JPH0127027B2 - - Google Patents

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JPH0127027B2
JPH0127027B2 JP61296289A JP29628986A JPH0127027B2 JP H0127027 B2 JPH0127027 B2 JP H0127027B2 JP 61296289 A JP61296289 A JP 61296289A JP 29628986 A JP29628986 A JP 29628986A JP H0127027 B2 JPH0127027 B2 JP H0127027B2
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plate
ceramic plate
photographic
ceramic
color
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JP61296289A
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Hiromichi Murota
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Inax Corp
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Publication date
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Publication of JPH0127027B2 publication Critical patent/JPH0127027B2/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、陶板や磁器板、ガラス板、セラミツ
ク板等のような陶磁器板の表面に写真を絵付用顔
料の焼結(ガラス化)により表出形成した写真陶
磁器板の製造方法に関するものである。
[背景技術] 一般の印画紙焼付けによるカラー写真は、予め
印画紙上に形成された三層の感光剤層を夫々の感
光剤層に対応して色分解された写真原板を介して
露光して潜像を形成し、これを現像液中で現像
し、しかる後に現像を停止し定着液により脱銀す
るという方法が採用されているが、このような一
般の印画紙焼付けによる写真の場合、発色成分が
元来感光剤と結合されていて感光性を有するた
め、及び印画紙の製造工程上使用できる発色剤そ
のものに限界があり経年的に酸化していくため、
時間が経過するとともにどうしてもその発色状態
が変化するという問題、即ち「色あせ」が生じる
という問題があり、何年もの長期に亘つて同一色
調を保持することが不可能である問題があつた
他、基材が紙であるため、長期的な保存展示に耐
え得ないという問題があつた。
また陶板乃至磁器板のような陶磁器板に写真を
表出する方法としては、陶磁器板等の表面に通常
の(又は印画紙そのものを極薄とした)印画紙焼
付けによる写真を貼着し、この表面を紫外線によ
り硬化するタイプの合成樹脂によりラミネート
し、写真の保護を施すという方法が採用されてい
るが、この場合上記の「印画紙焼付けによる写
真」の問題点をそのまま有し、単に印画紙の基材
が陶磁器板等になつたという珍奇さを有するだけ
で、前記問題点の解決にはなつていなかつた。
次にスクリーン印刷により、あるいはスクリー
ン印刷又はその他の印刷技術で印刷した転写紙を
陶磁器板に転写する転写の技術を使用し、このと
き絵付用顔料を主体としたインクを使用すること
により、陶磁器板等の表面に写真又は絵柄を形成
し、これを焼結(ガラス化)する方法が従来より
各種提案されている。これら従来方法の場合、陶
磁器板表面に絵付用顔料を焼結(ガラス化)する
