JP2000084902A - エンボス化粧材及びその製造方法 - Google Patents

エンボス化粧材及びその製造方法

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JP2000084902A
JP2000084902A JP26132798A JP26132798A JP2000084902A JP 2000084902 A JP2000084902 A JP 2000084902A JP 26132798 A JP26132798 A JP 26132798A JP 26132798 A JP26132798 A JP 26132798A JP 2000084902 A JP2000084902 A JP 2000084902A
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wood
conduit
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shape
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Yoshiaki Kakinuma
良明 柿沼
Masaru Okamoto
優 岡本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一回のフォトエッチング工程で天然の木目導
管溝に近似する木目導管溝状の凹陥部を有するエンボス
化粧材及びその製造法を提供する。 【解決手段】 基材表面に、平面視が、長楕円形若しく
は変形長楕円形の溝状の包絡面Hを示し、幅方向の断面
が碗状で、前記包絡面Hに微細な球面状の凹部Bが互い
に隣接して形成された木目導管溝状の複数の凹陥部Dを
形成する。その製造方法は、2値化画像若しくは階調画
像として木目導管断面画像を記録する画像データ作成工
程、この画像データをグラビア印刷網点によって出力し
て金属板上に形成したレジストパターンを腐食、蝕刻す
るフォトエッチング工程、賦型フィルム製造工程、エン
ボス工程、裏打ち材を貼り合わせる工程から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然木材板の木目
導管溝に近似した木目導管溝状の凹陥部を有する意匠性
の高いエンボス化粧材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然木材板が有する木目導管溝をできる
限り忠実に再現して、質感、高級感、意匠性を高めたエ
ンボス化粧材は、建築物内装材、家具、家電製品のキャ
ビネット表面材等に多用されている。図1は、天然木材
板に現れる木目導管溝と、従来の方法で再現した木目導
管溝の比較説明図である。一般に、天然木材板面に現れ
る木目導管溝DNの殆どは、図1(a)に示すように、
その形状が円柱状乃至は楕円柱状で近似される木目導管
DOが、斜めにカットされて現れるため、平面図は、長
楕円形(実際には変形している)となり、短径方向(幅
方向)の断面は円弧状となる。その形状は横断する場所
によって異なり、a−a断面では,断面図のaで示すよ
うに一部が欠けた新月状、b−b断面では、bで示す半
月状、c−c断面では、cで示す浅い半月状になってい
る。また、長径方向のd−d断面では、木目導管DOが
歪曲していない限りdで示すように長手方向に連続的に
深度変化が見られる。これに対して、これまでエンボス
化粧材の木目導管溝状の凹陥部D’は、2値画像(例え
ば、導管溝内が黒、導管溝外が白)として抽出される木
目導管断面パターンに基づくフォトエッチング(光蝕刻
法)によってエンボス版が作成されるので、その断面構
造は、図1(b)に示すように深度は導管溝内の殆どが
同じとなる極めて単調、平板な凹陥部が形成されてい
る。特許国際公開WO95/21060号公報では、以
上のような天然木材板の木目導管溝DOの再現にあたっ
て、図1(a)にかなり近づけた凹陥部の形成方法が提
案されている。その形成方法は、木目導管断面パターン
に近似する楕円形モデルから立体的な仮想木目導管溝の
数値モデルをコンピュータによる演算によって求め、所
定の多段階の深度ごとに等深線を求め、各等深線を輪郭
線とするマスクをそれぞれ作成し、エンボスシリンダー
面に対して各マスクを浅い深度のもの(エンボス化粧材
においては深度の深いものに対応)から順次用いてフォ
トエッチングを繰り返し行い、多段差のある凸状部を形
成したエンボス版を作成し、それによって基材表面にエ
