JP6225523B2 - ポリアセタール樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタール樹脂の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、安定したポリマー品質、特にメルトフローインデックス、ポリマー色相、外観を得ることができるポリアセタール樹脂の製造方法に関する。
エンジニアリングプラスチックスの一つであるポリアセタール樹脂は、優れた機械的性質、摺動特性、摩擦・磨耗特性、耐薬品性などを有し、自動車、OA機器などの基幹部品として多く用いられている。ポリアセタール樹脂は、その規則的な一次構造に由来して高い結晶性を示し、その用途は射出成形分野を中心に拡大し、押出用途においても検討が進められている。その中で、非常に小さい精密ギアなどの製品では成形片1つに用いられるペレット個数も少なくなり、ペレット単位での品質の均一性が求められている。また、切削加工用の丸棒/板材などにおいては、ユーザーが切削して用いる際にポリマーの色相が安定せず、それがそのまま丸棒/板材に反映すると製品価値の低下に繋がる。また、すべての用途において、一部のペレットが変色や黒点を含むと外観不良を引き起こし、製品価値を低下たらしめる。これらはポリアセタール樹脂が装置内のデッドボリュームで長期的に滞留することで変質することでもたらされる。
ポリアセタール樹脂の中でもコポリマーの製造方法は種々知られるが、例えば重合工程で粗共重合体を得た後、所定の酸化防止剤や熱安定剤と共に融点以上の温度で溶融混練するとともに、熱的に不安定な部分を熱分解、減圧下で脱揮(以下、安定化と呼ぶ)を行う。その後、溶融状態を維持したままスクリーンを通して異物を濾過し、造粒、乾燥を経て製品ペレットを得る。製品ペレットの品質を均一にするためには、モノマー、重合、安定化、造粒といった各工程で運転条件を限りなく安定的に維持し、品質を一定にしたり、得られた粗ポリマーやペレットを均一にブレンドする方法などが考えられる。しかし、製品中のメルトフローインデックス、色相、外観の変動といった不具合は、プラントの稼働時間の経過とともに発生頻度が増加したり、もしくは条件変更における系内の圧力変動等により不定期に発生するという問題があった。粗共重合体を有効に安定化するために横型反応器を用いることが過去に開示されている(例えば特許文献1〜3)。特許文献1および2には横型反応器内部の液レベル、つまりは処理時間を一定にするために、供給用のスクリュー押出機および抜出用スクリュー押出機の回転数で調節することが示されているが、製品品質を維持する上でスクリーンを通過させて異物を除去する工程は欠かせない。その際には抜出用スクリュー押出機のみでは下流の圧力変動に追随できず、流量の変動が生じてしまう。特許文献3には押出機で粗共重合体を溶融させた後、横型反応器に溶融した樹脂を導入させ、ギアポンプで抜き出す方法が開示されている。この場合、特に横型反応器内部の樹脂粘度が高い場合にはギアポンプだけでは定量的に抜き出せないという問題がある。
特公昭58−11450号 特公昭61−52850号 特開2005−272707号
本発明は、安定したポリマー品質、特にメルトフローインデックス、ポリマー色相、外観を連続的に得るポリアセタール樹脂の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す方法が課題を解決する手段であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、ポリアセタール粗共重合体を、横型反応器の内部で、その融点以上、融点+100℃以下の温度範囲で酸化防止剤、熱安定剤とともに溶融混練し、熱的に不安定な部分を分解、脱揮処理するに際し、横型反応器の出口に溶融樹脂を抜き出すためのスクリューポンプを介し、その後にギアポンプを設置することを特徴とするポリアセタール樹脂の製造方法である。
この際、ポリアセタール粗共重合体を、その融点以上、融点+100℃以下の温度範囲で酸化防止剤、熱安定剤とともに溶融、混合させる方法として従来公知の二軸押出機を用いてもよい。
安定化工程の横型反応器内で溶融樹脂の滞留時間、流動が均一になり、劣化樹脂が部分的に生じにくくなることで特性、特にメルトフローインデックス、ポリマー色相、外観の均一なペレットが得られる。
横型反応器とその周辺の概略図 横型反応機内のスクリューポンプ位置説明図
本発明は、ポリアセタールコポリマーの粗共重合体を安定化工程で熱的に不安定な部分を分解する際に、横型反応器の出口にスクリューポンプを備えた横型反応器を用いることを特徴とする。
