JP2003321525A - オキシメチレン共重合体の連続製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の連続製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリオキサン、1,3−ジオキソラン及び重
合触媒が接触混合されたものが、原料供給配管の閉塞、
あるいは狭窄により、原料供給が不安定になることを回
避し、長期的に安定な連続重合運転を可能にするポリオ
キシメチレン共重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 トリオキサンと1,3−ジオキソランの
混合原料液に重合触媒を混合し、重合に導入してオキシ
メチレン共重合体を連続的に製造するに際し、該混合原
料液の線速度が0.1m/s以上であり、且つ該混合原
料液と重合触媒を接触、混合させてから重合機に導入さ
れるまでの時間が0.1〜30秒であるオキシメチレン
共重合体の連続製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシメチレン共
重合体の工業的に長期間安定した連続運転可能な製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシメチレン共重合体は、機械的特
性、熱的特性、電気的特性、摺動性、及び成形性等にお
いて優れた特性を持っており、構造材料や機構部品等と
して電気機器、自動車部品、及び精密機械部品等に広く
使用されている。近年、益々その利用範囲が広がり、当
該樹脂に対するより高度な性能要求と共に、低コスト化
の要求も高く、オキシメチレン共重合体を高収率で得る
方法が求められている。オキシメチレン共重合体を高収
率で得る方法として、触媒種の検討、モノマー種、重合
停止剤、安定剤、重合条件、或いは重合装置の検討など
様々な改良が行われ多数の特許が出願されている。
【0003】また、オキシメチレン共重合体を工業的に
連続的に安定製造を行う上で、原料及び触媒の重合機へ
の導入法について改良した特許が出願されている。例え
ば、特開平2−6529号公報では触媒を予め重合反応
器に入る前に環状エーテルと合流させて、0.1〜10
分以内で触媒の活性化を行い、その後トリオキサンと接
触する様に重合反応器に供給する方法、特開平4−65
413号公報では、予め一部の環状エーテルと重合触媒
とを混合し予備重合させてトリオキサンに添加すると共
に、別に環状エーテルを単独でトリオキサンに添加しこ
れらを反応させる方法、特開平4−65412号公報で
は、特開平4−65413号での予備重合時間を0.1
〜10分以内とする方法、特公平7−42344号公報
では、予め環状エーテルと重合触媒とを0〜100℃の
温度で混合した混合物をトリオキサンに添加する方法が
開示されている。
【0004】また、特開平11−124422号公報で
は、1,3−ジオキソランの供給方向と触媒の供給方向
とを同方向にしながら両者を接触、混合させ、得られる
混合流の線速度が0.1m/秒以上となる条件下に0.
1〜30秒間該混合流の混合を継続し混合物を得、続い
て該混合物をトリオキサンと混合する方法が開示されて
いる。これらはトリオキサンや環状エーテルと触媒が接
触混合することにより反応が進行し、両供給流の衝突的
接触の起こる部位に固体状或いは粘調状の重合物が生成
固着し、しいては閉塞を引き起こすという現象を改善す
るため、重合反応器に導入した溶融状態のトリオキサン
に、環状エーテルと触媒の混合液を添加するという方法
である。しかし、これらの方法では、環状エーテルと重
合触媒とを混合し予備重合させたり、また、両者を別々
に導入するため重合反応器のサイズを長くするなどしな
くてはならず、簡便な方法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明は、ト
リオキサンと1,3−ジオキソラン及びカチオン活性触
媒が接触混合された以後の配管における、閉塞、或いは
狭窄による重合機への供給不良を起こすことなく、長期
的に安定な連続運転が可能なオキシメチレン共重合体の
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、トリオキサンと1,
3−ジオキソランを別々に重合反応器に供給することな
く、両者の混合原料液とカチオン活性触媒とを特定の条
件下で接触混合させることにより上記目的を達成するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、トリオキサン
と1,3−ジオキソランの混合原料液に重合触媒を混合
し、重合機に導入してオキシメチレン共重合体を連続的
に製造するに際し、該混合原料液の線速度が0.1m/
s以上であり、且つ該混合原料液と触媒を接触、混合さ
せてから重合機に導入されるまでの時間を0.1〜30
秒とするオキシメチレン共重合体の連続製造方法であ
る。トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液
の線速度としては0.1m/s以上、好ましくは0.3
m/s以上、さらに好ましくは0.5m/s以上であ
る。さらに、最も閉塞しやすい触媒供給配管先端部での
閉塞を防止するために、重合触媒供給配管先端部が位置
する部位の該混合原料液配管の内径を細くし、該混合原
