JP2002069387A - 接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた接合方法 - Google Patents

接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた接合方法

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JP2002069387A
JP2002069387A JP2000257573A JP2000257573A JP2002069387A JP 2002069387 A JP2002069387 A JP 2002069387A JP 2000257573 A JP2000257573 A JP 2000257573A JP 2000257573 A JP2000257573 A JP 2000257573A JP 2002069387 A JP2002069387 A JP 2002069387A
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group
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polymerizable
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Takeo Kuroda
健夫 黒田
Koji Fukui
弘司 福井
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性があり塗布可能な粘性を示し、ポット
ライフが長く、短時間の光照射で凝集力が発現し、仮止
め作業を必要とせず、硬化後の耐衝撃性、耐クリープ性
に優れている接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 (A)一分子中に2個以上の加水分解性
シリル基を有する化合物、(B)化合物(A)を架橋さ
せるための化合物、(C)分子中に重合性基を有する化
合物、(D)化合物(C)中の重合性基を光により重合
開始させる化合物、及び(E)チキソトロピー付与剤を
含有し、前記化合物(C)が、分子内に重合性基を1個
以上有する重量平均分子量3000以上の重合性化合物
(F)を少なくとも1種含むことを特徴とする接着剤組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常態では流動性が
あり塗布可能な粘性を示し、短時間の活性エネルギー線
の照射で凝集力が向上して仮止め性・仮固定性を発現
し、さらに、架橋または重合によって最終的な接合強度
に到達する接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた接
合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生産性や作業性に優れているた
め、建築・建材分野において接着剤が多用されるように
なってきている。また、工業化住宅等の発展に伴って、
建築部材の組立ラインの高速生産に適した接着剤の要求
が益々強まっている。
【0003】特開昭56−67366号公報には、アル
コキシシリル基のような加水分解性シリル基を持つ化合
物を含み、空気中の湿気等により硬化する接着剤が提案
されている。この接着剤は、接着硬化後の耐衝撃性や耐
クリープ性に優れている。従って、住宅家屋で常に荷重
のかかる部分(タイルの貼り合わせ、壁材の貼り合わ
せ)等での利用が検討され、上記接着剤は、建築・建設
の現場において実際に用いられている。
【0004】しかしながら、上記接着剤は実質的に空気
中の湿気により硬化するため、前記組立ラインに適応さ
せるために速硬化性を有するように設計された場合、ポ
ットライフが短くなり、塗工装置上に長く滞留させるこ
とができないといった問題があった。一方、ポットライ
フを長くするような設計にすると、速やかに硬化しなく
なる。従って、ズレを防ぐための処置をしなければなら
ず、かつ硬化まで養生しなければならなかった。
【0005】一方、従来より、短時間の光照射で硬化す
る光硬化性の組成物が提案されており(例えば、特開昭
63−139969号公報)、該光硬化性の組成物の光
硬化性インキ、光硬化性ワニス、光硬化性コーティング
材または光硬化性接着剤等への利用が提案されている。
上記光硬化性組成物を用いた光硬化性接着剤は、短時間
で光硬化するため、光硬化性接着剤を感光させるための
光を遮るだけで十分な長さのポットライフを確保するこ
とができる。従って、インライン用の接着剤としての利
用が提案がされている。しかしながら、一般に、光硬化
性接着剤では、塗布・貼り合わせ後に光が照射されるた
め、光を実質的に透過しない建築・建材等に用いられる
材料には該光硬化性接着剤を適用できなかった。
【0006】また、上記加水分解性シリル基を持つ化合
物と光硬化性物質とを組み合わせた硬化組成物が、建築
用シーラントとして用いた場合の硬化表面の防汚性、防
塵性及びタックの改善や耐候性の改善等の目的で提案さ
れいる(例えば、特開昭55−36241号公報、特開
平8−325466号公報)。しかしながら、短時間の
光照射により、速硬化性や凝集力の速やかな発現を達成
することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、常態では流動性
を有し、かつ塗布可能な粘性を示し、ポットライフが長
く、また短時間の光照射で凝集力が発現し、仮止め、仮
固定作業を必要とせず、さらに、接着硬化後の硬化物が
耐衝撃性や耐クリープ性等の物性に優れている、接着剤