横型反応器は高粘度液体を撹拌するための一軸又は二軸の撹拌装置を持ち、脱揮する能力を有するものであり、ここから溶融樹脂を定量的に安定的に抜き出すために、出口にスクリューポンプを備え、スクリューポンプの下流にギアポンプを設ける。図1に本願発明の一態様を例示する。各機器は直接接続されていても良いし、配管で接続されていても良い。その際には常温と運転時の温度差から熱膨張を考慮した設計が好ましく、機器をレール上に配置し、熱膨張・収縮方向に可動な配置としても良いし、フレキ配管や伸縮継ぎ手を利用して配管で接続しても良い。
ギアポンプの入り側に圧力検出を設けることが好ましく、これが所定の値で一定になるようにコントロールすれば良い。コントロールの方法は、該圧力検出の測定値に基づき、定量フィード性を有するギアポンプの回転数を生産速度の目安として一定とし、その入り圧力が一定になるように該スクリューポンプの回転数を制御すれば良い。逆にスクリューポンプの回転数を一定とし、その出側もしくはギアポンプの入り側の圧力が一定になるようにギアポンプの回転数を制御してもよいが、ギアポンプの回転数が変動することは生産速度が変動するため、前者に対して製品品質の安定性という面で劣る。
スクリューポンプは横型反応器の側面又は底面に設置されるが、溶融樹脂の自重を利用して効率的に引抜けるため、溶融樹脂を底面より抜き出すように設置するのが好ましい。溶融樹脂を下向きに引き抜く場合、スクリューは横型反応器の撹拌軸直下内壁部の最も低い位置よりも内部に侵入していることが好ましい。図2のaはスクリューポンプのスクリュー先端が撹拌軸直下内壁部の最も低い位置まで侵入している状態であり、bはそれよりも内部に進入している状態を示す。cのように横型撹拌機内部をスクリューが貫通している構造も可である。
スクリューポンプによって引き抜かれるポリアセタール樹脂の溶融粘度は1,000〜1,000,000ポイズであることが好ましく、これは分子量や溶融温度によって制御できる。1,000ポイズよりも低い場合にはポリアセタール樹脂としての機械的性質、摺動特性、摩擦・磨耗特性、耐薬品性が損なわれ、また1,000,000ポイズよりも高い場合には押出機や横型反応器、スクリューポンプ、ギアポンプの運転動力が過大となるばかりか、撹拌、せん断による発熱が過大となったり、横型反応器内部で入り口から出口への搬送不良が生じたり、射出成形や押出成形で賦型する際に過大な動力が必要となる上、溶融粘度を下げるために溶融温度をあげてしまうと熱分解が無視できないなどの不具合が生じるため、実用上好ましくない。実用として好適に用いられるのは1,000〜300,000ポイズである。
また、特に横型反応器内部の溶融樹脂の粘度が10,000ポイズよりも高い場合には、反応器の撹拌による巻きあがりやワイゼンベルグ効果のように軸の周りに集まり、自重で落下するのに極めて時間を要しスクリューポンプによる引抜きが不安定になる。従い、横型反応器とギアポンプの間にスクリューポンプを設置し、スクリューポンプの後、且つギアポンプの入り側に圧力検出を設けたとしても、各々の回転数では制御不能になる場合が生じる。その為にはスクリューポンプのスクリューを横型反応器の撹拌軸直下内壁部の最も低い位置よりも内部に挿入することが好ましく、その挿入の程度は横型反応器の撹拌と物理的な接触を起こさないようにしなければならない。
本発明はポリアセタール樹脂のコポリマーを製造する方法である。以下にポリアセタールコポリマーの製造プロセスを説明する。本発明におけるポリアセタール樹脂とはコポリマーを指し、その重合方法としては連続式重合装置による塊状重合法が挙げられる。これは溶融状態にあるモノマーを、重合触媒、分子量調節剤などの存在下で重合させる方法であり、十分に反応した段階で停止剤を添加して反応停止させる。重合の進行に伴い、塊状及び粉状化した固体の粗共重合体が得られる。
本発明における原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノマーとしては環状ホルマール及び/又は環状エーテルが用いられる。
コモノマーである環状ホルマール及び/又は環状エーテルとしては、例えば、1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピル−1,3−ジオキソラン、2−ブチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−フェノキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−クロルメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキカビシクロ[3,4,0]ノナン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキシタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、およびオキセパン等が挙げられる。これらの中でも1,3−ジオキソランが特に好ましい。
