JP2001261725A - 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法 - Google Patents

水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Info

Publication number
JP2001261725A
JP2001261725A JP2000077945A JP2000077945A JP2001261725A JP 2001261725 A JP2001261725 A JP 2001261725A JP 2000077945 A JP2000077945 A JP 2000077945A JP 2000077945 A JP2000077945 A JP 2000077945A JP 2001261725 A JP2001261725 A JP 2001261725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
water
urethane resin
reactive
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000077945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4342684B2 (ja
Inventor
Kazuo Otani
和男 大谷
Tomio Yamamoto
富生 山本
Kenji Miura
賢治 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP2000077945A priority Critical patent/JP4342684B2/ja
Publication of JP2001261725A publication Critical patent/JP2001261725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4342684B2 publication Critical patent/JP4342684B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量に水分を含んでいたり、流水していたり
する場合でも、硬化阻害を受けずに低温環境下でも硬化
可能で、下地との接着性に優れた樹脂組成物、それを使
用したFRPライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂
組成物及びそれらの硬化方法を提供すること。 【解決手段】 (A)ウレタン樹脂5〜95重量%及び
(B)光重合開始剤を含有する光ラジカル重合可能な化
合物95〜5重量%から成ることを特徴とする水反応性
光硬化性ウレタン樹脂組成物及び該組成物に繊維強化材
及び/又は充填材を配合したFRPライニング用樹脂組
成物並びにこれらの樹脂組成物を水と反応させると同時
に光照射して光硬化させることを特徴とする樹脂組成物
の硬化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水反応性であり且
つ光硬化性であるウレタン樹脂組成物、水反応性であり
且つ光硬化性であるFRPライニング用組成物及びプラ
イマー樹脂組成物並びにそれらの硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPライニングに使用する樹脂として
は、エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエ
ステル樹脂などがあり、防水、防食等をはじめとする幅
広い分野に使用されている。ライニング方法は用途によ
って異なり、プライマー処理工程を行なう場合と行なわ
ない場合がある。プライマー処理を行なわない場合の例
としては、下水管更生の分野があるが、この分野では、
ガラスや有機繊維等の基材に不飽和ポリエステル樹脂,
ビニルエステル樹脂等を含浸して、それを下水管内面に
圧着した状態で過酸化物硬化により硬化させる方法が行
なわれてきた。しかし、管が多量に水分を含んでいた
り、流水していたりする場合には、硬化阻害を受け、施
工できないという問題点があった。ところが、近年行な
われている紫外線や可視光線などによる光硬化を利用し
た施工方法では、硬化阻害はなくなり、多量に水分を含
んでいたり、流水していたりする悪条件下でも硬化はで
きるようになった。しかし、コンクリート等の下地との
接着性が不十分となり、特に流水させた状態で施工を行
なうと流水を完全に止めることができないという問題点
が残っていた。一方、プライマー処理を行なう場合の例
としては、FRP防水があるが、この用途では湿気硬化
型のウレタン樹脂がプライマーとしてよく使われてい
る。しかし、下地の水分が多すぎるとプライマーとして
の性能が十分に発揮されないため、施工時の下地の表面
水分量に制約があった。また、低温では硬化に長時間を
要したり、硬化不良になるなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした現
状に鑑み、多量に水分を含んでいたり、流水していたり
する場合でも、硬化阻害を受けずに硬化可能で、下地と
の接着性に優れた樹脂組成物、それを使用したFRPラ
イニング用樹脂組成物及びその硬化方法を提供すること
を目的とする。また、下地の水分が多すぎたり、低温環
境下でもプライマーとしての性能が十分に発揮される樹
脂組成物及びその施工方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)ウレタン系樹脂5〜95重量%及び(B)光重
合開始剤を含有する光ラジカル重合可能な化合物95〜
5重量%からなることを特徴とする水反応性光硬化性ウ
レタン樹脂組成物、 に記載の樹脂組成物100重量部及び(C)強化繊
維及び/または充填材300重量部以下からなる水反応
性光硬化性ウレタン樹脂組成物、 上記の又はに記載のウレタン樹脂組成物から成る
FRPライニング用樹脂組成物、 に記載の樹脂組成物100重量部及び(D)充填材
300重量部以下からなる組成物をさらにシート状の繊
維強化材に含浸させて成るシート状水反応性光硬化性ウ
レタン樹脂組成物、 上記の又はに記載のウレタン樹脂組成物から成る
プライマー樹脂組成物を提供すると共に、上記の〜
のいずれかに記載の樹脂組成物を水と反応させると同時
に光照射して光硬化させることを特徴とする樹脂組成物
の硬化方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用するウレタン樹脂
は、ジイソシアネートと2個以上の活性水素原子を有す
る有機化合物(普通ジオール)とを反応させて得られる
ウレタン結合を主体とする重合体で、遊離イソシアネー
ト基を含んでいるので、熱または触媒の作用を受けてイ
ソシアネート基同士が反応するかまたはイソシアネート
基と水、グリコールなどと反応して熱硬化樹脂となる、
「プラスチック工業辞典」(工業調査会、1985年発
行)などに記載されている樹脂であり、更に詳しくは、
末端イソシアネートのプレポリマーを大気中の水分と反
応硬化させる湿気硬化型(一液型)や末端イソシアネー
トのプレポリマーを土中の水分と反応させ土砂を固め止
水するグラウト材等の土木建築用ポリウレタン、ポリウ
レタン接着剤、ポリウレタン塗料等に分類されるもの
