JP2000033799A - エンボス化粧材 - Google Patents

エンボス化粧材

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JP2000033799A
JP2000033799A JP10202468A JP20246898A JP2000033799A JP 2000033799 A JP2000033799 A JP 2000033799A JP 10202468 A JP10202468 A JP 10202468A JP 20246898 A JP20246898 A JP 20246898A JP 2000033799 A JP2000033799 A JP 2000033799A
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pattern
depth
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wood
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Masaru Okamoto
優 岡本
Yoshiaki Kakinuma
良明 柿沼
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木目導管の趣のある風合いと高度な意匠性を
示すエンボス化粧材を提供する。 【解決手段】 基材表面に細長い木目導管溝状の複数の
凹陥部Aが、特定の方向に配向するように形成し、前記
凹陥部Aの深度を凹陥部の幅方向に順次、多段的に変化
させ、深度が大きくなるに従って、各段面F1,F2,
F3における平面視輪郭を順次小さくし、且つ該平面視
輪郭の中心C1,C2,C3を、順次前記方向に偏位さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な意匠表現を
可能とする木目導管溝状の凹陥部がエンボス成形されて
なるエンボス化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに、天然木材板が有する木目導
管溝の風合いをさらにリアルに再現しようとして、その
平面的な模様は無論のこと、木目導管溝の深度まで再現
を試みたエンボス化粧材の提案がなされている。特開平
4−308799号公報には、個々の木目導管断面パタ
ーンとそれを段階的に細らせた画像から作成されてなる
複数枚のマスクパターンを用いてエンボス版基材面に複
数回のフォトエッチングを行ってエンボス版を作成し、
このエンボス版を用いて賦型シートにエンボス加工を行
うことによって、中心部ほど深度のある木目導管溝状の
凹陥部を有するエンボス化粧材とその製造方法が開示さ
れている。国際公開WO95/21060号公報には、
木目導管溝を近似楕円モデルに置き換えた平面的な断面
パターンの情報だけから最深部が木目導管溝の長手方向
の一方の端部に偏心した立体的な仮想導管溝を演算によ
って求め、所定の深度ごとの等深線を輪郭線とするパタ
ーニングマスクの作成と各マスクを深い深度のものから
順次用いてエンボス版基材面を多段階的に腐食して得ら
れたエンボス版、それによって賦型されたエンボス化粧
材及びその製造方法が開示されている。図4は、木目導
管溝状の凹陥部に深度変化がある従来のエンボス化粧材
20の拡大平面図である。特開平4−308799号公
報においては、深度変化は、図4(a)に示すように、
凹陥部Bの単に中心部に向かう程深くなっており、各深
さ段階の平面視輪郭形状の中心は同心となっている。ま
た、WO95/21060号公報においては、図4
(b)に示すように、凹陥部Cの各深さ段階の平面視輪
郭形状は、長手方向(平面視輪郭形状を楕円で近似した
場合では長径方向に相当)の一方向(図では、+x方
向)に向かって順次偏心されていて、木目導管溝の一方
の端部に向かうほど深くなっている。そして、すべての
木目導管溝における深度の変化は同一方向に揃ってい
る。すなわち、図4(b)では、+x方向に向かって順
次深度が増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このような
従来のエンボス化粧材20のもたらす風合いは、木目導
管溝がヘアーラインのように弱い木目柄については満足
されても、木目導管溝に強さ、アクセントがある樫(か
し)、楢(なら)、ぶな等の木目柄においては、仕上が
りが単調すぎるという問題がある。本発明は、前述の問
題点に鑑みてなされたもので、より高度な変化のある意
