JP2001260810A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

ウェビング巻取装置

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JP2001260810A JP2000078092A JP2000078092A JP2001260810A JP 2001260810 A JP2001260810 A JP 2001260810A JP 2000078092 A JP2000078092 A JP 2000078092A JP 2000078092 A JP2000078092 A JP 2000078092A JP 2001260810 A JP2001260810 A JP 2001260810A
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信二 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単でかつウェビング引出時の操作感
を損なうことなく、車両急減速時のフォースリミッタ荷
重を変更可能なウェビング巻取装置を得る。 【解決手段】 スプール14はトーションバー20を介
してロックベース16と連結され、これらは通常一体に
回転する。トーションバー22は、所定の場合にのみ歯
車14A及び歯車24を介してスプール14と連結され
る構成であり、ウェビング引出操作時に歯車の噛合いに
よる不快感が乗員に伝わることはない。一方、車両急減
速時にはガス供給装置32の作動の有無により、トーシ
ョンバー20の捩り荷重またはこれにトーションバー2
2の捩り荷重を加えた荷重をフォースリミッタ荷重とし
て選択可能である。したがって、構造が簡単でかつウェ
ビング引出時の操作感を損なうことなく、フォースリミ
ッタ荷重を変更できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェビング巻取装
置に係り、特にウェビングの引出しを阻止するときに、
ウェビングの引出しを許容してエネルギを吸収すること
ができるウェビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェビング巻取装置では、スプール(巻
取軸)のウェビング引出方向の回転が車両急減速時にロ
ックされて、ウェビングの引き出しが阻止される。この
ロック機構としては、スプールの一端側の装置フレーム
近傍にロック手段が配置されており、車両急減速時には
このロック手段が作動されることで、スプールのウェビ
ング引出方向の回転が阻止される構成である。
【0003】また、このようなウェビング巻取装置にお
いて、ウェビングの引き出しを阻止する際に、ウェビン
グの引き出しを所定量許容して、エネルギの吸収を図る
ことが行われている。このエネルギ吸収機構としては、
例えばスプールとこれと同軸的にトーションバーを配置
した構成のものがある。一般的にトーションバーは、一
端部をスプールに、他端部をロック手段に接続されたロ
ックベースに、それぞれ相対回転しないように連結され
ている。通常は、スプールとロックベースとはトーショ
ンバーを介して一体に回転するが、車両急減速時にロッ
クベースのウェビング引出方向の回転が阻止された状態
では、スプールが、ウェビング引張力により、ロックベ
ースに対してウェビング引出方向へ回転する。このと
き、トーションバーが捩じられてエネルギが吸収され、
スプールの所定量の回転が許容される構成である。この
ような吸収エネルギは、ウェビングに付加される荷重
(フォースリミッタ荷重)とウェビング引出量(スプー
ル回転量)の積で決まるものであり、ウェビング巻取装
置では、フォースリミッタ荷重及びスプールの許容回転
量(トーションバーの捩り限界)が与えられている。
【0004】しかしながら、このような従来のウェビン
グ巻取装置では、エネルギ吸収時のフォースリミッタ荷
重はトーションバーの材料物性値及び寸法形状に支配さ
れ、例えば、乗員の体重、体格及び衝突時の車両速度等
をパラメータとする衝突エネルギ等の乗員の慣性エネル
ギに拘わらず一定の値しか採ることができなかった。
【0005】そこで、乗員の慣性エネルギに応じてフォ
ースリミッタ荷重を変更できるウェビング巻取装置が考
えられている(例えば、特開平11−192924)。
このような従来のウェビング巻取装置では、フォースリ
ミッタ荷重を変更可能とするために例えば、歯車を介し
て連結されたトーションバーを複数本備え、歯車の噛合
わせの変更によってエネルギを吸収するトーションバー
若しくはその組合せを変更する構成である。
【0006】しかしながら、このような従来のウェビン
グ巻取装置では、構造が複雑であり、しかも、常に何れ
かの歯車が噛合った状態であるため、乗員によるウェビ