で、「プラスチック事典」(朝倉書店、1992年発
行)などに記載されている樹脂であり、公知のものが使
用できる。例えば、末端に2個以上の水酸基を有する化
合物と水酸基のモル数よりも多いイソシアネート基を有
する化合物とを反応させたものでよく、溶剤を含んでい
てもよい。商品名を例示すれば、ハイセルOHシリーズ
(東邦化学工業(株)製)、ウォーターマジック(レオ
化研(株)製)、アデカウルトラロックA−50、アデ
カウルトラシールA−80(旭電化工業(株)製)等が
ある。また、溶剤がスチレン等のように重合性不飽和基
を有する化合物であるのがより好ましい。
【0006】本発明に使用する光ラジカル重合可能な化
合物とは、イソシアネート基と反応可能な活性水素原子
を有していないスチレンモノマ−や(メタ)アクリル酸
メチル等に代表される不飽和基を有する化合物である。
スチレンモノマー、(メタ)アクリル酸メチル以外の光
ラジカル重合可能な化合物の具体例としては、スチレン
のα−,o−,m−,p−アルキル,ニトロ,シアノ,
アミド,エステル誘導体、クロルスチレン、ビニルトル
エン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー、ブ
タジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、
クロロプレンなどのジエン類、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アク
リル酸−i−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)ア
クリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペン
チル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アク
リル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)ア
クリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチ
ル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プ
ロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アク
リル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、
(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリ
ル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メ
タ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリ
ル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)
アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、
(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸ク
レジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオ
ロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸パーフルオロ−i−プロピル、(メタ)
アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸ク
ミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルな
どの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロ
イルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピ
ロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化
合物、シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フ
マル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカ
ルボン酸ジエステル、N−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N
−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのモノマ
レイミド化合物、N−(メタ)アクリロイルフタルイミ
ドなどが挙げられる。
【0007】また、本発明における光ラジカル重合可能
な化合物として、分子中に(メタ)アクリロイル基を2
個以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用
してもよく、公知のものが使用できる。その具体例とし
ては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレートなど各種グリコール類の(メタ)
アクリル酸エステルや一般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】〔式中、Phはベンゼン核を示し、Rは水
素原子又はメチル基を示し、m+nは2〜30の数を示
す。〕で表されるものなどがある。前記一般式(I)で
表される化合物の具体例としては、2,2−ビス〔4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(新中
村化学工業(株)製:BPE−100)、2,2−ビス
[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロ
パン(新中村化学工業(株)製:BPE−200)、
2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)
フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE
−500)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエ
トキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)
製:A−BPE−4)、2,2−ビス[4−(アクリロ
キシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学
工業(株)製:A−BPE−10)などが挙げられる。
【0010】本発明における光重合開始剤としては、紫
外線領域から近赤外線領域の範囲内のいずれかに感光性
を有する公知の紫外光重合開始剤,可視光重合開始剤,
近赤外光重合開始剤を使用することができる。紫外光重
合開始剤としては、ベンゾイン類,アセトフェノン類,
ベンゾフェノン類,アントラキノン類,キサントン類,
チオキサントン類,ケタール類,(ビス)アシルホスフ
ィンオキサイド系をはじめとする公知の重合開始剤を使
用することができるが、短波長の紫外線では光透過性が
低いことから、比較的長波長、好ましくは300nm以