コモノマーの添加量は、トリオキサンに対して0.5〜40.0mol%が好ましく、より好ましくは1.1〜20.0mol%である。コモノマーの使用量が40.0mol%より多い場合は重合収率が低下し、0.5mol%より少ない場合は熱安定性が低下する。また、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物を架橋・分岐剤として0.001〜0.2質量部添加しても良い。
重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、特にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。
前記触媒の使用量は、トリオキサン1モルに対して、通常1×10−7〜1×10−3モルであり、好ましくは1×10−7〜1×10−4モルである。触媒の使用量が1×10−3モルより多いと熱安定性が低下し、1×10−7モルより少ないと重合収率が低下する。
ポリアセタール共重合体の分子量調節のために、必要に応じて適当な分子量調節剤を用いても良い。分子量調節剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられる。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリアセタールジメトキシドは好適に用いられ、最も好ましいのはメチラールである。分子量調節剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液で使用する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。一般に、これら分子量調整剤は目標とする分子量に応じて、モノマーに対して0〜1.0質量部の範囲で添加量が調整される。これら分子量調節剤は、通常、トリオキサンとコモノマーの混合原料液に供給される。添加時期に特に制限はないが、カチオン活性触媒を該混合原料液に供給する前に供給するのが好ましい。
連続式重合装置としては、重合時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニング機能を備えたニ−ダ−、2軸スクリュー式連続押出混練機、2軸のパドル型連続混合機、その他、これまでに提案されているトリオキサンの連続重合装置が使用可能で、2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。これらのうちでも、互いに同方向に回転する1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う凸レンズ型、あるいは擬三角形型のパドルが多数はめ込まれた連続式横型反応器が好ましい。
重合時間は、3〜120分の重合時間が選ばれ、特に5〜60分とするのが好ましい。重合時間が3分より短いと重合収率又は熱安定性が低下し、120分より長いと生産性が悪くなる。重合時間には、重合収率又は熱安定性の面からコモノマーの割合によって好ましい下限が存在し、コモノマーの割合が増加するに伴い重合時間も長くする必要がある。例えば、トリオキサン100モルに対して1,3−ジオキソランを11〜20モル共重合させる場合には、5〜120分、好ましくは6〜60分が適当である。
重合反応の停止は、停止剤をポリアセタール粗共重合体と接触させることにより行う。停止剤はそのまま、あるいは溶液、懸濁液の形態で使用するが、接触方法は連続的に少量の停止剤、停止剤の溶液、懸濁液をポリアセタール粗共重合体に添加し、接触させることが望ましい。接触に際しては粉砕しながら行ってもよいし、添加の後に粉砕をしてもよい。重合反応停止の際にポリアセタール粗共重合体を多量の停止剤の溶液、懸濁液中に導入する様な洗浄工程を合わせて実施すると、後段での溶剤回収工程あるいは溶剤除去工程が必要となり、工程が複雑となりユーティリティーの増加につながるため、工業的に不利である。重合停止の際に少量の停止剤をポリアセタール粗共重合体に添加する方法が工業的にはより好ましい。ポリアセタール粗共重合体に停止剤を添加する場合は、添加後、もしくは添加しながら混合機で混合することが好ましい。混合機としては、1軸又は2軸のスクリュー又はパドル型混合機等の連続混合機が使用でき、これが押出機であってもよい。
