JP2001329032A - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2001329032A
JP2001329032A JP2000150053A JP2000150053A JP2001329032A JP 2001329032 A JP2001329032 A JP 2001329032A JP 2000150053 A JP2000150053 A JP 2000150053A JP 2000150053 A JP2000150053 A JP 2000150053A JP 2001329032 A JP2001329032 A JP 2001329032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxymethylene copolymer
polymerization
catalyst
dioxolane
oxymethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000150053A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4605322B2 (ja
Inventor
Hisahiro Nakamura
尚弘 中村
Akira Okamura
顕 岡村
Masanori Furukawa
昌典 古川
Isamu Masumoto
勇 増本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2000150053A priority Critical patent/JP4605322B2/ja
Priority to US09/855,781 priority patent/US6433128B2/en
Priority to EP05015202A priority patent/EP1607422B1/en
Priority to DE60127491T priority patent/DE60127491T2/de
Priority to EP01111923A priority patent/EP1158010B1/en
Priority to KR1020010027926A priority patent/KR100753387B1/ko
Publication of JP2001329032A publication Critical patent/JP2001329032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4605322B2 publication Critical patent/JP4605322B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オキシメチレン共重合体の靱性や熱安定性を
保持したまま、オキシメチレン単独重合体の如き高い機
械的強度や剛性を有するオキシメチレン共重合体を提供
する。 【解決手段】 トリオキサンと1,3−ジオキソランを
カチオン活性触媒を用いて共重合するにあたり、1,3
−ジオキソランをトリオキサンに対して1.1〜2.9
モル%使用し、かつ触媒を1,3−ジオキソランに対す
るモル比で、0.0001≦〔触媒〕/〔1,3−ジオ
キソラン〕≦0.004を満たす量を使用する、熱安定
性に優れたオキシメチレン共重合体を、90%以上の収
率で製造するオキシメチレン共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い剛性および靭
性を有し、熱安定性に優れたオキシメチレン共重合体
を、高収率で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシメチレン重合体は、機械的及び熱
的性能に優れており、代表的なエンジニアプラスチック
として、近年極めて広範囲の分野において利用されてい
る。しかし、オキシメチレン重合体が利用される分野の
拡大に伴い、その材料としての性質にも、更に一層の改
良が求められている。現在、市場に供給されているオキ
シメチレン重合体には、大別してオキシメチレン単独重
合体とオキシメチレン共重合体がある。オキシメチレン
単独重合体は機械的強度や剛性が高く、耐疲労性、耐摩
耗性などの力学的特性が優れているが、熱安定性や耐熱
水性が劣る。逆にオキシメチレン共重合体は機械的強度
や剛性が劣るものの、靭性や柔軟性に優れており、その
分子鎖中に分解を抑える安定な共重合ユニットを含むた
め、熱安定性が高い。これら両者の特性を生かした、剛
性、靭性、熱安定性のバランスのとれたオキシメチレン
重合体が望まれていた。
【0003】かかる課題に対し、特にオキシメチレン共
重合体における機械的強度や剛性を改良するために、強
化用充填剤等の各種添加剤を配合することも考えられる
が、靭性が大きく損なわれてしまう。また、WO98/
29483号には、オキシメチレンモノマー単位からな
るポリマー鎖中にオキシメチレンモノマー単位100モ
ル当たり0.01〜1.0モルのオキシアルキレンコモ
ノマー単位がランダムに挿入された構造を有する高剛性
オキシメチレン重合体が開示されている。しかしなが
ら、この挿入量では高い剛性は得られるものの、熱安定
性の低下が大きく、機械的性質及び熱安定性のバランス
の点では未だ満足するものではない。
【0004】また、特開平8−59767号には、1,
3−ジオキソランを共重合成分として使用して製造した
オキシメチレン共重合体は熱安定性不良原因となる不安
定部分が、エチレンオキサイドを共重合成分とするオキ
シメチレン共重合体よりも少なく、さらに不安定部分の
生成量は、使用する1,3−ジオキソラン量および触媒
量に依存し、不安定部分の生成を抑制するためには、触
媒の使用量をある一定量以下とする必要があることが開
示されている。しかしながら、この1,3−ジオキソラ
ン量および触媒量では、熱安定性は改良されるものの、
剛性についてはさほど改善されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、従来技術におい
て、重合収率を改良する方法は、使用触媒量の増量であ
るが、触媒量の単純な増加は不安定部分の生成を促進
し、好ましくないことは公知である。しかしながら、本
発明者らが検討したところ、ある一定量以下の1,3−
ジオキソランを使用することで、製造時における共重合
体の生成速度が増加するため、触媒量をさほど増加させ
なくても、オキシメチレン共重合体が高収率で得られる
ことが明らかとなった。
【0006】さらに、特定の1,3−ジオキソラン量と
特定の触媒量を使用して、製造されたオキシメチレン共
重合体の機械的性質に関しては、オキシメチレン単独重
合体並の高い剛性が得られるだけでなく、従来のオキシ
メチレン共重合体並の高い靭性を保持することも明らか
となった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、ポリオ
キシメチレン単独重合体およびオキシメチレン共重合体
両者の特性を生かし、オキシメチレン共重合体の本来有
する靭性や熱安定性を保持したまま、オキシメチレン単
独重合体並の機械的強度や剛性を有するオキシメチレン
共重合体を高収率で得ることにある。
【0008】
【課題が解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、トリオキサンと特定
量の1,3−ジオキソランを共重合するにあたり、特定
