JP2000008538A - エンボス化粧材 - Google Patents

エンボス化粧材

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JP2000008538A
JP2000008538A JP10177675A JP17767598A JP2000008538A JP 2000008538 A JP2000008538 A JP 2000008538A JP 10177675 A JP10177675 A JP 10177675A JP 17767598 A JP17767598 A JP 17767598A JP 2000008538 A JP2000008538 A JP 2000008538A
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depth
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embossed decorative
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Yoshiaki Kakinuma
良明 柿沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄手のエンボス基材シートに実際の深度以上
に深度を感じさせる複数の木目導管溝状の凹陥部を形成
してなる意匠性に優れたエンボス化粧材を提供する。 【解決手段】 基材表面に複数の凹陥部Fを有するエン
ボス化粧材において、個々の前記凹陥部Fの底面に、特
定の方向に深度が順次変化する段面F1,F2−−Fn
が形成され、且つ、前記段面F1,F2−−Fnごとに
固有の微細な凹凸形状A,AA,AAA−−が形成され
て、深度が大きい段面ほど光沢を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木目導管溝等の深
度をリアルに再現したエンボス化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】エンボス絵柄パターンに従ってエンボス
加工等を施すことによって部分的に凹陥部を形成し、質
感、高級感、意匠性を高めたエンボス化粧材は、建築物
内装材、家具、家電製品のキャビネット表面材等に多用
されている。エンボス絵柄パターンは、木質系、石材
系、抽象柄等に亘るが、代表的なものは、天然木材の有
する木目導管断面パターンである。木目導管断面パター
ンに基づくエンボス化粧材は、木目導管溝に相当する部
分がエンボスされて木目導管溝に近似した凹陥部が形成
されて天然木材板の木目導管溝の再現を試みたものであ
るが、この凹陥部に更に木目導管溝に近似する外観を付
与するために特公昭58−14312号公報等に開示の
発明では、比較的平坦な底面を有する凹陥部にワイピン
グによって黒色、褐色等の高濃度のあるインキが充填さ
れる。また、木目導管溝をさらにリアルに再現しようと
して、木目導管溝内の深度が全面ほぼ均一な木目導管断
面パターンだけでなく、木目導管溝内の深度の変化まで
再現を試みたエンボス化粧材の提案がなされている。例
えば、特開平4−308799号公報には、個々の木目
導管断面パターンとそれを段階的に細らせた画像から作
成してなる複数枚のパターニング用マスクを用いてエン
ボス版基材面に複数回のフォトエッチングを行ってエン
ボス版を作成し、このエンボス版を用いてトップ基材シ
ートにエンボス加工を行うことによって、中心部ほど深
度のある凹陥部を賦型したエンボス化粧材とその製造方
法が開示されている。国際公開WO95/21060号
公報には、近似楕円モデルに置き換えた平面的な木目導
管断面パターンの情報だけから、最深部が木目導管溝の
一方の端部に偏心した立体的な仮想導管溝を演算によっ
て求め、所定の深度ごとの等深線を輪郭線とするパター
ニングマスクの作成を行い、各マスクを浅い深度のもの
から順次用いてエンボス版基材面を多段階的に腐食して
形成するエンボス版とそれによるエンボス化粧材が開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、エンボスさ
れた凹陥部にインキを充填するワイピングによれば木目
導管断面の深さ、荒びた感じを再現することができ、ま
た使用するワイピングインキに低光沢のものを用いるこ
とによって凹陥部の光沢を非凹陥部よりも低くすること