停止剤としては、三価の有機リン化合物、有機アミン系化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などが使用できる。停止剤として用いられる有機アミン系化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン等が使用でき、具体的には、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、メラミン、メチロールメラミン、各種ヒンダードアミン類等が挙げられる。これら例示される停止剤の中でも3価の有機リン化合物および3級アミンが好ましい。3価の有機リン化合物の中で、特に好ましい化合物は熱的に安定でかつ熱による成形品の着色弊害を及ぼさないトリフェニルホスフィンである。3級アミンの中で、特に好ましい化合物はトリエチルアミンおよびN,N−ジメチルブチルアミンである。停止剤は完全に触媒を失活させる量入れる必要は無く、後述の有機アミン添加加熱保持時に粗ポリアセタール共重合体の分子量低下が製品の許容範囲に抑えられるようにすればよい。停止剤の使用量は、使用触媒のモル数に対して、通常0.01〜500倍、好ましくは0.05〜100倍である。停止剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではない。例えば、水、アルコール類、原料モノマー、コモノマー、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の脂肪族または芳香族の各種有機溶媒が挙げられる。これらは、混合して使用することも可能である。
本発明における失活処理は、粗共重合体が微細な粉粒体であることが好ましく、重合反応機は塊状重合物を充分粉砕する機能を有するものが好ましい。また、重合後の粗共重合体を別に粉砕機を用いて粉砕した後に停止剤を加えてもよく、あるいは、停止剤の存在下で粉砕と攪拌を同時に行ってもよいし、これを粗共重合体を溶融する過程で同時に行ってもよい。粗共重合体が微細な粉粒体でない場合は、樹脂中に含まれる触媒が十分に失活されず、従って残存した活性を有する触媒によって徐々に解重合が進行し分子量低下を生じる。触媒失活が十分ではなく、最終製品の分子量が低くなってしまう場合は、予め分子量低下を考慮し、分子量調整剤量を調整し粗ポリアセタール共重合体の分子量を高くしておき、最終製品の分子量を調節する方法がとられる。
続いて粗共重合体は安定化工程で不安定部分を分解除去される。粗共重合体は、その融点以上、融点+100℃以下の温度範囲で酸化防止剤、熱安定剤とともに二軸押出機で溶融、混合され、横型反応器に導入される。この二軸押出機の主目的は固体の粗共重合体を溶融させることが主目的であり、補助的目的は横型反応器の内部で行う減圧脱揮の補助である。この二軸押出機は、2D〜10D(Dは押出機の内径)の長さのニーディング部が設置される。ここでニーディング部とは、樹脂流動方向に対して垂直な面を持ったディスク状のセグメントが設置されている押出機スクリューの部分を指す。ディスク状のスクリューセグメントの例として、先端部に切り欠きを持った厚み0.1D〜1.0Dの楕円状のディスクが樹脂流動方向に複数枚以上並べて設置されており、同じスクリュー間で隣り合うディスク状のスクリューセグメントは回転方向に−90〜90°の角度ずれており、他方のスクリューに設置されている隣り合うディスクとは直交しているタイプが例示される。この範囲よりニーディング部が短いと粗共重合体の溶融が不十分となり、あるいは粗共重合体に予め酸化防止剤や熱安定剤などと混合させている場合は粗共重合体との混合が不十分になりこれら添加剤を過剰に入れなければ目的とする効果が得られず、またこの範囲よりニーディング部が長いとニーディング部の過剰なせん断応力によりポリアセタール樹脂が分解してしまい着色あるいは粘度(あるいは分子量)低下による不安定構造が新たに形成されてしまう等の弊害が生ずる。ニーディング部以外のスクリューには過剰なせん断応力が発生しないフライト部(スクリュー状のセグメント)を設置することが望ましい。
ニーディング部は、流動方向に対し粗ポリアセタール共重合体が粉体で導入される位置から5D以上離れた位置、さらには8D以上離れた位置にニーディング部を設置することが本発明に対して好適である。これより近くの位置にニーディング部を設置する場合、押出機内での粗共重合体の移送能力が低下し生産性が低下してしまう。また粗共重合体が粉体で導入される位置からニーディング部を設置するまでの間にはフライト部をスクリューに設置しておくことが好ましい。ニーディング部はスクリュー長さ方向に対し、2D〜10Dの長さ連続して設置される必要はなく、ニーディング部とニーディング部の間にフライト部を導入する構成として、ニーディング部を2ゾーンあるいは2ゾーン以上に分割して押出機のスクリューに設置することもできる。
