JP2001240856A - 真空紫外線励起発光素子用蛍光体 - Google Patents

真空紫外線励起発光素子用蛍光体

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JP2001240856A
JP2001240856A JP2000053522A JP2000053522A JP2001240856A JP 2001240856 A JP2001240856 A JP 2001240856A JP 2000053522 A JP2000053522 A JP 2000053522A JP 2000053522 A JP2000053522 A JP 2000053522A JP 2001240856 A JP2001240856 A JP 2001240856A
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vacuum
vacuum ultraviolet
light emission
emission element
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恭太 上田
Tadashi Endo
忠 遠藤
Keiji Ono
慶司 大野
Susumu Miyazaki
進 宮崎
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    • C09K11/7728Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing europium
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PDPなど真空紫外線励起発光素子用の、輝度
の寿命特性に優れる蛍光体およびそれを用いた真空紫外
線励起発光素子を提供する。 【解決手段】(1)Euを付活剤として含有し、マグネ
トプランバイト型構造であるアルミン酸塩類を含む真空
紫外線励起発光素子用蛍光体。 (2)アルミン酸塩類が、組成式M1-aEuaAl1219
(式中のMはCa,SrおよびBaからなる群から選択
される一種以上の元素を表し、0.003≦a≦0.5
である)、Ba1-aEuaMg2Al1627(0.003
≦a≦0.5)、Ba1-aEuaMgAl611(0.0
03≦a≦0.5)または(Ba1-aEua3Mg2Al
2441(0.003≦a≦0.5)により表わされる化
合物を含む上記(1)記載の真空紫外線励起発光素子用
蛍光体。 (3)(1)または(2)に記載の蛍光体を使用する真
空紫外線励起発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下「PDP」という)および希ガスラン
プなどの真空紫外線励起発光素子に好適な蛍光体および
その蛍光体を用いた真空紫外線励起発光素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、希ガス放電により放射される真空
紫外線によって蛍光体を励起して発光させる機構を有す
る真空紫外線励起発光素子の開発が盛んに行われてい
る。その代表例がPDPの開発である。陰極線管(CR
T)やカラー液晶ディスプレイでは画面の大型化が困難
であるが、PDPはそれを可能とするフラットパネルデ
ィスプレイであり、公共スペースにおける表示用や大画
面のテレビ用として期待されている。PDPは多数の微
小放電空間(以下「表示セル」と略すことがある)をマ
トリックス状に配置して構成された表示素子である。各
表示セル内には放電電極が設けられ、各表示セルの内壁
には蛍光体が塗布されている。各表示セル内の空間には
He−Xe、Ne−Xe、Ar等の希ガスが封入されて
おり、放電電極に電圧を印加することにより希ガス中で
放電が起こり、真空紫外線が放射される。この真空紫外
線により蛍光体が励起され、可視光を発する。発光する
表示セルの位置を指定することにより画像が表示され
る。光の三原色である青、緑、赤にそれぞれ発光する蛍
光体を使用することにより、フルカラーの表示を行うこ
とができる。
【0003】PDP以外の真空紫外線励起発光素子とし
て希ガスランプがある。希ガスランプは、希ガス中の放
電により真空紫外線を発生し、蛍光体により真空紫外線
を可視光に変換する機構により発光するランプである。
希ガスランプは水銀を使用しないので、環境問題の観点
から注目されている。
【0004】希ガス中の放電により放射される真空紫外
線によって励起される蛍光体は既に提案されており、青
色発光蛍光体としては例えばBaMgAl1017:E