組成物及び該接着剤組成物を用いた接合方法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る接着剤組成
物は、(A)一分子中に2個以上の加水分解性シリル基
を有する化合物と、(B)化合物(A)を架橋させるた
めの化合物と、(C)分子中に重合性基を有する化合物
と、(D)化合物(C)中の重合性基を光により重合開
始させる化合物と、(E)チキソトロピー付与剤とを含
み、化合物(C)が、分子内に重合性基を1個以上有す
る重量平均分子量3000以上の重合性化合物(F)を
少なくとも1種含むことを特徴とする。化合物(A)
は、湿気により硬化する成分であり、化合物(B)は、
化合物(A)を架橋させるための触媒である。
【0009】本発明に係る接着剤組成物では、好ましく
は、上記化合物(A)の加水分解性シリル基はアルコキ
シシリル基であり、また、化合物(A)はポリアルキレ
ングリコールまたはポリオレフィンから選ばれるポリマ
ー中に該アルコキシシリル基が置換した化合物である。
【0010】本発明における接着剤組成物において、好
ましくは、上記化合物(C)の重合性基はラジカル重合
性基であり、化合物(D)は光ラジカル重合開始剤であ
る。本発明のより限定的な局面では、上記化合物(C)
のラジカル重合性基は、アクリロイル基またはメタクリ
ロイル基である。
【0011】本発明に係る接着剤組成物の他の特定の局
面では、上記チキソトロピー付与剤(E)は、ガラスバ
ルーン、ガラスビーズ、表面処理炭酸カルシウム及び各
種シリカからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
る。
【0012】本発明に係る接合部材の接合方法は、本発
明の接着剤組成物を、接合部材の片方に塗布し、塗布し
た接着剤組成物層の上面から活性エネルギー線を照射
し、その後、他方の接合部材を貼り合わせることを特徴
とする。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる、一分子中に2個以上の加水分解性シリル基
を有する化合物(A)における加水分解性シリル基とし
ては、特に限定されず、例えば、シリル基の少なくとも
1つの水素原子がアルコキシ基で置換されたもの、シリ
ル基の少なくとも1つの水素原子がオキシム基で置換さ
れたもの、シリル基の少なくとも1つの水素原子がアル
ケニルオキシ基で置換されたもの、シリル基の少なくと
も1つの水素原子がアセトキシ基で置換されたもの、シ
リル基の少なくとも1つの水素原子がハロゲン基で置換
されたもの等が挙げられる。貯蔵安定性の観点から、シ
リル基の少なくとも1つの水素原子がアルコキシ基で置
換されたもの(アルコキシシリル基)が好適に用いられ
る。
【0014】上記加水分解性シリル基としてアルコキシ
シリル基を有する化合物としては、接着剤組成物の粘度
設計が容易であり、かつ硬化後の凝集力と接着性のバラ
ンスを両立させ得るので、一分子中に少なくとも2個以
上の加水分解性シリル基を有するポリマーが好適に用い
られる。用いられる上記ポリマーとしては、特に限定さ
れず、例えば、プロピレングリコールやエチレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポ
リアクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙
げられ、また、これらの共重合体を用いてもよく、この
中でポリアルキレングリコールまたはポリオレフィンが
好ましい。これらのポリマーの重量平均分子量として
は、4000〜30000が好ましく、さらに、100
00〜30000で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が
1.6以下のものがより好ましい。
【0015】ここで、上記アルコキシシリル基とは、モ
ノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びト
リアルコキシシリル基を意味し、また、アルコキシ基と
しては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオ
キシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert
-ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙
げられる。また、ジアルコキシシリル基あるいはトリア
ルコキシシリル基の場合、同じアルコキシ基を用いても
よいし、異なるアルコキシ基を組み合わせて用いてもよ
い。
【0016】上記アルコキシシリル基のポリマーへ置換
される位置は、ポリマー末端でもよいし、ポリマーの側
鎖であってもよい。また、ポリマー末端とポリマー側鎖
の両方に位置していてもよい。
【0017】上記化合物(A)としては、例えば、鐘淵
化学工業社製の商品名MSポリマーのMSポリマーS−
203、S−303、S−903等、商品名サイリルポ
リマーのサイリルSAT−200、MA−403、MA
−447等、旭硝子社製の商品名エクセスターESS−
2410、ESS−2420、ESS−3630等の市
販の化合物を用いてもよい。
【0018】化合物(A)を架橋させるための化合物
(B)は、上記化合物(A)を空気中の湿気で架橋させ
る際に、促進作用あるいは触媒作用を示すものであれば
特に限定されず、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジ
ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサ
イド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル
錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブ
チル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化
合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプ
ロポキシチタネート等のチタネート系化合物、ジブチル
アミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩類及びそ
の他の酸性触媒及び塩基性触媒等が挙げられ、これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】分子中に重合性基を有する上記化合物
(C)は、ラジカル重合性基、カチオン重合性基等の重
合性を示す置換基を有する化合物であれば特に限定され
ず、異なる重合性基を一分子中に複数持ち合わせていて
もよい。
【0020】ラジカル重合性基としては、例えば、スチ
リル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルエ
ステル基等が挙げられ、良好な重合性を示すアクリロイ
ル基、メタクリロイル基が好ましい。
【0021】上記スチリル基を持つ化合物としては、例
えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブ
トキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0022】上記アクリロイル基またはメタクリロイル
基を持つ化合物として、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イ
ソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)
アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2
−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアク
リレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−
ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロ
キシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−
3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−
[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル 2−ヒドロキ
シエチル フタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキ
シ]エチル 2−ヒドロキシプロピル フタル酸等や、
【0023】・化合物1 CH2=CH-C(O)O-CH2CH2O-[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n-H(n=1
〜10) ・化合物2 CH2=C(CH3)-C(O)O-CH2CH2O-[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n-H
(n=1〜10) ・化合物3 CH2=CH-C(O)O-(CH2CH2O)n-H(n=1〜12) ・化合物4 CH2=C(CH3)-C(O)O-(CH2CH2O)n-H(n=1〜12) ・化合物5 CH2=CH-C(O)O-[CH2CH(CH3)O]n-H(n=1〜12) ・化合物6 CH2=C(CH3)-C(O)O-[CH2CH(CH3)O)n-H(n=1〜12) ・化合物7 CH2=C(CH3)-C(O)O-(CH2CH2O)n-[CH2CH(CH3)O]m-H(n=1〜
12) ・化合物8 CH2=CH-C(O)O-(CH2CH2O)n-[CH2CH(CH3)O]m-H(n=1〜12) ・化合物9 CH2=C(CH3)-C(O)O-(CH2CH2O)n-(CH2CH2CH2CH2O)m-H(n=1
〜12) ・化合物10 CH2=CH-C(O)O-(CH2CH2O)n-(CH2CH2CH2CH2O)m-H(n=1〜1
2) ・化合物11 CH2=CH-C(O)O-(CH2CH2O)n-CH3(n=1〜10) ・化合物12 CH2=C(CH3)-C(O)O-(CH2CH2O)n-CH3(n=1〜30) ・化合物13 CH2=CH-C(O)O-[CH2CH(CH3)O]n-CH3(n=1〜10) ・化合物14 CH2=C(CH3)-C(O)O-[CH2CH(CH3)O]n-CH3(n=1〜10) ・化合物15 CH2=C(CH3)-C(O)O-(CH2CH2O)n-[CH2CH(CH3)O)m-H(n=1〜
10) ・化合物16 CH2=CH-C(O)O-(CH2CH2O)n-[CH2CH(CH3)O)m-H(n=1〜10) ・化合物17 CH2=CH-C(O)O-[CH2CH(CH3)O]n-C(O)-CH=CH2(n=1〜20) ・化合物18 CH2=C(CH3)-C(O)O-[CH2CH(CH3)O]n-C(O)-C(CH3)=CH2(n=
1〜20) ・化合物19 CH2=CH-C(O)O-[CH2CH2O]n-C(O)-CH=CH2(n=1〜20) ・化合物20 CH2=C(CH3)-C(O)O-[CH2CH2O]n-C(O)-C(CH3)=CH2(n=1〜2
0) 等が挙げられる。
【0024】上記ビニルエステル基を持つ化合物として