ンボスを行って多段階の深度差のある凹陥部を形成する
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、2値画像と
して抽出される木目導管断面パターンに基づいて何らの
深度情報を入力することなく製造された従来のエンボス
化粧材は、前述のように天然の木目導管溝を再現したも
のとしては単調すぎて、意匠的にも、質感的にも貧弱な
化粧材にならざるを得ないという問題がある。また、W
O95/21060号公報等に提案されているような複
数枚のマスクパターン画像を順次用いて多回数のフォト
エッチングを繰り返すことによって、深度が多段階に変
化する凹陥部を形成する方法は、複数枚のマスクパター
ン画像を用意しなければならず、またそれらのマスクパ
ターン画像をレジスト感光膜に精度よく見当を合わせて
焼き付けて、現像、腐食、レジスト剥離からなるフォト
エッチング工程を多数回繰り返し行わなければならず、
高精度な作業が要求され、また工程が長くなることか
ら、製造コストがかかり、納期も長引くという問題があ
る。本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたもので、
工程を徒に延ばすことなく、容易に、短時間に、天然の
木目導管溝が有する幅方向の断面形状を近似的に再現さ
せた木目導管溝状の凹陥部を有するエンボス化粧材とそ
の製造方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明によるエンボス化粧材は、基材表面に
木目導管溝状の複数の凹陥部が特定の方向に配向して形
成され、該凹陥部は、平面視において、長楕円形若しく
は変形長楕円形の溝状の包絡面を有し、該楕円形の短径
方向の断面において、その包絡面は、中心部の深度が最
大になるような曲線を有し、且つ、前記包絡面上には、
更に微細な球面状の凹部が互いに隣接して形成されてな
ることを構成とするものである。また、本発明によるエ
ンボス化粧材の製造方法は、再現しようとする天然木材
板の木目導管断面画像のみを2値化画像若しくは連続階
調画像として抽出した画像データの作成工程と、前記木
目導管断面画像を構成する個々の導管断面画像の少なく
とも中心部が、周縁部よりもシャドウ部寄りの所定の面
積比率を有する面積階調のグラビア印刷網点で形成され
るように前記画像データをグラビア印刷網点で出力して
金属版上のレジスト感光層に焼き付け、現像して網点内
が非レジスト部となるようにレジストパターンを形成
し、該レジストパターンの非レジスト部を腐食し、蝕刻
することによって木目導管溝状の凹陥部が形成された凹
状木目導管版を作成する工程と、前記凹状木目導管版が
有する凹陥部の形状を凸状に変換してなる賦型フィルム
を作成する工程と、前記賦型フィルムを用いて表面の樹
脂層にエンボスを施して前記凹陥部を再現させる工程
と、から構成されたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によって製造されるエンボ
ス化粧材とは、基材表面にエンボス加工(熱プレスによ
る型押し)等により凹凸模様が表面に施されたシート或
いは板である。凹凸模様としては、後述する木目導管溝
状の凹陥部の集合体からなる。基材の材料としては、通
常、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化
ビニル、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱
可塑性ウレタン樹脂、ABS,ポリスチレン等の熱可塑
性樹脂、メラミン樹脂、不飽和(熱硬化性)ポリエステ
ル樹脂、2液硬化(熱硬化)型ウレタン樹脂等の熱硬化
性樹脂、ラジカル重合型不飽和アクリレート(またはメ
タクリレート)、又はカチオン重合型エポキシ樹脂を電
離放射線(紫外線、電子線等)で架橋させてなる電離放
射線硬化性樹脂等が用いられる。また基材は単層でもよ
いし或いは2層以上の積層体でもよい。更に、必要に応
じて、基材の表面または裏面(基材が透明な場合)に木
目模様等の模様をグラビア印刷法等公知の印刷法により
形成してもよい。また、用途としては、壁、床、天井等
の建築物の内装材、扉、窓枠、扉枠、手摺等の建具の表
面材、テレビジョン受像機等の家電製品の筐体の表面
材、箪笥等の家具の表面材、箱等の容器の表面材、車両
等の内装材、船舶内装材等であって、必要に応じて更に
任意の素材が裏打ちして使用される。
【0006】図2は、天然木材柄から導管部のみを抽出
した木目導管断面画像の一例である。木目導管断面画像