u、緑色発光蛍光体としては例えばZn2SiO4:M
n、赤色発光蛍光体としては例えば(Y,Gd)B
3:Euを挙げることができる。しかしながら、フル
カラーPDP用としては、輝度の寿命特性が優れる蛍光
体が望まれている。特に青色発光蛍光体において、輝度
の寿命特性が優れる蛍光体が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PD
Pなど真空紫外線励起発光素子用の、輝度の寿命特性に
優れる蛍光体およびそれを用いた真空紫外線励起発光素
子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況下、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
付活剤としてEuを含有するアルミン酸塩類の蛍光体の
うち、マグネトプランバイト構造である化合物が真空紫
外線励起発光素子用蛍光体、特に青色発光蛍光体として
有用であることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明はEuを付活剤として含
有し、マグネトプランバイト型構造であるアルミン酸塩
類を含む真空紫外線励起発光素子用蛍光体を提供する。
また、本発明は、Euを付活剤として含有し、マグネト
プランバイト型構造であるアルミン酸塩類を含み、該ア
ルミン酸塩類が組成式M1-aEuaAl1219(式中のM
はCa,SrおよびBaからなる群から選択される一種
以上の元素を表し、0.003≦a≦0.5である)に
より表わされる化合物を含む真空紫外線励起発光素子用
蛍光体を提供する。また、本発明は、Euを付活剤とし
て含有し、マグネトプランバイト型構造であるアルミン
酸塩類を含み、該アルミン酸塩類が組成式Ba1-aEua
Mg2Al1 627(0.003≦a≦0.5)により表
わされる化合物を含む真空紫外線励起発光素子用蛍光体
を提供する。また、本発明は、Euを付活剤として含有
し、マグネトプランバイト型構造であるアルミン酸塩類
を含み、該アルミン酸塩類が組成式Ba1-aEuaMgA
611(0.003≦a≦0.5)により表わされる
化合物を含む真空紫外線励起発光素子用蛍光体を提供す
る。また、本発明は、Euを付活剤として含有し、マグ
ネトプランバイト型構造であるアルミン酸塩類を含み、
該アルミン酸塩類が組成式(Ba1-aEua3Mg2Al
2441(0.003≦a≦0.5)により表わされる化
合物を含む真空紫外線励起発光素子用蛍光体を提供す
る。さらに、本発明は、前記いずれかに記載の真空紫外
線励起発光素子用蛍光体を使用する真空紫外線励起発光
素子を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。一般に付活剤は、基体となる結晶の構造を変える
ことなく構成する原子の一部と置き換わって蛍光体とし
ての効果を出現させる。本発明の真空紫外線励起発光素
子用蛍光体は、アルミン酸塩類の中でもその結晶構造が
特にマグネトプランバイト型構造である化合物を基体と
し、Euを付活剤として含有してなる蛍光体である。
【0009】基体となるマグネトプランバイト型構造で
あるアルミン酸塩類としては、具体的には、MAl12
19(式中MはCa,SrおよびBaからなる群から選択
される一種以上の元素)、BaMg2Al1627、Ba
MgAl611、Ba3Mg2Al2441が好ましい。こ
れらのマグネトプランバイト型構造のアルミン酸塩類の
金属イオンを付活剤のEu(2価)と置換させてEuを
含有させることにより、真空紫外線励起発光素子用蛍光
体とすることができる。
【0010】具体的には、式MAl1219(式中MはC
a,SrおよびBaからなる群から選択される一種以上
の元素)で表されるアルミン酸塩類を基体とし、式中の
Mを付活剤のEu(2価)で置換することにより得られ
るものとして、式M1-aEuaAl1219(式中MはC
a,SrおよびBaからなる群から選択される一種以上
の元素を表し、0.003≦a≦0.5である)により
表される真空紫外線励起発光素子用蛍光体が挙げられ
る。
【0011】また、式BaMg2Al1627で表わされ
るアルミン酸塩類を基体とし、式中のBaを付活剤のE
u(2価)で置換することにより得られるものとして、
式Ba1-aEuaMg2Al1627(ただし、0.003
≦a≦0.5)で表される真空紫外線励起発光素子用蛍
光体が挙げられる。
【0012】また、式BaMgAl611で表わされる
アルミン酸塩類を基体とし、式中のBaを付活剤のEu
(2価)で置換することにより得られるものとして、式
Ba1-aEuaMgAl611(0.003≦a≦0.
