JP2001277792A - エンボス化粧材とその製造方法 - Google Patents

エンボス化粧材とその製造方法

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JP2001277792A
JP2001277792A JP2000096955A JP2000096955A JP2001277792A JP 2001277792 A JP2001277792 A JP 2001277792A JP 2000096955 A JP2000096955 A JP 2000096955A JP 2000096955 A JP2000096955 A JP 2000096955A JP 2001277792 A JP2001277792 A JP 2001277792A
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Yoshiaki Kakinuma
良明 柿沼
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 薄手の基材シートに対しても意匠効果のある
エンボスを可能とするエンボス化粧材とその製造方法を
提供する。 【解決手段】 基材1表面に木目導管断面形状の溝状凹
陥部3を複数有してなる、前記基材1表面の互いに隣接
する前記溝状凹陥部3の間の部分を、前記溝状凹陥部3
同志を結ぶ方向においては凸状であり、且つ、前記溝状
凹陥部3に沿った方向においては、平坦である凸曲面と
する。また、上記のような表面形状を賦型するエンボス
版の製造には、表面に木目導管断面の平面視形状と一致
するレジストパターンを形成して、前記木目導管断面に
相当する部分をレジスト膜で被覆した後に、非レジスト
部を腐食液を吹きつけるシャワー腐食方式によって腐食
させ、次いで腐食液を含浸させたモルトン被覆ロールを
接触させるタッチロール腐食方式によって2段階腐食を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多種の基材、中で
も特に薄手の基材シートに対しても意匠効果のあるエン
ボスを可能とするエンボス化粧材とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】絵柄模様に従ってエンボス加工を行って
部分的に凹陥部を形成し、質感、高級感、意匠性を高め
たエンボス化粧シートは、木質系板、無機質系板、金属
板等によって裏打ちされて、建築物内装材、家具、家電
製品のキャビネット表面材等に多用されている。エンボ
ス絵柄パターン、すなわちエンボスによって形成される
凹凸模様は、木質系柄、石材系柄、繊維系柄、抽象柄等
にわたるが、代表的なものは、天然木材の有する木目導
管断面パターンである。この木目導管断面パターンに基
づくエンボス化粧シートは、木目導管断面に相当する部
分がエンボスされて溝状凹陥部として成形されたもので
ある。一般に、エンボス化粧材の製造に使用される従来
のエンボス版の版深は、天然の導管溝の外観を再現する
ため100μm以上必要とされている。従ってエンボス
時に使用される基材シートの厚みも少なくとも100μ
mを必要としている。ところが、近年、着色基材シート
上に透明な表面基材シートを熱プレスで融着すると同時
に、表面基材シートにエンボス加工を施す、所謂、ダブ
リングエンボスによる製造方法が実施されるようになっ
てきている。このダブリングエンボスについては、さら
に表面基材シートの積層方式の違いによって主に2種類
に分類できる。すなわち、(1)あらかじめ製膜した表
面基材シートを加熱軟化した上で、着色基材シート上に
重ね、所望の凹凸模様と逆の凹凸を有するエンボス版ロ
ーラで圧着し、融着すると同時にエンボス加工する方
法、(2)加熱熔融した表面基材シートをTダイから押
出して着色基材シート上に塗工すると同時にエンボス版
兼冷却ローラで押圧して、表面基材シートを製膜すると
同時に着色基材シート上に融着し、且つ同時にエンボス
加工する方式、の2方式である。これらのうち、近年、
生産効率の点から(2)の方式が多用されるようになっ
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この(2)の方式によ
るダブリングエンボスの場合、エンボス加工が施される
トップの基材シートには、押出し成型時の効率性の向
