JP2001096885A - 印刷物及びその製造方法 - Google Patents

印刷物及びその製造方法

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JP2001096885A JP27843399A JP27843399A JP2001096885A JP 2001096885 A JP2001096885 A JP 2001096885A JP 27843399 A JP27843399 A JP 27843399A JP 27843399 A JP27843399 A JP 27843399A JP 2001096885 A JP2001096885 A JP 2001096885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金箔を貼り付けると共に極彩色に描かれた絵
画の複製物として短い期間と安価な費用で、かつ、実物
に忠実に再現することができる印刷物およびその製造方
法を提供することにある。 【解決手段】 紙基材の一方の面に接着剤層を介して金
箔を貼着し、該金箔上に印刷絵柄層を形成したことを特
徴とする印刷物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金箔を貼り付けた
印刷物に関し、さらに詳しくは、襖や屏風、あるいは、
壁面や天井面等に描かれた日本絵画等の金箔を貼り付け
た絵画を複製した印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】襖や屏風、あるいは、壁面や天井面等に
金箔を貼り付けると共に極彩色に描かれた日本絵画等の
文化遺産は、温度や湿度、あるいは、太陽光等の自然界
の影響を長い年月受けると共に、大気汚染等の影響を受
けて老朽化が年々進むなかで、これを如何にして後世に
残していくか深刻な状況下にある。
【0003】そこで、老朽化した文化遺産の修復を進め
る一方、他方においては老朽化した実物を収蔵庫等に大
切に保管すると共に、老朽化した実物を複製物に置き換
えていく方向の動きが活発化してきている。
【0004】ところで、実物の複製物は、通常、現状
(現物)模写ないし再現模写が今までの主流であった
が、模写は一つ一つ手書きであるために製作日数が極端
に長く、また、製作費用も莫大であると共に、模写する
画家の解釈や主観が入った複製物となり、実物を描いた
作者が実物に込めた意図が表現できない場合がある。特
に、現状(現物)模写は、現在見られる箔足の微妙な汚
れや変色を忠実に再現することは極めて難しいという問
題がある。
【0005】また、模写による複製物は、地震、台風等
の自然災害や火災、人的毀損等の人的災害に対して無防
備であり、一度被害が発生すると実物から再度模写する
必要があり、上記で説明した模写の問題が再度発生す
る。また、この場合には、実物が収蔵庫等に大切に保管
されているとはいっても、老朽化は更に進んでおり、現
状(現物)模写ないし再現模写のいずれで模写をするに
しても最初の模写と比べて、さらに困難な模写となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題を解決するためになされたものであって、襖や屏
風、あるいは、壁面や天井面等に金箔を貼り付けると共
に極彩色に描かれた日本絵画等の絵画の複製物として、
模写に比べてより忠実に実物を表現すると共に模写に比
べて製作日数が短く、製作費用も安価な印刷物及びその
製造方法を提供することにある。さらには、災害等によ
り複製した印刷物が損傷あるいは消滅しても、再生が容
易な印刷物及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために研究を重ねた結果、請求項1記載の発明
の印刷物は、紙基材の一方の面に接着剤層を介して金箔
を貼着し、該金箔上に印刷絵柄層を形成したことを特徴
とするものである。
【0008】また、請求項2記載の発明の印刷物は、紙
基材の一方の面に、部分的に接着剤層を介して金箔を貼