Gは、図2で示すように、天然の木材板の木目柄(木目
模様)から木目導管溝のみを2値画像として、あるい
は、図示は省くが、周辺部が明るく中心部に向かうほど
次第に暗くなる連続階調画像として抽出,記録したもの
である。この画像全体は、一見不規則に見えるが、略同
一方向(図2では上下方向)に延びる長楕円形状あるい
は変形長楕円形状の個々の導管溝の画像が略一定方向に
配向してなるものであるので、以下の説明においては木
目導管断面画像を長楕円形をもってモデル化して示すこ
とにする。
【0007】図3は、本発明によるエンボス化粧材の凹
陥部の説明図である。図3(a)は、本発明によるエン
ボス化粧材50の太めに成形された凹陥部Dの一部断面
斜視図であり、図3(b)は、その幅方向の断面図であ
る。この凹陥部Dは、化粧材の最表面に形成されるもの
であって、平面視においては、これまでのエンボス化粧
材と同様な長楕円形若しくは変形長楕円形であるが、底
部は、図3(a)に示すような溝状の包絡面Hを有し、
この包絡面Hには微細な球面状の凹部Bが互いに隣接し
て形成されている。なお、この包絡面Hは、凹陥部Dの
凹部Bに接する仮想的曲面であり、凹陥部Dの全体的、
平均的形状を定義するものである。幅方向(すなわち、
長楕円若しくは変形長楕円で近似した導管溝の短径方
向)の断面形状は、図3(b)で示すように、中心部で
深度が最大になる曲線を示している。このような凹陥部
Dの底部の形状は、後述するレジストパターンを腐食、
蝕刻することによってもたらされるものであって、従来
のエンボス化粧材に見られる底部が平板な、あるいは段
差のある形状とは異なり、天然の木材板の凹陥部DNに
より近似し、また微細な球面状の凹部Bは,入射光を拡
散するので、凹陥部D内部の光沢を抑える効果があっ
て、凹陥部Dの深度が浅くても見掛け上は深度があるよ
うに見せることができる。
【0008】本発明によるエンボス化粧材の製造方法
は、次の工程からなるものである。 (1) 再現しようとする天然木材板の木目導管断面画
像のみを2値化画像若しくは連続階調画像として抽出し
た画像データの作成工程 (2) 前記木目導管断面画像を構成する個々の導管断
面画像の少なくとも中心部が、周縁部よりもシャドウ部
寄り(より高濃度)の所定の面積比率を有するグラビア
印刷網点で形成されるように前記画像データを面積階調
のグラビア印刷網点で出力して金属版上のレジスト感光
層に焼き付け、現像してレジストパターンを形成し、該
レジストパターンの非レジスト部を腐食し、蝕刻するこ
とによって木目導管溝状の凹陥部が形成された凹状木目
導管版を作成する工程 (3) 前記凹状木目導管版が有する凹陥部の形状を凸
状に変換してなる賦型フィルムを作成する工程と、 (4) 前記賦型フィルムを用いて表面の樹脂層にエン
ボスを施して前記凹陥部を再現させたエンボス化粧シー
トを作成する工程
【0009】以下、順を追って各工程を具体的に説明す
る。なお、以下の工程は、あくまでも本発明の一実施例
であり、これのみに本発明が限定されるものではない。
(1)の画像データの作成工程は、銀塩写真法等により
再現しようとする天然木材板原稿を一旦銀塩感光性フィ
ルムに撮影し、次いでCEPS(COLOR ELECTRONIC PRE
PRESS SYSTEM)の製版スキャナによってスキャニングし
て光電変換し、デジタル信号化して読み取り、ハードデ
ィスクに記憶させる。あるいは、デジタルカメラを用い
て撮影し、CCD(荷電結合素子)撮像素子に分け、光
電変換し、デジタル信号化して得たデジタル画像データ
を直接CEPSに入力してもよい。次に、この画像デー
タから図2に示すような木目導管断面画像Gのみを2値
化画像若しくは連続階調画像としてディスプレー画面に
抽出し、エンボス版シリンダーの円周長に合わせたエン
ドレス修正等を行った上で、木目導管断面画像の画像フ
ァイルを作成する。
【0010】(2)の凹状木目導管版の作成工程では、
先ず、画像ファイルから木目導管断面画像Gを予めレジ
スト感光液を塗布した金属版面にレーザー光によって出
力して木目導管断面画像Gを焼き付け、現像してレジス
トパターンRを形成する。図4は、レジストパターンR
の説明図である。図4(a)は、2値化画像として記録
された木目導管断面画像Gをグラビア印刷網点で出力し
た場合のレジストパターンR1であり、レジストパター
ンR1の輪郭には欠け網点Kが形成されているが、それ
以外は総て所定の面積比率になるように制御されたシャ
ドウ部よりの網点で構成されている。図4(b)は、周
縁部から中心に向かって高濃度となるような階調画像と
して記録された木目導管断面画像Gを同じくグラビア印
刷網点で出力した場合のレジストパターンR2である。
輪郭に近い部分には、中央部のシャドウ部の網点Nより
も小さな小網点Sと欠け網点Kが配列している。天然の
木目導管溝は、画像の入力(撮影)時の条件にもよる
が、一般に木目柄の中でシャドウ部に入り、その中でも
階調を保有し、導管溝の周辺部分は中央部よりも明るく
なっている。その階調を記録する場合のトーンカーブの
選択によって木目導管断面画像Gを2値化することも、
あるいは輪郭周辺部のみに階調を残した階調画像化する
ことも可能である。上記のように、グラビア印刷網点で
木目導管断面画像Gを出力する場合、一般に、幅が50
〜1000μmの範囲にある木目導管溝に対し、200
〜300線/インチ程度のスクリーン線数を使用するこ
とができ、スクリーン角度は、図4に示すように、個々
の木目導管断面画像の長手方向と略45°の角度にある
ことが好ましい。上記の(1)、(2)の工程のデジタ
ル画像データをレーザー光による凹状木目導管版の版面
に出力する方法に代わって、従来から行われている網グ
ラビア印刷製版法で使用されるグラビア網点画像フィル
ムを作成し、これを版面に焼き付ける方法を採用しても
よい。
【0011】図5は、フォトエッチングの工程説明図で
ある。前述の画像ファイルから木目導管断面画像データ
をレーザー光ビーム走査による直接露光装置によって、
あらかじめポジ型レジスト感光膜を形成した凹状木目導
管版の基材1(通常は銅面を有するシリンダー)の銅メ
ッキ層上に出力して、表面を走査するレーザー光ビーム
を木目導管断面画像データで変調しつつ露光し、焼き付
け、現像し、網点内の露光部を洗浄除去するとレーザー
光による出力をしてない部分(非露光部分)がに示す
ようにレジスト層2として残る。は、前述のレジスト
パターンR1が版面に形成された状態の断面図で、図4
(a)のx−x’断面に相当する。ずなわち、中央部に
はシャドウ部の網点Nに相当する非レジスト部3が形成
され、両サイドには欠け網点Kに相当する面積の小さな
非レジスト部3が形成されている。この版面の非レジス
ト部3を塩化第二鉄水溶液等を用いて腐食すると、グラ
ビア印刷網点状に形成された非レジスト部3はサイドエ
ッチングを伴って蝕刻されるが、その蝕刻の度合いは網
点の面積と位置によって異なる。すなわち、欠け網点K
の部分は、シャドウ部の網点Nに較べて蝕刻深度が小さ
く、また正規な網点N同志でも中央に位置するものの蝕
刻が大きいため、に示す形状に蝕刻される。このの
状態は、グラビア印刷版の状態であって凹状のセル4
は、土手部5によって囲まれている。さらに、腐食をす
すめると、土手部5は両サイドからのサイドエッチング
によって消失しての状態となり、さらに腐食を所定の
深度まで進めると、突起状として残っている土手部5も
さらに蝕刻されてアール(曲率)がつき、に示すよう
な形状となる。最後に残っているレジスト層2を剥離す
ると、に示すような凹状木目導管版10が得られる。
その底部には微小な球面状の凹部Bが互いに隣接するよ
うに全面にわたって形成される。この、に示す断面形
状を従来のエンボス版に見られる点線で示す断面形状と
は明らかに異なり、天然の木目導管溝に近似している。
図5においては、より単純化するため2値化画像による
レジストパターンR1を使用しているが、図4(b)に
示す連続階調画像によるレジストパターンR2を使用す
れば、その階調次第で凹陥部Dの断面形状は輪郭に近い
部分の傾斜を変えることが出来る。しかし、全体的に
は、に示すような形状となる。なお、凹陥部Dの深度
(凹状木目導管版10の表面からの最深部で評価)は、
通常50〜200μm程度とする。
【0012】図6は、賦型フィルムの製造とそれを介す
るエンボス加工等の説明図である。(3)の賦型フィル
ムを作成する工程は次の方法による。先ず、賦型フィル
ム20を製造するには、図6、に示すように、基材シ
ート21の上にプラスチックシート22を積層した積層
材を用意し、その軟化温度以上に加熱したプラスチック
シート22面に対して、凹状木目導管版10の加工面を
加圧し、冷却すればよい。賦型性の良好なプラスチック
シート22としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、アクリル等の熱可塑性樹脂一般
や、電離放射線硬化性樹脂等が用いられ、その厚さは、
賦型の深さによって適宜設定される。また、プラスチッ
クシートの表面には、離型性を有する例えば、シリコ