量の触媒を使用することにより、上記目的を達成しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、トリオキサンと
1,3−ジオキソランをカチオン活性触媒を用いて共重
合するにあたり、1,3−ジオキソランをトリオキサン
に対して1.1〜2.9モル%使用し、かつ触媒を1,
3−ジオキソランに対するモル比で、0.0001≦
〔触媒〕/〔1,3−ジオキソラン〕≦0.004を満
たす量を使用する、熱安定性に優れたオキシメチレン共
重合体を、90%以上の高収率で製造するオキシメチレ
ン共重合体の製造方法である。
【0010】本発明における重合方法としては、塊状重
合法、溶融重合法等がある。例えば、好ましい重合方法
としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法か、または
モノマーに対して20%以下の溶媒を用いる準塊状重合
法があり、溶融状態にあるモノマーを用いて重合し、重
合の進行と共に塊状及び粉状化した固体のポリマーを得
る方法である。
【0011】本発明における原料モノマーはホルムアル
デヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノ
マーとしては1,3−ジオキソランが用いられる。1,
3−ジオキソランの添加量は、トリオキサンに対して
1.1〜2.9モル%で、好ましくは1.1〜2.5モ
ル%である。1,3−ジオキソランの使用量がこれより
多い場合は重合収率が低下し、少ない場合は熱安定性が
低下する。
【0012】本発明において、触媒は、1,3−ジオキ
ソランに対するモル比で、0.0001≦〔触媒〕/
〔1,3−ジオキソラン〕≦0.004を満たす量を、
好ましくは、0.0001≦〔触媒〕/〔1,3−ジオ
キソラン〕≦0.003を満たす量を、より好ましく
は、0.0001≦〔触媒〕/〔1,3−ジオキソラ
ン〕≦0.002を満たす量を使用する。触媒の使用量
がこれより多い場合は熱安定性が低下し、少ない場合は
重合収率が低下する。
【0013】本発明の重合触媒としては、一般のカチオ
ン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒
としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リ
ン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三
フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リ
ン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチ
モン、およびその錯化合物または塩の如き化合物。ま
た、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン
酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパーク
ロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン
酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸
との混合無水物。さらに、トリエチルオキソニウムヘキ
サフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフ
ルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラー
ト、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸または
その酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含
む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯
体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である
三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素
ジブチルエーテラートは特に好ましい。
【0014】本発明の重合法において、オキシメチレン
共重合体の分子量調節のために、必要ならば適当な分子
量調節剤を用いても良い。分子量調節剤としては、カル
ボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミ
ド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられ
る。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メ
チラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用
いられ、最も好ましいのはメチラールである。分子量調
節剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液で使用
する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エ
チレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられ
る。
【0015】本発明に用いられる重合装置は、バッチ
式、連続式のいずれでも可能であり、バッチ式重合装置
としては、一般的に用いられる攪拌機付きの反応槽が使
用できる。連続式重合装置としては、重合時の急激な固
化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制
御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニ
ング機能を備えたニ−ダ−、二軸スクリュー式連続押出
混練機、二軸のパドル型連続混合機、その他、これまで
に提案されているトリオキサンの連続重合装置が使用可
能で、2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用す
ることもできる。
【0016】本発明の実施において、60〜90%の重
合収率(境界収率と定義する)前後の重合温度の制御は
重要である。境界収率は、好ましくは65〜90%、よ
り好ましくは70〜90%、最も好ましくは80〜90
%である。重合温度は重合収率が境界収率に達するまで
は、60〜115℃に、好ましくは60〜110℃に、
より好ましくは60〜100℃に、最も好ましくは60
〜90℃の範囲に保たれるべきである。また重合収率
が、境界収率以上においては、0〜100℃に、好まし
くは0〜80℃に、より好ましくは0〜70℃に、最も
好ましくは0〜60℃の範囲に保たれるべきである。重
合収率が境界収率に達するまでの重合温度がこれより高
いと、熱安定性が低下し、かつ重合収率も低下する。ま
た低い場合は、熱安定性は保持されるが、この場合も重
合収率は低下する。境界収率以上における重合温度がこ
れより高い場合は熱安定性が低下し、低い場合は、重合
機の撹拌動力のトルク上昇をきたす等の不都合が発生す
る。また、境界収率以上における重合温度は、境界収率
に達するまでの温度より高くなってはならない。もしこ
れが逆転すると、熱安定性が低下する。
【0017】本発明の実施において重合時間は触媒量、
重合温度とも関係し、特に制限はないが、一般には0.