匠表現を可能とするエンボス化粧材の提供を目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明によるエンボス化粧材は、基材表面に
細長い木目導管溝状の複数の凹陥部が、特定の方向に配
向して形成された化粧材であって、前記凹陥部を幅方向
に横断するいずれか一方の方向に、前記凹陥部の深度
が、順次、多段的に大きくなるに従って、各段面におけ
る平面視輪郭が、順次小さくなり、且つ該平面視輪郭の
中心が、前記方向に順次偏位してなることを構成とする
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によって製造されるエンボ
ス化粧材とは、基材表面にエンボス加工等により凹凸模
様が表面に施されたシート或いは板である。凹凸模様と
しては、後述の如き木目導管溝状の凹陥部の集合体から
なる。基材の材料としては、通常、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポ
リオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ
ブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、熱可塑性ポリ
エステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ABS,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、メラミン
樹脂、不飽和(熱硬化性)ポリエステル樹脂、2液硬化
(熱硬化)型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、ラジカル
重合型不飽和アクリレート(またはメタクリレート)、
又はカチオン重合型エポキシ樹脂を電離放射線(紫外
線、電子線等)で架橋させてなる電離放射線硬化性樹脂
等が用いられる。また基材は、一般に積層体であるが、
単層であってもよい。また、用途としては、壁、床、天
井等の建築物の内装材、扉、窓枠、扉枠、手摺等の建具
の表面材、テレビジョン受像機等の家電製品の筐体の表
面材、箪笥等の家具の表面材、箱等の容器の表面材、車
両等の内装材、船舶内装材等であって、必要に応じて更
に任意の素材が裏打ちされて使用される。
【0006】図1は、天然木材柄から抽出された導管パ
ターンの一例である。図1で示すように、個々の導管パ
ターンPは、一見不規則に見えるが、略同一方向に配向
し、長楕円形を変形したものであるので、以下の説明図
では、導管パターンPを長楕円形のパターンモデルをも
って示すことにする。なお、天然木材の木目導管溝内の
深さは、どの木目導管溝においても長手方向に従って連
続的に変化している。
【0007】図2は、本発明によるエンボス化粧材の凹
陥部の説明図である。図2(a)は、本発明によるエン
ボス化粧材の凹陥部の平面図であって、図1の一部の領
域内の数個の導管パターンPに相当する数個の凹陥部A
が描かれている。本発明によるエンボス化粧材10の表
面にエンボス加工によって賦型される木目導管溝状の複
数の凹陥部Aは、図2(a)に示すように、特定の方
向、すなわち図では上下のy軸方向に配向している。こ
の配向方向は、凹陥部の長手方向とも呼称することがで
き、この方向は、一般に木目模様を印刷する場合の印刷
方向とも略一致している。そして、凹陥部Aの長手方向
と直交する幅方向の一方の向き(図2(a)では左向
き、すなわち+x方向)に従って、深度が段階的に深く
なるものと逆の向き(図2(a)では右向き、すなわち
−x方向)に従って、深度が段階的に深くなるパターン
のいずれかが単独で複数個集合して形成されるか、もし
くは、両パターンが混在して各々複数個集合して形成さ
れている。また、両者が混在する場合、それらが、ラン
ダムに混在してももよく、また木目柄に合わせてそれぞ
れが定められた領域に振り分けられるように配置されて
もよい。個々の凹陥部A内には、幅方向(x方向)に従
って段階的に深度が順次変化し、深度の小さい方から順
に段面F1,F2,F3が形成されている。図2(b)
は、本発明によるエンボス化粧材10の凹陥部Aの斜視
図であり、且つ横断面を示す断面図でもある。凹陥部A
内において深度が幅方向に順次変化する模様は、図2
(b)によってさらに明らかである。また、本発明によ
るエンボス化粧材10は、エンボス基材シート4にエン
ボス加工によって凹陥部Aが賦型され、その裏面に裏打
ち材6が貼り合わされてなるものである。また、エンボ
