
も、従来のより広い封止幅の場合と同程度またはそれ以
上の耐湿気密性を示す封止用接着剤が望まれている。ま
た、電子部品の低コスト化の要求が強い現状から、接着
剤の成分としては比較的安価な材料のみを使用すること
が望ましい。本発明の目的は、耐湿性に優れ、1mm以下
の狭い封止幅でも十分な耐湿気密性を示す、比較的安価
な封止用接着剤組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】従来のエポキシ樹脂系封
止用接着剤では、封止幅が1mm以下と狭くなると、耐湿
気密性が著しく低下する。このことは、エポキシ樹脂の
凝集力不足と硬化剤が未反応状態で残存することが原因
であると考えられる。この点に着目して研究を重ねた結
果、エポキシ樹脂に、これと完全に相溶するポリビニル
ブチラール樹脂を、好ましくは多硫化ゴムと一緒に配合
すると、耐湿気密性が著しく向上することを見出し、本
発明を完成させた。
【0010】ここに、本発明は、(A) ノボラック型エポ
キシ樹脂35重量部、エポキシ当量 400〜550 のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂18〜28重量部、及びエポキシ当
量 175〜220 のビスフェノールA型エポキシ樹脂2〜6
重量部からなるエポキシ樹脂中に、(B) ブチラール化度
70〜74モル%、残存水酸基量24〜28モル%、残存アセチ
ル基量 1.5〜2.5 モル%のポリビニルブチラール樹脂2
〜6重量%、および(C) 平均分子量 800〜2000の多硫化
ゴム6〜15重量%を含有する、エポキシ樹脂系封止用接
着剤組成物である。
【0011】好適態様にあっては、このエポキシ樹脂系
接着剤組成物は、さらに(D) 平均粒子径12〜20 nm の充
填材1〜3重量%を含有する。
【0012】エポキシ樹脂の凝集力を増大させる目的
で、ゴム変性エポキシ樹脂や前述した変性ニトリルゴム
を配合することが知られているが、これらはいずれも耐
湿気密性を著しく向上させることはできなかった。ゴム
変性エポキシ樹脂はエポキシ樹脂との反応性に乏しく、
変性ニトリルゴムはエポキシ樹脂と相溶性に乏しいこと
が原因ではないかと考えられる。これに対し、本発明で
用いるブチラール樹脂は、エポキシ樹脂と相溶し、しか
も反応性があるため、これを多硫化ゴムと一緒に、硬化
剤と凝集力付与剤とを兼ねて配合することで、エポキシ
樹脂の凝集力が増し、かつ未反応の硬化剤も少なくなっ
て、耐湿気密性が著しく向上するものと推測される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
以下の説明において、部および%は、特に指定のない限
り重量部および重量%である。
【0014】(A) エポキシ樹脂 耐湿接着力および耐熱性を得るために、官能基数が多
く、架橋密度が高くなるノボラック型エポキシ樹脂を主
成分とする。これに、エポキシ当量が 400〜550の室温
で固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ
当量が 175〜220の室温で液状のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂という、2種類のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂を配合する。
【0015】室温で固形のビスフェノールA型樹脂は、
ノボラック型エポキシ樹脂で見られるBステージ後の粘
着性 (表面のべとつき) を低減させる作用がある。一
方、室温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、
接着剤のセラミック基板への濡れ性を高める作用があ
る。このような作用を十分に得るには、室温で液状のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量
が 175〜220 、好ましくは180〜200 のものを使用す
る。このようなエポキシ樹脂の市販品の例としては、エ
ピコート828 、アラルダイトGY260 などがある。一方、
室温で固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、エポキシ当量が 400〜550 、好ましくは 450〜500
のものを使用する。このようなエポキシ樹脂の市販品の
例は、エピコート1001、アラルダイト6071などである。
なお、エピコートは油化シェル社製エポキシ樹脂の、ア
ラルダイトはチバガイギー社製エポキシ樹脂の登録商標
である。
【0016】ノボラック型エポキシ樹脂としては、クレ
ゾールノボラック型とフェノールノボラック型のいずれ
も使用できるが、エポキシ当量がより小さいフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂の方が好ましい。特に好まし
いのは、エポキシ当量が 170〜190 、例えば179 のフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂である。市販品の例と
しては、エピコート154 、日本化薬社製RE-306などがあ
る。ノボラック型エポキシ樹脂は、無溶剤型のものが好
ましいが、少量のケトン系溶媒 (アセトン、メチルエチ
ルケトン) で希釈したものも使用できる。
【0017】ノボラック型エポキシ樹脂に対する上記2
種類のビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合割合は、
ノボラック型エポキシ樹脂35部に対して、室温で固形の
ビスフェノールA型エポキシ樹脂が18〜28部、好ましく
は20〜25部、室温で液状のビスフェノールA型エポキシ
樹脂は2〜6部、好ましくは3〜5部である。
【0018】室温で固形のビスフェノールA型エポキシ
樹脂の量が18部未満では、ノボラック型エポキシ樹脂の
Bステージ後の粘着性の低減が不十分であり、塗布後の
表面に粘着性が発現する。一方、このエポキシ樹脂の量
が28部を超えると耐熱性が低下し、溶融ハンダ浴に浸漬
した時にクラック等が発生するようになる。溶融ハンダ
浴への浸漬にによるハンダ付けは、セラミックパッケー
ジの封止後のプリント配線板への実装時によく行われる
ので、溶融ハンダ浴への浸漬に耐える耐熱性、即ち、耐
溶融ハンダ浸漬性は封止用接着剤組成物に必要な特性で
ある。
【0019】室温で液状のビスフェノールA型エポキシ
樹脂の量が2部未満では、セラミック基板への濡れ性が
不十分となり、接着剤を狭い封止幅で塗布することが困
難となる。一方、このエポキシ樹脂の量が6重量部を超
えると、流動性が高くなりすぎ、またBステージ後の粘
着性が増大する。
【0020】エポキシ樹脂(A) は、上記の3種類のエポ
キシ樹脂の他に、少量であれば他のエポキシ樹脂をさら
に含有していてもよい。但し、その合計量はノボラック
型エポキシ樹脂35部に対して5部以下とすることが好ま
しい。
【0021】(B) ポリビニルブチラール樹脂 ポリビニルブチラール樹脂 (以下、ブチラール樹脂とい
う) は、ポリ酢酸ビニルのケン化により得られるポリビ
ニルアルコール (PVA) をブチルアルデヒドと縮合
(ブチラール化) させることにより得られる、熱可塑性
樹脂である。ポリ酢酸ビニルのケン化とブチラール化を
同時に行うこともできる。
【0022】ブチラール樹脂の性質は原料のポリ酢酸ビ
ニルのケン化度と中間体のポリビニルアルコールのブチ
ラール化度により変動する。本発明では、ブチラール化
度70〜74モル%、残存水酸基量24〜28モル%、残存アセ
チル基量 1.5〜2.5 モル%のブチラール樹脂を使用す
る。好ましいブチラール樹脂は、ガラス転移温度が280
℃前後のものである。
【0023】ここで、残存アセチル基量はケン化されな
かったアセチル基の割合であり、残存水酸基量はケン化
されたがブチラール化されなかったアセチル基の割合で
あり、ブチラール化度はケン化され、かつブチラール化
されたアセチル基の割合 (いずれも原料のポリ酢酸ビニ
ル中に存在していたアセチル基に対するモル%) であ
る。
【0024】前述したエポキシ樹脂(A) は、通常の硬化
剤で硬化させた場合、凝集力が不足し、かつ硬化剤が未
反応で残るため、封止幅が1mm以下と狭くなると耐湿気
密性が著しく低下する。本発明でエポキシ樹脂(A) に配
合する上記ブチラール樹脂は、エポキシ樹脂(A) と完全
に相溶し、硬化時にもエポキシ樹脂と分離しない。即
ち、海島状構造ではなく、完全に均質にエポキシ樹脂と
混ざる。また、このブチラール樹脂には、エポキシ基と
反応する水酸基 (OH基) がかなりの割合で残存してい
るため、エポキシ樹脂の硬化剤として機能し、硬化時に
エポキシ樹脂と化学的に結合する。
【0025】このようにエポキシ樹脂にブチラール樹脂
をポリマーブレンドして、硬いエポキシ樹脂中に熱可塑
性のブチラール樹脂を均質に溶解させ、エポキシ樹脂の
分子と結合させると、エポキシ樹脂の凝集力が増し、耐
湿気密性が飛躍的に増大することが判明した。
【0026】次の表1に示すように、ブチラール樹脂の
ブチラール化度または残存水酸基量が上記範囲外となる
と、エポキシ樹脂との相溶性が失われ、エポキシ樹脂の
硬化時にエポキシ樹脂とは別の相を形成するため、エポ
キシ樹脂の凝集力を増加させるという所期の目的を達成
することができない。
【0027】
【表1】
【0028】ブチラール樹脂の配合量は、組成物全重量
の2〜6%、好ましくは3〜5%と少量でよい。ブチラ
ール樹脂の配合量が2%より少ないと、耐湿気密性の向
上効果が十分には現れず、6%を超えるとブチラール樹
脂の性質が強く現れるようになって、耐湿気密性はまた
悪化する。
【0029】(C) 多硫化ゴム エポキシ樹脂にゴム変性エポキシ樹脂を配合して凝集力
を付与することは知られているが、本発明の好適態様で
は、エポキシ基と反応性の−SH基を有する多硫化ゴム
を、ブチラール樹脂と一緒に配合する。それにより、ブ
チラール樹脂の配合量を抑えて、エポキシ樹脂の耐湿気
密性を著しく改善することができる。多硫化ゴムの代わ
りに、ウレタンゴム変性エポキシ樹脂、天然ゴム変性エ
ポキシ樹脂を使用しても、目的とする効果を得ることは
できなかった。
【0030】多硫化ゴムは、多硫化ナトリウムと2塩化
アルキルとの縮合反応により得られるゴムであり、アメ
リカのチオコール社で製造されているため、チオコール
ゴムとも呼ばれている。多硫化ゴムはエポキシ樹脂の可
撓性硬化剤として使われており、エポキシ樹脂に凝集力
を付与する硬化剤として作用することは良く知られてい
る。しかし、この多硫化ゴムを単独でエポキシ樹脂に配
合しても、耐湿気密性の改善硬化は小さい。これに対
し、多硫化ゴムをブチラール樹脂と一緒に配合すること
で、耐湿気密性の飛躍的な改善が得られるのである。
【0031】多硫化ゴムは、平均分子量が 800〜2000、
好ましくは1000〜1500の範囲内のものを使用する。平均
分子量が800 未満の多硫化ゴムを配合すると、硬化反応
の速度が速くなりすぎ、セラミック基板を濡らす前に硬
化が起こり始め、接着時にできるメニスカス形状が、裾
広がりの台形ではなく、裾がつぼまった円形になり、接
着の信頼性が低下する。一方、多硫化ゴムの平均分子量
が2000を超えると、硬化温度が高くなりすぎ、硬化時に
ニジミ現象が発生し、硬化不良を起こして目的とする特
性が得られない。
【0032】多硫化ゴムの配合量は、組成物全重量の6
〜15%、好ましくは8〜12%、より好ましくは9〜11%
の範囲内とする。多硫化ゴムの配合量が6%未満では、
耐湿気密性の改善効果が非常に小さく、15%を超えると
耐湿性が悪化して、PCT 試験で水が侵入してくるように
なり、使用不能となる。
【0033】(D) 充填材 好適態様では、本発明の封止用接着剤組成物は、平均粒
子径が12〜20 nmmの微粒子状の充填材を1〜3%、より
好ましくは 0.5〜2.0 %の割合で含有する。それにより
組成物にチキソトロピー性が付与され、図1(C) に示す
ような適切なメニスカス形状で封止することができる。
充填材としてはシリカが好ましいが、二酸化チタン、酸
化マグネシウム、硫化亜鉛、酸化ジルコンなども使用で
きる。充填材が非常に微細であるため、多量に添加する
とBステージ状態のエポキシ樹脂の流動性が阻害され、
接着時のメニスカス形状が不良となる (円形化する) 。
【0034】本発明のエポキシ樹脂系封止用接着剤組成
物は、上記の成分以外にも、少量であれば1種もしくは
2種以上の添加剤を含有しうる。かかる添加剤として
は、硬化剤、濡れ剤、溶媒、硬化触媒、着色剤などがあ
る。
【0035】エポキシ硬化剤としては、芳香族ジアミン
(例、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
スルホン等) とジシアンジアミドとの混合物を使用する
ことが好ましい。添加量は、エポキシ樹脂の合計量100
重量部当たりの量で、芳香族ジアミンが1〜5部、ジシ
アンジアミドが2〜10部の範囲内でよい。
【0036】濡れ剤として少量のシランカップリング剤
を配合することが好ましい。シランカップリング剤とし
ては、エポキシ基を含有するものが特に好ましい。好ま
しいシランカップリング剤は、信越化学社製KBM-403 で
ある。これを配合すると、接着剤の濡れ性がさらに高ま
り、狭い封止幅での塗布作業がより容易となるので、エ
ポキシ樹脂の合計量100 重量部当たりの量で 0.5〜4部
の範囲内の量で配合することができる。
【0037】本発明の組成物は、例えば、エポキシ樹脂
とブチラール樹脂とを溶媒中で加熱して(例、95±5℃
に30〜40分) 完全に溶解させた後、50±5℃に冷却し、
この温度で多硫化ゴムを硬化剤や濡れ剤といった可溶性
成分と一緒に添加して混合・溶解させた後、充填材を加
えて、室温で三本ロールで混練することにより、充填材
を樹脂中に均一に分散させ、必要であれば溶媒を加えて
粘度調整することにより調製できる。
【0038】本発明の封止用エポキシ樹脂系接着剤組成
物は、セラミック基板の封止 (即ち、セラミック基板と
キャップの接合) に好適であるが、用途はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、セラミック基板面上のパタ
ーン保護膜にも利用できる。本発明の接着剤組成物で封
止できる素材としては、アルミナ、コージエライト、ム
ライト、ガラスセラミック、窒化アルミニウム等のセラ
ミック、ニッケル、コバルト、42アロイ、金、銅等の金
属、エポキシ、ポリイミド等のプラスチック成形品 (パ
ッケージ成形品) などがある。
【0039】
【実施例】参考例1 フェノールノボラック型エポキシ樹脂 (エピコート154)
とエポキシ当量450 の室温で固形のビスフェノールA型
エポキシ樹脂 (エピコート1001) との配合割合を変えた
混合物に、エポキシ当量189 の室温で液状のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂 (エピコート828)を濡れ剤 (信越
化学社製エポキシ含有シランカップリング剤KBM-403)と
共に少量加えたエポキシ樹脂液に、充填材 (平均粒子径
16 nm のシリカ微粒子) を配合したエポキシ樹脂組成物
を調製した。使用直前に、慣用のエポキシ硬化剤 (4,4'
−ジアミノジフェニルメタン〔DDM〕とジシアンジア
ミド) を配合して、樹脂成分がエポキシ樹脂のみからな
る、熱硬化性の封止用接着剤組成物を調製した。
【0040】このエポキシ樹脂系接着剤組成物を用い
て、図1(A) 〜(C) に示すようにしてセラミック基板と
キャップを接合し、次いで160 ℃に2間加熱することに
より接着剤を硬化させて、セラミックパッケージを作製
した。基板とキャップのいずれも材質はアルミナ・セラ
ミックであり、接着剤組成物の性能を調べるための試験
であるため、基板としては単にアルミナ・セラミックの
平板を使用し、ICチップは搭載しなかった。図1(A)
に示した寸法からわかるように、キャップの脚部の幅、
従って封止幅は、 0.7〜0.75mmとなる。接着剤組成物の
耐湿気密性、耐溶融ハンダ浸漬性および粘着性を次のよ
うにして調べた。試験結果を、接着剤組成物の配合割合
と共に、次の表2にまとめて示す。
【0041】耐湿気密性 試験用セラミックパッケージを、プレッシャー・クッカ
ー内で2.09気圧、121℃、相対湿度100 % (水蒸気飽和)
の高温高湿条件下に放置した後、グロスリーク評価 (1
20 ℃のフロン液に浸漬し、発泡の有無により判定) で
発泡が起こるまでの時間 (以下、耐湿封止時間という)
を測定した。この耐湿封止時間が8時間以上である場合
を○、8時間未満の場合を×として評価した。
【0042】耐溶融ハンダ浸漬性 試験用セラミックパッケージを、 265±5 ℃の溶融ハン
ダ浴に10秒間浸漬し、次に室温に5分間放置するサイク
ルを10回繰り返した後、グロスリークの有無を判定し
た。クラック発生のためにグロスリークが認められた場
合を×、認められない場合を○と評価した。
【0043】粘着性 図1(B) のようにキャップに塗布した接着剤組成物の硬
化前のBステージ状態(80℃に3時間加熱して半硬化さ
せた状態) での粘着性を、ポリエチレンシートを用いた
ピーリング試験により、5mm×3cmの接着剤塗布面から
の剥離に要する引張力を測定することにより判定した。
引張力が1g未満を○、1〜3gを△、3g超を×と評
価した。
【0044】
【表2】
【0045】比較例1 エポキシ樹脂に多硫化ゴムのみを配合した場合の耐湿気
密性を調べた。エポキシ樹脂としては、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂35部、エポキシ当量450の室温で
固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂5部、およびエ
ポキシ当量190の室温で液状のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂4部からなるものを使用し (使用した各エポキ
シ樹脂は参考例1と同じ) 、これに濡れ剤のKBM-403 1
部と充填材のシリカ微粒子 (平均粒子径16 nm)1部を配
合した。
【0046】得られた混合物に、硬化剤を兼ねるゴム成
分である多硫化ゴム (チオコールゴム、平均分子量100
0) を割合を変えて添加した。別に硬化剤としてDDM
とジシアンジアミドを参考例1と同様に加え、得られた
接着剤組成物の耐湿気密性を参考例1と同様の高温高湿
条件下で測定したところ、耐湿封止時間が、多硫化ゴム
を配合しない場合には8時間未満であったのが、多硫化
ゴムの配合量が組成物全体の5%以上になると8時間以
上となり、特にその配合量が8%以上では10時間になる
ことがわかった。しかし、多硫化ゴムの配合量を増加さ
せても、耐湿封止時間は10時間以上には長くならなかっ
た。
【0047】従って、多硫化ゴムの配合だけでは、耐湿
封止時間が25時間以上というような望ましい水準まで耐
湿気密性を改善することはできない。しかも、多硫化ゴ
ムの配合量が12%を超えると、耐湿気密性(PCT) 試験で
漏水 (パッケージ内への水の侵入) が起こり始め、特に
その配合量が15%を超えると漏水が顕著となった。
【0048】実施例1 エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂35部、エポキシ当量450 の室温で固形のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂20部、およびエポキシ当量190 の
室温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂4部から
なるものを使用した (使用した各エポキシ樹脂は参考例
1と同じ) 。
【0049】このエポキシ樹脂に、各種割合のブチラー
ル樹脂、平均分子量1000の多硫化ゴム (チオコールゴ
ム) 10部、濡れ剤のKBM-403 1部、充填材のシリカ微粒
子 (平均粒子径16 nm)1部、硬化剤のDDMとジシアン
ジアミドを参考例1と同量を配合したエポキシ樹脂系接
着剤組成物を調製した。使用したブチラール樹脂は、ブ
チラール化度72モル%、残存水酸基量26モル%、残存ア
セチル基量2モル%のものであった。
【0050】得られたエポキシ樹脂系封止用接着剤組成
物の耐湿気密性を参考例1と同様に測定した結果を、ブ
チラール樹脂の配合量と共に、次の表3に示す。表3か
らわかるように、ブチラール樹脂の配合量が1%を超え
ると、耐湿封止時間が25時間を超え、2〜6%では50時
間を超え、特に3〜5%、中でも4%付近で耐湿気密性
が最高となることがわかる。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂系封止用接着剤組
成物は、1mm以下の狭い封止幅でも耐湿気密時間が50時
間以上といる優れた耐湿気密性を示し、信頼性の高い封
止を達成することができる。また、エポキシ樹脂に配合
したブチラール樹脂および多硫化ゴムはいずれも比較的
安価な材料であり、原料コストは従来の封止用エポキシ
樹脂組成物と変わらない。従って、セラミックパッケー
ジの小型化と低コスト化の要請に適した封止用接着剤組
成物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A) 〜(C) は、実施例で作製したセラミッ
クパッケージの作製方法を示す説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ノボラック型エポキシ樹脂35重量
    部、エポキシ当量 400〜550 のビスフェノールA型エポ
    キシ樹脂18〜28重量部、及びエポキシ当量 175〜220 の
    ビスフェノールA型エポキシ樹脂2〜6重量部からなる
    エポキシ樹脂中に、(B) ブチラール化度70〜74モル%、
    残存水酸基量24〜28モル%、残存アセチル基量 1.5〜2.
    5 モル%のポリビニルブチラール樹脂2〜6重量%、お
    よび(C)平均分子量 800〜2000の多硫化ゴム6〜15重量
    %を含有する、エポキシ樹脂系封止用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 さらに(D) 平均粒子径12〜20 nm の充填
    材1〜3重量%を含有する、請求項1記載のエポキシ樹
    脂系接着剤組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008210820A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Nec Tokin Corp 線輪部品
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CN113292926A (zh) * 2021-04-28 2021-08-24 常州大学 一种水性自修复环氧防腐涂料及其制备方法

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