はできるが、各凹陥部は全て略同一の光沢を有してい
て、光沢という点では単調な意匠表現にならざるをえな
いという問題がある。また、ワイピングはインキコスト
がかかり、また工程数が増えるので手間がかかり、製造
コストの増加、納期の遅延に繋がるという問題もある。
また、木目導管溝の深度を多段階的な腐食によってリア
ルに再現しようとすると、木目柄によっては、凹陥部の
深度は150〜180μmとなり、200μmを越える
厚みのトップ基材シート(一般に透明な賦型用のシー
ト)を使用しなければならず、材料コスト的にも問題が
あるばかりか、トップ基材シートの押し出し成形とエン
ボス加工を同時に行う製造方法では生産効率が落ちると
いう問題がある。本発明は、前述の問題点に鑑みてなさ
れたもので、限られた厚みの範囲におさまるエンボス化
粧シート(通常、トップ基材シートとベース基材シート
からなる)を用いて、比較的浅い深度のエンボスであっ
て、しかもワイピングなしで、充分に深度を再現するこ
とができ、しかも高度な意匠表現を可能とするエンボス
化粧材の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明による化粧シートは、基材表面に複数
の凹陥部を有するエンボス化粧材において、個々の前記
凹陥部の底面に特定の方向に深度が順次変化する多段面
が形成され、前記段面ごとに固有の微小な凹凸形状が形
成されて、深度が大きい段面ほど光沢が少なくなってい
ることを構成とする。
【0005】
【発明の実施の形態】エンボス化粧材とは、基材表面に
エンボス加工等により凹凸模様が表面に施されたシート
或いは板である。基材の材料としては、通常、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラスト
マー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、アク
リル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタ
ン樹脂、ABS,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和(熱硬化性)ポリエステル樹脂、2液
硬化(熱硬化)型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、ラジ
カル重合型不飽和アクリレート、カチオン重合型エポキ
シ樹脂を電離放射線(紫外線、電子線等)で架橋させて
なる電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。また、用途
としては、壁、床、天井等の建築物の内装材、扉、窓
枠、扉枠、手摺等の建具の表面材、テレビジョン受像機
等の家電製品の筐体の表面材、箪笥等の家具の表面材、
箱等の容器の表面材、車両等の内装材、船舶内装材等で
あって、必要に応じて更に任意の素材が裏打ちして使用
される。本発明が対象とするエンボス絵柄には、木目導
管断面パターンを有する天然木材板を再現した木目柄、
トラバーチン大理石板の表面凹凸、不定型な独立凹陥部
からなる各種パターン等が含まれるが、中でも木目導管
断面パターンが重要なモチーフとなっている木目柄に対
して、本発明は効果的に適用できるので、以下木目導管
断面パターン(以下導管パターンという)のある木目柄
の場合について説明する。
【0006】図1は、天然木材柄から抽出された導管パ
ターンの一例である。図1で示すように、個々の導管パ
ターンPは、一見不規則に見えるが、略同一方向に延び
る長楕円形を変形したものであるので、以下の説明図で
は、導管パターンPを長楕円形のパターンモデルをもっ
て示すことにする。また、天然木材の木目導管溝内の深
さは、どの木目導管溝においても長手方向(導管パター
ンの走行方向。図1でいうと上下方向)に従って連続的
に変化している。
【0007】図2は、本発明によるエンボス化粧材の凹
陥部の平面図である。また、図2は、図1の左下の一部
の領域Rに相当する部分であって、数個の導管パターン
Pに相当する数個の凹陥部Fが描かれている。図2に示
すように、個々の凹陥部Fの底には、凹陥部Fの長手方
向に従って深度が順次変化する段面F1,F2,F3が
形成されている。すなわち、図2においては、段面F1
が最も深く,段面F3が最も浅く、段面F2はその中間
となっている。凹陥部Fにおける段面の数,nは、2以