は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニ
ル等が挙げられる。
【0025】また、カチオン重合性基としては、例え
ば、エポキシ基、オキセタニル基、ビニロキシ基、スチ
リル基等が挙げられる。上記エポキシ基を持つ化合物と
しては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水
添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF
系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族環
式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキ
シ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ス
チレン−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられ
る。
【0026】上記オキセタニル基を持つ化合物として
は、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセ
タン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−へキシルオキシメチルオキセタン、
1,4−ビス{3−エチル−3−オキセタニルメトキ
シ)メチル}ベンゼン等が挙げられる。
【0027】上記ビニロキシ基を持つ化合物としては、
例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブ
チルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシ
ルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデ
シルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテ
ル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチ
レングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−
ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエー
テル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエ
チレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレング
リコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール
−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジ
ビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキ
シ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、
コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプ
ロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6
−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン
−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチ
レングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピル
ビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエス
テルビニルエーテル等が挙げられる。
【0028】上記スチリル基を持つ化合物としては、例
えば、スチレン、インデン、αーメチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブ
トキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0029】本発明においては、上記化合物(C)の一
部に前述した化合物(F)が用いられる。化合物(F)
は、分子内に重合性基を1個以上有する、重量平均分子
量3000以上の重合性化合物である。この重合性化合
物(F)としては、架橋点距離が長くかつ凝集力を発現
させるものであり、ラジカル重合性基を1個以上有し、
分子量が3000以上の化合物であれば特に限定されな
い。化合物(F)の例としては、ポリスチレン末端変性
重合性化合物、ポリメチルメタクリレート末端変性重合
性化合物、ポリプロピレン末端変性重合性化合物、ポリ
エチレンブチレン末端変性重合性化合物、ウレタンアク
リレート、ポリエーテルアクリレート等が挙げられる。
【0030】上記化合物(C)の一部に化合物(F)を
用いることにより、貼り合わせ後初期状態における耐ク
リープ性が高められる。好ましくは、化合物(C)全体
を100重量部とした場合、重合性化合物(F)が、そ
のうち0.1〜70重量部を占めることが望ましい。化
合物(F)の配合割合が0.1重量部より少ない場合に
は、化合物(F)を用いた効果が得られないことがあ
り、70重量部より多いと、光照射後の凝集力が、著し
く大きくなり、接着剤組成物の被着体への濡れ性が低下
し、十分な耐クリープ性を得ることができないことがあ
る。