から、その写真乃至絵柄の発色は半永久的であ
り、また基材も陶磁器板であるから、長期的な保
存展示に耐得ることになり、前記の「印画紙焼付
けによる写真」の問題は解決されているが、たと
えばスクリーン印刷の方法を採用したものは、絵
付用顔料を主体としたインクによりスクリーンの
網目を通して印刷を行なうから、絵付用顔料によ
り網目の目詰りを生じるため写真又は絵柄につい
て高度の網点分解を行なうこと、即ちスクリーン
の網目を充分小さくすることができない問題があ
り、またグラビア印刷等の方法を採用したような
場合には、細かな点や線に上記の絵付用顔料を含
むインクが乗つてこないことから、やはり高度の
網点分解を行なうことができない問題があり、結
局絵柄のような単純なものについては充分実用化
できるとしても、写真のような高度の分解能を要
するようなものに、この方法を適用することには
無理があり、さらに、以下に述べるような問題を
有する。即ち、これら印刷の手法を利用したもの
においては、絵付用顔料を溶媒に分散して形成し
た印刷用のインクを使用する必要があることか
ら、印刷層の厚さをある程度以下に薄くすること
が不可能であるとともに絵付用顔料を溶媒に分散
して形成したインク自体が不透明になり、各印刷
層が不透明なものとして形成され、色のかけ合わ
せが困難で、所要の色調を得るためには版数を多
くしなければならず、しかも版数を多くすると、
各色版における印刷層のインクの溶剤が相互に影
響し、特に高度の網点分解を行つた場合において
スクリーンの目ずまりを防止する目的で溶剤の割
合を多くしたような場合、かかる問題点が顕著に
なるものである。しかもかかる印刷の手法による
ものは、印刷層が盛り上つた状態で形成されるこ
とから写真として自然な外観を得ることができな
い問題があり、また、スクリーン印刷あるいは印
刷物の転写の方法を採用しているため、製造工程
並びにそのための装置が大規模であり、同一の写
真、絵柄を多数の陶磁器板に表出する場合、即ち
大量生産にはまだ適するとしても、単品又は少量
の生産には不向きで、この場合さらにコスト上昇
を生じる問題がある。
さらに、陶磁器板への絵付け方法としては、特
開昭51−109915号公報に示された従来技術がある
が、これは「陶磁器板表面に放射線によつて粉体
に対する付着性の変化する物質を塗布し、放射線
によつて付着性のパターンを形成して顔料などの
粉体を付着し、これを焼成することにより粉体画
像を陶磁器に焼結する」ものであり、陶磁器への
絵付けに際しその一部に写真技術を利用すること
が開示されているものの、一般の絵付けの技術で
は全く考慮されることが無く、しかも写真技術で
は最も重要である、中間的色調・明度の再現に関
する技術の開示が無く、この従来技術では陶磁器
板に写真を表出出来ないものである。しかして、
かかる従来技術においては、放射線によつて粉体
に対する付着性の変化する物質(以下「変化物
質」という)を、陶磁器表面に塗布するものであ
るから、本発明のフオトポリマー層に相当する
「変化物質」層が粉体の直径に比べて相当厚くな
り、このため、仮に網点分解した写真原板を用い
ることを考えたとしても、実際上はそのような写
真原板を用いて付着性のパターンを形成すること
が出来ず、「写真」のような精密な画像を描くこ
とが不可能である。即ち、粉体に対する付着性は
その表面が半流動性を持つたとき生じるから、あ
る物質が付着性を有するとは、その物質が半流動
性を有することを意味する。このため、この従来
技術のように、「塗布」の技術で陶磁器表面に厚
い「変化物質」層を形成した場合、この「変化物
質」層内に粉体が沈み込み、「変化物質」層内で
粉体が分散し、あるいはこの層内で何層にも粉体
が重なり、しかもその表面でも粉体が何層にも重
なつて付着し、このため輪郭のにじみなども生
じ、精密な画像を描くことが殆ど不可能であり、
網点分解を施した写真原板を用いることそのもの
が考えられなくなるものであつて、しかも、この