料液の線速度を上げるのも効果的であり、該部位におけ
る線速度は1.5m/s以上、さらには2m/s以上と
することが好ましい。また、該混合原料液と重合触媒を
接触、混合させてから重合機に導入されるまでの時間を
0.1〜30秒とするのが良く、好ましくは0.1〜1
0秒、更に好ましくは0.1〜5秒である。該混合原料
液の線速度がこれより遅く、且つ該原料液と触媒を接
触、混合させてから重合機に導入されるまでの時間が長
いと、反応が進行し、固体状或いは粘調状の重合物が生
成し配管における流路径の縮小、又は閉塞し供給不良を
引き起こす。
【0008】本発明における重合触媒の供給法として
は、供給する線速度が0.01m/s以上、好ましくは
0.05m/s以上、更に好ましくは0.1m/s以上
であり、これより遅いと供給ノズル先端部で固体状の物
質が生成し閉塞する。 また、重合触媒を不活性溶媒に
希釈して混合原料液に供給するのがよく、希釈せずにそ
のまま供給すると、混合原料液に対して供給量が非常に
少ないため線速度を大きくするためには配管径を細くし
なくてはならず、しかも混合原料液と触媒の接触部であ
る重合触媒供給ノズル先端部での重合触媒濃度が非常に
高いため反応が進行し閉塞しやすくなる。したがって、
重合触媒を不活性溶媒に希釈して、0.001〜1mo
l/kg、好ましくは、0.01〜0.5mol/k
g、更に好ましくは0.01〜0.1mol/kgの濃
度とするのがよい。これより濃度を低くすると、該不活
性溶媒を除去するのに効率的でない。また、該重合触媒
供給ノズルの内径は少なくとも0.5mm以上であるこ
とが望ましい。
【0009】水平に置かれた重合反応器に垂直上方より
供給されるトリオキサンと1,3−ジオキソランの混合
原料液の配管に導入する重合触媒溶液配管の投入角度
(図1参照)は、水平面に対して10°以上90°以
下、好ましくは30°以上90°以下である。また、重
合触媒溶液導入配管の先端出口断面を重合反応器側向き
とし、且つ水平面に対して平行とするのが有効である。
これにより重合触媒溶液導入配管先端部での触媒の滞留
が殆ど無く、速やかに重合反応器に供給されるため、固
体状或いは粘調状の重合物の生成を抑制するのに効果的
である。さらに重合触媒溶液導入配管の先端が、トリオ
キサンと1,3−ジオキソランの混合原料液配管の内壁
面と接触させないように配置するのも、重合触媒溶液導
入配管先端部、及び混合原料液配管の内壁面での触媒の
滞留を抑制するのに効果的である。
【0010】本発明におけるトリオキサンと1,3−ジ
オキソランを混合する前のトリオキサンの温度は65℃
〜100℃、好ましくは70℃〜90℃、1,3−ジオ
キソランの温度は0℃〜70℃、好ましくは10℃〜6
0℃であり、且つその混合した混合原料液の温度は20
℃〜100℃、好ましくは30℃〜90℃である。これ
より温度が低いと、重合工程における反応速度が低下
し、また、高いと反応速度が上がり配管中で重合物が生
成しやすくなり閉塞の原因となるため好ましくない。
【0011】本発明における重合方法としては、塊状重
合法および、溶液重合法等が挙げられる。好ましい重合
方法としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法であ
る。これは溶融状態にあるモノマーを用いた重合法であ
り、重合の進行に伴い、塊状及び粉状化した固体のポリ
マーが得られる。
【0012】本発明における原料モノマーはホルムアル
デヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノ
マーとしては1,3−ジオキソランが用いられる。1,
3−ジオキソランの添加量に特に制限はないが、好まし
くはトリオキサンに対して0.5〜20.0モル%であ
る。1,3−ジオキソランの使用量がこれより多い場合
は重合収率が低下し、少ない場合は熱安定性が低下す
る。
【0013】本発明の重合触媒としては、一般のカチオ
ン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒
としては、ルイス酸、特にホウ素、スズ、チタン、リ
ン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三
フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リ
ン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチ
モン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロ
トン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パーク
ロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低
級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水
物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合
無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフル
オロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロ
アルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテ
ロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性
塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合
物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合
物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ
化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチ
ルエーテラートが特に好ましい。前記触媒の使用量は、
トリオキサン1モルに対して、通常1×10-7〜1×1
-3モルであり、好ましくは1×10-7〜1×10-4
ルである。触媒の使用量がこれより多いと熱安定性が低
下し、少ないと重合収率が低下する。
【0014】本発明の重合法において、オキシメチレン
共重合体の分子量調節のために、必要に応じて適当な分
子量調節剤を用いても良い。分子量調節剤としては、カ
ルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミ
ド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられ
る。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メ
チラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用
いられ、最も好ましいのはメチラールである。分子量調
節剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液で使用
する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エ
チレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられ
る。一般に、これら分子量調整剤は目標とする分子量に
応じて、適宜添加量が調整される。これら分子量調節剤
は、通常、トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合
原料液に供給される。添加位置に特に制限はないが、重
合触媒を該混合原料液に供給する前に供給するのが好ま
しい。
【0015】本発明に用いられる連続式重合装置として
は、重合時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌
能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止
するセルフクリ−ニング機能を備えたニ−ダ−、二軸ス
クリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合
機、その他、これまでに提案されているトリオキサンの
連続重合装置が使用可能で、2種以上のタイプの重合機
を組み合わせて使用することもできる。これらのうちで
も、互いに同方向に回転する1対のシャフトを備え、そ
れぞれのシャフトには互いにかみ合う凸レンズ型、或い
は擬三角形型のパドルが多数はめ込まれた連続式横型反
応器が好ましい。
【0016】本発明の実施において重合時間は、3分〜
120分の重合時間が選ばれ、特に5分〜60分とする
のが好ましい。重合時間がこれより短いと重合収率又は
熱安定性が低下し、長いと生産性が悪くなる。重合時間
には、重合収率又は熱安定性の面から1,3−ジオキソ
ランの割合によって好ましい下限が存在し、1,3−ジ
オキソランの割合が増加するに伴い重合時間も長くする
必要がある。例えば、トリオキサン100モルに対して
1,3−ジオキソランを11〜20モル共重合させる場
合には、5分以上、好ましくは6分以上が適当である。
【0017】本発明では、重合終了後、重合機から排出
される粗重合体を直ちに触媒失活剤と混合接触させるこ
とにより、重合触媒の失活処理を行う。通常、重合収率
が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは
97%以上に達した時点で触媒を失活し重合を停止す
る。
【0018】本発明の触媒失活剤としては、三価の有機
リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土
類金属の水酸化物などが使用できる。アミン化合物とし
ては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミ
ン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類等が使用で
き、具体的には、例えば、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―
n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリ
ン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホ
リン等が挙げられる。これらの中でも三価の有機リン化
合物および三級アミンが好ましく、特に好ましくはトリ
フェニルホスフィンである。
【0019】失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場
合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、
水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケト
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレン
ジクロライド等の脂肪族または芳香族の各種有機溶媒が
使用可能である。
【0020】本発明における失活処理は、粗重合体が微
細な粉粒体であることが好ましく、重合反応機は塊状重
合物を充分粉砕する機能を有するものが好ましい。ま
た、重合後の粗重合体を別に粉砕機を用いて粉砕した後
に失活剤を加えてもよく、或いは、失活剤の存在下で粉
砕と攪拌を同時に行ってもよい。粗重合体が微細な粉粒
体でない場合は、樹脂中に含まれる触媒が十分に失活さ
れず、従って残存した活性を有する触媒によって徐々に
解重合が進行し分子量低下を生じる。
【0021】本発明において重合触媒の失活処理を行っ
た粗重合体は高収率で得られるため、そのまま後段の安
定化工程に送ることができるが、一層の精製が必要であ
るならば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を
経ることができる。
【0022】安定化工程では、下記(1)および(2)
に記載される安定化方法を採用することができる。 (1)上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶
融して、不安定部分を除去する方法。 (2)上記で得られたオキシメチレン共重合体を水性媒
体中で加水分解して、不安定部分を除去する方法。 これらの方法により安定化した後、ペレット化し、安定
化された成形可能なオキシメチレン共重合体を得ること
ができる。
【0023】上記の方法のうち、(1)の方法が(2)
の方法に比べて、工程が単純であり、工業的方法として
好ましい。すなわち、(1)の方法を採用する場合は、
オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高
い温度までの範囲で、常圧〜13Paの圧力下において
溶融混練することが好ましい。処理温度がオキシメチレ
ン共重合体の溶融温度より低い場合は、不安定部分の分
解除去が不充分となり、安定化の効果が得られない。ま
た、その溶融温度から100℃高い温度を越える場合
は、黄変を起こしたり、熱によるポリマーの主鎖分解を
起こしたり、同時に不安定部分が生成し熱安定性を損な
う結果となり好ましくない。また、処理時の圧力として
は、常圧より高い場合は、不安定部分の分解により生じ
た分解ガスを系外に除去する効果が低く、充分な安定化
効果が得られない。また13Paより低い場合は、この
ような高減圧度を得るための装置が高価となり、工業的
不利益が生ずるばかりでなく、吸引ベント口より溶融樹
脂が流出し易くなり、運転上のトラブルを起こしやすく
好ましくない。
【0024】また、本発明において、上記安定化処理に
用いる装置としては、単軸または2軸以上のベント付押
出機を使用することができる。押出機は必要な滞留時間
を得るために、2台以上の押出機を直列に配置する方法
は有利な方法である。また、これら押出機とメガネ翼等
2軸の表面更新型パドル式横型反応器を直列に配置する
方法も好適に使用される。これらの安定化処理に際し
て、オキシメチレン共重合体の溶融混練時に、酸化防止
剤、熱安定剤等の安定剤を添加して安定化処理を行うこ
とができる。
【0025】使用できる酸化防止剤としては、1,6−
ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリ
エチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、
ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、2,2'−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メ
チルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロ
ピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエ
チル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−
ヘキサンジイルエステル等の立体障害性フェノール類が
挙げられる。これら立体障害性フェノール類の添加量
は、オキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.
01〜5.0重量部が好ましく、0.01〜2.0重量
部がより好ましい。
【0026】熱安定剤としては、メラミン、メチロ−ル
メラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,
N−ジアリールメラミン等のアミン置換トリアジン類、
ポリアミド類、尿素誘導体、ウレタン類等およびナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム
の無機酸塩、水酸化物、有機酸塩等が挙げられる。これ
らアミン置換トリアジン類の添加量は、オキシメチレン
共重合体100重量部に対し、0.01〜5.0重量部
が好ましく、更に好ましくは0.01〜1.0重量部で
ある。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化
物、無機酸塩、或いは、アルコキシドからなる群より選
ばれる化合物の添加量は、オキシメチレン共重合体10
0重量部に対し、0.001〜5.0重量部が好まし
く、更に好ましくは0.001〜1.0重量部である。
【0027】また、本発明の方法により製造されたオキ
シメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、蛍光
増白剤、又はペンタエリスリトールテトラステアレート
等の脂肪酸エステル系又はシリコン系化合物等の離型
剤、ポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電
防止剤、高級脂肪酸塩、ポリエチレンワックス等の滑
剤、シリコン系化合物等の摺動剤、ベンゾトリアゾール
系またはベンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収
剤、或いはヒンダードアミン系のような光安定剤等の添
加剤を所望により添加することができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】〔実施例および比較例で使用した重合機の
説明〕連続重合機:二つの円が一部重なった内断面を有
し、周囲にジャケットを有する長いケース内に互いに同
方向に回転する1対のシャフトを備え、それぞれのシャ
フトには互いにかみ合う凸レンズ型パドル翼が多数はめ
込まれ、凸レンズ型パドル翼の先端でケース内面および
相手の凸レンズ型パドル翼の表面をクリーニングできる
連続混合機。
【0030】実施例1 連続重合装置として、前述の連続重合機2台および停止
剤混合機(シャフトには互いにかみ合う凸レンズ型パド
ル翼の代わりにスクリュー様の羽根が多数はめ込まれた
構造を有し、供給口部分から停止剤溶液を注入し、連続
的に重合体と混合せしめる連続重合機)を直列に接続し
たものを使用し、オキシメチレン共重合体の製造を実施
した。図2に示したプロセス概略図のように、第1段目
の重合機の入口に、80℃で保持されたトリオキサンと
1,3−ジオキソランの混合原料液(1,3−ジオキソ
ラン組成5.1モル%)を線速度1.86m/s(供給
速度150.3kg/hr)で、カチオン活性触媒とし
て三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶液
(0.59mol/kg)を線速度0.047m/s
(供給速度150g/hr)で連続的に供給した。ま
た、分子量調節剤としてメチラールをベンゼン溶液
(3.34mol/kg)として215g/hrで連続
的に供給した。この際、触媒供給配管、及び分子量調節
剤供給配管の投入角を45°とし、それぞれの配管出口
断面を重合機側向きで、且つ水平面に対して平行となる
ように加工し設置した。触媒と該混合原料液を接触混合
させてから重合機に導入される時間(以後混合時間と記
す)は0.2秒であった。また、停止剤混合機の入口よ
り、使用した触媒量の2倍モルのトリフェニルホスフィ
ンをベンゼン溶液で連続的に供給し、重合を停止し、出
口よりオキシメチレン粗共重合体を得た。連続重合機
は、各々シャフト回転数を約40rpmとし、また第1
段目ジャケット温度(重合温度)を65℃、第2段目お
よび停止剤混合機ジャケット温度を各々50℃に設定し
て重合運転を行った。この結果、48時間運転を行った
が原料の供給不良、及び配管の閉塞は起こらず、安定運
転が行えた。
【0031】実施例2 図3に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管先
端部が位置する部位の該混合原料液配管の内径を細く
し、該部位における混合原料液流の線速度を5.16m
/s、それ以外の部位の線速度を0.46m/s、混合
時間は0.8秒となるように配管径などを調節した以外
は実施例1と同様に行った。この結果、48時間運転を
行ったが原料の供給不良、及び配管の閉塞は起こらず、
安定運転が行えた。
【0032】実施例3 図4に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管、
及び分子量調節剤供給配管の投入角を90°とした以外
は実施例1と同様に行った。この結果、48時間運転を
行ったが原料の供給不良、及び配管の閉塞は起こらず、
安定運転が行えた。
【0033】比較例1 実施例1において、配管径及び各供給量を調節して、ト
リオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液流の線
速度を0.05m/s、カチオン活性触媒溶液の線速度
を0.031m/s、メチラール溶液の供給速度を14
3g/hr、混合時間7.4秒とした以外は同様に行っ
た。この結果、運転開始3時間後に触媒供給配管先端部
で閉塞し、運転を停止した。
【0034】比較例2 実施例1において、カチオン活性触媒溶液の濃度を5.
9mol/kgとし、該触媒溶液の線速度を0.005
m/sとした以外は同様に行った。この結果、運転開始
1時間後に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止し
た。
【0035】比較例3 図5に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管、
及び分子量調節剤供給配管の投入角を0°とした以外は
実施例1と同様に行った。この結果、運転開始5時間後
に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止した。
【0036】比較例4 図6に示したプロセス概略図のように、触媒供給配管、
及び分子量調節剤供給配管の投入角を90°とし、該触
媒供給配管を混合原料配管内壁に接触するように設置し
た以外は実施例1と同様に行った。この結果、運転開始
2時間後に触媒供給配管先端部で閉塞し、運転を停止し
た。
【0037】
【発明の効果】本発明のオキシメチレン共重合体の連続
製造方法により、オキシメチレン共重合体を歩留まり良
く高い収率で工業的に長期間安定して製造することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の触媒供給配管の投入角度を図示した
ものである。
【図2】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの
一例を図示したものである。
【図3】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの
一例を図示したものである。
【図4】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの
一例を図示したものである。
【図5】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの
一例を図示したものである。
【図6】 本発明の製造プロセス用装置のレイアウトの
一例を図示したものである。
【符号の説明】
1 トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液 2 メチラールのベンゼン溶液 3 三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶
液 4 オキシメチレン共重合体 A トリオキサンと1,3−ジオキソランの混合原料液
供給配管 B メチラールのベンゼン溶液の供給配管 C 三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶
液の供給配管 D 重合機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須長 大輔 三重県四日市市日永東二丁目4番16号 三 菱瓦斯化学株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 4J032 AA05 AA32 AB04 AB06 AC02 AC03 AC49 AD37 AD41 AD51 AF04 AF05 AF06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオキサンと1,3−ジオキソランの
    混合原料液に重合触媒を混合し、重合機に導入してオキ
    シメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、該混合
    原料液の線速度が0.1m/s以上であり、且つ該混合
    原料液と触媒を接触、混合させてから重合機に導入され
    るまでの時間が0.1〜30秒であることを特徴とする
    オキシメチレン共重合体の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 重合触媒を供給する線速度が0.01m
    /s以上である請求項1記載のオキシメチレン共重合体
    の連続製造方法。
  3. 【請求項3】 重合触媒を不活性溶媒に希釈して、0.
    001〜1mol/kgの濃度の触媒溶液として添加す
    る請求項1又は2記載のオキシメチレン共重合体の連続
    製造方法。
  4. 【請求項4】 トリオキサンと1,3−ジオキソランの
    混合原料液の線速度が0.5m/s以上、触媒溶液の線
    速度が0.1m/s以上であり、且つ該混合原料液と触
    媒を接触、混合させてから重合機に導入されるまでの時
    間が0.1〜5秒である請求項1〜3の何れか1項記載
    のオキシメチレン共重合体の連続製造方法。
  5. 【請求項5】 トリオキサンと1,3−ジオキソランの
    混合原料液と触媒溶液との接触部における該混合原料液
    の線速度が1.5m/s以上である請求項1〜4の何れ
    か1項記載のオキシメチレン共重合体の連続製造方法。
  6. 【請求項6】 トリオキサンと1,3−ジオキソランの
    混合原料液配管に導入する触媒溶液配管の投入角度を、
    水平面に対して10°以上90°以下とする請求項1〜
    5の何れか1項記載のオキシメチレン共重合体の連続製
    造方法。
  7. 【請求項7】 触媒溶液導入配管の先端出口断面が、水
    平面に対して平行である請求項6記載のオキシメチレン
    共重合体の連続製造方法。
  8. 【請求項8】 触媒溶液導入配管の先端が、トリオキサ
    ンと1,3−ジオキソランの混合原料液配管の内壁面と
    接触させない請求項1〜7の何れか1項記載のオキシメ
    チレン共重合体の連続製造方法。
  9. 【請求項9】 トリオキサンと1,3−ジオキソランを
    混合する前のトリオキサンの温度が65℃〜100℃、
    1,3−ジオキソランの温度が0℃〜70℃であり、且
    つその混合した原料液の温度が20℃〜100℃である
    ことを特徴とする請求項1〜8何れか1項記載のオキシ
    メチレン共重合体の連続製造法。
  10. 【請求項10】 重合触媒が三フッ化ホウ素、及び/又
    は三フッ化ホウ素配位化合物である請求項1〜9の何れ
    か1項記載のオキシメチレン共重合体の連続製造方法。
  11. 【請求項11】 重合機が互いに同方向に回転する1対
    のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ
    合う凸レンズ型、或いは擬三角形型のパドルが多数はめ
    込まれた連続式横型反応器である請求項1記載のオキシ
    メチレン共重合体の連続製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114907532A (zh) * 2021-02-09 2022-08-16 旭化成株式会社 甲醛聚合物的制造方法

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