ス基材シート4は積層シートであってもよい。図2
(c)は、本発明によるエンボス化粧材10の凹陥部A
を平面視したときの輪郭図(以下平面視輪郭と称する)
であって、各段面F1,F2,F3における平面視輪郭
は、長楕円状(実際には変形長楕円)であって段面の深
度が大きくなるほど面積が順次小さくなり、且つ輪郭の
中心C1,C2,C3が幅方向の一方向(図では+x方
向)に順次偏位している。このように、各段面におい
て、大きさの異なる平面視輪郭を有する凹陥部Aは、平
面視輪郭形状と略等しい焼き付け用のパターンニングマ
スクを用いるフォトエッチング法で形成することができ
る。凹陥部Aに形成される段面の数nは、多くなるほど
天然の木目導管溝に見られる連続的な深度変化に近づけ
ることができる。しかし、その一方で、製造工程が長
く、複雑化するので、実用上、2〜4段程度に止めてお
くことが好ましい。また、本発明によるエンボス化粧材
は、表面に少なくとも図2(b)の如き幅方向に深度が
多段的に増減する凹陥部Aを有すれば、その目的は達せ
られる。従って、本発明によるエンボス化粧材において
は、表現すべき表面の外観の如何によっては表面に凹陥
部Aに加えて、図4(a)の如き凹陥部B,または図4
(b)の如き凹陥部Cを混在させてもよい。
【0008】以上説明したように、本発明によるエンボ
ス化粧材10においては、特定の方向に配向している複
数の凹陥部Aの深度が、幅方向に順次変化していること
によって、あたかも、照明が横から行われているよう
に、各凹陥部Aに陰影を感じさせ、従来のエンボス化粧
材では表現出来ない趣のある風合いを得ることができ、
より高意匠性のエンボス化粧材に仕上げることができ
る。本発明は、特に、樫(かし)、楢(なら)、ぶな等
のような木目導管溝が密集して、アクセントとなってい
る木目柄の場合に特に効果を発揮する。
【0009】以下、本発明によるエンボス化粧材10の
製造方法を順を追て説明する。この製造方法は、パター
ンニング(マスクパターンに応じたレジスト画像の形
成)とエッチングから構成されるフォトエッチング法に
よるものである。図3は、本発明によるエンボス化粧材
の製造方法の工程説明図である。先ず、マスクパターン
の画像作成工程から説明する。この工程においては、先
ず、天然木材板原稿画像を銀塩写真法等により一旦感光
性フィルムに撮影し、撮影された画像をデジタル画像入
力手段であるCEPS(COLOR ELECTRONIC PREPRESS SY
STEM)の製版スキャナによってスキャニングして光電変
換し、デジタル信号化して読み取り、ハードディスクに
記憶させる方法によって、原稿画像のデジタル画像入力
を行う。また、画像入力手段としてデジタルカメラを用
いて原稿画像を撮影し、得られるデジタル画像をそのま
ま直接入力するようにしてもよい。次に、このデジタル
画像データから図1に示すような導管パターンPのみを
2値化画像として公知の方法で抽出し、ディスプレー画
面に取り出し、エンボス版の円周に合わせたエンドレス
修正等を行った上で、導管パターンファイルを作成す
る。これ以降は全てこの導管パターンPの入力データを
ベースとしたコンピュータによる演算処理によって、図
3にモデル化して示す長楕円状のマスクパターンA
1,A2−−Anを製作することができる。すなわち、
導管パターンP(変形した長楕円形)を、一旦楕円柱ま
たは円柱であると見做される木材の導管を斜めに切断し
て得られる近似長楕円に変換して数値モデル化して仮想
の木目導管溝を特定し、この仮想木目導管溝において所
定の複数の深度を指定し、それぞれに基づく切断面(天
然木材板表面)から測った深さの等深線S1,S2,−
−−Snを抽出し、それぞれの等深線S1,S2,−−
−Snによって囲まれる長楕円状の領域を仮想木目導管
溝のマスクパターンとし、これを元の変形長楕円画像に
逆変換して、実際に使用する焼付け用のマスクパターン
A1,A2−−−Anとすればよい。そしてマスクパタ
ーンの画像ファイルを作成しておく。図3では、A
1,A2.A3の3種のマスクパターンが偏位して重な
るように描かれているが、これは以降のフォトエッチン
グ工程との関連性を持たせるためであって、実際は個々
に分離、独立したパターンである。本発明によるエンボ
ス化粧材の表面に形成される凹陥部Aには、図2(a)
に示すような深度変化の方向の異なる2種の凹陥部Aが
混在する場合があるが、これらを特定の領域(例えば晩
材部と早材部)に振り分けることは、予めコンピュータ
に入力されている木目柄のデジタル画像情報に基づいて
容易に処理可能である。
【0010】次に、以上の方法で作成された焼付け用の