ように所要の網点精度が得られないことは、中間
的色調や中間的明度を得られないことも意味し、
白黒写真やカラー写真が出来ないだけでなく、全
ての色についてそれぞれに何度も絵付けの工程を
行なう必要があり、簡単な絵柄の絵付けのほかは
実際上実用に耐え得ないものである。
[発明の目的] 本発明は長期に亘る保存展示を可能にする基材
として陶磁器板を使用した「写真」であつて、こ
れに、網点分解を行なう点では各種の印刷手法と
同様の方式を採用したものでありながら、写真原
板のフイルムが許す限りでこの分解に際する網点
を小さくできて鮮明度を向上でき、通常の印画紙
焼付けのものと同等程度の鮮明度及び色調を有
し、しかも褪色のおそれがなくて長期間同一の色
調を保持するカラーの写真を表出でき、製造方法
が容易で安価化が可能な写真陶磁器板の製造方法
を提供することを目的とするものである。
[発明の開示] 実施例 1 第1図乃至第4図は本発明の第1の実施例を示
すものであつて、本発明の写真陶磁器板の製造方
法は、まず、互いに色彩が異なる複数種の絵付用
顔料を用意するとともにこれら絵付用顔料の色彩
に対応しネガまたはポジの網点分解を施した複数
枚の写真原板を形成し、しかる後に、クロマリン
フイルム(デユポン社:商品名)のような感光部
又は非感光部が粘着性を有するようになる極薄フ
イルム状のフオトポリマー層2を、陶板や磁器
板、ガラス板、セラミツク板等のような陶磁器板
1の表面にラミネートする第1の工程と、このフ
オトポリマー層2が形成された陶磁器板1上にネ
ガ又はポジの前記の写真原板の第1の写真原板3
を密着してセツトして露光する第2の工程と、こ
の露光により所要の部分が粘着化したフオトポリ
マー層上に上記第1の写真原板3に対応した色調
を有する粉状の絵付用顔料4を散粉付着する第3
の工程と、この陶磁器板1を焼窯により徐々に加
熱して焼成し上記フオトポリマー層2のフオトポ
リマーを蒸発又は焼却により除去するとともに絵
付用顔料4を陶磁器板1表面に焼結する第4の工
程とを、前述の絵付用顔料及び写真原板の組合せ
数だけ繰返すことによりカラー写真のような中間
調を有する色付きの絵柄を陶磁器板1表面に焼結
形成するものである。即ち第1の色版について上
記第1乃至第4の工程を行つて後、同様の工程を
第2以降の色版についても行い、所要の完成品を
得るのである。
ここで陶磁器板1は、陶板又は磁器板あるいは
セラミツク板やガラス板等であつて、陶板又は磁
器板等の場合素焼のものを使用しても、タイルの
ように表面に釉薬を施したものを使用しても良い
が、特にセラミツク板を使用した場合、この板材
そのものの厚みが薄いものを使用できまた平坦性
も良い利点を有する他、焼窯からを取り出す際に
かなり高温の状態でもひび割れ等を生じることな
く取り出しができ、とりわけ急速冷却を行うとき
発色の良い顔料を使用した場合に有用でかつ生産
性を向上する利点を有する。
以下の実施例は、陶磁器板1としてセラミツク
板を使用する場合について、第1乃至題4の工程
について説明するものであり、これらの第1乃至
第4の工程は各色版に共通する。
まず第1の工程について説明する。陶磁器板
1、例えばセラミツク板に、感光部又は非感光部
が粘着性を有するようになるフオトポリマーによ
る極薄いフイルム状のフオトポリマー層2をラミ
ネートするが、このとき第1図aに示すようなフ
イルム体6[例えば、デユポン社のクロマリンフ
イルム=商品名]を用意し、同図bに示すような
ラミネート装置5により陶磁器板1表面にフイル
ム体6のフオトポリマー層2とポリエステルフイ
ルム層7とがフオトポリマー層2を陶磁器板1表
面側として貼着され、陶磁器板1表面へのラミネ
ートが行なわれる。このときフイルム体6下面
の、剥離紙として設けられていたポリプロピレン
層8はラミネート装置5内で巻き取りローラー1
1に巻き取られ、このポリプロピレン層8が剥離
されたフオトポリマー層2の下面が陶磁器板1表
面に貼着され、陶磁器板1表面へのフオトポリマ
ー層2のラミネートが行なわれる。ここでポリエ
ステルフイルム層7は保護用である。また上記フ
オトポリマー層2について、感光部が粘着性を有
するようになるタイプのものを使用するか、ある
いは非感光部が粘着性を有するようになるタイプ
のものを使用するかは、第2の工程における写真
原板3がネガタイプのものかポジタイプのものか
で決定される。ここで前記のラミネート装置5
は、第1図bに示すような構成を有し、ロールフ
イルム17から供給されるフイルム体6のうち、
ポリプロピレン層8はガイドローラー12,13
で案内されて巻き取りローラー11に巻き取ら
れ、残つたフオトポリマー層2及びポリエステル
フイルム層7はガイドローラー14に案内されて
陶磁器板1上に添設され、熱ローラー15及び圧
ローラー16の間で熱圧接されることにより、陶
磁器板1表面へのラミネートが行なわれる。
次に第2の工程においては、表面にフオトポリ
マー層2及びポリエステルフイルム層7がラミネ
ートされた陶磁器板1の表面に、したがつてポリ
エステルフイルム層7の上に各色版の写真原板3
を位置合せして密着配設し、第2図aに示すよう
な真空焼枠装置9を用いて同図bのように紫外線
の照射を行なう。また、写真原板3をネガタイプ
のものにするかポジタイプのものにするかは、前
述のようにフオトポリマー層2がどのタイプか、
により選択されるものであり、第2図bはその後
者を用いた例を示し、写真原板3の暗部が同図中
の太線ハツチング部分3aとしたとき、同図中の
矢印方向に紫外線の照射を行なうことにより、フ
オトポリマー層2のクロスハツチング部分2aの
みが粘着性を有するようになる。またこの写真原
板3は、色分解を行うに際して同時に網かけを行
つて露光処理をし、網点分解が行われているもの
を使用するものであり、この網点分解に際するメ
ツシユは絵付け用顔料の粉体粒子径を充分小さく
しているならば、写真原板の性能が許す限り高度
な網点分解を行なうことが可能である。
このようにして第2の工程の紫外線露光が終了
した後、第3の工程において上記第1の写真原板
3に対応する色調の絵付用顔料4を散粉付着す
る。即ち、第2の工程を終了した陶磁器板1の表
面からポリエステルフイルム層7を剥離し、フオ
トポリマー層2を露出した後、適宜のアプリケー
タ25に絵付用顔料4を付け、軽く散粉付着し、
露光(又は非露光)により粘着性をおびた部分に
絵付用顔料4を付着せしめ、余分の絵付用顔料4
は軽く拭き取り除去する。ここで、一般に絵付用
顔料4には下絵用と上絵用との2種があり、タイ
ルのように既に表面に釉薬が焼結された陶磁器板
1を使用している場合、絵付用顔料4としては上
絵用を使用する必要があるが、セラミツク板を使
用したこの実施例の場合、下絵用のものを使用す
ることが一般的で、もちろん上絵用のものを使用
しても良い。さらに、絵付用顔料4としては可能
な限り微細な粉末を使用することにより、仕上り
をより良好なものとでき、本発明においては、絵
付用顔料4を散粉付着するに際してその付着層の
厚さをほぼ絵付用顔料4の粉末粒子の直径程度に
まで薄くする、即ち粉末粒子が一層に並ぶ程度に
まで薄くすることができた点に特徴の一つを有し
ている。
かくて第3の工程が終了すると、これを第4の
工程において焼窯により焼成し、絵付用顔料4を
陶磁器板1表面に焼結するが、ここで第4の工程
における焼成は、従来より周知の陶芸用その他の
焼窯で行なわれ、このとき焼窯内の温度を徐々に
上昇させ、絵付用顔料4の付着面にひび割れや破
裂穴(フオトポリマー層2が蒸発する際の)を生
じることなく、フオトポリマー層2が燃焼や蒸発
により除去されるようにする。もちろん、特別の
効果を得る目的で上記絵付用顔料4の付着面にひ
び割れや破裂穴を生じさせるべく急速な加熱を行
つても良いことは言うまでもない。また焼窯内の
温度は絵付用顔料4が上絵用の場合、摂氏700度
乃至850度程度まで上昇され、絵付用顔料4が下
絵用の場合はこれよりさらに高い摂氏110度乃至
1300度程度の温度を使用する。かくて所要時間だ
け焼窯内で焼成されることにより、フオトポリマ
ー層2は完全に除去されて第4図のように絵付用
顔料4のみが陶磁器板1表面に焼結され、この
後、例えば焼窯内でこの陶磁器板1を徐々に又は
急速に冷却し半完成品26とし、この色版での工
程を終了する。なお、この実施例の場合、陶磁器
板1としてセラミツク板を使用しているため、
徐々に冷却を行わなくてもひび割れをおこすこと
がなく、まだ真赤に灼熱している状態で焼窯から
取り出すことも可能である。
かくて、第4の工程が終了すると、一定程度ま
で上記半完成品26たる陶磁器板1が冷却される
のを待ち、残る第2以降の色版について、上記第
1乃至題4の工程を行う。即ち、カラー写真が
藍、赤、黄、墨の4つの色版で構成されるとし
て、まず例えば第1の色版として黄版の、第2の
色版として赤版の、第3の色版として藍版の、第
4の色版として墨版の写真原板3を夫々用意し、
まず第1の色版において、第1の工程の後第2の
工程で黄版の写真原板3による露光を行ない、第
3の工程で黄色の絵付用顔料4による散粉付着を
行なつた後、第4の工程での焼成を行なう。次に
この陶磁器板1が充分冷却されて後、第2の色版
として、第1の工程の後、第2の工程で赤版の写
真原板3による露光を行ない、第3の工程で赤色
の絵付用顔料4による散粉付着を行なつた後第4
の工程での焼成を行なう。以下同様に第3、第4
の色版について上記の作業を繰返し、カラーによ
る完成品を得るものである。なお、色版の数は青
系、赤系、黄系、墨系の4枚を原則とするが、特
別にこれより多くしたり少なくしたりして格別な
色調のものを作つても良い。またカラー写真の表
出を行なう別の方法としては、上記の第1乃至第
3の工程を色版の数だけ繰返した後、これを第4
の工程で焼成するようにしても良いが、この場合
予めフオトポリマー層2に多数の微細穴を分散形
成しておくことにより、焼結時におけるフオトポ
リマー層2等の破裂やひび割れを防止することが
できる。
実施例 2 次に表面に釉薬を施していない素焼の陶板を陶
磁器板1としてその表面に写真を表出する実施例
2について説明する。ここでフオトポリマー層2
は前記実施例1の場合と同様に陶磁器板1表面に
ラミネートされる。かくてこの実施例2は、前記
実施例1と同様に、カラー写真が藍、赤、黄、墨
の4つの色版で構成されているとすると、これら
の各色版について、以下の第1乃至第4の工程を
行う。まず第1の工程において、前記実施例1と
同様に、陶磁器板1の表面にフオトポリマー層2
をラミネートする。次に、第6図に示すような拡
大・縮小操作可能な露光装置18を使用してこれ
に写真原板3をセツトし、紫外線光源19から上
記写真原板3を介して光をレンズ20により上記
フオトポリマー層2の表面に結像させた光画像に
よりフオトポリマー層2への露光を行う。なお、
この実施例2において、実施例1の場合と同様に
密着焼付の方法で露光を行つても良く、このとき
必要により陶磁器板1表面のフオトポリマー層2
に写真原板3が接着されるのを防止するための透
明薄板を上記フオトポリマー層2上に展設し、こ
の透明薄板を介して前記実施例1の場合と同様に
紫外線による露光を行う。この後、第3の工程は
実施例1と略同様に行なわれ、絵付用顔料4とし
て下絵用を使用する点においてのみ相違する。
この後、第4の工程において、この陶磁器板1
を焼窯で焼成するものであり、このときの焼窯内
の温度は、下絵用の絵付用顔料4を使用している
ことから、1100度C乃至1300度C程度に設定さ
れ、焼窯内の温度の上昇を徐々に行なう点は実施
例1と同様であるが、この実施例2の場合、素焼
の陶板を使用しているため、冷却に際してはこれ
を徐々に行うことが板材の割れを生じさせないた
めの必須の要件となる。この実施例2の場合この
ままの状態、即ち、各色版に対応した下絵用の絵
付用顔料4を焼結し重ね合わせた状態でこれを完
成品26としても良いが、以下のような工程によ
り、下絵用の絵付用顔料4の多重焼結層の上にさ
らに第6図に示すような保護層27を形成しても
良い。この場合、上記のようにして第4の工程を
終了して後、第5の工程として、絵付用顔料4の
焼結層の上及び陶磁器板1の表面に釉薬を塗布し
て保護層を形成する工程を設け、第4の工程で一
旦下絵用の絵付用顔料4の焼結を行なつて状態
で、上記の第5の工程を施し、これを焼窯により
摂氏700度乃至800度程度で焼成する。
[発明の効果] 本発明は、感光部又は非感光部が粘着性を有す
るようになるフオトポリマー層を陶板や磁器板、
ガラス板、セラミツク板等のような陶磁器板の表
面にラミネートする工程と、このフオトポリマー
層表面にネガ又はポジの網点分解を施した写真原
板による光画像を形成して露光する工程と、この
露光により粘着化したフオトポリマー層上に所要
の色調を有する粉状の絵付用顔料を散粉付着する
工程と、この陶磁器板を焼窯により焼成し、上記
フオトポリマー層のフオトポリマーを焼却又は蒸
発により除去するとともに絵付用顔料を陶磁器板
表面に焼結する工程とを具備するものであるか
ら、写真を表出する基材として陶磁器板を使用し
ているため、基材そのものを壁面その他の固定物
に直接嵌め込むことにより展示に供することがで
きる等、長期に亘る保存展示を可能にする効果を
有するとともに、陶磁器板の表面への写真の表出
に際し、絵付用顔料を陶磁器板表面に焼結してい
るため、発色剤そのものが感光剤である場合のよ
うな問題がなくなるだけでなく、絵付用顔料が焼
結によりガラス化されることによりその後の酸化
のおそれがなく、長期に亘る保存の間に褪色を生
じず、半永久的に初期の鮮明な色調を保つことが
できる効果を有するものであり、また陶磁器板を
焼成する工程においてフオトポリマー層は蒸発ま
たは焼却により陶磁器板の表面から除去されるた
め、フオトポリマー層が陶磁器板表面に残存して
写真陶磁器板における表出写真の保存性を害する
ようなことがなく、この点からも保存性が良好で
ある効果を有する。さらに全ての工程そのものが
非常に単純で熟練を要することなく誰にでも作業
できるため、生産性が良く、単品あるいは少量の
生産の場合でも比較的安価に製造できるようにな
る効果を有する。さらに写真原板によりフオトポ
リマー層の表面に光画像を形成して露光するだけ
でいわゆる印刷の方法を採用していないから、写
真原板の作成に際しての網点分解をフイルムが許
す限り細かくでき、鮮明度がきわめて高い写真の
表出が可能になるとともに機械設備も簡単なもの
となる効果を有する。しかも本発明においては、
極薄いフイルム状のフオトポリマー層を陶磁器板
の表面にラミネートし、このフオトポリマー層に
露光して絵付用顔料を散粉付着するようにしたも
のであるから、陶磁器板の表面にラミネートされ
るフオトポリマー層を非常に薄いものとすること
が出来、このため露光により粘着性を有するよう
になつた部分に絵付用顔料を散粉付着する場合に
おいても、この絵付用顔料の粉体がフオトポリマ
ー層内に沈みむなどして分散したり何層にも絵付
用顔料の粉体が付着するようなことが無く、前記
のように写真原板の作成に際しての網点分解をフ
イルムが許す限り細かくしたとしても正確にそれ
を再現できる効果を有し、しかも、このように網
点分解した写真原板を用いて陶磁器板に直接写真
の表出(絵付け)を行なうから、従来からの絵付
けの技術分野で全く期待されていない、絵付用顔
料に対し中間的な色調や明度の再現が容易に出来
る効果を有する。このため、カラー写真のような
色彩を有する図柄の表出を行なうに際し、上記の
単純な工程を繰返すだけで誰にでも鮮明で褪色の
ないカラー写真のような色彩を有する図柄の表出
を容易に行なうことができ、特にカラー写真の表
出を行う場合において、本発明は、このように網
点分解した写真原板を用いて陶磁器板に直接写真
の表出(絵付け)を行なうから、従来からの絵付
けの技術分野では全く期待されていない、絵付け
用顔料に対し中間的な色調や明度の再現が容易に
出来、それ故に、元来不透明で重ね合わせによる
混色が不可能な絵付用顔料を用いながら、中間調
の再現も容易でオリジナルと異なることの無い写
真の表出が可能になる効果を有し、しかも、陶磁
器板の表面に焼結される絵付用顔料の層の厚さを
極限まで薄くできたため、絵付用顔料の層が透明
性を保持し、色のかけ合わせを行うことさえもが
できて、多様な色彩を容易に表出でき、このた
め、色版の数が少なくても微妙な色彩をも表現で
き、再現性の良いカラー写真の表出ができてかつ
多数の色版を必要としないため安価であり、多様
な用途に実用化し得る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは夫々本発明一実施例で使用する
フイルム体の要部拡大斜視図及び第1の工程にお
けるラミネート装置による陶磁器板へのラミネー
ト工程の概略図、第2図a,bは夫々同上の第2
の工程における真空焼枠装置上の写真原板を位置
合せして密着配置した陶磁器板の状態を示す拡大
断面図及び紫外線露光の状態を示す要部拡大断面
図、第3図は同上の第3の工程におけるフオトポ
リマー層表面への絵付用顔料の散粉付着の状況を
示す要部拡大断面図、第4図は同上の実施例1に
よる完成品たる写真陶磁器板の要部拡大断面図、
第5図は同上の実施例2による完成品たる写真陶
磁器板の要部拡大断面図、第6図は同上実施例2
に使用する露光装置の縮小正面図であり、1は陶
磁器板、2はフオトポリマー層、3は写真原板、
4は絵付用顔料である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 互いに色彩が異なる複数種の絵付用顔料を用
    意するとともにこれら絵付用顔料の色彩に対応し
    ネガ又はポジの網点分解を施した複数枚の写真原
    板を形成し、感光部又は非感光部が粘着性を有す
    るようになる極薄フイルム状のフオトポリマー層
    を、陶板や磁器板、ガラス板、セラミツク板等の
    ような陶磁器板の表面にラミネートする工程と、
    このフオトポリマー層表面に前記写真原板の第1
    の写真原板による光画像を形成して露光する工程
    と、この露光により粘着化したフオトポリマー層
    上に上記第1の写真原板に対応した色調を有する
    粉状の絵付用顔料を散粉付着する工程と、この陶
    磁器板を焼窯により焼成し上記フオトポリマー層
    のフオトポリマーを蒸発又は焼却により除去する
    とともに絵付用顔料を陶磁器板表面に焼結する工
    程とを、絵付用顔料及び写真原板の組合せ数だけ
    繰返すことによりカラー写真のような中間調を有
    する絵柄を陶磁器板表面に焼結形成することを特
    徴とする写真陶磁器板の製造方法。 2 写真を色分解してすくなくとも黄、赤、藍、
    及び墨の4枚の網点分解された写真原板を形成す
    るとともにこれらの写真原板の各色に対応する絵
    付用顔料を用意し、これによりカラー写真を形成
    するようにして成る特許請求の範囲第1項記載の
    写真陶磁器板の製造方法。 3 陶磁器板を焼窯により焼成するに際して加熱
    を徐々に行うようにし、フオトポリマーの蒸発又
    は焼却による除去が焼結されつつある絵付用顔料
    の層に悪影響を与えることがないようにしたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の写真陶
    磁器板の製造方法。
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