JP3613286B2 - 表示盤およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、基板上に有色の画像層を形成する表示盤およびその製造方法に関するものであり、例えば自動車等のメータ表示盤およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等のメータ表示盤は、熱や振動等の使用環境の過酷さに耐える画像耐久性が必要であるとともに、近年増加している透過色メータ等の表示盤として表示盤裏面から点灯しても光源を視認させない画像隠蔽性を有する印刷が必要である点等から印刷インキ厚が厚くできるスクリーン印刷にて製造される例がほとんどであった。
【0003】
しかし、スクリーン印刷では網線密度が最大80線/inch程度であるため、画像の解像性、即ち微細な画像は形成不可能であるので、一般の雑誌またはポスター等に用いられる網線密度が200線/inch程度可能なオフセット印刷またはグラビア印刷によるカラー印刷のようなフルカラー連続階調印刷は困難であった。一方、オフセット印刷またはグラビア印刷等では、印刷インキ厚が薄いため、スクリーン印刷の特徴である褪色性を含めた画像耐久性および画像隠蔽性に欠け、使用環境の過酷な自動車用メータ表示盤に適用することは難しい。
【0004】
自動車の高級化、多様化、区別化の流れの中、自動車用メータ表示盤も機能面だけでなく外観を重視する傾向にあり、自由に形状および色彩等をデザインする要求が高まる中、スクリーン印刷だけではこのような要求に応えられなくなっている。そこで、画像解像度を必要としない基本的な印刷パターンをスクリーン印刷で行い、画像解像度を必要とする印刷パターンはオフセット印刷またはグラビア印刷で行う方法が考えられる。しかし、スクリーン印刷による印刷パターンはインク厚によるパターン段差が大きくなり易く、オフセット印刷またはグラビア印刷のインク厚はこのパターン段差よりも小さくなるため印刷ができない。
【0005】
このような問題点を解決するため、透明剥離層と単色の網点よりなる4色の画像層とを交互に積層することによりスクリーン印刷程度の画像隠蔽力および耐久性とオフセット印刷程度の解像力とを兼ね備えた表示盤が知られている。また、特開平2−210219号公報、特開平4−313024号公報に開示されているものが知られている。
【0006】
特開平2−210219号公報に示されているものでは、基体上に有色の光重合性樹脂組成物を形成し、この光重合性樹脂組成物の所定の部位を露光し、任意の画像パターンを形成する。さらに、画像パターンの形成された基体を積層することにより、種々の画像表現が可能となる。
特開平4−313024号公報に示されているものでは、特開平2−210219号公報に示されている基体と光重合性樹脂組成物との接着性の不良を解決するため、基板の画像対向面を紫外線で照射して基板と画像層との接着性を向上させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、透明剥離層と単色の網点よりなる画像層とを交互に積層するものでは、4色の画像層を混合して画像表現するため、表示画像全面に4色各層の網点の積層が必要となる。従って、従来のスクリーン印刷面の所定の一部分に網点連続階調表現をしたい際には、下地色との混色および下地印刷への画像転写時の位置合わせが難しくなる。
【0008】
特開平2−210219号公報、特開平4−313024号公報に示されているものでは、画像層は平坦な樹脂からなる基板または基体上への形成であり、印刷パターンを複数形成し、この印刷パターンによる凹凸を有する印刷下地体への画像形成については開示されていなかった。画像層の形成材料である着色感光性フィルムは、ラミネート時の熱または圧力によりある程度の凹凸追随性があるため、表面凹凸を有する印刷下地体上に画像層を形成することは可能である。しかし、それらを使用した際でも印刷下地体の段差エッジ部では画像層の偏肉化により画像層を形成する連続網点の一部が欠落または薄肉化して良好な画像形成ができなかった。それらを解決するため、印刷下地体に形成される段差の段差緩衝層の形成が必要とされた。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、耐久性に優れるとともにデザイン性に優れ、なおかつ容易に形成可能な表示盤およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を解決するための本発明の請求項1記載の表示盤は、
基板と、
印刷パターン層の積層により前記基板上に形成される第1の表示層と、
前記印刷パターン層間の段差部または前記基板と前記第1の表示層との間の段差部に設けられ、前記各段差部の段差に接着して追随し前記段差を平滑化する緩衝層と、