ング引出し操作の際に歯車の噛合いによる抵抗や振動な
どに起因する不快感が乗員に伝わり、操作感が悪いとい
う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、構造が簡単でかつ乗員によるウェビング引出し時
の操作感を損なうことなく、乗員の体格及び衝突形態に
基づいた乗員の慣性エネルギに応じてフォースリミッタ
荷重を変更することができるウェビング巻取装置を得る
ことが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のウ
ェビング巻取装置は、ウェビングが巻取り引出しされる
筒状のスプールと、前記スプールの一端側に前記スプー
ルと同軸的でかつ相対回転可能に設けられたロックベー
スと、前記ロックベースに接続して設けられ、所定の加
速度が検知された際にフレームに係合して前記ロックベ
ースのウェビング引出方向回転を阻止するロック手段
と、前記スプール内に前記スプールと同軸的に設けら
れ、一端が前記スプールに連結されると共に他端が前記
ロックベースに連結され、通常は前記スプールと前記ロ
ックベースとを一体に回転させ、前記ロック手段による
前記ロックベースのウェビング引出方向回転阻止状態で
はウェビング引張力により捩じれながら前記スプールを
前記ロックベースに対してウェビング引出方向へ相対回
転させる第1のトーションバーと、を備えたウェビング
巻取装置において、外周部に歯を有し、前記スプールと
同軸的でかつ常に前記スプールと一体に回転する第1の
歯車と、一端部が軸廻りの回転不能にフレームに接続さ
れ、所定の捩れ力を有する第2のトーションバーと、外
周部に前記第1の歯車と噛合い可能な歯を有し、前記第
2のトーションバーの他端部に同軸的に連結された第2
の歯車と、前記第2の歯車に係合可能に配置され、通常
は前記第2の歯車を前記第1の歯車と噛合わない状態と
し、作動することで前記第2の歯車を前記第1の歯車と
噛合い状態とする駆動手段と、を備えたことを特徴とし
ている。
【0009】請求項1に記載のウェビング巻取装置で
は、スプールとロックベースとは第1のトーションバー
を介して連結されており、通常は、これらが一体に回転
してウェビングの巻取り引出しが自由とされる。このと
き、第2の歯車は第1の歯車と噛合わない位置に保持さ
れており、乗員がウェビング引出し操作を行う際に歯車
の噛合いによる抵抗や振動などに起因する不快感が乗員
に伝わることはないため、ウェビング引出し時の操作感
が損なわれることはない。
【0010】ここで、例えば、車両衝突時等の車両急減
速時に、乗員の体重、急減速直前の車両速度、加速度
(減速度)等を検知して乗員の慣性エネルギに応じてフ
ォースリミッタ荷重を変更する構成においては、乗員の
慣性エネルギが小さい場合は、所定の加速度(減速度)
が検知されるとロック手段が作動してフレームに係合す
ることによりロックベースのウェビング引出方向の回転
が阻止される。また、このとき、駆動手段は作動され
ず、第2の歯車は第1の歯車と噛合わない位置に保持さ
れる。これにより、ウェビング引張力がスプールを介し
て第1のトーションバーにウェビング引出し方向の回転
力として作用する。このため、第1のトーションバーが
捩れ、ウェビング(乗員)に作用する荷重を一定に保ち
ながら(一定のフォースリミッタ荷重が作用しながら)
スプールがロックベースに対してウェビング引出方向へ
回転されてウェビングが引出され、エネルギ吸収が果た
される。なお、駆動手段が作動されず、第2の歯車は第
1の歯車と噛合わない位置に保持されているため、第2
のトーションバーには荷重が作用することはない。
【0011】一方、乗員の慣性エネルギが大きい場合
は、ロック手段と共に駆動手段が作動され、ロックベー
スのウェビング引出方向の回転が阻止される共に、第2
の歯車が第1の歯車との噛合い位置に移動される。この
とき、ウェビング引張力が、スプールを介して第1のト
ーションバーにウェビング引出し方向の回転力として作
用すると共に、第1の歯車及び第2の歯車を介して第2
のトーションバーにもウェビング引出し方向の回転力と
して作用する。このため、第1のトーションバーの捩れ
荷重に加えて第2のトーションバーの捩れ荷重がフォー
スリミッタ荷重としてウェビングに作用しながら、スプ
ールがロックベースに対してウェビング引出方向へ回転
されてウェビングが引出され、エネルギ吸収が果たされ
る。すなわち、1本のトーションバーの捩り荷重のみに
よって得られるフォースリミッタ荷重よりも大きなフォ
ースリミッタ荷重が得られ、ウェビング引出速度(スプ
ール回転速度)を低く抑えて適切なエネルギ吸収が果た
される。
【0012】このように、請求項1記載のウェビング巻
取装置では、構造が簡単でかつ乗員によるウェビング引
出し時の操作感を損なうことなく、乗員の体格及び衝突