【0031】化合物(C)中の重合性基を光により重合
開始させる化合物(D)は、化合物(C)に含まれる重
合性基の重合反応様式により、適宜選択される。重合性
基がラジカル重合性基の場合、光照射によりラジカル重
合を誘発する化合物(光ラジカル重合開始剤)であれば
特に限定されず、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、α−ヒドロキシ−α,α'−ジメチルアセトフェノ
ン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化
合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピル
エーテル等のベンゾインエーテル系化合物、ベンジルジ
メチルケタール等のケタール誘導体化合物、ハロゲン化
ケトン、アシルフォスフィンオキシド、アシルフォスフ
ォナート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベ
ンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モル
フォリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリ
メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド、
ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4
−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(η
5−シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)−チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエ
ニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ
−1−イル)フェニル]−チタニウムが挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい
し、これら化合物を含む市販のものを用いてもよい。
【0032】重合性基がカチオン重合性基の場合、光照
射によりカチオン重合を誘発する化合物(光カチオン重
合開始剤)であれば特に限定されず、例えば、鉄ーアレ
ン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニ
ウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミ
ニウム錯体/シラノール塩等が挙げられる。これらの市
販のものとしては、例えば、チバガイギー社製イルガキ
ュアー261、旭電化工業社製オプトマーSP−15
0、オプトマーSP−151、オプトマーSP−17
0、オプトマーSP−171、ゼネラルエレクトロニク
ス社製UVE−1014、サートマー社製CD−101
2、三新化学工業社製サンエイドSI−60L、サンエ
イドSI−80L、サンエイドSI−100L、日本曹
達社製CI−2064、CI−2639、CI−262
4、CI−2481、ローヌ・プーラン社製RHODO
RSILPHOTOINITIATOR2074、ユニ
オンカーバイド社製UVIー6990、ミドリ化学社製
BBIー103、MPIー103、TPSー103、M
DSー103、DTSー103、NATー103、ND
Sー103等を用いることができる。また、20〜80
℃付近で用いる場合は、熱触媒活性の低い化合物が貯蔵
安定性の点から好ましい。また、これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】さらに、光カチオン重合開始剤の感光性を
向上させる目的で、アントラセン、ペリレン、コロネ
ン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジ
ン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサン
トン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−ク
ロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソ
ン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン
等の増感剤を適宜併用してもよい。
【0034】また、上記化合物(D)の感光波長として
は、特に限定されないが、300〜800nmの波長成
分を含む光により感光する化合物が好適に用いられる。
300nm未満の波長でのみ感光する化合物(D)で
は、十分なエネルギーを得ることができて速やかに化合
物(C)を重合あるいは架橋させることが可能である
が、本発明の接着剤組成物を厚肉で塗布した場合、表面
のみ凝集力が増し、バルク全体に均一に初期凝集力が発
現しなくなったり、光照射表面の濡れ性が著しく劣るこ
とがある。一方、800nmを超える波長でのみ感光す
る化合物(D)では、化合物(C)を低エネルギー(熱
エネルギー)でも容易に分解して、重合あるいは架橋さ
せてしまうため、貯蔵安定性を確保できなくなることが
ある。
【0035】チキソトロピー付与剤(E)は、接着剤組
成物がチキソトロピー性を発現できる化合物から適宜選
ばれる、例えば、コロイダルシリカ等の各種シリカ、疎
水化炭酸カルシウム等の表面処理炭酸カルシウム、ガラ
スバルーン、ガラスビーズ、ポリビニルピロリドン等を
挙げることができ、ガラスバルーン、ガラスビーズ、各