前記緩衝層上に形成される第2の表示層と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
また本発明の表示盤の前記第2の表示層の表面粗度は、請求項2に記載したように、前記第1の表示層の表面粗度よりも低いことが望ましい。
さらに本発明の表示盤の前記第2の表示層の網線密度は、請求項3に記載したように、100線/inch以上であることが望ましい。
さらにまた本発明の表示盤の前記緩衝層は、請求項4に記載したように、前記第1の表示層上に形成されることが望ましい。
【0012】
さらにまた本発明の表示盤の前記緩衝層は、請求項5に記載したように、光感光材料よりなる透明フィルムであることが望ましい。
さらにまた本発明の請求項6記載の表示盤では、前記第1の表示層は、スクリーン印刷により形成された文字および目盛りであり、前記第2の表示層は、連続階調の網点構造を形成する階調網点層であることを特徴とする。
さらにまた本発明の請求項7記載の表示盤では、前記第1の表示層は、全面印刷された層と、この層の上に形成され文字および目盛りを抜きパターンとした層とを有することを特徴とする。
さらにまた本発明の請求項8記載の表示盤の製造方法は、
印刷パターン層の積層により基板上に第1の表示層を形成する第1の表示層形成工程と、
前記印刷パターン層間の段差部または前記基板と前記第1の表示層との間の段差部に設けられることにより、前記各段差部の段差に接着して追随し前記段差を緩衝する緩衝層を形成する緩衝層形成工程と、
前記緩衝層上に第2の表示層を形成する第2の表示層形成工程と、
を有することを特徴とする。
【0013】
さらにまた本発明の表示盤の製造方法では、請求項9に記載したように、1枚の基板上に同時に複数の前記表示盤を形成することも可能である。
さらにまた本発明の表示盤の製造方法では、請求項10に記載したように、前記第1の表示層は、前記基板上に複数の異なる印刷パターン層を積層することも可能である。
【0014】
さらにまた本発明の表示盤の製造方法では、請求項11に記載したように、前記緩衝層は、接着性を有する透明な光感光性材料よりなることが望ましい。
さらにまた本発明の表示盤の製造方法は、請求項12に記載したように、前記緩衝層形成工程と前記第2の表示層形成工程との間に、前記緩衝層に光を照射することにより前記緩衝層を硬化させる硬化工程を有することが望ましい。
【0015】
さらにまた本発明の請求項13記載の表示盤の製造法では、前記第1の表示層は、スクリーン印刷により形成された文字および目盛りであり、前記第2の表示層は、連続階調の網点構造を形成する階調網点層であることを特徴とする。
さらにまた本発明の請求項14記載の表示盤の製造法では、前記第1の表示層は、全面印刷された層と、この層の上に形成され文字および目盛りを抜きパターンとした層とを有することを特徴とする。
【0019】
【作用および発明の効果】
本発明の請求項1および8記載の表示盤およびその製造方法によると、印刷パターン層間または第1の表示層と基板との間に形成される段差部の段差を緩衝層を形成して平滑化することにより、段差部においても第2の表示層を偏在または欠落することなく形成可能であるため従来同様の文字基板を利用できる。このため、大きなコストアップなしに画像形成が可能であり応用範囲を広げることが可能となる。
【0020】
本発明の請求項2および3記載の表示盤によると、第2の表示層の表面粗度を第1の表示層の表面粗度よりも低くしたり、第2の表示層の網線密度を100線/inch以上にしたりすることにより、例えば連続画像階調色等の細かな印刷表現が可能となる。さらに、第1の表示層を形成するインキと第2の表示層を形成するインキとの調色化または混色化により従来の印刷では表現不可能な微細パターンや色の濃淡付けが可能となりデザイン性を向上することができる。
【0021】
本発明の請求項4記載の表示盤によると、第1の表示層の上に緩衝層を選択的に形成するため、例えば、第2の表示層を形成しないような部分に緩衝層を形成する必要がないので緩衝層の使用量を減少することができる。
本発明の請求項5記載の表示盤によると、光感光材料からなる透明フィルムで緩衝層を形成することにより、印刷パターン層間または第1の表示層と基板との間に形成される段差部の段差を第1の表示層のインキ層を溶解することなく平面化できるとともに、透明フィルムを支持する支持体の平面性を透明フィルムに容易に転写可能であるので第2の表示層をさらに良好に緩衝層上に形成することができる。
【0022】
本発明の請求項9記載の表示盤の製造方法によると、1枚の基板上に複数の表示盤を製造するため均一で高品質な表示盤を大量に製造できる。また、コストを低下できるという効果もある。