形態に基づいた衝突エネルギに応じてフォースリミッタ
荷重を変更することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1及び図
2に基づいて説明する。
【0014】図1及び図2には、本実施の形態に係るウ
ェビング巻取装置10の構成が示されている。
【0015】ウェビング巻取装置10は、フレーム12
を備えている。フレーム12は略コ字型であり、対向す
る一対の脚片及び各脚片を連結する背片から成り、背片
部において車体に固定されている。
【0016】フレーム12の対向する一対の脚片の間に
は、軸方向が脚片の対向方向とされた筒状のスプール1
4が設けられている。このスプール14にはウェビング
34の一端が係止され、スプール14の回転により、ウ
ェビング34がスプール14に対して巻取り引出し自在
となる。
【0017】スプール14の筒内には、一端(図1
(A)の左側端)部にロックベース16が配置されてい
る。ロックベース16は、フレーム12の脚片開口部に
スプール14と同軸的でかつ回転自在に支持されてい
る。ロックベース16にはロック手段を構成するロック
プレート36が接続され、図示しない加速度センサが所
定の加速度(減速度)を検知した場合にロックプレート
36がフレーム12に噛込むことによりロックベース1
6の回転を阻止する構成となっている。
【0018】また、ロックベース16には、スプール1
4の筒内軸心部分に配置されたトーションバー20の六
角部が挿入されており、ロックベース16が常にトーシ
ョンバー20の一端側六角部と一体に回転するように構
成されている。
【0019】一方、スプール14の筒内他端(図1
(A)の右側端)部には、スリーブ18が配置されてい
る。スリーブ18は、スプライン状の歯(図示省略)が
嵌合することでスプール14と一体に連結されると共
に、フレーム12の脚片開口部にスプール14と同軸的
でかつ回転自在に支持されている。スリーブ18の先端
部は脚片から外方へ突出しており、さらに、その突出部
端にはぜんまいばね(図示省略)が設けられている。こ
れにより、スリーブ18は常にウェビング34を巻取る
方向に回転付勢されている。
【0020】さらに、このスリーブ18は、前述したト
ーションバー20の他端六角部が挿入されることによ
り、ロックベース16と連結されている。これにより、
通常は、スプール14、スリーブ18、トーションバー
20、及びロックベース16は一体に回転するよう構成
されている。
【0021】また、スプール14のスリーブ18挿入側
(図1(A)の右側)端面には、歯車14Aがスプール
14と同軸的に固定された状態で設けられている。さら
に、歯車14Aの外周部には、歯14Bが設けられてい
る。
【0022】歯車14Aの下方には、別の歯車24が設
けられている。また、歯車24の外周部には、歯車14
Aの歯14Bと噛合い可能な歯24Aが設けられてい
る。
【0023】歯車24には、その回転軸を兼ねたトーシ
ョンバー22が歯車24を貫通して連結されている。ト
ーションバー22は、その一端部22Aが軸廻りに回転
不能でかつ一端部22Aを中心とした揺動可能にフレー
ム12の一方(図1(A)左側)の脚片に接続されてい
る。また、トーションバー22の他端部22Bは、フレ
ーム12の他方の脚片に設けられた長孔12Aに通され
ると共に、後に説明するピストン26上に載置される構
成となっている。
【0024】さらに、トーションバー22の端部22B
の下部には、ピストン26が水平に配置されている。ピ
ストン26は、上面が略凹曲線状に傾斜して形成され、
薄肉の先端部26L及び厚肉の中間部26Hを有する構
成となっている。このピストン26はフレーム12に固
定されたシリンダ30に挿入され、ピストン26外周部
に設けられたピストンリング28(Oリング)によりシ
リンダ30内部の気密が保たれている。シリンダ30に
はガス供給装置32が直接または連通路を介して接続さ
れ、ガス供給装置32作動時にはピストン26がその先
端方向に向かって押し出される構成となっている。
【0025】これにより、通常は、上述の通りトーショ
ンバー22の端部22Bがピストン26の先端部26L
の上面に載置され、この状態では、トーションバー22
は端部22Bが低くなるようにスプール14の軸に対し
て傾斜し歯車14Aと歯車24とは噛合わない構成であ
る(図1参照)。また、ガス供給装置32作動時には、
ピストン26がシリンダ30から押し出され、トーショ
ンバー22の端部22Bの載置位置がピストン26の中
間部26Hへ移動されることにより、トーションバー2
2の端部22Bは長孔12A内で上方に移動され歯車2
4が歯車14Aと噛合う構成となっている(図2参
照)。なお、この状態では、トーションバー22がスプ
ール14と平行になるようにピストン26の高さ、歯車
14A及び歯車24の径、トーションバー22の端部2
2Aのフレーム12への接続位置などが決められてい
る。
【0026】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0027】上記構成のウェビング巻取装置10では、
スプール14とロックベース16とはトーションバー2
0によって連結されているので、通常は、これらが一体
に回転してウェビング34の引出し巻取りが自由とされ
る。ここで、歯車24は歯車14Aとは係合しない位置
に保持されている(図1の状態)ので、乗員がウェビン
グ引出し操作を行う際に歯車の噛合いによる抵抗力や振
動が乗員に伝わることはなく、ウェビング引出し時の操
作感が損なわれることはない。
【0028】車両急減速時には、急減速直前の乗員の慣
性エネルギ(乗員の体重、体格、急減速直前の車両速度
等をパラメータとする)に応じて作用が異なるので、乗
員の慣性エネルギの大小の別に作用を説明する。 (乗員の慣性エネルギが小さい場合)例えば、乗員の体
重が小さい場合または急減速直前の車両速度が低い場合
は、乗員の慣性エネルギが小さい。この場合、所定の加
速度(減速度)が検知されるとロックプレート36がフ
レーム12に噛込み、ロックベース16のウェビング引
出方向の回転が阻止される。このとき、ウェビング引張
力がスプール14及びスリーブ18を介してトーション
バー20にウェビング引出方向の回転力として作用す
る。
【0029】このため、トーションバー20が捩じれ、
ウェビング34に作用する荷重を一定に保ちながら(一
定のフォースリミッタ荷重が作用しながら)スプール1
4がロックベース16に対してウェビング34引出方向
へ回転されてウェビング34が引出され、エネルギ吸収
が果たされる。なお、ガス供給装置32は作動されず、
歯車24は歯車14Aとは係合しない位置に保持されて
いるので、トーションバー22にウェビング引張力が作
用することはない。
【0030】このときのウェビング引張力とスプール1
4の回転量は、図3の破線で示される関係となり、所定
のフォースリミッタ荷重(図2のF1)がウェビング3
4に作用する。 (乗員の慣性エネルギが大きい場合)一方、例えば、乗
員の体重が大きい場合または急減速直前の車両速度が高
い場合は、乗員の慣性エネルギが大きい。この場合、ロ
ックベース16がロック手段の作動によってウェビング
引出方向の回転が阻止されると共に、ガス供給装置32
が作動し歯車24が歯車14Aに噛合うことによりトー
ションバー22がスプール14と連結される(図2の状
態)。
【0031】ここで、トーションバー22は、一端部2
2Aを軸廻りの回転不能にフレーム12に接続されてい
るため、ウェビング引張力が作用するとトーションバー
20と共にトーションバー22が捩じられる。このた
め、スプール14がロックベース16に対してウェビン
グ引出方向へ回転されると、トーションバー20の捩り
荷重に加えてトーションバー22の捩り荷重がフォース
リミッタ荷重としてウェビング34に作用する。
【0032】このときのウェビング引張力とスプール1
4の回転量とは、図3の実線で示される関係となり、1
本のトーションバー20の捩り荷重のみによって得られ
るフォースリミッタ荷重(図3のF1)より大きなフォ
ースリミッタ荷重(図3のF2)が得られるため、ウェ
ビング引出速度(スプール14回転速度)を低く抑えて
適切なエネルギ吸収が果たされる。
【0033】また、例えば、トーションバー22の捩り
限界をトーションバー20の捩り限界より小さくし、エ
ネルギ吸収過程においてトーションバー22を破断させ
ることによって、図3の一点鎖線に示される如く、スプ
ール14が所定量回転した後にフォースリミッタ荷重を
減少させる(図3の荷重F1)こともできる。ここで、
トーションバー22の捩り限界は、例えば、トーション
バー22の材料物性値、寸法形状及び歯車14Aと歯車
24とのギヤ比等により予め設定可能である。
【0034】このフォースリミッタ特性は、車両急減速
の初期には荷重F2を付加して時間当りのエネルギ吸収
量を大きくしてウェビング34の引出量(乗員の移動
量)を抑えて、所定のエネルギ吸収後はより小さい荷重
F1を付加して時間当りのエネルギ吸収量を小さくする
ことによって乗員への負荷を軽減することができるた
め、望ましい特性である。特に、エアバッグ装置を備え
た車両においては、エアバッグと乗員との接触直前にフ
ォースリミッタ荷重を減少することによって乗員に作用
する荷重を減じることが可能で乗員の傷害をさらに軽減
することができる。
【0035】なお、荷重F2を保持するスプール14の
回転量は、トーションバー22の捩り限界量を調節、す
なわち、トーションバー22の材料物性値及び寸法形状
を調節することによって設定可能である。
【0036】したがって、図3に示される如く、車両急
減速直前の乗員の慣性エネルギに応じて大小二のフォー
スリミッタ荷重特性(図3の破線及び実線または一点鎖
線)を選択して適切なエネルギ吸収を果たすことができ
る。
【0037】なお、上述の実施の形態では、水平に配置
され上面が傾斜したピストン26を有する構成とした
が、これに限られず、例えば、先端がトーションバー2
2の端部22Bに係合されて鉛直に配置されたピストン
を有する構成としても良い。さらに、ピストン26、シ
リンダ30及びガス供給装置32を有する構成に限られ
ず、例えば、電磁的なアクチュエータを有する構成とし
ても良い。
【0038】また、上述の実施の形態では、車両衝突時
等の車両急減速時に、乗員の体重、急減速直前の車両速
度、加速度(減速度)等を検知して乗員の慣性エネルギ
に応じたフォースリミッタ荷重を変更する構成とした
が、例えば、乗員が着座した際に、乗員の体重等に応じ
て歯車14Aと歯車24とを予め噛合わせる構成として
も良い。この場合、車両急減速直前の車両速度や加速度
(減速度)に応じて歯車14Aと歯車24との噛合い状
態を解除可能な構成とすることもできる。
【0039】このように、本実施の形態に係るウェビン
グ巻取装置10では、乗員によるウェビング34引出し
時の操作感を損なうことなく、かつ乗員の慣性エネルギ
に応じてフォースリミッタ荷重を変更することができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るウェビ
ング巻取装置は、構造が簡単でかつ乗員によるウェビン
グ引出し時の操作感を損なうことなく、かつ乗員の体格
及び衝突形態に基づいた乗員の慣性エネルギに応じてフ
ォースリミッタ荷重を変更することができるという優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態に係るウェビング
巻取装置の全体構成を示す断面図、(B)はフレーム内
側から見た概略右側面図である。
【図2】(A)は本発明の実施の形態に係るウェビング
巻取装置のガス供給装置作動時における全体構成を示す
断面図、(B)はフレーム内側から見た概略右側面図で
ある。
【図3】本発明の実施の形態に係るウェビング巻取装置
のウェビング引張力(フォースリミッタ荷重)とスプー
ルのウェビング引出方向回転量との関係を示す線図であ
る。
【符号の説明】
10 ウェビング巻取装置 12 フレーム 14 スプール 14A 歯車(第1の歯車) 16 ロックベース 18 スリーブ 20 トーションバー(第1のトーションバー) 22 トーションバー(第2のトーションバー) 24 歯車(第2の歯車) 26 ピストン(駆動手段) 30 シリンダ(駆動手段) 32 ガス供給装置(駆動手段) 34 ウェビング 36 ロックプレート(ロック手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角屋敷 晃 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 Fターム(参考) 3D018 DA07 MA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングが巻取り引出しされる筒状の
    スプールと、前記スプールの一端側に前記スプールと同
    軸的でかつ相対回転可能に設けられたロックベースと、 前記ロックベースに接続して設けられ、所定の加速度が
    検知された際にフレームに係合して前記ロックベースの
    ウェビング引出方向回転を阻止するロック手段と、 前記スプール内に前記スプールと同軸的に設けられ、一
    端が前記スプールに連結されると共に他端が前記ロック
    ベースに連結され、通常は前記スプールと前記ロックベ
    ースとを一体に回転させ、前記ロック手段による前記ロ
    ックベースのウェビング引出方向回転阻止状態ではウェ
    ビング引張力により捩じれながら前記スプールを前記ロ
    ックベースに対してウェビング引出方向へ相対回転させ
    る第1のトーションバーと、 を備えたウェビング巻取装置において、 外周部に歯を有し、前記スプールと同軸的でかつ常に前
    記スプールと一体に回転する第1の歯車と、 一端部が軸廻りの回転不能にフレームに接続され、所定
    の捩れ力を有する第2のトーションバーと、 外周部に前記第1の歯車と噛合い可能な歯を有し、前記
    第2のトーションバーの他端部に同軸的に連結された第
    2の歯車と、 前記第2の歯車に係合可能に配置され、通常は前記第2
    の歯車を前記第1の歯車と噛合わない状態とし、作動す
    ることで前記第2の歯車を前記第1の歯車と噛合い状態
    とする駆動手段と、 を備えたことを特徴とするウェビング巻取装置。
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