着することにより金箔領域と非金箔領域とを形成し、少
なくとも前記非金箔領域に絵柄印刷層を形成したことを
特徴とするものである。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の印刷物において、前記金箔領域に絵柄印刷層が形成
されていることを特徴とするものである。
【0010】上記請求項1〜3記載の構成とすることに
より、現状の実物を忠実に再現した印刷物、あるいは、
実物が描かれた当時の状態を忠実に再現した印刷物とす
ることができる。
【0011】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載の印刷物において、前記接着剤層、
および、前記絵柄印刷層が紫外線硬化型樹脂からなる印
刷インキで形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の印刷物において、前記紫外線硬化型樹脂が紫外線硬
化型エポキシアクリレート樹脂であることを特徴とする
ものである。
【0013】上記請求項4、5記載の構成、取分け、請
求項5記載の構成とすることにより、紙基材と金箔とを
強固に接着することができる接着剤層とすることができ
ると共に、金箔や紙基材に対して接着性(密着性)に優
れ、また、耐磨耗性や耐擦傷性に優れた絵柄印刷層とす
ることができる。
【0014】また、請求項6記載の発明は、請求項1〜
5のいずれかに記載の印刷物において、前記接着剤層、
および、前記絵柄印刷層がオフセット印刷により形成さ
れていることを特徴とするものである。このように構成
することにより、10数色印刷しても見当精度の良い印刷
物とすることができる。
【0015】また、請求項7記載の発明は、請求項1、
2のいずれかに記載の印刷物において、前記紙基材が和
紙であることを特徴とするものである。このように構成
することにより、実物が和紙に描かれているものは、よ
り実物に忠実な印刷物とすることができる。
【0016】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の印刷物において、前記和紙が雁皮繊維と三椏繊維の
2種類で構成された繊維により抄紙されたものであるこ
とを特徴とするものである。このように構成することに
より、オフセット印刷により絵柄印刷層等を形成する場
合に湿し水による影響(和紙の伸縮)を受けにくい和紙
とすることができる。
【0017】また、請求項9記載の発明の印刷物の製造
方法は、台紙に紙基材を貼る工程と、紙基材に接着剤層
をオフセット印刷により形成する工程と、前記接着剤層
に金箔を貼る工程と、前記接着剤層に貼った金箔を完全
に密着させる工程と、前記接着剤層を紫外線を照射する
ことにより完全に硬化させる工程と、金箔表面に礬砂液
を塗布すると共に自然乾燥する工程と、絵柄印刷層をオ
フセット印刷により形成すると共に紫外線を照射して前
記絵柄印刷層を硬化させる工程とからなることを特徴と
するものである。
【0018】また、請求項10記載の発明は、請求項9記
載の印刷物の製造方法において、前記金箔表面に礬砂液
を塗布すると共に自然乾燥する工程と、前記絵柄印刷層
をオフセット印刷により形成すると共に紫外線を照射し
て前記絵柄印刷層を硬化させる工程との間に、礬砂液に
より生じた紙基材の反りを修正する工程を設けたことを
特徴とするものである。
【0019】上記請求項9、10記載の構成とすることに
より、実物の現状の状態あるいは実物が描かれた当時の
状態のいずれの状態についても実物に忠実な印刷物を製
造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、図面等を
用いて以下に詳述する。図1は本発明にかかる印刷物の
一実施例を示す正面図、図2は図1のI−I線の断面
図、図3は本発明にかかる印刷物の製造方法の説明図で
あり、図中の1は印刷物、2は紙基材、3,3’は金
箔、4,4’は絵柄印刷層、10は接着剤層、20は台紙、
30は耐熱耐紫外線テープ、40,41は印刷用台紙をそれぞ
れ示す。