マスクパターンを用いて、多段階のフォトエッチング法
を行いエンボス版Eを作成する。図4、〜は、この
多段階的にパターンニングとエッチンクとからなるフォ
トエッチングを繰り返す製造工程の説明図である。パタ
ーンニング工程では、先ず、に示すように、マスクパ
ターンの画像ファイルから最も大きな長楕円状マスクパ
ターンA1(実際には変形長楕円状のマスクパターン)
の画像データをレーザービーム走査制御装置によって、
アルゴンイオンレーザー光等の露光用光ビームの走査を
制御しつつ、あらかじめネガ型レジスト感光膜を形成し
たエンボス版基材1の金属面に出力して焼き付け、現像
し、非露光部の感光膜を洗浄除去すると、に示すよう
なレジスト層2−1を有するエンボス版基材面が得られ
る。金属としては、銅または鉄が代表的であるが、その
他のものでも適宜用いることができる。この状態で、塩
化第2鉄あるいは塩化第2銅を用いて非レジスト面を矢
印の方向に腐食を行うと、エンボス版基材面は、点線で
示す所定の深度D1まで蝕刻される。このレジスト層2
−1を剥離し、一回目と同様に全面にレジスト感光膜を
形成したエンボス版基材の上に、今度は,中間サイズの
長楕円マスクパターンA2(実際には変形長楕円状のマ
スクパターン)を幅方向(図では右方向)に位相をずら
し、出力して焼き付け、現像し、非露光部を洗浄除去す
ると、に示すようなレジスト層2−2がで形成され
た凸状部の上に形成される。この状態で、に示すよう
に、点線で示す所定の深さD2に至るまで2回目の腐食
による蝕刻を行う。さらに最小の長楕円パターンA3
(実際には変形長楕円状のマスクパターン)を位相をさ
らに幅方向(図では右方向)にずらして焼き付けて形成
されたレジスト層2−3を用いて所定の点線で示す深さ
D3に至るまで3回目の腐食による蝕刻を行う。以上の
3回のフォトエッチングを繰り返すことによって、に
示すような3段階に高さが変化する凸状部3を有するエ
ンボス版Eを製造することができる。このエンボス版
は、最後に表面全体にクロムメッキを施して仕上げる。
メッキは、好ましくは、マット(艶消)メッキとする
か、あるいはエンボス版表面全面をサンドブラスト加工
等によって粗面化してからメッキすることによりエンボ
ス版表面(特に、木目導管断面パターン以外の面)を艶
消し状態とする。なお、本発明に使用するエンボス版E
は、円筒状(シリンダー状)でも、平板状であってもよ
い。
【0011】以上の多段階的なフォトエッチングにおい
て、大きなマスクパターンから小さなマスクパターンに
移行するようにフォトエッチングを繰り返すと、一旦形
成された段の角が次の腐食によって丸みを帯び、断面が
緩やかに変化する凸状部3が得られる。マスクパターン
の使用順序を逆にして、小さなマスクパターンから大き
なマスクパターンに移行するように使用しても、多段階
からなる凸状部Tは得られるが、この場合の段の角は腐
食を受けないのでシャープに残る。複数のマスクパター
ンA1,A2−−−Anをいずれの順序で使用してもよ
いが、同じフォトエッチング回数であって、且つ凹陥部
Aの底面を天然の木目導管溝の様な滑らかな変化に近づ
けるのであれば、図3に示すように大きいマスクパター
ンA1から順次使用することが好ましい。
【0012】レジスト感光膜には露光部が硬化するネガ
型と露光部が現像されて溶出するポジ型とがあるが、エ
ッチングの表面保護機能があればいずれを使用してもよ
い。また、レジストの製膜方法は、金属基材面に直接塗
布しても、カーボンチッシュのように転写方式によって
もよい。ネガ型のレジスト膜としては、重クロム酸ゼラ
チンのほか、アクリル基またはメタアクリル基を有する
アクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスアジ
ドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート系
化合物等を用いることができる。パターンニング工程で
は上記の光ビーム走査制御装置に代わって、一旦感光性
フィルムにマスクパターンの画像データをCEPSの出
力スキャナーから出力してネガ型原版フィルム(導管パ
ターンP部が透明で,その他の部分が遮光性のフィル
ム)を作成し、このフィルム上に形成された画像をネガ
型レジスト感光膜を形成したエンボス版基材1上に焼き
付け、現像、非露光部の洗浄除去を行ってもよい。ま
た、この場合ポジ型原版フィルムとポジ型レジスト感光
膜を組み合わせてもよい。
【0013】次に、以上の製造方法で作成されたエンボ
ス版Eを用いて、に示すように、エンボス基材シート