ン、フッ素系樹脂、ワックス等を添加した塗料を塗工し
てもよい。基材シート21としては、ナイロン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロー
ズ、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ4フッ化
エチレン、ポリビニルアルコール、セロハン、無可塑ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフ
ィルム、またはグラシン紙、パーチメント紙、トレーシ
ングペーパー、謄写版厚紙、硫酸紙、コート紙、アート
紙等の地合が均一で、表面性の高い、厚さ12〜250
μm、好ましくは25〜100μmのものを用いること
ができる。また基材シート21は、賦型フィルム20を
熱硬化型樹脂化粧板の製造に使用する場合、プラスチッ
クシート22の変形等を防止するためにプラスチックシ
ート22よりも熱変形温度の高い材質を選び、湿式不飽
和ポリエステル化粧板の製造に使用する場合、プラスチ
ックシートよりも酸素透過度の低い材質を用いることが
好ましい。プラスチックシート22と基材シート21を
積層する方法としては、ドライラミネーション、ウエッ
トラミネーション、ポリオレフィン系樹脂のエクストル
ージョンコート、熱圧エンボスと同時に熱圧で融着させ
る所謂ダブリングエンボス等を用いることができる。ま
た、賦型フィルム20の構成は用途に応じて変えること
ができ、プラスチックシート22または基材シート21
で使用したような材質からなる一枚のシートから構成し
てもよい。
【0013】(4)のエンボス化粧シートの製造工程は
次の如くである。図6、で示すように、木目模様が印
刷され印刷インキ層33を有する化粧紙32上に湿式不
飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や電離放射線硬
化性樹脂等の樹脂層31を設け、賦型フィルム20をこ
れに接触させて硬化させた後に、賦型フィルム20を剥
離することで、表面に木目導管溝状の凹陥部Dを形成し
た化粧シート30を製造することができる。樹脂層31
の厚みは、木目導管溝の種類によって50〜300μm
の範囲で適宜決めればよい。また、木目柄の印刷はグラ
ビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が使
用され、印刷インキには、アクリル樹脂等の熱可塑性樹
脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、多官能アクリレー
ト系等の電離放射線硬化性樹脂等のビヒクルに着色剤等
を添加したものを用いることができる。
【0014】最後に、用途に応じて選択された、裏打材
40を化粧シート30の裏面に接着剤で貼り合わせる。
裏打材40としては、単板、合板、パーチクルボード、
木質繊維板等の木質板、薄葉紙、晒クラフト紙、板紙等
の紙、石膏ボード、セメント板、硅酸カルシウム板等の
無機質窯業系板、鉄、アルミニウム等の金属板、ポリ塩
化ビニル、ポリオレフィン等の樹脂板、ハニカムボード
等である。
【0015】以上の工程を経て製造される本発明による
エンボス化粧材50の表面には、木目導管溝状の凹陥部
Dが形成されている。その、幅方向の断面形状は、図
6、で示すように、中央部で深度が最も深くなる碗状
を示し、凹陥部Dの形状は、内部に中央が深くなる包絡
面Hを有し、該包絡面に微小な球面状の凹部Bが多数存
在し、従来の凹陥部D’に比較して天然木材板の木目導
管溝により近似し、また、従来の段階的に深度変化を設
けたエンボス化粧材の凹陥部(図示せず)に較べても不
自然さがなくなっている。また、凹陥部Dの底部には、
図3に示すように、球面状の微小な凹部Bが互いに隣接
して形成されるので、粗面効果を示し、周辺よりも暗い
感じに仕上がり、凹陥部Dを実際の深さよりもより深く
見せる効果がある。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、木目導管溝状の凹陥部
全体が包絡面Hを有し、幅方向の断面形状が中心部で最
も深い曲線状を呈し、包絡面H全面に微小な球面状の凹
部Bを互いに隣接して形成することによって、天然の木
目導管溝に近づいて、自然な感じの意匠性があり、しか
も光沢を押さえた凹陥部を有することによって、エンボ
ス深度が実際よりも深く見えるエンボス化粧材50を得
ることができる。また、このエンボス化粧材50の製造
方法は、2値化された、或いは連続階調を残した木目導