【0021】図1は本発明にかかる印刷物の一実施例を
示す正面図、図2は図1のI−I線の断面図であって、
印刷物1は紙基材2からなり、図1の左側半面には接着
剤層10(図2参照)を介して金箔3が貼着されると共に
右側半面には接着剤層10(図2参照)を介して「F」の
形状に金箔3’が貼着されている。そして、金箔3、
3’を形成した以外の前記紙基材2上に絵柄印刷層4が
設けられる共に該絵柄印刷層4は前記金箔3、3’との
境界においては毛抜き状態で設けられている(通常、絵
柄印刷層4は花鳥風月などが極彩色で描かれている)。
さらに、左側半面の金箔3上に「A」の形状の絵柄印刷
層4’が設けられている。この絵柄印刷層4’は、
「A」の如き単色からなる文字や記号であってもよい
し、また、極彩色で花鳥風月などを描いたものであって
もよいし、また、長い年月の間に金箔に付着した汚れや
シミを表現したものであってもよい。
【0022】ところで、図1に示す印刷物1を得る印刷
方法としては、紙基材2に金箔3、3’を貼着するため
に設ける前記接着剤層10、あるいは、前記絵柄印刷層
4,4’など10数色を印刷見当を合わせ印刷する必要が
あり、印刷見当精度を考慮するとシルクスクリーン印刷
法ないしオフセット印刷法、あるいは、この両者の印刷
法を組み合わせた印刷法等を挙げることができるが、シ
ルクスクリーン印刷法はスクリーンメッシュを通して紙
基材2にインキを転移させるため、印刷表面にスクリー
ンメッシュの跡が残り、極彩色や古色の色調再現性に障
害となるという点で問題があり、また、シルクスクリー
ン印刷法とオフセット印刷法との組み合わせは、印刷見
当精度の点で問題があり、オフセット印刷法が適当であ
る。また、本発明の印刷物1をオフセット印刷法で印刷
する場合に用いるオフセット印刷版は、多色印刷する際
に生じるモアレやロゼット模様(通称で花目という)を
防止するために、FM(Frequency Modulation )ス
クリーンで網点を形成するのが好ましい。
【0023】また、前記紙基材2としては、印刷可能な
ものであれば洋紙、和紙いずれの紙でもよいのであって
特に制限はなく、実物を最も忠実に表現できる紙を適宜
選択して用いることができる。しかし、実物が和紙に描
かれた絵画であって、この絵画の複製物をオフセット印
刷法で作製する場合にあっては、オフセット印刷法で用
いる湿し水の影響をできる限り受け難い和紙(水による
伸縮の少ない和紙)を用いる必要があり、これに適合す
る和紙として雁皮繊維と三椏繊維との混合繊維により抄
紙されたものが適当である。特に、この雁皮繊維と三椏
繊維との混合比は雁皮繊維が50〜70重量%、三椏繊維が
50〜30重量%の範囲で抄紙された和紙が好ましく、なか
でも雁皮繊維が60重量%、三椏繊維が40重量%からなる
越前和紙の鳥の子特漉2号紙が特に好適である。また、
一般に、和紙には楮繊維もよく用いられるが、楮繊維は
繊維長さが長く湿し水による伸縮が激しいために本発明
の印刷物1に用いる和紙としては不適である。
【0024】また、前記接着剤層10を形成する印刷イン
キとしては、金箔3、3’を紙基材2に貼着するために
用いるものであり、具体的には砂子糊、布海苔、姫糊、
膠などが金箔3、3’を貼着するまでの間、適当な粘性
を一定時間保持することなどから一般的に用いられてい
るが、オフセット印刷法で印刷可能であることを考慮す
ると、紫外線硬化型樹脂(紫外線を照射することにより
硬化させるまでは未硬化の粘性を保持した状態が持続す
る)からなる印刷インキが上記要求に合致する点で好ま
しい。
【0025】中でも、前記接着剤層10を形成する印刷イ
ンキに用いる紫外線硬化型樹脂としては、金箔3、3’
との接着強度を従来の砂子糊、布海苔、姫糊、膠等の接
着剤より見劣りしないものとするためには、紫外線硬化
型エポキシアクリレート樹脂が好適である。紫外線硬化
型エポキシアクリレート樹脂とは、ポリエステルアクリ
レート系紫外線硬化型樹脂にエポキシアクリレート樹脂
(ビスフェノールAにエピクロルヒドリンを作用させて
得たエポキシ樹脂をアクリル変性した樹脂)を加えたも