押出機は二軸の場合、同方向回転型あるいは異方向回転型どちらでもよいが、好ましくは生産性の優れた同方向回転型が用いられる。後述の横型反応器における熱分解成分の除去工程の補佐をする目的で、押出機に一ヶ所以上のベント部を設け減圧脱揮を1.01×10〜1.33×10−2kPaの圧力(減圧圧力は絶対圧を示す。以下同様)でおこなうことが好ましい。押出機の温度範囲は、190〜240℃の温度範囲に設定されるのが好ましい。温度が低いと未溶融の粗共重合体が残ってしまう場合、あるいは溶融ポリアセタール樹脂が固化してしまう場合があり、また温度が高いと、黄変あるいは熱によるポリマーの主鎖分解による熱安定性低下を招く場合がある。
押出機の大きさは、粗共重合体のフィード量(生産量)によって異なるが、粗共重合体のフィード量100〜6000kg/時間の範囲では、通常内径50mm〜250mm、L/D20〜50(Lはスクリューの長さ)の押出機が選定され、スクリュー回転数400〜50rpmの範囲で運転することができる。押出機で粗ポリアセタール共重合体を溶融させる際に、失活処理した粗共重合体に予め公知の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤等を一括あるいは分割して添加しておくことができる。
使用できる添加剤として、酸化防止剤は例えば、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等の立体障害性フェノール類が挙げられる。熱安定剤としては、メラミン、メチロ−ルメラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン等のアミン置換トリアジン類、ポリアミド類、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、ウレタン類等およびナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの無機酸塩、水酸化物、有機酸塩等が例示される。その他の添加剤の例として、着色剤、核剤、蛍光増白剤、又はペンタエリスリトールテトラステアレート等の脂肪酸エステル系又はシリコン系化合物等の離型剤、ポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、高級脂肪酸塩、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系のような光安定剤が例示される。
添加剤を添加する場合は1種類あるいは2種類以上添加することができ、また添加量は各種添加剤に応じてそれぞれ適宜選択する必要があるが、各添加剤それぞれポリアセタール共重合体100質量部に対し、0.001〜5.0質量部添加される。
粗共重合体と各種添加剤の混合の方法は添加剤と粗共重合体の粉体が均一に混ざればよく、特に限定されるものではない。例えば失活処理時に停止剤と同時に混合することが他の混合機器を用いる必要が無く好ましいが、失活工程の後に通常の粉体混合機により連続的あるいはバッチ式で混合する方法を用いることもできる。
本発明では、押出機で溶融された粗共重合体は引き続き横型反応器に導入され減圧脱揮される。この横型反応器の主目的は粗共重合体に含まれる熱的不安定構造の熱による分解および減圧による除去である。減圧脱揮は1.01×10〜1.33×10−2kPaの圧力下において溶融混練しながらおこなわれる。圧力がこの範囲より高いと十分な脱揮効果が得られず、またこの範囲より低いと減圧設備が大型化してしまい装置設置時のコストアップ要因となる。減圧脱揮の時間は15〜60分とすることが好ましい。減圧脱揮の時間が15分より短いと粗共重合体が溶融時に発生させるホルムアルデヒドガスを十分に脱揮することができない。またせん断応力が押出機に比べはるかに弱い横型反応器内でも滞留時間が60分を超えるとポリアセタール共重合体が黄変あるいは主鎖分解による熱安定性低下してしまう結果となり好ましくない。減圧脱揮時に窒素ガス等の不活性ガスあるいは脱揮減圧条件で気化するアルコールや水等を減圧処理設備に導入し外部からの空気の混入を避けることや、あるいは減圧度を制御することも好適である。
減圧脱揮処理時の横型反応器内部の樹脂温度は、粗共重合体の融点以上、融点+100℃以下の範囲が好ましく、温度が低いと溶融ポリアセタール樹脂が結晶化(固体化)してしまう場合があり、また温度が高いと、黄変あるいは熱によるポリマーの主鎖分解による熱安定性低下を招く結果となり好ましくない。
