JP2004292763A - 一液型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間硬化または比較的低温での熱硬化が可能で生産性がよく、配線基板上の各部品に悪影響を及ぼさずに、配線基板上にCSPやBGA等の半導体装置を確実に接続することができ、硬化後のヒートサイクル処理時の接続信頼性に優れ、硬化物中からの汚染物質のブリードがないアンダーフィル封止用の一液型エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】半導体装置と、この半導体装置が電気的に接続される基板との間を封止するアンダーフィル材料に用いられる一液型エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤としてイミダゾール系化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を含有することを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、 CSPやBGA等の半導体装置と、この半導体装置が電気的に接続される回路基板との間を封止するアンダーフィル材料用の一液型エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラ、一体型VTR、携帯電話機などの小型電子機器が普及するにつれて、LSI装置の小型化が求められている。このため、LSI等の半導体ベアチップを保護したり、テストを容易に行ったりすることができる従来のチップ実装用パッケージの特徴を生かしながら、ベアチップ並みに小型化し、特性の向上を図る目的でCSPやBGAなどの新しいパッケージが普及しつつある。
【0003】
このリードのないチップキャリアは、比較的小さいパッケージの中で、チップとそれに対応する基板との間に多数の入出力接続部を備えている。リードのないチップキャリアは、一般的に、アルミナのような一枚のセラミックを含むパッケージからなり、そのセラミックがチップキャリア即ちベースを形成し、そのベース上にチップが実装される。チップが実装されたパッケージは、さらにより大きいプリント回路基板(PCB)などに実装される。具体的には、パッケージのコンタクトパッドと鏡像関係にあるコンタクトパッドがPCB上に形成され、両者を符合させた後、リフロー半田付け等を行うことによって、電気的及び機械的に接続され、表面実装される。パッケージをPCBに半田により接続する場合は、通常、半田ペーストを用いるか、ソルダバンプが用いられる。パッケージとPCBとの間のソルダバンプによって生じる隙間には、エポキシ系などの封止樹脂(アンダーフィル材料)が注入されるのが一般的である。
【0004】
また、チップをパッケージやPCBに実装する際に必要とされる面積を低減するための方法の一つとして、フリップチップ接続法がある。これは、チップの上面側にある接続用パッドを下面側へ向け、対向するパッケージやPCBにソルダバンプにより接続する方法である。この場合も、チップ素子面とチップキャリア、あるいはチップ素子面とPCBとの間にソルダバンプによる隙間が生じるため、同様にアンダーフィル材料が注入される。アンダーフィル材料は、上記接続部における隙間や空間を埋めるだけでなく、電気的接点を密封して周囲から保護するとともに、例えばパッケージとPCBとを接着する機能を有し、小さな機械的接合点であるソルダバンプ接合部に過度の力が作用することを防ぐ目的も併せ持っている。
【0005】
このアンダーフィル材料の充填方法としては、チップまたはパッケージの外周に沿って塗布し、毛細管現象を利用して充填するキャピラリーフローと、充填する場所にあらかじめアンダーフィル材料を滴下しておき、その上からチップまたはパッケージを載せるコンプレッションフローの二通りがあるが、最近は、上記のキャピラリーフローが主流である。
この工程においては、過剰のアンダーフィル材料がチップあるいはパッケージの外周から流出してしまうことがあるため、アンダーフィル材料の量や種類、あるいは処理工程を厳しく管理するなどの試みが行われてきた。
【0006】
通常、このようなアンダーフィル材料には、線膨張係数が半田に近似しているエポキシ樹脂が用いられることが多い。これによって温度疲労による寿命を改善している。また、不活性な充填材を配合することにより、組成物の流れ特性や線膨張係数を調整する場合もある。
従来、汎用的に使用されてきた一液型エポキシ樹脂組成物には、固形のジシアンジアミドを硬化剤として使用したものがある(例えば、特許文献1参照。)が、上記充填材の配合によっては材料の粘度を下げにくいという問題があった。また、ジシアンジアミドは組成物中において粒子状で分散しているため、充填する部分の隙間が20μm程度以下になると、エポキシ樹脂と硬化剤とが分離して、反応しない液状エポキシ樹脂が残り、これが接続信頼性に悪影響を及ぼすという問題があった。
また、通常の酸無水物硬化剤を使用した一液型エポキシ樹脂の場合では、エポキシ樹脂などとの相溶性が充分でないことがあり、ヒートサイクル試験における接続信頼性が得られないことがあるという問題があった。
【0007】
一方、配線基板にCSPやBGAなどの半導体装置を実装した後に、CSPやBGA上のLSIの不良や、CSPやBGAと配線基板との接続不良等が発見されたときに、これらのアンダーフィル材料を剥離してCSPやBGAを交換することができる、いわゆるリペア性が要求される場合がある。