上であればよく,多くなるほど天然の木目導管溝に近づ
くが、製造工程が、長く、複雑化するので、2〜4段程
度が好ましい。
【0008】図3は、本発明によるエンボス化粧材の凹
陥部の斜視図である。上述の凹陥部F内において深度が
凹陥部Fの長手方向に順次変化する様子は図3によって
さらに明らかである。本発明によるエンボス化粧材の凹
陥部Fの最大の特徴は、各段面F1、F2−−Fnがそ
れぞれ互いに異なる固有の光沢を有していて、深度が大
きい段面ほど光沢(艶)が少なくなっていることであ
る。この各段面における光沢は、各段面に形成される微
細な凹凸形状によって制御されている。一般に、光沢
は、段面における粗面化が進むほど少なくなる。そこ
で、本発明によるエンボス化粧材の凹陥部Fにおいて
は、もっとも浅い段面F3には、次の欄で説明する基本
凹凸形状パターン(以下、略して「基本パターン」とも
呼称する。)Kを用いたフォトエッチングにより形成さ
れた微細凹凸形状Aが、中間の段面F2には、同じ基本
パターンを用いた2回にわたるフォトエッチングにより
形成された粗面化の進んだ微細凹凸形状AAが、最も深
い段面F1には、同じ基本パターンを用いた3回にわた
るフォトエッチングによって最も粗面化の進んだ凹凸形
状AAAがそれぞれ形成されている。このフォトエッチ
ングの工程については詳しく後述する。
【0009】図4は、本発明によるエンボス化粧材に使
用される基本凹凸形状パターンの説明図である。基本凹
凸形状パターンKは、凹陥部底面に形成すべき凹凸形状
の平面視形状であって、凹陥部Fの底面を粗面化し、固
有の光沢(艶)にするために用意されるものであって、
極めて広範囲のパターンが利用できる。例えば、凹凸が
規則的に配列するものとしては、図4(a)に示すよう
な、グラビア印刷のセル配列パターン(通常はこの図の
如き4角形のセルであるが、その他にも6角形等他の形
状のセルでもよい。)、あるいは図4(b)に示すよう
なオフセット印刷の網点配列パターンであってもよく、
図4(c)に示すような特開平8−146594公報記
載のFM(Frequency Moduration) スクリーンによって
形成される所定の大きさの網点がランダムに分布する網
点パターン、図4(d)に示すような砂目スクリーンに
よるパターン、また、図4(e)に示すようなコンピュ
ータグラフィック的に作成された不定型なパターンであ
ってもよい。さらに、図示はされていないが、万線パタ
ーン、格子パターも好適に適用できる。これらの基本凹
凸形状パターンは、デジタル画像として一旦コンピュー
タに記憶され、2値化画像として天然木材板から抽出さ
れる導管パターンP内部にマッピング(貼り込み)され
た状態で使用される。
【0010】図5は、基本凹凸形状パターンによる凹陥
部段面の粗面化原理説明図である。図4に示すような基
本凹凸形状パターンKのいずれかを用いて、エンボス版
の金属面をフォトエッチングする。すなわち基本凹凸形
状パターンKをレジスト感光液を塗布した金属面に焼き
付け、現像して得られるレジストパターン面を腐食し
て、非レジスト面を蝕刻すると、基本凹凸形状パターン
どおりの凹凸形状が得られ、最初の金属面よりも粗面化
され,光沢が下がった金属面が得られる。この面に対し
て、基本凹凸形状パターンの位相(水平面内位置)をず
らして2回目のフォトエッチングを繰り返すと、さらに
粗面化が進み、さらに光沢の下がった金属面が得られ
る。このように、フォトエッチングの回数を増やすこと
によって、粗面化が進み、光沢がさらに少なくなった金
属面を形成することができる。図5(a)は、図4
(c)に示すFMスクリーン調の基本凹凸形状パターン
Kを用いて2回目のフォトエッチングが行われた金属面
の平面図であって、図5(b)は、そのx−x’断面図
である。実線の円形は1回目の基本凹凸形状パターンK
の焼き付け位置を示し、点線の円形は2回目の基本凹凸
形状パターンKの焼き付け位置を示している。また、実
際には、腐食の際に、サイドエッチング効果があるが、
図5では省略されている。このように、2回のフォトエ
ッチングを繰り返し行っただけでも、図5(b)に示す
ように、金属面には3種の水平レベルL0,L1,L2
を有する高低差のある領域E0,E1,E2が混在する
複雑な凹凸形状が得られる。この面に対して、更に前2
回と同様の基本凹凸形状パターンKを、前2回の場合に
対して位相をずらして、3回目のフォトエッチングを繰