横型反応器は、攪拌翼と混練機内径のクリアランスが十分広く、混練機内における空間体積(溶融ポリアセタール樹脂の占有する体積を除いた空間部分)が全体積の20%以上とることができるタイプの表面更新に優れる混練機が好適であり、例えば、日立製作所(株)製メガネ翼、格子翼型リアクター、三菱重工業(株)製SCR、NSCR型反応機、(株)栗本鉄鋼所製KRCニーダー、SCプロセッサー、KRCハイブリッドリアクター等が例示される。
横型反応器で減圧処理を行ったポリアセタール樹脂は、前述の通りスクリューポンプで排出され、引き続きギアポンプに導かれるが、スクリューポンプとギアポンプとの間に別の押出機を設けても良い。溶融状態を保持したポリアセタール樹脂を、スクリューポンプからこの押出機に連続的に導入し、安定化を更に進めたり、各種の添加剤をここで添加することができる。この別の押出機は適当な長さのニーディング部を有するのが好ましい。添加剤の導入位置は横型反応器とこの押出機のニーディング部までの間に設置されていることが好ましい。添加剤は同じ添加位置及び/又は異なった添加位置から1種類あるいは2種類以上添加することができ、また粗共重合体を溶融させるために用いる押出機で分割して混合された添加剤をここで再び添加することもできる。この押出機は単軸または二軸以上の押出機が好適に用いられるが、好ましくは生産性に優れる同方向回転型二軸押出機で、ベント部が1ヶ所以上設置されたタイプが好適であり、より好ましくは、横型反応器で脱揮しきれなかったポリアセタール樹脂分解物や添加剤からの揮発成分除去の観点から、2ヶ所以上ベント部の設置されたタイプが良い。ベントでの圧力は1.01×10kPa以下の圧力でおこなう。押出し脱揮時に窒素ガス等の不活性ガスあるいは脱揮減圧条件で気化するアルコールや水等をベント部あるいは直接溶融樹脂に導入し脱揮効率を向上させる方法あるいは減圧度を制御する方法を併用することも好適である。
添加剤の添加方法は特に限定はないが、添加剤を直接押出機に導入する方法あるいはマスターバッチ法(高濃度添加剤混合ポリアセタール共重合体を粉体状、ペレット状あるいは溶融状態で押出機に導入する方法、添加剤種類は1種類あるいは2種類以上の組み合わせが可能であり、添加剤濃度は最終ポリアセタール共重合体の添加剤濃度の10倍〜10000倍程度まで高濃度化されている。)が好ましい。添加剤を導入するための装置は、圧入ポンプ、スクリューフィーダー、単軸押出機、あるいは二軸押出機等から添加剤の性状によって最良の装置を、1種あるいは2種類以上選択することが好適である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す実施例に制限されるものではない。
<融点(融解ピーク温度)>
パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSCを用い、窒素ガスを100ml/分で流しながら50℃から250℃まで1分間あたり10℃ずつ昇温し、融解ピークの温度を測定した。サンプルは5mgとし、そのまま測定用のアルミパンに封入して用いた。
<メルトインデックス(MI)の測定>
製品ペレットをASTM−D1238(190℃、2.16kg荷重下)に従って測定を行った。
<色相の測定>
住友重機械工業社製射出成型機SE75Sを用いて210℃のシリンダー温度、90℃の金型温度にて、厚さ4mmの平板状成形片を調製した。この成形片の色相を、日本電色工業社製分光色差計SE2000を用い、色相bを測定した。
<外観>
得られたペレットを目視で1時間置きに25kgずつ検査した。
<粗共重合体の調製例>
トリオキサン100質量部に対して、1,3−ジオキソラン4質量部、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液(0.62mol/Kg−ベンゼン)として全モノマー1molに対して0.04mmol、及び分子量調整剤としてメチラールをベンゼン溶液(25質量%)として、全モノマーに対して連続的に所定の溶融粘度となるように加え、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機内の滞在時間が15分になる様に連続的に重合を行った。生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンをベンゼン溶液(25質量%)として、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート1molに対して2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕して粗共重合体を得た。この粗共重合体の融点(融解ピーク温度)は170℃であった。
<粗共重合体の処理例>