上、材料コストの低減化のため、80μm以下の厚みが
望まれている。従ってエンボス版の版深も80μm以下
にせざるを得ないが、単に版深を下げたのでは、エンボ
スによる意匠効果(木目導管断面パターンの外観再現効
果)が弱まってしまうという問題がある。この傾向は、
オーク系の木目導管柄の場合に特に顕著である。このよ
うな限られた厚みの化粧シートにおいて、天然木材板が
有する木目導管断面をリアルに再現するために特公昭5
8−14312号公報等に開示されている発明では、木
目導管断面に対応する凹陥部にワイピング等の手法によ
って黒色、褐色等の高濃度のインキを充填する方法も実
用されてはいるが、これだけでは十分ではなかった。本
発明は、前述の問題点に鑑みてなされたもので、従来よ
りも薄手の基材シートを用いて、比較的浅い深度のエン
ボスであっても視覚的に深みを感じさせ、しかも立体的
で、質感のある、高度な意匠表現を可能とするエンボス
化粧材とその製造方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明によるエンボス化粧材は、基材表面に
木目導管断面形状の溝状凹陥部を複数有してなり、前記
基材表面の互いに隣接する前記溝状凹陥部の間の部分
が、前記溝状凹陥部同志を結ぶ方向においては凸状であ
り、且つ、前記溝状凹陥部に沿った方向においては、平
坦である凸曲面を呈してなることを特徴とするものであ
る。また、本発明によるエンボス化粧材の製造方法は、
金属版材表面に木目導管断面の平面視形状と一致するレ
ジストパターンを形成して、前記木目導管断面に相当す
る部分をレジスト膜で被覆した後に、非レジスト部を腐
蝕液を吹きつけるシャワー腐蝕方式によって腐蝕させ、
次いで腐蝕液を含浸させたモルトン被覆ロールを接触さ
せるタッチロール腐蝕方式によってさらに腐蝕を進行さ
せ、前記レジスト膜を除去して、前記金属版材表面に前
記木目導管断面に対応する複数の凸条部と、互いに隣接
する前記凸条部の間の面が、隣接する該凸条部同志を結
ぶ方向においては凹状であり、且つ、前記凸条部に沿っ
た方向には平坦である凹曲面とからなるエンボス版を形
成し、該エンボス版を用いて基材にエンボス加工を施す
ことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】エンボス化粧材とは、基材表面に
エンボス加工等により凹凸模様が形成されてなる化粧材
である。用途としては、基材単体か、あるいはさらに任
意の素材が裏打ちされて、壁、床、天井等の建築物の内
装材、扉、窓枠、扉枠、手摺等の建具の表面材、テレビ
ジョン受像機等の家電製品の筐体の表面材、箪笥等の家
具の表面材、箱等の容器の表面材、自動車等の車両の内
装材、船舶内装材等に使用される。本発明が対象とする
エンボス絵柄(凹凸模様)は、木目柄であって、木目導
管断面パターンが重要なモチーフとなっている場合に特
に効果を発揮するものである。
【0006】図1及び図2はいずれも本発明による化粧
材の態様を説明するものであって、図1は、本発明によ
るエンボス化粧材の斜視図、図2は、本発明によるエン
ボス化粧材の断面図である。図2(a)は、溝状凹陥部
3の断面拡大図である。(図1におけるX’−X’断
面) 図2(b)は、凸曲面4の断面拡大図である。(図1に
おけるY’−Y’断面) 図2(c)は、溝状凹陥部3
及びその近傍の基材表面8の断面拡大図の一例である。
(図1におけるY”−Y”断面) 図2(d)は、溝状凹陥部3及びその近傍の基材表面8
の断面拡大図の別の例である。(図1におけるY”−
Y”断面) 木目模様がエンボスされた従来の通常のエンボス化粧材
の基材表面においては、木目導管断面形状の長手方向で
あるY軸方向に複数の溝状凹陥部3が略ランダムな位置
に、但し、その長手方向には隣接する溝状凹陥部3同志
が略互いに平行な関係で配列してなり、溝状凹陥部3の
間の平面は、隣接する溝状凹陥部を結ぶ方向(X軸方
向)に略平坦である。しかるに、本発明によるエンボス
化粧材10においては、図1の如く、これまでのエンボ
ス化粧材と同じように溝状凹陥部3が、略ランダムに、
且つ、溝状凹陥部3同志は略平行に配列しているが、互
いに隣接する前記溝状凹陥部3の間の表面部分が、図2
(a)に示すように、前記溝状凹陥部3同志を結ぶX軸
方向においては凸状であり、且つ、前記溝状凹陥部に沿
ったY軸方向においては、図2(b)に示すよ如く平坦