このような半導体装置のリペア性を向上させる手段として、ベアチップと基板との固定接続を所定温度で硬化する樹脂を用いて行い、半導体装置に不具合が発生した場合は、この所定温度より高い温度で軟化させてベアチップを取り外す方法が挙げられる(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、接続信頼性とリペア特性の両方を満足する具体的なアンダーフィル材料そのものについては依然として知られていなかった。
【0008】
また、上述したようなアンダーフィル材料を基板から剥離するために、有機溶剤等に浸漬してから剥離する方法があるが、剥離性(リペア性)を向上させると、アンダーフィル材料本来の接着性能が低下し、アンダーフィル材料の接着性や耐久性を向上させると剥離性が低下するといった状況にあり、アンダーフィル材料としての本来の接着性能と、剥離性を両立するものは未だに得られていない。
【0009】
さらに、一液型あるいは二液型のアンダーフィル材料に、アクリル酸エステル類、芳香族または脂肪族のエステル類などの可塑剤を配合する方法がある(例えば、特許文献3参照。)。この方法は、CSPやBGA等の半導体装置を配線基板に短時間の熱硬化で接続でき、耐ヒートショック性に優れ、かつ不良が発見されたときに容易にCSPやBGAを取り外すことが可能であるとされているが、上記の可塑剤を配合するため、耐久性や耐熱性、耐ヒートサイクル性が低下したり、硬化物中からの可塑剤成分のブリードによって周囲を汚染したりするといった問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−284851号公報
【特許文献2】
特開平06−69280号公報
【特許文献3】
特開平10−204259号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、短時間硬化または比較的低温での熱硬化が可能で生産性がよく、配線基板上の各部品に悪影響を及ぼさずに、配線基板上にCSPやBGA等の半導体装置を確実に接続することができ、硬化後のヒートサイクル処理時の接続信頼性に優れ、硬化物中からの汚染物質のブリードがないアンダーフィル封止用の一液型エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明(1)〜(5)によって達成される。
(1) 半導体装置と、この半導体装置が電気的に接続される基板との間を封止するアンダーフィル材料に用いられる一液型エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤としてイミダゾール系化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を含有することを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物。
(2) 前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記イミダゾール系化合物5〜50重量部を含有する上記(1)に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
(3) 前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記メチルテトラヒドロ無水フタル酸1〜40重量部を含有する上記(1)又は(2)に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
(4) さらに、キシレン樹脂を含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
(5) 前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記キシレン樹脂5〜40重量部を含有する上記(4)に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一液型エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明の一液型エポキシ樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、半導体装置と、この半導体装置が電気的に接続される基板との間を封止するアンダーフィル材料に用いられる一液型エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤としてイミダゾール系化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を含有することを特徴とする
【0014】
本発明の組成物において用いられるエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のグリシジル基を有するものであり、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのほか、カテコール、レゾルシノール、またはグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテルも使用できる。また、P−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、あるいはフタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂等も使用することができ、これらを単独あるいは混合して使用してもよい。
【0015】
上記エポキシ樹脂の形態は特に限定されず、液体でも固体でもよいが、通常は後述する硬化剤成分と混合した場合に液状となるものが好ましく使用される。このような観点から、比較的低分子量であるビスフェノールA型、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂が好ましい。これにより、組成物製造時の作業性や硬化後の特性を良好なものにでき、かつ材料コストを抑えることができる。