種シリカ、表面処理炭酸カルシウムが好ましい。このチ
キソトロピー付与剤は、本発明の接着剤組成物に用いら
れる化合物(A)あるいは(C)に対し親和性の高い表
面を有することが好ましく、例えば、化合物(C)とし
てウレタンアクリレートを用いた場合、チキソトロピー
付与剤(E)としてはガラスバルーンが好ましく、ま
た、化合物(C)としてα,ω−ジアクリロイル−ポリ
(プロピレングリコール)を用いた場合、チキソトロピ
ー付与剤(E)としては、例えば、表面処理炭酸カルシ
ウム等の表面処理を施したものが好適に用いられる。
【0036】本発明の接着剤組成物に用いられる各成分
の配合割合は、機械塗工性及び貯蔵安定性に優れ、ポッ
トライフが長く、短時間の光照射で初期凝集力が発現す
る限り特に限定されないが、下記の配合割合が好まし
い。すなわち、一分子中に2個以上の加水分解性シリル
基を有する化合物(A)100重量部に対して、化合物
(A)を架橋させるための化合物(B)0.01〜20
重量部、分子中に重合性基を有する化合物(C)15〜
100重量部、化合物(C)中の重合性基を光により重
合開始させる化合物(D)0.01〜20重量部が好ま
しく、また、チキソトロピー付与剤(E)は、化合物
(A)〜(E)の合計100容量%に対して、20〜6
5容量%(25℃)の割合で配合されていることが好ま
しい。
【0037】上記化合物(B)の配合割合が、0.01
重量部未満では、上記化合物(A)の硬化速度が低下
し、実質的に実用に適さなくなることがあり、逆に、2
0重量部を超えると、硬化速度は十分早くなるが、硬化
後のバルクへの影響が著しく、十分な接着力を得ること
が困難になることがある。
【0038】上記化合物(C)の配合割合が、15重量
部未満では、光重合または光架橋した後の初期凝集力
が、過剰のチキソトロピー付与剤を添加したとしても、
発現できなくなることがある。逆に、100重量部を超
えると、光照射後の初期凝集力は十分となるものの、凝
集力が著しく大きくなるため、接着剤組成物の被着体へ
の濡れ性が低下し、もはや十分な初期接着性が発現でき
なくなることがある。
【0039】上記化合物(D)の配合割合が、0.01
重量部未満では、光照射による上記化合物(C)の重合
または架橋速度が著しく低下し、光照射後の初期接着力
が発現できなくなることがある。逆に、20重量部を超
えると、硬化速度は十分早くなるが、硬化後のバルクへ
の影響が著しく現れるようになり、十分な接着力を得る
ことが困難なことがある。
【0040】上記チキソトロピー付与剤(E)の配合割
合が、20容量%未満では、十分なチキソトロピー性を
得ることが困難となることがあり、また、光照射後の初
期接着力を得ることが困難となることがある。逆に、6
5容量%を超えると、本発明の接着剤組成物の粘度が極
端に上がり、機械塗工が困難となったり、塗工速度が著
しく低下することがある。
【0041】本発明の接着剤組成物には、必要に応じ
て、引張特性等を改善する物性調整剤、増量剤、補強
剤、可塑剤、着色剤、難燃剤等の各種添加剤を加えても
よい。上記の引張特性等を改善する物性調整剤として
は、各種シランカップリング剤として、例えば、ビニル
トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,
N'−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]
エチレンジアミン、N,N'−ビス−[3−(トリエト
キシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N'−
ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサ
エチレンジアミン、N,N'−ビス−[3−(トリエト
キシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等が挙
げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0042】上記増量剤としては、本発明による接着剤
組成物中に添加してチキソトロピー性を発現しないもの
が好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ
酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙
げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0043】上記可塑剤としては、例えば、リン酸トリ
ブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フ
タル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリン
モノオレイル酸エステル等の脂肪族一塩基酸エステル
類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル
類、ポリプロピレングリコール類等が挙げられ、これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】その他、本発明の接着剤組成物には、必要
に応じて、タレ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外
線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料等を添加してもよ
い。本発明による接合部材の接合方法は、上記本発明の
接着剤組成物を接合部材の片方に塗布し、塗布した接着
剤組成物層の上面から光を照射し、その後、他方の接合
