JP2707265B2 - 中空の針を持つ点射出光電子顕微鏡 - Google Patents
中空の針を持つ点射出光電子顕微鏡Info
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Description
【発明の詳細な説明】
本願は1986年9月11日付で出願された出願第906,354
号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は顕微鏡に関するものである。更に詳しくいえ
ば、本発明は、試料中にx線その他の電磁放射を透過さ
せることにより映像を生ずる顕微鏡に関するものであ
る。 背景および従来技術 接触顕微鏡検査が知られている。典型的には、x線検
出媒体の上に置かれている試料にx線が照射される。x
線は持続x線とすることができ、持続時間がナノ秒で、
強力なパルス状x線とすることもできる。x線は媒体に
記録される。その後で媒体は現像され、x線影像が電子
顕微鏡により調べられる。誘れた映像コントラストが得
られる。これについてはアメリカ合衆国ニユーヨーク州
ニユーヨーク市所在のプレナム・プレス(Plenum Pres
s)により1980年に出版された「シンクロトロン・ラジ
エーシヨン(Synchrotron Radiation)」277〜322ペー
ジ参照するとよい。 生体内の試料を観察するための非連続映像発生が通常
可能である。試料の単一の画像が得られる全てである。
深さ情報を持つ立体映像発生も、多重露光のために試料
を媒体から持ちあげ、それから新しい媒体の上に試料を
再びのせなければならないから、行うことは容易ではな
い。 平らな表面の上に光電子x線顕微鏡を製作することも
知られている。x線は試料を通じて平らな表面に当り、
その後で半透明な光電陰極から電子を放出させる。電子
映像を発生するこの接触法は、電子光学装置が電子で映
像を結ばせることを必要とする。それらの光学装置は高
価で、複雑である。 点源x線照射顕微鏡が知られている。点状のx線源が
試料の拡大された影を離れている映像面の上に投写す
る。この方法では、x線源の寸法は有限であり、真の点
光源は決して実現されないとの理由で映像の分解能が失
われるという限界がある。更に、対象物をx線源に非常
に近く置く必要があるが、それは実際的な制限である。 電界イオンおよび電界放射顕微鏡技術が知られてい
る。試料は非常に鋭い針の先端部である。その針の先端
部に高い電界が発生されて、電子またはイオンを針から
離れているスクリーンまで流し、拡大された映像を生じ
させる。イオンの場合には分解能が2〜3Åで高い倍率
が得られる。アメリカン・エルスバイヤ(AMERICAN ELS
EVIER)により1969年に出版された「フイールド・アイ
オン・マイクロスコピー(Fiele Ion Microscopy)」を
参照されたい。不幸なことに、この技術を用いると、針
の表面上に置かれている生物試料の検査が成功すること
はほとんどなかつた。針の外面上の原子構造の像を発生
できるだけである。針は真空の中に置かねばならないか
ら、他の問題が解決されたとしても、試料の生体内観察
は再び可能ではない。 走査x線顕微鏡が知られている。その技術において
は、平行にされたx線ビームがラスターパターンで走査
させられる。送られたビームの点−点の強さを描くこと
により映像が形成される。不幸なことに、この技術にお
いては、人が生じさせることができるビームの寸法に限
界がある。したがつて、映像の分解能はビームの直径に
制限される。 x線を集束する要素を用いる顕微鏡も知られている。
それらはx線に対するすれすれの入射光学装置またはゾ
ーンプレート集束技術を用いる。不幸なことに、それら
の顕微鏡においては、現在利用できる光学装置によつて
はx線は強く集束されることがない。 電子顕微鏡が知られている。それらの顕微鏡において
は試料は極めて薄く切断される。不幸なことに、電子を
照射された時のそのように薄い物質のコントラストは高
くない。したがつて、使用時には着色剤がしばしば必要
とされる。更に、観察のために試料が真空室の中に置か
れる。したがつて、試料の生体内観察は可能ではない。 発明の概要 点照射光電子顕微鏡が開示される。光電効果を受ける
光伝導体内に試料が囲まれる。試料は排気された室のペ
デスタル(取付部)に位置させられる。試料に光、紫外
線または軟x線のような放射が照射される。光伝導体は
真空室の中に置かれ、負の電位に高く充電される。真空
室は、映像を生じさせるために、電子流を感ずる表面を
含む。この表面は、入射電子を結像させたり、させなく
するためにゲートされる性能を持つ螢光スクリーンまた
は映像増強器、あるいは電子映像発生のための区分され
た集電子陽極である。動作時には、光から軟x線までの
範囲の平行な放射ビームが光伝導体内の試料を通じて照
射される。光伝導体上に試料の映像が発生される。光伝
導体に入射した光またはx線は光電効果により電子を放
出する。それらの電子は光伝導体をこえて移動し、そこ
で光伝導体の先端部における電界が電子を映像面、典型
的には映像増強器、へ向つて半径方向に飛ばす。照射源
(光または軟x線)はパルス源とすることができ、初速
度が比較的低い、このことは横方向運動量が小さいこと
を意味する、電子が映像発生に用いられるように、映像
増強器はパルスに関して時間的にゲートさせられる。そ
うすると倍率が高く、生体内の試料の高い分解能を生ず
る映像が得られる。倍率というのは、およそ、針の先端
部からスクリーンまでの距離を針の先端部の半径で除し
たものとである。100Åの分解が可能である。レンズを
用いずに拡大できることに注目することが重要である。 その他の目的および利点 本発明の目的は、中空の針の内部に置かれている試料
の電子映像を発生するための光電効果顕微鏡を開示する
ものである。中空の針は、放射(光の波長から軟x線の
波長の範囲に選択される)から光電効果により電子を発
生するのに十分である材料で製作される。試料は排気さ
れた室内のペデスタルの上に位置させられる。針の内部
は大気中に通じさせられ、針の外部は真空に通じさせら
れ、負電位をかけられる。針の内部の試料を照射する平
行な放射が針の端部上に接触映像を生ずる。その接触映
像は電子を生ずる。それらの電子は電界により、針の端
部上の映像点から映像面まで半径方向に加速される。 本発明の利点は光の波長または軟x線波長のいずれも
使用できることである。 開示された技術の別の利点は、針の端部に発生された
映像がほぼ接触映像であることである。焦点合わせの問
題は最少限に抑えられる。 本発明の別の利点は、求められる倍率が電子の半径方
向加速により得られることである。針は、帯電させられ
た時に、それ自体の部分に対して必要な光学要素を提供
する。電子光学、かすめ入射、屈折、反射など広範囲の
問題を避けることができる。 光照射およびx線照射の別の利点は、観察者が試料か
ら観察することを望む特定の要素にそれらを合わせるこ
とができることである。たとえば、軟x線放射を吸収縁
部−たとえば試料中の炭素の吸収縁部−のすぐ上に選択
することにより、炭素は試料の映像中で強調される。 別の利点は、生体内の試料の記録運動中にx線を連続
してパルス状にできることである。入射照射の影響によ
り試料に大きな損傷が加えられる前に、試料の順次観察
が可能である。 本発明の別の利点は、極めて高い電界境界の近くに試
料が置かれることである。しかし、導電針が試料を実際
に囲んでいるから、試料は電界の作用を受けない。しか
し、電子映像は、周囲の電界中で加速する電子の直接的
な結果として発生される。電界の強さのために、色収差
がほとんどない映像を発生できる。また、高い電界のた
めに空間電荷効果は最小である。 開示される技術の別の利点は立体映像が可能なことで
ある。簡単にいえば、針の端部における試料に角度が変
化する平行光線を照射することにより立体映像を発生で
きる。したがつて、本発明の技術を利用して三次元情報
を利用できる。 別の利点はx線の強さを調節できることである。x線
を、試料中の生物の死または構造の破壊が遅らされるレ
ベルに保ち、そのレベルにおいてパルス状に発生でき
る。低い強度においては分解能が低くなるが、その遅れ
のために試料を生体内で観察することを実際に可能にで
きる。この生体内観察は、放射による損傷のために試料
に大きな作用が加えられる前に行うことができる。ある
いは、非常に強い短い放射バーストを使用でき、それに
より分解能が非常に高い映像が得られる。この高分解能
映像は、試料が分解されるまでに映像を記録するのに十
分永い間、試料がそのままであるという事実によつて得
られるのである。 本発明の別の目的は、発生された電子映像を焦点合わ
せさせる装置および方法を開示することである。この面
に従つて、ビームの内側の試料がパルス状の放射バース
トを受ける。パルス状放射バーストは、電子が針の端部
の光電陰極から出て高い電界の領域へ入る時に、それら
の電子の運動量が変化するような電子を生ずる。電子は
真空室内で映像収集点、ゲートされる映像増強装置が好
ましい、まで半径方向に加速される。探査するパルス状
放射に対して正確な時刻にゲートされる映像増強装置を
用いることにより、半径方向の加速度と鮮鋭な映像だけ
を発生するように小さい初期運動量を持つ電子が増強装
置において受けられる。より大きな運動量を持つ他の全
ての電子は、増強装置のゲート動作の外側の時間領域中
に到達する。したがつて、パルス状映像に対して増強装
置をゲートすることにより良いピント合わせを行うこと
ができる。 本発明の更に別の目的は、開示される顕微鏡のための
使い捨て針を製作する方法を開示することである。試料
を含ませるために針をフオトエツチングする技術が開示
される。第1の工程として、従来技術で知られているフ