25〜120分の重合時間が選ばれ、特に1〜30分と
するのが好ましい。
【0018】重合を完了し、重合機から排出される粗重
合体は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて重合触媒
の失活化を行い重合反応を停止することが必要である。
本発明では、通常、重合収率が90%以上、好ましくは
95%以上、より好ましくは97%以上に達した時点で
触媒を失活させ重合を停止する。
【0019】本発明の失活剤としては、三価の有機リン
化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金
属の水酸化物などが使用できる。アミン化合物として
は、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、
ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類、その他公知の触
媒失活剤が使用できる。例えば、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミ
ン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、
アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、
モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の
有機リン化合物および三級アミンは好ましく、トリフェ
ニルホスフィンが最も好適である。
【0020】失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場
合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、
水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケト
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレン
ジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が
使用可能である。
【0021】いずれの場合も失活処理は、粗重合体は微
細な粉粒体であることが好ましく、このためには重合反
応機が塊状重合物を充分粉砕する機能を有するものが好
ましく、また、重合後の反応物を別に粉砕機を用いて粉
砕した後に失活剤を加えてもよく、更に失活剤の存在下
で粉砕と攪拌を同時に行ってもよい。また粉砕は、粉砕
後の粒度が、標準ふるいを用いRo−Tap(ロータッ
プ)シェーカーによってふるい分けして、100wt%
が10メッシュの篩を通過し、そのうち90wt%以上
が20メッシュの篩を、60wt%以上が60メッシュ
の篩をそれぞれ通過するような粒度となるように粉砕す
ることが望ましい。このような粒度まで粉砕が行われな
い場合は、失活剤と触媒の反応は完結せず、従って残存
した触媒によって徐々に解重合が進行して分子量低下を
生じる。
【0022】本発明において重合触媒の失活を行った共
重合体は高収率で得られるため、そのまま後段の安定化
工程に送ることができるが、一層の精製が必要であるな
らば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を経る
ことができる。
【0023】安定化工程では、下記(1)および(2)
に記載される安定化方法を採用することができる。 (1)上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶
融して、不安定部分を除去する方法。 (2)上記で得られたオキシメチレン共重合体を水性媒
体中で加水分解して、不安定部分を除去する方法。 これらの方法により安定化した後、ペレット化し、安定
化された成形可能なオキシメチレン共重合体を得ること
ができる。
【0024】上記の方法のうち、(1)の方法が(2)
の方法に比べて、工程が単純であり、工業的方法として
好ましい。すなわち、(1)の方法を採用する場合は、
オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高
い温度までの範囲で、760〜0.1Torrの圧力下にお
いて溶融混練することが好ましい。処理温度がオキシメ
チレン共重合体の溶融温度より低い場合は、不安定部分
の分解温度が不充分となり、安定化の効果が得られな
い。また、その溶融温度から100℃高い温度を越える
場合は、黄変を起こしたり、熱によるポリマーの主鎖分
解を起こしたり、同時に不安定部分が生成し熱安定性を
損なう結果となり好ましくない。また、処理時の圧力と
しては、760Torrより高い場合は、不安定部分の分解
により生じた分解ガスを系外に除去する効果が低く、充
分な安定化効果が得られない。また0.1Torrより低い
場合は、このような高減圧度を得るための装置が高価と
なり、工業的不利益が生ずるばかりでなく、吸引ベント
口より溶融樹脂が流出し易くなり、運転上のトラブルを
起こしやすく好ましくない。
【0025】また、本発明において、上記安定化処理に
用いる装置としては、単軸または2軸以上のベント付押