のである。前記接着剤層10を形成する印刷インキとして
は、金箔3、3’を紙基材2に貼着するためのエポキシ
アクリレート樹脂の前記ポリエステルアクリレート系紫
外線硬化型樹脂に対する添加割合は15〜35重量%、より
好ましくは20〜30重量%である。添加割合が15重量%よ
り少ないと紙基材2へ樹脂が浸透して金箔3、3’を貼
り合わせるための粘着性が得られず、また、紫外線を照
射して樹脂を硬化させても金箔3、3’との接着強度を
得ることができない。また、添加割合が35重量%より多
いと疎水性を要求するオフセット用印刷インキとして不
適当となる(これは、オフセット印刷では「湿し水」を
使用するので水によりインキが乳化するのを嫌うためで
ある)。
【0026】前記接着剤層10を形成する前記紫外線硬化
型樹脂からなる印刷インキは、前記紫外線硬化型エポキ
シアクリレート樹脂の他に印刷適性を保持するために沈
降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム等のフィラーと光重
合開始剤、重合禁止剤、および、粘度調整用アクリレー
トモノマー成分からなるものであって、紫外線硬化型エ
ポキシアクリレート樹脂としては、たとえば、リポキシ
SP-1519M〔昭和高分子(株)製〕、エベクリル3700〔ダ
イセルUCB(株)製〕等を挙げることができる。この
ように構成した印刷インキで形成した前記接着剤層10を
紫外線を照射して硬化させることにより得られた金箔
3、3’の貼着部は剛性を備え、耐薬品性、耐熱性に優
れ、接着強度においても経時的(年単位)に低下するこ
とがないものとすることができる。
【0027】また、前記絵柄印刷層4,4’を形成する
紫外線硬化型樹脂からなる印刷インキとしては、前記接
着剤層10で説明した紫外線硬化型樹脂からなる印刷イン
キと同じものを用いることができる。
【0028】この絵柄印刷層4,4’を形成する印刷イ
ンキに用いる顔料としては、印刷物1が通常の一般家屋
の屋内に置かれた状態下で経時的(年単位)な変色や褪
色が極めて少ないものを用いる必要がある。これに適合
する顔料としては、高級有機顔料、および、無機顔料を
挙げることができる。高級有機顔料としては、たとえ
ば、黄系に用いる顔料としてイソインドリノン系、ベン
ズイミダゾロン系、スレン系、モノアゾ系、縮合アゾ系
等を挙げることができ、紅および赤系に用いる顔料とし
てキナクリドン系、モノアゾ系、縮合アゾ系、ペリレン
系等を挙げることができ、橙系顔料としてイソインドリ
ノン系、ベリノン系等を挙げることができ、青、藍およ
び緑系顔料としてフタロシアニン系等を挙げることがで
き、紫系顔料としてジオキサジン系、キナクリドン系等
を挙げることができる。また、無機顔料としては、たと
えば、黄系顔料として黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイ
エロー等を挙げることができ、赤系顔料として弁殻、カ
ドミウムレッド等を挙げることができ、青および紫系顔
料として群青、紺青、酸化クロム、コバルトブルー、コ
バルトグリーン、マンガンバイオレット等を挙げること
ができ、墨系顔料としてカーボンブラック、白系顔料と
して酸化チタンを挙げることができる。また、この他
に、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉、あるい
は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイ
ト、シリカ等の体質顔料を挙げることができる。なお、
前記接着剤層10を形成する紫外線硬化型樹脂からなる印
刷インキについても、必要に応じて上記顔料を添加して
も構わない。
【0029】以上のような紫外線硬化型樹脂からなる印
刷インキ、および、紫外線硬化型樹脂に顔料等を添加し
た印刷インキを用いて前記接着剤層10および前記絵柄印
刷層4,4’を形成した構成とすることにより、少なく
とも30年、より好ましくは50年間、通常の一般家屋の屋
内に置かれた状態下で接着強度が低下することなく、ま
