JP4092545B2 - オキシメチレン共重合体の連続製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の連続製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オキシメチレン共重合体の工業的に長期間安定した連続運転可能な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オキシメチレン共重合体は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、及び成形性等において優れた特性を持っており、構造材料や機構部品等として電気機器、自動車部品、及び精密機械部品等に広く使用されている。
近年、益々その利用範囲が広がり、当該樹脂に対するより高度な性能要求と共に、低コスト化の要求も高く、オキシメチレン共重合体を高収率で得る方法が求められている。
オキシメチレン共重合体を高収率で得る方法として、触媒種の検討、モノマー種、重合停止剤、安定剤、重合条件、或いは重合装置の検討など様々な改良が行われ多数の特許が出願されている。
【0003】
また、オキシメチレン共重合体を工業的に連続的に安定製造を行う上で、原料及び触媒の重合機への導入法について改良した特許が出願されている。
例えば、特開平2−6529号公報では触媒を予め重合反応器に入る前に環状エーテルと合流させて、0.1〜10分以内で触媒の活性化を行い、その後トリオキサンと接触する様に重合反応器に供給する方法、特開平4−65413号公報では、予め一部の環状エーテルと重合触媒とを混合し予備重合させてトリオキサンに添加すると共に、別に環状エーテルを単独でトリオキサンに添加しこれらを反応させる方法、特開平4−65412号公報では、特開平4−65413号での予備重合時間を0.1〜10分以内とする方法、特公平7−42344号公報では、予め環状エーテルと重合触媒とを0〜100℃の温度で混合した混合物をトリオキサンに添加する方法が開示されている。
【0004】
また、特開平11−124422号公報では、1,3−ジオキソランの供給方向と触媒の供給方向とを同方向にしながら両者を接触、混合させ、得られる混合流の線速度が0.1m/秒以上となる条件下に0.1〜30秒間該混合流の混合を継続し混合物を得、続いて該混合物をトリオキサンと混合する方法が開示されている。
これらはトリオキサンや環状エーテルと触媒が接触混合することにより反応が進行し、両供給流の衝突的接触の起こる部位に固体状或いは粘調状の重合物が生成固着し、しいては閉塞を引き起こすという現象を改善するため、重合反応器に導入した溶融状態のトリオキサンに、環状エーテルと触媒の混合液を添加するという方法である。
しかし、これらの方法では、環状エーテルと重合触媒とを混合し予備重合させたり、また、両者を別々に導入するため重合反応器のサイズを長くするなどしなくてはならず、簡便な方法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、トリオキサンと1,3−ジオキソラン及びカチオン活性触媒が接触混合された以後の配管における、閉塞、或いは狭窄による重合機への供給不良を起こすことなく、長期的に安定な連続運転が可能なオキシメチレン共重合体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、トリオキサンと1,3−ジオキソランを別々に重合反応器に供給することなく、両者の混合原料液とカチオン活性触媒とを特定の条件下で接触混合させることにより上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液に重合触媒を混合し、重合機に導入してオキシメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、該混合原料液の線速度が0.1m/s以上であり、且つ該混合原料液と触媒を接触、混合させてから重合機に導入されるまでの時間を0.1〜30秒とするオキシメチレン共重合体の連続製造方法である。
トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液の線速度としては0.1m/s以上、好ましくは0.3m/s以上、さらに好ましくは0.5m/s以上である。
さらに、最も閉塞しやすい触媒供給配管先端部での閉塞を防止するために、重合触媒供給配管先端部が位置する部位の該混合原料液配管の内径を細くし、該混合原料液の線速度を上げるのも効果的であり、該部位における線速度は1.5m/s以上、さらには2m/s以上とすることが好ましい。
また、該混合原料液と重合触媒を接触、混合させてから重合機に導入されるまでの時間を0.1〜30秒とするのが良く、好ましくは0.1〜10秒、更に好ましくは0.1〜5秒である。
該混合原料液の線速度がこれより遅く、且つ該原料液と触媒を接触、混合させてから重合機に導入されるまでの時間が長いと、反応が進行し、固体状或いは粘調状の重合物が生成し配管における流路径の縮小、又は閉塞し供給不良を引き起こす。
【0008】
本発明における重合触媒の供給法としては、供給する線速度が0.01m/s以上、好ましくは0.05m/s以上、更に好ましくは0.1m/s以上であり、これより遅いと供給ノズル先端部で固体状の物質が生成し閉塞する。 また、重合触媒を不活性溶媒に希釈して混合原料液に供給するのがよく、希釈せずにそのまま供給すると、混合原料液に対して供給量が非常に少ないため線速度を大きくするためには配管径を細くしなくてはならず、しかも混合原料液と触媒の接触部である重合触媒供給ノズル先端部での重合触媒濃度が非常に高いため反応が進行し閉塞しやすくなる。
したがって、重合触媒を不活性溶媒に希釈して、0.001〜1mol/kg、好ましくは、0.01〜0.5mol/kg、更に好ましくは0.01〜0.1mol/kgの濃度とするのがよい。これより濃度を低くすると、該不活性溶媒を除去するのに効率的でない。
また、該重合触媒供給ノズルの内径は少なくとも0.5mm以上であることが望ましい。
【0009】
水平に置かれた重合反応器に垂直上方より供給されるトリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液の配管に導入する重合触媒溶液配管の投入角度(図1参照)は、水平面に対して10°以上90°以下、好ましくは30°以上90°以下である。
また、重合触媒溶液導入配管の先端出口断面を重合反応器側向きとし、且つ水平面に対して平行とするのが有効である。
これにより重合触媒溶液導入配管先端部での触媒の滞留が殆ど無く、速やかに重合反応器に供給されるため、固体状或いは粘調状の重合物の生成を抑制するのに効果的である。