5)で表される真空紫外線励起発光素子用蛍光体が挙げ
られる。
【0013】また、式Ba3Mg2Al2441で表わされ
るアルミン酸塩類を基体とし、式中のBaを付活剤のE
u(2価)で置換することにより得られるものとして、
式(Ba1-aEua3Mg2Al2441(ただし、0.0
03≦a≦0.5)で表される真空紫外線励起発光素子
用蛍光体が挙げられる。
【0014】本発明の真空紫外線励起発光素子用蛍光体
は、真空紫外域以外の紫外線、X線および電子線励起蛍
光体およびそれを用いた素子へも応用可能である。
【0015】本発明に係わる蛍光体の製造方法は特に限
定されるものではなく、例えば特開平10−53760
号公報に開示された方法等公知の方法により製造でき
る。一般的には、それぞれの原料を所定の組成となるよ
うに配合して焼成することにより製造できる。
【0016】原料を所定の組成となるように秤量し、ボ
ールミル、V型混合機または攪拌装置等を用いて混合し
た後、900℃から1600℃の温度範囲で1時間〜5
0時間焼成する方法により、本発明の蛍光体を得ること
ができる。
【0017】例えば、アルミニウム源となる原料として
は、高純度(純度99.9%以上)のアルミナ(結晶形
はα−アルミナでも中間アルミナでもよい)、高純度
(純度99%以上)の水酸化アルミニウム、硝酸アルミ
ニウムまたはハロゲン化アルミニウムなどを用いること
ができる。
【0018】バリウム源となる原料としては、高純度
(純度99%以上)の水酸化バリウム、炭酸バリウム、硝
酸バリウム、ハロゲン化バリウム若しくはシュウ酸バリ
ウムなど、高温で分解し酸化バリウムになりうるものか
または高純度(純度99%以上)の酸化バリウムが使用
できる。
【0019】カルシウム源となる原料としては、高純度
(純度99%以上)の水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、硝酸カルシウム、ハロゲン化カルシウム若しくはシ
ュウ酸カルシウムなど、高温で分解し酸化カルシウムに
なりうるものかまたは高純度(純度99%以上)の酸化
カルシウムが使用できる。
【0020】ストロンチウム源となる原料としては、高
純度(純度99%以上)の水酸化ストロンチウム、炭酸ス
トロンチウム、硝酸ストロンチウム、ハロゲン化ストロ
ンチウム若しくはシュウ酸ストロンチウムなど、高温で
分解し酸化ストロンチウムになりうるものかまたは高純
度(純度99%以上)の酸化ストロンチウムが使用でき
る。
【0021】マグネシウム源となる原料としては、高純
度(純度99%以上)の水酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、硝酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、
シュウ酸マグネシウム若しくは塩基性炭酸マグネシウム
など、高温で分解し酸化マグネシウムになりうるものか
または高純度(純度99%以上)の酸化マグネシウムが
使用できる。
【0022】ユーロピウム源となる原料としては、高純
度(純度99%以上)の水酸化ユーロピウム、炭酸ユーロ
ピウム、硝酸ユーロピウム、ハロゲン化ユーロピウム若
しくはシュウ酸ユーロピウムなど高温で分解し酸化ユー
ロピウムとなりうるものかまたは高純度(純度99%以
上)の酸化ユーロピウムが使用できる。
【0023】原料として水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハ
ロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解し酸化物になり
うるものを使用した場合、本焼成の前に、600℃から
800℃の範囲にて仮焼することも可能である。このと
きの焼成雰囲気としては、Euを2価をとするために、
弱還元雰囲気が好ましい。また大気雰囲気下で焼成した
後、弱還元雰囲気で再度焼成することもできる。また、
反応を促進するために、フラックスを添加することもで
きる。蛍光体の結晶性を高めるために、必要に応じて再
焼成を行うこともできる。
【0024】上述の方法にて得られた蛍光体の粉末を、
ボールミルやジェットミルなどを用いて解砕することが
でき、さらに必要に応じて洗浄あるいは分級することも
できる。
【0025】以上の方法等により得られる本発明のマグ
ネトプランバイト型構造であるアルミン酸塩類を含む蛍
光体は、輝度の寿命特性が優れるので、PDPおよび希
ガスランプなどの真空紫外線励起発光素子用に好適であ
る。現状においてBaMgAl1017:Eu等のβアル
ミナ型構造であるアルミン酸塩類蛍光体が真空紫外線励
起発光素子用に使用されているが、本発明のマグネトプ
ランバイト型構造であるアルミン酸塩類を含む蛍光体の
方が、その理由は明らかではないが、真空紫外線による
励起においては輝度の経時的低下が少なくなるのであ
る。
【0026】本発明の真空紫外線励起発光素子用蛍光体
を用いるPDPは、例えば特開平10−195428号
公報に開示されているような公知の方法によって作製す