た、変色や褪色が極めて少ない印刷物とすることができ
る。
【0030】次に、図1、図2に示す本発明の印刷物1
の製造方法について説明する。まず、紙基材2に金箔が
貼着されると共に絵筆と絵具を用いて極彩色に描かれた
実物(図示せず)を写真等により画像として取り込み、
取り込んだ画像をスキャナーで4色(キ、アカ、アイ、
スミ)に色分解して基準版を作製すると共に色分解した
4色の基準版で表現できない色を特色として必要な色数
だけ特色版を作製すると共に、金箔を貼着するための接
着剤層10を形成する接着剤版と接着剤層10の位置を示す
アタリ罫線版を作製しておく。
【0031】次に、少なくとも二辺が直交する(オフセ
ット印刷時に一辺が咬側、他の一辺が針側となる)台紙
20〔三菱製紙(株)製:N−パールDX(290g/m
2 )〕上に紙基材2を載置すると共に前記台紙の一辺側
(オフセット印刷時の咬側)で紙基材2を耐熱耐紫外線
テープ30でテープ止めして固定した図3(a)に示すよ
うな印刷用台紙40を作製する。この印刷用台紙40を用い
て、まず紙基材2に紫外線硬化型樹脂からなる印刷イン
キで金箔を貼着するための位置を示すグレー色のアタリ
罫線印刷(図示せず)を前記アタリ罫線版で印刷すると
共に、前記アタリ罫線印刷(図示せず)と見当を合わせ
て金箔を貼着するための接着剤層10(図示せず)を紫外
線硬化型エポキシアクリレート樹脂に黄色顔料と赤色顔
料で略金色に着色した紫外線硬化型樹脂からなる印刷イ
ンキで前記接着剤版を用いて印刷し、前記接着剤層10
(図示せず)上に金箔を貼り付けると共にバレンで押さ
えて後に金箔の重なり部分あるいは不要な部分を除去
し、その後金箔面に上記台紙のような厚紙を当てて加圧
することにより金箔を完全に密着させ、厚紙を除去して
から前記印刷用台紙に紫外線を照射して前記紫外線硬化
型樹脂からなる印刷インキを完全に硬化させて、図3
(b)に示す金箔3、3’が紙基材2に貼着された印刷
用台紙41を得る。その後、金箔面に礬砂(どうさ)液を
塗布すると共に自然乾燥して金箔の剥離防止を行い、そ
の後上記した基準版および特色版で前記金箔3上と前記
紙基材2の非金箔面とに「A」という形状の絵柄印刷層
4’(図1参照)と絵柄印刷層4(図1参照)とを紫外
線硬化型樹脂からなる印刷インキで印刷すると共に、紫
外線を照射して前記絵柄印刷層4,4’(図1参照)を
完全に硬化させて後に、紙基材2を台紙30から取り外
し、四辺をトリミング〔図3(b)に示す一点鎖線でト
リミング〕して図1に示す本発明の印刷物1を得る。
【0032】ところで、前記紙基材2として和紙、たと
えば、鳥の子特漉2号紙を用いた場合に、金箔面に礬砂
(どうさ)液を塗布して自然乾燥すると鳥の子特漉2号
紙に反りが生じる。この場合は、反りを取り除く(フラ
ットにする)手段を施す必要がある。この手段として
は、たとえば、鳥の子特漉2号紙に水分を均一に与えて
平面が平滑な金属板で挟んで加圧することにより反りを
取り除くことができる。さらに、和紙、たとえば、鳥の
子特漉2号紙を用いた場合、複製した印刷物の風合いを
実物通りに表現するために、和紙の繊維が毛羽立った裏
面を印刷面とすることが望ましい。
【0033】なお、上記説明において、「F」の形状に
設けた金箔3’は、金箔に替えて金粉を振りかけて形成
することもできる。また、必要に応じて、金箔が酸化し
金色の褪色を防止する目的で、また、耐磨耗性や耐擦傷
性を向上指せる目的で、あるいは、絵柄印刷層4、4’
の艶を消す(マット調とする)目的でOPニス等により
保護層(図示せず)を絵柄印刷層4、4’上ないし全面
に設けても構わない。
【0034】
【発明の効果】本発明の印刷物は、今まで縷々説明して
きたように、襖や屏風、あるいは、壁面や天井面等に金
箔を貼り付けると共に極彩色に描かれた日本絵画等の絵
画の複製物として、模写に比べてより忠実に実物を表現
した印刷物とすることができる。また、本印刷物を製造
する過程において、実物の画像情報をデジタルデータと
して取り込むために、災害等により複製した印刷物が損
