JP6156607B1 - 光硬化性粘着剤を用いる接着方法 - Google Patents

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Abstract

様々な形状の被着体に対して塗布することができ、光照射後、表面硬化性に優れると共にすばやく粘着性を発揮する光硬化性粘着剤、粘着剤含有製品、貼り合せ方法、及び製品の製造方法を提供する。光硬化性粘着剤は、(A)一般式(1)で表され、酸素阻害を抑制するモノアクリレートと、(B1)単官能(メタ)アクリレート、及び(B2)液状有機重合体からなる群から選択される有機化合物と、(C)光開始剤とを含有する。【化1】(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2乃至R6はそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。)

Description

本発明は、空気中でも迅速に光硬化する光硬化性粘着剤を用いる接着方法に関する。
特許文献1には光重合性アクリル酸エステルを含有する光硬化性組成物を一方の被着体に塗布した後、紫外線を照射して、アクリル酸エステルを重合して粘度を上げ(Bステージ化といわれており、粘着性を付与していると考えられる)、この状態で他方の被着体を接着固定する方法が開示されている。具体例として、一方の被着体としてアンテナ部品を用い、他方の被着体としてICチップを用いた、無線周波数識別(RFID)タグの製造が示されている。なお、特許文献1では光硬化性組成物に更に湿気硬化性樹脂を用い、接着を確実にしている。
このように光重合性アクリル酸エステルを含有する光硬化性組成物を一方の被着体に塗布し、光照射することによりアクリル酸エステルを重合して粘着性を付与した後、他方の被着体を接着する方法は、特に電子機器の製造において有用であると考えられる。このような方法によれば、一旦接着した被着体を位置合わせ等のために剥離することが容易であるためである。また、粘着シートや粘着テープを用いても同様の方法が可能であるものの、粘着シートや粘着テープを所定の形状にして所定の場所に載置することは困難な場合が多い一方で、上記の接着方法によれば、未硬化の光硬化性組成物を所定の場所に塗布することが比較的容易だからである。
しかしながら、アクリル酸エステルは光重合性を有しているものの、空気中のような酸素存在下では重合が阻害されることが知られており、重合が進行しなかったり、長時間の照射が必要とされたり、強い光を照射することが必要とされたりした。実際に特許文献1の実施例1においてはアクリル酸エステルとしてフェノキシエチルアクリレートを使用しているが、光重合するのに1時間以内の時間を必要としている。電子機器の製造においては生産性の観点から光重合の進行は秒単位の時間が望ましいと考えられる。酸素阻害の問題を解決するには窒素雰囲気下で光照射することや透明カバーフィルムを用い酸素を遮断して光照射することが可能であるが、別に設備が必要になる。
特表2009−530441号公報 国際公開WO2013−161812号公報
本発明が解決しようとする課題はアクリル酸エステルを含有する光硬化性粘着剤を用いて複数の被着体を接着する接着方法であって、酸素存在下でもアクリル酸エステルの光重合が迅速に進行し、長時間の光照射や酸素遮断設備が不要な接着方法を提供することにある。
本発明者らはアクリル酸エステルとして特許文献2に開示されている水酸基を有するアクリル酸エステルを用いると酸素存在下でもアクリル酸エステルの光重合が迅速に進行することを見出し、本発明に至った。特許文献2においては、例えば特許文献2の段落[0071]等の実施例に記載されているように、紫外線硬化型粘着剤組成物を剥離処理ポリエステルフィルム上に塗布し、UV照射してプレ硬化し、その後、硬化物塗工面と剥離処理ポリエステルフィルムとを貼り合わせて空気を遮断し、ここにUV照射することにより硬化させて粘着層を得ている。すなわち、プレ硬化により組成物の表面ではなく内側の粘度を増加させ、その状態で剥離処理ポリエステルフィルムに貼り合せることで空気を遮断し、再度、光照射することで硬化を進行させて粘着層を得ている。したがって、特許文献2においては、剥離紙を用いずに空気中での作業が要求される現場施工において粘着剤組成物に要求される酸素阻害の観点について記載も示唆もされていない。よって、本発明の目的を達成することはできない。すなわち、本発明は次の接着方法である。
本発明は、複数の被着体を接着する方法であって、(A)下記一般式(1)で表されるモノアクリレートと、(B1)単官能(メタ)アクリレート、及び(B2)液状有機重合体からなる群から選択される少なくとも1つの有機化合物と、(C)光開始剤とを含有する光照射により粘着性を示す光硬化性粘着剤を少なくとも一方の被着体に塗布する塗布工程と、一方の被着体に塗布された光硬化性粘着剤に光を照射する光照射工程と、一方の被着体に塗布され、光が照射された光硬化性粘着剤に他方の被着体(ただし、他方の被着体として粘着面の保護用シートを除く)を接着する工程とを備える接着方法が提供される。
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。
また、上記接着方法において、光硬化性粘着剤が、(D)粘着付与樹脂を更に含有することもできる。
また、上記接着方法において、光硬化性粘着剤が、(E)2以上の光ラジカル重合性ビニル基を含有する化合物を更に含有することもできる。
また、上記接着方法において、(E)2以上の光ラジカル重合性ビニル基を含有する化合物が、重合体であってもよい。
また、上記接着方法において、(B2)液状有機重合体が、架橋性ケイ素基を有する重合体であってもよい。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記のいずれか1つに記載の接着方法を用いて製造される接着体が提供される。
また、本発明は、上記目的を達成するため、光照射により粘着性を示す光硬化性粘着剤であって、(A)一般式(1)で表されるモノアクリレートと、(B1)単官能(メタ)アクリレート、及び(B2)液状有機重合体からなる群から選択される少なくとも1つの有機化合物と、(C)光開始剤とを含有する現場施工用光硬化性粘着剤が提供される。
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。
なお、上記特許文献2においては、所定の多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、粘着付与剤、単官能エポキシエステル(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤を含む紫外線硬化型粘着剤組成物が開示されているものの、特許文献2に係る紫外線硬化型粘着剤組成物は本発明とは異なり現場施工用ではなく、本発明と異なる目的で用いられている。
本発明に係る接着方法によれば、アクリル酸エステルを含有する光硬化性粘着剤を用いて複数の被着体を接着する接着方法であって、酸素存在下でもアクリル酸エステルの光重合が迅速に進行し、長時間の光照射や酸素遮断設備が不要な接着方法を提供できる。
LEDチップ貼り合せ試験に用いたプリント基板、及びLEDチップの概要図である。 プリント基板にLEDチップを貼り合せる工程の概要図である。
本発明の接着方法は、粘着シートや粘着テープ等の粘着製品の製造方法ではなく、光照射により粘着剤となる原料を被着体に直接塗布し、被着体上に粘着剤を生成させ、これに他方の被着体を接着する方法である。すなわち、本発明の接着方法においては、光硬化性粘着剤をテープ等の形体に成形してから用いることはなく、一方の被着体に直接塗布してそのまま他方の被着体への接着に用いる(つまり、他方の被着体は剥離ライナー等のようなフィルム等ではなく、実際に一方の被着体に接着される被着体である。)。
そして、本発明の接着方法の用途としては、電子・電気部品等の接着に用いることができ、特に電子部品の接着に適している。ここで、本発明において「現場施工用」とは、電子部品等を製造する現場において光硬化性粘着剤をそのまま貼り合せのために用いることを指す。すなわち、本発明においては、粘着剤をテープ等の形状に加工して成型体を作製し、加工場所と異なる場所において当該成型体を用いるのではなく、本発明の光硬化性粘着剤を一方の被着体にそのまま塗布し、その状態で(若しくはその現場で)他方の被着体に一方の被着体を貼り付ける用途を指す。
また、本発明の光硬化性粘着剤は、活性エネルギー線等の光照射によりすばやく粘着性を発揮する光硬化性粘着剤である。すなわち、光硬化性粘着剤は、(A)凝集力を発揮すると共に環境中の酸素による酸素阻害を抑制し得る化合物と、(B)柔軟性を発揮する化合物と、(C)光照射によってラジカルを発生する化合物とを含有する。具体的に、本発明の光硬化性粘着剤は、(A)下記一般式(1)で表されるモノアクリレートと、B成分としての(B1)単官能(メタ)アクリレート、及びB成分としての(B2)液状有機重合体からなる群から選択される少なくとも1つの有機化合物と、(C)光開始剤とを含有する。また、光硬化性粘着剤は、(D)粘着付与樹脂を更に含有してもよい。更に、光硬化性粘着剤は、(E)光ラジカル重合性ビニル基を含有する多官能モノマー、及び/又は(E)光ラジカル重合性ビニル基を含有する多官能重合体を更に含有することもできる。
一般式(1)中、一般式(1)中、Rは水素原子(−H)又はメチル基(−CH)を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。置換基としては、例えば、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アセチル基、カルボニル基、置換又は非置換のアリル基、置換又は非置換のアルキル基(好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基)、置換又は非置換のアルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜5のアルコキシ基)、非置換若しくは置換アリール基、非置換若しくは置換アリールオキシ基、複素環構造含有基、複数の環を有する基やこれらの組合せ等が挙げられる。R〜Rのいずれかが互いに結合し、環状構造を形成してもよい。R〜Rからなる群から選択される少なくとも2つの基が互いに結合し、環状構造を形成する場合、複数のベンゼン環が縮合した構造、ベンゼン環と複素環や非芳香族性の環、カルボニル基等の官能基が結合した環等が縮合した構造等を形成してもよい。これらの置換基の中では、置換又は非置換のアルキル基が好ましく、置換又は非置換の炭素数が1〜5のアルキル基がより好ましい。
(A成分:モノアクリレート)
光硬化性粘着剤が含有するA成分は、複数の電子吸引性基を有する化合物であり、複数の電子吸引性基に挟まれた部分に活性ラジカルが生じやすい化合物である。本発明者らは、このような構造を有する化合物が酸素による重合阻害を抑制し得ると推測し、様々な化合物を用いた光硬化性粘着剤の特性を研究した結果、本発明に係る光硬化性粘着剤のA成分が好適であることを見出した。すなわち、A成分として、複数の−CH基(具体的には2つの−CH基)に挟まれた部分に配置される2級水酸基と、分子の両端に位置する電子吸引性基とを含む単官能の化合物が好ましいことを見出した。具体的に、A成分としては、一般式(1)で表されるモノアクリレートが挙げられる。A成分の具体例としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。
ここで、一般式(1)で表されるモノアクリレートを除く水酸基を有するモノアクリレート(例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート等)では本発明の効果は得られない。
なお、光硬化性粘着剤から得られる粘着剤、及び粘着剤の後硬化により得られる硬化物をエポキシアクリレートやアクリルアミド等から得られる硬化物より柔軟性を有する硬化物にする観点、及び/又はエポキシアクリレートやアクリルアミド等のガラス転移温度より比較的低いガラス転移温度の化合物を用いる観点から、A成分としては、多官能ではなく、モノアクリレートを用いることが好ましい。
ここで、酸素による重合阻害を抑制するメカニズムとしては、以下のメカニズムが推測される。すなわち、ラジカル重合においては酸素による重合阻害が起こり、モノマーの反応率が低下する。特に、空気に触れる表面層において反応率の低下が発生する。酸素阻害は、光開始剤から生成する開始ラジカルやモノマーの重合過程で生成する重合末端ラジカルが酸素にトラップされて生成するパーオキシラジカルの重合能力が低く、重合反応が停止することによって起こる。ここで、系に連鎖移動剤としての機能を有するA成分のモノアクリレートが存在する場合、水素引き抜き能を有するパーオキシラジカルがモノアクリレートから水素を引き抜くことで、新たに生成する2級水酸基のα炭素ラジカルが重合を開始すると考えられる。また、生成した2級水酸基のα炭素ラジカルは酸素を補足することもできるため、系内の酸素濃度を低減させる効果も考えられる。これらのメカニズムにより、酸素阻害が抑制されると推測される。
なお、モノアクリレートとして架橋性ケイ素基を含有するモノアクリレートを用いた場合、光硬化性粘着剤は、光照射により粘着性を示した後、経時変化により後硬化(接着剤化)しやすくなる。液状有機重合体は、置換基として架橋性ケイ素基を導入することにより架橋性ケイ素基を含有するモノアクリレートとなる。架橋性ケイ素基の具体的な構造としては、トリメトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基[−Si(OR)]、メチルジメトキシシリル基等のジアルコキシシリル基[−Si(CH)(OR)]が挙げられ、トリアルコキシシリル基[−Si(OR)]が反応性が高い点で好適であり、トリメトキシシリル基がより好適である。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。
(B1成分:単官能(メタ)アクリレート)
B1成分は、光硬化性粘着剤に柔軟性を発揮させる化合物である。単官能(メタ)アクリレートとしては、1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物で、単量体(以下、モノマーとも称する)及び重合体のいずれも用いることができ、粘度の点からは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーが好ましい。また、硬化物の物性の点からは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体が好適である。1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーとしては、1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば、特に限定はない。例えば、単官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。(メタ)アクリレート基としては、反応性の観点からはアクリレート基が好ましい。また、光硬化性粘着剤の粘着性が優れている点で、単官能(メタ)アクリレートモノマーは、単官能(メタ)アクリレートモノマーから得られるホモポリマーのTが40℃以下であることが好ましく、10℃以下がより好ましく、0℃以下が最も好ましい。なお、B1成分は、配合の容易性等の観点からは液状であることが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、
CH=CRαCOO(C2mO)β・・・(2)
(一般式(2)中、Rαは−H又は−CHであり、mは2〜4の整数、nは1〜20の整数、Rβは−H又は非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のフェニル基を示す。)が挙げられる。具体的に、単官能(メタ)アクリレートモノマーとして、一般式(2)でRβがHの化合物、脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;一般式(2)でRβが非置換若しくは置換のアルキル基の化合物等のアルコキシ基を有する(メタ)アクリレート;一般式(2)でRβが非置換若しくは置換のフェニル基の化合物、アリール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート;脂環式(メタ)アクリレート;複素環基を有する(メタ)アクリレート;カルボキシイミド基を有する(メタ)アクリレート;架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。光硬化性粘着剤の粘着性が優れている点で、炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、及び/又は一般式(2)の化合物が好ましく、炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートが最も好ましい。
単官能(メタ)アクリレートの具体例はとしては以下の通りである。まず、水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルアクリレート等が挙げられる。アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。芳香族(メタ)アクリレートとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、入手の容易性の観点から炭素数が8〜18の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートが好ましい。脂環式(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。複素環基を有する(メタ)アクリレートとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリレートとしては、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する重合体としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する重合体を用いることができる。例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有するアクリル重合体を骨格とするアクリル系重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系重合体、ポリエステル(メタ)アクリレート系重合体、ポリエーテル(メタ)アクリレート系重合体、エポキシ(メタ)アクリレート系重合体等が挙げられる。
(B2成分:液状有機重合体)
液状有機重合体の主鎖骨格としては、具体的には、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合、又は、ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等のモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体;有機重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ポリアミド系重合体;ポリカーボネート系重合体;ジアリルフタレート系重合体等が挙げられる。これらの骨格は、2種類以上がブロック若しくはランダムに含まれていてもよい。
更に、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体は比較的ガラス転移温度が低く、得られる光硬化性粘着剤が耐寒性に優れることから好ましい。また、ポリオキシアルキレン系重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、透湿性が高く1液型組成物にした場合に深部硬化性に優れることから特に好ましい。
液状有機重合体は直鎖状、又は分岐を有してもよく、その数平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において500〜100,000程度、より好ましくは1,000〜50,000であり、特に好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量が500未満では、光硬化性粘着剤の伸び特性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となるために作業性の点で不都合な傾向がある。
(ポリオキシアルキレン系重合体)
ポリオキシアルキレン系重合体は、一般式(3)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
−R−O− ・・・(3)
一般式(3)中、Rは炭素数が1〜14の直鎖状若しくは分岐アルキレン基であり、炭素数が1〜14の直鎖状若しくは分岐アルキレン基が好ましく、炭素数が2〜4の直鎖状若しくは分岐アルキレン基が更に好ましい。
一般式(3)で示される繰り返し単位の具体例としては、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位から構成されても、2種類以上の繰り返し単位から構成されてもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOH等のアルカリ触媒による重合法、例えば、複金属シアン化物錯体触媒による重合法等が挙げられるが、特に限定されない。複金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、例えば、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体との反応から得られる成分を挙げることができる。
(飽和炭化水素系重合体)
飽和炭化水素系重合体は、芳香環を除く他の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体である。その骨格を形成する重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等の炭素数が2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独重合させるか、あるいはジエン系化合物とオレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する等の方法により得ることができる。イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましく、イソブチレン系重合体が特に好ましい。主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体である場合、耐熱性、耐候性、耐久性、及び湿気遮断性に優れる特徴を有する。
イソブチレン系重合体は、単量体単位の全てがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他単量体との共重合体でもよい。ゴム特性の面からは、イソブチレンに由来する繰り返し単位を50質量%以上含有する重合体が好ましく、80質量%以上含有する重合体がより好ましく、90〜99質量%含有する重合体が特に好ましい。
((メタ)アクリル酸エステル系重合体)
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、各種のモノマーを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー;脂環式(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;芳香族(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸の誘導体;フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共に、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、無水マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
これらは、単独で用いても、複数を共重合させてもよい。更に、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを併用することで、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)中のケイ素基の数を制御できる。接着性が良いことからメタクリル酸エステルモノマーからなるメタクリル酸エステル系重合体が特に好ましい。また、低粘度化、柔軟性の付与、粘着性の付与をする場合、アクリル酸エステルモノマーを適時用いることが好適である。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合反応を用いたラジカル重合法を用いることができる。ラジカル重合法としては、重合開始剤を用いて所定の単量体単位を共重合させるラジカル重合法(フリーラジカル重合法)や、末端等の制御された位置に反応性シリル基を導入できる制御ラジカル重合法が挙げられる。ただし、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いるフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなる。したがって、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、制御ラジカル重合法を用いることが好適である。
制御ラジカル重合法としては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法やリビングラジカル重合法が挙げられ、付加−開裂移動反応(Reversible Addition-Fragmentation chain Transfer;RAFT)重合法、遷移金属錯体を用いたラジカル重合法(Transition-Metal-Mediated Living Radical Polymerization)等のリビングラジカル重合法がより好ましい。また、反応性シリル基を有するチオール化合物を用いた反応や、反応性シリル基を有するチオール化合物及びメタロセン化合物を用いた反応も好適である。
架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で用いても、2種以上併用してもよい。
これらの液状有機重合体は、単独で用いても、2種以上併用してもよい。具体的には、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される2種以上をブレンドした有機重合体も用いることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体と(メタ)アクリル酸エステル系重合体とをブレンドした有機重合体の製造方法としては、様々な方法が挙げられる。例えば、分子鎖が実質的に、一般式(4):
−CH−C(R)(COOR)− ・・・(4)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数が1〜5のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、一般式(5):
−CH−C(R)(COOR10)− ・・・(5)
(式中、Rは前記に同じ、R10は炭素数が6以上のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、ポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法が挙げられる。
一般式(4)のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数が1〜5、好ましくは炭素数が1〜4、更に好ましくは炭素数が1〜2のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
一般式(5)のR10としては、例えば、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基等の炭素数が6以上、通常は炭素数が7〜30、好ましくは炭素数が8〜20の長鎖のアルキル基が挙げられる。なお、R10のアルキル基はRの場合と同様、単独でも2種以上混合してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に式(4)及び式(5)の単量体単位からなる。ここで、「実質的に」とは、共重合体中に存在する式(4)及び式(5)の単量体単位の合計が50質量%を越えることを意味する。式(4)及び式(5)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。また式(4)の単量体単位と式(5)の単量体単位との存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40が更に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の数平均分子量は、600〜10,000が好ましく、600〜5,000がより好ましく、1,000〜4,500が更に好ましい。数平均分子量をこの範囲とすることにより、ポリオキシアルキレン系重合体との相溶性が向上する。(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で用いても、2種以上併用してもよい。ポリオキシアルキレン系重合体と(メタ)アクリル酸エステル系重合体との配合比には特に制限はないが、(メタ)アクリル酸エステル系重合体とポリオキシアルキレン系重合体との合計100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル系重合体が10〜60質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量部の範囲内であり、更に好ましくは25〜45質量部の範囲内である。(メタ)アクリル酸エステル系重合体が60質量部より多いと粘度が高くなり、作業性が悪化するため好ましくない。
更に、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドして得られる有機重合体の製造方法としては、他にも、有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合する方法を利用できる。
2種以上の重合体をブレンドして用いる場合は、ポリオキシアルキレン系重合体100質量部に対し、飽和炭化水素系重合体、及び/又は(メタ)アクリル酸エステル系重合体を10〜200質量部用いることが好ましく、20〜80質量部用いることが更に好ましい。
また、2種以上の有機重合体を用いる場合、固体状の有機重合体を含む場合であっても、固体状の有機重合体と他の有機重合体とを混合した場合に液状になる(つまり、固体状の有機重合体が他の有機重合体に溶解して液状になる)有機重合体であれば、本発明に係るB2成分として用いることができる。更に、液状有機重合体は、他の成分と配合する場合における取扱い易さを確保する観点から、20℃で液状を示すことが好ましく、0℃で液状を示すことがより好ましく、−10℃で液状を示すことが更に好ましい。
なお、液状有機重合体として架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体を用いた場合、光硬化性粘着剤は、光照射により粘着性を示した後、経時変化により後硬化(接着剤化)しやすくなる。液状有機重合体は、架橋性ケイ素基を導入することにより架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体となる。
(架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体)
架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体の架橋性ケイ素基としては、例えば、一般式(6)で示される基が好適である。
式(6)中、Rγは、有機基を示す。なお、Rγは、炭素数が1〜20の炭化水素基が好ましい。これらの中でRγは、特にメチル基が好ましい。Rγは、置換基を有していてもよい。Rγが2個以上存在する場合、複数のRγは同一であっても、異なっていてもよい。Wは水酸基、又は加水分解性基を示し、Wが2個以上存在する場合、複数のWは同一であっても、異なっていてもよい。aは0、1、2又は3の整数のいずれかである。硬化性を考慮し、十分な硬化速度を有する光硬化性粘着剤を得るためには、式(6)においてaは2以上が好ましく、3がより好ましい。
加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができる。加水分解性基や水酸基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよい。
Wで示される加水分解性基としては、F原子以外であれば特に限定されない。例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。
架橋性ケイ素基の具体的な構造としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基[−Si(OR)]、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基[−SiR(OR)]が挙げられ、トリアルコキシシリル基[−Si(OR)]が反応性が高い点で好適であり、トリメトキシシリル基がより好適である。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。
また、架橋性ケイ素基は1種で使用しても良く、2種以上併用してもよい。架橋性ケイ素基は、主鎖又は側鎖あるいはいずれにも存在しうる。
単官能(メタ)アクリレート、及び液状有機重合体の配合割合は、A成分、並びにB1成分及び/又はB2成分100質量部(B1成分とB2成分との双方を用いる場合、A成分とB1成分とB2成分との合計100質量部、[以下、液状AB成分100質量部とも称する])に対して10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましく、30〜60質量部が最も好ましい。硬化物の硬さを適正に保ち、十分な粘着力を発揮させる観点から、単官能(メタ)アクリレート、及び液状有機重合体の配合割合は、10質量部以上が好ましく、A成分による酸素阻害の抑制効果を発揮させ、十分な粘着力を発揮させる観点から、単官能(メタ)アクリレート、及び液状有機重合体の配合割合は80質量部以下が好ましい。
(C成分:光開始剤)
光開始剤としては、光ラジカル発生剤、及び/又は光塩基発生剤等を用いることができる。光ラジカル発生剤は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生させる化合物である。光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾインエーテル誘導体系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、オキシムケトン系、アシルホスフィンオキサイド系、チタノセン系、チオキサントン系、キノン系等、及びそれらを高分子量化した誘導体が挙げられる。
光塩基発生剤は、光を照射すると(B2)液状有機重合体の硬化触媒として作用する。特に、有機重合体が架橋性ケイ素基を含有する場合に高い効果を奏する。光塩基発生剤は、紫外線、電子線、X線、赤外線、及び可視光線等の活性エネルギー線の作用により塩基及びラジカルを発生する。(1)紫外線・可視光・赤外線等の活性エネルギー線の照射により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、(2)分子内求核置換反応や転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物、若しくは(3)紫外線・可視光・赤外線等のエネルギー線の照射により所定の化学反応を起こして塩基を放出する化合物等の公知の光塩基発生剤を用いることができる。光塩基発生剤から発生するラジカルがA成分を硬化させ、光塩基発生剤から発生する塩基が架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体を硬化させる機能を有する。
光塩基発生剤から発生する塩基としては、例えば、アミン化合物等の有機塩基が好ましく、例として、WO2015−088021号公報(以下、「文献1」とも称する)記載の第1級アルキルアミン類、第1級芳香族アミン類、第2級アルキルアミン類、2級アミノ基及び3級アミノ基を有するアミン類、第3級アルキルアミン類、第3級複素環式アミン、第3級芳香族アミン類、アミジン類、ホスファゼン誘導体が挙げられる。このうち、第3級アミノ基を有するアミン化合物が好ましく、強塩基であるアミジン類、ホスファゼン誘導体がより好ましい。アミジン類は非環状アミジン類及び環式アミジン類のいずれも用いることができ、環式アミジン類がより好ましい。これら塩基は単独で用いても、2種以上組み合わせてもよい。
非環状アミジン類としては、例えば、文献1記載のグアニジン系化合物、ビグアニド系化合物等が挙げられる。また、非環状アミジン化合物の中でも、例えば、文献1記載のアリール置換グアニジン系化合物、若しくはアリール置換ビグアニド系化合物を発生する光塩基発生剤は、(B2)液状有機重合体の触媒として用いた場合、表面の硬化性が良好となる傾向を示すこと、得られる硬化物の接着性が良好となる傾向を示すこと等から好ましい。
環式アミジン類としては、例えば、文献1記載の環式グアニジン系化合物、イミダゾリン系化合物、イミダゾール系化合物、テトラヒドロピリミジン系化合物、トリアザビシクロアルケン系化合物、ジアザビシクロアルケン系化合物が挙げられる。
環式アミジン類のうち、工業的に入手が容易である点や、共役酸のpKa値が12以上であり、高い触媒活性を示す点から、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)が特に好適である。
光塩基発生剤としては、様々な光塩基発生剤を用いることができる。活性エネルギー線の作用によりアミン化合物を発生する光潜在性アミン化合物が好ましい。光潜在性アミン化合物としては、活性エネルギー線の作用により第1級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第1級アミン、活性エネルギー線の作用により第2級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第2級アミン、及び活性エネルギー線の作用により第3級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第3級アミンのいずれも用いることができる。発生塩基が高い触媒活性を示す点からは、光潜在性第3級アミンがより好適である。
光潜在性第1級アミン及び光潜在性第2級アミンとしては、例えば、文献1記載のオルトニトロベンジルウレタン系化合物;ジメトキシベンジルウレタン系化合物;カルバミン酸ベンゾイン類;o−アシルオキシム類;o−カルバモイルオキシム類;N−ヒドロキシイミドカルバマート類;ホルムアニリド誘導体;芳香族スルホンアミド類;コバルトアミン錯体等が挙げられる。