であるような凸曲面4を呈している。そして、特に溝状
凹陥部3の周辺において曲率が大きくなっている。本発
明によるエンボス化粧材10におけるこの凸曲面の度合
いは、隣接する溝状凹陥部3の間隔ΔXが、例えば10
mmの場合に、凸曲面4の平均水準面Lからの突出度Δ
Zは、0.05〜0.1mm程度である。尚、この凸曲
面4は、滑らかな面であってもよいが、或いは突出度Δ
Zよりも十分小さい表面粗さ(1〜10μm程度)の微
凹凸が重塁していてもよい。本発明によるエンボス化粧
材10は、このように隣接する溝状凹陥部3の間の基材
面が平均水準面Lより盛り上がることによって、視覚的
に実際のエンボス深度以上の深みを感じさせることがで
き、従って、厚手の基材は無論のこと、比較的薄手のシ
ート状乃至はフィルム状の基材の利用が十分可能とな
る。尚、溝状凹陥部3の末端部に隣接する基材表面8
は、図2(c)の如く溝状凹陥部3近傍において、通常
は後述の如く腐蝕工程での影響により凸曲面になる(但
し、溝状凹陥部3の末端部から離れるに従って平坦面に
漸近して行く)。しかし、この溝状凹陥部3に隣接する
基材表面8が図2(d)の如く平坦面であってもよい。
【0007】また、本発明によるエンボス化粧材10の
積層構成は、図2(a)に示すように、シート状であ
り、基材1が着色基材シート12と透明若しくは不透明
な基材シート11の2層からなるものが一般的である
(特にシート状の薄手の基材を基材シートと呼称するこ
とにする)。また着色基材シート12に予め印刷による
インキ層を設けておいてもよい。基材面に形成された溝
状凹陥部3は、そのままの状態でもよいが、さらにワイ
ピング等の手段によって高濃度のインキを充填させてエ
ンボス深度を視覚的に強調することが一般的に行われ
る。ワイピングは、エンボス面の全面に(凹陥部とそれ
以外の部分)着色インキを塗工し、しかる後に凹陥部以
外のインキをドクターブレード等によってかきとって凹
陥部に着色インキを充填せしめる方法である。この着色
インキのバインダー樹脂には、2液硬化型ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が、耐薬品性、耐磨
耗性等の点で使用され、またこのための着色インキは木
目導管断面等の外観を再現するため弁柄、カーボンブラ
ック等を主成分とする黒色、褐色系のものが使用され
る。また、基材の材料としては、シート乃至フィルム、
板のいずれの形態でもよく、通常、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合
体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、熱可塑性
ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ABS樹
脂,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和(熱硬化性)ポリ
エステル樹脂、2液硬化(熱硬化)型ウレタン樹脂等の
熱硬化性樹脂、ラジカル重合型不飽和アクリレート(或
いはメタクリレート)、カチオン重合型エポキシ樹脂等
の単量体、プレポリマー等を電離放射線(紫外線、電子
線等)で架橋させてなる電離放射線硬化性樹脂等が用い
られる。基材1の厚さとしては、溝状凹陥部3の深さ以
上であればよく、通常20μm〜10mm程度が代表的
である。
【0008】図3は、本発明によるエンボス化粧材の製
造に使用されるエンボス版の腐蝕方法の説明図である。
一般に、エンボス化粧材の基材表面の凹凸形状は、エン
ボス版の凹凸形状が忠実に賦型されてなるものであるの
で、エンボス版の製造が本発明の重要な課題となってい
る。このエンボス版によって図2(a)に示すような凹
陥部3と凸曲面4を賦型するには、それとは全く逆の凸
条部3’と凹曲面4’(図4(d)参照)をエンボス版
面に成形しなければならない。そのためには、図3
(a)に示すように、金属版材としての金属製のエンボ
スシリンダーEを回転させながら、その版材面に対し
て、塩化第2鉄の水溶液等の腐蝕液をシャワー状に吹き
つけるシャワー腐蝕方式と、図3(b)に示すような、
モルトン等の被覆ロラーMを介して腐蝕液をエンボスシ
リンダーEの版材面に供給するタッチロール腐蝕方式と
が組み合わされて利用される。尚、金属製のエンボスシ
リンダーEとしては公知の各種の材料、層構成、シリン
ダー構造のものが用いられる。代表的なものとしては、
中空の鉄製のシリンダー(円筒)の表面に銀メッキ層を
介して銅メッキ層をエンボス版の最大腐蝕深度よりも厚
く形成したものが挙げられる。
【0009】図4は、本発明によるエンボス化粧材に係
わるエンボス版の腐蝕原理の説明図である。先ず、シャ
ワー腐蝕方式の場合であるが、エンボス版表面基材であ
るところの金属版材5の表面に木目導管断面パターンに
従って溝状凹陥部相当部分のみにレジスト膜6を形成し
ておき、この面に腐蝕液を金属版材表面に対して鉛直の
方向から吹きつけるように供給して非レジスト部分7を
腐蝕すると、非レジスト部分7は、図4(a)に示すよ
うに、わずかなサイドエッチングを伴いながら主として
鉛直方向に蝕刻される。これに対し、モルトン等の被覆
ロラーMを介して腐蝕液を金属版材であるエンボスシリ
ンダーE面に供給するタッチロール腐蝕方式の場合は、
図4(b)に示すように、非レジスト部7は碗のような
凹曲面状に蝕刻される。本発明によるエンボス版の製造
は、この両腐蝕方式の特性を巧みに組み合わせてなるも
のであって、図4(c)に示すように、先ず、シャワー
腐蝕方式によって非レジスト部7を一点斜線で示す所定
の深度まで鉛直方向に触刻させ、これによって木目導管
断面形状の如き鮮鋭な形状に加工する。次いで、タッチ
ロール腐蝕方式に切り換えて、さらに腐蝕を進め、非レ
ジスト部7を実線で示すような凹曲面状に蝕刻させ、こ
れによって前記の如き凸曲面4に対応する凹曲面4’を
加工する。しかる後に、レジスト膜6を剥離すると、図
4(d)に示すような、凸条部3’の側面が、最初は垂
直であるが次第に凹曲線を描く断面が形成されたエンボ
ス版Eが完成する。このようなエンボス版Eの凹凸形状
が忠実に賦型されて、エンボス化粧材10の基材1面に
は図4(e)に示すような最初は垂直であるが次第に凸
曲面を描く溝状凹陥部3と隣接する溝状凹陥部3間には
凸曲面4が形成される。そして、溝状凹陥部3と凸曲面
4の両者は、相互に漸近し、滑らかに接続する。シャワ
ー腐蝕方式だけで蝕刻されて形成された凸条部の賦型で
は、このような隣接する溝状凹陥部3の間に上方に向か
って湾曲した膨らみのある立体構造は得られず、木目導
管断面パターンのシャープ感はあるが、凹陥部3の深度
が深くないと、所望のエンボス効果が得られない。ま
た、タッチロール腐蝕方式だけでは、溝状凹陥部3間の
膨らみのある立体構造は得られるが、垂直方向の鮮鋭、
急峻な蝕刻がないので、木目導管断面パターンの輪郭の
シャープ感がなくなってしまう。本発明によるエンボス
化粧材10は、シャワー腐蝕方式とタッチロール腐蝕方
式を併用することによって製作されたエンボス版によっ
て溝状凹陥部3と隣接する溝状凹陥部3の間の凸曲面4
が賦型されているので、木目導管断面パターンの輪郭の
シャープ感を保有し、かつ隣接する凹陥部3間の盛り上
がりによって、凹陥部3が有する実際の深度以上の深み
を表現するエンボス化粧材となり、結果として、厚手の
板状基材の場合は無論のこと、薄手のシート状基材(基
材シート)の場合においても基材シート1の総厚みを従
来のものより薄くすることができ、基材シート1を構成
する表面基材シート11の押し出しスピードを高めるこ
とにより生産性を向上させ、材料コストの低減を可能と
する。
【0010】図5は、本発明によるエンボス化粧材の製
造方法の工程説明図である。本発明によるエンボス化粧
材の製造方法は大別して、次の3工程からなるものであ
る。 1)エンボスパターンの画像データ作成工程 2)エンボス版のフォトエッチング工程(パターンニン
グとエッチング) 3)エンボス加工工程 木目導管断面パターンの画像データ作成は次の方法で行
われる。銀塩写真法等により天然木材板原稿を一旦銀塩
感光性フィルムに撮影し、次いでCEPS(COLOR ELEC
TRONIC PREPRESS SYSTEM)の製版スキャナによってスキ
ャニングして光電変換し、デジタル信号化して読み取
り、ハードディスクに記憶させる。あるいは、デジタル
カメラを用いて天然木材板原稿を撮影し、CCD(荷電
結合素子)撮像素子において画素に分けると共に、光電
変換し、デジタル信号化して得たデジタル画像データを
直接CEPSに入力してもよい。次に、この画像データ
から図1に示すような木目導管断面パターンのみを2値
化画像としてディスプレー画面に抽出し、エンボス版シ
リンダーの円周長に合わせたエンドレス修正等を行った
上で、木目導管断面パターン画像ファイルを作成する。
以上のように抽出された木目導管断面パターンの2値化
された画像データをレーザー光ビーム走査による直接露
光装置によって、あらかじめ、図5に示すように、中
空の鉄製シリンダー表面に銀メッキ層を介して銅メッキ
層を形成してなる金属版材5の表面に、重クロム酸ゼラ
チン、又はハロゲン化銀ゼラチンからなるネガ型レジス
ト感光膜6’を形成してなるエンボス版基材の上に出力
して、表面を走査する光ビームを焼付けパターン画像デ
ータで変調しつつ露光し、焼き付け、現像し、非露光部
の感光膜を洗浄除去すると、図5に示すような木目導
管断面パターンに相当するレジスト膜6を有する金属版
材5面が得られる。 尚、前記の図5の製造例では、レ
ジスト感光膜には露光部が硬化するネガ型が用いられて
いるが、その他にも、露光部が現像されて溶出するポジ
型を使用してもよい。また、レジストの製膜方法は、金
属版材5面に直接塗布しても、カーボンチッシュのよう
に転写方式によってもよい。ネガ型のレジスト膜として
は、前記の重クロム酸ゼラチン、またはハロゲン化銀ゼ
ラチンのほか、アクリル基またはメタアクリル基を有す
るアクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスア
ジドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート
系化合物等を用いることができる。この金属製版版材5
面の非レジスト面7を塩化第2鉄水溶液、塩化第2銅水
溶液等の腐蝕液を用いて、まず、シャワー腐蝕方式によ
って腐蝕を行い図5に示すように所定の深さd1に至
るまで蝕刻する。尚、深さd1は、所望の溝状凹陥部3
の深さに対応させる。通常は、d1=20〜200μm
程度である。腐蝕条件は、腐蝕深度、サイドエッチ等の
進行を確認しつつ所望の仕上がりとなるように調整す
る。腐蝕液に塩化第2鉄溶液を用いる場合には、その比
重は、通常36〜42Be(ボーメ)の範囲である。次
いで、モルトンを表面に被覆したタッチロール腐蝕方式
に切り換えて腐蝕を継続し、非レジスト面を図5に示
すように所定の深さd2に至るまで蝕刻して凹曲面を形
成する。この場合の腐蝕条件も腐蝕の進行を確認しつつ
所望の仕上がりになるように調整する。しかる後、レジ
スト膜6を除去するとエンボス版Eが得られる。最後
に、エンボス版Eの表面全体にクロムメッキを施して仕
上げる。メッキは、好ましくは、マット(艶消)メッキ
とするか、あるいはエンボス版表面全面をサンドブラス
ト加工で粗面としてからメッキすることによりエンボス
版表面(特に、木目導管断面パターン以外の面)を艶消
し粗面とすることが好ましい。なお、本発明に使用する
エンボス版Eは、円筒状はシリンダー状が生産性の点で
好ましいが、平板状であってもよい。
【0011】次に、エンボス加工方法について説明す
る。図5に示すように、以上の製造方法で作成された
エンボス版Eを用いてエンボス化粧材の基材1にエンボ
ス加工を行う。この基材1は、前記のようにシート状、
板状いずれでもよく、また、単層体であっても積層体で
あってもよいが、代表的な構成としては、裏面にあらか
じめグラビア印刷等で木目柄が印刷されてインキ層が形
成された着色基材シート12の表面に透明な表面基材シ
ート11がラミネートされたものが挙げられる。エンボ
ス加工方法をさらに類別すると、(1)単層シート(表
面基材シート11のみ)を加熱軟化させ、エンボス版E
を押圧するか、(2)表面基材シート11にエンボスを
行い、それを着色基材シート12に接着剤でドライラミ
ネートして2層積層体の基材シートとするか、あるい
は,(3)エンボス版押圧時の熱圧で表面基材シート1
1と着色基材シート12とを熱融着することにより、エ
ンボスとラミネートを同時に行うダブリングエンボスに
より2層積層体とするか、あるいは、(4)表面基材シ
ート11をTダイから熔融押し出しして冷却ロールを兼
ねるエンボス版シリンダー上に接触させてエンボスする
と共に、表面基材シート11の裏面に挿入した着色基材
シート12と熱融着させてダブリングエンボスをインラ
インで行って2層積層体とする方法がある。このダブリ
ングエンボスをインラインで行う(4)の場合に、本発
明が最も有効に活用される。また、別の方法として、特
開昭57−87318号公報、特開平7−32476号
公報等に開示の如く、エンボス版E表面に電離放射線硬
化性樹脂の未硬化液状物を塗工し、その更に着色基材シ
ート12を重ねた状態で電離放射線を照射して該液状物
を硬化せしめ表面基材シート11とすると共に、ベース
の着色基材シート12と接着せしめた後、エンボス版か
ら離型し、基材1に版の凹凸を賦型する方法を用いても
よい。あるいは、また、別の方法として、チタン紙等の
紙に木目印刷柄を形成し、メラミン樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化物を含浸せしめ、
次いで含浸紙をコアー紙、木材合板等の基材上に載置
し、熱プレス成形を行う際に、該含浸紙表面にエンボス
版を挿入することによって、熱硬化性樹脂が含浸硬化さ
れた化粧板表面に熱プレスと同時に凹凸を賦型する方法
を用いてもよい。本発明によるエンボス化粧材10は、
図示はされていないが最後の仕上げ工程でさらに最終用
途に応じて裏打ち材、例えばドアーに加工する場合には
ハニカムボード等が貼り合わされて所謂ドアー用化粧材
として使用されることもある。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、木目導管断面パターン
がエンボスされた化粧シートにおいて、基材表面の互い
に隣接する溝状凹陥部の間の部分が、溝状凹陥部同志を
結ぶ方向においては凸状であり、且つ、前記溝状凹陥部
に沿った方向においては、平坦である凸曲面を形成させ
ることによって、これら凹陥部が実際の深度より深く見
える視覚効果を奏するので、薄手の基材シート1の使用
が可能となり、材料コストの軽減は無論のこと、基材シ
ート1の押し出し成形とエンボスをインラインで同時に
行うダブリングエンボスの場合の生産効率の向上を図る
ことができる。また、上記に凸曲面を賦型させるエンボ
ス版の製造は、エンボス版の腐蝕工程において、シャワ
ー腐蝕方式とタッチロール腐蝕方式を組み合わせるだけ
で、特別な工程あるいは設備を必要としないので効率
的、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエンボス化粧材の斜視図
【図2】本発明によるエンボス化粧材の断面図
【図3】本発明によるエンボス化粧材の製造に使用され
るエンボス版の腐蝕方法の説明図
【図4】本発明によるエンボス化粧材の製造に使用され
るエンボス版の腐蝕原理の説明図
【図5】本発明によるエンボス化粧材の製造方法の工程
説明図
【符号の説明】
1 基材 11 表面基材シート 12 着色基材シート 3 溝状凹陥部 3’ 凸条部 4 凸曲面 4’ 凹曲面 5 金属版材 6 レジスト膜 7 非レジスト部 8 末端部に隣接する基材表面 10 本発明によるエンボス化粧材 E エンボス版、エンボスシリンダー L 水準面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に木目導管断面形状の溝状凹陥
    部を複数有してなり、前記基材表面の互いに隣接する前
    記溝状凹陥部の間の部分が、前記溝状凹陥部同志を結ぶ
    方向においては凸状であり、且つ、前記溝状凹陥部に沿
    った方向においては、平坦である凸曲面を呈してなるこ
    とを特徴とするエンボス化粧材
  2. 【請求項2】 金属版材表面に木目導管断面の平面視形
    状と一致するレジストパターンを形成して、前記木目導
    管断面に相当する部分をレジスト膜で被覆した後に、非
    レジスト部を腐蝕液を吹きつけるシャワー腐蝕方式によ
    って腐蝕させ、次いで腐蝕液を含浸させたモルトン被覆
    ロールを接触させるタッチロール腐蝕方式によってさら
    に腐蝕を進行させ、前記レジスト膜を除去して、前記金
    属版材表面に前記木目導管断面に対応する複数の凸条部
    と、互いに隣接する前記凸条部の間の面が、隣接する該
    凸条部同志を結ぶ方向においては凹状であり、且つ、前
    記凸条部に沿った方向には平坦である凹曲面とからなる
    エンボス版を形成し、該エンボス版を用いて基材にエン
    ボス加工を施すことを特徴とするエンボス化粧材の製造
    方法。
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