4に対してエンボス加工を行い、エンボス版Eの凸状部
3を賦型する。このエンボス基材シート4には、単層シ
ートと積層シートの場合があり、単層シートの場合は
で示すように、グラビア印刷による木目印刷柄の印刷イ
ンキ層5が予め表面に形成されている。また、積層シー
トの場合には、トップ基材シートとベース基材シート積
層シート間に形成されていることが多い。このようなエ
ンボス基材シート4に対するエンボス加工の代表的な方
法としては、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリ塩化ビ
ニル等の熱可塑性樹脂からなるシートを加熱軟化せし
め、その表面にエンボス版Eを押圧する方法がある。こ
の方法についてさらに類別すると、(1)単層シート
(トップ基材シートのみ)を加熱軟化させ、エンボス版
Eを押圧するか、(2)トップ基材シートにエンボスを
行い、それをベース基材シートにラミネートして2層積
層体の基材シートとするか、あるいは,(3)エンボス
版押圧時の熱圧でトップ基材シートとベース基材シート
とを熱融着することにより、エンボスとラミネートを同
時に行うダブリングエンボスにより2層積層体とする
か、或いは、トップ基材シートをTダイから熔融押し出
しして冷却ロールを兼ねるエンボス版シリンダー上に接
触させてエンボスすると共に、トップ基材シートの裏面
に挿入したベース基材シートと熱融着させてダブリング
エンボスをインラインで行って2層積層体とする方法が
ある。また、別の方法として、特開昭57−87318
号公報、特開平7−32476号公報等に開示の如く、
エンボス版E表面に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状
物を塗工し、その更に上にベース基材シートを重ねた状
態で電離放射線を照射して該液状物を硬化せしめトップ
基材とすると共にベース基材シートと接着せしめた後、
エンボス版から離型し、トップ基材シートに版の凹凸を
賦型する方法を用いてもよい。あるいは、また、別の方
法として、チタン紙等の紙に木目印刷柄を形成し、メラ
ミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂の
未硬化物を含浸せしめ、次いで含浸紙をコアー紙、木材
合板等の基材上に載置し、熱プレス成形を行う際に、該
含浸紙表面にエンボス版を挿入することによって、熱硬
化性樹脂が含浸硬化された化粧板表面に熱プレスと同時
に凹凸を賦型する方法を用いてもよい。
【0014】最後に、同じくに示すように、エンボス
加工された基材シート4に対して、さらに最終用途に応
じて裏打ち材6、例えばドアーに加工する場合にはハニ
カムボード等を接着剤等によって貼り合わせる等の方法
によって、最終的に本発明によるエンボス化粧材10が
得られる。以上の製造工程によって、木目導管溝状の凹
陥部Aを幅方向に深度が多段階に変化して、各段面にお
ける平面視輪郭の大きさが、順次変化し、且つ平面視輪
郭の中心が、順次偏位している凹陥部Aを基材表面に形
成することができる。
【0015】
【実施例】本発明によるエンボス化粧材の実施例サンプ
ルを次に方法で製造し、従来のエンボス化粧材と比較し
た。木目導管溝が比較的密集している樫(オーク)材の
板目をデジタルカメラを使用して撮影した。このデジタ
ルカメラには4500万画素の固体撮像素子(CCD)
が搭載され、CCDからの信号を、濃度については8ビ
ット(256段階)階調にAD変換してデジタル画像情
報とし、ハードディスクに記録させた。このハードディ
スクにダウンロードされたデジタル画像から導管パター
ンを2値化画像としSCITEX社製、PRISMAX
ディスプレーに抽出し、エンボスシリンダーの円周長
(930mm)に合わせたエンドレス処理を施し、導管
パターン画像ファイルを作成した。次に、この導管パタ
ーン画像をベースにしてコンピュータ画像処理によって
3段階に大きさを変化させたパターンニング用のマスク
パターンA1,A2,A3をそれぞれ作成した。次に、
パターンニング/エッチングからなるフォトエッチング
を鉄芯の表面に銅メッキ層を設けたエンボス用シリンダ
ー面に対して多段階的に3回繰り返した。(図3参照)
このパターンニングにおいては、エンボスシリンダー面
に重クリム酸ゼラチンからなるネガ型レジスト感光膜を
塗布し、アルゴンイオンレーザービーム走査制御装置
(シンク・ラボラトリー社製)を用いて、最初に最もサ
イズの大きなマスクパターンA1を露光して焼き付け、
温水で現像し、非露光部を溶解除去後、非レジスト面を
塩化第二鉄溶液を用いて約30μmの深さに腐食、蝕刻
した。続いて、中間の大きさのマスクパターンA2によ
って、2回目のパターンニングとエッチングを行い、3
0μmの深さに蝕刻し、最後に最小のマスクパターンA
3によって3回目のパターンニングとエッチングを行い
さらに30μmの深さに蝕刻し、最大高低差を90μm
とした。また、パターンニングを、マスクパターンA
1,A2,A3の中心を長楕円形の短径方向に順次偏位
させ、長楕円の短径の先端が一致するように焼き付け位
置を調整した。最後に、別途用意しておいた梨地模様の
パターン画像を用いて版面全体のフォトエッチングを行
い粗面化加工を行ってから、クロムメッキを施しエンボ
ス版を完成させた。次に、エンボスされる基材シート4
を次の方法で作成した。高密度ポリエチレン55重量部
に、水素添加スチレン−ブタジエンゴム30重量部、炭
酸カルシュウム粉末からなる無機充填材10重量部及び
チタン白、弁柄、カーボンブラック、黄鉛からなる顔料
5重量部を混合し,Tダイから熔融押し出しを行って製
膜した厚み160μmのポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーの基材シート4を作成した。この基材シート4
の表裏両面にコロナ放電処理を施した後、表面にポリエ
ステルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートか
らなる2液硬化型ウレタン樹脂による易接着プライマー
を2μm(乾燥時)塗工し、さらにその上に、アクリル
樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体1対1の重量比
混合物であるバインダーに弁柄、黄鉛、カーボンブラッ
クを添加してなるインキで樫の木目模様をグラビア印刷
して印刷インキ層5を設けた。次いで、この印刷された
基材シート4を加熱軟化させ、印刷側から、前記エンボ
ス版Eを用いて木目模様に同調させてエンボスを行い、
エンボス加工された基材シート4を更に裏打ち材(ハド
ボード)6によって裏打ちし、本発明によるエンボス化
粧材10を完成させた。これを従来の木目導管溝状にエ
ンボスされた複数の凹陥部(導管部)を有する化粧材と
比較したところ、木目導管溝の表現にこれまでのような
単調さがなくなり、導管部があたかも横から光を受けて
いるような陰影が生じ、趣のある風合いを有する高度な
意匠表現が可能となった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、特定の方向に配向して
いる木目導管溝状の複数の凹陥部Aの深度を、幅方向に
順次変化させることによって、あたかも、照明が横から
行われているように、凹陥部に陰影を感じさせ、従来の
エンボス化粧材では単調に成りがちのエンボスのある絵
柄に複雑で、趣のある風合いを与えることができ、より
高度な意匠性のあるエンボス化粧材に仕上げることがで
きる。本発明は、樫(かし)、楢(なら)、ぶな等のよ
うな木目導管溝が密集して、アクセントとなっている木
目柄に適用して特に効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然木材柄から抽出された導管パターンの一例
【図2】本発明によるエンボス化粧材の凹陥部の説明図
【図3】本発明によるエンボス化粧材の製造方法の工程
説明図
【図4】木目導管溝状の凹陥部に深度変化がある従来の
エンボス化粧材の拡大平面図
【符号の説明】 1 エンボス版基材 2-1〜2-3 ジスト層 3 凸状部 4 エンボス基材シート 5 木目印刷インキ層 6 裏打ち材 10 本発明によるエンボス化粧材 20 従来の木目導管溝状の凹陥部に深度変化がある
エンボス化粧材 A 凹陥部 B,C 従来の凹陥部 E エンボス版 A1-- An マスクパターン C1---Cn 平面視輪郭の中心 F1---Fn 段面 S1---Sn 等深線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に細長い木目導管溝状の複数の
    凹陥部が、特定の方向に配向して形成された化粧材であ
    って、前記凹陥部を幅方向に横断するいずれか一方の方
    向に、前記凹陥部の深度が、順次、多段的に大きくなる
    に従って、各段面における平面視輪郭が、順次小さくな
    り、且つ該平面視輪郭の中心が、前記方向に順次偏位し
    てなることを特徴とするエンボス化粧材。
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