オトエツチング技術により雄型の針部材が製作される。
その後でこの雄型針に、探査する放射を照射された時に
光電子を発生できる物質が被覆される。その後で、雄型
針部材がエツチングされて、除去される。従って試料を
受けることができ、使い捨てであり、本発明の電子光学
装置を形成する中空の針が残る。 本発明のその他の目的、特徴、利点は以下の説明およ
び添附図面を参照した後で一層明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 第1図は、結像面へ向つて半径方向に加速される電子
の経路を破線で示す、真空室に向き合つている針を示す
本発明のx線顕微鏡の略図、第2図は好適な速度を持つ
結像電子を弁別するためのゲート作用を行う映像増強装
置の概略横断面図、第3A図、第3B図、第3C図および第3D
図は針を製造する従来の技術の例、第4A図、第4B図、第
4C図および第4D図は雌の中空針の製作と、針の内部に試
料を置くこと、針に照射して希望の映像を生じさせるこ
と、および針の全体の断面図とを順次示し、第5図は第
1の実施例の図、第6図は第2の実施例の図である。 好適な実施例の詳細な説明 第1図を参照して、真空室Cが開口部14に取付けられ
た針Nを有する。この針は中空であつて、それの内部は
室Cの外部の大気にさらされ、針の外部は室Cの内部に
さらされる。室の内部はポンピング管Vを通じて10-6ト
ル以下または10-6トルに等しい圧力範囲の真空にされ
る。その後で、放射源Sが針の内部を照射して、光電効
果により針の物質中に電子を生じさせる。 電子が流れるようにするためには最高の真空を要する
ことがこの明細書を読んでいる人はわかるであろう。一
般に少くとも10-2トルの真空にせねばならない。針に対
するスパツタ損傷を最少限に抑えるためにはそれより低
い真空が望ましい。 帯電させられると針Nの先端部は高い電界を生ずる。
高い負の電界が光電効果により発生された電子を半径方
向に急速に加速する。発生された電子は経路Pを全体と
してたどつて映像面Iへ達する。映像面Iは螢光スクリ
ーン、ゲートできる映像増強装置、または電子的映像発
生のための区分された電子収集陽極とすることができ
る。映像平面Iにおいては、針の点における物質上の試
料の接触映像が発生される。拡大された全体的な映像が
生ずる。 接触映像は極めて近いフイールドのガボール(Gabo
r)ホログラムの特殊な例でもあることを、本願発明者
は指摘したい。プレナム・プレス(Plenum Press)によ
り発行されたシンクロナイゼーシヨン・ラジエーシヨン
・リサーチ・レフアレンス(Synchronization Radiatio
n Research reference)3.1.3章、293ページを参照され
たい。したがつて、本発明は、簡単な接触シヤドウグラ
フ映像に加えて、ホログラフイーにも有用とすることが
できる。ホログラフイーは試料の細部と光電陰極の間の
距離が増大しても、分解能が低下しないという大きな利
点を有する。x線波長帯においては、これは生体内の固
定されている試料全体にわたつて100Å以下の分解能を
与えることができる。 本発明を要約したので、次に詳しいパラメータについ
て述べる。第1に、第3A図〜第3D図と第4A図〜第4C図を
参照して、針の構造と、試料の置き方と、試料の映像形
成とについて説明する。第2に、顕微鏡の動作パラメー
タについて説明する。 第3A図を参照して、この図には針製造技術が示されて
いる。元来は、この技術は大面積の電界放出アレイの製
造のために開発されたものである。英国のパーガモン・
プレス(Pergamon Press)により印刷されたソリツド・
ステート・エレクトロニクス(Solid State Electronic
s)1974年、第17巻、155〜163に発生された、ペンシル
バニア州ピツツバーグ所在のウエスチングハウス・リサ
ーチ・ラボラトリイズ(Westinghouse Research Labora
tories)のアール・エヌ・トーマス(R.N.Thomas)、ア
ール・エー・ウイツクストロム(R.A・Wickstrom)、デ
イー・ケー・シユローダ(D.K.Schroder)、およびエイ
チ・シー・ナサノン(H.C.Nathanon)によるエツチング
・プロシージヤー・フアブリケーシヨン・オブ・ラージ
・エアリア・フイールド・エミツシヨン・アレイス(Et
ching Procedure Fabrication of Large Area Field Em
ission Arrays)と題する論文を参照されたい。この論
文において、エツチング可能な基板20がエツチングされ
たマスキング21で円形に被覆される。エツチング物質に
さらされると、エツチング剤は、第3C図に示すような針
の形で、マスキング21を第3B図に示すようにアンダーカ
ツトする。そうすると針22が得られる。 針22の端部における曲率半径と直径を文献に述べられ
ている種々の技術により制御できる。第3D図の針は広い
面積の成形用アレイして利用されるが、本発明を構成す
る第4A〜4C図に示されている処理は、この従来技術とは
直接的な関係はない。要するに、従来技術は中空針を製
作するという本願発明者の技術的思想を開示するもので
はない。類似の構造を製造する別の方法もあるが、これ
が最も便利であるようである。 第4A図を参照して、針22は薄い物質24と、より厚い補
強物質26とで被覆され、その被覆された元の針22が完全
にエツチングされて被覆24と26だけが残されていること
がわかる。被覆24は光電効果物質である。 次に、被覆の上に付着された補強および保護被覆26を
有する針が示されている。この物質は、針の一方の側か
ら室の排気された部分へ向つて加えられる大気の物理的
圧力に対して針を補強する。図からわかるように、被覆
26は針の点28の近くでとまる。これはマスキングおよび
エツチング工程で行うことができる。 光電陰極の曲率半径をそれの直径の2倍にする(いい
かえると半球にする)必要がないことをこの明細書を読
む者は理解すべきである。中空の針(基本的には先を切
つた針)の先端の閉鎖部を形成する平らな光電陰極でも
半径方向に電子像を投射する。その映像には許容できる
いくらかの歪みがある。マスク21を単にアンダーカツト
し、そのアンダーカツトを終る前に希望の先端部直径で
アンダーカツトを停止するだけで、針22を被覆およびエ
ツチングした後で平らな光電陰極を形成する。針22の被
覆およびエツチングを行う前に、針22に化学エツチング
または熱ブランテイングを行うことにより、先端部にお
ける曲率半径の形成を行うことができる。 ここで、針の特定の機械的な構造についての説明をや
め、希望の特性について説明する。被覆は薄い。28にお
いて光電電界にさらされる物質の1000Åの厚さで十分で
あろう。被覆は、放射を阻止するために十分厚くなけれ
ばならないが、光電子を伝えないほど厚くはない。いい
かえると、それは半透明型光電陰極である。補強層は厚
さが数ミクロンの金属膜で典型的に構成される。誘電体
膜、半導体膜またはポリマー膜も可能である。被覆24の
材料については、光電効果性を持つ材料であればどのよ
うな材料でも十分である。たとえば金は望ましい材料で
ある。光の波長で動作させるためには、仕事関数が小さ
い特殊な被覆を必要とする。ヨウ化セシウムのような非
金属を含む光電陰極も、その材料の高い量子収量と低い
平均光電子エネルギーとのために、有用である。 針の端部の面積は小さい。したがつて、針の先端部に
おける大気圧の力と静電気による力に対する求められて
いる障壁として極めて薄い被覆で十分である。標準的な
動作条件の下においては、静電力は実際には大気圧の力
の10倍以上に等しい。 針を製作する被覆24の材料として、本願発明者はイリ
ジウムを好ましいと思う。その理由は、イリジウムはほ
とんどの化学物質に対して非常に不活性であり、強度が
高く、前記使い捨て針に最適に採用できなければならな
いからである。他の硬い貴金属も可能である。 針にはフランジ30が設けられる。(第4D図参照)。フ
ランジ30は、その上に、真空室C内の開口部14中におい
て針がのるような表面である。エツチングにより除去さ
れないようにマスクされた基板の上にフランジ30は置か
れる。 針は極めて小さいことにこの明細書を読む人は気がつ
くであろう。針の先端部の半径は1〜5ミクロンのオー
ダーであるのが典型的である。 針の製作について説明したが、次に第4B図を参照し
て、試料を置くことと、試料への照射について次に説明
する。 引き抜かれたガラス繊維型のピペツトPが示されてい
る第4B図を更に参照する。ピペツトPは試料40を針構造
Nの内部に付着する。探査照射を照射された時に針の物
質28の上に接触映像を生ずるのがその試料40である。 第4C図を参照して、平行にされた放射50が、針の曲つ
ている部分において物質28のすぐ上に置かれている試料
40に入射する。放射は光または軟x線である。この例の
ために、軟x線映像について考えることにする。 試料40の物質が軟x線を減衰させる。それは針の先端
部に本質的に接触映像を生ずる。接触映像は光電効果特
性を有する材料中でx線により発生され、したがつて電
子を発生する。発生される電子の強さは照射された試料
の映像に比例する。 試料40の接触映像が実際に発生されることをこの明細
書を読む人は理解するであろう。すなわち、針の端点上
の試料の空間的な深さは非常に浅い。この浅い空間的な
深さは映像の濃淡部の境のにじみを非常に小さくする。
すなわち、個々の放射直径を有する放射源から来る放射
の出現のために、放射により発生された映像は細部がぼ
けてる陰影を持たない。ぼけの主な原因は回折による。 第4C図にも示されているように、針に対して2つの角