出機を使用することができる。押出機は必要な滞留時間
を得るために、2台以上の押出機を直列に配置する方法
は有利な方法である。これらの安定化処理に際して、オ
キシメチレン共重合体の溶融混練時に、酸化防止剤、熱
安定剤等の安定剤を添加して安定化処理を行うことがで
きる。
【0026】使用できる酸化防止剤としては、トリエチ
レングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペン
タエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の
立体障害性フェノール類が挙げられる。熱安定剤として
は、メラミン、メチロ−ルメラミン、ベンゾグアナミ
ン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン等
のアミン置換トリアジン類、ポリアミド類、尿素誘導
体、ウレタン類等およびナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウムの無機酸塩、水酸化物、
有機酸塩等が挙げられる。
【0027】また、本発明の方法により製造されたオキ
シメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、離型
剤、あるいはポリエチレングリコール、グリセリンのよ
うな帯電防止剤、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフ
ェノン系化合物のような紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系のような光安定剤等の添加剤を所望により添加する
ことができる。
【0028】以下に本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものでないことは言う
までもない。なお、実施例、比較例中の用語および測定
方法を以下に示す。
【0029】連続重合機:二つの円が一部重なった内断
面を有し、内断面の長径が20cmであり、周囲にジャ
ケットを有する長いケース内に1対のシャフトを備え、
それぞれのシャフトには互いにかみ合う擬三角形板が多
数はめ込まれ、擬三角形板の先端でケース内面および相
手の擬三角形板の表面をクリーニングできる連続混合
機。 重合収率:停止処理を施した、粗共重合体20gを20
mlのアセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗
浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施した。
しかる後、精秤し、以下の式により重合収率を決定し
た。 重合収率=M1 /M0 ×100 M0:アセトン処理前の重量 M1:アセトン処理、乾燥後の重量 加熱重量減少率:粗重合体を10-2Torr減圧下で60
℃、24時間乾燥した後、60メッシュの篩を通過した
粗重合体粉末2gに安定剤(チバガイギー社製:イルガ
ノックス245(4.0%))を加え、よく混合してから試
験管に入れ、窒素置換後10Torr減圧下で222℃、2
時間加熱した場合の重量減少率を示す。 極限粘度:2%のα−ピネンを添加したp−クロロフェ
ノール溶媒中に、粗共重合体を0.1重量%溶解して、
60℃で測定した。 機械的物性:オキシメチレン共重合体の曲げ特性、引張
特性をそれぞれASTMD790、ASTM D638
に従って測定した。 滞留熱安定性:オキシメチレン共重合体を、75ton
の型締圧を有する射出成形機を用いて、シリンダー温度
240℃でシリンダー内に一定時間滞留させ、シルバー
ストリークの発生するまでの所要滞留時間を測定した。
値が大きいほど熱安定性が良好なことを示す。
【0030】実施例1〜6 連続重合装置として、前述の連続重合機2台および停止
剤混合機(シャフトには互いにかみ合う擬三角形板の代
わりにスクリュー様の羽根が多数はめ込まれた構造を有
し、供給口部分から停止剤溶液を注入し、連続的に重合
体と混合せしめる連続重合機)を直列に接続したものを
使用し、オキシメチレン共重合体の製造を実施した。第
1段目の重合機の入口に、80kg/hr(889km
ol/hr)のトリオキサンおよび表1に示した量の
1,3−ジオキソランと、触媒として三フッ化ホウ素ジ
エチルエーテラートを連続的に供給した。また分子量調
節剤としてメチラールを、極限粘度1.1〜1.5dl
/gに調節するのに必要な量を連続的に供給した。ベン
ゼンの合計使用量はトリオキサンに対して1重量%以下
であった。また、停止剤混合機の入口より、使用した触
媒量の2倍モルのトリフェニルホスフィンをベンゼン溶
液で連続的に供給し、重合を停止し、出口よりオキシメ
チレン粗共重合体を収得した。なお、連続重合機は、各
々シャフト回転数を約40rpmとし、また第1段目ジ
ャケット温度を65℃、第2段目および停止剤混合機ジ
ャケット温度を各々40℃に設定して重合運転を行っ
た。得られた粗共重合体の重合収率、加熱重量減少率を
測定し、その結果を表1に示した。また、得られた粗共
重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品
名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.