上の波長域に感光性を有する(ビス)アシルホスフィン
オキサイド系等の紫外線重合開始剤を使用することが好
ましい。可視光線領域に感光性を有する可視光重合開始
剤としては、例えば山岡ら、「表面」,27(7),5
48(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリマー材料フ
ォーラム要旨集」、1BP18(1994)に記載のカ
ンファーキノン,ベンジル,トリメチルベンゾイルジフ
ェニルフォスフィンオキシド,メチルチオキサントン,
ビスペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフ
ェニル)等の単独での可視光重合開始剤の他、有機過酸
化物触媒/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、
ビイミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダ
ゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチ
アゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン
色素の他、特公昭45−37377号公報に記載のヘキ
サアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の
複合開始剤系を挙げることができる。本発明で使用され
るアシルホスフィンオキサイドは、下記の一般式(II)
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、R1 ,R2 及びR3 はそれぞれ独
立してアルキル基,アリール基,アラルキル基,アルケ
ニル基又はアルキニル基を示す。〕または一般式(III)
【0013】
【化3】
【0014】〔式中、R4 ,R5 及びR6 は、それぞれ
独立してアルキル基,アリール基,アラルキル基,アル
ケニル基,アルキニル基または複素環基を示す。〕で表
される。これらの重合開始剤は、従来用いられているU
V開始剤よりも長波長領域に感光性を有し(400nm
以上の可視光領域)、光の透過性に優れる上、光照射に
より開裂してアシルラジカルとホスフィノイルラジカル
を発生するので、従来用いられているUV開始剤よりも
重合開始効率が高いとされている。
【0015】一般式(II)で表されるビスアシルホスフ
ィンオキサイド化合物の具体例としては、ビス(2,6
−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジ
メチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−
ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−
ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
クロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロル
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−2,2−ジメトキシフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
ドデシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキ
サイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾ
イル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキ
シベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキ
サイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5
−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−
1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキ
シビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル
−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピ
ルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−
1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−
4−メトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイド等を挙げることが
できる。
【0016】一般式(III)で表されるアシルホスフィン
オキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリ
メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、
2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィン
オキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニ
ルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチ
ルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,
6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサ
イド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル
ホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベン
ゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジ
ブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、
2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェ
ニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタ
リン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホス
フィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル
−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジク
ロルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル
等を挙げることができる。
【0017】具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:D
arocur1173、チバスペシャルティーケミカル
ズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)が75
%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1
700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルーケトン
(商品名:イルガキュア−184、チバスペシャルティ
ーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィ
ンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)
製)が75%/25%の割合で混合された商品名イルガ
キュア−1800(チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、50%/50%の割合で混合された商品名
イルガキュア−1850(チバスペシャルティーケミカ
ルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イル
ガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名LucirinT
PO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Dar
ocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、BASF(株)製)が50%/50%の割合で
混合された商品名Darocur4265などがある。
380〜780nmの波長域に感光性を有する光重合開
始剤であれば良く、それらを単独で使用しても、組合わ
せて使用しても良い。近赤外線領域に感光性を有する近
赤外光重合開始剤としては、一般式(IV) D+ ・ A- ・・・(IV) 〔式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
有するメチン,ポリメチン,シアニン,キサンテン,オ
キサジン、チアジン,アリールメタン,ピリリウム系色
素陽イオンであり、A- は各種陰イオンを示す。〕で表
される陽イオン色素と、一般式(V)
【0018】
【化4】
【0019】〔式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R
7 ,R8 ,R9 及びR10はそれぞれ独立してアルキル
基,アリール基,アシル基,アラルキル基,アルケニル
基,アルキニル基,シリル基,複素環基,ハロゲン原
子,置換アルキル基,置換アリール基,置換アシル基,
置換アラルキル基,置換アルケニル基,置換アルキニル
基,置換シリル基または置換複素環基を示す。〕で表さ
れるホウ素系化合物を組み合わせた光重合開始剤が好ま
しい。
【0020】また、一般式(V)における陽イオン「Z
+ 」の例としては、可視光あるいは近赤外光領域に感光
性を有しない4級アンモニウム陽イオン,4級ピリジニ
ウム陽イオン,4級キノリニウム陽イオン,ジアゾニウ
ム陽イオン,テトラゾリウム陽イオン,スルホニウム陽
イオン,オキソスルホニウム陽イオン,ナトリウム,カ
リウム,リチウム,マグネシウム,カルシウム等の金属
陽イオン、フラビリウム,ピラニウム塩等の酸素原子上
に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウム,
シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウム等
のハロゲニウム陽イオン、砒素,コバルト,パラジウ
ム,クロム,チタン,スズ,アンチモン等の金属化合物
の陽イオン等が挙げられる。この有機ホウ素化合物と可
視光あるいは近赤外光領域に感光波長を有するカチオン
色素とを組み合わせることにより、感光領域の波長の光
照射を受けた色素が励起され、有機ホウ素化合物と電子
授受を行うことで色素が消色すると共にラジカルが発生
し、共存する重合性不飽和化合物の重合反応を起こすこ
とが可能となる。この重合反応は、従来の紫外線重合反
応などとは異なり、発生ラジカルをコントロールしやす
く、樹脂中の不飽和基の一部をラジカル重合したところ
で容易に止めることができる。また、可視光あるいは近
赤外光領域の長波長を使用するため、充填材や顔料など
が添加された系においても容易に反応を進めることがで
きるという特徴を有する。
【0021】上記陽イオン染料とホウ素系化合物との組
み合わせの例は、特開平3−111402号公報,特開
平3−179003号公報,特開平4−146905号
公報,特開平4−261405号公報,特開平4−26
1406号公報,特開平5−194619号公報などに
詳細な記載がある。陽イオン染料における「D+ 」の具
体例を第1表及び第2表に示す。これらの陽イオン染料
の中でも、好ましくはシアニン系,スチリル系陽イオン
染料及びトリアリールメタン系染料が使用される。シア
ニン系,スチリル系陽イオン染料は、一般に有機ホウ素
系化合物との電子授受が起こりやすいので、本発明の反
応を容易に起こしやすいなどの点で好ましい。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】一般式(IV)で表される陽イオン染料のカ
ウンターアニオンであるA- は、p−トルエンスルホネ
ートイオン,有機カルボキシレートイオン,パークロレ
ートイオン,ハライドイオン等の任意の陰イオンである
が、一般式(VI)
【0027】
【化5】
【0028】〔式中、R11,R12,R13及びR14は、そ
れぞれ独立してアルキル基,アリール基,アシル基,ア
ラルキル基,アルケニル基,アルキニル基,シリル基,
複素環基,ハロゲン原子,置換アルキル基,置換アリー
ル基,置換アシル基,置換アラルキル基,置換アルケニ
ル基,置換アルキニル基,置換シリル基または置換複素
環基を示す。〕で表される4配位ホウ素陰イオンが特に
好ましい。本発明の有機ホウ素化合物と近赤外光あるい
は可視光吸収性陽イオン染料化合物との組成比は、重量
で1/5〜1/0.0 5(有機ホウ素化合物/陽イオン
染料化合物)が好ましく、特に好ましくは1/1〜1/
0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の
観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン染料よ
りも多く用いることが好ましい。
【0029】光重合開始剤の添加量は、光ラジカル重合
可能な化合物100重量部に対して0.05〜5重量部
であるのが好ましく、0.5〜4重量部であるのが特に
好ましい。光重合開始剤の添加量が少なすぎる場合は、
十分に光ラジカル重合が進行せず、また光重合開始剤の
添加量が上記比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利
な上、硬化物の物性低下などが起こる。
【0030】本発明のウレタン樹脂組成物において、
(A)ウレタン樹脂と(B)光重合開始剤を添加した光
ラジカル重合可能な化合物との混合比は、5/95〜9
5/5〔(A)/(B)の重量比で〕、好ましくは10
/90〜90/10ある。ウレタン樹脂が少なすぎる場
合は、接着性が不足し、流水を止めることもできない。
ウレタン樹脂がこの比率よりも多すぎる場合は、強度が
不足する。
【0031】本発明のウレタン樹脂組成物には、(C)
成分として繊維強化材及び/又は充填材を配合すること