ることができる。青色、緑色、赤色のそれぞれの真空紫
外線励起発光素子用蛍光体を、例えば、セルロース系化
合物、ポリビニルアルコールのような高分子化合物およ
び有機溶媒からなるバインダーとを混合して、蛍光体ペ
ーストを調製する。背面基板の内面の、隔壁で仕切ら
れ、アドレス電極を備えたストライプ状の基板表面と隔
壁面に、該ペーストをスクリーン印刷などの方法によっ
て塗布し、乾燥させて、それぞれの蛍光体層を形成させ
る。これに、蛍光体層と直交する方向の透明電極および
バス電極を備え、内面に誘電体層と保護層を設けた表面
ガラス基板を重ねて接着し、内部を排気して低圧のXe
やNe等の希ガスを封入し、放電空間を形成させること
により、PDPを作製することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0028】実施例1 アルミナ(Al23)と酸化カルシウム(CaO)と酸
化ユーロピウム(Eu23)をモル比でAl23:Ca
O:Eu23=6:0.9:0.05となるように秤量
し、めのう乳鉢を使用して1時間粉砕混合した。得られ
た混合粉末をアルミナボートに仕込み、アルゴンと水素
の混合ガス(水素含有量2体積%)中にて1250℃で
2時間焼成し、その後室温まで徐冷した。得られた粉末
のX線回折を測定した結果、マグネトプランバイト型構
造であるCa0.9Eu0.1Al1219の組成の単一相が生
成していることがわかった。得られた粉末を真空槽内に
設置し、6.7Pa(5×10-2torr)以下の真空
に保持し、エキシマ146nmランプ(ウシオ電機株式
会社製H0012型)を用いて真空紫外線を照射したと
ころ、青紫色の発光を示した。
【0029】得られた蛍光体粉末Ca0.9Eu0.1Al12
19を圧力が13.2Paで5体積%Xe-95体積%
Neの組成の雰囲気中に設置し、100Wのプラズマに
1時間曝露させた。該蛍光体粉末を取出して輝度を測定
した結果、プラズマ曝露前に比較して輝度の低下は20
%に止まった。
【0030】比較例1 市販のβアルミナ型構造である青色発光蛍光体BaMg
Al1017:Euを、圧力が13.2Paで5体積%X
e-95体積%Neの組成の雰囲気中に設置し、100
Wのプラズマに1時間曝露させた。該蛍光体粉末を取出
して輝度を測定した結果、プラズマ曝露前に比較して輝
度が40%も低下した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、PDPおよび希ガスラ
ンプなどの真空紫外線励起発光素子に好適な、輝度の寿
命特性に優れる蛍光体が得られ、長寿命の真空紫外線励
起発光素子が実現できるので、工業的に極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 進 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4H001 CA04 XA08 XA12 XA13 XA38 XA56 YA63 5C040 GG08 MA10 5C043 AA07 BB09 CC16 DD28 EB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Euを付活剤として含有し、マグネトプラ
    ンバイト型構造であるアルミン酸塩類を含むことを特徴
    とする真空紫外線励起発光素子用蛍光体。
  2. 【請求項2】アルミン酸塩類が、組成式M1-aEuaAl
    1219(式中のMはCa,SrおよびBaからなる群か
    ら選択される一種以上の元素を表し、0.003≦a≦
    0.5である)により表わされる化合物を含むことを特
    徴とする請求項1記載の真空紫外線励起発光素子用蛍光
    体。
  3. 【請求項3】アルミン酸塩類が、組成式Ba1-aEua
    2Al1627(0.003≦a≦0.5)により表わ
    される化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の真
    空紫外線励起発光素子用蛍光体。
  4. 【請求項4】アルミン酸塩類が、組成式Ba1-aEua
    gAl611(0.003≦a≦0.5)により表わさ
    れる化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の真空
    紫外線励起発光素子用蛍光体。
  5. 【請求項5】アルミン酸塩類が、組成式(Ba1-a
    a3Mg2Al2441(0.003≦a≦0.5)に
    より表わされる化合物を含むことを特徴とする請求項1
    記載の真空紫外線励起発光素子用蛍光体。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の真空紫外
    線励起発光素子用蛍光体を使用することを特徴とする真
    空紫外線励起発光素子。
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