JP2001328945A - アレルギー反応防御剤 - Google Patents

アレルギー反応防御剤

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JP2001328945A JP2000148323A JP2000148323A JP2001328945A JP 2001328945 A JP2001328945 A JP 2001328945A JP 2000148323 A JP2000148323 A JP 2000148323A JP 2000148323 A JP2000148323 A JP 2000148323A JP 2001328945 A JP2001328945 A JP 2001328945A
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allergic
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Hidehiko Yokogoshi
英彦 横越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アレルギー防御能を高め、アレルギー反応が
惹起しにくい体質を作る作用を有する物質を見出し、こ
れを有効成分とするアレルギー反応防御剤を提供するこ
と。 【解決手段】 魚類血合肉をペプシンで分解した後、限
外濾過により取得した分子量1,000から10,000
の範囲のペプチドを有効成分として含有することを特徴
とするアレルギー反応防御剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アレルギー反応防
御剤に関し、更に詳細には、マグロ等の魚類の血合肉か
ら取得したペプチドを有効成分とするアレルギー反応防
御剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アトピー性皮膚炎や花粉症などの
各種アレルギー疾患に罹っている人は大変多く、日常の
生活、あるいは社会生活の上でも大変問題になってい
る。このアレルギー反応に対しては、抗原が身体に入ら
ないようにすることが今のところ唯一の対策である。例
えば、花粉症等については、マスクをして花粉の吸入を
抑制したり、食事に起因するアレルギーについては、ア
レルゲンを除去した食事を摂取することが行われている
が、いずれも本質的な解決とは言い難い。
【0003】また、数多くの抗アレルギー剤が提供さ
れ、アレルギー症状の抑制に使用されているが、これら
は既に生じたアレルギー反応を抑制するものであり、ア
レルギー反応を根本的に防御するという性質のものでは
ない。
【0004】一方、アレルギー疾患の患者から見た場
合、アレルギー反応が惹起しにくい体質に改善すること
ができれば、特にアレルゲンの存在に気を配らず普通に
生活できるため、これがもっとも望ましいことはいうま
でもない。しかしながら、現在に至るまで、アレルギー
反応が惹起しにくい体質を作る作用を有する物質はほと
んど知られていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、身体
におけるアレルギー防御能を高める成分を見出し、これ
を有効成分とするアレルギー反応防御剤の提供をその課
題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の食
品素材、特に水産物についての機能特性を種々検討して
いたところ、魚類の血合肉を酵素処理して得た成分中に
ヒトの免疫活性を高める物質が含まれており、これがア
レルギー反応防御剤の有効成分として利用しうることを
見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、魚類血合肉をペプシン
で分解した後、限外濾過により取得した分子量1,00
0から10,000の範囲のペプチドを有効成分として
含有することを特徴とするアレルギー反応防御剤を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書中において、アレルギー
反応防御剤とはヒトの体質を改善し、アレルギー反応自
体の発現回数を減少させる薬剤をいい、一旦生じたアレ
ルギー反応を緩和させる抗アレルギー剤とは異なるもの
である。
【0009】本発明のアレルギー反応防御剤の有効成分
であるペプチドは、魚類血合肉をペプシンで分解した
後、限外濾過により取得される分子量範囲が1,000
から10,000のものである(以下、「本発明ペプチ
ド」という)。
【0010】この本発明ペプチドは、魚類の血合肉、特
にキハダマグロ等のマグロの血合肉をペプシンで分解
し、次いで限外濾過により分子量1,000から10,0
00の部分を採取することにより得られる。より具体的
には、図1に示すフローチャートに従って得ることがで
きる。
【0011】原料物である魚類の血合肉は、皮、小骨等
を除去した後、チョッパーによりミンチ状とし、これに
約3倍程度の水を加え、更にpHを2程度の酸性として
次のペプシン処理を行う。
【0012】ペプシン処理は、約37℃程度の温度で、
血合肉3000g当たり30g程度のペプシンを加え、
反応を18時間程度行なえば良く、その後、90℃まで
温度を上げ、その温度を3時間維持して酵素を失活させ
ることにより行われる。
【0013】このペプシン処理後、固形物を濾別し、得
られた濾液を限外濾過に付し、分子量が6,000以下
の画分を取得する。
【0014】得られた上記画分は、更に必要に応じて逆
浸透膜濾過に付して濃縮した後、電気透析により脱塩
し、最後に凍結乾燥して本発明ペプチドを得る。
【0015】かくして得られる本発明ペプチドは、使用
する魚類の種類やその捕獲時期等によってその物性は若
干相違するが、例えばキハダマグロの血合肉を原料とし
て得られたものは、次のような物性を有する。
【0016】(1)分子量:1,000から10,000
(ゲル濾過法による) (2)構成成分:全組成の96質量%以上が蛋白分であ
り、灰分が2.0質量%程度である。脂肪分は、0.5質
量%以下、水分も5質量%以下である。 (3)アミノ酸構成:蛋白分を構成アミノ酸としては、
グルタミン酸が5から25%程度、アスパラギン酸が3
から20%程度、ロイシンが3から18%程度である。
また、タウリンが1から10%程度と比較的多い。
【0017】上記本発明ペプチドを用いてアレルギー反
応防御剤を調製するには、当該ペプチドを薬学的に許容
される担体と共に常法に従って製剤化すればよい。
【0018】製剤の形状としては、粉剤、散剤、細粒
剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、液剤、
シロップ剤等の経口剤や、注射剤、点滴剤、坐剤等の非
経口剤等を挙げることができる。
【0019】上記各形状のアレルギー反応防御剤のう
ち、経口剤は、有効成分である本発明ペプチドを、その
ままあるいは必要に応じて、医薬品や食品への使用が許
容され一般的に製剤に用いられる公知の添加剤、例え
ば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コー
ティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤
などと混合し、常法に従って、顆粒剤、散剤、カプセル
剤、錠剤、ドライシロップ剤、液剤等所望の剤型にする
ことにより調製される。
【0020】使用される配合成分のうち、賦形剤として
は、たとえばマンニトール、キシリトール、ソルビトー
ル、ブドウ糖、白糖、乳糖、ステビア、結晶セルロー
ス、結晶セルロース・カルボキシルメチルセルロースナ
トリウム、りん酸水素カルシウム、コムギデンプン、コ
メデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプ
ン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デキストリ
ン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ
ン、カルボキシビニルポリマー、軽質無水ケイ酸、酸化
チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリエチ
レングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどが挙げ
られる。
【0021】また、崩壊剤としては、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリ
ウム・A型(アクチゾル)、デンプン、結晶セルロー
ス、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デ
ンプンなどが、結合剤としては、たとえばメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ゼラ
チン、アラビアゴム、エチルセルロース、ポリビニルア
ルコール、プルラン、アルファー化デンプン、寒天、タ
ラガント、アルギン酸ナトリウムアルギン酸プロピレン
グリコールエステルなどが、滑沢剤としては、たとえば
ステアリン酸、ステリアン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノー
ル、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチル
ポリシロキサン、マイクロクリスタリンワックス、ミツ
ロウ、サラシミツロウなどがそれぞれ挙げられる。
【0022】更に、抗酸化剤としては、たとえばジブチ
ルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェ
ロール、クエン酸などが、コーティング剤としては、た
とえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸
フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルア
ミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポ
リマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテー
トサクシネート、メタアクリル酸コポリマー、セルロー
スアセテートトリメリテート(CAT)、ポリビニルア
セテートフタレート、セラックなどが、着色剤として
は、例えばタール色素、酸化チタンなどが、矯味矯臭剤
としては、クエン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、メ
ントールなどがそれぞれ挙げられる。
【0023】更にまた、界面活性剤としては、たとえば
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グ
リセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチ
ン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、
ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴ
ール類、ショ糖脂肪酸エステルなどが、可塑剤として
は、クエン酸トリエチル、トリアセチン、セタノールな
どがそれぞれ挙げられる。
【0024】なお、本発明のアレルギー反応防御剤をド
リンク剤等の経口液剤とする場合、必要に応じて他の生
理活性成分、ミネラル、ビタミン、ホルモン、栄養成
分、香料などを混合することにより、嗜好性をもたせる
こともできる。
【0025】本発明のアレルギー反応防御剤における、
本発明ペプチドの配合量は、大人1人1日当たり、乾燥
固形物として50から6000mg程度、特に、200
から3000mg程度とすることが好ましい。
【0026】また、本発明ペプチドは食品添加用剤の剤
形として、日常摂取する各種食品に配合することもでき
る。この場合は、特にアレルギー反応防御剤を摂取する
との意識なしに、アレルギー反応を防御する体質となる
ので、より好ましい。
【0027】
【実施例】次に参考例および実施例を挙げ、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制
約されるものではない。
【0028】参 考 例 本発明ペプチドの取得:キハダマグロ血合肉3.0kg
を蒸煮し、これをチョッパーにかけてチョッパー肉を得
た。このチョッパー肉に、約3倍量の水を加え、6N塩
酸でpH2に調整した後、ペプシン30gを加え、37
℃で、18時間酵素反応させた。
【0029】その後、水酸化ナトリウム水溶液でpH7
に調整し、これを濾過した。
【0030】この濾液を限外濾過膜 AIP 2013
(分子量6000以下分取:旭化成社製)に付し、限外
濾過を行った。次いで得られた画分を、逆浸透濾過膜
NTR759(日東電工社製)に付し、濃縮した。
【0031】最後に、5リットル用電気透析膜(旭硝子
社製)で電気透析することにより塩類を除去し、凍結乾
燥して本発明ペプチドを粉末として得た。
【0032】得られた本発明ペプチドは、ゲル濾過によ
り分子量1,000〜10,000のものが大部分であ
り、低分子量のものは少ないことが明らかになった。こ
の本発明ペプチドの一般成分割合を表1に、また、アミ
ノ酸組成を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果から、本発明ペプチドは98%
程度が蛋白であり、構成アミノ酸としては、グルタミン
酸、アスパラギン酸、ロイシンが多かった。また、タウ
リンが多いのも特徴であった。
【0036】実 施 例 1 即時型アレルギー反応試験: (1)能動的腹腔アナフィラキシー( Active Abdomina
l Anaphalaxy :AAA)試験 アレルゲンとしてオボアルブミンで感作をした後、IC
R雄マウスの尾静脈にエバンスブルーを注入し、その
後、腹壁内に誘発用アレルゲンを注射し、色素漏出部位
の長径と短径を計測することにより能動的腹腔アナフィ
ラキシーを調べた。
【0037】まず、オボマクログロブリン(鶏卵;グレ
ードV,シグマ社製)を、滅菌生理食塩水にて希釈し、
2.0mg/mlオボマクログロブリン溶液を調製し
た。このアレルゲン原液とフロインド不完全アジュバン
ト(FIA;和光純薬社製)を等量ずつとり、ルアーロ
ック付き注射筒を用いて乳化させて感作用アレルゲンエ
マルジョンを得た。この感作用アレルゲンエマルジョン
50μlをICR雄マウスの下腹部の腹腔内に投与し、
感作した(通常、9日目には感作が成立する)。
【0038】次に、マウスの尾静脈にエバンスブルー溶
液(100μl/匹)を注射し、注射部位を1分間圧迫
して止血する。次いで、エーテル麻酔下、マウスの腹壁
に傷をつけないように、速やかに腹部の皮膚を剥離し、
腹壁を露出させ、エバンスブルー溶液の投与から6分後
に、マイクロシリンジを用い、血管および白線沿いの筋
層を避けた部分の腹壁内に誘発用アレルゲン溶液(1μ
l/ml)を50μl注射した。
【0039】更に、腹壁内注射から正確に7分後にマウ
スを頸椎脱臼により屠殺し、色素漏出部位を含んだ腹壁
を切り取り、切除した腹壁を透明なシャーレなどに貼付
して、色素漏出部位の長径と短径をノギスで測定するこ
とにより能動的腹腔アナフィラキシーを調べた。能動的
腹腔アナフィラキシーの評価は、測定した色素漏出部位
の長径と短径の積(ADE)により行った。
【0040】本発明のペプチドを5mg/g体重で投与
したマウス群と、対照マウス群での能動的腹腔アナフィ
ラキシー試験の結果を図2に示す。
【0041】この結果より、本発明ペプチドの投与によ
りIgE産生が抑制され、即時型アレルギー(I型)が
改善されることが明らかになった。
【0042】(2)ヒスタミン感受性試験 ヒスタミンをICR雄マウス耳介に投与し、その前後の
耳介の厚さの変化を測定することによりヒスタミン感受
性を調べた。
【0043】あらかじめ、マウスの耳介の厚さをダイヤ
ルシックネスゲージ(R1−A;尾崎製作所社製)で測
定した。次いでマイクロシリンジを用いて、1mg/m
lのヒスタミン生理食塩水溶液を10μlを、マウスの
耳介に皮内注射する。注射の後、正確に50分後にヒス
タミンを注射した耳介の厚さをダイヤルシックネスゲー
ジで測定し、下式により耳介腫脹を求め、ヒスタミン感
受性を評価した。
【0044】< 評 価 式 > 耳介腫脹 = 注射後の耳介の厚さ − 注射前の耳介の厚
【0045】本発明のペプチドを5mg/g体重で投与
したマウス群と、対照マウス群でのヒスタミン感受性試
験の結果を図3に示す。
【0046】(3)受身皮膚アナフィラキシー( Passi
ve Cutaneous Anaphylaxy:PCA )試験 基本的には、能動的腹腔アナフィラキシー反応と同様で
あるが、抗原液の希釈倍率を変え、何倍希釈まで陽性反
応が出たかを測定した。
【0047】まず、8、9週齢の雌性Sprague−
Dowley(SD)ラットを軽くエーテル麻酔し、固
定台に背中を上にして固定する。次いで、電気バリカン
で背中の皮膚を傷つけないように注意深く刈る。赤のマ
ジック(登録商標)インクで注射部位に小さい点をつけ
る。
【0048】一方、マウス血清をPBSで、1:2〜
1:36程度まで希釈した血清希釈液準備し、これを1
00μl容ガラスシリンジを用いて、ラット皮内に0.
1ml注射する。皮内注射の終了後、ラットを固定台か
らはずし、ケージに入れて24時間おく。
【0049】24時間経過後、オボマクログロブリン
(鶏卵,グレードV;シグマ社製)を生理食塩水で10
mg/mlに調整し、孔径4.5μmのフィルターでろ
過した抗原液0.3mlと0.5%エバンスブルー液2.
7mlを混合し、この混合液1mlをラットの尾静脈か
ら注入した。注射30分後に反応がほぼ最高に達するの
で、径5mm以上を陽性とし、何倍希釈まで陽性反応が
出たかと、スポットサイズにより、受身皮膚アナフィラ
キシーを評価した。
【0050】本発明のペプチドを5mg/g体重で投与
したマウスの血清群と、対照マウス群の血清をラットに
注射した受身皮膚アナフィラキシー試験の結果を図4に
示す。
【0051】(4)ELISAによる血清中のIgE量
の測定 上記試験(3)で使用したマウスについて、ELISA
法により血清中のIgEを測定した。
【0052】本発明のペプチドを5mg/g体重で投与
したマウス群と、対照マウス群での総IgEレベルと、
オボマクログロブリンに特異的なIgEレベルを図5の
AおよびBに示す。
【0053】上記試験(1)から(4)より、本発明ペ
プチドは即時型アレルギー反応を抑制し、アレルギー防
御作用があることが明らかとなった。
【0054】実 施 例 2 遅延型アレルギー反応試験:ICR雄マウスを用い、オ
キサゾロン及び塩化ピクリルによる皮膚接触過敏反応を
試験した。
【0055】本実験に使用する感作試薬としては、オキ
サゾロン(シグマ社製)300mgを5mlのアセトン
に溶解し、さらに5mlのエタノールを加えて得た3%
オキサゾロンエタノール溶液と、100mgの塩化ピク
リルを1.6mlのアセトンに溶解し、これに0.4ml
のオリーブ油を加えて、攪拌して調製した5%塩化ピク
リル・アセトン−オリーブ油(4:1)を用いた。一
方、誘発試薬としては、オキサゾロン100mgを10
mlのエタノールに溶解して得た1%オキサゾロンエタ
ノール溶液と、10mgの塩化ピクリルを1mlのオリ
ーブ油に加え、スターラーでゆっくり攪拌して調製した
1%塩化ピクリル液を用いた。
【0056】試験は、あらかじめ電気バリカンでマウス
の腹部を刈毛しておき、翌日、感作試薬である3%オキ
サゾロンエタノール溶液または5%塩化ピクリル・アセ
トン−オリーブ油(4:1)を腹部に150μl塗布し
て感作させた(通常7日後には感作は成立する)。
【0057】感作7日後、マウスの両耳介をダイヤルシ
ックネスゲージで計測し、次いで誘発試薬である1%オ
キサゾロンエタノール溶液または1%塩化ピクリル液を
耳介の表と裏側に10μlずつピペットマンを用いて塗
布した。塗布24時間後、48時間後および72時間後
にダイヤルシックネスゲージで耳の厚さを測定し、下式
により耳介腫脹を算出して遅延型アレルギーを評価し
た。
【0058】< 評 価 式 > 耳介腫脹 = 塗布後の耳介の厚さ − 塗布前の耳介の厚
【0059】本発明のペプチドを5mg/g体重で投与
したマウス群と、対照マウス群についての遅延型アレル
ギー反応試験の結果を図6に示す。
【0060】上記試験より、本発明ペプチドは即時型ア
レルギー反応のみならず遅延型アレルギー反応をも抑制
し、優れたアレルギー防御作用があるものであることが
示された。
【0061】
【発明の効果】本発明のアレルギー反応防御剤は、アト
ピー性皮膚炎や花粉症などに代表される各種アレルギー
疾患や、食品に起因するアレルギー疾患から生体を防御
する作用を有するものである。
【0062】そして、本発明のアレルギー反応防御剤
は、対症療法的に用いられるものでなく、アレルギー症
状を発現しにくい体質とするものであるため、アレルギ
ー疾患患者に対し、根本的な治療法を提供するものとい
える。
【0063】また、本発明のアレルギー反応防御剤の有
効成分は、水産物の利用価値の低い部分から得られるも
のであるため、水産物の有効利用の面でも価値のあるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ペプチドを得るための工程を示すフロ
ー図である。
【図2】 本発明ペプチドの能動的腹腔アナフィラキシ
ー試験の結果を示す図面である。
【図3】 本発明ペプチドのヒスタミン感受性試験の結
果を示す図面である。
【図4】 本発明ペプチドの受身皮膚アナフィラキシー
試験の結果を示す図面である。
【図5】 本発明ペプチド投与による、血清中のIgE
量の変化を示す図面である。図中、Aは総IgEレベ
ル、Bはオボマクログロブリンに特異的なIgEレベル
を示す。
【図6】 本発明ペプチドの皮膚接触過敏反応試験の結
果を示す図面である。 以 上
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/46 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B018 MD20 MD74 ME07 MF01 MF12 4C084 AA02 BA43 CA45 MA52 NA14 ZB132 4C087 BB29 CA33 CA47 MA52 NA14 ZB13 4H045 AA10 AA30 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 CA52 EA01 EA22 FA70 GA10 HA02 HA03 HA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚類血合肉をペプシンで分解した後、限
    外濾過により取得した分子量1,000から10,000
    の範囲のペプチドを有効成分として含有することを特徴
    とするアレルギー反応防御剤。
  2. 【請求項2】 魚類血合肉がマグロの血合肉である請求
    項第1項記載のアレルギー反応防御剤。
  3. 【請求項3】 食品添加用のものである請求項第1項記
    載のアレルギー反応防御剤。
  4. 【請求項4】 キハダマグロの血合肉を原料とし、これ
    をペプシンで分解した後、限外濾過により取得した、ア
    レルギー防御能を高めるペプチド。
  5. 【請求項5】 更に次の性質を有する請求項4記載のア
    レルギー防御能を高めるペプチド。 (1)分子量:1,000から10,000(ゲル濾過法
    による) (2)構成成分:全組成の96質量%以上が蛋白分であ
    り、灰分が2.0質量%程度である。脂肪分は、0.5質
    量%以下、水分も5質量%以下である。 (3)アミノ酸構成:蛋白分を構成アミノ酸としては、
    グルタミン酸が5から25%程度、アスパラギン酸が3
    から20%程度、ロイシンが3から18%程度である。
    また、タウリンが1から10%程度と比較的多い。
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Cited By (3)

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