度から試料を照射することが可能である。第4C図には2
本の放射ビーム50,52が示されている。時間的に近接し
た映像を交互に順次発生させるために、それらのビーム
はターゲツトに交互に照射することが好ましい。映像の
重なり合いを避けるために高速電子光学的シヤツタを用
いて、別々の映像を別々のカメラに記録できる。もちろ
ん、第1の映像からの持続する映像が第2の映像に重畳
されることを避けるために、映像発生スクリーンには残
光時間の短い螢光体を使用する必要がある。あるいは、
高速電子を受ける区分された陽極が多重露光を記録でき
る。 第1図に示す放射源Sからの放射をパルス状にするこ
とが好ましい。放射線Sからの映像をパルス状にした時
に、電子映像のぼけを避けることが可能である。本発明
のこの面を理解するために、まず、ぼけの原因について
説明し、次に合焦を改善するために、映像をパルス的に
受ける映像増強装置の好ましい使用について説明する。 第4C図を参照すると、光電効果により発生された電子
が加速されて点28から離れることがわかるであろう。 電子は針の点から経路線70,71,72に沿つて半径方向に
加速される。電子の経路が半径方向であると仮定する
と、針の先端部に生じた接触映像についての情報を電子
が面Iへ向かった運ぶことになる。 不幸なことに、光電効果により発生された電子は同一
速度ではなく、かつ電子の発生点から同じ向きを有しな
い。いくつかの電子は、光電効果により最初に放出され
た時に最初の運動量の横方向成分のために、半径方向と
は異なる方向に高速に移動する、その他の電子は低速で
ある。いずれにしても、発生される電子はぼけることが
ある。ヨウ化セシウムのような物質を被覆することによ
りエネルギーの拡散を最小にできる。 本願出願人はそのような高速電子の非半径方向経路75
を示した。電子の経路75は、針の先端部28に対して半径
方向以外の角度で比較的高速で動く電子の経路である。
電子の初めの運動量が電子の軌道を経路76に沿つて生じ
させる。 針28の先端部に生じた映像は接触映像であることを記
憶しているであろう。接触映像であるから、経路76に沿
つて動く電子が映像面Iに入射することを許されるもの
とすると、映像の望ましくないぼけが起り得る。 幸いなことに、映像増強装置に受ける電子の時間間隔
をゲートする、すなわち選択する能力を与えることがで
きる。当然、本出願人は、経路70、71、72に沿って半径
方向すなわち放射状に動く電子だけを受ける時間にゲー
トし、経路75に示されているような余分な電子が映像平
面へ達するのを排除している。 第2図には針Nの内部の試料40を示す。コリメートさ
れた放射50が試料40に入射し、その後で、映像情報を有
する電子を針N中に生ずる。針の先端部の周囲の局部的
な電界が発生された電子を全て加速する。それらの電子
は半径方向に加速される。 電子は針の負電位により加速される。したがつて、針
は加速度だけを発生する。映像情報は保存される。 光電効果により速度の異なる電子が発生されることが
わかるであろう。たとえば、針を出た電子の速度は30EV
の範囲で変化することがある。動いている電子は、試料
で得た映像情報を劣化させる速度ベクトルを持つことが
ある。したがつて、光電効果により電子が最初に発生さ
れた時に、試料に対する相対速度をできるだけ少ししか
持たない、最終的に映像となる電子を有することが好ま
しい。 したがつて、針の端部における電位により加速される
と、得られる速度は、針の端部における負の電界の電位
により供給される加速力と、発生する光電効果自体から
の残留している(望ましくない)速度とによる。 いくつかの例示的な電圧が助けとなる。針の先端部の
電圧が−10000ボルトであると仮定すると、電子は針か
ら加速されて10000〜10030EVのエネルギーに達する。 針により供給される加速力以外の力を、映像が生ずる
領域に電子が達するまでそれらの電力に加えるべきでな
い。このときは、電子が接地されたスクリーン90を見る
ような場合である。そのスクリーンは、映像情報を劣化
させ、または希望の倍率を得る希望の半径方向加速を行
う他のどのような力からも電子をしやへいする作用を行
う。 ここで、低いエネルギー(約10000EV)を有する電子
が望ましいことがわかるであろう。それより高いエネル
ギー(約10030EV)を有する電子は望ましくない。図示
された映像発生回路の残りがこの弁別を行う。 とくに、第2の遅延電位スクリーン92が設けられる。
このスクリーンには、針の電圧より僅かに低い負の電
圧、与えられた例では−9990ボルトのオーダー、が加え
られる。したがつて、ここで用いる例示的な電圧の場合
には、10EV〜40EVの範囲のエネルギーまでそのスクリー
ンにより電子は減速させられる。 スクリーン92を透過して減速させられた後で、電子は
スクリーン92とマイクロチヤネル映像増強板95の間のド
リフト領域93に入る。板95は前面94と、電子なだれ映像
増強用の一連の従来のマイクロチヤネルと、電子なだれ
を促進するために前面94よりも負のより低い電圧を加え
られる裏面96とを含む。 ドリフト領域93内の電子は、ドリフト空間93を最初に
横切る高速の(望ましくない)電子と、2番目にドリフ
ト空間93を横切る低速の(より望ましい)電子とにエネ
ルギーに従つて一時的に分類される。このことは、高速
電子が表面96に達している時間中に高速電子の映像増強
を避けるために、表面96が表面94と同じ電位に維持され
る場合に起る。したがつて、減速スクリーン92と表面94
と同じ電位である−9990ボルトに表面96が維持されるの
はその時間中である。 10EVを有する低速で動く電子が表面94に達すると、裏
面96は従来の回路によりアース電位、与えられた例では
−9000ボルト、に近い電圧へ切換えられる。したがつ
て、低い速度のみを有する電子の増倍がマイクロチヤネ
ル板内で起る。 その後では映像は従来のようにして発生される。そう
すると、マイクロチヤネル板は増強された電子映像を生
ずる。アース電位に近い電位の螢光体スクリーンが映像
を生ずる。 電子映像を定期的に発生するために、映像増強装置I
の代りに螢光体スクリーンを使用できることがこの明細
書を読む人はわかるであろう。また、簡単な螢光体スク
リーンを使用でき、高速電子光学シヤツターを有するカ
メラ記録装置により映像に寄与する電子の時間領域選択
を行うことができる。そうすると、残光時間が非常に短
い螢光体を必要とする。電流をモニタすることにより電
子の到達が空間的に記録される電子映像発生のために
も、区分された陽極は使用できる。 電子エネルギー弁別技術はパルス放射源と、正確なタ
イミングおよびスイツチング用の電子装置とを使用する
必要がある。この遅延電位エネルギー弁別装置を動作さ
せること、および持続放射源を使用することができる。
低いエネルギーの電子を停止させて、戻すために遅れ電
位を用いるだけで、より高いエネルギーの電子を映像化
できる。それらの電子は高い解像力で良く映像化されな
いが、2種類の露光を行えば希望の結果を得ることがで
きる。とくに、全ての電子が映像化されるように、1回
目の露光は遅れ電位なしで行われる。次に、希望の低エ
ネルギー電子を実際に停止および戻すために遅れ電位が
用いられ、2回目の露光が行われる。低エネルギーの電
子を用いて試料の映像を発生するために、1回目の映像
から2回目の映像を差し引くことにより2つの映像の然
が発生される。両者の差は単に低エネルギー電子の寄与
分である。その差し引きはコンピユータ映像処理により
便利に行うことができる。 より高度な遅れ電位エネルギー弁別技術が文献におい
て知られている。以前の技術は例として用いられる。 映像発生面と、この映像発生面に関連するスクリーン
は、第2図には平面状に示されているが、電子の軌道に
平行な電界を保つためにわん曲させねばならない。 軟x線が用いられる場合には、分解能が100Å以下で
ある鮮明な映像を発生できる。波長が短いために回折作
用が制限される。回折作用による劣化は光の波長に関連
して減少する。 λ=波長 D=試料から光電陰極までの距離 光電陰極に非常に近い試料に対しては、光の波長でも
高い分解能の映像を発生することが可能である(「近電
界映像発生」についての文献参照)。それらは〜λ/20
の分解能を記述している。 パルス状x線を使用することが好ましいことがわかる
であろう。持続x線は、それによる損傷が映像を劣化さ
せる前に高分解能の映像を生ずるほど十分には強くでき
ない。パルス状x線源は、x線がひき起した動きが試料
を破壊する前に試料の像を与えるように、映像を凍結す
る。いいかえると、試料がミリ秒より短い時間後に(パ
ルスの持続時間は約10〜100ナノ秒)完全に破壊される
であろうが、試料は露光時間中はそのままである。 求められている光電効果を生じさせるために十分な電
磁エネルギーにより針が照射されるならば十分である。
本発明の実施のためには3000Åと1Åの間の波長で十分
である。波長が約24〜44Åの軟x線を用いることによ
り、ハイドレートされた生物学的試料で高いコントラス
トを得ることができる。その理由は、その範囲では、炭
素と比較して水が比較的透明だからである。(空気にさ
らすことができない)特殊な被覆を利用することによ
り、波長を約6000Åまで拡張できる。 それらの被覆をポンプによる排気の後で顕微鏡内に付
着でき、または、空気にさらされた時に表面を不活性雰
囲気中に保つ保護キヤツプを針に取付けることができ
る。それらの長い波長を用いる理由は、放射による損傷
を完全に避けるためである。もちろん、分解能は低くな
るが、光電陰極の表面のすぐ近くの細部は、近フイール
ド領域において映像化されるから、非常に良い分解能で
映像化される。 本発明の要旨を逸脱することなしに本発明の種々の実
施例が可能である。それらの実施例を第5図と第6図に
示す。 第5図と第6図に示されている2つの実施例は、第3
図を参照して説明した技術による針またはペデスタルを
製造する必要をなくす。他の面では、それらの実施例は
前記実施例と同様に動作する。両方の実施例では試料は
ペデスタルの上に置かれる。 第5図に示す実施例は周知のマイクロカプセル封入技
術を用いる。たとえば、ジヤーナル・オブ・アプライド
・フイジツクス(Journal of Applied Physics)47巻2
号、1976年、741ページ所載の、エス・バス(S.Bas
u)、ジー・ハウスナー(G.Hausner)、デイー・エフ・
パーソンズ(D.F.Parsons)による「ニユー・ウエツト
・レプリケーシヨン・テクニツク・レプリケーシヨン・
オブ・ウオーター・ドロツプレツツ(New Wet−Replica
tion Technique−Replication of Water Droplets)」
と題する論文には、微小な小滴をカプセル中に封入する
技術が記載されている。本発明を利用して調べたい試料
の多くは水を高い割合で含んでいる。それらの試料は知
られているマイクロカプセル封入技術を用いてカプセル
内に封入し、下記のようにして調べることができる。多
くのマイクロカプセル封入技術があることを理解すべき
である。 第5図は、針51に取付けられている試料52を含んでい
るマイクロカプセル50を示す。第5図に示されている針
は第4図に示されている針Nとは別のものである。x線
が経路56に沿つて試料52透過させられる。経路56を通る
x線は室Cの従来の窓を通る(その窓は通常のものであ
るからとくに示すことはしない)。 試料52は、前記論文に記載されている技術を用いて一
酸化シリコンの層53でマイクロカプセル中に封入され
る。それから、針51をマイクロカプセルに接触させるだ
けでマイクロカプセルは針に取付けられる。あるいは、
試料52を針51の上に置いた後で試料をマイクロカプセル
の中に封入できる。正常な力がマイクロカプセルを針に
保持する。針51に取付けられた後で、マイクロカプセル
50に、たとえば金のような金属を用いることができる導
電性物質54の層をスパツタ被覆する。この層は、マイク
ロカプセルを針と光電陰極へ保持させるための接着層と
して機能する。装置の動作を強めるためには必要ではな
いが、ヨウ化セシウムのような光導電体の付加層55を微
小球面の半分に付着できる。 球面全体に付着される金属層54は、付着される物質が
物体全体を取囲む能力を有する場合に、スパツタ技術を
用いて付着される。ヨウ化セシウムの部分的な層55を蒸
着技術を用いて付着できる。蒸着技術は方向性が非常に
高いから、蒸着装置の中に置かれた材料は物体の一方の
側だけを付着して半円形の層55を形成する。 取付けブラケツト(図示せず)が針51を真空室Cの内
部の、第1図で針Nが置かれている位置に位置させる。
針51は従来の真空シールを用いて室Cの中に挿入され
る。 光導電層55の上で発生された電子は、第1の実施例に
ついて説明したのと全く同じやり方で映像化される。こ
の実施例では針51が示されているが、他の種類の長くて
細いペデスタルを使用できる。 本発明の第2の別の実施例が第6図に示されている。
本発明のこの実施例においては、少量の試料がピペツト
61の中に従来のやり方で吸込まれる。その少量の試料は
ピペツト61の底部62を充す。この実施例ではピペツトは
ペデスタルとして機能する。 試料がピペツト61の中に置かれた後で、ピペツト底部
は、微小水滴を被覆するために用いた前記技術と同じ技
術を用いて、一酸化シリコンの層63で被覆される。層63
はピペツト61の底部だけを被覆するものとして示されて
いる。実際には、被覆はピペツト61の壁上に延びる。層
63は導電層64で被覆されているから、被覆層64をそのよ
うに延長しても装置の動作に対する実際的な効果はな
い。 ピペツト61の端部に3つの層63,64,65が形成される。
それらの層は第5図に示されている層53,54,55に対応す
る。第6図に示されている実施例においては、ピペツト
の中心を通る経路66に沿つてx線は試料62へ照射され
る。 第6図に示すピペツトはまつすぐな壁を有する。希望
の寸法にひかれたガラス製の毛細管が最初のピペツトを
製作する1つの方法である。本発明のためには、壁をま
つすぐにする必要はない。壁は、第4図に示されている
中空針が行われるように、大きな寸法からテーパー状に
細くすることができる。第6図に示すピペツトと第4図
の中空針との間の唯一の技術的な違いは、第4図の中空
針の試料の端部が最初にふさがれるのに反して、ピペツ
トは最初に開かれることである。本発明のために、ピペ
ツトのことを、試料を付着するための開放端部を有し、
壁がまつすぐまたはテーパーを成している管状の任意の
構造体である、とわれわれは定義する。 ピペツトの材料がぬれない性質のものであれば、微小
な滴を表面張力によりピペツトの中に吸込むことなし
に、微小な1滴をピペツトの適部上に置くことができる
から便利である。この状況は、ピペツトの端部に半球状
光電陰極を形成するために最適である。 第6図に示す実施例を用いて、試料は第1図に示す真
空室の中に挿入され、針Nと同じ位置にブラケツト(図
示せず)により取付けられる。倍率は光電変換層から映
像手段までの距離により決定される。電子がほぼ半径方
向に動くように、光電変換手段は真空室Cの寸法と比較
して小さくなければならない。10000対1より高い比が
満足できる。10000対1より高い比が好ましい。 真空室の内部の要素をシールする技術は従来技術にお
いて周知であるから、ここでは詳しくは説明しないこと
に注意されたい。 試料の動きを小さくするように、試料を凍結点以下に
冷却することにより装置の動作を一層改善できる。この
技術により、試料の放射による損傷のひずみを減少でき
る。 電子を放出する誘電体被覆を用いることにより本発明
の更に別の実施例を得ることができる。印加電圧がない
時はそれらの電子は被覆中に一時的に捕えられる。捕え
られた電子は、針電圧を印加することにより後で取出
し、映像化できる。前記実施例は、露光時に被覆からす
ぐに放出される光電子を用いて映像を形成することに注
目されたい。この実施例は、後で捕えられて映像を形成
する電子を用いる。この作用を示す物質はアルカリ・ハ
ライド被覆であつて、電子は色中心に捕えられる。この
実施例の利点は、捕えられた電子が取出された時に初期
運動エネルギーを持たないために映像がより鮮鋭なこと
である。 下記の請求の範囲により定められる本発明の範囲を逸
脱することなしに、態様および細部を上記のように変更
し、およびその他の変更を行うことができる。
号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は顕微鏡に関するものである。更に詳しくいえ
ば、本発明は、試料中にx線その他の電磁放射を透過さ
せることにより映像を生ずる顕微鏡に関するものであ
る。 背景および従来技術 接触顕微鏡検査が知られている。典型的には、x線検
出媒体の上に置かれている試料にx線が照射される。x
線は持続x線とすることができ、持続時間がナノ秒で、
強力なパルス状x線とすることもできる。x線は媒体に
記録される。その後で媒体は現像され、x線影像が電子
顕微鏡により調べられる。誘れた映像コントラストが得
られる。これについてはアメリカ合衆国ニユーヨーク州
ニユーヨーク市所在のプレナム・プレス(Plenum Pres
s)により1980年に出版された「シンクロトロン・ラジ
エーシヨン(Synchrotron Radiation)」277〜322ペー
ジ参照するとよい。 生体内の試料を観察するための非連続映像発生が通常
可能である。試料の単一の画像が得られる全てである。
深さ情報を持つ立体映像発生も、多重露光のために試料
を媒体から持ちあげ、それから新しい媒体の上に試料を
再びのせなければならないから、行うことは容易ではな
い。 平らな表面の上に光電子x線顕微鏡を製作することも
知られている。x線は試料を通じて平らな表面に当り、
その後で半透明な光電陰極から電子を放出させる。電子
映像を発生するこの接触法は、電子光学装置が電子で映
像を結ばせることを必要とする。それらの光学装置は高
価で、複雑である。 点源x線照射顕微鏡が知られている。点状のx線源が
試料の拡大された影を離れている映像面の上に投写す
る。この方法では、x線源の寸法は有限であり、真の点
光源は決して実現されないとの理由で映像の分解能が失
われるという限界がある。更に、対象物をx線源に非常
に近く置く必要があるが、それは実際的な制限である。 電界イオンおよび電界放射顕微鏡技術が知られてい
る。試料は非常に鋭い針の先端部である。その針の先端
部に高い電界が発生されて、電子またはイオンを針から
離れているスクリーンまで流し、拡大された映像を生じ
させる。イオンの場合には分解能が2〜3Åで高い倍率
が得られる。アメリカン・エルスバイヤ(AMERICAN ELS
EVIER)により1969年に出版された「フイールド・アイ
オン・マイクロスコピー(Fiele Ion Microscopy)」を
参照されたい。不幸なことに、この技術を用いると、針
の表面上に置かれている生物試料の検査が成功すること
はほとんどなかつた。針の外面上の原子構造の像を発生
できるだけである。針は真空の中に置かねばならないか
ら、他の問題が解決されたとしても、試料の生体内観察
は再び可能ではない。 走査x線顕微鏡が知られている。その技術において
は、平行にされたx線ビームがラスターパターンで走査
させられる。送られたビームの点−点の強さを描くこと
により映像が形成される。不幸なことに、この技術にお
いては、人が生じさせることができるビームの寸法に限
界がある。したがつて、映像の分解能はビームの直径に
制限される。 x線を集束する要素を用いる顕微鏡も知られている。
それらはx線に対するすれすれの入射光学装置またはゾ
ーンプレート集束技術を用いる。不幸なことに、それら
の顕微鏡においては、現在利用できる光学装置によつて
はx線は強く集束されることがない。 電子顕微鏡が知られている。それらの顕微鏡において
は試料は極めて薄く切断される。不幸なことに、電子を
照射された時のそのように薄い物質のコントラストは高
くない。したがつて、使用時には着色剤がしばしば必要
とされる。更に、観察のために試料が真空室の中に置か
れる。したがつて、試料の生体内観察は可能ではない。 発明の概要 点照射光電子顕微鏡が開示される。光電効果を受ける
光伝導体内に試料が囲まれる。試料は排気された室のペ
デスタル(取付部)に位置させられる。試料に光、紫外
線または軟x線のような放射が照射される。光伝導体は
真空室の中に置かれ、負の電位に高く充電される。真空
室は、映像を生じさせるために、電子流を感ずる表面を
含む。この表面は、入射電子を結像させたり、させなく
するためにゲートされる性能を持つ螢光スクリーンまた
は映像増強器、あるいは電子映像発生のための区分され
た集電子陽極である。動作時には、光から軟x線までの
範囲の平行な放射ビームが光伝導体内の試料を通じて照
射される。光伝導体上に試料の映像が発生される。光伝
導体に入射した光またはx線は光電効果により電子を放
出する。それらの電子は光伝導体をこえて移動し、そこ
で光伝導体の先端部における電界が電子を映像面、典型
的には映像増強器、へ向つて半径方向に飛ばす。照射源
(光または軟x線)はパルス源とすることができ、初速
度が比較的低い、このことは横方向運動量が小さいこと
を意味する、電子が映像発生に用いられるように、映像
増強器はパルスに関して時間的にゲートさせられる。そ
うすると倍率が高く、生体内の試料の高い分解能を生ず
る映像が得られる。倍率というのは、およそ、針の先端
部からスクリーンまでの距離を針の先端部の半径で除し
たものとである。100Åの分解が可能である。レンズを
用いずに拡大できることに注目することが重要である。 その他の目的および利点 本発明の目的は、中空の針の内部に置かれている試料
の電子映像を発生するための光電効果顕微鏡を開示する
ものである。中空の針は、放射(光の波長から軟x線の
波長の範囲に選択される)から光電効果により電子を発
生するのに十分である材料で製作される。試料は排気さ
れた室内のペデスタルの上に位置させられる。針の内部
は大気中に通じさせられ、針の外部は真空に通じさせら
れ、負電位をかけられる。針の内部の試料を照射する平
行な放射が針の端部上に接触映像を生ずる。その接触映
像は電子を生ずる。それらの電子は電界により、針の端
部上の映像点から映像面まで半径方向に加速される。 本発明の利点は光の波長または軟x線波長のいずれも
使用できることである。 開示された技術の別の利点は、針の端部に発生された
映像がほぼ接触映像であることである。焦点合わせの問
題は最少限に抑えられる。 本発明の別の利点は、求められる倍率が電子の半径方
向加速により得られることである。針は、帯電させられ
た時に、それ自体の部分に対して必要な光学要素を提供
する。電子光学、かすめ入射、屈折、反射など広範囲の
問題を避けることができる。 光照射およびx線照射の別の利点は、観察者が試料か
ら観察することを望む特定の要素にそれらを合わせるこ
とができることである。たとえば、軟x線放射を吸収縁
部−たとえば試料中の炭素の吸収縁部−のすぐ上に選択
することにより、炭素は試料の映像中で強調される。 別の利点は、生体内の試料の記録運動中にx線を連続
してパルス状にできることである。入射照射の影響によ
り試料に大きな損傷が加えられる前に、試料の順次観察
が可能である。 本発明の別の利点は、極めて高い電界境界の近くに試
料が置かれることである。しかし、導電針が試料を実際
に囲んでいるから、試料は電界の作用を受けない。しか
し、電子映像は、周囲の電界中で加速する電子の直接的
な結果として発生される。電界の強さのために、色収差
がほとんどない映像を発生できる。また、高い電界のた
めに空間電荷効果は最小である。 開示される技術の別の利点は立体映像が可能なことで
ある。簡単にいえば、針の端部における試料に角度が変
化する平行光線を照射することにより立体映像を発生で
きる。したがつて、本発明の技術を利用して三次元情報
を利用できる。 別の利点はx線の強さを調節できることである。x線
を、試料中の生物の死または構造の破壊が遅らされるレ
ベルに保ち、そのレベルにおいてパルス状に発生でき
る。低い強度においては分解能が低くなるが、その遅れ
のために試料を生体内で観察することを実際に可能にで
きる。この生体内観察は、放射による損傷のために試料
に大きな作用が加えられる前に行うことができる。ある
いは、非常に強い短い放射バーストを使用でき、それに
より分解能が非常に高い映像が得られる。この高分解能
映像は、試料が分解されるまでに映像を記録するのに十
分永い間、試料がそのままであるという事実によつて得
られるのである。 本発明の別の目的は、発生された電子映像を焦点合わ
せさせる装置および方法を開示することである。この面
に従つて、ビームの内側の試料がパルス状の放射バース
トを受ける。パルス状放射バーストは、電子が針の端部
の光電陰極から出て高い電界の領域へ入る時に、それら
の電子の運動量が変化するような電子を生ずる。電子は
真空室内で映像収集点、ゲートされる映像増強装置が好
ましい、まで半径方向に加速される。探査するパルス状
放射に対して正確な時刻にゲートされる映像増強装置を
用いることにより、半径方向の加速度と鮮鋭な映像だけ
を発生するように小さい初期運動量を持つ電子が増強装
置において受けられる。より大きな運動量を持つ他の全
ての電子は、増強装置のゲート動作の外側の時間領域中
に到達する。したがつて、パルス状映像に対して増強装
置をゲートすることにより良いピント合わせを行うこと
ができる。 本発明の更に別の目的は、開示される顕微鏡のための
使い捨て針を製作する方法を開示することである。試料
を含ませるために針をフオトエツチングする技術が開示
される。第1の工程として、従来技術で知られているフ
オトエツチング技術により雄型の針部材が製作される。
その後でこの雄型針に、探査する放射を照射された時に
光電子を発生できる物質が被覆される。その後で、雄型
針部材がエツチングされて、除去される。従って試料を
受けることができ、使い捨てであり、本発明の電子光学
装置を形成する中空の針が残る。 本発明のその他の目的、特徴、利点は以下の説明およ
び添附図面を参照した後で一層明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 第1図は、結像面へ向つて半径方向に加速される電子
の経路を破線で示す、真空室に向き合つている針を示す
本発明のx線顕微鏡の略図、第2図は好適な速度を持つ
結像電子を弁別するためのゲート作用を行う映像増強装
置の概略横断面図、第3A図、第3B図、第3C図および第3D
図は針を製造する従来の技術の例、第4A図、第4B図、第
4C図および第4D図は雌の中空針の製作と、針の内部に試
料を置くこと、針に照射して希望の映像を生じさせるこ
と、および針の全体の断面図とを順次示し、第5図は第
1の実施例の図、第6図は第2の実施例の図である。 好適な実施例の詳細な説明 第1図を参照して、真空室Cが開口部14に取付けられ
た針Nを有する。この針は中空であつて、それの内部は
室Cの外部の大気にさらされ、針の外部は室Cの内部に
さらされる。室の内部はポンピング管Vを通じて10-6ト
ル以下または10-6トルに等しい圧力範囲の真空にされ
る。その後で、放射源Sが針の内部を照射して、光電効
果により針の物質中に電子を生じさせる。 電子が流れるようにするためには最高の真空を要する
ことがこの明細書を読んでいる人はわかるであろう。一
般に少くとも10-2トルの真空にせねばならない。針に対
するスパツタ損傷を最少限に抑えるためにはそれより低
い真空が望ましい。 帯電させられると針Nの先端部は高い電界を生ずる。
高い負の電界が光電効果により発生された電子を半径方
向に急速に加速する。発生された電子は経路Pを全体と
してたどつて映像面Iへ達する。映像面Iは螢光スクリ
ーン、ゲートできる映像増強装置、または電子的映像発
生のための区分された電子収集陽極とすることができ
る。映像平面Iにおいては、針の点における物質上の試
料の接触映像が発生される。拡大された全体的な映像が
生ずる。 接触映像は極めて近いフイールドのガボール(Gabo
r)ホログラムの特殊な例でもあることを、本願発明者
は指摘したい。プレナム・プレス(Plenum Press)によ
り発行されたシンクロナイゼーシヨン・ラジエーシヨン
・リサーチ・レフアレンス(Synchronization Radiatio
n Research reference)3.1.3章、293ページを参照され
たい。したがつて、本発明は、簡単な接触シヤドウグラ
フ映像に加えて、ホログラフイーにも有用とすることが
できる。ホログラフイーは試料の細部と光電陰極の間の
距離が増大しても、分解能が低下しないという大きな利
点を有する。x線波長帯においては、これは生体内の固
定されている試料全体にわたつて100Å以下の分解能を
与えることができる。 本発明を要約したので、次に詳しいパラメータについ
て述べる。第1に、第3A図〜第3D図と第4A図〜第4C図を
参照して、針の構造と、試料の置き方と、試料の映像形
成とについて説明する。第2に、顕微鏡の動作パラメー
タについて説明する。 第3A図を参照して、この図には針製造技術が示されて
いる。元来は、この技術は大面積の電界放出アレイの製
造のために開発されたものである。英国のパーガモン・
プレス(Pergamon Press)により印刷されたソリツド・
ステート・エレクトロニクス(Solid State Electronic
s)1974年、第17巻、155〜163に発生された、ペンシル
バニア州ピツツバーグ所在のウエスチングハウス・リサ
ーチ・ラボラトリイズ(Westinghouse Research Labora
tories)のアール・エヌ・トーマス(R.N.Thomas)、ア
ール・エー・ウイツクストロム(R.A・Wickstrom)、デ
イー・ケー・シユローダ(D.K.Schroder)、およびエイ
チ・シー・ナサノン(H.C.Nathanon)によるエツチング
・プロシージヤー・フアブリケーシヨン・オブ・ラージ
・エアリア・フイールド・エミツシヨン・アレイス(Et
ching Procedure Fabrication of Large Area Field Em
ission Arrays)と題する論文を参照されたい。この論
文において、エツチング可能な基板20がエツチングされ
たマスキング21で円形に被覆される。エツチング物質に
さらされると、エツチング剤は、第3C図に示すような針
の形で、マスキング21を第3B図に示すようにアンダーカ
ツトする。そうすると針22が得られる。 針22の端部における曲率半径と直径を文献に述べられ
ている種々の技術により制御できる。第3D図の針は広い
面積の成形用アレイして利用されるが、本発明を構成す
る第4A〜4C図に示されている処理は、この従来技術とは
直接的な関係はない。要するに、従来技術は中空針を製
作するという本願発明者の技術的思想を開示するもので
はない。類似の構造を製造する別の方法もあるが、これ
が最も便利であるようである。 第4A図を参照して、針22は薄い物質24と、より厚い補
強物質26とで被覆され、その被覆された元の針22が完全
にエツチングされて被覆24と26だけが残されていること
がわかる。被覆24は光電効果物質である。 次に、被覆の上に付着された補強および保護被覆26を
有する針が示されている。この物質は、針の一方の側か
ら室の排気された部分へ向つて加えられる大気の物理的
圧力に対して針を補強する。図からわかるように、被覆
26は針の点28の近くでとまる。これはマスキングおよび
エツチング工程で行うことができる。 光電陰極の曲率半径をそれの直径の2倍にする(いい
かえると半球にする)必要がないことをこの明細書を読
む者は理解すべきである。中空の針(基本的には先を切
つた針)の先端の閉鎖部を形成する平らな光電陰極でも
半径方向に電子像を投射する。その映像には許容できる
いくらかの歪みがある。マスク21を単にアンダーカツト
し、そのアンダーカツトを終る前に希望の先端部直径で
アンダーカツトを停止するだけで、針22を被覆およびエ
ツチングした後で平らな光電陰極を形成する。針22の被
覆およびエツチングを行う前に、針22に化学エツチング
または熱ブランテイングを行うことにより、先端部にお
ける曲率半径の形成を行うことができる。 ここで、針の特定の機械的な構造についての説明をや
め、希望の特性について説明する。被覆は薄い。28にお
いて光電電界にさらされる物質の1000Åの厚さで十分で
あろう。被覆は、放射を阻止するために十分厚くなけれ
ばならないが、光電子を伝えないほど厚くはない。いい
かえると、それは半透明型光電陰極である。補強層は厚
さが数ミクロンの金属膜で典型的に構成される。誘電体
膜、半導体膜またはポリマー膜も可能である。被覆24の
材料については、光電効果性を持つ材料であればどのよ
うな材料でも十分である。たとえば金は望ましい材料で
ある。光の波長で動作させるためには、仕事関数が小さ
い特殊な被覆を必要とする。ヨウ化セシウムのような非
金属を含む光電陰極も、その材料の高い量子収量と低い
平均光電子エネルギーとのために、有用である。 針の端部の面積は小さい。したがつて、針の先端部に
おける大気圧の力と静電気による力に対する求められて
いる障壁として極めて薄い被覆で十分である。標準的な
動作条件の下においては、静電力は実際には大気圧の力
の10倍以上に等しい。 針を製作する被覆24の材料として、本願発明者はイリ
ジウムを好ましいと思う。その理由は、イリジウムはほ
とんどの化学物質に対して非常に不活性であり、強度が
高く、前記使い捨て針に最適に採用できなければならな
いからである。他の硬い貴金属も可能である。 針にはフランジ30が設けられる。(第4D図参照)。フ
ランジ30は、その上に、真空室C内の開口部14中におい
て針がのるような表面である。エツチングにより除去さ
れないようにマスクされた基板の上にフランジ30は置か
れる。 針は極めて小さいことにこの明細書を読む人は気がつ
くであろう。針の先端部の半径は1〜5ミクロンのオー
ダーであるのが典型的である。 針の製作について説明したが、次に第4B図を参照し
て、試料を置くことと、試料への照射について次に説明
する。 引き抜かれたガラス繊維型のピペツトPが示されてい
る第4B図を更に参照する。ピペツトPは試料40を針構造
Nの内部に付着する。探査照射を照射された時に針の物
質28の上に接触映像を生ずるのがその試料40である。 第4C図を参照して、平行にされた放射50が、針の曲つ
ている部分において物質28のすぐ上に置かれている試料
40に入射する。放射は光または軟x線である。この例の
ために、軟x線映像について考えることにする。 試料40の物質が軟x線を減衰させる。それは針の先端
部に本質的に接触映像を生ずる。接触映像は光電効果特
性を有する材料中でx線により発生され、したがつて電
子を発生する。発生される電子の強さは照射された試料
の映像に比例する。 試料40の接触映像が実際に発生されることをこの明細
書を読む人は理解するであろう。すなわち、針の端点上
の試料の空間的な深さは非常に浅い。この浅い空間的な
深さは映像の濃淡部の境のにじみを非常に小さくする。
すなわち、個々の放射直径を有する放射源から来る放射
の出現のために、放射により発生された映像は細部がぼ
けてる陰影を持たない。ぼけの主な原因は回折による。 第4C図にも示されているように、針に対して2つの角
度から試料を照射することが可能である。第4C図には2
本の放射ビーム50,52が示されている。時間的に近接し
た映像を交互に順次発生させるために、それらのビーム
はターゲツトに交互に照射することが好ましい。映像の
重なり合いを避けるために高速電子光学的シヤツタを用
いて、別々の映像を別々のカメラに記録できる。もちろ
ん、第1の映像からの持続する映像が第2の映像に重畳
されることを避けるために、映像発生スクリーンには残
光時間の短い螢光体を使用する必要がある。あるいは、
高速電子を受ける区分された陽極が多重露光を記録でき
る。 第1図に示す放射源Sからの放射をパルス状にするこ
とが好ましい。放射線Sからの映像をパルス状にした時
に、電子映像のぼけを避けることが可能である。本発明
のこの面を理解するために、まず、ぼけの原因について
説明し、次に合焦を改善するために、映像をパルス的に
受ける映像増強装置の好ましい使用について説明する。 第4C図を参照すると、光電効果により発生された電子
が加速されて点28から離れることがわかるであろう。 電子は針の点から経路線70,71,72に沿つて半径方向に
加速される。電子の経路が半径方向であると仮定する
と、針の先端部に生じた接触映像についての情報を電子
が面Iへ向かった運ぶことになる。 不幸なことに、光電効果により発生された電子は同一
速度ではなく、かつ電子の発生点から同じ向きを有しな
い。いくつかの電子は、光電効果により最初に放出され
た時に最初の運動量の横方向成分のために、半径方向と
は異なる方向に高速に移動する、その他の電子は低速で
ある。いずれにしても、発生される電子はぼけることが
ある。ヨウ化セシウムのような物質を被覆することによ
りエネルギーの拡散を最小にできる。 本願出願人はそのような高速電子の非半径方向経路75
を示した。電子の経路75は、針の先端部28に対して半径
方向以外の角度で比較的高速で動く電子の経路である。
電子の初めの運動量が電子の軌道を経路76に沿つて生じ
させる。 針28の先端部に生じた映像は接触映像であることを記
憶しているであろう。接触映像であるから、経路76に沿
つて動く電子が映像面Iに入射することを許されるもの
とすると、映像の望ましくないぼけが起り得る。 幸いなことに、映像増強装置に受ける電子の時間間隔
をゲートする、すなわち選択する能力を与えることがで
きる。当然、本出願人は、経路70、71、72に沿って半径
方向すなわち放射状に動く電子だけを受ける時間にゲー
トし、経路75に示されているような余分な電子が映像平
面へ達するのを排除している。 第2図には針Nの内部の試料40を示す。コリメートさ
れた放射50が試料40に入射し、その後で、映像情報を有
する電子を針N中に生ずる。針の先端部の周囲の局部的
な電界が発生された電子を全て加速する。それらの電子
は半径方向に加速される。 電子は針の負電位により加速される。したがつて、針
は加速度だけを発生する。映像情報は保存される。 光電効果により速度の異なる電子が発生されることが
わかるであろう。たとえば、針を出た電子の速度は30EV
の範囲で変化することがある。動いている電子は、試料
で得た映像情報を劣化させる速度ベクトルを持つことが
ある。したがつて、光電効果により電子が最初に発生さ
れた時に、試料に対する相対速度をできるだけ少ししか
持たない、最終的に映像となる電子を有することが好ま
しい。 したがつて、針の端部における電位により加速される
と、得られる速度は、針の端部における負の電界の電位
により供給される加速力と、発生する光電効果自体から
の残留している(望ましくない)速度とによる。 いくつかの例示的な電圧が助けとなる。針の先端部の
電圧が−10000ボルトであると仮定すると、電子は針か
ら加速されて10000〜10030EVのエネルギーに達する。 針により供給される加速力以外の力を、映像が生ずる
領域に電子が達するまでそれらの電力に加えるべきでな
い。このときは、電子が接地されたスクリーン90を見る
ような場合である。そのスクリーンは、映像情報を劣化
させ、または希望の倍率を得る希望の半径方向加速を行
う他のどのような力からも電子をしやへいする作用を行
う。 ここで、低いエネルギー(約10000EV)を有する電子
が望ましいことがわかるであろう。それより高いエネル
ギー(約10030EV)を有する電子は望ましくない。図示
された映像発生回路の残りがこの弁別を行う。 とくに、第2の遅延電位スクリーン92が設けられる。
このスクリーンには、針の電圧より僅かに低い負の電
圧、与えられた例では−9990ボルトのオーダー、が加え
られる。したがつて、ここで用いる例示的な電圧の場合
には、10EV〜40EVの範囲のエネルギーまでそのスクリー
ンにより電子は減速させられる。 スクリーン92を透過して減速させられた後で、電子は
スクリーン92とマイクロチヤネル映像増強板95の間のド
リフト領域93に入る。板95は前面94と、電子なだれ映像
増強用の一連の従来のマイクロチヤネルと、電子なだれ
を促進するために前面94よりも負のより低い電圧を加え
られる裏面96とを含む。 ドリフト領域93内の電子は、ドリフト空間93を最初に
横切る高速の(望ましくない)電子と、2番目にドリフ
ト空間93を横切る低速の(より望ましい)電子とにエネ
ルギーに従つて一時的に分類される。このことは、高速
電子が表面96に達している時間中に高速電子の映像増強
を避けるために、表面96が表面94と同じ電位に維持され
る場合に起る。したがつて、減速スクリーン92と表面94
と同じ電位である−9990ボルトに表面96が維持されるの
はその時間中である。 10EVを有する低速で動く電子が表面94に達すると、裏
面96は従来の回路によりアース電位、与えられた例では
−9000ボルト、に近い電圧へ切換えられる。したがつ
て、低い速度のみを有する電子の増倍がマイクロチヤネ
ル板内で起る。 その後では映像は従来のようにして発生される。そう
すると、マイクロチヤネル板は増強された電子映像を生
ずる。アース電位に近い電位の螢光体スクリーンが映像
を生ずる。 電子映像を定期的に発生するために、映像増強装置I
の代りに螢光体スクリーンを使用できることがこの明細
書を読む人はわかるであろう。また、簡単な螢光体スク
リーンを使用でき、高速電子光学シヤツターを有するカ
メラ記録装置により映像に寄与する電子の時間領域選択
を行うことができる。そうすると、残光時間が非常に短
い螢光体を必要とする。電流をモニタすることにより電
子の到達が空間的に記録される電子映像発生のために
も、区分された陽極は使用できる。 電子エネルギー弁別技術はパルス放射源と、正確なタ
イミングおよびスイツチング用の電子装置とを使用する
必要がある。この遅延電位エネルギー弁別装置を動作さ
せること、および持続放射源を使用することができる。
低いエネルギーの電子を停止させて、戻すために遅れ電
位を用いるだけで、より高いエネルギーの電子を映像化
できる。それらの電子は高い解像力で良く映像化されな
いが、2種類の露光を行えば希望の結果を得ることがで
きる。とくに、全ての電子が映像化されるように、1回
目の露光は遅れ電位なしで行われる。次に、希望の低エ
ネルギー電子を実際に停止および戻すために遅れ電位が
用いられ、2回目の露光が行われる。低エネルギーの電
子を用いて試料の映像を発生するために、1回目の映像
から2回目の映像を差し引くことにより2つの映像の然
が発生される。両者の差は単に低エネルギー電子の寄与
分である。その差し引きはコンピユータ映像処理により
便利に行うことができる。 より高度な遅れ電位エネルギー弁別技術が文献におい
て知られている。以前の技術は例として用いられる。 映像発生面と、この映像発生面に関連するスクリーン
は、第2図には平面状に示されているが、電子の軌道に
平行な電界を保つためにわん曲させねばならない。 軟x線が用いられる場合には、分解能が100Å以下で
ある鮮明な映像を発生できる。波長が短いために回折作
用が制限される。回折作用による劣化は光の波長に関連
して減少する。 λ=波長 D=試料から光電陰極までの距離 光電陰極に非常に近い試料に対しては、光の波長でも
高い分解能の映像を発生することが可能である(「近電
界映像発生」についての文献参照)。それらは〜λ/20
の分解能を記述している。 パルス状x線を使用することが好ましいことがわかる
であろう。持続x線は、それによる損傷が映像を劣化さ
せる前に高分解能の映像を生ずるほど十分には強くでき
ない。パルス状x線源は、x線がひき起した動きが試料
を破壊する前に試料の像を与えるように、映像を凍結す
る。いいかえると、試料がミリ秒より短い時間後に(パ
ルスの持続時間は約10〜100ナノ秒)完全に破壊される
であろうが、試料は露光時間中はそのままである。 求められている光電効果を生じさせるために十分な電
磁エネルギーにより針が照射されるならば十分である。
本発明の実施のためには3000Åと1Åの間の波長で十分
である。波長が約24〜44Åの軟x線を用いることによ
り、ハイドレートされた生物学的試料で高いコントラス
トを得ることができる。その理由は、その範囲では、炭
素と比較して水が比較的透明だからである。(空気にさ
らすことができない)特殊な被覆を利用することによ
り、波長を約6000Åまで拡張できる。 それらの被覆をポンプによる排気の後で顕微鏡内に付
着でき、または、空気にさらされた時に表面を不活性雰
囲気中に保つ保護キヤツプを針に取付けることができ
る。それらの長い波長を用いる理由は、放射による損傷
を完全に避けるためである。もちろん、分解能は低くな
るが、光電陰極の表面のすぐ近くの細部は、近フイール
ド領域において映像化されるから、非常に良い分解能で
映像化される。 本発明の要旨を逸脱することなしに本発明の種々の実
施例が可能である。それらの実施例を第5図と第6図に
示す。 第5図と第6図に示されている2つの実施例は、第3
図を参照して説明した技術による針またはペデスタルを
製造する必要をなくす。他の面では、それらの実施例は
前記実施例と同様に動作する。両方の実施例では試料は
ペデスタルの上に置かれる。 第5図に示す実施例は周知のマイクロカプセル封入技
術を用いる。たとえば、ジヤーナル・オブ・アプライド
・フイジツクス(Journal of Applied Physics)47巻2
号、1976年、741ページ所載の、エス・バス(S.Bas
u)、ジー・ハウスナー(G.Hausner)、デイー・エフ・
パーソンズ(D.F.Parsons)による「ニユー・ウエツト
・レプリケーシヨン・テクニツク・レプリケーシヨン・
オブ・ウオーター・ドロツプレツツ(New Wet−Replica
tion Technique−Replication of Water Droplets)」
と題する論文には、微小な小滴をカプセル中に封入する
技術が記載されている。本発明を利用して調べたい試料
の多くは水を高い割合で含んでいる。それらの試料は知
られているマイクロカプセル封入技術を用いてカプセル
内に封入し、下記のようにして調べることができる。多
くのマイクロカプセル封入技術があることを理解すべき
である。 第5図は、針51に取付けられている試料52を含んでい
るマイクロカプセル50を示す。第5図に示されている針
は第4図に示されている針Nとは別のものである。x線
が経路56に沿つて試料52透過させられる。経路56を通る
x線は室Cの従来の窓を通る(その窓は通常のものであ
るからとくに示すことはしない)。 試料52は、前記論文に記載されている技術を用いて一
酸化シリコンの層53でマイクロカプセル中に封入され
る。それから、針51をマイクロカプセルに接触させるだ
けでマイクロカプセルは針に取付けられる。あるいは、
試料52を針51の上に置いた後で試料をマイクロカプセル
の中に封入できる。正常な力がマイクロカプセルを針に
保持する。針51に取付けられた後で、マイクロカプセル
50に、たとえば金のような金属を用いることができる導
電性物質54の層をスパツタ被覆する。この層は、マイク
ロカプセルを針と光電陰極へ保持させるための接着層と
して機能する。装置の動作を強めるためには必要ではな
いが、ヨウ化セシウムのような光導電体の付加層55を微
小球面の半分に付着できる。 球面全体に付着される金属層54は、付着される物質が
物体全体を取囲む能力を有する場合に、スパツタ技術を
用いて付着される。ヨウ化セシウムの部分的な層55を蒸
着技術を用いて付着できる。蒸着技術は方向性が非常に
高いから、蒸着装置の中に置かれた材料は物体の一方の
側だけを付着して半円形の層55を形成する。 取付けブラケツト(図示せず)が針51を真空室Cの内
部の、第1図で針Nが置かれている位置に位置させる。
針51は従来の真空シールを用いて室Cの中に挿入され
る。 光導電層55の上で発生された電子は、第1の実施例に
ついて説明したのと全く同じやり方で映像化される。こ
の実施例では針51が示されているが、他の種類の長くて
細いペデスタルを使用できる。 本発明の第2の別の実施例が第6図に示されている。
本発明のこの実施例においては、少量の試料がピペツト
61の中に従来のやり方で吸込まれる。その少量の試料は
ピペツト61の底部62を充す。この実施例ではピペツトは
ペデスタルとして機能する。 試料がピペツト61の中に置かれた後で、ピペツト底部
は、微小水滴を被覆するために用いた前記技術と同じ技
術を用いて、一酸化シリコンの層63で被覆される。層63
はピペツト61の底部だけを被覆するものとして示されて
いる。実際には、被覆はピペツト61の壁上に延びる。層
63は導電層64で被覆されているから、被覆層64をそのよ
うに延長しても装置の動作に対する実際的な効果はな
い。 ピペツト61の端部に3つの層63,64,65が形成される。
それらの層は第5図に示されている層53,54,55に対応す
る。第6図に示されている実施例においては、ピペツト
の中心を通る経路66に沿つてx線は試料62へ照射され
る。 第6図に示すピペツトはまつすぐな壁を有する。希望
の寸法にひかれたガラス製の毛細管が最初のピペツトを
製作する1つの方法である。本発明のためには、壁をま
つすぐにする必要はない。壁は、第4図に示されている
中空針が行われるように、大きな寸法からテーパー状に
細くすることができる。第6図に示すピペツトと第4図
の中空針との間の唯一の技術的な違いは、第4図の中空
針の試料の端部が最初にふさがれるのに反して、ピペツ
トは最初に開かれることである。本発明のために、ピペ
ツトのことを、試料を付着するための開放端部を有し、
壁がまつすぐまたはテーパーを成している管状の任意の
構造体である、とわれわれは定義する。 ピペツトの材料がぬれない性質のものであれば、微小
な滴を表面張力によりピペツトの中に吸込むことなし
に、微小な1滴をピペツトの適部上に置くことができる
から便利である。この状況は、ピペツトの端部に半球状
光電陰極を形成するために最適である。 第6図に示す実施例を用いて、試料は第1図に示す真
空室の中に挿入され、針Nと同じ位置にブラケツト(図
示せず)により取付けられる。倍率は光電変換層から映
像手段までの距離により決定される。電子がほぼ半径方
向に動くように、光電変換手段は真空室Cの寸法と比較
して小さくなければならない。10000対1より高い比が
満足できる。10000対1より高い比が好ましい。 真空室の内部の要素をシールする技術は従来技術にお
いて周知であるから、ここでは詳しくは説明しないこと
に注意されたい。 試料の動きを小さくするように、試料を凍結点以下に
冷却することにより装置の動作を一層改善できる。この
技術により、試料の放射による損傷のひずみを減少でき
る。 電子を放出する誘電体被覆を用いることにより本発明
の更に別の実施例を得ることができる。印加電圧がない
時はそれらの電子は被覆中に一時的に捕えられる。捕え
られた電子は、針電圧を印加することにより後で取出
し、映像化できる。前記実施例は、露光時に被覆からす
ぐに放出される光電子を用いて映像を形成することに注
目されたい。この実施例は、後で捕えられて映像を形成
する電子を用いる。この作用を示す物質はアルカリ・ハ
ライド被覆であつて、電子は色中心に捕えられる。この
実施例の利点は、捕えられた電子が取出された時に初期
運動エネルギーを持たないために映像がより鮮鋭なこと
である。 下記の請求の範囲により定められる本発明の範囲を逸
脱することなしに、態様および細部を上記のように変更
し、およびその他の変更を行うことができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.壁を有する排気された室と、 この室の一方の側に位置させられたペデスタルと、 このペデスタルに位置させられ、前記排気された室内に
露出される第1の表面を有し、試料を保持する小さい空
所の少なくとも一方の側を囲む光伝導体手段と、 放射を前記試料を通して前記光伝導体手段へ送って、そ
の光伝導体手段の前記第1の表面上に前記試料の特徴を
表すパターンで電子を発生させる手段と、 前記排気された室の内部の前記光伝導体手段から離れた
位置であって、前記ペデスタルと反対の側に配置され、
入射した電荷に応答して映像を発生する結像面と、 前記光伝導体手段と前記壁の間に電位を生じさせて前記
光伝導体手段により放出された電荷を光導電体手段から
前記結像へ向かって加速し、それにより前記試料の映像
が前記結像手段の上に発生させる手段と を備える顕微鏡。 2.一端部の近くに開口部を有し、他端部の近くに閉鎖
部を有し、入射した放射に応答して光電子を発生する材
料で制作され、前記閉鎖部の近くの内部に試料を受ける
場所を備える中空針と、 針を受ける第1の部分と、電子映像を受けて記録する第
2の部分とを有するとともに、内部に真空を生じさせる
真空ポンプへ連結されるように構成された室と、 針へ負電荷を加えて電子を針から映像記録面へ動かす手
段と、 前記針の中に光電子発生させるのに充分な放射を前記試
料に照射する手段と、 前記光電子から電子映像を記録する手段と、 を備え、前記放射が接触映像で減衰させられ、かつ針の
閉鎖先端へ当たって光電子を発生させ、その電子が前記
針から放射状に離れるように加速され、その放射状の加
速によって針の先端の試料の映像を拡大した電子映像を
生じさせる顕微鏡。 3.一端部の近くに開口部を有し、他端部の近くに閉鎖
部を有し、入射した放射に応答して光電子を発生する材
料で制作され、閉鎖部の近くの内部に試料を受ける場所
を有する中空針を設ける過程と、 前記針の内部の試料を受ける前記場所に前記試料を置く
過程と、 真空の室を設ける過程と、 前記針の中空部分を大気にさらし、前記針のとがってい
る部分を前記室の内部にさらすように前記室に針を取り
付ける過程と、 前記室を真空にする過程と、 前記室の内部に映像記録面を設ける過程と、 前記針の閉鎖端部に電子を発生させるのに充分な放射を
前記試料に照射する過程と、 前記映像を前記映像記録面に記録する過程と、 を備え、前記針の閉鎖部に電子を発生させるに充分な放
射を前記試料に照射することにより試料の接触映像で放
射が減衰し、その減衰させられた放射が前記針の閉鎖端
部にあたって光電子を光電効果で発生させ、その光電子
を前記針から放射状に加速させ、前記放射の電子映像を
前記映像表面に生じさせる顕微鏡検査方法。 4.放射に応答して光電子を発生する光電媒体に試料を
通して前記放射を照射し、それらの光電子が電位により
前記媒体から、前記光電子からの映像を記録する手段を
有する表面へ向かって加速される顕微鏡において、 入射した放射に応答して光電子を生ずる材料で制作さ
れ、開放端部と、他端部の近くの閉鎖部とを有する中空
針と、 を備え、前記針の内部に入射した放射が前記映像記録面
へ向かって加速する電子を前記針の外側に発生させる顕
微鏡。 5.電子映像を受けてその電子映像を記録する壁と、負
電荷が加えられて光電子を放出する場所とを有する真空
室並びに試料に放射を照射する手段を有する顕微鏡にお
いて、 一端部の近くに開口部を有し、他端部の近くに閉鎖部を
有し、入射した前記放射に応答して光電子を発生する材
料で制作された中空針と、 を備え、前記中空針の前記閉鎖部はその閉鎖部の近くで
中空針の内部に試料を受ける場所を定めることにより、
前記針の内部における放射が前記閉鎖部の上に接触電子
映像を形成し、その映像を前記室の側壁に投射する顕微
鏡。 6.一端部の近くに試料を有し、その試料への入射に応
答して光電子を発生する材料で形成された被覆を有する
針状の支えと、 第1の部分に前記針状の支えを受け、電子映像を受けて
記録する第2の部分を有するとともに、内部に真空を生
じさせる真空ポンプへ連結されるように構成された室
と、 針状の支えへ負電荷を加えて電子を針から映像記録面へ
動かす手段と、 前記針状の支え中に光電子を発生させるのに充分な放射
を前記試料に照射する手段と、 前記光電子から電子映像を記録する手段と、 を備え、前記放射が接触映像で減衰させられ、かつ前記
被覆へ当たって光電子を発生させ、その電子が前記被覆
から放射状に離れるように加速され、その放射状の加速
によって針の先端の試料の映像を拡大した電子映像を生
じさせる顕微鏡。 7.少なくとも一方の側が光電効果を有する物質で被覆
され、微小カプセル内に封入されている試料を調べる顕
微鏡において、 排気された室と、 前記第1の一方の側を前記排気された室の内部に位置さ
せる手段と、 放射を前記試料を通して前記光電効果を有する物質へ送
ることにより、前記物質に前記第1の表面上に前記試料
の特徴を表すパターンで電子を発生させる手段と、 前記排気された室の内部に配置され、入射した電荷に応
答して映像を発生する結像面と、 前記光電効果を有する物質と前記結像手段の間に電位を
生じさせることにより前記物質により放射された電荷を
前記物質から前記結像手段へ向かって加速し、それによ
り前記試料の映像が前記結像手段の上に発生させる手段
と、 を備え、微小カプセル内に封入されている試料を調べる
顕微鏡。 8.光電効果を有する物質で被覆された閉鎖端部を有す
るピペットの内部に保持される試料を調べる顕微鏡にお
いて、 排気された室と、 前記試料を含んでいる前記ピペットの前記端部を前記排
気された室の内部に保持しておく手段と、 エネルギーのビームを前記ピペットを通して前記試料へ
送ることにより、光電効果を持つ物質が前記ピペットの
端部表面上に前記試料の特徴を表すパターンで電子を発
生させる手段と、 前記排気された室の内部に配置され、入射した電荷に応
答して映像を発生する結像面と、 前記光電効果を有する物質と前記結像手段の間に電位を
生じさせることにより前記物質により放出された電荷を
前記物質から前記結像手段へ向かって加速し、それによ
り前記試料の映像が前記結像手段の上に発生させる手段
と、 を備える顕微鏡。
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