ができる。ここで使用しうる繊維強化材としては、有機
質又は無機質の繊維であってよく、例えばガラス繊維,
炭素繊維,アラミド繊維,ポリエチレンテレフタレート
繊維,ビニロン繊維等,公知の繊維を使用できる。勿
論、これらの繊維を組み合わせて使用することも可能で
ある。繊維強化材の形態としては、サーフェイスマッ
ト,チョップドストランドマット,ロービングクロス等
のシート状のものや短繊維等公知のものが使用できる。
繊維強化材の配合量は、上記のようなウレタン樹脂組成
物100重量部に対して300重量部以下、好ましくは
200重量部以下である。この配合量が300重量部を
超えると、樹脂組成物の含侵が困難となる。
【0032】充填材は、繊維強化材と共に、あるいは繊
維強化材なしで充填材単独で使用することができる。充
填材としては、無機充填材、有機充填材またはポリマー
であってよく、無機充填材としては、例えばガラスフレ
ーク,ガラス粉,ガラスビーズ,シリカ,炭酸カルシウ
ム,タルク,クレー,水酸化アルミニウム,硫酸バリウ
ム,酸化チタン等、公知の充填材が使用できる。これら
の無機充填材を単独であるいは2種類以上組み合わせて
使用することもできる。無機充填材の使用量は、上記の
ようなウレタン樹脂組成物100重量部に対して300
重量部以下、好ましくは200重量部以下である。無機
充填材の配合量が300重量部よりも多い場合には樹脂
等の粘度が高くなり、含浸性を損なうこと、樹脂内に泡
が残り易くなることなどの問題が発生し、また品質も低
下する。この他、本発明のウレタン樹脂組成物に配合し
うる有機充填材またはポリマーとしては、低収縮剤とし
ても有効であることが知られているもの、例えばポリス
チレン,ポリ酢酸ビニル,ポリメチルメタクリレート,
ポリエチレン,ポリ塩化ビニリデンマイクロバルーン,
ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等が使用でき
る。その使用量は、樹脂100重量部に対して0〜40
重量部、好ましくは0〜30重量部である。この使用量
が40重量部を越える量では、粘度が高くなりすぎて含
浸性を損ない、また品質も低下する。
【0033】繊維強化材及び充填材は、併用することが
できるが、その場合の繊維強化材と充填材とを合わせた
使用量は、ウレタン樹脂組成物100重量部に対して3
00重量部以下とする。さらに本発明のウレタン樹脂組
成物に顔料を配合することができる。顔料の種類の制限
は特に無く、有機顔料または無機顔料が使用可能であ
る。そのときの配合量として、ウレタン樹脂組成物10
0重量部に対し、多くとも20重量部、好ましくは10
重量部までの量を使用することである。
【0034】本発明のウレタン樹脂組成物に、(C)成
分として繊維強化材及び必要に応じて充填材を配合した
樹脂組成物は、FRPライニング用樹脂組成物として有
用である。また、本発明のウレタン樹脂組成物100重
量部及び(D)充填材300重量部以下からなる組成物
をさらにシート状の繊維強化材に含浸させて、シート状
のFRPライニング用樹脂組成物とすることもできる。
【0035】本発明のウレタン樹脂組成物は、水反応性
であり、且つ光硬化性であるため、水と反応させると同
時に光照射することによって硬化させることができる。
ここで使用しうる光照射のための光源としては、紫外線
から近赤外線領域の波長領域の光を出す光源であればよ
く、例えば水銀灯,高圧水銀灯,超高圧水銀灯,メタル
ハライドランプ,キセノンランプ,ハロゲンランプ,白
熱灯,陽光ランプ,太陽光等を使用することができる。
また、各種ランプを組み合わせて使用することもでき
る。屋外の作業では特に太陽光が有効である。本発明に
おいて、紫外線とは280〜380nm、可視線とは3
80〜780nm、近赤外線とは780〜1200nm
の波長領域の光線を指す。また、より速い乾燥速度を得
るためにはエネルギ−順位の高い短波長の領域の光も有
効である。
【0036】本発明のウレタン樹脂組成物においては、
上記のように、光硬化と水によるウレタン樹脂の硬化を
併用させることにより、多量に水分を含んでいたり、流
水していたりする場合でも、硬化阻害を受けずに、下地
との接着性に優れたライニング施工を実現することがで
きた。また、下地の水分が多すぎてもプライマーとして
の性能が十分に発揮されるプライマー施工を実現するこ
とができる。
【0037】
【実施例】以下に示す実施例、比較例により、本発明の
内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重
量基準を示す。
【0038】実施例1 (樹脂組成物の調整)2,2−ビス[4−(メタクリロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン(商品名、BPE−
100、新中村化学工業(株)製)80部及びスチレン
モノマー20部から成る光ラジカル重合可能な化合物
に、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト
ン:25%、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド:75%から成る可視光領域に感光性を有するビスア
シルホスフィンオキサイド系重合開始剤(商品名、イル
ガキュア1800:チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)2.5部を混合して光硬化性組成物を得た。
次に、この光硬化性組成物30部に、ウレタン樹脂とし
てウレタンプレポリマー、ポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート及び2−オキソ−4−メチル−1,3
−ジオキソランの混合物(商品名、ハイセルOH−1
X、東邦化学(株) 製)70部を混合し、水反応性光硬
化性ウレタン樹脂組成物を得た。 (FRPライニング用組成物の調整)上記樹脂組成物を
#450チョップドストランドガラスマットにガラス含
有率が25%になるように含浸し、FRPライニング用
組成物を得た。 (コンクリート湿潤面のFRPライニング)一晩水に浸
漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取
り出し、水を拭き取らずに30cm×30cmの面に上記F
RPライニング用組成物を貼り付け、同時に250Wメ
タルハライドランプを使用し、380〜450nm照
度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、水との
反応と光硬化反応が同時に進行し、20分で硬化した。 (接着性テスト)光硬化性防水材の性能を確認するため
ADHESION TESTER elcometer
を使用して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその
破壊状況を調べたところ、コンクリート母材破壊で、コ
ンクリートを2〜5mm程度剥離させた。接着性は良好で
あり、湿潤面に対しても優れたFRPライニング組成物
であることを確認した。接着強度は第3表に示した。
【0039】実施例2 (樹脂組成物の調整)光ラジカル重合可能な化合物とし
ての2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)
フェニル]プロパン(商品名、A−BPE−4、新中村
化学工業(株)製)100部にイルガキュア1800:
2.0部を混合して光硬化性組成物を得た。次に、この
光硬化性組成物30部に、ウレタン樹脂としてハイセル
OH−1Xの溶剤を除去しSMを10Wt%となるよう
に添加したもの70部を混合し、水反応性光硬化性ウレ
タン樹脂組成物を得た。 (FRPライニング用組成物の調整)上記樹脂組成物1
00部にタルクを10部添加したものを#450チョッ
プドストランドガラスマットにガラス含有率が25%に
なるように含浸し、FRPライニング用組成物を得た。 (コンクリート湿潤面のFRPライニング)実施例1と
同様に、一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコン
クリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×
30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付
け、同時に250Wメタルハライドランプを使用し、3
80〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行な
ったところ、水との反応と光硬化反応が同時に進行し、
15分で硬化した。 (接着性テスト)実施例1と同様に、光硬化性防水材の
性能を確認するためADHESIONTESTER e
lcometerを使用して、接着面積4.9cm2
接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリー
ト母材破壊で、コンクリートを2〜5mm程度剥離させ
た。接着性は良好であり、湿潤面に対しても優れたFR
Pライニング組成物であることを確認した。接着強度は
第3表に示した。
【0040】比較例1 (樹脂組成物の調整)光ラジカル重合可能な化合物とし
て2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フ
ェニル]プロパン(商品名、A−BPE−4、新中村化
学工業(株)製)100部にイルガキュア1800:
2.0部を混合して光硬化性組成物を得た。 (FRPライニング用組成物の調整)実施例1と同様
に、上記樹脂組成物を#450チョップドストランドガ
ラスマットにガラス含有率が25%になるように含浸
し、FRPライニング用組成物を得た。 (コンクリート湿潤面のFRPライニング)実施例1と
同様に、一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコン
クリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×
30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付
け、同時に250Wメタルハライドランプを使用し、3
80〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行な
ったところ、光硬化反応が進行し、15分で硬化した。 (接着性テスト)実施例1と同様に、光硬化性防水材の
性能を確認するためADHESIONTESTER e
lcometerを使用して、接着面積4.9cm2
接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリー
トとFRPライニング材との間の界面で剥がれた。接着
性は乏しく、湿潤面に対して十分に接着しないことを確
認した。接着強度は第3表に示した。
【0041】比較例2 (FRPライニング用組成物の調整)実施例1と同様
に、ハイセルOHを#450チョップドストランドガラ
スマットにガラス含有率が25%になるように含浸し、
FRPライニング用組成物を得た。 (コンクリート湿潤面のFRPライニング)実施例1と
同様に、一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコン
クリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×
30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付け
たところ水との反応が進行し、25分で硬化した。 (接着性テスト)実施例1と同様に、光硬化性防水材の
性能を確認するためADHESIONTESTER e
lcometerを使用して、接着面積4.9cm2
接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリー
トとFRPライニング材との間の界面で剥がれた。接着
性は乏しく、湿潤面に対して十分に接着しないことを確
認した。接着強度は第3表に示した。
【0042】実施例3 (プライマーの調整)光ラジカル重合可能な化合物とし
ての2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)
フェニル]プロパン(商品名、A−BPE−4、新中村
化学工業(株)製)100部にイルガキュア1800:
1.5部を混合して光硬化性組成物を得た。上記光硬化
性組成物40部に1液型ウレタン樹脂系プライマー〔商
品名UM−50P(昭和高分子(株)製)〕60部を混
合し、プライマー組成物を得た。 (コンクリート湿潤面のプライマー膜形成)一晩3℃の
水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道
板を取り出し、3℃の雰囲気下で水をウエスで完全に拭
き取り30cm×30cmの面に、上記プライマー組成物を
ハケで0.2Kg/m2 塗布し、放置すると同時に25
0Wメタルハライドランプを使用して380〜450n
m照度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、水
分との反応と光硬化反応が進行し、15分で硬化した。 (FRPライニング)次に、硬化したプライマー面上
に、比較例1で使用したFRPライニング用樹脂組成物
を貼り付け、250Wメタルハライドランプを使用し、
380〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行
なったところ、光硬化反応が進行し、15分で硬化し
た。 (接着性テスト)実施例1と同様に、光硬化性防水材の
性能を確認するためADHESIONTESTER e
lcometerを使用して、接着面積4.9cm2
接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリー
ト母材破壊で、コンクリートを2〜5mm程度剥離させ
た。接着性は良好であり、湿潤面に対しても優れたプラ
イマーで組成物であることを確認した。接着強度は第3
表に示した。
【0043】
【表5】
【0044】なお、一晩3℃の水に浸漬した30cm×3
0cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、3℃の雰
囲気下で水をウエスで完全に拭き取り30cm×30cmの
面に上記の1液型ウレタン樹脂系プライマー(商品名U
M−50P)をハケで0.2Kg/m2 塗布し、放置し
たところ硬化に2時間を要した。従来のウレタン系プラ
イマーでは、硬化に時間がかかり過ぎることを確認し
た。
【0045】
【発明の効果】本発明のウレタン樹脂組成物は、多量に
水分を含んでいたり、流水していたりする場合でも、硬
化阻害を受けずに、コンクリート等の下地との接着性に