本発明の請求項10記載の表示盤の製造方法によると、複数の異なる印刷パターンを積層することにより第1の表示層を形成することにより、複雑な画像表現の可能な印刷下地を形成することができる。
【0023】
本発明の請求項11および12記載の表示盤の製造方法によると、接着性を有する光感光材料で緩衝層を形成することにより、第1の表示層への緩衝層の追随性がよく、かつ支持体の平面性を緩衝層に容易に転写可能である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による表示盤の製造方法により製造した自動車用の速度表示盤の一実施例を図1に示す。
【0026】
速度表示盤10は、透明ポリカーボネートからなる基板11、この基板11上に形成される印刷下地体20、印刷下地体20を覆う緩衝透明層24、連続階調の網点構造を形成する階調網点層25および透明感光性層26から構成される。印刷下地体20はスクリーン印刷により形成され、半透過性の黒インキ層21、数字および目盛り部を抜きパターンとした第1ベージュ色層22、第1ベージュ色層22の濃度アップ用の第2ベージュ色層23から構成される。スクリーン印刷の網線密度は後述するオフセット印刷またはグラビア印刷の網線密度よりも低く、通常80線/inch程度である。
【0027】
黒インキ層21は文字および目盛り部になる。第1ベージュ色層22および第2ベージュ色層23は、インキ乾燥後の厚さが例えばそれぞれ5μmであり、最大のパターン段差20aの厚さaが例えば10μmになっている。
緩衝透明層24は、パターン段差20aを流面化するため、少なくとも最大のパターン段差20a以上の厚みが必要である。第1実施例では、緩衝透明層24に厚さ例えば15μmの透明感光性フィルムを使用している。感光性を有する透明フィルムで緩衝透明層24を形成することが望ましい理由を以下に説明する。
【0028】
緩衝透明層24が段差を有する印刷下地体20に良好に追随しかつ接着するためには、緩衝透明層24自身が柔軟性および表面粘着性を有することが必須である。このような組成のものを印刷下地体20にラミネートし緩衝透明層24から支持体を剥離するとき、平滑性の高い支持体を使用していても剥離力または剥離角度等により緩衝透明層24の支持体側の表面が乱れ平坦性が失われるため、緩衝透明層24上に次工程で形成される網点構造等の欠落を生ずる。さらに、緩衝透明層24上に着色感光性フィルムをラミネートし、着色感光性フィルム上から露光して現像するとき、緩衝透明層24の着色感光性フィルム側に粘着性があると、現像により除去されるべき着色感光性フィルムの非画像部の現像性が悪くなる。従って、▲1▼印刷下地体20との密着性、▲2▼網点形成面の平滑性、▲3▼現像安定性の3点を同時に成立させることが重要である。緩衝透明層24に感光性を付与することによりラミネート時は表面粘着性を示し、かつラミネート後支持体上から露光硬化することにより支持体の表面平滑性をそのまま緩衝透明層24に転写可能となるので、緩衝透明層24上での着色感光性フィルムによる微細網点画像形成が確実に実施可能となる。
【0029】
階調網点層25はオフセット印刷またはグラビア印刷により形成され、連続階調画像表現を実現するため網線密度は高いことが望ましいが、網線密度が100線/inchあれば実用上問題のない連続階調画像表現が可能である。また、階調網点層25には、連続階調画像表現を忠実に色再現するとともに凹凸感を与えないように極力薄層にしたいという要求がある。一方、ある程度の流面に追随する必要もあり、両者を総合判断すると、階調網点層25の厚みは、2〜10μm、好適には3〜7μm程度が良好である。第1実施例では、4〜5μmの感光性フィルムを着色したものをネガマスクを通して露光、現像して階調網点層25としている。
【0030】
透明感光性層26は、15μmの透明フィルムであり、階調網点層25を保護するとともに表示盤10の表面光沢を抑制する。
次に、第1実施例の製造方法を図2〜図8に示す。
第1実施例の表示盤の製造方法は、(1) 印刷下地体形成工程、(2) 緩衝透明層形成工程、(3) 階調網点層形成工程および(4) 透明感光性層形成工程の4工程に大別できる。
【0031】
以下、各工程について順に説明していく。
(1) 印刷下地体形成工程
印刷下地体20の形成工程を図2(A)、(B)、(C)および(D)に示す。図2(B)に示すように、図2(A)に示す基板11にスクリーン印刷により半透過性の黒インキ層21を全面印刷する。図2(C)に示すように、この黒インキ層21上に文字および目盛りを抜きパターンとした第1ベージュ色層22を印刷する。図2(D)に示すように、この第1ベージュ色層22上に、ベージュ色の濃度を高め視認性を向上するために第1ベージュ色層22のパターンによりオフセットした第2ベージュ色層23を印刷し、印刷下地体20の形成工程が完了する。
【0032】
(2) 緩衝透明層形成工程
25μmポリエチレンテレフタレートシートを支持体とする15μmの透明感光性フィルムの緩衝透明層24を日立化成製のドライフィルムラミネータにより100℃でラミネートした後、支持体上からオーク製作所製の紫外線露光機で100mjの露光を加え緩衝透明層24を硬化する。緩衝透明層24は粘着性があるため、印刷下地体20に良好に追随するとともに、露光により硬化して粘着性を消失し支持体から簡単に剥がれ、図3に示すように、印刷下地体20と反対側の表面は流面性を維持する。支持体を剥離し、表面を滑らかな流面とし、第1ベ−ジュ色層22および第2ベ−ジュ色層23で形成されたパターン段差20aを流面化して緩衝透明層24の形成工程は完了する。
【0033】
(3) 階調網点層形成工程
図4に示すように、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートシートを支持体32とする厚さ4μm〜5μmの茶系色の着色感光性フィルム31を日立化成製のドライフィルムラミネータ40でラミネートする。図5に示すように、この支持体32上に網線密度175線/inchの同心円状連続階調のネガマスク33を載せて固定する。ネガマスク33上から紫外線51等で露光し、ネガマスク33および支持体32を除去する。図6に示すように、1%の炭酸ソーダ水溶液の現像液52で非画像部を洗い流し、階調網点層25の形成工程が完了する。
【0034】
(4) 透明感光性層形成工程
図7に示すように、階調網点層25の保護と表示盤の表面光沢の制御とのためマット処理されたポリエチレンテレフタレートからなる支持体35上に透明フィルムからなる透明感光性層26を15μm塗布したものをドライフィルムラミネータ40で階調網点層25上に100℃でラミネートする。支持体35上から全面露光した後、図8に示すように、支持体35を剥離して透明感光性層26の形成工程を終了する。
【0035】
以上(1) 〜(4) の工程により、図9に示す自動車用の速度表示盤10が得られる。
第1実施例では、印刷下地体20で形成されたパターン段差20aを緩衝透明層24で流面化することにより、薄層の階調網点層25が容易に形成できる。特に、網線密度100線/inch以上の網点形成に有効であり、さらに好適には網線密度150線/inch以上の高画質形成に有効である。
【0036】
第1実施例で用いた各支持体はその耐熱性、強度、表面平滑性等よりポリエチレンテレフタレート延伸フィルムを用いたが、本発明ではこれに限定するものではない。また、各感光性フィルムの組成として一般的な感光性ドライフィルム組成物を用いることが可能であるが、感光性アクリレートモノマー、バインダーポリマー、光重合開始剤が使用可能である。着色感光性フィルム中に含有される着色顔料はセイカファーストイエロー、セイカファーストカーミン、シアニンブルー、カーボンブラック等が使用可能である。
【0037】
第1実施例では感光性フィルムにより緩衝透明層を形成したが、本発明では、熱融着性または熱硬化性を有する材料により緩衝透明層を形成してもよい。この場合、表面平滑性を有する支持体上に熱融着性または熱硬化性材料からなる緩衝透明層を形成して印刷下地体に接着し、硬化させてから支持体を剥離して緩衝透明層を形成する。このとき、支持体の表面平滑性は緩衝透明層に転写される。熱融着性を有する緩衝透明層の材料としては、ポリアミド、ポリオレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体等を用いることができる。また、熱硬化性を有する緩衝透明層の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが可能である。
【0038】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による表示盤の製造方法を図10に基づいて説明する。第2実施例は次の(1) 〜(4) の4工程からなる。
(1) 印刷下地体形成工程
450mm×450mm四方のポリカーボネード基板60上に、多面付けスクリーン印刷により所望の速度表示盤の印刷下地体61を4×4の16個形成する。このとき、印刷下地体61と同時にマークトンボ62も印刷形成する。
【0039】
マ−クトンボ62は、印刷下地体61を形成してから速度表示盤の形成終了後、速度表示盤単体をプレス機で外径抜きするとき、基板の所定位置にプレス機を位置合わせするためのセンシング用マークである。
(2) 緩衝透明層形成工程