り返せば、さらに粗面化が進んで、光沢の少ない微細な
凹凸形状面を作成することができる。尚、図示は略す
が、基本パターンKを用いて金属面をフォトエッチング
するに際して、毎回別個の基本パターンK(例えば、1
回目は、図4(a)のパターンを、2回目は、図4
(d)のパターンを用いる。)を用いてもよい。また、
エンボス版の材料は金属が、その他にも硝子、セラミッ
クス、樹脂等も使用し得る。このようにして光沢が段面
ごとに順次変化するエンボス版を作成することができ、
このエンボス版を用いて、トップ基材シートに凹凸形状
を賦型することによって、本発明によるエンボス化粧材
の各凹陥部Fの底面には、深度の大きな段面ほど光沢の
少ない多段面を形成することができる。また、光沢は、
基本凹凸形状パターンの形状、寸法によって制御するこ
とができ、基本凹凸形状パターンが、図4(a)、
(b)に示すような周期的なものであれば、網点の配列
周期、凹部と凸部との面積比率等のパラメーターを変え
ることにより異なる光沢が表現される。なお、周期的な
基本凹凸形状パターンKを繰り返し同一面に焼き付ける
場合には、スクリーン角度を適宜変えて行うことが好ま
しい。従って、本発明によるエンボス化粧材の場合に
は、凹陥部Fのエンボス深度が通常のエンボス化粧材よ
り浅くても、各段面の光沢差が視覚的にエンボス深度を
補完することによって、実際に設けられている深度以上
に深度があるように見える。本発明によるエンボス化粧
材の凹陥部の深度は、再現しようとする天然木材板の木
目柄によって異なるが、例えば、凹陥部の深度が、10
0〜120μmである場合、その底面に設けられる微小
な凹凸形状の振幅は、20〜30μmの範囲にあること
が好ましい。また、本発明における凹陥部の深度を視覚
的に増強せしめるという効果の点から、しんふく振幅
は、少なくとも5μm程度あることが好ましい。微細な
凹凸形状の凹部同志、及び凸部同志の間隔は振幅と同程
度とする。
【0011】また、本発明によるエンボス化粧材のトッ
プ基材シートには、通常ポリオレフィン系樹脂あるいは
ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂層が用いられることが
多いが、天然木材の質感を出すには、これら樹脂面が有
する光沢を所定のレベルに下げる必要があり、エンボス
版によって導管部の凹陥部が形成されると同時に非導管
部(非エンボス部)にも細かな凹凸形状が賦型される。
一般に、エンボス版の表面あらさRa (JIS B 0
601規定の中心線平均あらさ)が大きくなるとエンボ
ス化粧シート表面の光沢は少なくなる。サンドブラスト
法でエンボス版を粗面化して、光沢を下げる場合に、R
a で3μm以上の粒径の大きな投射材料を使用すること
が効果的であるが、表面の荒れが目立つようになり、繊
細な質感のある仕上がりを損なうという問題がある。従
って木目柄の場合、非導管部(非エンボス部)の粗面化
には自ずから限界がある。また、非導管部を上記のよう
に加工する代わりにマットな感じに仕上がるOPコート
(上塗塗装)を全面に施すようにしてもよい。一般に、
木目柄のエンボス化粧材では、いかなる粗面化手段を用
いたとしても、凹陥部の光沢が、非凹陥部の光沢よりも
小さく抑えられていなければならない。この両者の光沢
の差が大きくなるほど、凹陥部の深さを実際の深さ以上
に感じさせ、ワイピングによって艶消しインキが充填さ
れた状態と略同じ効果が得られる。本発明によるエンボ
ス化粧材の場合は、凹陥部の底面に形成される多段面に
視覚的に明らかに感じられる光沢差をさらに付加したも
のであって、比較的浅いエンボス深度であっても従来の
エンボス化粧材には見られない立体的で高度な意匠性を
もたらすことができ、また、ワイピング工程を省くこと
によって工程が短縮化し、製造コストの削減と納期の短
縮が可能となる。
【0012】図6は、本発明によるエンボス化粧材の製
造方法の説明図である。次に、図6によって、本発明に
よるエンボス化粧シートの製造方法の一例を説明する。
先ず、銀塩写真法等により天然木材板原稿を一旦銀塩感
光性フィルムに撮影し、次いで製版スキャナによってス
キャニングして光電変換し、デジタル信号化して読み取
り、CEPS(COLOR ELECTRONIC PREPRESS SYSTEM)の
ハードディスクに記憶させる。あるいは、デジタルカメ
ラを用いて撮影したデジタル画像データを直接CEPS
に入力してもよい。次に、この画像データから図1に示