さらに重合触媒溶液導入配管の先端が、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液配管の内壁面と接触させないように配置するのも、重合触媒溶液導入配管先端部、及び混合原料液配管の内壁面での触媒の滞留を抑制するのに効果的である。
【0010】
本発明におけるトリオキサンと1,3−ジオキソランを混合する前のトリオキサンの温度は65℃〜100℃、好ましくは70℃〜90℃、1,3−ジオキソランの温度は0℃〜70℃、好ましくは10℃〜60℃であり、且つその混合した混合原料液の温度は20℃〜100℃、好ましくは30℃〜90℃である。
これより温度が低いと、重合工程における反応速度が低下し、また、高いと反応速度が上がり配管中で重合物が生成しやすくなり閉塞の原因となるため好ましくない。
【0011】
本発明における重合方法としては、塊状重合法および、溶液重合法等が挙げられる。好ましい重合方法としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法である。これは溶融状態にあるモノマーを用いた重合法であり、重合の進行に伴い、塊状及び粉状化した固体のポリマーが得られる。
【0012】
本発明における原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノマーとしては1,3−ジオキソランが用いられる。1,3−ジオキソランの添加量に特に制限はないが、好ましくはトリオキサンに対して0.5〜20.0モル%である。1,3−ジオキソランの使用量がこれより多い場合は重合収率が低下し、少ない場合は熱安定性が低下する。
【0013】
本発明の重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、特にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートが特に好ましい。
前記触媒の使用量は、トリオキサン1モルに対して、通常1×10-7〜1×10-3モルであり、好ましくは1×10-7〜1×10-4モルである。触媒の使用量がこれより多いと熱安定性が低下し、少ないと重合収率が低下する。
【0014】
本発明の重合法において、オキシメチレン共重合体の分子量調節のために、必要に応じて適当な分子量調節剤を用いても良い。分子量調節剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられる。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用いられ、最も好ましいのはメチラールである。分子量調節剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液で使用する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
一般に、これら分子量調整剤は目標とする分子量に応じて、適宜添加量が調整される。
これら分子量調節剤は、通常、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液に供給される。添加位置に特に制限はないが、重合触媒を該混合原料液に供給する前に供給するのが好ましい。
【0015】
本発明に用いられる連続式重合装置としては、重合時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニング機能を備えたニ−ダ−、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機、その他、これまでに提案されているトリオキサンの連続重合装置が使用可能で、2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。これらのうちでも、互いに同方向に回転する1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う凸レンズ型、或いは擬三角形型のパドルが多数はめ込まれた連続式横型反応器が好ましい。
【0016】
本発明の実施において重合時間は、3分〜120分の重合時間が選ばれ、特に5分〜60分とするのが好ましい。重合時間がこれより短いと重合収率又は熱安定性が低下し、長いと生産性が悪くなる。
重合時間には、重合収率又は熱安定性の面から1,3−ジオキソランの割合によって好ましい下限が存在し、1,3−ジオキソランの割合が増加するに伴い重合時間も長くする必要がある。例えば、トリオキサン100モルに対して1,3−ジオキソランを11〜20モル共重合させる場合には、5分以上、好ましくは6分以上が適当である。
【0017】
本発明では、重合終了後、重合機から排出される粗重合体を直ちに触媒失活剤と混合接触させることにより、重合触媒の失活処理を行う。通常、重合収率が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上に達した時点で触媒を失活し重合を停止する。
【0018】
本発明の触媒失活剤としては、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などが使用できる。
アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類等が使用でき、具体的には、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。
これらの中でも三価の有機リン化合物および三級アミンが好ましく、特に好ましくはトリフェニルホスフィンである。
【0019】
失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の脂肪族または芳香族の各種有機溶媒が使用可能である。
【0020】
本発明における失活処理は、粗重合体が微細な粉粒体であることが好ましく、重合反応機は塊状重合物を充分粉砕する機能を有するものが好ましい。また、重合後の粗重合体を別に粉砕機を用いて粉砕した後に失活剤を加えてもよく、或いは、失活剤の存在下で粉砕と攪拌を同時に行ってもよい。粗重合体が微細な粉粒体でない場合は、樹脂中に含まれる触媒が十分に失活されず、従って残存した活性を有する触媒によって徐々に解重合が進行し分子量低下を生じる。
【0021】
本発明において重合触媒の失活処理を行った粗重合体は高収率で得られるため、そのまま後段の安定化工程に送ることができるが、一層の精製が必要であるならば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を経ることができる。
【0022】
安定化工程では、下記(1)および(2)に記載される安定化方法を採用することができる。
(1)上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶融して、不安定部分を除去する方法。
(2)上記で得られたオキシメチレン共重合体を水性媒体中で加水分解して、不安定部分を除去する方法。
これらの方法により安定化した後、ペレット化し、安定化された成形可能なオキシメチレン共重合体を得ることができる。
【0023】
上記の方法のうち、(1)の方法が(2)の方法に比べて、工程が単純であり、工業的方法として好ましい。すなわち、(1)の方法を採用する場合は、オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高い温度までの範囲で、常圧〜13Paの圧力下において溶融混練することが好ましい。処理温度がオキシメチレン共重合体の溶融温度より低い場合は、不安定部分の分解除去が不充分となり、安定化の効果が得られない。また、その溶融温度から100℃高い温度を越える場合は、黄変を起こしたり、熱によるポリマーの主鎖分解を起こしたり、同時に不安定部分が生成し熱安定性を損なう結果となり好ましくない。また、処理時の圧力としては、常圧より高い場合は、不安定部分の分解により生じた分解ガスを系外に除去する効果が低く、充分な安定化効果が得られない。また13Paより低い場合は、このような高減圧度を得るための装置が高価となり、工業的不利益が生ずるばかりでなく、吸引ベント口より溶融樹脂が流出し易くなり、運転上のトラブルを起こしやすく好ましくない。
【0024】
また、本発明において、上記安定化処理に用いる装置としては、単軸または2軸以上のベント付押出機を使用することができる。押出機は必要な滞留時間を得るために、2台以上の押出機を直列に配置する方法は有利な方法である。また、これら押出機とメガネ翼等2軸の表面更新型パドル式横型反応器を直列に配置する方法も好適に使用される。
これらの安定化処理に際して、オキシメチレン共重合体の溶融混練時に、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤を添加して安定化処理を行うことができる。
【0025】
使用できる酸化防止剤としては、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等の立体障害性フェノール類が挙げられる。これら立体障害性フェノール類の添加量は、オキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましく、0.01〜2.0重量部がより好ましい。
【0026】
熱安定剤としては、メラミン、メチロ−ルメラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン等のアミン置換トリアジン類、ポリアミド類、尿素誘導体、ウレタン類等およびナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの無機酸塩、水酸化物、有機酸塩等が挙げられる。
これらアミン置換トリアジン類の添加量は、オキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜1.0重量部である。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、或いは、アルコキシドからなる群より選ばれる化合物の添加量は、オキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.001〜5.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.001〜1.0重量部である。
【0027】
また、本発明の方法により製造されたオキシメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、蛍光増白剤、又はペンタエリスリトールテトラステアレート等の脂肪酸エステル系又はシリコン系化合物等の離型剤、ポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、高級脂肪酸塩、ポリエチレンワックス等の滑剤、シリコン系化合物等の摺動剤、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収剤、或いはヒンダードアミン系のような光安定剤等の添加剤を所望により添加することができる。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
〔実施例および比較例で使用した重合機の説明〕
連続重合機:二つの円が一部重なった内断面を有し、周囲にジャケットを有する長いケース内に互いに同方向に回転する1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う凸レンズ型パドル翼が多数はめ込まれ、凸レンズ型パドル翼の先端でケース内面および相手の凸レンズ型パドル翼の表面をクリーニングできる連続混合機。
【0030】
実施例1
連続重合装置として、前述の連続重合機2台および停止剤混合機(シャフトには互いにかみ合う凸レンズ型パドル翼の代わりにスクリュー様の羽根が多数はめ込まれた構造を有し、供給口部分から停止剤溶液を注入し、連続的に重合体と混合せしめる連続重合機)を直列に接続したものを使用し、オキシメチレン共重合体の製造を実施した。
図2に示したプロセス概略図のように、第1段目の重合機の入口に、80℃で保持されたトリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液(1,3−ジオキソラン組成5.1モル%)を線速度1.86m/s(供給速度150.3kg/hr)で、カチオン活性触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶液(0.59mol/kg)を線速度0.047m/s(供給速度150g/hr)で連続的に供給した。また、分子量調節剤としてメチラールをベンゼン溶液(3.34mol/kg)として215g/hrで連続的に供給した。
この際、触媒供給配管、及び分子量調節剤供給配管の投入角を45°とし、それぞれの配管出口断面を重合機側向きで、且つ水平面に対して平行となるように加工し設置した。
触媒と該混合原料液を接触混合させてから重合機に導入される時間(以後混合時間と記す)は0.2秒であった。
また、停止剤混合機の入口より、使用した触媒量の2倍モルのトリフェニルホスフィンをベンゼン溶液で連続的に供給し、重合を停止し、出口よりオキシメチレン粗共重合体を得た。連続重合機は、各々シャフト回転数を約40rpmとし、また第1段目ジャケット温度(重合温度)を65℃、第2段目および停止剤混合機ジャケット温度を各々50℃に設定して重合運転を行った。
この結果、48時間運転を行ったが原料の供給不良、及び配管の閉塞は起こらず、安定運転が行えた。
【0031】
実施例2
図3に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管先端部が位置する部位の該混合原料液配管の内径を細くし、該部位における混合原料液流の線速度を5.16m/s、それ以外の部位の線速度を0.46m/s、混合時間は0.8秒となるように配管径などを調節した以外は実施例1と同様に行った。
この結果、48時間運転を行ったが原料の供給不良、及び配管の閉塞は起こらず、安定運転が行えた。
【0032】
実施例3
図4に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管、及び分子量調節剤供給配管の投入角を90°とした以外は実施例1と同様に行った。
この結果、48時間運転を行ったが原料の供給不良、及び配管の閉塞は起こらず、安定運転が行えた。
【0033】
比較例1
実施例1において、配管径及び各供給量を調節して、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液流の線速度を0.05m/s、カチオン活性触媒溶液の線速度を0.031m/s、メチラール溶液の供給速度を143g/hr、混合時間7.4秒とした以外は同様に行った。
この結果、運転開始3時間後に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止した。
【0034】
比較例2
実施例1において、カチオン活性触媒溶液の濃度を5.9mol/kgとし、該触媒溶液の線速度を0.005m/sとした以外は同様に行った。
この結果、運転開始1時間後に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止した。
【0035】
比較例3
図5に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管、及び分子量調節剤供給配管の投入角を0°とした以外は実施例1と同様に行った。
この結果、運転開始5時間後に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止した。
【0036】
比較例4
図6に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管、及び分子量調節剤供給配管の投入角を90°とし、該触媒供給配管を混合原料配管内壁に接触するように設置した以外は実施例1と同様に行った。
この結果、運転開始2時間後に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止した。
【0037】
【発明の効果】
本発明のオキシメチレン共重合体の連続製造方法により、オキシメチレン共重合体を歩留まり良く高い収率で工業的に長期間安定して製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の触媒供給配管の投入角度を図示したものである。
【図2】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの一例を図示したものである。
【図3】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの一例を図示したものである。
【図4】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの一例を図示したものである。
【図5】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの一例を図示したものである。
【図6】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの一例を図示したものである。
【符号の説明】
1 トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液
2 メチラールのベンゼン溶液
3 三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶液
4 オキシメチレン共重合体
A トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液供給配管
B メチラールのベンゼン溶液の供給配管
C 三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶液の供給配管
D 重合機

Claims (4)

  1. トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液に重合触媒を混合し、重合機に導入してオキシメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、該混合原料液の線速度が0.1m/s以上であり、且つ該混合原料液と触媒を接触、混合させてから重合機に導入されるまでの時間が0.1〜30秒であり、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液配管に導入する触媒溶液配管の投入角度を、水平面に対して10°以上90°以下とし、触媒溶液導入配管の先端出口断面が、水平面に対して平行であり、触媒溶液導入配管の先端がトリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液配管の内壁面と接触させないことを特徴とするオキシメチレン共重合体の連続製造方法。
  2. トリオキサンと1,3−ジオキソランを混合する前のトリオキサンの温度が65℃〜100℃、1,3−ジオキソランの温度が0℃〜70℃であり、且つその混合した原料液の温度が20℃〜100℃であることを特徴とする請求項記載のオキシメチレン共重合体の連続製造法。
  3. 重合触媒が三フッ化ホウ素、及び/又は三フッ化ホウ素配位化合物である請求項記載のオキシメチレン共重合体の連続製造方法。
  4. 重合機が互いに同方向に回転する1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う凸レンズ型、或いは擬三角形型のパドルが多数はめ込まれた連続式横型反応器である請求項記載のオキシメチレン共重合体の連続製造方法。
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