部材を貼り合わせることを特徴とする。
【0045】上記接合方法において、上記接着剤組成物
を片方の接合部材に塗布し、次に他方の接合部材を貼り
合わせると、光透過性が実質的に無い接合部材の場合、
その後、塗布した接着剤組成物に光を照射しすることは
困難となる。一方、光を照射した上記接着剤組成物を接
合部材に塗布し、貼り合わせを試みても、光照射により
粘度が上昇し、凝集力が著しく向上しているため、上記
接着剤組成物を塗布をすることが困難となる。
【0046】本発明の接合方法において、光照射に用い
られる光源としては、上記化合物(C)または、感光性
を向上させるために添加した上記増感剤に、吸収される
波長成分を含む光を発光できる光源であれば特に限定さ
れず、用いられる化合物(C)または増感剤により適宜
選択されるが、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧
水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマーレーザー、ケミカル
ランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起
水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、蛍
光灯、太陽光等が挙げられる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0048】(実施例1,2及び比較例1〜9) (1)接着剤組成物の調製 表1及び表2に示す配合組成に従って、アルミホイルで
遮光したビーカー中で、まず、化合物(A)、化合物
(B)、化合物(C)、化合物(D)、及び必要に応じ
て化合物(F)を均一になるまで撹拌、混合した(粉末
等が含まれる場合は、遮光下、50℃に加温しながら混
合した)。上記配合物が均一に混合された後に、チキソ
トロピー付与剤(E)を加え、撹拌機(特殊機化工業社
製TKホモディスパー、撹拌条件500rpm×10
分)を用いて分散させて、本発明の接着剤組成物を得
た。
【0049】(2)性能評価方法 上記実施例1,2及び比較例1〜9で得られた接着剤組
成物について、粘度、圧縮剪断接着力、剪断クリープ、
ポットライフ(可使時間)、初期耐クリープ性、転化
率、硬化物の破断点伸び、動的引っ張り弾性率及び動的
剪断弾性率を以下の方法で評価した。実施例1,2及び
比較例1〜4の結果を表3に、比較例5〜9の結果を表
4に示した。
【0050】1)粘度 JIS K 6833に準拠して、回転粘度計(東京計
器社製、B型粘度計)を用いて、ローターNo4、回転
速度10rpmの条件下、25℃で測定した。但し、チ
キソトロピー付与剤(E)を用いず、上記条件下での測
定可能範囲を超え、かつ、接着剤組成物がニュートン粘
性体の場合は、用いるローター及び回転速度は適宜選ん
で評価した。
【0051】2)圧縮剪断接着力 スレート被着体(35mm×25mm×8mm)上に、
接着剤組成物を25mm×25mm×0.3mmとなる
ように塗布し、他のスレート被着体を貼り合わせ、評価
試験サンプルを作成する。得られたサンプルをJIS
K 6852に準拠して圧縮試験(クロスヘッドスピー
ド300mm/分)を行い、光照射前の圧縮剪断接着力
を評価した。
【0052】次に、上記と同様にして、スレート被着体
上に接着剤組成物を塗布し、この塗布面に紫外線(高圧
水銀灯、照射エネルギー:700mJ/cm2 、365
nm)を照射した後、他のスレート被着体を貼り合わ
せ、評価試験サンプルを作成する。得られたサンプルを
JIS K 6852に準拠して圧縮試験(クロスヘッ
ドスピード300mm/分)を行い、光照射直後の圧縮
剪断接着力を評価した。
【0053】さらに、上記光照射直後の圧縮剪断接着力
を評価するのと同じ方法で評価試験サンプルを作成す
る。得られたサンプルを25℃、湿度63%の条件下で
7日間養生した後、JIS K 6852に準拠して圧
縮試験(クロスヘッドスピード5mm/分)を行い、光
照射7日後の圧縮剪断接着力を評価した。
【0054】3)剪断クリープ 評価サンプルは、ペンタイト鋼板(25mm×150m
m×1mm)に組成物を塗布面積が25mm×25mm
となるように塗布した。被塗物に紫外線を照射した後、
ペンタイト鋼板(25mm×150mm×1mm)を貼
り合わせ、実施例の記載の通り23℃で所定の時間養生
した。得られたサンプルの一方の被着体を吊し、他方の
被着体の自重を剪断荷重としてクリープ性を評価した。
評価値は、評価サンプルを吊して、30分間静置し、荷
重が落下するかどうかで評価した。
【0055】4)ポットライフ(可使時間) JIS K 6833に準拠して、接着剤組成物をガラ
ス基板上に、塗布厚み0.35mmとなるように塗布
し、23℃、湿度65%、遮光下で放置して、接着剤組
成物を塗布してから糸引きが生じるまでの時間をポット
ライフとして評価した。
【0056】5)初期耐クリープ性(初期90°剥離ク
リープ試験) 25mm×100mm×0.5mmの亜鉛鋼板上に、接
着剤組成物を25mm×50mm×0.35mmとなる
ように塗布し、塗布面に、高圧水銀灯を用いて、照射エ
ネルギー強度が700mJ/cm2 となるように365
nmの波長の紫外線を照射した後、50mm×150m
m×8mmのスレートからなる被着体に貼り合わせた。
貼り合わせ後、直ちに、亜鉛鋼板が下側となるように、
スレートの両端を水平に固定し、所定の重量のおもりを
亜鉛鋼板の片端にぶら下げ、1時間以内に剥離が発生し
ないおもりの重量を求めた。このおもりの重量が大きい
程、初期耐クリープ性が高いことを示す。
【0057】6)転化率 活性エネルギー線照射を終了してから5分後、活性エネ