光潜在性第3級アミンとしては、例えば、文献1記載のα−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体、ベンジルアミン誘導体、ベンジルアンモニウム塩誘導体、α−アミノアルケン誘導体、α−アンモニウムアルケン誘導体、アミンイミド類、光によりアミジンを発生するベンジルオキシカルボニルアミン誘導体、及びカルボン酸と3級アミンとの塩等が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、例えば、5−ナフトイルメチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−ニトロ)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン等のアミジン類を発生するα−アミノケトン化合物、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(イルガキュア369)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(イルガキュア379)等の一個の窒素原子で構成される第3級アミン基を有する第3級アミン類を発生するα−アミノケトン化合物が挙げられる。
α−アンモニウムケトン誘導体としては、例えば、1−ナフトイルメチル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、5−(4’−ニトロ)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート等が挙げられる。
ベンジルアミン誘導体としては、例えば、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(アントラセン−9−イル−メチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(ナフト−2−イル−メチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン等のベンジルアミン誘導体等が挙げられる。
ベンジルアンモニウム塩誘導体としては、例えば、(9−アントリル)メチル1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、5−(9−アントリルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
α−アミノアルケン誘導体としては、例えば、5−(2’−(2”−ナフチル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン等が挙げられる。
α−アンモニウムアルケン誘導体としては、例えば、1−(2’−フェニルアリル)−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート等が挙げられる。
光によりアミジンを発生するベンジルオキシカルボニルアミン誘導体としては、文献1記載のベンジルオキシカルボニルイミダゾール類、ベンジルオキシカルボニルグアニジン類、ジアミン誘導体等が挙げられる。
カルボン酸と3級アミンとの塩としては、文献1記載のα−ケトカルボン酸アンモニウム塩、及びカルボン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
光塩基発生剤の中でも、発生塩基が高い触媒活性を示す点から光潜在性第3級アミンが好ましく、塩基の発生効率が高いこと及び光硬化性粘着剤としての貯蔵安定性が良いこと等から、ベンジルアンモニウム塩誘導体、ベンジル置換アミン誘導体、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体が好ましい。特に、塩基の発生効率がより良いことから、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体がより好ましく、配合物に対する溶解性よりα−アミノケトン誘導体がより好ましい。α−アミノケトン誘導体の中でも発生塩基の塩基性の強さより発生する塩基がアミジン類であるα−アミノケトン化合物がよく、入手のしやすさより一個の窒素原子で構成される第3級アミン基を有する第3級アミン類を発生するα−アミノケトン化合物が挙げられる。
これら光開始剤は単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。光開始剤の配合割合は特に制限はないが、液状AB成分100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.5〜30質量部が更に好ましい。
光硬化性粘着剤は、光硬化性粘着剤の機能及び硬化を阻害しない範囲で、光開始剤(特に、光塩基発生剤から発生する塩基)と共に用いることで触媒作用を促進させ、光硬化性粘着剤の硬化速度を向上させる触媒作用促進剤を含有してもよい。触媒作用促進剤としては、例えば、Si−F結合を有するケイ素化合物、又はフッ素系化合物等が挙げられる。
(Si−F結合を有するケイ素化合物)
Si−F結合を有するケイ素化合物としては、Si−F結合を有するケイ素基(以下、フルオロシリル基と称することがある)を含む様々な化合物を用いることができる。Si−F結合を有するケイ素化合物として、無機化合物及び有機化合物のいずれも用いることができ、特に制限はなく、低分子化合物及び高分子化合物のいずれも用いることができる。Si−F結合を有するケイ素化合物として、本発明ではフルオロシリル基を有する有機化合物が好ましく、フルオロシリル基を有する有機重合体が、安全性が高くより好適である。また、光硬化性粘着剤が低粘度となる点からフルオロシリル基を有する低分子有機ケイ素化合物が好ましい。
Si−F結合を有するケイ素化合物としては、具体的には、式(7)で示される文献1記載のフルオロシラン類、式(8)で示される文献1に記載のフルオロシリル基を有する化合物(以下、フッ素化化合物とも称する)、及び文献1に記載のフルオロシリル基を有する有機重合体(以下、フッ素化ポリマーとも称する)等が好適な例として挙げられる。
11 4−dSiF ・・・(7)
(式(7)において、R11はそれぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数が1〜20の炭化水素基、又はR12SiO−(R12はそれぞれ独立に、炭素数が1〜20の置換若しくは非置換の炭化水素基、又はフッ素原子である)で示されるオルガノシロキシ基のいずれかを示す。dは1〜3のいずれかであり、dが3であることが好ましい。R11及びR12が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
−SiF11 ・・・(8)
(式(8)中、R11及びdはそれぞれ式(7)と同一であり、Zはそれぞれ独立して水酸基又はフッ素を除く他の加水分解性基であり、eは0〜2のいずれかであり、fは0〜2のいずれかであり、d+e+fは3である。R11、R12及びZが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
式(7)で示されるフルオロシラン類としては、式(7)で示されるフルオロシラン類が挙げられる。例えば、フルオロジメチルフェニルシラン、ビニルトリフルオロシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリフルオロシラン、オクタデシルトリフルオロシラン等が挙げられる。
式(8)で示されるフルオロシリル基を有する化合物において、Zで示される加水分解性基としては、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が好ましく、R11としては、メチル基が好ましい。また、加水分解性基は、アルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
式(8)で表されるフルオロシリル基を例示すると、フッ素以外に加水分解性基を有さないケイ素基やR11がメチル基であるフルオロシリル基が好ましく、トリフルオロシリル基がより好ましい。
式(8)で示されるフルオロシリル基を有する化合物としては、特に限定されず、低分子化合物、高分子化合物のいずれも用いることができる。例えば、無機ケイ素化合物;ビニルジフルオロメトキシシラン、ビニルトリフルオロシラン、フェニルジフルオロメトキシシラン、フェニルトリフルオロシラン等の低分子有機ケイ素化合物;末端に式(8)で示されるフルオロシリル基を有するフッ素化ポリシロキサン等の高分子化合物が挙げられ、式(7)で示されるフルオロシラン類や、主鎖又は側鎖の末端に式(8)で示されるフルオロシリル基を有する重合体が好適である。
フルオロシリル基を有する有機重合体(以下、フッ素化ポリマーとも称する)としては、Si−F結合を有する様々な有機重合体を用いることができる。
フッ素化ポリマーは、フルオロシリル基、及び主鎖骨格が同種である単一の重合体、すなわち、1分子あたりのフルオロシリル基の数、その結合位置、及びフルオロシリル基が有するFの数、並びに主鎖骨格が同種である単一の重合体であってもよく、これらのいずれか、又は全てが異なる、複数の重合体の混合物であってもよい。これらのフッ素化ポリマーはいずれも、速硬化性を示す光硬化性粘着剤の樹脂成分として好適に用いることができる。
フッ素化ポリマーの主鎖骨格としては、具体的には架橋性ケイ素基含有有機重合体の主鎖骨格等を用いることができ、取り扱いやすさや物性がよいことから、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等が好ましく、ポリオキシアルキレン系重合がより好ましく、ポリオキシプロピレンが最も好ましい。
フッ素化ポリマーは直鎖状であってもよく、又は分岐を有してもよい。フッ素化ポリマーの数平均分子量は、GPCにおけるポリスチレン換算において3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは3,000〜50,000であり、特に好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量が3,000未満では、硬化物の伸び特性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となるために作業性の点で不都合な傾向がある。
Si−F結合を有するケイ素化合物の配合割合は特に制限はないが、A成分とB成分との合計100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜20質量部がより好ましい。Si−F結合を有するケイ素化合物としてフッ素化ポリマー等の数平均分子量3,000以上の高分子化合物を用いる場合は、液状AB成分100質量部に対して、0.01〜80質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.05〜20質量部が更に好ましい。Si−F結合を有するケイ素化合物として数平均分子量3,000未満のフルオロシリル基を有する低分子化合物(例えば、式(9)で示されるフルオロシラン類や式(8)で示されるフルオロシリル基を有する低分子有機ケイ素化合物、フルオロシリル基を有する無機ケイ素化合物等)を用いる場合は、液状AB成分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
(フッ素系化合物)
フッ素系化合物としては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体、フッ素化剤及び多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物が挙げられる。フッ素系化合物は、架橋性ケイ素基の加水分解縮合反応を促進させる化合物として作用する。
三フッ化ホウ素の錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素のアミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体等が挙げられる。三フッ化ホウ素の錯体の中では、安定性と触媒活性を兼ね備えたアミン錯体が特に好ましい。
三フッ化ホウ素のアミン錯体に用いられるアミン化合物としては、例えば、モノエチルアミン、ピペリジン等が挙げられる。
フッ素系化合物の配合割合は特に制限はないが、液状AB成分100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましく、0.001〜2質量部が更に好ましい。これらフッ素系化合物は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光硬化性粘着剤は、Si−F結合を有するケイ素化合物及びフッ素系化合物からなる群から選択される1種以上を含むことができる。特に、光硬化性粘着剤において、後硬化(すなわち、接着剤化)する粘着剤として機能させる場合、(B2)液状有機重合体が架橋性ケイ素基含有有機重合体を含むと共に、光硬化性粘着剤がSi−F結合を有するケイ素化合物を含むことが好ましい。
(D成分:粘着付与樹脂)
D成分である粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ロジンエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、キシレンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂等の極性基を有する樹脂や、比較的極性の小さい芳香族系、脂肪族−芳香族共重合体系、又は脂環式系等の各種石油樹脂、若しくはクマロン樹脂、低分子量ポリエチレン樹脂、テルペン樹脂、及びこれらを水素添加した樹脂等の通常の粘着付与樹脂を用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの樹脂の具体例としては、芳香族系石油樹脂として、α−メチルスチレン単一重合樹脂[FTR Zeroシリーズ、三井化学(株)製]、スチレン系モノマー単一重合樹脂[FTR 8000シリーズ、三井化学(株)製]、スチレン系モノマー/芳香族系モノマー共重合系樹脂[FMRシリーズ、三井化学(株)製]、α−メチルスチレン/スチレン共重合系樹脂[FTR 2000シリーズ、三井化学(株)製]等の芳香族系スチレン樹脂が挙げられる。脂肪族−芳香族共重合体系石油樹脂として、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合系樹脂[FTR 6000シリーズ、三井化学(株)製]、スチレン系モノマー/α−メチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合系樹脂[FTR 7000シリーズ、三井化学(株)製]等の脂肪族−芳香族共重合体系スチレン樹脂が挙げられる。
B成分に対する相溶性の観点から、Hoyの定数を用いてSmall法により算出した溶解度パラメータ(以下、原則「SP値」と略記する)は、7.9〜11.0が好ましく、8.2〜9.8がより好ましく、8.5〜9.5が最も好ましい。感圧接着剤の接着力の観点から、被着体の極性に合わせた極性を有する樹脂を選択することが好ましい。粘着付与樹脂を極性の低い被着体に用いる場合は、極性の低い粘着付与樹脂を用いることが好ましく、極性の高い被着体に用いる場合は、極性の高い粘着付与樹脂を用いることが好ましい。極性が高い被着体から極性の低い被着体まで幅広い被着体に粘着付与樹脂を用いる場合には、極性の低い粘着付与樹脂と極性の高い粘着付与樹脂とを混合して用いることが好ましい。なお、テルペンフェノール樹脂の極性(SP値)は、YSポリスター(ヤスハラケミカル社製)のUシリーズがSP値8.69、TシリーズがSP値8.81、SシリーズがSP値8.98、GシリーズがSP値9.07、KシリーズがSP値9.32である。極性(SP値)を選択することにより、極性の低い被着体から極性の高い被着体まで、様々な極性の被着体に適応できる。
粘着付与樹脂としては、B成分との相溶性がよい観点からテルペンフェノール樹脂や芳香族系石油樹脂が好ましい。芳香族系石油樹脂としては芳香族系スチレン樹脂、脂肪族−芳香族共重合体系スチレン樹脂が好ましく、テルペンフェノール樹脂、脂肪族−芳香族共重合体系スチレン樹脂がより好ましい。粘着力が優れている観点からは、テルペンフェノール樹脂が最も好ましい。また、VOCの観点からは、脂肪族−芳香族共重合体系スチレン樹脂を用いることが好ましい
粘着付与樹脂の配合割合は、A成分とB1成分、及び/又はB2成分100質量部(B1成分とB2成分との双方を用いる場合、A成分とB1成分とB2成分との合計100質量部)に対して5〜200質量部が好ましく、10〜150質量部がより好ましい。粘着力を発揮させる観点から、5質量部以上が好ましく、硬化物の硬さを適正に保ち、十分な粘着力を発揮させ、良好な作業性を確保する観点から200質量部以下が好ましい。
(E成分:光ラジカル重合性ビニル基を含有する多官能モノマー、光ラジカル重合性ビニル基を含有する多官能重合体)
本発明に係る光硬化性粘着剤は、高温での粘着性を確保する等の観点から、多官能モノマーを含有することもできる。多官能モノマーの官能基が多いほど高温時における光硬化性粘着剤の粘着力が大きくなる。また、多官能モノマーの官能基は、官能基の数が所定数以上の場合、光硬化性粘着剤が硬化した場合の硬度が所定の硬度以上になることから2官能が好ましい。更に、多官能モノマーの分子量が所定の分子量以上の場合、光硬化性粘着剤の柔軟性を維持することに寄与する。
多官能モノマーとしては、例えば、(E)光ラジカル重合性のビニル基を有する化合物が用いられる。そして、(E)光ラジカル重合性のビニル基を有する化合物としては、様々な光ラジカル重合性のビニル基を有する多官能モノマーを用いることができる。例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及び/又は窒素原子にビニル基が直接結合したN−ビニル化合物等を用いることができる。
また、光硬化性粘着剤に耐熱性や高温での凝集力等を付与することを目的として、多官能(メタ)アクリレートを架橋剤として含有させることが好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートのオリゴマー/ポリマー(なお、オリゴマーとポリマーを併せて重合体と称することがある。)が挙げられる。光硬化性粘着剤の柔軟性を保持することを目的として、架橋間距離を長くすることができる多官能(メタ)アクリレート重合体としての、光ラジカル重合性ビニル基を有する多官能重合体を含有させることがより好ましい。
2個以上の(メタ)アクロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、又は2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等の2官能(メタ)アクリレートモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等の3官能(メタ)アクリレートモノマー、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、又はペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。光硬化性粘着の柔軟性を保持する観点からは、2官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、良好な反応性の観点からは3官能(メタ)アクリレートモノマー、及び4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量は、A成分、B1成分、及び/又はその他の単官能(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。高温条件下における十分な凝集力を確保する観点から、多官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量は0.01重量部以上であることが好ましく、良好な粘着性能を確保する観点から、5重量部以下であることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレート重合体としては、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本合成社製「UV−3700B」、「UV−6100B」)、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート(例えば、日本合成社製「UV−2000B」、「UV−3000B」、「UV−7000B」、根上工業社製「KHP−11」、「KHP−17」)、非芳香族ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、根上工業社製「アートレジンUN−9200A」)、アクリル系(メタ)アクリレート(例えば、カネカ社製「RC−300」、「RC−100」、「RC−200」)、1,2−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製「TE−2000」、「TEA−1000」)、1,2−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレートの水素添加物(例えば、日本曹達社製「TEAI−1000」)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製「BAC−45」)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
A成分、及びB成分に対する相溶性の点より、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、アクリル系(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート、非芳香族ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、A成分、及びB成分に対する相溶性がよく、また、硬化物の柔軟性確保の観点から、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、アクリル系(メタ)アクリレートがより好ましく、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
多官能(メタ)アクリレート重合体は、分子量が500〜50,000であり、硬化した光硬化性粘着剤の柔軟性の観点からは、3,000〜45,000が好ましく、5,000〜20,000がより好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)は、光硬化性粘着剤の粘着性能の維持・向上の観点から、0℃以下が好ましい。
多官能(メタ)アクリレート重合体の配合量はA成分、B1成分、及び/又はその他の単官能(メタ)アクリレート100重量部に対して3〜30重量部が好ましく、より好ましくは5〜25重量部である。高温条件下における十分な凝集力を発揮させる観点から、3重量部以上であることが好ましく、良好な粘着性能を確保する観点から30重量部以下が好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の光硬化性粘着剤には、必要に応じて、導電性フィラー、N−ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド基を有する化合物、シランカップリング剤、光増感剤、増量剤、可塑剤、水分吸収剤、硬化触媒、引張特性等を改善する物性調整剤、補強剤、着色剤、難燃剤、タレ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料、フィラー、希釈剤等の各種添加剤を加えてもよい。
(導電性フィラー)
導電性フィラーとしては、炭素粒子、又は銀、銅、ニッケル、金、スズ、亜鉛、白金、パラジウム、鉄、タングステン、モリブデン、はんだ等の金属粒子若しくは合金粒子、又はこれらの粒子表面を金属等の導電性コーティングで覆って調製した粒子等の導電性粒子を用いることができる。また、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、若しくはベンゾグアナミン樹脂から構成される非導電性粒子であるポリマー粒子、又はガラスビーズ、シリカ、黒鉛、若しくはセラミックから構成される無機粒子の表面に金属等の導電性コーティングを施して得られる導電性粒子を用いることもできる。
導電性フィラーの形状としては、種々の形状(例えば、球形状、楕円、円筒形、フレーク、針状、樹脂状、ウィスカー、平板、粒塊、結晶、又はアシキュラー状等)を採用できる。導電性フィラーは、やや粗いか、又はぎざぎざの表面を有することもできる。導電性フィラーの形状は特に制限されない。導電性フィラーの粒子形状、大きさ、及び/又は硬度を組み合わせて光硬化性粘着剤で用いることができる。また、光硬化性粘着剤の導電性をより向上させることを目的として、導電性フィラーの粒子形状、大きさ、及び/又は硬度が互いに異なる複数の導電性フィラーを組み合わせることが好ましい。一例として、粒状の導電性フィラーとフレーク状の導電性フィラーとを混合して用いることが好ましい。なお、組み合わせる導電性フィラーは2種類に限られず、3種類以上であってもよい。
(ビニル基を有するN−ビニル化合物)
ビニル基を有するN−ビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。本発明において、N−ビニル化合物は、反応性の点や、酸素阻害が生じにくい点から好ましい。
(N−メチル(メタ)アクリルアミド基を有する化合物)
N−メチル(メタ)アクリルアミド基を有する化合物としては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロリルモルホリン等が挙げられ、硬化性、物性及び安全性のバランスが良い点から、アクリロイルモルホリンが好ましい。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤は接着性付与剤として作用する。シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート含有シラン類;デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類;フェニルトリメトキシシラン等のフェニル基含有シラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、アミノ基含有シラン類と上記のシラン類を含むエポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物とを反応させて、アミノ基を変性した変性アミノ基含有シラン類を用いてもよい。
(アミノ基含有シラン類)
アミノ基含有シラン類はシラノール縮合触媒として作用し、ケチミン型シラン類は水分の存在下でアミノ基含有シラン類を生成し、これはシラノール縮合触媒として作用する。したがって、アミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類以外のシランカップリング剤を使用することが好ましい。また、アミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類を使用する場合、本発明の目的・効果が達成される範囲で種類や使用量に注意して使用すべきである。
(光アミノシラン発生化合物)
上記のようにアミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類は本発明において使用が制限される場合がある。しかし、接着性付与剤としてアミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類を使用することが望ましい場合には、光照射前にはアミノ基を有する化合物を発生せず、光照射によりアミノ基含有シラン類を発生する化合物(以下、光アミノシラン発生化合物とも称する)を使用することができる。光アミノシラン発生化合物としては、文献1記載の光官能基が、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、オキシム残基、ベンジル基、及びベンゾイル基や置換されたこれらの基等である化合物が挙げられる。光官能基がo−ニトロベンジル基である光アミノシラン発生化合物としては、2−ニトロベンジル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト、2−ニトロベンジル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメイト、3,4−ジメトキシ−2−ニトロベンジル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト等が挙げられる。光官能基がp−ニトロベンジル基である光アミノシラン発生化合物としては、4−ニトロベンジル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト等が挙げられる。光官能基がベンジル基である光アミノシラン発生化合物としては、1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイトが等挙げられる。光官能基がオキシム残基基である光アミノシラン発生化合物としては、ベンゾフェノンO−{[3−(トリメトキシシリル)プロピル]}オキシム等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合割合は特に制限はないが、光硬化性粘着剤中に0.01〜20質量%が好ましく、0.025〜10質量%がより好ましい。これらシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(水分吸収剤)
水分吸収剤としては、前述したシランカップリング剤やシリケートが好適である。シリケートとしては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシシラン、テトラアルコキシシラン等及びその部分加水分解縮合物があげられる。
(他の縮合反応促進触媒)
(C)成分やSi−F結合を有する化合物を除く他の縮合反応促進触媒としては、公知の硬化触媒を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、有機金属化合物、アミン類、脂肪酸、有機酸性リン酸エステル化合物等が挙げられ、特にシラノール縮合触媒を用いることが好ましい。シラノール縮合触媒としては、例えば、有機錫化合物;ジアルキルスズオキサイド;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等;チタン酸エステル類;有機アルミニウム化合物類;チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;有機酸ビスマス等が挙げられる。しかしながら、有機錫化合物は添加量に応じて、得られる光硬化性粘着剤の毒性が強くなる場合がある。本発明の(C)成分やSi−F結合を有する化合物が縮合反応促進触媒として作用するため、これら以外の硬化触媒を使用する場合は本発明の目的や効果を達成できる範囲で使用するのが好ましい。
(フィラー)
導電性フィラーを除くフィラーとしては樹脂フィラー(樹脂微粉末)や無機フィラーを使用することができる。樹脂フィラーとしては、有機樹脂等からなる粒子状のフィラーを用いることができる。例えば、樹脂フィラーとして、ポリアクリル酸エチル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等の有機質微粒子を用いることができる。
樹脂フィラー(樹脂微粉末)は、単量体(例えば、メタクリル酸メチル)等を懸濁重合させること等によって容易に得られる真球状のフィラーが好ましい。また、樹脂フィラーは、光硬化性粘着剤に充填材として好適に含有されるので、球状の架橋樹脂フィラーが好ましい。なお、液晶表示装置の周辺部等を製造する光硬化性粘着剤を遮光性が要求される用途に用いる場合は、樹脂フィラーが黒色の樹脂フィラーを含むことが好ましい。平均粒子径1〜150μmの黒色の樹脂フィラーを用いることにより、単一波長のLEDランプ等を用いた場合においても良好な深部硬化性を得ることができ、優れた遮光性と深部硬化性とを達成できる。
無機フィラー増量剤としては、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ素、含水ケイ素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(希釈剤)
本発明の光硬化性粘着剤は、希釈剤を更に含有することができる。希釈剤を配合することにより、光硬化性粘着剤の粘度等の物性を調整することができる。希釈剤としては、公知の希釈剤を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和炭化水素系溶剤、HSダイマー(豊国製油株式会社商品名)等のα−オレフィン誘導体、芳香族炭化水素系溶剤、ダイアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、エステル系溶剤、クエン酸アセチルトリエチル等のクエン酸エステル系溶剤、ケトン系溶剤等の各種溶剤が挙げられる。
希釈剤の引火点に特に制限はないが、光硬化性粘着剤の安全性を考慮すると、光硬化性粘着剤の引火点は高い方が望ましく、光硬化性粘着剤からの揮発物質は少ない方が好ましい。そのため、希釈剤の引火点は60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。2種以上の希釈剤を混合する場合、混合した希釈剤の引火点が70℃以上であることが好ましい。なお、一般的に引火点が高い希釈剤は光硬化性粘着剤に対する希釈効果が低くなる傾向があるので、引火点は250℃以下であることが好適である。
光硬化性粘着剤の安全性、希釈効果の双方を考慮すると、希釈剤としては飽和炭化水素系溶剤が好適であり、ノルマルパラフィン、イソパラフィンがより好適である。ノルマルパラフィン、イソパラフィンの炭素数は10〜16であることが好ましい。
希釈剤の配合割合は特に制限はないが、配合による塗布作業性向上と物性低下とのバランスの観点から、光硬化性粘着剤中に0〜25%配合することが好ましく、0.1〜15%配合することがより好ましく、1〜7%配合することが更に好ましい。これら希釈剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(光硬化性粘着剤の製造方法)
光硬化性粘着剤を製造する方法は特に制限はなく、例えば、A成分、B1成分及び/又はB2成分、並びにC成分を所定量配合し、また、必要に応じて他の配合物質を配合し、脱気攪拌することにより製造できる。各成分及び他の配合物質の配合順は特に制限はなく、適宜決定できる。
本発明に係る光硬化性粘着剤は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。本発明に係る光硬化性粘着剤は光照射により粘着性を発揮して硬化する光硬化性粘着剤であって、常温(例えば、23℃)で硬化可能であり、常温光硬化型硬化性粘着剤として好適に用いられるが、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させてもよい。
本発明に係る光硬化性粘着剤は、光照射されると粘着性を発揮して硬化する。この硬化により光硬化性粘着剤の硬化物を得ることができる。また、本発明に係る光硬化性粘着剤を用い、電子回路、電子部品、建材、自動車等の様々な粘着剤含有製品を製造できる。
本発明に係る光硬化性粘着剤に対し、光を照射する条件としては特に制限はないが、硬化時に活性エネルギー線を照射する場合、活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できる。硬化速度、照射装置の入手のしやすさ及び価格、太陽光や一般照明下での取扱の容易性等から紫外線又は電子線照射による硬化が好ましく、紫外線照射による硬化がより好ましい。なお、紫外線には、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等も含まれる。活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、用いる光塩基発生剤の性質に応じて、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等が挙げられ、発光ダイオードが好ましい。
照射エネルギーとしては、例えば紫外線の場合、10〜20,000mJ/cmが好ましく、20〜10,000mJ/cmがより好ましく、50〜5,000mJ/cmが更に好ましい。10mJ/cm未満では硬化性が不十分となる場合があり、20,000mJ/cmより大きいと、必要以上に光照射しても時間とコストが無駄になり、基材を傷めてしまう場合がある。
本発明に係る光硬化性粘着剤の被着体への塗布方法は特に制限はないが、スクリーン印刷、ステンシル印刷、ロール印刷、ディスペンサー塗布、スピンコート等の塗布方法が好適に用いられる。
また、光硬化性粘着剤の被着体への塗布及び光照射の時期に制限はない。例えば、光硬化性粘着剤に光を照射させた後、被着体と接合し、製品(すなわち、接着体)を製造できる。また、光硬化性粘着剤を被着体に塗布し、光を照射することにより光硬化性粘着剤を硬化させて製品を製造できる。
また、例えば、被着体同士を貼り合わせる場合、少なくとも一方の被着体に本発明に係る光硬化性粘着剤を塗布する(塗布工程)。塗布工程においては、一方の被着体に光硬化性粘着剤を塗布しても、又は双方の被着体のそれぞれに光硬化性粘着剤を塗布してもよい。なお、塗布工程を簡略化する観点からは、一方の被着体のみに光硬化性粘着剤を塗布することができる。次に、この光硬化性粘着剤に光を照射する(光照射工程)。光照射により光硬化性粘着剤が粘着性を発揮する。続いて、光照射後、一方の被着体に塗布され、光が照射された光硬化性粘着剤に他方の被着体を接触させる。すなわち、一方の被着体に塗布された光硬化性粘着剤を他方の被着体で挟むことで、一方の被着体に他方の被着体が貼り合わされる(貼り合せ工程)。そして、一方の被着体に他方の被着体を接着させる(接着工程)。これにより、被着体同士が接着された製品(すなわち、接着体)が製造される。ただし、他方の被着体としては、粘着面の保護用シート等の保護部材を除く。これは、本発明の接着方法に用いる光硬化性粘着剤が現場施工用であり、一方の被着体と他方の被着体とが光硬化性粘着剤で直接、接着されるからである。
本発明に係る光硬化性粘着剤は、作業性に優れた速硬化型の光硬化性粘着剤であり、粘着剤として好適に用いることができる。
(実施の形態の効果)
本発明に係る光硬化性粘着剤は、光照射前は液状であるので、被着体に直接塗布することができるだけでなく、形状が複雑な被着体に塗布できる。そして、光硬化性粘着剤は、外気から遮断しなくても、光照射によりすばやく粘着性を発揮する。したがって、本発明に係る光硬化性粘着剤によれば、一方の被着体に光硬化性粘着剤を塗布、光照射した後、粘着性を発揮した光硬化性粘着剤に他方の被着体を貼り合わせることができるので、被着体が紫外光等の光を透過しない場合であっても、複数の被着体同士を容易に貼り合わせることができる。
すなわち、本発明に係る光硬化性粘着剤は、活性エネルギー線未照射時は硬化せず、外気から遮断しなくても(すなわち、フィルム等で覆わなくても)活性エネルギー線照射により硬化する光硬化性粘着剤であって、活性エネルギー線照射後の立ち上がり粘着性に優れた速硬化性を有する光硬化性粘着剤である。したがって、光照射後に所定の貼り合わせ可能時間を確保できる。
以下に実施例を挙げて更に具体的に説明する。なお、これらの実施例は例示であり、限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A1の合成
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、ポリオキシプロピレンジオールを得た。WO2015−088021の合成例2の方法に準じ、得られたポリオキシプロピレンジオールの末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるトリメトキシシランを白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液を添加して反応させ、末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A1を得た。
得られた末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A1の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は25,000、分子量分布1.3であった。H−NMR測定により末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
(合成例2)末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A2の合成
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、ポリオキシプロピレンジオールを得た。WO2015−088021の合成例2の方法に準じ、得られたポリオキシプロピレンジオールの末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるトリメトキシシランを白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液を添加して反応させ、末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A2を得た。
得られた末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A2の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は12,000、分子量分布1.3であった。H−NMR測定により末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
(合成例3)トリメトキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体A3の合成
メチルメタクリレート70.00g、2−エチルヘキシルメタクリレート30.00g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.00g、金属触媒としてのチタノセンジクライド0.10g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン8.60g、重合停止剤としてのベンゾキノン溶液(95%THF溶液)20.00gを用い、WO2015−088021の合成例4の方法に準じ、トリメトキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体A3を得た。(メタ)アクリル系重合体A3のピークトップ分子量は4,000、分子量分布は2.4であった。H−NMR測定により含有されるトリメトキシシリル基は1分子あたり2.00個であった。
(合成例4)フッ素化ポリマーの合成
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて得られた水酸基価換算分子量14,500、かつ分子量分布1.3のポリオキシプロピレンジオールを得た。WO2015−088021の合成例2の方法に準じ、得られたポリオキシプロピレンジオールの末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるメチルジメトキシシランを白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液を添加して反応させ、末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A4を得た。得られた末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A4の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は15,000、分子量分布1.3であった。H−NMR測定により末端のメチルジメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
次に、BFジエチルエーテル錯体2.4g、脱水メタノール1.6g、重合体A4を100g、トルエン5gを用い、WO2015−088021の合成例4の方法に準じ、末端にフルオロシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(以下、フッ素化ポリマーと称する)を得た。得られたフッ素化ポリマーのH−NMRスペクトル(Shimazu社製のNMR400を用いて、CDCl溶媒中で測定)を測定したところ、原料である重合体A4のシリルメチレン(−CH−Si)に対応するピーク(m,0.63ppm)が消失し、低磁場側(0.7ppm〜)にブロードピークが現れた。
(合成例5)光によりアミノ基を生成する架橋性ケイ素基含有化合物F1の合成
フラスコに2−ニトロベンジルアルコール15.3部とトルエン344部とを加え、約113℃で60分間還流した。その後、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン20.5部を滴下し、5時間撹拌し、合成物(下記式(9)で示される光によりアミノ基を生成する架橋性ケイ素基含有化合物(以下、光アミノシラン発生化合物F1と称する。))を得た。光アミノシラン発生化合物F1のIRスペクトル測定の結果、−N=C=O結合は検出されなかった。
(実施例1)
表1に示す配合割合にて、攪拌機、温度計、窒素導入口、モノマー装入管、及び水冷コンデンサーを装着したフラスコに、各配合物質をそれぞれ添加し、混合撹拌して光硬化性粘着剤を調製した。
表1において、各配合物質の配合量の単位は「g」である。また、配合物質の詳細は下記の通りである。なお、B成分にはB1成分及びB2成分が含まれる。
[A成分:モノアクリレート]
(2HPPA−M600A)2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(製品名:M−600A、共栄社化学株式会社製)
[B1成分:単官能(メタ)アクリレート]
(LA)ラウリルアクリレート(製品名:ライトアクリレートL−A、共栄社化学株式会社製)
(2HEA)ヒドロキシエチルアクリレート(製品名:HEA、大阪有機化学工業株式会社製)
(2HBA)2−ヒドロキシブチルアクリレート(製品名:HOB−A、共栄社化学株式会社製)
(ACMO)4−アクリロイルモルホリン(製品名:ACMO、KJケミカルズ
[B2成分:液状有機重合体]
(PPG)ポリエーテルポリオール(ポリオキシプロピレンジオール、Mw:15,000、製品名:プレミノールS4015、旭硝子株式会社製)
(重合体A1)合成例1で合成したポリオキシアルキレン系重合体A1
(重合体A2)合成例2で合成したポリオキシアルキレン系重合体A2
(重合体A3)合成例3で合成したトリメトキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体A3
[C成分:光開始剤]
(irgacure379)2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(製品名:IRGACURE 379EG、BASF社製)
(irgacureTPO)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(製品名:IRGACURE TPO、BASF社製)
[D成分:粘着付与樹脂]
(YSポリスターK125)テルペンフェノール共重合体(SP値9.32、軟化点125℃、製品名:YSポリスターK125、ヤスハラケミカル社製)
[E成分:多官能(メタ)アクリレート]
(UV3300B)光ラジカル性ビニル基含有多官能重合体(ウレタンアクリレート、Mw:13,000、Tg:−30℃、官能基数:2、製品名:UV3300B、日本合成化学社製)
[Si−F結合を有する化合物]
(フッ素化ポリマー)合成例4で合成したフッ素化ポリマー
(BF−MEA)三フッ化ホウ素モノエチルアミン
(剥離強度試験)
実施例1に係る光硬化性粘着剤を第1の被着材(PETフィルム)にガラス棒を用いて塗布した。光硬化性粘着剤の厚さは250μmである。次に、第1の被着材上の光硬化性粘着剤に紫外線(UV)を照射した[照射条件:UV−LEDランプ(波長365nm、照度:1000mW/cm)、積算光量:3000mJ/cm]。UV照射後、直ちに、25mm×80mmの面積で第2の被着材(ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)製の被着材)を、UV照射された光硬化性粘着剤を挟むように第1の被着材に貼り合わせ、2kgのローラーを用いて圧力を加えた。圧力を加えた後、速やかにJIS K6854−2(接着剤―はく離接着強さ試験方法 第2部:180度はく離方法)に準拠し、試験速度300mm/分で剥離強度を測定した。試験結果を表1に示す。表1において剥離強度の単位は「N/25mm」である。
(表面硬化性(指触)試験)
実施例1に係る光硬化性粘着剤を被着材(PETフィルム)にガラス棒を用いて塗布した。光硬化性粘着剤の厚さは250μmである。次に、被着材上の光硬化性粘着剤に紫外線(UV)を照射した[照射条件:UV−LEDランプ(波長365nm、照度:1000mW/cm)、積算光量:3000mJ/cm]。UV照射の直後、暗室下、23℃50%RHの環境下において、指触にて表面硬化性を試験した。試験結果を表1に示す。表1においては、指に未硬化物が付着しない場合「○」を、わずかに付着する場合「△」を、指の表面に液状物が残る場合「×」を、硬化しない場合は「未硬化」と示す。
(実施例2〜6及び比較例1〜6)
表1に示すように、配合物質を変更した以外は実施例1と同様の方法で光硬化性粘着剤を得た後、得られた光硬化性粘着剤の特性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例に係る光硬化性粘着剤は、短時間で硬化可能であり、優れた立ち上がり接着性を示した。更に、実施例に係る光硬化性粘着剤は、優れた剥離強度を示した。なお、比較例6は、表面硬化性試験では硬化したものの、粘着性が存在しなかった。
(実施例7)
表2に示す配合割合にて、実施例1と同様にして、後硬化しやすい光硬化性粘着剤を調製した。
表2において、各配合物質の配合量の単位は「g」である。また、配合物質の詳細は下記の通りである。なお、ECA、KBM5103、P−EO−A、4HBAを除くB成分、C成分、D成分、E成分、フッ素化ポリマー、及びBFはいずれも、表1と同一である。
(2HPPA−PGA)2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(製品名:PGA、第一工業製薬株式会社製)
(ECA)エチルカルビトールアクリレート(製品名:ビスコート#190、大阪有機化学工業株式会社製)
(KBM5103)3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート(製品名:KBM5103、信越化学社製)
(PP−EO−A)o−フェニルフェノールEO変性アクリレート(製品名:ORD−01、日本触媒社製)
(4HBA)4−ヒドロキシブチルアクリレート(製品名:4HBA、大阪有機化学工業株式会社製)
(YSポリスターT130)テルペンフェノール共重合体(SP値8.81、軟化点130℃、製品名:YSポリスターT130、ヤスハラケミカル社製)
(UV3700B)光ラジカル性ビニル基含有多官能重合体;(ウレタンアクリレート、Mw:38,000、Tg:−6℃、官能基数:2、製品名:UV3700B、日本合成化学社製)
(光アミノシラン)合成例5で合成した光アミノシラン発生化合物F1
(剥離接着強さ試験)
実施例7に係る光硬化性粘着剤を第1の被着材(PETフィルム)にガラス棒を用いて塗布した。光硬化性粘着剤の厚さは200μmである。次に、第1の被着材上の光硬化性粘着剤に紫外線(UV)を照射した[照射条件:UV−LEDランプ(波長365nm、照度:1000mW/cm)、積算光量:3000mJ/cm]。UV照射後、直ちに、25mm×80mmの面積で第2の被着材(硫酸アルマイト処理を施したアルミニウム製の被着材)を、UV照射された光硬化性粘着剤を挟むように第1の被着材に貼り合わせ、2kgのローラーを用いて圧力を加えた。圧力を加えた後、速やかにJIS K6854−2(接着剤―はく離接着強さ試験方法 第2部:180度はく離方法)に準拠し、試験速度300mm/分で剥離強度を測定した。試験結果を表2の「剥離試験1」の欄に示す。
また、上記と同様にして、UV照射後、直ちに第2の被着材をUV照射された光硬化性粘着剤を挟むように第1の被着材に貼り合わせ、2kgのローラーを用いて圧締し、23℃50%RH下で7日間、養生したサンプルも作製した。そして、当該サンプルについても上記と同様にして、剥離強度を測定した。試験結果を表2の「剥離試験2」の欄に示す。表2において剥離接着強さの単位は「N/25mm」である。
(せん断接着強さ試験)
実施例7に係る光硬化性粘着剤を、第1の被着材(硫酸アルマイト処理を施したアルミニウム製の被着材)にガラス棒を用いて塗布した。光硬化性粘着剤の厚さは200μmである。次に、第1の被着材上の光硬化性粘着剤に紫外線(UV)を照射した[照射条件:UV−LEDランプ(波長365nm、照度:1000mW/cm)、積算光量:3000mJ/cm]。UV照射後、直ちに、25mm×25mmの面積で第2の被着材(硫酸アルマイト処理を施したアルミニウム製の被着材)を、UV照射された光硬化性粘着剤を挟むように第1の被着材に貼り合わせ、小型の目玉クリップを用いて圧力を加えた。圧力を加えた後、速やかにJIS K6850剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法に準拠し、試験速度50mm/分で引張せん断接着強さを測定した。試験結果を表2の「せん断試験1」の欄に示す。
また、上記と同様にして、UV照射後、直ちに、25mm×25mmの面積で第2の被着材を、UV照射された光硬化性粘着剤を挟むように第1の被着材に貼り合わせ、小型の目玉クリップを用いて圧力を加えて固定し、23℃50%RH下で7日間、養生したサンプルも作製した。そして、当該サンプルについても上記と同様にして、引張せん断接着強さを測定した。試験結果を表2の「せん断試験2」の欄に示す。表2において引張せん断接着強さの単位は「N/mm」である。
表2の剥離試験、及びせん断試験においては、以下の基準に従って判定した結果を所定の記号で示している。
「剥離試験1(照射直後)」:剥離接着強さが5N/25mm以上の場合「◎」を、1N/25mm以上の場合「○」を、1N/25mm未満の場合「×」を記した。
「剥離試験2(養生7日)」:剥離接着強さが10N/25mm以上の場合「◎」を、3N/25mm以上の場合「○」を、3N/25mm未満の場合「×」を記した。
「せん断試験1(照射直後)」:引張せん断接着強さが0.4N/mm以上の場合「◎」を、0.2N/mm以上の場合「○」を、0.2N/mm未満の場合「×」を記した。
「せん断試験2(養生7日)」:引張せん断接着強さが1N/mm以上の場合「◎」を、0.5N/mm以上の場合「○」を、0.5N/mm未満の場合「×」を記した。
(実施例8〜15及び比較例7〜10)
表2に示すように、配合物質を変更した以外は実施例7と同様の方法で後硬化しやすい光硬化性粘着剤を得た後、得られた光硬化性粘着剤の特性を実施例7と同様に評価した。その結果を表2に示す。なお、比較例10の評価(剥離試験1、2、及びせん断試験1、2)の測定値の「0」は、表面の硬化が不十分であり(すなわち、指で触れた場合に僅かにぬめりが存在している)、粘着性及び接着性を示さないことを示す。
表2に示すように、実施例に係る光硬化性粘着剤はいずれも、UV照射直後に優れた粘着性をすばやく示し、経時変化により優れた接着性を示すことが示された。
(LEDチップ貼り合せ試験)
図1(a)及び(b)は、LEDチップ貼り合せ試験に用いたプリント基板、及びLEDチップの概要を示す。また、図2は、プリント基板にLEDチップを貼り合せる工程の概要を示す。なお、図2は、図1におけるA−A断面を用いて説明している。また、図1及び図2は概要図であり、実際の形状、及び寸法と対応しているわけではない。
本試験においては実施例1に係る光硬化性粘着剤を用い、LEDチップの貼り合せ試験を実施した。具体的には、まず、図1(a)及び図2(a)に示すような銅からなる配線パターン12及び配線パターン14、銅からなる搭載部16及び搭載部18、並びに銅からなる端子電極20及び端子電極22がプリントされたプリント基板10を準備した。また、図1(b)に示すようなLEDチップ30(Linkman株式会社製、製品型番:HT17−21SRWC、順方向電流20mA時の発光波長:624nm〜630nm)を用意した。なお、LEDチップ30は、チップ基板32と、チップ基板32に搭載されるLED素子(図示しない)と、LED素子のアノード電極に電気的に接続され、チップ基板32の一方の端部に設けられる接続電極34と、LED素子のカソード電極に電気的に接続され、チップ基板32の他方の端部に設けられる接続電極36と、LED素子を封止する封止部38とを備える。
次に、開口部40aを有するメタルマスク40をプリント基板10上に設置した。具体的には、図2(b)に示すように、プリント基板10の搭載部16及び搭載部18上に開口部40aが対応するようにメタルマスク40をプリント基板10上に設置した。そして、スクリーン印刷により、湿気硬化型導電接着剤(変成シリコーン系、製品名:SX−ECA48、セメダイン株式会社製)からなる湿気硬化型導電接着剤層42及び湿気硬化型導電接着剤層44を形成した(図2(c)参照。)。湿気硬化型導電接着剤層42及び湿気硬化型導電接着剤層44の厚さは115μmに設定した。
続いて、図2(d)に示すように、実施例1に係る光硬化性粘着剤46をプリント基板10の搭載部16と搭載部18との間に厚さ100μmでディスペンサー塗布した。そして、プリント基板10上の光硬化性粘着剤46に紫外線(UV)を照射した(照射条件:UV−LEDランプ(波長365nm、照度1000mW/cm)、照射時間:3秒))。UV照射後、直ちに、図2(e)に示すようにLEDチップ30をプリント基板10にマウントした。この場合において、接続電極34が、搭載部16上の湿気硬化型導電接着剤層42に接触し、接続電極36が、搭載部18上の湿気硬化型導電接着剤層44に接触し、LEDチップ30の接続電極34及び接続電極36を除く底部に光硬化性粘着剤46が接する位置になるようにマウントした。
マウント後、直ちにLEDチップ30に力を加えた(力を加えた方向はせん断方向である。)。その結果、LEDチップ30がプリント基板10に十分に固定されていることを確認した。
その後、23℃、50%RH環境下で24時間放置して湿気硬化型導電接着剤層42及び湿気硬化型導電接着剤層44を硬化させた後、LEDチップ30に端子電極20及び端子電極22を介して20mAの電流を印加したところ、LEDチップ30が赤色に発光することが確認された。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せのすべてが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点、及び本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能である点に留意すべきである。
10 プリント基板
12、14 配線パターン
16、18 搭載部
20、22 端子電極
30 LEDチップ
32 チップ基板
34、36 接続電極
38 封止部
40 メタルマスク
40a 開口部
42、44 湿気硬化型導電接着剤層
46 光硬化性粘着剤

Claims (10)

  1. 複数の被着体を接着する方法であって、
    (A)下記一般式(1)で表されるモノアクリレートと、
    (B1)単官能(メタ)アクリレート、及び(B2)液状有機重合体からなる群から選択される少なくとも1つの有機化合物と、
    (C)光開始剤と、
    を含有する光照射により粘着性を示す光硬化性粘着剤を少なくとも一方の被着体に塗布する塗布工程と、
    前記一方の被着体に塗布された光硬化性粘着剤に酸素存在下で光を照射する光照射工程と、
    前記一方の被着体に塗布され、前記光が照射された前記光硬化性粘着剤に他方の被着体(ただし、他方の被着体として粘着面の保護用シートを除く)を接着する工程と
    を備え
    前記(B1)単官能(メタ)アクリレートが、炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、及び下記一般式(2)からなる群から選択される化合物であり、
    前記(B2)液状有機重合体が、20℃で液状を示し、かつ、ポリオキシアルキレン系重合体、及び架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体からなる群から選択される液状有機重合体である接着方法。
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。)
    (化2)
    CH =CR α COO(C 2m O) β ・・・(2)
    (一般式(2)中、R α は−H又は−CH であり、mは2〜4の整数、nは1〜20の整数、R β は−H又は非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のフェニル基を示す。)
  2. 前記(B1)単官能(メタ)アクリレート、及び前記(B2)液状有機重合体の配合割合が、前記(A)モノアクリレート、並びに前記(B1)単官能(メタ)アクリレート及び/又は前記(B2)液状有機重合体100質量部(ただし、前記(B1)単官能(メタ)アクリレートと前記(B2)液状有機重合体との双方を用いる場合、前記(A)モノアクリレートと前記(B1)単官能(メタ)アクリレートと前記(B2)液状有機重合体との合計100質量部)に対して10〜60質量部である請求項1に記載の接着方法。
  3. 前記光硬化性粘着剤が、(D)粘着付与樹脂を更に含有する請求項1又は2に記載の接着方法。
  4. 前記光硬化性粘着剤が、(E)2以上の光ラジカル重合性ビニル基を含有する化合物を更に含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着方法。
  5. 前記(E)2以上の光ラジカル重合性ビニル基を含有する化合物が、重合体である請求項4に記載の接着方法。
  6. 複数の被着体を接着する方法であって、
    (A)下記一般式(1)で表されるモノアクリレートと、
    (B2)液状有機重合体と、
    (C)光開始剤と、
    を含有する光照射により粘着性を示す光硬化性粘着剤を少なくとも一方の被着体に塗布する塗布工程と、
    前記一方の被着体に塗布された光硬化性粘着剤に酸素存在下で光を照射する光照射工程と、
    前記一方の被着体に塗布され、前記光が照射された前記光硬化性粘着剤に他方の被着体(ただし、他方の被着体として粘着面の保護用シートを除く)を接着する工程と
    を備え
    前記(B2)液状有機重合体が、20℃で液状を示し、かつ、ポリオキシアルキレン系重合体、及び架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体からなる群から選択される液状有機重合体である接着方法。
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。)
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の接着方法を用いて製造される接着体の製造方法
  8. 酸素存在下での光照射により粘着性を示す光硬化性粘着剤であって、
    (A)下記一般式(1)で表されるモノアクリレートと、
    (B1)単官能(メタ)アクリレート、及び(B2)液状有機重合体からなる群から選択される少なくとも1つの有機化合物と、
    (C)光開始剤と
    を含有し、
    前記(B1)単官能(メタ)アクリレートが、炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、及び下記一般式(2)からなる群から選択される化合物であり、
    前記(B2)液状有機重合体が、20℃で液状を示し、かつ、ポリオキシアルキレン系重合体、及び架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体からなる群から選択される液状有機重合体である現場施工用光硬化性粘着剤。
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。)
    (化5)
    CH =CR α COO(C 2m O) β ・・・(2)
    (一般式(2)中、R α は−H又は−CH であり、mは2〜4の整数、nは1〜20の整数、R β は−H又は非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のフェニル基を示す。)
  9. 前記(B1)単官能(メタ)アクリレート、及び前記(B2)液状有機重合体の配合割合が、前記(A)モノアクリレート、並びに前記(B1)単官能(メタ)アクリレート及び/又は前記(B2)液状有機重合体100質量部(ただし、前記(B1)単官能(メタ)アクリレートと前記(B2)液状有機重合体との双方を用いる場合、前記(A)モノアクリレートと前記(B1)単官能(メタ)アクリレートと前記(B2)液状有機重合体との合計100質量部)に対して10〜60質量部である請求項8に記載の現場施工用光硬化性粘着剤。
  10. 酸素存在下での光照射により粘着性を示す光硬化性粘着剤であって、
    (A)下記一般式(1)で表されるモノアクリレートと、
    (B2)液状有機重合体と、
    (C)光開始剤と
    を含有し、
    前記(B2)液状有機重合体が、20℃で液状を示し、かつ、ポリオキシアルキレン系重合体、及び架橋性ケイ素基を含有する液状有機重合体からなる群から選択される液状有機重合体である現場施工用光硬化性粘着剤。
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換基である。)
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