緩衝透明層として第1実施例と同じ透明感光性フィルムを支持体に形成し、16個の印刷下地体61を覆うように透明感光性フィルムを印刷下地体61上にラミネートする。このとき、基板60へのラミネート方向に対し、16個の速度表示盤61をすべて覆うように、かつ450mm×450mmの基板幅を越えないように透明感光性フィルムをラミネートする。これは、基板60の幅よりも透明感光性フィルムの幅が大きい場合、ラミネート時に透明感光性フィルムに加えるテンションが基板60の周縁部に集中するため、透明感光性フィルムにしわが頻繁に発生する恐れがあるからである。さらに、基板60の周縁部からはみでた余分な透明感光性フィルムがラミネータロールに付着してラミネータロールを汚すため、透明感光性フィルムを良好にラミネートできないからである。次に支持体上から紫外線を露光し、透明感光性フィルムを硬化させる。
【0040】
(3) 階調網点層形成工程
緩衝透明層形成工程と同様に、基板60の幅を越えないように着色感光性フィルムをラミネートして階調網点層を形成する。さらに、ネガマスクを階調網点層上に積層してから紫外線を露光する。ここで、ある一定以上の大きさの印刷版を用いて複数の印刷下地体をスクリーン印刷で形成する場合、スクリーン印刷の印刷原理上、印刷版をスキージでしごく工程により画像を得るため印刷パターンは必ず延びて形成される。そのため、第2実施例のように、450mm×450mmの大版の基板60上に多数の印刷下地体61を形成する場合、印刷版をスキージするときの印刷パターンの延びを考慮してネガマスクのレイアウトを設定する必要がある。なぜなら、印刷パターンの延びを考慮しないでネガマスクのレイアウトを設定すると、露光後に形成される連続階調画像が印刷下地体61の中心に対してずれを発生することがあるからである。
【0041】
(4) 透明感光性層形成工程
第1実施例と同様に透明感光性フィルムをラミネートし、露光後支持体を剥離して透明感光性層を形成する。
第2実施例では、大版の基板60上に複数の速度表示盤を一度に形成することにより、製造効率が向上するともに均一な品質の速度表示盤を多量に製造できるためコストを減少することができる。
【0042】
以上説明した本発明の実施例では、印刷下地体を構成する印刷パターン間または印刷下地体と基板との間に形成される段差を緩衝透明層により流面化して平滑化することにより、印刷下地体上の任意の部位に画像形成が可能であることを特徴としているが、本発明では、次の▲1▼または▲2▼の場合、緩衝透明層を形成することなく画像形成が可能である。▲1▼インキ層を薄くすることにより印刷パターン段差を極力小さくする。▲2▼段差を含まず平板な印刷パターン上に画像形成する。
【0043】
このような条件下で緩衝透明層を形成することなく画像形成すると、本実施例で説明した緩衝透明層を形成した画像と同程度の画像良品率は得られないが、実用可能な範囲の画像を形成することができる。この場合、次の▲1▼または▲2▼の製造方法により、階調網点層の段差追随性および粗面密着性の向上を図ることができる。▲1▼階調網点層を形成する着色感光性フィルムのフィルム厚を5〜20μmの範囲で適宜厚くする。▲2▼真空ラミネート方式、ウェットラミネーション方式等のプリント基板用フォトレジストドライフィルムラミネートにおいて実施されている工法を採用する。
【0044】
本発明の実施例では、透明感光性フィルムにより緩衝透明層を形成した。これは、透明インク等の液状層を塗布すると印刷下地体のインキ層が溶解し滲み易いからでる。また、ピンホールや微気泡が表面に生じ易く、それらの上での網線密度100線/inch以上の独立細網点の形成は量産工程上きわめて難しく、網点の欠落を招くという外観上の問題を呈するからである。しかし、ロールコーティング、スプレーコーティング、グラビア印刷コーティング、シルク印刷コーティング等により液状材料をコーティングして緩衝透明層を形成した後硬化させる方法において、印刷下地体を溶解しない系の液状材料を採用することにより、本実施例よりも印刷面の平滑性は落ちるが実用で使用できる範囲の印刷を形成することは可能である。
【0045】
また本発明の実施例では、同形状で大きさの違う印刷パターン層を積層することにより印刷下地体を形成したが、本発明では、異なる印刷パターン層を積層することにより複雑な画像表現を実現することは可能である。
さらに本発明の実施例では基板全面に緩衝透明層を形成したが、本発明では、例えば網点画像層を形成する印刷下地体だけに緩衝透明層を形成することにより緩衝透明層の使用量を減少することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例により製造した自動車用の速度表示盤の一実施例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の基礎印刷パターンの製造過程を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例の緩衝透明層を形成した状態を示す模式的断面図である