傷あるいは消滅しても、容易に再生することができる。
さらに、本発明の製造方法を採ることにより、模写に比
べて製作日数が短く、製作費用も安価なものとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる印刷物の一実施例を示す正面
図である。
【図2】 図1のI−I線の断面図である。
【図3】 本発明にかかる印刷物の製造方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 印刷物 2 紙基材 3,3’ 金箔 4,4’ 絵柄印刷層 10 接着剤層 20 台紙 30 耐熱耐紫外線テープ 40,41 印刷用台紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊原 美加 大阪市東成区玉津三丁目12番32号 株式会 社ディー・エヌ・ピー・メディアクリエイ ト関西 (72)発明者 佐々木 章雄 横浜市緑区青砥町450番地 ザ・インクテ ック株式会社内 Fターム(参考) 2H113 AA03 AA04 AA06 BA05 BA47 BB03 BB17 BB22 BB32 CA00 DA04 DA41 FA04 FA16 FA43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材の一方の面に接着剤層を介して金
    箔を貼着し、該金箔上に印刷絵柄層を形成したことを特
    徴とする印刷物。
  2. 【請求項2】 紙基材の一方の面に、部分的に接着剤層
    を介して金箔を貼着することにより金箔領域と非金箔領
    域とを形成し、少なくとも前記非金箔領域に絵柄印刷層
    を形成したことを特徴とする印刷物。
  3. 【請求項3】 前記金箔領域に絵柄印刷層が形成されて
    いることを特徴とする請求項2記載の印刷物。
  4. 【請求項4】 前記接着剤層、および、前記絵柄印刷層
    が紫外線硬化型樹脂からなる印刷インキで形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印
    刷物。
  5. 【請求項5】 前記紫外線硬化型樹脂が紫外線硬化型エ
    ポキシアクリレート樹脂であることを特徴とする請求項
    4記載の印刷物。
  6. 【請求項6】 前記接着剤層、および、前記絵柄印刷層
    がオフセット印刷により形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の印刷物。
  7. 【請求項7】 前記紙基材が和紙であることを特徴とす
    る請求項1、2のいずれかに記載の印刷物。
  8. 【請求項8】 前記和紙が雁皮繊維と三椏繊維の2種類
    で構成された繊維により抄紙されたものであることを特
    徴とする請求項7記載の印刷物。
  9. 【請求項9】 台紙に紙基材を貼る工程と、紙基材に接
    着剤層をオフセット印刷により形成する工程と、前記接
    着剤層に金箔を貼る工程と、前記接着剤層に貼った金箔
    を完全に密着させる工程と、前記接着剤層を紫外線を照
    射することにより完全に硬化させる工程と、金箔表面に
    礬砂液を塗布すると共に自然乾燥する工程と、絵柄印刷
    層をオフセット印刷により形成すると共に紫外線を照射
    して前記絵柄印刷層を硬化させる工程とからなることを
    特徴とする印刷物の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項9記載の印刷物の製造方法に
    おいて、前記金箔表面に礬砂液を塗布すると共に自然乾
    燥する工程と、前記絵柄印刷層をオフセット印刷により
    形成すると共に紫外線を照射して前記絵柄印刷層を硬化
    させる工程との間に、礬砂液により生じた紙基材の反り
    を修正する工程を設けたことを特徴とする印刷物の製造
    方法。
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