すような導管パターンのみを2値化画像としてディスプ
レー画面に取り出し、パターンの長手方向の寸法をエン
ボス版シリンダーの円周に合わせ、且つ、パターンが1
円周の始まり部と終わり部(例えば図1の上端と下端)
とで連続するようにエンドレス修正を行い、導管パター
ンファイルを作成する。一方において、図4に示すよう
な基本凹凸形状パターンKのいずれかを選択し、同様に
デジタル画像として入力しておく。これ以降は全てこの
木目導管断面パターンPと基本凹凸形状パターンKの入
力データをベースとしたコンピュータによる演算処理に
よって,図6、に示す凹陥部段面パターンf1,f
2,f3を作成することができる。すなわち、国際公開
WO95/21060号公報に開示の如き方法を用い
て、変形した長楕円形である木目導管断面パターンPを
一旦近似長楕円に変換した上で,該近似長楕円がエンボ
ス化粧材表面の開口部となり、且つ深度が長手方向に変
化する仮想の木目導管溝を数値モデルとして特定し、こ
れに対して複数の所定の深度を指定し、それらに基づく
化粧板表面から測った等深線によって囲まれる領域を長
楕円パターンf1’,f2’,f3’(図示略)として
形成する。さらにこの画像を元の変形長楕円画像に逆変
換し、最後に基本凹凸形状パターンKを変形長楕円内部
にマッピングすると凹陥部段面パターンf1,f2,f
3を得ることができる。尚、基本パターンKの水平面内
の位相は、f1,f2,f3各々について重ならないよ
うにずらす。これらは、画像ファイルとして保存され、
フォトエッチングの焼き付けパターンとして使用され
る。
【0013】図6、〜は、多数回のフォトエッチン
グ工程の説明図である。先ず、前述の凹陥部多段面パタ
ーンf1,f2,f3の画像ファイルから、段面パター
ンf1画像データをレーザー光ビーム走査による直接露
光装置によって、あらかじめネガ型レジスト感光膜を形
成したエンボス版基材1の銅メッキ層上に出力して、表
面を走査する光ビームを焼付けパターン画像データで変
調しつつ露光し、焼き付け、現像し、非露光部の感光膜
を洗浄除去するとに示すようなレジスト層2−1を有
するエンボス版基材1面が得られる。このレジスト層2
−1は、凹陥部多断面パターンf1内の基本凹凸形状パ
ターンK以外の部分にレジストを有するものとなってい
る。この状態で、塩化第2鉄あるいは塩化第2銅を用い
て非レジスト面を矢印の方向に腐食して蝕刻を行い、レ
ジスト層2−1を剥離すると、に示すように、エンボ
ス版基材1面は非レジスト部がサイドエッチング(図で
は示していない)を伴いながら所定の深度まで蝕刻さ
れ、1段面のみの凸状部が形成され、段面パターンf1
内の基本凹凸形状パターンKに基づき形成されている非
レジスト部も同時に腐食、蝕刻されて、段面には微細な
凹凸形状Aが形成される。1回目と同様に全面にレジス
ト感光膜を形成したエンボス版基材1の上に、今度は段
面パターンf2の画像データを同様に出力して、焼き付
け、現像し、非露光部を洗浄除去するとに示すような
レジスト層2−2が得られる。この状態で、所定の深さ
に至るまで2回目の腐食による蝕刻を行い、レジスト剥
離を行うと、に示すようにエンボス版基材1面は、微
細な凹凸形状Aと凹凸形状AAを有する2段からなる凸
状部が形成される。さらに、1、2回目と同様に、3回
目の腐食を、に示すような段面パターンf3を用いて
形成されたレジスト層2−3を設けて行うと、に示す
ような、微細な凹凸形状A,AA,AAAをそれぞれ有
する3段からなる凸状部が形成される。必要とあれば、
さらに、所定の回数フォトエッチングを繰り返すことに
よってn段から構成される凸状部を有するエンボス版E
が得られる。最後に、エンボス版Eの表面全体にクロム
メッキを施して仕上げる。なお、本発明に使用するエン
ボス版は、円筒状(シリンダー状)でも、平板状であっ
てもよい。
【0014】次に、以上の製造方法で作成されたエンボ
ス版Eを用いて、エンボス加工を行いに示すようなト
ップ基材シート3とベース基材シート4とからなるエン
ボス基材シート10を成形することができる。エンボス
基材シート10の代表的な製造方法としては、ポリオレ
フィン系樹脂あるいはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂
からなるエンボス基材シート10を加熱軟化せしめ、そ
の表面にエンボス版Eを押圧する方法がある。この方法
についてさらに類別すると、(1)単層シート(トップ