優れ、短時間に硬化することができる。したがって、下
地の水分が多過ぎたり、低温環境下であっも短時間に硬
化でき、性能を十分に発揮しうるプライマー、FRPラ
イニング用の樹脂組成物として有効な利用が期待され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 // C08F 283/00 C08F 283/00 C08L 51:08 C08L 51:08 Fターム(参考) 4F072 AA04 AB04 AB05 AB06 AB09 AB10 AB28 AB29 AD05 AD09 AD43 AD52 AD55 AE02 AF24 AG22 AH04 AH25 AJ16 AK13 AL07 4J011 PA15 PA95 PB22 PC02 PC08 QA03 QA05 QA09 QA11 QA13 QA17 QA32 QA39 QB16 RA11 SA21 SA31 SA51 SA63 SA64 SA84 SA87 UA01 UA06 VA01 WA10 4J026 AB02 BA05 BA06 BA07 BA10 BA20 BA27 BA28 BA31 BA40 BA46 BA47 BA49 BA50 CA09 DB05 DB06 DB11 DB30 DB36 GA06 GA08 4J038 DG001 FA022 FA042 FA052 FA102 FA122 FA132 FA142 FA152 FA162 FA182 KA03 KA12 NA12 NA23 PA17 PA20 PB05 PC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ウレタン樹脂5〜95重量%及び
    (B)光重合開始剤を含有する光ラジカル重合可能な化
    合物95〜5重量%から成ることを特徴とする水反応性
    光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂組成物100重量
    部及び(C)繊維強化材及び/または充填材300重量
    部以下からなる水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)光重合開始剤を含有する光ラジカ
    ル重合可能な化合物が、光重合開始剤を含有する、分子
    内に水酸基を含有しない不飽和基を有する化合物である
    請求項1又は2に記載の水反応性光硬化性ウレタン樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 分子内に水酸基を含有しない不飽和基を
    有する化合物が、スチレン及び/またはアクリル酸エス
    テル化合物である請求項3に記載の水反応性光硬化性ウ
    レタン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 光重合開始剤が可視光ラジカル重合開始
    剤である請求項1に記載の水反応性光硬化性ウレタン樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のウ
    レタン樹脂組成物から成ることを特徴とするFRPライ
    ニング用水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の樹脂組成物100重量
    部及び(D)充填材300重量部以下からなる組成物を
    さらにシート状の繊維強化材に含浸させて成ることを特
    徴とするシート状FRPライニング用水反応性光硬化性
    ウレタン樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のウ
    レタン樹脂組成物から成ることを特徴とする水反応性光
    硬化性プライマー樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹
    脂組成物を水と反応させると同時に光照射して光硬化さ
    せることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記
    載の樹脂組成物の硬化方法。
  10. 【請求項10】 照射する光の波長が紫外線から近赤外
    線の範囲である請求項9に記載の樹脂組成物の硬化方
    法。
JP2000077945A 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法 Expired - Fee Related JP4342684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000077945A JP4342684B2 (ja) 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000077945A JP4342684B2 (ja) 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001261725A true JP2001261725A (ja) 2001-09-26
JP4342684B2 JP4342684B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=18595423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000077945A Expired - Fee Related JP4342684B2 (ja) 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4342684B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051466A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート構造体の施工方法
WO2015111570A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
WO2015111567A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
WO2015190499A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
WO2016076407A1 (ja) * 2014-11-13 2016-05-19 積水化学工業株式会社 硬化体、電子部品、及び、表示素子
JP2016148034A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物及び熱伝導性接着剤
WO2016163353A1 (ja) * 2015-04-09 2016-10-13 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
KR20160137941A (ko) 2014-03-26 2016-12-02 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제
KR20160140569A (ko) 2014-03-26 2016-12-07 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051466A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート構造体の施工方法