1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、
混合した後、ベント付2軸押出機に供給し、160Torr
の減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。これ
らの滞留熱安定性および射出成形により試験片を成形し
て機械的物性を測定し、その結果を表1に示した。
【0031】比較例1〜2、参考例1 表1に示した触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラー
ト)量を使用する以外は、実施例1〜7と同様に繰り返
した。また、オキシメチレン単独重合体として旭化成工
業社製テナック4010を使用した場合について、実施
例1〜6と同様に機械的物性および滞留熱安定性を測定
した。結果は併せて表1に示した。
【0032】実施例7〜12 表1に示した1,3−ジオキソラン量および触媒(三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外
は、実施例1〜6と同様に繰り返した。結果は表1に示
した。
【0033】比較例3〜4 表1に示した触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラー
ト)量を使用する以外は、実施例7〜12と同様に繰り
返した。結果は表1に示した。
【0034】実施例13〜15 表1に示した1,3−ジオキソラン量および触媒(三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外
は、実施例1〜6と同様に繰り返した。結果は表1に示
した。
【0035】比較例5〜6 表1に示した1,3−ジオキソラン量および触媒(三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外
は、実施例13〜15と同様に繰り返した。結果は表1
に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明のオキシメチレン共重合体の製造
方法は、オキシメチレン共重合体の靭性や熱安定性を保
持したまま、オキシメチレン単独重合体の如き高い機械
的強度や剛性を有するオキシメチレン共重合体が高収率
で得られる。
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月23日(2000.5.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】かかる課題に対し、特にオキシメチレン共
重合体における機械的強度や剛性を改良するために、強
化用充填剤等の各種添加剤を配合することも考えられる
が、靱性が大きく損なわれてしまう。また、WO98/
29483号には、オキシメチレンモノマー単位からな
るポリマー鎖中にオキシメチレンモノマー単位100モ
ル当たり0.01〜1.0モルのオキシアルキレンコモ
ノマー単位がランダムに挿入された構造を有する高剛性
オキシメチレン重合体が開示されている。しかしなが
ら、この成形品では高い剛性は得られるものの、熱安定
性の低下が大きく、機械的性質及び熱安定性のバランス
の点では未だ満足するものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増本 勇 三重県四日市市日永東二丁目4番16号 三 菱瓦斯化学株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 4J032 AA04 AA05 AB04 AB06 AC02 AC03 AC13 AC18 AC23 AD37 AD41 AD51 AE01 AE03 AE13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオキサンと1,3−ジオキソランを
    カチオン活性触媒を用いて共重合するにあたり、1,3
    −ジオキソランをトリオキサンに対して1.1〜2.9
    モル%使用し、かつ触媒を1,3−ジオキソランに対す
    るモル比で、0.0001≦〔触媒〕/〔1,3−ジオ
    キソラン〕≦0.004を満たす量を使用する、熱安定
    性に優れたオキシメチレン共重合体を90%以上の高収
    率で製造するオキシメチレン共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 カチオン活性触媒が三フッ化ホウ素ある
    いはその配位化合物である請求項1に記載のオキシメチ
    レン共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合収率が少なくとも90%の時点で、
    生成したオキシメチレン共重合体と重合停止剤とを接触
    させる請求項1〜2に記載のオキシメチレン共重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 重合停止剤が三級アミンである請求項3
    に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合停止剤がトリフェニルホスフィンで
    ある請求項3に記載のオキシメチレン共重合体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 得られたオキシメチレン共重合体を、安
    定化処理する請求項3に記載のオキシメチレン共重合体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 安定化処理が、オキシメチレン共重合体
    をその溶融温度から100℃高い温度までの温度範囲
    で、760〜0.1Torrの圧力下に溶融混練して行われ
    る請求項6に記載のオキシメチレン共重合体の製造方
    法。
JP2000150053A 2000-05-22 2000-05-22 オキシメチレン共重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP4605322B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000150053A JP4605322B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 オキシメチレン共重合体の製造方法
US09/855,781 US6433128B2 (en) 2000-05-22 2001-05-16 Process for producing oxymethylene copolymer
EP05015202A EP1607422B1 (en) 2000-05-22 2001-05-18 Process for producing oxymethylene copolymer
DE60127491T DE60127491T2 (de) 2000-05-22 2001-05-18 Verfahren zur Herstellung von Oxymethylencopolymeren
EP01111923A EP1158010B1 (en) 2000-05-22 2001-05-18 Process for producing oxymethylene copolymer
KR1020010027926A KR100753387B1 (ko) 2000-05-22 2001-05-22 옥시메틸렌 공중합체의 제조 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000150053A JP4605322B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 オキシメチレン共重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001329032A true JP2001329032A (ja) 2001-11-27
