JP2001307669A - 軟x線発生装置及びx線検査装置 - Google Patents
軟x線発生装置及びx線検査装置Info
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Abstract
小試料について、コントラストのある鮮明なX線画像を
得ることができるX線検査装置を提供する。 【解決手段】 フィラメント10からの電子ビーム1
を、高電圧を印可してアノード19のパイプ26中に導
入し、電子レンズ8で収束して、厚みがAl当量0.2
mm以下に製作されたX線透過窓5上に成膜されたター
ゲット金属2にマイクロフォーカスさせる。そのターゲ
ット金属2から発生する軟X線成分を多く含んだ透過X
線4を試料12にあて、感度の高い背面照射型X線検出
器13に透過X線を入力する。X線透過窓5の厚みが薄
いので、コントラストのある鮮明なX線画像を得ること
ができる。
Description
係わり、特に、ターゲット金属に電子を当て、そこから
発生する透過軟X線を用いて、X線非破壊検査やX線分
析を行なう透過型マイクロフォーカスX線管、軟X線画
像検査装置に関する。
る手法が各分野で要求されている。例えば半導体パッケ
ージングの開発や実装検査・品質保証のために、微小焦
点を有するX線管を使って内部の欠陥などが調べられて
いる。このX線管は開放型構造で、ターゲットに厚さが
薄いタングステンプレートを使用し、収束された電子ビ
ームをこのターゲットに打ち込み、そこで発生するX線
を透過した裏側から放射するものである。検査部品の微
細な構造を観察するため、焦点寸法は微小なものが使わ
れている。
す。このX線管はカソード部20(下部)とアノード部
21(中部)とターゲット部22(上部)、から構成さ
れており、各部はO−リングで互いに真空気密に連結さ
れており、ターボポンプとロータリーポンプ(図示せ
ず)による2段引きがされた真空チャンバ11を形成し
ている。カソード部20は、高圧ケーブル挿込み口17
に高圧ケーブルが挿し込まれ、ウエネルト9の電極とフ
ィラメント10に負の高電圧が印加される。アノード部
21、ターゲット部22及び真空チャンバ11の外装
は、接地電位に保たれている。高圧ケーブル(図示され
ていない)からフィラメント10に電圧が印加され電流
が流れ加熱されると、熱電子が放出されアノード19に
向かって加速され、電子ビーム1を形成する。アノード
部21はレンズホルダ25にアノード19とパイプ26
を組み込んだものである。
り、ターゲット部22の電子レンズ8によって、微小な
径の電子ビーム1に収束されターゲット金属2に突入す
る。ターゲット部22はポールピース27の円筒内に電
子レンズ8を組み込み、ポールピースTOP23の上部
と、ターゲットホルダ14の間にX線透過窓16がサン
ドイッチされた状態で組込まれており、図6に示すよう
に、アルミニウムの厚みT=0.5mm程度のX線透過
窓16上の内側に、ターゲット金属2がマウントされて
いる。ターゲット金属2は、例えば、厚さが50μm程
度のタングステンが使われたり、ターゲット金属2をX
線透過窓に直接成膜したりしている。このターゲット金
属2に電子ビーム1が突入するとそこでX線4を放射す
る。その放射方向は指向性を持っており、透過した方向
のX線4を利用している。X線管のX線条件は管電圧は
5〜160kV、管電流は〜0.3mA程度で、マイク
ロフォーカスで焦点寸法は1〜200μm程度のものが
使われている。
のX線管は以上のように構成されており、ターゲット金
属2に衝突した電子の運動エネルギーの一部はX線に変
換され、その強度はI=k・i・Z・V2により与えら
れる。ここでIはX線強度、kは定数、iは管電流、Z
はターゲット元素の原子番号、Vは加速電圧である。タ
ーゲット金属2は固定式で、X線透過窓16に厚み一定
の箔または薄膜が付けられており、発生するX線の強度
は波長分布を持ち、その分布は加速電圧Vとターゲット
の材質とターゲットの厚みなどにより決定される。厚み
が厚い金属(ターゲット金属2+X線透過窓16)は、
厚みが薄い金属(ターゲット金属2+X線透過窓16)
に比べて、光子エネルギーの低い領域におけるX線強度
が大きく異なる。
つまり波長が長いX線(軟X線)は、短い波長のX線
(硬X線)に比べて金属(ターゲット金属2+X線透過
窓16)の内部吸収により大きく減衰するためである。
したがって、透過型X線管において発生するX線のスペ
クトルは、加速電圧V、ターゲット金属2とX線透過窓
16の材質、そしてターゲット金属2とX線透過窓16
の厚みにより決定される。そのため、X線透過窓16も
X線透過率の良い材料と適正な厚みが要求される。しか
しながら、X線4が透過していくX線透過窓16の厚み
が、従来のものはアルミニウム板0.5mm程度と厚い
ため、この厚みが厚いと1〜10keVの軟X線が遮蔽
されてしまう。軟X線はX線吸収率が大きく、試料の厚
みが薄い場合や樹脂材料などのX線吸収が少ない試料に
ついては、コントラストがつきやすく有利である。
厚みでは、波長の長い軟X線成分が吸収されてしまい、
波長の短い硬X線を薄い試料に照射しても、試料透過能
力が高すぎて、十分な内部構造のコントラストを得るこ
とが難しいという問題があった。
検出器の空間分解能は20μm〜100μmであり、こ
の検出器を用いて1μm程度の空間分解能を得るため
に、20〜100倍の拡大撮影が行なわれる。例えば、
φ10cm程度の被写体では、検出器位置を遠くする必
要がある。その距離は、100〜500cmになる。小
さい被写体の場合は、X線管焦点から被写体までの距離
を近づけて拡大撮影できるが、ターゲット金属2が形成
されているX線透過窓5の厚さによる中央部と周辺部の
X線強度差によりムラができ、画像が観察できにくいと
いう問題がある。
たものであって、厚さの薄い試料やX線吸収が少ない試
料や微小試料について、コントラストのある鮮明なX線
画像を得ることができる軟X線発生装置及びX線検査装
置を提供することを目的とする。
め、本発明の軟X線発生装置は、陰極フィラメントから
放出された電子を加速収束させて陽極ターゲットに衝突
させ、透過方向にX線を発生させるX線発生装置におい
て、軟X線(1〜10keV)に対する透過率が同条件
下で0.2mm厚のAlを窓材とした場合の透過率以上
となるよう前記陽極ターゲット金属を成膜したX線透過
窓材の厚みを設定したものである。
みを0.2mm以下に形成したものである。また、前記
陽極ターゲット金属をX線透過窓材に成膜した後、エッ
チングによって薄く加工されたX線透過窓材を備えるも
のである。また、前記陽極ターゲット金属を薄いX線透
過窓材に成膜した後、補強板に接着した構造を備えるも
のである。
極ターゲット金属を成膜したX線透過窓材の厚みを、A
l当量0.2mm以下に形成したX線管、または、前記
陽極ターゲット金属をX線透過窓材に成膜した後、エッ
チングによって薄く加工されたX線透過窓材を備えるX
線管、または、前記陽極ターゲット金属を薄いX線透過
窓材に成膜した後補強板に接着した構造を備える軟X線
発生装置と、背面照射型X線検出器とを組み合わせたも
のである。
されており、陽極ターゲット金属を成膜したX線透過窓
材の厚みをAl当量0.2mm以下に形成し、または、
X線透過窓材にターゲット金属を成膜後、エッチングに
よって薄く加工し、または、ターゲット金属を薄いX線
透過窓材に成膜した後、補強板を接着した構造にした軟
X線発生装置と、背面照射型X線検出器(背面照射型C
CD)とを組み合わせて、X線透視撮影を行なうので、
X線透過窓での軟X線吸収が少なく、そのため軟X線成
分の多いX線で、厚さの薄い試料やX線吸収が少ない試
料について、X線に感度の良い背面照射型CCDを用い
て、コントラストのあるX線画像を得ることができる。
また、微小試料を超近接撮影する場合でも、X線透過窓
の厚さによる中央部と周辺部のX線強度差によるムラが
少なく良好な画像を観察することができる。
を図1を参照しながら説明する。図1は本発明のX線検
査装置の断面を示す図である。本X線検査装置は、軟X
線を発生するX線管と背面照射型X線検出器13とから
構成されている。X線管は、電子ビーム1を発生するカ
ソード部20と、その電子ビーム1を加速するアノード
部21と、加速された電子ビーム1を収束してX線透過
窓5の裏側に設けられたターゲット金属2にあてX線4
を透過方向に発生させるターゲット部22から構成され
ている。従来のX線管と異なるところは、ターゲット金
属2が形成されているX線透過窓5の形状、特にX線透
過方向の厚みが異なる。
厚み0.5mm程度のものが使われているが、波長の長
い軟X線成分が吸収されてしまい、波長の短い硬X線を
薄い試料に照射しても、試料透過能力が高すぎて、十分
な内部構造のコントラストを得ることが難しい。図2に
示すように、本軟X線発生装置のX線管に使われるX線
透過窓3の厚みTは、アルミニウム当量で0.2mm以
下とする。アルミニウムよりX線透過性の良い金属材料
としてベリリウムBeがあるが、ベリリウムは室温では
硬くて脆く、圧延、伸延等の加工が難しい。そのうえ、
ベリリウムは酸素に対して親和力を有するので、加工は
水素気中、または真空中で高い温度で加工されるか、酸
でエッチングするか、Be粉末に注意を払って研磨して
製作される。ベリリウム板は高価で、その加工は上記の
ように困難であるので、一般にはX線透過窓5としては
薄いアルミニウム板が用いられるが、ベリリウムBeを
窓材として用いてもよい。
で0.2mmにまで薄くすることは出来ないので、アル
ミニウム板を薄くする方法を図3の実施例により説明す
る。まず、T=0.5mm程度厚さのアルミニウム板の
中央にX線発生用のターゲット金属2を成膜する。次
に、薄い酸性の水溶液、例えばフッ酸の希釈水溶液か、
市販のアルミエッチング液(リン酸、硝酸、酢酸、水の
混合液)を準備する。そして、X線管焦点になる透過部
付近のターゲット金属2の反対側の成膜されていない部
分を残して、それ以外の部分を耐酸性のマスキング用膜
でコーティングする。そして、上記のフッ酸の希釈水溶
液中に浸す。その厚さが0.2mm以下になるまでエッ
チングする。
の酸の濃度と温度と材質により決定されるので前もって
テストにより、その時間を決めておく)経過後にアルミ
ニウム板を取り出し、水洗する。そして、マスキング用
のコーティング材を除去液を用いて取り除く。再度水洗
して乾燥する。すなわち、X線透過窓5にX線発生用の
ターゲット金属2を成膜した後X線管焦点になる透過部
付近を、酸等でエッチングして中央部を薄くして、X線
透過窓5を加工する。
ウム板の中央部表面にX線発生用のターゲット金属2を
成膜する。そして、X線管のX線の透過窓として真空と
大気との圧力差に耐えるように、ステンレス等の材料で
できた厚さdの補強板7を、周辺部に接着材6で接着
し、補強して用いる図4に示すような構成法も実現可能
である。
影を行なう時、ターゲット金属2が形成されているX線
透過窓5の厚さによる中央部と周辺部のX線強度差は、
X線透過窓5の厚みTにより次ぎのように変化する。こ
こで、X線管焦点から被写体までの距離を1mm、X線
管焦点から検出器までの距離を20mm、検出器のサイ
ズを40×40mm(2048×2048画素、画素サ
イズ20μm)、X線エネルギーを10keV(単色)
とすると、Al製のX線透過窓の厚みT=1.0mmの
時、45°方向(X線管焦点から検出器までの距離20
mmに対し、検出器のサイズ40×40mmである)の
周辺部透過厚さは1.41mmとなり、その時の中心部
及び周辺部の透過率は0%となる。厚みT=0.50m
mの時、45°方向の周辺部透過厚さは0.71mmと
なり、その透過率は中心部で3.6%、周辺部で0.9
%となる。
方向の周辺部透過厚さは0.14mmとなり、その透過
率は中心部で51.4%、周辺部で39.0%となる。
また厚みT=0.05mmの時、45°方向の周辺部透
過厚さは0.07mmとなり、その透過率は中心部で7
2.0%、周辺部で62.0%となる。このデータから
分かるように、X線透過窓5のAl板厚が0.5mmの
時、周辺部/中心部透過率=0.9/3.6=0.25
となり、4倍のX線強度の差になるが、X線透過窓5の
Al板厚が0.1mmの時、周辺部/中心部透過率=3
9/51=0.76となり、24%のX線強度差ですむ
ことになり、薄いX線透過窓5は、密着拡大撮影の時、
特に有効になる。
般の民生用カメラなどに使用しているタイプのCCDと
は構造的に異なり、通常のCCDでは光の入射面が電荷
転送用の透明電極で覆われているため、紫外光がカット
されるだけでなく、量子効率も低下してしまうのに対し
て、背面照射CCDでは、部分的にあるいは完全に電極
を光の入射面より取り去ることにより、紫外感度や高い
量子効率を得ている。背面照射CCDは、CCDのシリ
コン基盤を15μmまで削り込み、CCDに背面から光
を入射させることによって、光の吸収してしまう部分が
なく、可視領域で最大86%の高い量子効率を得てお
り、X線領域においても高い量子効率を有する高感度の
X線検出器である。この高感度の背面照射型X線検出器
13と薄いX線透過窓5を有するX線管とを組み合わせ
た軟X線発生装置を使用すれば、厚さの薄い試料やX線
吸収が少ない試料の透視撮影、および、微小試料の超近
接撮影も行なうことができ、コントラストの良い鮮明な
X線画像を得ることが出来る。
置は上記のように構成されており、X線透過窓材にター
ゲット金属を成膜後、エッチングによって薄く加工した
り、薄いX線透過窓材にターゲット金属を成膜した後、
補強板を周辺に接着して補強した構造にして、X線透過
窓材の厚みをAl当量0.2mm以下に形成したX線管
と、感度の高い背面照射型X線検出器(背面照射型CC
D)とを組み合わせて、X線透視撮影を行なうので、X
線透過窓での軟X線吸収が少なく、厚さの薄い試料、X
線吸収が少ない試料、拡大して超近接撮影を行なう微小
試料について、コントラストのあるX線画像を得ること
ができる。
ある。
施例を示す図である。
一実施例を示す図である。
一実施例を示す図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】陰極フィラメントから放出された電子を加
速収束させて陽極ターゲットに衝突させ、透過方向にX
線を発生させるX線発生装置において、軟X線(1〜1
0keV)に対する透過率が同条件下で0.2mm厚の
Alを窓材とした場合の透過率以上となるよう前記陽極
ターゲット金属を成膜したX線透過窓材の厚みを設定し
たことを特徴とする軟X線発生装置。 - 【請求項2】前記X線透過窓材をAlとしその厚みを
0.2mm以下に形成したことを特徴とする請求項1記
載の軟X線発生装置。 - 【請求項3】陰極フィラメントから放出された電子を加
速収束させて陽極ターゲットに衝突させ、透過方向にX
線を発生させるX線発生装置において、前記陽極ターゲ
ット金属を成膜した後、エッチングによって薄く加工さ
れたX線透過窓材を備えることを特徴とする軟X線発生
装置。 - 【請求項4】陰極フィラメントから放出された電子を加
速収束させて陽極ターゲットに衝突させ、透過方向にX
線を発生させるX線発生装置において、前記陽極ターゲ
ット金属が成膜された薄いX線透過窓材を、補強板に接
着した構造を備えることを特徴とする軟X線発生装置。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの軟X線発生装置
と背面照射型X線検出器とを有することを特徴とするX
線検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000120664A JP2001307669A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 軟x線発生装置及びx線検査装置 |
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JP2000120664A JP2001307669A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 軟x線発生装置及びx線検査装置 |
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ID=18631432
Family Applications (1)
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JP2000120664A Pending JP2001307669A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 軟x線発生装置及びx線検査装置 |
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