WO2015111570A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
WO2015111567A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
JP5836536B1 (ja) * 2014-01-21 2015-12-24 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
JP2016027173A (ja) * 2014-01-21 2016-02-18 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物
CN105473631A (zh) * 2014-01-21 2016-04-06 积水化学工业株式会社 光湿气固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂和显示元件用粘接剂
CN105593247A (zh) * 2014-01-21 2016-05-18 积水化学工业株式会社 光湿气固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂和显示元件用粘接剂
KR20210092846A (ko) 2014-03-26 2021-07-26 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제
KR20160140569A (ko) 2014-03-26 2016-12-07 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제
KR20160137941A (ko) 2014-03-26 2016-12-02 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제
CN105916886A (zh) * 2014-06-11 2016-08-31 积水化学工业株式会社 光湿固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂、以及显示元件用粘接剂
WO2015190499A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
WO2016076407A1 (ja) * 2014-11-13 2016-05-19 積水化学工業株式会社 硬化体、電子部品、及び、表示素子
CN106232634A (zh) * 2014-11-13 2016-12-14 积水化学工业株式会社 固化体、电子部件及显示元件
JP2016148034A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物及び熱伝導性接着剤
WO2016163353A1 (ja) * 2015-04-09 2016-10-13 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
CN107075061A (zh) * 2015-04-09 2017-08-18 积水化学工业株式会社 光湿固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂及显示元件用粘接剂
KR20170135813A (ko) * 2015-04-09 2017-12-08 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제
JPWO2016163353A1 (ja) * 2015-04-09 2018-02-01 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤
TWI720976B (zh) * 2015-04-09 2021-03-11 日商積水化學工業股份有限公司 光與濕氣硬化型樹脂組成物、電子零件用接著劑、及顯示元件用接著劑
KR102633875B1 (ko) * 2015-04-09 2024-02-05 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제, 및 표시 소자용 접착제

Also Published As

Publication number Publication date
JP4342684B2 (ja) 2009-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5424644B2 (ja) プリプレグおよびそれから調製された現場硬化された堅固な表面
EP1268586B1 (en) Polymers, processes, compositions, adhesives, uses, products
JP2001261725A (ja) 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法
JP4246448B2 (ja) コンクリート剥落防止用硬化性材料及びコンクリート剥落防止方法
JP2004181934A (ja) Frpライニング方法
JP2001139643A (ja) 排水性道路舗装の補強用硬化性樹脂組成物及びその硬化方法
JP2001294687A (ja) 硬化性プリプレグ組成物,その製造方法及び硬化方法
JPS6134088A (ja) シ−リングコンパウンド、その製造法およびその用途
JP4246555B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその施工方法、構造体
DE69835332T2 (de) Photohärtbare Prepregmatte zum Wasserdichten
JP2001064578A (ja) 光硬化性パテ組成物
JPS62131006A (ja) 光硬化性樹脂組成物
JPS6152169B2 (ja)
JP3785687B2 (ja) 光硬化性組成物及びその硬化方法
JPH0977836A (ja) 光硬化性複合材料組成物
JP2004293161A (ja) 床の被覆工法
JP2002069387A (ja) 接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた接合方法
JPH08231617A (ja) 光硬化性組成物の硬化方法
EP0825201B1 (en) Photocurable composition and curing process therefor
JP2003286355A (ja) 硬化性プリプレグシート及びその製造方法と硬化方法
JPH04204438A (ja) 高分子光増感剤
JP2002018991A (ja) 硬化性プリプレグ,その製造方法及び硬化方法
JP2002167526A (ja) パテ又はプライマーサーフェーサー組成物及びその硬化方法
JP2002062644A (ja) 感光性樹脂組成物、被覆材およびfrp用基材
JPH11270147A (ja) 構造物の補強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150717

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees