JP3205567B2 - 凹凸模様を有する化粧材 - Google Patents

凹凸模様を有する化粧材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は凹凸模様を有する化粧材
に関する
【0002】
【従来の技術】従来から基材シートの表面に木目道管の
模様を印刷により形成した木目調化粧材が建材や家具等
の表面に本物の木の質感を与える目的で用いられてい
た。そしてよりリアルな木目模様を出すために、基材シ
ートの表面に木目道管模様を凹凸模様として形成した化
粧材が知られている。従来、上記木目調化粧材の製造方
法として、印刷により道管の凹部を形成する方法や、木
目道管の凹部に対応した部分を凸状に形成したエンボス
版を用いて、プラスチックシート等に加熱押圧して道管
の凹凸模様を形成する方法が用いられていた。印刷によ
る木目道管模様の形成法として、はじき道管方式と呼ば
れるものがあり、先ずシリコンを含むインキを用いて道
管部分を印刷し、次いで通常のインキを用いて全面に印
刷を施すと先に印刷したシリコーンインキで印刷した部
分が、ハジキ現象により道管部分のみインキが乗らずに
窪んで見え、木目道管模様を形成することができる。ま
た、上記のエンボス版を用いて化粧材を製造する場合、
エンボス版の製造方法には、例えば1)実際の木の道管
模様を撮影したフィルムを用い、銅板等にレジストパタ
ーンを形成した後に、銅板にエッチングを施し不要部分
を腐食させて凹部とし凸部はそのまま残した凹凸模様を
形成してロールエンボスとする方法、2)本物の木の断
面から道管部分を型取りし、この型を用いてエンボス版
を電鋳等の方法にて作成する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1は実際の木(ミズ
ナラ)の板目面の顕微鏡写真を模写した平面図であり、
図2は図1におけるA−A線断面図(即ち、軸方向断面
図)である。図中1は板目面、2は軸方向、3は道管、
4は小道管、5はせん孔版を示す。木目の道管模様は、
例えば図1に示すように、多数の小道管4のような道管
要素が軸方向2に連続して合体し、分節をもった不確定
の長さの管状の構造を形成しているものであり、この道
管3の軸方向2では、各細胞部の接合部の壁のほとんど
全部、又は一部が消失しており、その接合部分がせん孔
板5として見られる。このように実際の木の断面に見ら
れる道管の凹部に更にせん孔板等の複雑な凹凸形状を有
しているものである。しかしながら、従来の木目調化粧
材は、例えばハジキ導管方法により道管模様を形成した
ものは、実際に凹部が明確に形成されているものではな
く見掛け上凹状に見えると言うもので、更に凹部内に階
調表現をすることはハジキ印刷という原理では非常に困
難であった。また従来の1)のエンボス版を用いて製造
した木目調化粧材は、道管部に応じた凹部を有している
ものの、その断面形状は単なる4角形であって、道管内
部の形状が幾何学的で不自然に形成されていることと、
凹部の内部は平均的であり道管の凹部内に実際に存在す
る複雑な凹凸模様が全く形成されていないため、木の断
面を十分にリアルに再現したものではなかった。また
2)のエンボス版を用いて木目調化粧材を製造した場
合、該化粧材の道管部に正確な凹凸模様を形成して、木
の断面の表面凹凸を正確に再現することはできるもの
の、枚葉エンボス版から化粧材を製造することは生産性
が非常に劣るために実際にこのエンボス版を使用して木
目調化粧材を工業的に製造することは行われていなかっ
た。また、化粧材の製造効率を上げるために上記のエン
ボス版をロール状に形成しようとすると適する木目原稿
が入手しにくい(銘木が少なく、フィルムのように簡単
に拡大、縮小及び構成替え等ができない)ことやエンド
レスにつなげることが非常に困難で時間と費用がかか
り、従来道管部内部の凹凸がリアルに再現可能で、且
つ、安価で容易にエンボス版を製造する方法はなかっ
た。以上のように、従来の木目調化粧材は単に視覚的に
凹部を形成しているように見えるものか、あるいは凹部
の形状が単純な幾何学的な模様として表現しているだけ
のものであり、道管内部の凹凸までをリアルに再現した
ものは出来なかった。本発明は、上記従来技術の欠点を
解消しようとするもので、本物の木の断面のような道管
模様の道管部と道管要素の凹凸がリアルに表現されてい
る化粧材を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)化粧材の
表面に、木目道管模様の道管部に対応した凹部と該凹部
内に形成された道管要素に対応する砂目模様状の凹凸と
からなる凹凸模様を有することを特徴とする凹凸模様を
有する化粧材、(2)木目道管模様の道管部に対応した凹
部が段階的に外部から内部に向かって凹んで成ることを
特徴とする上記(1)記載の凹凸模様を有する化粧材、を
要旨とするものである。
【0008】本発明で道管とは、樹木において水分の通
導作用をつかさどる細胞群であり、典型的には多数の円
筒ないしはそれに近い形をした細胞(道管要素)が軸方
向に連続して合体し、文節をもった不確定の長さの管状
の構造を形成しているものであり、各細胞は軸方向に接
合部の壁の殆ど全部、又は一部を消失している。上記接
続部分をせん孔板と言い、消失してできた孔の部分をせ
ん孔と呼ぶ。せん孔には、単せん孔及び、階段せん孔、
網状せん孔、マオウ型せん孔等の多孔せん孔等がある。
尚、道管の横断面形状は放射方向に長い楕円形を示すこ
とが多く、完全な円形というのは少ない。また、道管の
直径は木の種類により、また同一種であっても部分によ
り差が認められたりする。上記の道管は、樹種の違い
で、構成要素が大きく異なり、特に広葉樹の場合樹種に
よる要素の変化が大きい。例えば構成要素の1例とし
て、樹種がミズナラの場合、道管の直径は100〜30
0μm(分布数は4〜9mm2 )程度、せん孔は単せん孔
であり、長さ0.3 〜0.5mm、壁厚み2.5〜4μm程度で
ある。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に基づき詳細に説明す
る。本発明化粧材は図10に示すように樹脂層25の表
面に、木目道管模様の道管部に対応した凹部24が設け
られ、該凹部24内に、更に道管要素に対応する凹凸模
様26が設けられているものである。この化粧材はエン
ボス版を用いて製造することができる。以下、エンボス
版の製造方法、該エンボス版から化粧材を製造する方法
を順を追って説明する。 図8は木目調エンボス版の1例
をしめす部分縦断面図である。図8に示すようにエンボ
ス版6は木目道管の道管部に対応した凹部7が設けられ
該凹部7内に更に道管要素を表現するための凹凸模様8
が設けられているものである。エンボス版6の凹部7は
上記の道管形状を模したもので有ればよく、凹部の幅、
長さ、深さ等は道管形状に準じて形成することができ
る。又、凹凸模様8は道管要素で模したものであればよ
く、凹部7と同様に実際の木の道管要素に準じてその形
状、大きさ等を適宜選ぶことができる。図8に示すよう
に凹部7の側面9を平面状ではなく、曲面状に形成する
と、自然な道管の形状に近づいて、よりリアルな道管模
様とすることができるために好ましい。また、エンボス
版6の材質は亜鉛、銅、真鍮、アルミニウム、鉄、ステ
ンレス鋼、クロム等の金属板が使用できるが、銅が好ま
しい。またエンボス版の厚みは平状エンボス版の場合1
〜2mm、ロールエンボス版で200μm前後(エンボ
スの深さにもよるが)が好ましく、ロールエンボス版は
鉄製の芯に上記エンボス版を巻きつけた形状のものが通
常用いられる。
【0010】次に上記のエンボス版の製造について説明
する。図3〜図7はエンボス版の製造方法を示す説明図
である。先ず、図6に示すように所望の木目道管部分を
撮影して道管部を黒場11とし該道管部分以外を白場1
2とし、上記黒場11に白抜きの砂目模様13を入れた
フィルムを原版フィルム14として作成する。原版フィ
ルム14と同様に図3に示すように、図6の原版フィル
ム道管部の黒場11の輪郭を小さく形成した黒場15を
形成したフィルム16を作成する。次いで、図4に示す
ように上記の小さく黒場を作成したフィルム16をマス
クとして用い、レジスト層17表面に形成したエンボス
版原版18に露光を行い現像処理を行った後、エッチン
グを施して小さい道管部に対応した凹部19を形成する
(図5)。次に図7に示すように2回目のレジストパタ
ーンの形成とエッチングを行う。2回目のレジストパタ
ーンの形成は、図6の原版フィルム14をマスクとし、
図5に示す凹部19を形成したエンボス版原版18の表
面に更にレジスト層17を形成し、露光を行い現像して
レジストパターンの形成した後、エッチングを行うこと
で図8に示す凹部7と凹部7内に更に凹凸模様8が形成
されたエンボス版6が得られる。またエンボス版を製造
する際、上記のように2段階にエッチングを行わず、図
6〜図7で示すように砂目模様を入れた道管部を形成し
たフィルムを用いて1回だけのエッチングでエンボス版
を形成してもよい。
【0011】尚、上記では黒場で表現した道管部の輪郭
を元のものに対して小さく形成したが、大きく形成した
フィルムを用いてもよく、また道管部の内部に砂目模様
を入れることもできる。又、上記の道管部の大きさを変
えたフィルムは1枚だけでなく、2枚以上作成し該フィ
ルムに応じレジストパターンを形成してエッチングを繰
り返すことができる。また、道管部の大きさを変えて形
成する場合、フィルムの道管部の大きさは、大きい道管
部は幅0.1〜1mm、長さ1〜50mmが通常用いられ、好
ましくは幅0.1〜0.4mm、長さ10〜30mmであり、細
い道管部は幅0.1〜1mm、長さ1〜50mmが通常用いら
れ、好ましくは幅0.05〜0.3mm、長さ1〜50mm、で
ある。
【0012】本発明で用いる砂目模様13とは、白又は
黒の点を規則的/または不規則に複数個ならべたもの
で、その一つの形状は、○、○に近いようなもので、大
きさは例えば円形の場合0.01〜0.4mmφ程度が好まし
い。砂目模様はa)手書き(場合によっては縮小、b)
インスタントコーヒーの粒等の不規則な粒子を並べたと
ころを撮影する、c)ワークステーション等から出力さ
せる、d)導管内部の拡大写真をもとにフィルム処理す
る等の手段で形成することができる。砂目模様を原版フ
ィルムに入れるには、砂目模様を形成したフィルムを原
版フィルムと別に作っておいて、上記原版フィルムに重
ねる方法、ワークステーション等の画像処理装置を用い
て砂目の大きさ、形状、位置等をランダムに発生させて
導管部分に入れる方法等を用いることができる。又、砂
目模様13は小さい輪郭の道管部を形成したフィルム1
6に入れることもできる。砂目模様として具体的には、
直径0.01〜0.04mm程度の大きさの点の50〜100
0ドット/cm2 のものが用いられ、不規則な配列が好ま
しい。
【0013】エッチングの際使用するエッチング液は、
エンボス版原版のレジストパターンの形成されていない
部分を腐食することが可能なものを、金属版の種類に応
じて適宜選択すればよい。エッチング液、エッチング液
として例えば、金属版が亜鉛の場合は稀硝酸、銅には塩
化第二鉄、真鍮には硝酸又は塩化第二鉄、アルミニムに
は塩化第二鉄か又は水酸化ナトリウム、鉄やステンレス
には塩化第二鉄といった組み合わせが通常用いられる。
【0014】本発明では、原版フィルムの道管部(白場
又は黒場)に砂目模様13を入れる点に大きな特徴があ
る。即ち、道管要素に相当する道管内部の細かい凹凸を
擬似的に砂目による黒/白で置き換えることによって、
該砂目模様部分が明確なレジストパターンとして形成さ
れるため、エッチングにより容易にエンボス版の道管部
(凹部)に更に凹凸模様を形成して道管要素に相当する
凹凸模様を付与することができる。また更に本発明は、
レジストパターンの形成とエッチングを原版フィルムと
原版フィルムの道管部の輪郭を大きく、又は小さく形成
して2回以上に分けてエッチングを施すことにも特徴が
あり、このようにして凹部を形成することで凹部(道管
部)の深さを変化させ、しかも段階的に変化する深さに
は段差が明確に現れず、きわめて自然な複雑な模様が表
現できる。
【0015】上記の説明では原版フィルム14の道管部
(エンボス版で凹部となる部分)を黒場として形成して
いるが(ポジフィルム)、黒場と白場を反転させた原版
フィルム(ネガフィルム)を用いてもよい。尚、原版フ
ィルムの白場とはレジスト層に露光した場合に透光部と
なり、黒場とは遮光部となる部分を言い、道管部分の凹
部を白場で表現したものをネガフィルムと呼び、凹部を
黒場で表現したものをポジフィルムと呼ぶ。原版フィル
ム14はエンボス版の形状に応じて後述のレジストと組
み合わせて適宜選択する。原版フィルム16は通常の製
版用フィルム等を用いることができる。本発明では上記
の黒と白を反転させた(道管部分を白場、道管部分以外
を黒場としたフィルムを用い、道管部分の白場に黒い砂
目模様を入れた)フィルムを原版として用いることもで
きる。尚、原版フィルムの黒/白を反転させた場合には
レジスト層にポジ型の材料を用いればよい。
【0016】本発明で用いるレジスト層を形成する材料
は、ネガ型、ポジ型等特に限定されず、上述の原版フィ
ルムのネガ、ポジの種類に応じて使用すればよい。例え
ば図に示すように、原版フィルムにネガフィルムを用い
た場合は、レジストにポジ型を用いる。又、原版フィル
ムにポジ型を用いた場合にはレジストはネガ型を用い
る。尚、レジスト材料で言うポジ型とは光を照射した部
分が分解し、現像により未照射部分が残りパターンを形
成するものであり、又、ネガ型とは未照射部分が未架橋
の状態で残され光を照射した部分が架橋して現像により
パターンを形成するものを言う。上記のネガ型のレジス
ト材料としては、環状ゴム系、ポリけい皮酸ビニル系等
があり、又ポジ型としてはノボラック樹脂−o−キノン
アジド化合物をベースとしたもの等がある。
【0017】エッチングの終了したエンボス版はレジス
ト層を剥離してそのままの状態で用いることもできる
が、必要に応じて、表面にクロムのような堅い金属の層
をメッキや蒸着により形成してエンボス版の耐久性を向
上させることができる。また本発明においてエンボス版
は枚葉状、ロール状いずれも形成可能であり、ロール状
に形成した場合、後述する賦形フィルム生産性が向上す
る利点がある。尚、エンボス版を製造する場合、道管要
素の凹凸模様が砂目模様を設けたフィルムからテジスト
パターンの形成とエッチングにより設けられていればよ
く、道管部の凹部を他の手段で形成してもよく、形成手
段は任意である。更に凹凸模様を設ける時期は、道管部
の凹部を形成する前でも後でもよく、又、複数のエッチ
ングを行い凹部を形成する場合、どの段階でもよく、任
意に行うことができる。
【0018】次に、上記エンボス版を用いた化粧材の製
造方法を説明する。図9は本発明エンボス版を用いて製
造した賦型フィルムの断面図である。化粧材を製造する
には、先ず図9に示すように、基材シート21の表面に
プラスチックシート20を積層した基材の表面にエンボ
ス版(図8)を加熱加圧して賦型フィルム22を一度製
造する。次いで、未硬化の熱硬化性樹脂や電離放射線硬
化性樹脂等の表面に上記賦型フィル22を接触させて硬
化させた後、賦型フィルム22を剥離することで、表面
にエンボス版6の表面形状と同様な表面形状を有する樹
脂層からなる木目調化粧材23(図10)を製造するこ
とができる。
【0019】図10の例はポリエステル化粧合板を製造
する際に用いる賦形フィルムであり、プラスチックシー
ト20としてはポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン系、ポリエチレンビニルアルコール、ポリ塩
化ビニル、アクリル等の熱可塑性樹脂一般や電離放射線
硬化性樹脂等が用いられ、その厚さは加工するエンボス
の深さに応じて適宜設定される。又、プラスチックシー
ト20の表面には加工対象に対する離型性を有する塗料
(例えばシリコン、フッ素系樹脂、ワックス等を添加し
たもの)を塗工してもよい。上記基材シート21として
はナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリ
レート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ト
リアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアセタ
ール、ポリ4フッ化エチレン、ポリビニルアルコール、
セロハン、無可塑ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等のプラスチックフィルム、又はグラシン紙、パーチメ
ント紙、トレーシングペーパー、謄写版厚紙、硫酸紙、
コート紙、アート紙等の地合が均一で表面平滑性の高い
紙等の厚さ3〜250μm、好ましくは12〜100μ
mのものを用いることができる。尚、基材シート21
は、賦形フィルム22を熱硬化型樹脂化粧板の製造に使
用する場合、プラスチックシート20の変形等を防ぐた
めに該シート20よりも熱変形温度の高い材質を選び、
湿式不飽和ポリエステル化粧板の製造に使用する場合、
プラスチックシートよりも酸素透過度の高い材質を用い
るとよい。プラスチックシート20と基材シート21を
積層する方法としては、ドライラミネーション、ウェッ
トラミネート、ポリオレフィン系樹脂のエクストルージ
ョンコート、熱圧エンボスと同時に熱圧で融着させる所
謂ダブリングエンボス等を用いることができる。賦形フ
ィルム22の構成は用途に応じ変えることができ、シー
ト20又は21で使用したような材質からなる1枚のシ
ートから構成してもよい。
【0020】図10は木目調化粧材の1例を示す縦断面
図である。木目調化粧材23は木目道管に対応した凹部
24が樹脂層25に設けられ、該凹部24内に更に道管
要素を表現するための凹凸模様26が設けられ、樹脂層
25は印刷層27を設けた化粧紙28及び、接着剤29
を介して合板30に順次積層された構成を有する。尚、
本発明化粧材は、少なくとも表面に木目道管の凹部と、
該凹部に設けられた道管要素に対応する凹凸模様とが、
設けられていればよく、上記の樹脂層25のみで化粧材
として用いることもできる。樹脂層25は湿式不飽和ポ
リエステル樹脂が好ましく、厚みはとくに限定されない
が、通常10〜300μm、好ましくは10〜100μ
mである。印刷層26は天然木等の木目模様をパターン
印刷や着色等のベタ印刷を施した層であり、通常の印刷
インキを用いて化粧紙28等の基材表面に印刷形成す
る。上記印刷インキはアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂等の熱硬化製樹脂、電離放射線硬化性樹脂
等のビヒクルに着色剤、可塑剤等を添加したものを用い
ることができる。印刷方法はグラビア印刷、フレキソ印
刷、シルクスクリーン印刷等が用いられる。例えば、こ
の印刷模様と上記の道管に対応する凹凸模様とを適宜同
調させると、よりリアルな木の質感を再現することがで
きる。接着剤29は公知のドライラミネート等で使用さ
れる接着剤を使用することができ、例えば酢酸ビニル系
等のエマルジョン、アクリル系、ウレタン系等の接着剤
が挙げられる。また、上記合板30の代わりに薄葉紙、
晒クラフト紙、板紙等の紙類、合板、パーチクルボード
等の木質基材、石膏ボード等の石膏系基材、鉄板、亜鉛
メッキ鋼板等の金属板等を用いてもよい。又更にリアル
さを出すために、道管の凹部にワイピングを施して凹部
内の凹凸模様にワイピングインキを充填してもよい。
【0021】以下具体的実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明する。 実施例1 オーク(なら)の木の道管部のみを撮影してオリジナル
フィルムを作成する。そしてオリジナルフィルムの道管
より少し大きい(導管のみを1.1倍に太らせた)道管部
を有するポジフィルムAとオリジナルフィルムの道管よ
り少し小さい(導管のみを0.9倍に細らせた)道管を有
するポジフィルムBを作成する。次いでフィルムAの道
管部分に砂目(ドット50〜500コ/cm2、直径0.1
〜0.4mm)模様のフィルムを重ねたフィルムCを作成し
た。鉄芯の上に厚さ0.2mmの銅をメッキした銅板の表面
にネガ型の感光性樹脂(TPR:東京応化工業製)を約
5μm厚さに塗布し上記の原版フィルムBを重ね露光
し、現像してレジストパターンを形成した後、銅板を腐
食液(塩化第2鉄)を用いて版深さ30μmにエッチン
グした。上記銅板に更にネガ型の感光性樹脂を塗布しポ
ジフィルムBを重ね露光してレジストパターンを形成し
て、上記と同様に版深60μm(合計90μm)までエ
ッチングを行い、レジストパターンを剥離しクロムメッ
キをしてエンボス版を得た。
【0021】次に、上記エンボス版を用いて、厚さ25
μmのビニロンと厚さ200μmの塩化ビニルシートを
ドライラミネートした複合フィルムのビニロン面に17
0°C、50kgf/cm2 、10m/min の熱圧条件でエンボ
ス加工を行ってポリエステル樹脂化粧板用賦型フィルム
を得た。次いで合板に印刷を施した化粧紙(興人製:
「PM」80g/m 2 )を接着剤を用いて積層し、該積層
体の化粧紙側の表面にポリエステル樹脂(三井東圧化学
製:エスターD771B)に硬化剤(日本油脂製:パー
メックN)を0.5重量%添加した樹脂を塗布量300 g
/m2 で塗工し、該樹脂の表面に上記賦型フィルムを重ね
た状態で硬化させた。樹脂の硬化後に賦型フィルムを剥
離してワイピングを行って木目調化粧材を得た。得られ
た化粧材は表面に形成した道管に相当する凹部内の深さ
が段階的に変化し、しかもその段差が自然に変化し、凹
部内には複雑な道管要素に類似した凹凸模様が形成さ
れ、リアルな道管のような形状を有する意匠的に優れた
ものであった。
【0022】
【発明の効果】本発明化粧材は、樹脂層の表面に、木目
道管模様の道管部に対応した凹部と、該凹部の内部の道
管要素に対応する凹凸とからなる凹凸模様を有する構成
であるため、本物の木の断面のような道管模様の道管部
と道管要素の凹凸がリアルに表現され、特に従来の化粧
材では表現が困難であった道管要素まで再現されている
意匠性に優れたものが得られる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】実際の樹(ミズナラ)の板目面の顕微鏡写真
(×70倍)を模写した平面図である。
【図2】図1におけるA−A線縦断面図である。
【図3】エンボス版の製造方法の1例を示す説明図であ
る。
【図4】エンボス版の製造方法の1例を示す説明図であ
る。
【図5】エンボス版の製造方法の1例を示す説明図であ
る。
【図6】エンボス版の製造方法の1例を示す説明図であ
る。
【図7】エンボス版の製造方法の1例を示す説明図であ
る。
【図8】木目調エンボス版の1例を示す説明図である。
【図9】賦形フィルムの1例を示す断面図である。
【図10】木目調化粧材の1例を示す断面図である。
【符号の説明】
23 化粧材24 凹部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−127330(JP,A) 特開 昭56−5785(JP,A) 特開 昭61−287737(JP,A) 特開 昭60−64665(JP,A) 特開 平2−180675(JP,A) 特開 昭50−37837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44B 5/02 B44C 1/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧材の表面に、木目道管模様の道管部
    に対応した凹部と該凹部内に形成された道管要素に対応
    する砂目模様状の凹凸とからなる凹凸模様を有すること
    を特徴とする凹凸模様を有する化粧材。
  2. 【請求項2】 木目道管模様の道管部に対応した凹部が
    段階的に外部から内部に向かって凹んで成ることを特徴
    とする請求項1記載の凹凸模様を有する化粧材。
JP08483691A 1991-03-25 1991-03-25 凹凸模様を有する化粧材 Expired - Fee Related JP3205567B2 (ja)

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