JP4605322B2 JP4605322B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=18655824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000150053A Expired - Fee Related JP4605322B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 オキシメチレン共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4605322B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195755A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オキシメチレン共重合体組成物
JP2008195777A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オキシメチレン共重合体組成物
WO2014196385A1 (ja) 2013-06-03 2014-12-11 三菱瓦斯化学株式会社 オキシメチレン共重合体の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0517547A (ja) * 1991-07-12 1993-01-26 Toray Ind Inc オキシメチレンコポリマの製造方法
JPH07330848A (ja) * 1994-06-13 1995-12-19 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 熱安定性等に優れたオキシメチレン共重合体の製造方法
JPH08325341A (ja) * 1995-05-31 1996-12-10 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オキシメチレン共重合体の製造方法
JPH09272725A (ja) * 1996-04-02 1997-10-21 Polyplastics Co ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH09278851A (ja) * 1996-04-09 1997-10-28 Polyplastics Co ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH09302055A (ja) * 1996-05-17 1997-11-25 Polyplastics Co ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH10130350A (ja) * 1996-10-24 1998-05-19 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリオキシメチレン共重合体成形材料

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0517547A (ja) * 1991-07-12 1993-01-26 Toray Ind Inc オキシメチレンコポリマの製造方法
JPH07330848A (ja) * 1994-06-13 1995-12-19 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 熱安定性等に優れたオキシメチレン共重合体の製造方法
JPH08325341A (ja) * 1995-05-31 1996-12-10 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オキシメチレン共重合体の製造方法
JPH09272725A (ja) * 1996-04-02 1997-10-21 Polyplastics Co ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH09278851A (ja) * 1996-04-09 1997-10-28 Polyplastics Co ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH09302055A (ja) * 1996-05-17 1997-11-25 Polyplastics Co ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH10130350A (ja) * 1996-10-24 1998-05-19 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリオキシメチレン共重合体成形材料

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195755A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オキシメチレン共重合体組成物
JP2008195777A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オキシメチレン共重合体組成物
WO2014196385A1 (ja) 2013-06-03 2014-12-11 三菱瓦斯化学株式会社 オキシメチレン共重合体の製造方法
KR20160014589A (ko) 2013-06-03 2016-02-11 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 옥시메틸렌 공중합체의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4605322B2 (ja) 2011-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6024749B2 (ja) オキシメチレン共重合体の製造方法
EP0129369B2 (en) Method of manufacturing a copolymer of trioxane
JP2011137087A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP3309641B2 (ja) オキシメチレン共重合体の製造方法
JP4605322B2 (ja) オキシメチレン共重合体の製造方法
JP2008195777A (ja) オキシメチレン共重合体組成物
JP2008195755A (ja) オキシメチレン共重合体組成物
US6433128B2 (en) Process for producing oxymethylene copolymer
JP2005272707A (ja) ポリオキシメチレン共重合体の製造方法
JP4471050B2 (ja) オキシメチレン共重合体の製造方法
JP5225529B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JPS5851014B2 (ja) 重合反応の停止方法
JP4247586B2 (ja) 重合反応の停止方法
JP4092545B2 (ja) オキシメチレン共重合体の連続製造方法
JP3853506B2 (ja) ポリアセタール樹脂の製造方法
JP4169868B2 (ja) ポリオキシメチレン共重合体及びその製造方法
AU738001B2 (en) Process for producing stabilized oxymethylene copolymer
KR100270820B1 (ko) 옥시메틸렌 공중합체의 제조방법
JP2960325B2 (ja) ポリオキシメチレン共重合体及びその製造法
JP2004352913A (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法
JP5066832B2 (ja) 高靭性ポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
JP2005225973A (ja) ポリオキシメチレン共重合体の製造方法
JP2000290336A (ja) 重合反応の停止方法
CN115232434A (zh) 聚甲醛树脂组合物
KR100614024B1 (ko) 옥시메틸렌 공중합체의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100921

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4605322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees