JPH0798285A - X線評価装置 - Google Patents

X線評価装置

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JPH0798285A
JPH0798285A JP5242331A JP24233193A JPH0798285A JP H0798285 A JPH0798285 A JP H0798285A JP 5242331 A JP5242331 A JP 5242331A JP 24233193 A JP24233193 A JP 24233193A JP H0798285 A JPH0798285 A JP H0798285A
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ray
rays
sample
detector
film
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JP5242331A
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Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4keV以下のエネルギーの軟X線を用いる
X線評価装置において、各機能部を仕切るための窓材に
よる軟X線の吸収が少なくなるようにすること。 【構成】 真空チャンバ2内で、X線源4と、このX線
源4からのX線を分光するX線分光器7と、分光された
X線が入射される位置に試料8を保持するマニピュレー
タ9と、前記試料8から出射されるX線及び電子線を検
出する検出器13との間の少なくとも一ヶ所を膜厚50
00Å以下の超薄膜窓材3a,3bにより仕切って真空
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば超高真空中で成
膜された試料の最上表面の原子・電子構造などの、物質
の表面構造の測定解析に適したX線を利用したX線評価
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年にあっては、各種機能を持たせたデ
バイス材料の研究・開発が盛んであり、材料表面の組成
ないしは構造分析等が重要となっている。
【0003】このような物質の表面原子・電子構造を評
価する手法として、電子線、X線、中性子線、イオン線
等をプローブとして用いたものが多数ある。例えば、電
子線によるものとしては、検出量を透過電子として原子
配列、欠陥構造、界面構造等を解析する透過顕微鏡(T
EM)とか、検出量を反射電子として表面原子構造等を
解析する反射顕微鏡(REM)等がある。また、X線に
よるものとしては、検出量を電子(エネルギースペクト
ル)としてバンド構造、状態密度分布、化学結合状態等
を解析する光電子分光法(XPS=X-ray Photoelect
ron Spectroscopy) とか、検出量をX線(回折、定在
波、吸収微細構造)及び蛍光X線(エネルギースペクト
ル)として結晶構造、局所的原子構造(原子間距離)を
解析するX線解析法又は拡張X線吸収微細構造法(EX
AFS=Extended X-ray Absorption Fine Struct
ure) 等がある。
【0004】これらのプローブの内、X線以外の電子
線、中性子線、イオン線等は、概して空気中で吸収・散
乱されやすい欠点を有する。このため、これらのX線以
外のものでは、真空中に試料を設置して評価するものが
多い。この点、X線は空気中でも吸収・散乱が殆どない
ものであり、有望といえる。もっとも、X線の内でも、
軟X線と称される数十Å以上のX線は、空気中では吸収
・散乱されやすいために、XPS法に採用されているよ
うに真空チャンバを使うことが多い。
【0005】ところで、これらの何れのプローブ(光・
電子)による場合も、試料面にすれすれに光又は電子を
入射させて表面最上層の情報を得ようとする手法が各種
研究・開発されている。例えば、全反射蛍光X線分析法
等がある。この内、上記のように有望視されているX線
を用いた表面分析法としては、表面蛍光EXAFS法と
か全反射X線計測法等がある。これらは、何れもX線を
試料面に対してすれすれの低入射角で入射させて、試料
表面の原子・電子構造や、表面・界面粗さ、密度、膜厚
等を評価しようとするものである。この場合、従来にあ
っては、主として数Å以下の波長の硬X線を用いるもの
とされている。
【0006】上記の評価に使用される従来のX線検出器
は、PC(プロポーショナルカウンタ)、SC(シンチ
レーションカウンタ)、SSD(半導体検出器)、イオ
ンチャンバ等の大きなものであり、かつ、軟X線に対し
て感度が低いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の状況
を考慮した場合、試料の最表面の軽原子や電子構造とい
った表面構造、特に、成膜中に軽原子の表面構造を測定
し解析する上では、成膜中の粒子による吸収・散乱の殆
どないX線、特に、軟X線をプローブとして用いる評価
方式が好ましいといえる。
【0008】このような軟X線を用いた評価装置におい
ては、できる限り、X線源やX線分光器やマニピュレー
タや検出器等の各機能部を近接配置させることで空気散
乱を避けることが望まれる。しかし、 ・X線分光器は分光結晶の調整が必要である。 ・X線がすぐ出るためにはX線源が分離していたほうが
よい。 ・試料室と分光器とは必要な真空度が異なっており試料
室のほうが高真空が必要である。 等の事情から、上記の各機能部を分離したほうが使いや
すい。また、全ての部材を1つのチャンバ内に入れるも
のとした場合にはチャンバが大きくなり過ぎて作製が困
難な上に扱いにくいものともなる。
【0009】このため、従来にあっては、一般に、上記
の機能部をベリリウム膜(Be膜)で分離し、各室が別
々に真空ポンプを備える構成とされている。
【0010】ところが、4keV以下のエネルギーの軟
X線を用いるX線評価装置においては、このようなBe
膜を分離膜として用いるのは困難である。
【0011】この点について言及する。Beは軽原子で
X線透過率が高いため、従来は、窓材としてBeがほぼ
100%程度に用いられている。この場合、1気圧の圧
力に耐えるためには25μm以上の膜厚が必要であり、
従来では、フランジへの溶接のしやすさから100μm
以上の膜厚として用いられている。しかし、Beの窓は
膜厚が25μm程度であっても図2中に比較例として示
すように、エネルギーが4keVのX線は透過率が90
%以上と良好であるが、エネルギーが1keVになる
と、10%も透さないため、放射光のように強力なX線
には適用できても実験室系装置では適用できないものと
なっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、X線源と、このX線源からのX線を分光するX線分
光器と、分光されたX線が入射される位置に試料を保持
するマニピュレータと、前記試料から出射されるX線及
び電子線を検出する検出器と、これらのX線源とX線分
光器と試料とマニピュレータと検出器とを内蔵した真空
チャンバと、この真空チャンバ内でこれらのX線源とX
線分光器と試料とマニピュレータと検出器との間の少な
くとも一ヶ所を仕切る膜厚5000Å以下の超薄膜窓材
とにより構成した。
【0013】この際、請求項2記載の発明では、X線分
光器により分光されて試料に入射されるX線のエネルギ
ーを4keV以下とした。
【0014】また、請求項3記載の発明では、エネルギ
ーが1keVのX線の透過率が70%以上の超薄膜窓材
とした。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明においては、真空チャンバ
内でX線源とX線分光器と試料とマニピュレータと検出
器との間の少なくとも一ヶ所を膜厚5000Å以下の超
薄膜窓材により仕切って真空にするため、4keV以下
のエネルギーのX線であっても吸収・散乱が少なく、よ
り短時間でノイズが少なくて精度のよい測定・評価が可
能となる。この場合、X線を用いるため、試料に対する
成膜中であってもその成膜のための粒子による散乱・吸
収等の影響の少ないものとなる。
【0016】この場合、請求項2記載の発明において
は、試料に入射されるX線のエネルギーを4keV以下
とし、請求項3記載の発明においては、エネルギーが1
keVのX線の透過率が70%以上の超薄膜窓材とした
ので、各種X線測定・評価において従来では不可能であ
った高分子材料、Si,Alのような低い原子番号の材
料についてもその構造等の評価が可能となり、さらに
は、フェルミレベルに近い電子構造をも評価し得るもの
となる。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、真空排気装置1に連通されて内部が高真空状
態とされる真空チャンバ2が設けられている。この真空
チャンバ2は膜厚4000Åのダイヤモンド窓(超薄膜
窓材)3a,3bにより仕切られたX線源4領域と、分
光領域とを連設したもので、分光領域中にはスリット
(目的によっては、ピンホールでもよい)5とともに分
光用チャンバ6が内蔵され、分光用チャンバ6内にはX
線分光器となるチャネルカットモノクロメータ7が内蔵
されている。本来の真空チャンバ2内では、測定対象と
なる試料8が回転可能なマニピュレータ9により下向き
(評価したい面が下向き)に保持されているとともに、
前記チャネルカットモノクロメータ7で分光されてダイ
ヤモンド窓3bを通して出射するX線を前記試料8表面
に向けて低入射角で入射させる全反射ミラー10が設け
られている。前記マニピュレータ9は0.002°なる
ステップで前記試料8に対する入射角を変えられるよう
に入射角可変可能に設けられている。また、試料8の保
持方法としては横向き、上向き等でよいが、全反射ミラ
ー10の調整を覗き窓等を通して容易に行える等の点を
考慮すると、下向きとするのが好ましい。前記全反射ミ
ラー10は表面にPtがコーティングされたものであ
る。また、全反射ミラー10・試料8間の光路上には試
料8に対する入射X線強度を計測するための小型のイオ
ンチャンバ12が介在されている。さらに、前記試料8
からの出射側光路上には二次元検出器(検出器)13が
配設されている。加えて、本実施例では成膜中の分析を
可能とするため、前記試料8の下方に位置させて成膜装
置であるKセル14が設けられている。15はそのシャ
ッタである。
【0018】ここで、各部について説明する。まず、X
線源4は主として実験室用に多用されるロータターゲッ
トを用いるのがよいが、プラズマX線源やレーザX線源
と称されるものでもよく、さらには、封入管タイプのも
のでもよい。もっとも、簡便性、使いやすさを考える
と、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Ag
(銀)、Al(アルミニウム)等をターゲットとし、電
子線を照射することにより発生する白色X線を用いるロ
ータターゲットがよい。本実施例では、例えばMoをタ
ーゲットとするロータターゲットとされている。
【0019】真空チャンバ2内の真空度は10~6Torr
以上、好ましくは10~9Torr 以上の高真空、より好ま
しくは10~10Torr以上の超高真空がよい。一方、分光
チャンバ6内の真空度は10~4Torr 以上とされてい
る。
【0020】X線分光器となるチャネルカットモノクロ
メータ7はチャネルカットした結晶で、軟X線を分光す
るためには、格子面間隔が長いEDDT,ADP,α‐
水晶,InSb等が用いられる。ここに、EDDTはC
61426 ・単斜晶系で、回折面を(020)とし、
格子面間隔2d=0.8803Åのものである。ADP
はNH42PO4 ・正方晶系で、回折面を(101)と
し、格子面間隔2d=1.0648Åのものである。α
‐水晶は、SiO2 ・六方晶系で、回折面を1
【外1】 系で、回折面を(111)とし、格子面間隔2d=0.
7418Åのものである。
【0021】ここに、このようなX線分光器が、平板モ
ノクロメータ1枚又は2枚によるものではX線の発散性
を防げず、実験室では平行性のよいX線が得られない。
ちなみに、SOR(放射光)では平行性が得られ分光性
はよいものの、チャネルカットモノクロメータ1個では
光路が変化(即ち、移動)してしまう。そこで、本実施
例では、X線分光器を、チャネルカットした結晶を
(+,+)配置させて連動するモノクロメータによるも
のとし、X線の発散が少なくて平行性のよいものとな
り、かつ、連続分光も可能でエネルギー分解能のよいも
のとなるようにしている。具体的には、ADP(10
1)結晶を(+,+)配置させて連動するようにしたも
のであり、スリット5により制限されたX線を4個の分
光用結晶で4回反射させることにより分光するものであ
る。
【0022】全反射ミラー10はX線を全反射させるも
のであり、表面凹凸が15Å以下であることが望まし
い。材料としては、カーボン、BN、SiC等が用いら
れる。本実施例では、例えばカーボン製とされている。
また、凹面鏡形状とすれば、分光されたX線を集光で
き、入射させるX線強度を向上させることができる。ち
なみに、試料8へのX線入射角を可変させる方法として
は、マニピュレータ9により試料8を動かすことなく、
全反射ミラー10側を回動軸11を中心に回動自在に設
け、この全反射ミラー10を回動させることにより入射
角を可変させてもよい。
【0023】二次元検出器13はPSD(半導体位置検
出素子)とマイクロチャネルプレート(MCP)とのア
センブリよりなるもので、例えば、浜松ホトニクス株式
会社製のPIAS−TI等のように、直径70nm、長さ
50nm程度の小型のものである。このような二次元検出
器13によれば、検出器自体が小型であるため、真空チ
ャンバ2内に内蔵させても、真空度が上がらないとか、
保守が不便であるとか、真空チャンバ2が大きくなって
しまう、といった不都合を伴わない。また、二次元検出
器13によれば、二次元の空間分解能を持つ評価がその
まま可能となる。もっとも、軟X線に対する感度等が特
に問題とならない場合であれば、従来のようなPC,S
C,SSD,イオンチャンバ等の検出器を用いるように
してもよい。
【0024】また、本実施例の特徴とする膜厚4000
Åのダイヤモンド窓3a,3bは図2に示すように、エ
ネルギーが4keVのX線で100%に近い透過率を示
すとともに、エネルキーが1keVであっても80%に
近い(=70%以上)透過率を示すものである。もっと
も、超薄膜窓材としては、このようなダイヤモンド窓に
限らず、例えば、ダイヤモンド・ライク・カーボン膜や
Al,Si,カーボン,In,Sn,B等を膜厚100
0〜2000Å程度の薄膜に積層させたものが適用でき
る。例えば、Al(500Å膜厚)/C(270Å膜
厚)や、膜厚1500ÅのB膜又はカーボン膜の場合に
も良好なる透過率が得られる。
【0025】このような構成において、例えば、試料8
をKセル14を用いて成膜した後、X線源4からのX線
をこの試料8表面にすれすれなる低入射角(10度以
下)で入射させ、反射XANES、反射EXAFSを測
定する場合を考える。
【0026】まず、X線源4から出射された白色X線は
スリット5で制限された後、チャネルカットモノクロメ
ータ7の4個の結晶で4回反射されることにより分光さ
れる。分光されたX線は全反射ミラー10で全反射され
ることで光路が曲げられ、試料8表面に低入射角で入射
する。この際、マニピュレータ9は回動し得るものであ
り、試料8への入射角は調整可能である。
【0027】この全反射ミラー10により試料8表面へ
入射するX線の強度はイオンチャンバ12により計測さ
れる。試料8表面へ入射したX線は、その一部が吸収さ
れるが、散乱・反射される大半は、二次元検出器13に
入る。この際、図中には示さないが、成膜後は試料8直
下へ別の二次元検出器を配設することで、試料8から出
射される二次電子を検出し、EXAFSのデータをとる
ようにした。
【0028】具体的に、Kセル14を用いてアルミニウ
ムの100Åなる膜厚の膜をSiウエハ上に成膜し、
1.574keVに分光したX線を入射角0〜1.5°
で入射させた時の反射データをとり、臨界角を求めたと
ころ、1.17°となったものである。ついで、入射角
が1.1°となるようにしてエネルギー依存性を1.5
10〜1.830keVで測定し、吸収スペクトルへ変
換して図3に示すような特性を得た。図3に示すような
XAFSデータから、Alの周りの最近接原子間距離と
して2.86Åが求められたものである。ちなみに、従
来は成膜直後に大気中へ取り出したAl膜は表面酸化膜
のために、また、長波長X線強度が弱かったために、実
験室系装置ではこのような測定は不可能とされているも
のである。
【0029】即ち、軟X線を用いたX線評価装置では、
例えば、K吸収端の近くの吸収による振動を用いて解析
するXAFS等においては、窓(ダイヤモンド窓3a,
3b)の吸収が少なく、酸素(K吸収端0.531ke
V)やフッ素(K吸収端0.687keV)というよう
な、従来、不可能であった原子のXAFSデータがとれ
るものである。さらに、解析ニーズの高いAl,Si,
S等の軽原子の解析も高精度で可能となる。
【0030】このような測定例を含め、本発明のX線評
価装置によれば、例えば、下記に列挙するような各種測
定が長波長X線に制限されることなく可能となる。
【0031】 微小角反射X線測定 X線を試料8表面にすれすれの低入射角で入射させ、そ
の表面での反射X線強度の入射角依存性を二次元検出器
13で計測する。二次元計測も行う。この結果、試料8
の表面・界面の粗さとか、膜の密度、膜厚等を評価でき
る。また、粗さの異方性も評価できる。この際、長波長
X線を用いることができ、入射角を大きくすることで目
的の測定が可能となり、測定精度が向上する。
【0032】 反射XAFS X線を試料8表面にすれすれの低入射角で入射させ、そ
の表面での反射X線強度のエネルギー依存性(吸収端近
傍)及び入射角依存性を計測する。この結果、局所的原
子構造(即ち、原子間距離、配位数、温度因子等)や、
電子構造を評価し得る。また、深さ方向の組成・構造変
化も評価し得る。この際、長波長X線により高分子物質
や軽原子を含む物質の測定が可能となり、適用材料が大
幅に拡大される。
【0033】 蛍光XAFS X線を試料8により全反射されるようにこの試料8に入
射させると、試料8表面から蛍光X線や二次電子線や反
射電子線が出射される。これらの強度の入射X線エネル
ギー依存性(吸収端近傍)や入射角依存性を計測する。
この結果、上記の場合と同様に、局所的原子構造(即
ち、原子間距離、配位数、温度因子等)や、電子構造を
評価し得る。また、深さ方向の組成・構造変化も評価し
得る。なお、試料8表面の定在波を利用するようにして
もよい。さらに、二次元検出器を2個設ければ、この
の計測と上記の計測とを同時に行うこともできる。こ
の場合も、上記の場合と同様に、入射角を大きくと
れるので測定精度が向上し、かつ、軽原子測定の範囲が
拡大される。
【0034】 X線小角散乱 X線を反射するようにして試料8表面に入射させ、二次
元検出器13によりX線の散乱程度を計測する。この結
果、膜の構造・組織の評価が可能となる。この際、
の場合と同様に、長波長X線を用いると、入射角を大
きくとることができ、より長い周期の構造に対して測定
精度が向上するものとなる。
【0035】 X線回折 従来より知られているX線回折ももちろん可能である。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、真空チャ
ンバ内でX線源とX線分光器と試料とマニピュレータと
検出器との間の少なくとも一ヶ所を膜厚5000Å以下
の超薄膜窓材により仕切って真空にしたので、4keV
以下のエネルギーのX線であっても超薄膜窓材による吸
収・散乱が少なく、より短時間でノイズが少なくて精度
のよい測定・評価を行うことができ、特に、X線を用い
るため、試料に対する成膜中であってもその成膜のため
の粒子による散乱・吸収等の影響の少ないものとするこ
とができる。
【0037】この場合、請求項2記載の発明によれば、
試料に入射されるX線のエネルギーを4keV以下と
し、請求項3記載の発明によれば、エネルギーが1ke
VのX線の透過率が70%以上の超薄膜窓材としたの
で、各種X線測定・評価において従来では不可能であっ
た高分子材料、Si,Alのような低い原子番号の材料
についてもその構造等の評価が可能となり、さらには、
フェルミレベルに近い電子構造をも評価することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】X線のエネルギーに対する窓の透過率を示す特
性図である。
【図3】XAFSデータを示す特性図である。
【符号の説明】
2 真空チャンバ 3a,3b 超薄膜窓材 4 X線源 7 X線分光器 8 試料 9 マニピュレータ 13 検出器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源と、このX線源からのX線を分光
    するX線分光器と、分光されたX線が入射される位置に
    試料を保持するマニピュレータと、前記試料から出射さ
    れるX線及び電子線を検出する検出器と、これらのX線
    源とX線分光器と試料とマニピュレータと検出器とを内
    蔵した真空チャンバと、この真空チャンバ内でこれらの
    X線源とX線分光器と試料とマニピュレータと検出器と
    の間の少なくとも一ヶ所を仕切る膜厚5000Å以下の
    超薄膜窓材とよりなることを特徴とするX線評価装置。
  2. 【請求項2】 X線分光器により分光されて試料に入射
    されるX線のエネルギーを4keV以下としたことを特
    徴とする請求項1記載のX線評価装置。
  3. 【請求項3】 エネルギーが1keVのX線の透過率が
    70%以上の超薄膜窓材としたことを特徴とする請求項
    1又は2記載のX線評価装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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