ルギー線の照射を終了してから25℃で12時間養生し
た後、及び活性エネルギー線の照射を終了してから25
℃で24時間養生した後の化合物(C)の各転化率を測
定した。
【0058】なお、転化率の測定に際し、化合物(C)
の含有量は、RI(Retlactive Index)装置を備えたゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより求め、活
性エネルギー線照射前の化合物(C)の含有量に対する
割合で上記各転化率を求めた。
【0059】7)硬化物の破断点伸び JIS K 6301に従って、クロスヘッドスピード
500mm/分及び25℃の条件で、引っ張り試験機を
用いて、活性エネルギー線照射を終了してから25℃で
24時間養生した後の硬化物の破断点伸びを測定した。
【0060】8)動的引っ張り弾性率 活性エネルギー線の照射を終了してから25℃で24時
間養生した後の硬化物の動的引っ張り弾性率を、粘弾性
スペクトルメーターを用い、25℃及び印加周波数63
rad/sの条件で測定した。
【0061】9)動的剪断弾性率 活性エネルギー線の照射直後、硬化物の動的剪断弾性率
を、粘弾性スペクトルメーターを用い、測定温度25℃
及び印加周波数0.1rad/sの条件で測定した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】表3に示したように、実施例1,2及び比
較例1〜4の接着剤組成物は、塗布粘度が適当で、光照
射直後の接着力が高く凝集力が向上しており、ポットラ
イフも長く、また、光照射7日後の接着力も十分発現し
ている。さらに、実施例1,2では、耐クリープ性が比
較例1〜4に比べて著しく高められている。
【0067】表4に示したように、比較例5,7〜9の
接着剤組成物は、チキソトロピー付与剤(E)を含有し
ないため、また、比較例6の接着剤組成物は、分子中に
重合性基を有する化合物(C)及び化合物(C)中の重
合性基を光により重合開始させる化合物(D)を含有し
ないため、光照射直後の接着力が劣っている。
【0068】
【発明の効果】本発明に係る接着剤組成物は、空気中の
湿気で硬化する成分に、短時間の光照射により凝集力を
発現するような成分と、チキソトロピー付与剤を含有す
るため、常態では流動性があり塗布可能な粘性を示し、
ポットライフが長く、また短時間の光照射で凝集力が発
現し、仮止め、仮固定作業を必要としないためラインの
接合工程に適応でき、かつ前述した化合物(C)の一部
が化合物(F)とされているので、接着硬化後の耐衝撃
性、耐クリープ性等の物性が極めて優れている。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 DA001 DA002 DA151 DA152 DB091 DB092 DF061 DF062 EC061 EC062 EC071 EC072 EC261 EC262 EC351 EC352 ED161 ED162 EE021 EE022 EE051 EE052 EG001 EG002 EL021 EL022 FA011 FA012 FA041 FA042 FA061 FA062 FA131 FA132 FA261 FA262 FA271 FA272 FA291 FA292 GA02 GA31 HA196 HA306 HA346 HB07 HB19 HB24 HC09 HD42 JB04 JB08 KA03 KA05 KA07 KA13 KA14 KA25 LA01 LA05 LA06 PA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子中に2個以上の加水分解性
    シリル基を有する化合物 (B)化合物(A)を架橋させるための化合物 (C)分子中に重合性基を有する化合物 (D)化合物(C)中の重合性基を光により重合開始さ
    せる化合物、及び (E)チキソトロピー付与剤を含有し、 前記化合物(C)が、分子内に重合性基を1個以上有す
    る重量平均分子量3000以上の重合性化合物(F)を
    少なくとも1種含むことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 上記化合物(A)の加水分解性シリル基
    がアルコキシシリル基であって、また、化合物(A)が
    ポリアルキレングリコールまたはポリオレフィンから選
    ばれるポリマー中に該アルコキシシリル基が置換した化
    合物であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 上記化合物(C)の重合性基がラジカル
    重合性基であって、上記化合物(D)が光ラジカル重合
    開始剤であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記化合物(C)のラジカル重合性基
    が、アクリロイル基またはメタクリロイル基から選ばれ
    る重合性基であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 上記チキソトロピー付与剤(E)が、ガ
    ラスバルーン、ガラスビーズ、表面処理炭酸カルシウム
    及び各種シリカからなる群より選ばれる少くとも1種で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤
    組成物を、接合部材の片方に塗布し、塗布した接着剤組
    成物層の上面から光を照射し、その後、他方の接合部材
    を貼り合わせることを特徴とする接合部材の接合方法。
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