管断面画像データに基づき、一回のフォトエッチングで
加工できるので、従来の多段階のフォトエッチングを必
要とする製造方法に較べ工程は短縮でき、製造コストの
低減、納期の短縮を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然木材板に現れる木目導管溝と、従来の方法
で再現した木目導管溝の比較説明図
【図2】天然木材柄から導管部のみを抽出した木目導管
断面画像の一例
【図3】本発明によるエンボス化粧材の凹陥部の説明図
【図4】レジストパターンの説明図
【図5】フォトエッチングの工程説明図
【図6】賦型フィルムの製造とそれを介するエンボス加
工等の説明図
【符号の説明】
1 凹状木目導管版の基材 2 レジスト層(レジスト部) 3 非レジスト部 4 セル 5 土手 10 凹状木目導管版 20 賦型フィルム 21 基材シート 22 プラスチックシート 30 エンボス化粧シート 31 樹脂層 32 化粧紙 33 印刷インキ層 40 裏打ち材 50 本発明によるエンボス化粧材 B 微細な球面状凹部 G 木目導管断面画像 H 包絡面 K 欠け網点 N シャドウ部の網点 R1,R2 レジストパターン S 小網点
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/08 E04F 13/08 E G03F 1/02 G03F 1/02 5/20 5/20 Fターム(参考) 2B002 AA06 AA07 AA08 AA10 AB03 BA14 BA17 BB12 DA01 DA02 DA03 DA04 2E110 AA57 AA70 AB03 AB04 AB05 AB22 AB23 BA02 BA22 BB02 BB23 EA09 GA03W GA05W GA32W GA33W GB43W GB44W GB46W GB49W GB52W GB54W 2H095 AA10 AB30 2H113 AA04 AA06 BA03 BB07 BB32 CA07 DA26 DA49 DA52 DA59 DA63 4F209 AA41 AD06 AD09 AG03 AH48 AJ03 AJ09 PA02 PA18 PB01 PC03 PC05 PQ11 PQ20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に木目導管溝状の複数の凹陥部
    が特定の方向に配向して形成され、該凹陥部は、平面視
    において、長楕円形若しくは変形長楕円形の溝状の包絡
    面を有し、該楕円形の短径方向の断面において、その包
    絡面は、中心部の深度が最大になるような曲線を有し、
    且つ、前記包絡面上には、更に微細な球面状の凹部が互
    いに隣接して形成されてなることを特徴とするエンボス
    化粧材。
  2. 【請求項2】 再現しようとする天然木材板の木目導管
    断面画像のみを2値化画像若しくは連続階調画像として
    抽出した画像データの作成工程と、 前記木目導管断面画像を構成する個々の導管断面画像の
    少なくとも中心部が、周縁部よりもシャドウ部寄りの所
    定の面積比率を有する面積階調のグラビア印刷網点で形
    成されるように前記画像データをグラビア印刷網点で出
    力して金属版上のレジスト感光層に焼き付け、現像して
    網点内が非レジスト部となるようにレジストパターンを
    形成し、該レジストパターンの非レジスト部を腐食し、
    蝕刻することによって木目導管溝状の凹陥部が形成され
    た凹状木目導管版を作成する工程と、 前記凹状木目導管版が有する凹陥部の形状を凸状に変換
    してなる賦型フィルムを作成する工程と、 前記賦型フィルムを用いて表面の樹脂層にエンボスを施
    して前記凹陥部を再現させる工程と、 からなることを特徴とする請求項1記載のエンボス化粧
    材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015191016A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 大日本印刷株式会社 マスクデータ作成装置、マスクデータ作成方法、プログラム、記録媒体
CN109425610A (zh) * 2017-08-24 2019-03-05 南京理工大学 一种脆性材料极限切深自动辨识方法

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