【図4】本発明の第1実施例の緩衝透明層の上に階調網点層を形成するところを示す模式的断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の着色感光性フィルム上にネガのマスクパターンを被せ露光するところを示す模式的断面図である。
【図6】本発明の第1実施例による階調網点層の現像過程を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の第1実施例の透明フィルムを階調網点層上にラミネートするところを示す模式的断面図である。
【図8】本発明の第1実施例の透明フィルムの支持体を剥がすところを示す模式的断面図である。
【図9】濃淡グラデーションを形成している網点を拡大し、イメージ表現した本発明の第1実施例による自動車用の速度表示盤を示す模式的正面図である。
【図10】本発明の第2実施例の速度表示盤を形成する大版の基板を示す模式図である。
【符号の説明】
10 速度表示盤
11 基板
20 印刷下地体(第1の表示層)
20a パタ−ン段差
21 黒インキ層
22 第1ベージュ色層
23 第2ベージュ色層
24 緩衝透明層(緩衝層)
25 階調網点層(第2の表示層)
26 透明感光性層
31 着色感光性フィルム
32 支持体
33 ネガマスク
35 支持体
40 ドライフィルムラミネータ
51 紫外線
52 現像液
Claims (14)
- 基板と、
印刷パターン層の積層により前記基板上に形成される第1の表示層と、
前記印刷パターン層間の段差部または前記基板と前記第1の表示層との間の段差部に設けられ、前記各段差部の段差に接着して追随し前記段差を平滑化する緩衝層と、
前記緩衝層上に形成される第2の表示層と、
を備えたことを特徴とする表示盤。 - 前記第2の表示層の表面粗度は、前記第1の表示層の表面祖度よりも低いことを特徴とする請求項1記載の表示盤。
- 前記第2の表示層の網線密度は、100線/inch以上であることを特徴とする請求項1または2記載の表示盤。
- 前記緩衝層は、前記第1の表示層上に形成されることを特徴とする請求項1、2または3記載の表示盤。
- 前記緩衝層は、光感光材料よりなる透明フィルムであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の表示盤。
- 前記第1の表示層は、スクリーン印刷により形成された文字および目盛りであり、前記第2の表示層は、連続階調の網点構造を形成する階調網点層であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の表示盤。
- 前記第1の表示層は、全面印刷された層と、この層の上に形成され文字および目盛りを抜きパターンとした層とを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の表示盤。
- 印刷パターン層の積層により基板上に第1の表示層を形成する第1の表示層形成工程と、
前記印刷パターン層間の段差部または前記基板と前記第1の表示層との間の段差部に設けられることにより、前記各段差部の段差に接着して追随し前記段差を緩衝する緩衝層を形成する緩衝層形成工程と、
前記緩衝層上に第2の表示層を形成する第2の表示層形成工程と、
を有することを特徴とする表示盤の製造方法。 - 前記表示盤は1枚の基板上に同時に複数形成されることを特徴とする請求項8記載の表示盤の製造方法。
- 前記第1の表示層は、前記基板上に複数の異なる印刷パターン層を積層することにより形成されることを特徴とする請求項8または9記載の表示盤の製造方法。
- 前記緩衝層は、接着性を有する透明な光感光性材料よりなること特徴とする請求項8、9または10記載の表示盤の製造方法。
- 前記表示盤の製造方法は、前記緩衝層形成工程と前記第2の表示層形成工程との間に、前記緩衝層に光を照射することにより前記緩衝層を硬化させる硬化工程を有することを特徴とする請求項11記載の表示盤の製造方法。
- 前記第1の表示層は、スクリーン印刷により形成された文字および目盛りであり、前記第2の表示層は、連続階調の網点構造を形成する階調網点層であることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項記載の表示盤の製造方法。
- 前記第1の表示層は、全面印刷された層と、この層の上に形成され文字および目盛りを抜きパターンとした層とを有することを特徴とする請求項8から13のいずれか一項記載の表示盤の製造方法。
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