粗共重合体100質量部に、安定剤としてトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(BASF社製、商品名イルガノックス245)0.3質量部、メラミン0.05質量部、水酸化マグネシウム0.05質量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。予備混合をおこなった粗共重合体を自動定量フィード機能の付いたホッパーより、フィード口から8Dの位置に長さ5Dのニーディング部が設置されたベント付同方向回転型2軸押出機(内径69mm)に60kg/時間で導入し、粗共重合体をベント部で20kPaの減圧として220℃で溶融させた。
実施例1
上記同方向回転型2軸押出機から粗共重合体を溶融状態(220℃における溶融粘度が8,000ポイズ)で連続的に2軸の表面更新型横型混練機(実効内容積60L:全内容積から攪拌翼が占める体積を除いた体積)に導入し、滞在時間が25分となるように液面調整を行いながら、20kPaの減圧下220℃で減圧脱揮を行った。引き続き、横型反応器の底面に設置されたスクリューポンプを用いて220℃に制御した溶融樹脂を抜出し、ギアポンプで昇圧、スクリーンで異物を濾過した後、ペレタイザーで製品ペレットを得た。この時、ギアポンプ回転数は一定とし、スクリューポンプとギアポンプの間の圧力が0.5MPaで一定となるようにスクリューポンプの回転数を自動で制御できた。スクリューポンプのスクリュー先端は横型反応器の撹拌軸直下の内壁面まで挿入された(図2中、aの位置)。1時間ごとに8時間、製品MIを測定したところ6.9、7.1、7.1、7.0、6.8、7.2、6.9、7.0g/10分(平均7.0g/10分)であり、その標準偏差を平均MIで除した値は0.02であった。得られたペレット外観も良好で目視で確認される異物、変色は認められなかった。同じく1時間ごとにペレットを1kg採取し、これを成形して得た成形片のb値は−3.05、−3.16、−3.11、−3.08、−2.98、−3.04、−2.99、−3.13(平均−3.07)であり、その標準偏差を平均b値で除した値は−0.02であった。
比較例1
実施例1においてスクリューポンプを用いずに、横型反応器の下部に配管とギアポンプを設置してギアポンプで溶融樹脂を抜出し、昇圧してスクリーンで異物を濾過した後、ペレタイザーで製品ペレットを得た。1時間ごとに8時間、製品MIを測定したところ7.0、6.9、7.3、7.1、7.5、7.7、8.0、7.9g/10分(平均7.0g/10分)であり、その標準偏差を平均MIで除した値は0.06であった。得られたペレット外観は、不定期に1〜5個/kgの変色ペレットを含んでいた。同じく1時間ごとにペレットを1kg採取し、これを成形して得た成形片のb値は−2.98、−2.95、−3.11、−3.08、−3.21、−3.29、−3.41、−2.97(平均−3.13)であったが、その標準偏差を平均b値で除した値は−0.05であった。
実施例2
同方向回転型2軸押出機から粗共重合体を溶融状態(220℃における溶融粘度が30,000ポイズ)で連続的に2軸の表面更新型横型混練機に導入した以外は、実施例1と全く同様に行った。1時間ごとに8時間、製品MIを測定したところ2.80、2.83、2.86、2.88、2.81、2.83、2.84、2.86g/10分(平均2.84g/10分)であり、その標準偏差を平均MIで除した値は0.009であった。得られたペレット外観も良好で目視で確認される異物、変色は認められなかった。同じく1時間ごとにペレットを1kg採取し、これを成形して得た成形片のb値は−2.79、−2.80、−2.77、−2.80、−2.81、−2.79、−2.81、−2.81(平均−2.80)であり、その標準偏差を平均b値で除した値は−0.005であった。
比較例2
実施例2においてスクリューポンプを用いずに、横型反応器の下部に配管とギアポンプを設置してギアポンプで溶融樹脂を抜出し、昇圧してスクリーンで異物を濾過した後、ペレタイザーで製品ペレットを得ようとしたが、横型反応器からギアポンプへの抜出が不安定で、横型反応器内部の液面を一定に保てないために製品が安定的に得られなかった。
実施例3
