JP4471050B2 - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い剛性および靭性を有し、熱安定性に優れたオキシメチレン共重合体を、高収率で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オキシメチレン重合体は、機械的及び熱的性能に優れており、代表的なエンジニアプラスチックとして、近年極めて広範囲の分野において利用されている。しかし、オキシメチレン重合体が利用される分野の拡大に伴い、その材料としての性質にも、更に一層の改良が求められている。現在、市場に供給されているオキシメチレン重合体には、大別してオキシメチレン単独重合体とオキシメチレン共重合体がある。オキシメチレン単独重合体は機械的強度や剛性が高く、耐疲労性、耐摩耗性などの力学的特性が優れているが、熱安定性や耐熱水性が劣る。逆にオキシメチレン共重合体は機械的強度や剛性が劣るものの、靭性や柔軟性に優れており、その分子鎖中に分解を抑える安定な共重合ユニットを含むため、熱安定性が高い。これら両者の特性を生かした、剛性、靭性及び熱安定性のバランスのとれたオキシメチレン重合体が望まれていた。
【0003】
かかる課題に対し、特にオキシメチレン共重合体における機械的強度や剛性を改良するために、強化用充填剤等の各種添加剤を配合することも考えられるが、靱性が大きく損なわれてしまう。また、WO98/29483号には、オキシメチレンモノマー単位からなるポリマー鎖中にオキシメチレンモノマー単位100モル当たり0.01〜1.0モルのオキシアルキレンコモノマー単位がランダムに挿入された構造を有する高剛性オキシメチレン重合体が開示されている。しかしながら、この成形品では高い剛性は得られるものの、熱安定性の低下が大きく、機械的性質及び熱安定性のバランスの点では未だ満足するものではない。
【0004】
また、特開平8−59767号には、1,3−ジオキソランを共重合成分として使用して製造したオキシメチレン共重合体は熱安定性不良原因となる不安定部分が、エチレンオキサイドを共重合成分とするオキシメチレン共重合体よりも少なく、さらに不安定部分の生成量は、使用する1,3−ジオキソラン量および触媒量に依存し、不安定部分の生成を抑制するためには、触媒の使用量をある一定量以下とする必要があることが開示されている。しかしながら、この1,3−ジオキソラン量および触媒量では、熱安定性は改良されるものの、剛性についてはさほど改善されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、従来技術において、重合収率を改良する方法は、使用触媒量の増量であるが、触媒量の単純な増加は不安定部分の生成を促進し、好ましくないことは公知である。しかしながら、本発明者らが検討したところ、ある一定量以下の1,3−ジオキソランを使用することで、製造時における共重合体の生成速度が増加するため、触媒量をさほど増加させなくても、オキシメチレン共重合体が高収率で得られることが明らかとなった。
【0006】
さらに、特定の1,3−ジオキソラン量と特定の触媒量を使用して、製造されたオキシメチレン共重合体の機械的性質に関しては、オキシメチレン単独重合体並の高い剛性が得られるだけでなく、従来のオキシメチレン共重合体並の高い靭性を保持することも明らかとなった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ポリオキシメチレン単独重合体およびオキシメチレン共重合体両者の特性を生かし、オキシメチレン共重合体の本来有する靭性や熱安定性を保持したまま、オキシメチレン単独重合体並の機械的強度や剛性を有するオキシメチレン共重合体を高収率で得ることにある。
【0008】
【課題が解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、トリオキサンと特定量の1,3−ジオキソランを共重合するにあたり、特定量の触媒を使用することにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明は、トリオキサンと1,3−ジオキソランをカチオン活性触媒を用いて共重合するにあたり、1,3−ジオキソランをトリオキサンに対して0.01〜1.0モル%使用し、かつ触媒をトリオキサンに対するモル比で、1×10-7≦〔触媒〕/〔トリオキサン〕≦3×10-5を満たす量を使用する、熱安定性に優れたオキシメチレン共重合体を90%以上の高収率で製造するオキシメチレン共重合体の製造方法である。
【0010】
本発明における重合方法としては、塊状重合法、溶融重合法等がある。例えば、好ましい重合方法としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法か、またはモノマーに対して20%以下の溶媒を用いる準塊状重合法があり、溶融状態にあるモノマーを用いて重合し、重合の進行と共に塊状及び粉状化した固体のポリマーを得る方法である。
【0011】
本発明における原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノマーとしては1,3−ジオキソランが用いられる。1,3−ジオキソランの添加量は、トリオキサンに対して0.01〜1.0モル%で、好ましくは0.1〜0.8モル%である。1,3−ジオキソランの使用量がこれより多い場合は重合収率が低下し、少ない場合は熱安定性が低下する。
【0012】
本発明において、触媒は、1,3−ジオキソランに対するモル比で、1×10-7≦〔触媒〕/〔トリオキサン〕≦3×10-5を満たす量を、好ましくは、1×10-7≦〔触媒〕/〔トリオキサン〕≦2×10-5を満たす量を使用する。触媒の使用量がこれより多い場合は熱安定性が低下し、少ない場合は重合収率が低下する。
【0013】
本発明の重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物。また、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物。さらに、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。
【0014】
本発明の重合法において、オキシメチレン共重合体の分子量調節のために、必要ならば適当な分子量調節剤を用いても良い。分子量調節剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられる。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用いられ、最も好ましいのはメチラールである。分子量調節剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液で使用する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる重合装置は、バッチ式、連続式のいずれでも可能であり、バッチ式重合装置としては、一般的に用いられる攪拌機付きの反応槽が使用できる。連続式重合装置としては、重合時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニング機能を備えたニ−ダ−、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機、その他、これまでに提案されているトリオキサンの連続重合装置が使用可能で、2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。
【0016】
本発明の実施において、60〜90%の重合収率(境界収率と定義する)前後の重合温度の制御は重要である。境界収率は、好ましくは65〜90%、より好ましくは70〜90%、最も好ましくは80〜90%である。重合温度は重合収率が境界収率に達するまでは、60〜115℃に、好ましくは60〜110℃に、より好ましくは60〜100℃に、最も好ましくは60〜90℃の範囲に保たれるべきである。また重合収率が、境界収率以上においては、0〜100℃に、好ましくは0〜80℃に、より好ましくは0〜70℃に、最も好ましくは0〜60℃の範囲に保たれるべきである。重合収率が境界収率に達するまでの重合温度がこれより高いと、熱安定性が低下し、かつ重合収率も低下する。また低い場合は、熱安定性は保持されるが、この場合も重合収率は低下する。境界収率以上における重合温度がこれより高い場合は熱安定性が低下し、低い場合は、重合機の撹拌動力のトルク上昇をきたす等の不都合が発生する。また、境界収率以上における重合温度は、境界収率に達するまでの温度より高くなってはならない。もしこれが逆転すると、熱安定性が低下する。
【0017】
本発明の実施において重合時間は触媒量、重合温度とも関係し、特に制限はないが、一般には0.25〜120分の重合時間が選ばれ、特に1〜30分とするのが好ましい。
【0018】
重合を完了し、重合機から排出される粗重合体は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行い重合反応を停止することが必要である。本発明では、通常、重合収率が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上に達した時点で触媒を失活させ重合を停止する。
【0019】
本発明の失活剤としては、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などが使用できる。アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類、その他公知の触媒失活剤が使用できる。例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の有機リン化合物および三級アミンは好ましく、トリフェニルホスフィンが最も好適である。
【0020】
失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が使用可能である。
【0021】
いずれの場合も失活処理は、粗重合体は微細な粉粒体であることが好ましく、このためには重合反応機が塊状重合物を充分粉砕する機能を有するものが好ましく、また、重合後の反応物を別に粉砕機を用いて粉砕した後に失活剤を加えてもよく、更に失活剤の存在下で粉砕と攪拌を同時に行ってもよい。また粉砕は、粉砕後の粒度が、標準ふるいを用いRo−Tap(ロータップ)シェーカーによってふるい分けして、100wt%が10メッシュの篩を通過し、そのうち90wt%以上が20メッシュの篩を、60wt%以上が60メッシュの篩をそれぞれ通過するような粒度となるように粉砕することが望ましい。このような粒度まで粉砕が行われない場合は、失活剤と触媒の反応は完結せず、従って残存した触媒によって徐々に解重合が進行して分子量低下を生じる。
【0022】
本発明において重合触媒の失活を行った共重合体は高収率で得られるため、そのまま後段の安定化工程に送ることができるが、一層の精製が必要であるならば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を経ることができる。
【0023】
安定化工程では、下記(1)および(2)に記載される安定化方法を採用することができる。
(1)上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶融して、不安定部分を除去する方法。
(2)上記で得られたオキシメチレン共重合体を水性媒体中で加水分解して、不安定部分を除去する方法。
これらの方法により安定化した後、ペレット化し、安定化された成形可能なオキシメチレン共重合体を得ることができる。
【0024】
上記の方法のうち、(1)の方法が(2)の方法に比べて、工程が単純であり、工業的方法として好ましい。すなわち、(1)の方法を採用する場合は、オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高い温度までの範囲で、760〜0.1Torrの圧力下において溶融混練することが好ましい。処理温度がオキシメチレン共重合体の溶融温度より低い場合は、不安定部分の分解温度が不充分となり、安定化の効果が得られない。また、その溶融温度から100℃高い温度を越える場合は、黄変を起こしたり、熱によるポリマーの主鎖分解を起こしたり、同時に不安定部分が生成し熱安定性を損なう結果となり好ましくない。また、処理時の圧力としては、760Torrより高い場合は、不安定部分の分解により生じた分解ガスを系外に除去する効果が低く、充分な安定化効果が得られない。また0.1Torrより低い場合は、このような高減圧度を得るための装置が高価となり、工業的不利益が生ずるばかりでなく、吸引ベント口より溶融樹脂が流出し易くなり、運転上のトラブルを起こしやすく好ましくない。
【0025】
また、本発明において、上記安定化処理に用いる装置としては、単軸または2軸以上のベント付押出機を使用することができる。押出機は必要な滞留時間を得るために、2台以上の押出機を直列に配置する方法は有利な方法である。これらの安定化処理に際して、オキシメチレン共重合体の溶融混練時に、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤を添加して安定化処理を行うことができる。
【0026】
使用できる酸化防止剤としては、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の立体障害性フェノール類が挙げられる。熱安定剤としては、メラミン、メチロ−ルメラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン等のアミン置換トリアジン類、ポリアミド類、尿素誘導体、ウレタン類等およびナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの無機酸塩、水酸化物、有機酸塩等が挙げられる。
【0027】
また、本発明の方法により製造されたオキシメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、離型剤、あるいはポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系のような光安定剤等の添加剤を所望により添加することができる。
【0028】
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。なお、実施例および比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
【0029】
連続重合機:二つの円が一部重なった内断面を有し、内断面の長径が20cmであり、周囲にジャケットを有する長いケース内に1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う擬三角形板が多数はめ込まれ、擬三角形板の先端でケース内面および相手の擬三角形板の表面をクリーニングできる連続混合機。
重合収率:停止処理を施した、粗共重合体20gを20mlのアセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施した。しかる後、精秤し、以下の式により重合収率を決定した。
重合収率=M1 /M0 ×100
0 ;アセトン処理前の重量
1 ;アセトン処理、乾燥後の重量
加熱重量減少率:粗重合体を10-2Torr減圧下で60℃、24時間乾燥した後、60メッシュの篩を通過した粗重合体粉末2gに安定剤(チバガイギー社製:イルガノックス245(4.0%))を加え、よく混合してから試験管に入れ、窒素置換後10Torr減圧下で222℃、2時間加熱した場合の重量減少率を示す。
極限粘度:2%のα−ピネンを添加したp−クロロフェノール溶媒中に、粗共重合体を0.1重量%溶解して、60℃で測定した。
機械的物性:オキシメチレン共重合体の曲げ特性、引張特性をそれぞれASTMD790、ASTM D638に従って測定した。
滞留熱安定性:オキシメチレン共重合体を、75tonの型締圧を有する射出成形機を用いて、シリンダー温度240℃でシリンダー内に一定時間滞留させ、シルバーストリークの発生するまでの所要滞留時間を測定した。値が大きいほど熱安定性が良好なことを示す。
【0030】
実施例1〜5
連続重合装置として、前述の連続重合機2台および停止剤混合機(シャフトには互いにかみ合う擬三角形板の代わりにスクリュー様の羽根が多数はめ込まれた構造を有し、供給口部分から停止剤溶液を注入し、連続的に重合体と混合せしめる連続重合機)を直列に接続したものを使用し、オキシメチレン共重合体の製造を実施した。第1段目の重合機の入口に、80kg/hr(889kmol/hr)のトリオキサンおよび表1に示した量の1,3−ジオキソランと、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを連続的に供給した。また分子量調節剤としてメチラールを、極限粘度1.1〜1.5dl/gに調節するのに必要な量を連続的に供給した。ベンゼンの合計使用量はトリオキサンに対して1重量%以下であった。また、停止剤混合機の入口より、使用した触媒量の2倍モルのトリフェニルホスフィンをベンゼン溶液で連続的に供給し、重合を停止し、出口よりオキシメチレン粗共重合体を収得した。なお、連続重合機は、各々シャフト回転数を約40rpmとし、また第1段目ジャケット温度を65℃、第2段目および停止剤混合機ジャケット温度を各々40℃に設定して重合運転を行った。得られた粗共重合体の重合収率、加熱重量減少率を測定し、その結果を表1に示した。また、得られた粗共重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、混合した後、ベント付2軸押出機に供給し、160Torrの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。これらの滞留熱安定性および射出成形により試験片を成形して機械的物性を測定し、その結果を表1に示した。
【0031】
比較例1〜2、参考例1
表1に示した触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外は、実施例1〜5と同様に繰り返した。また、オキシメチレン単独重合体として旭化成工業社製テナック4010を使用した場合について、実施例1〜5と同様に機械的物性および滞留熱安定性を測定した。結果は併せて表1に示した。
【0032】
実施例6〜10
表1に示した1,3−ジオキソラン量および触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外は、実施例1〜5と同様に繰り返した。結果は表1に示した。
【0033】
比較例3〜4
表1に示した触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外は、実施例6〜10と同様に繰り返した。結果は表1に示した。
【0034】
実施例11〜13
表1に示した1,3−ジオキソラン量および触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外は、実施例1〜5と同様に繰り返した。結果は表1に示した。
【0035】
比較例5〜6
表1に示した1,3−ジオキソラン量および触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート)量を使用する以外は、実施例11〜13と同様に繰り返した。結果は表1に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0004471050
【0037】
【発明の効果】
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、オキシメチレン共重合体の靭性や熱安定性を保持したまま、オキシメチレン単独重合体の如き高い機械的強度や剛性を有するオキシメチレン共重合体が高収率で得られる。

Claims (3)

  1. トリオキサンと1,3−ジオキソランをカチオン活性触媒を用いて共重合するにあたり、1,3−ジオキソランをトリオキサンに対し0.01〜1.0モル%使用し、かつ触媒をトリオキサンに対するモル比で、1×10-7≦〔触媒〕/〔トリオキサン〕≦3×10-5を満たす量を使用し、重合収率が少なくとも90%の時点で、生成したオキシメチレン共重合体とトリフェニルホスフィンとを接触させることを特徴とする窒素置換後10Torr減圧下で222℃、2時間加熱した場合の重量減少率が3.5重量%以下であるオキシメチレン共重合体を90%以上の高収率で製造するオキシメチレン共重合体の製造方法。
  2. 得られたオキシメチレン共重合体を、安定化処理する請求項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  3. 安定化処理が、オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高い温度までの温度範囲で、760〜0.1Torrの圧力下に溶融混練して行われる請求項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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