なお、単価のアルコール系の飽和脂肪族あるいは不飽和脂肪族エポキシ樹脂などを用いる場合は、アダクト系化合物などの潜在性硬化剤を溶解させる傾向があり、これらの潜在性硬化剤を併用する場合は保存安定性に影響する場合がある。
【0016】
本発明の組成物には、硬化剤成分のひとつとしてイミダゾール化合物を配合する。
このイミダゾール化合物としては特に限定されないが、潜在性硬化剤として市販されているエポキシ−イミダゾールアダクト系化合物が好ましく使用できる。例えば、味の素ファインテクノ社製・「アミキュアPN−23」、同「アミキュアPN−40」、旭化成社製・「ノバキュア HX−3721」、あるいは、富士化成工業社製・「フジキュアFX−1000」などが挙げられる。
このほか、一般的なイミダゾール化合物や、特開平1−70523号公報(一液性エポキシ樹脂用マスターバッチ型硬化剤)に開示されている一液性エポキシ樹脂用マスターバッチ型硬化剤、特開平6−73156号公報(潜在性ホウ酸エステル化合物硬化剤)に開示されている潜在性硬化剤などを用いてもよい。
【0017】
このイミダゾール化合物の配合量としては特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、5〜50重量部とすることが好ましい。さらに好ましくは10〜40重量部である。配合量が上記下限値未満では硬化不足となることがある。一方、上記上限値を超えると、硬化発熱が大きく歪が大きくなることにより、ヒートサイクル処理時の接続信頼性(以下、「接続信頼性」という)に影響を与えることがある。また、組成物の保存安定性が低下することがある。
【0018】
本発明の組成物には、このイミダゾール化合物とともに、もうひとつの硬化剤成分として酸無水物化合物の一種であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸を配合することを特徴とする。
酸無水物としてメチルテトラヒドロ無水フタル酸を用いることにより、これと上記エポキシ樹脂およびイミダゾール化合物との相溶性が良好になり、エポキシ樹脂とこれら硬化剤とを均一に溶解させることができる。この結果、硬化時に未硬化部分を生じにくくなるので、硬化物の機械的強度や被充填物との密着性を向上させ、接続信頼性を高めることができる。
また、メチルテトラヒドロ無水フタル酸は液体であり、他の液体酸無水物硬化剤と同様、組成物を低粘度にすることができるので、組成物製造時の作業性を維持することができる。
【0019】
このメチルテトラヒドロ無水フタル酸の配合量としては特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜40重量部とすることが好ましい。さらに好ましくは10〜30重量部である。これにより、上記作用を効果的に発現させることができる。配合量が上記下限値未満では機械的強度の付与効果が充分でないことがある。また、上記上限値を超えると組成物の保存安定性が低下することがある。
【0020】
本発明の組成物においては、硬化剤として上記イミダゾール化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸のほか、通常の酸無水物化合物を併せて用いることができる。
ここで用いられる酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ジクロルコハク酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、テトラブロム無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物、無水クロレンディク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。
【0021】
本発明の組成物には特に限定されないが、キシレン樹脂を配合することができる。これにより、キシレン樹脂の有する可塑化効果により、接続信頼性をさらに改善する効果を付与することができる。 また、硬化物の接着性や耐久性に影響を与えることなく、リペア性を付与することができる。
【0022】
このキシレン樹脂は、キシレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるものであり、その性状としては特に限定されないが、溶剤を含有しない状態で液体であり、数平均分子量が290〜600であることが好ましい。
数平均分子量が上記下限値未満であるものは、接続信頼性の付与効果は有するが、熱時の密着性低下が小さく、リペア性の付与効果が充分でないことがある。また、上記上限値を超えると、エポキシ樹脂に対する分散安定性が低下するようになるため、製造時及び使用時の取り扱い性が低下することがある。
このような性状を有するキシレン樹脂の入手方法としては特に限定されないが、例えば、三菱瓦斯化学株式会社製・「ニカノール」などの市販品を用いることができる。
【0023】
このキシレン樹脂の配合量としては特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、5〜40重量部であることが好ましい。さらに好ましくは10〜30重量部である。これにより、他の特性に実質的に影響を与えることなく、上記の効果を付与することができる。キシレン樹脂の配合量が上記下限値未満では、キシレン樹脂の配合効果が充分でないことがある。また、上記上限値を超えると、可塑化効果が大きくなり、常温での密着性が低下することにより接続信頼性に影響を与える場合がある。
【0024】
本発明の組成物において、キシレン樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性がよく、可塑剤として用いても、他の可塑剤と比較して常温における密着性や耐熱性に及ぼす影響を抑えることができる。
そして、可塑化効果により接続信頼性を高めることができるとともに、100℃を超える温度域においては密着性を低下させ、リペア性が向上すると考えられる。
【0025】
本発明の組成物には、必要に応じて、無機充填材を配合することができる。無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、タルク、アルミナ、ガラス粉末等が挙げられる。
本発明の組成物は、無機充填材を配合しないで用いることができるが、より高い接続信頼性が要求される用途に用いる場合は、無機充填材をエポキシ樹脂100重量部に対して、100〜200重量部、好ましくは、100〜150重量部配合して用いることができる。これにより、硬化物の線膨張係数を低くすることができ、耐ヒートショックをより向上させることができる。
上記無機充填材の中でも、結晶シリカ、溶融シリカが好ましい。これにより、上記効果に加え、硬化物の電気特性を向上させ、粘度上昇を低く抑えることができる。
【0026】
無機充填材を配合する場合、その粒度については特に限定されないが、平均粒径が1〜20μmであることが好ましい。これにより、組成物中での分離沈降を少なくし、組成物の粘度上昇を小さく抑えることができる。平均粒径が1μm未満では、粒子径が小さいため粘度上昇やチキソ性が現れ、取り扱い上好ましくない場合がある。また、平均粒径が20μmを越えると保存時に無機充填材の沈降を生じることがある。
【0027】
なお、本発明の組成物には、以上に説明した配合物のほかに、本発明の目的に反しない範囲において、必要に応じて、染料、変性剤、チキソ性付与剤、着色防止剤、老化防止剤、離型剤、反応性ないしは非反応性の希釈剤等の添加剤を配合することができる。
【0028】
本発明の組成物は、通常のエポキシ樹脂組成物の製造方法と同様な、一般的な撹拌混合装置と加工条件を適用して製造することができる。使用される装置としては、ミキシングロール、ディゾルバ、プラネタリミキサ、ニーダ、押し出し機等である。加工条件としてはエポキシ樹脂等を溶解および/または低粘度化し撹拌混合効率を向上させるために加熱してもよい。また、摩擦発熱、反応発熱等を除去するために冷却してもよい。撹拌混合の時間は必要により定めることができ、特に制約されることはない。
【0029】
【実施例】
以下実施例と比較例により本発明を説明する。
表1に示す原材料と配合量により、プラネタリミキサを用いて常温で均一分散されるまで十分に撹拌混合を行い、組成物を得た。表1の配合量はすべて重量部である。
【0030】
【表1】
Figure 2004292763
【0031】
1.表の注(原材料)
(1)エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂A:ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂・エポキシ当量 約170)
・エポキシ樹脂B:ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂・エポキシ当量 約190)
(2)硬化剤
・イミダゾール化合物A:味の素ファインテクノ社製・「アミキュアPN−23」(イミダゾールのエポキシ樹脂アダクト硬化剤)
・イミダゾール化合物B:味の素ファインテクノ社製・「アミキュアPN−40」(イミダゾールのエポキシ樹脂アダクト硬化剤)
・MTHPA:日立化成工業社製・「HN−2200」(メチルテトラヒドロ無水フタル酸)
・酸無水物A:日立化成工業社製・「HN−5500」(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)
・酸無水物B:日本化薬製・「MNA」(無水メチルナジック酸)
・アミン系化合物:味の素ファインテクノ社製・「アミキュアMY−24」(脂肪族ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト硬化剤)
(3)キシレン樹脂
・キシレン樹脂A:三菱瓦斯化学社製・「ニカノールLLL」(数平均分子量=340)
(4)着色料
・顔料:三菱化成工業社製・「MA−600」(カーボンブラック)
(5)チキソ付与剤
・日本アエロジール社製・「Aerosil#200」(コロイダルシリカ)
(6)添加剤
・消泡剤:信越化学工業社製・「KS−603」(シリコン系化合物)
【0032】
実施例および比較例の組成物について、以下の項目の評価を行った。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004292763
【0033】
2.表の注(測定方法)
(1)粘度(25℃):EH型粘度計(東機産業社製)による。ロータの型式は3度コーンを用いた。
(2)ゲルタイム:150℃熱盤を用いて測定した。
(3)保存安定性:組成物の製造直後の粘度(V)を測定し、一方、容量200gの容器内に充填密封した組成物を30℃の雰囲気で保存し、粘度(V)を経時的に測定した。これらの粘度の比率(V/V:粘度変化比率 )が2.0を超えたときの保存日数を保存安定性とした。この日数が長いほど保存性が良好であることを示し、3日以上であることが好ましい。
(4)充填性:25mm×75mmのスライドガラス(厚み約1.2mm)上に、直径150μmの球状スペーサーを4隅に介して18mm×18mmのカバーガラス(厚み約0.5mm)を接着し、充填用の空間を作成した。室温に保持した状態で、組成物をシリンジで一辺に滴下し、10分間放置後硬化炉(120℃)に入れて30分間硬化させ、硬化後の試料の外観を観察した。カバーガラス外周部からの組成物のはみ出しが1mm以内に収まり、充填用の空間が空隙なく充填されているものを○とした。
(5)流れ込み性:25mm×75mmのスライドガラス(厚み約1.2mm)上に、直径150μmの球状スペーサーを4隅に介して18mm×18mmのカバーガラス(厚み約0.5mm)を接着し、充填用の空間を作成した。60℃に保持した状態で、組成物をシリンジで一辺に滴下し、充填用の空間が組成物で充填されるまでの時間を測定した。
(6)分離未硬化物:75mm×25mmの鋼鈑(厚み約1.2mm)を、2枚張り合わせて、接合した上面に組成物を塗布した。これを常温で2時間放置した後、100℃の硬化炉で1時間加熱処理した。硬化後、鋼鈑を剥がして、接合面部分に粘稠な未硬化樹脂が存在しないものを○、存在するものを×とした。
(7)接続信頼性:12mm×12mmのBGA(0.8mmピッチ、132ピン、半田ボール径0.46mm)を搭載した回路基板に組成物を充填して、ヒートサイクル処理(−40℃/85℃ 各30分間を1サイクルとした)を行った。これを100サイクル実施するごとにBGAの接続の有無を測定し、1000サイクル実施しても導通異常が発生しなかったものを○、導通異常が発生したものは、導通異常が発生する直前のサイクル数を確認した。
【0034】
また、実施例6〜8、比較例2については、下記の手順によりリペア性の評価を行った。
(ア)エポキシ樹脂硬化物(5mm×13mm×10mm厚み)の一面(5mm×13mm)に樹脂組成物を0.3mm厚みとなるように塗布した。これを、35μm厚みのレジストを印刷したガラス基材エポキシ樹脂回路基板(0.8mm厚み)の所定の位置に搭載して、樹脂組成物の塗布面と基板のレジスト面とを接着し、100℃で60分間加熱硬化した。
(イ)加熱硬化処理後の上記基板を、200℃に加熱した熱盤上に基板が下側になるようにして5分間放置後、ピンセットでエポキシ樹脂硬化物を上方に引き上げ、基板から引き剥がした。基板側については、マイクロスパチュラで表面に残った組成物を、基板を傷つけないように除去した後、熱盤上から下ろして、アセトン溶剤で拭き取った。
(ウ)エポキシ樹脂硬化物側については、引き剥がした面(5mm×13mm)を観察し、組成物の残存率を計算した。
以上の評価の結果、組成物の残存率はいずれも30%未満であり、基板側の回路やレジストに破壊が見られず、良好な結果が得られた。
【0035】
表1、2から明らかなように、実施例1〜8はいずれも、エポキシ樹脂、硬化剤としてイミダゾール系化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を含有する本発明の組成物であり、保存安定性、硬化性、充填性、流れ込み性、接続信頼性において良好な結果が得られた。一方、比較例1、2はともに硬化剤としてメチルテトラヒドロ無水フタル酸を配合しないものであるが、接続信頼性が低下した。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、 CSPやBGA等の半導体装置と、この半導体装置が電気的に接続される配線基板との間を封止するアンダーフィル材料に用いられる一液型エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤としてイミダゾール系化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を含有することを特徴とするものである。本発明の組成物は、保存安定性、硬化性、充填性、流れ込み性、及び接続信頼性に優れるものであり、半導体装置用アンダーフィル材料として有用である。

Claims (5)

  1. 半導体装置と、この半導体装置が電気的に接続される基板との間を封止するアンダーフィル材料に用いられる一液型エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤としてイミダゾール系化合物とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を含有することを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記イミダゾール系化合物5〜50重量部を含有する請求項1に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記メチルテトラヒドロ無水フタル酸1〜40重量部を含有する請求項1又は2に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  4. さらに、キシレン樹脂を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記キシレン樹脂5〜40重量部を含有する請求項4に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
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JP2009038002A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Kanhin Kagaku Kofun Yugenkoshi 異方性導電材料
JP2010090236A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Ajinomoto Co Inc 樹脂組成物

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