実施例1と同じく同方向回転型2軸押出機から粗共重合体を溶融状態(230℃における溶融粘度が165,000ポイズ)で連続的に2軸の表面更新型横型混練機(実効内容積60L:全内容積から攪拌翼が占める体積を除いた体積)に導入し、滞在時間が25分となるように液面調整を行いながら、20kPaの減圧下230℃で減圧脱揮を行った。引き続き、横型反応器の底面に設置されたスクリューポンプを用いて溶融樹脂を抜出し、ギアポンプで昇圧、スクリーンで異物を濾過した後、ペレタイザーで製品ペレットを得た。この時、ギアポンプ回転数は一定とし、スクリューポンプとギアポンプの間の圧力が0.5MPaで一定となるようにスクリューポンプの回転数を自動で制御した。スクリューポンプのスクリュー先端は横型反応器の撹拌軸直下の内壁面まで挿入された(図2中、aの位置)。1時間ごとに8時間、製品MIを測定したところ0.33、0.29、0.30、0.31、0.33、0.29、0.31、0.30g/10分(平均0.31g/10分)であり、その標準偏差を平均MIで除した値は0.048であった。得られたペレット外観も良好で目視で確認される異物、変色は認められなかった。同じく1時間ごとにペレットを1kg採取し、これを成形して得た成形片のb値は−2.68、−2.87、−2.78、−2.81、−2.71、−2.91、−2.80、−2.84(平均−2.80)であり、その標準偏差を平均b値で除した値は−0.026であった。
比較例3
実施例3においてスクリューポンプを用いずに、横型反応器の下部に配管とギアポンプを設置してギアポンプで溶融樹脂を抜出し、昇圧してスクリーンで異物を濾過した後、ペレタイザーで製品ペレットを得ようとしたが、横型反応器からギアポンプへの抜出が不安定で、横型反応器内部の液面を一定に保てないために製品が安定的に得られなかった。
実施例4
スクリューポンプのスクリュー先端を横型反応器の撹拌軸の下端まで挿入させた(図2中、bの位置)以外は実施例3と全く同じで実施した。この時、ギアポンプ回転数は一定とし、スクリューポンプとギアポンプの間の圧力は一定となるようにスクリューポンプの回転数を自動で制御できた。1時間ごとに8時間、製品MIを測定したところ0.31、0.30、0.29、0.30、0.30、0.30、0.31、0.30g/10分(平均0.30g/10分)であり、その標準偏差を平均MIで除した値は0.02であった。得られたペレット外観も良好で目視で確認される異物、変色は認められなかった。同じく1時間ごとにペレットを1kg採取し、これを成形して得た成形片のb値は−2.79、−2.80、−2.77、−2.80、−2.81、−2.79、−2.81、−2.81(平均−2.80)であり、その標準偏差を平均b値で除した値は−0.005で、スクリューポンプのスクリュー先端を横型反応器の撹拌軸の下端まで挿入させることで溶融樹脂の抜出がより安定に行え、品質の変動も小さかった。
1 : 横型反応器
2 : スクリューポンプ
3 : ギアポンプ
4 : 溶融した粗共重合体の導入
5 : 真空ポンプによる脱揮
6 : 安定化した溶融樹脂の排出
7 : 押出機
8 : 圧力計
11〜13 : 横型反応器の断面図(撹拌軸方向に直角な面)
20 : スクリューポンプ
30 : 横型反応器の軸直下内壁部の最も低い位置
40 : 撹拌軸

Claims (6)

  1. 横型反応器の内部で、ポリアセタール粗共重合体を、その融点以上、融点+100℃以下の温度範囲で酸化防止剤、熱安定剤とともに溶融混練し、熱的に不安定な部分を分解、脱揮処理するに際し、横型反応器の出口に溶融樹脂を抜き出すためのスクリューポンプを介し、その後にギアポンプを設置し、
    前記スクリューポンプのスクリュー先端が、横型反応器の撹拌軸直下内壁部の最も低い位置よりも内部に挿入されていることを特徴とするポリアセタール樹脂の製造方法。
  2. 前記スクリューポンプのスクリュー先端が、横型反応器の撹拌軸の下端まで挿入されていることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂の製造方法。
  3. スクリューポンプの後、且つギアポンプの入り側に圧力検出を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂の製造方法。
  4. 前記圧力検出の測定値に基づき、ギアポンプの入り圧力が一定になるように該スクリューポンプの回転数を制御することを特徴とする請求項3に記載のポリアセタール樹脂の製造方法。
  5. 前記横型反応器が2軸反応器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアセタール樹脂の製造方法。
  6. 前記ポリアセタール粗共重合体を、その融点以上、融点+100℃以下の温度範囲で酸化防止剤、熱安定剤とともに二軸押出機で溶融、混合させた後、これを前記横型反応器にフィードし、熱的に不安定な部分を分解、脱揮処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアセタール樹脂の製造方法。
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