基材シートのみ)を加熱軟化させ、エンボス版Eを押圧
するか、(2)トップ基材シート3にエンボスを行い、
それをベース基材シート4にラミネートして2層積層体
の基材シートとするか、あるいは,(3)エンボス版押
圧時の熱圧でトップ基材シート3とベース基材シート4
とを熱融着することにより、エンボスとラミネートを同
時に行うダブリングエンボスにより2層積層体とする
か、或いは、トップ基材シート3をTダイから熔融押し
出しして冷却ロールを兼ねるエンボス版シリンダー上に
接触させてエンボスすると共に、トップ基材シート3の
裏面に挿入したベース基材シート4と熱融着させてダブ
リングエンボスをインラインで行って2層積層体とする
方法がある。また、別の方法として、特開昭57−87
318号公報、特開平7−32476号公報等に開示の
如く、エンボス版E表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬
化液状物を塗工し、その更に上にベース基材4を重ねた
状態で電離放射線を照射して該液状物を硬化せしめトッ
プ基材3とすると共にベース基材シート4と接着せしめ
た後、エンボス版から離型し、トップ基材シート3に版
の凹凸を賦型する方法を用いてもよい。
【0015】本発明によるエンボス化粧材20の製造方
法の最後の仕上げ工程は、に示すように、エンボス加
工されたトップ基材シート3とベース基材シート4から
なる基材シート10に対して、さらに最終用途に応じて
裏打ち材5、例えばドアーに加工する場合にはハニカム
ボード等を貼り合わせる等の方法によって、最終的に本
発明によるエンボス化粧材20が得られる。以上の製造
工程によって、凹陥部の長手方向に従ってn段階に深度
が変化し、且つ、各段面に固有の微細凹凸形状が形成さ
れて、深い段面ほど光沢が少なくなっている木目導管溝
状の凹陥部の形成されたエンボス化粧材20を製造する
ことができる。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、木目導管溝状の凹陥部
の底面に、凹陥部の長手方向に深さが変化する多段面を
形成し、且つ各段面ごとにに、固有の微細凹凸形状をも
たせて、深い段面ほど光沢を少なくすることによって、
実際の深度変化に加えて、光沢の変化が加わり、これま
でよりも全体的に浅い凹陥部でありながら、深さのある
凹陥部であるように見せることができ、高度な木目導管
の風合いを伴った、高意匠性のあるエンボス化粧材を得
ることがとができる。さらに、これまでよりも薄手のエ
ンボス用のトップ基材シートの使用が可能となるので、
材料コストの軽減、トップ基材シートの押し出し成形と
エンボスを同時に行う場合の生産効率の向上を図ること
ができる。また、ワイピングを省くことによって製造コ
ストの低減、納期の短縮を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然木材柄から抽出された導管パターンの一例
【図2】本発明によるエンボス化粧材の凹陥部の平面図
【図3】本発明によるエンボス化粧材の凹陥部の斜視図
【図4】本発明によるエンボス化粧材に使用される基本
凹凸形状パターンの説明図
【図5】基本凹凸形状パターンによる凹陥部段面の粗面
化原理説明図
【図6】本発明によるエンボス化粧材の製造方法の説明
【符号の説明】
1 エンボス版基材 2−1〜2−3 レジスト層 3 トップ基材シート 4 ベース基材シート 5 裏打ち材 10 エンボス基材シート 20 本発明によるエンボス化粧材 A〜AAA 微細凹凸形状 f1〜f3 凹陥部段面パターン F1〜F3 段面 F 凹陥部 K 基本凹凸形状パターン、基本パターン P 導管パターン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に複数の凹陥部を有するエンボ
    ス化粧材において、個々の前記凹陥部の底面に、特定の
    方向に深度が順次変化する多段面が形成され、且つ、前
    記段面ごとに固有の微細な凹凸形状が形成されて、深度
    が大きい段面ほど光沢が少なくなっていることを特徴と
    するエンボス化粧材。
JP10177675A 1998-06-24 1998-06-24 エンボス化粧材 Withdrawn JP2000008538A (ja)

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