JPH08319483A - 真空紫外線励起発光蛍光体およびその製造方法 - Google Patents

真空紫外線励起発光蛍光体およびその製造方法

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JPH08319483A
JPH08319483A JP12807795A JP12807795A JPH08319483A JP H08319483 A JPH08319483 A JP H08319483A JP 12807795 A JP12807795 A JP 12807795A JP 12807795 A JP12807795 A JP 12807795A JP H08319483 A JPH08319483 A JP H08319483A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマディスプレイパネル、高負荷蛍光ラ
ンプ、或いは希ガス放電ランプ等に使用される真空紫外
線により励起されて発光する蛍光体のベーキング劣化を
改良する。 【構成】 BaMg2Al16O27:Eu、或いはBaM
g2Al16O27:Eu,Mn蛍光体の粒子表面に、リン
酸系化合物がリン(P)として蛍光体に対し0.001
〜15wt%被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレイ
パネル、高負荷蛍光ランプ、或いは希ガス放電ランプ等
に使用される、励起源として真空紫外線を利用する発光
デバイスの輝度を改良する蛍光体に関し、特に、真空紫
外線励起発光における蛍光体のベーキング劣化特性の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】カラープラズマディスプレイパネル或い
は蛍光ランプは、基本的に、放電空間において生成され
た紫外線放射エネルギーで蛍光体を高エネルギー状態に
励起し、低エネルギー状態に遷移時に発生する波長変換
されたエネルギーを蛍光として外部に取り出し利用して
いる。このような蛍光体を利用するデバイスは、放電空
間の近傍に蛍光体層、或いは蛍光膜と呼ばれる蛍光体粒
子が層状に塗布された部分を有する。
【0003】上述した蛍光体による蛍光を利用する発光
デバイスの蛍光体層の形成において、通常、蛍光体と有
機バインダーを混合した塗布組成物を調製し、所定の部
位にスラリー法、印刷法等により塗布し乾燥することに
より蛍光体層を形成する。それ故、塗布乾燥後の蛍光体
層には有機バインダーがそのまま残留する。この有機バ
インダーは発光デバイスの発光性能を著しく損なうた
め、有機バインダを揮散させるためのベーキングが行わ
れている。このベーキング条件は、発光デバイスの種
類、塗布方法等にもよるが、空気中で400℃〜600
℃の温度でベーキングされる。ベーキング工程により、
蛍光体粒子の表面も酸化され、大きな発光効率の低下を
引き起こす問題がある。
【0004】発光効率低下の主な原因は、還元雰囲気で
焼成されて得られる蛍光体の粒子表面付近の付活剤が酸
化されることで発光しなくなることである。このような
蛍光体は酸化を受けやすい為に、ベーキング雰囲気の酸
素量を制限することがあるが、そのことは逆に、前述し
た有機バインダーの不完全燃焼により、遊離した炭素が
蛍光体層中に残留して蛍光を吸収することで輝度が大幅
に低くなり、また、経時的な発光輝度の維持率の大幅な
低下をまねく。
【0005】紫外線により蛍光体を励起発光させる場
合、特に真空紫外線により励起発光させる発光デバイス
において、ベーキングによる輝度低下が大きくなる。こ
れは、紫外線励起による発光は特に蛍光体の表面付近で
起こり、真空紫外線のような短波長紫外線はエネルギー
は高いが、さらに透過力は少なく、蛍光体の比較的表層
部しか励起できない。それで、蛍光体の表面酸化は紫外
線励起の発光輝度に大きく影響するからである。従っ
て、真空紫外線で励起発光する蛍光体は、ベーキングに
よる酸化の影響を被りやすい。言い換えれば、真空紫外
線励起発光蛍光体はベーキング改良により蛍光体性能を
大幅に改善することができるということになる。
【0006】このようなベーキングによる輝度低下要因
は、紫外線、特に主としてキセノンの147nm真空紫
外線を利用するプラズマディスプレイパネルや、一部の
蛍光ランプ、或いは特に184.9nmの放射エネルギ
ーの比率が比較的大きい高負荷型の蛍光ランプ等蛍光体
を利用した発光デバイスの発光輝度を低下せしめてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みなされたもので、真空紫外線により励起されて
発光する蛍光体のベーキング劣化を改良することを目的
とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者等は上述した問
題を解決するために鋭意検討した結果、蛍光体の粒子表
面にリン酸系化合物を保護物質として被覆することによ
り、ベーキングによる劣化が著しく改善されることを見
いだし本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の真空紫外線励起発光蛍
光体は、蛍光体の粒子表面に、リン酸系化合物がリン
(P)として蛍光体に対し0.001〜15wt%被覆
されていることを特徴とする。
【0010】ここで、被覆物質のリン酸系化合物とは、
基本的にはリンと酸素の化合により生成する物質であ
り、例えば、酸化リン、リン酸、及びリン酸塩等であ
る。これらのうちリン酸塩はアンモニウム塩のような非
金属塩であることが好ましいが、金属塩でもベーキング
劣化の改良には効果はある。しかし、金属が含有される
ことで真空紫外線による蛍光体の励起発光をいくらか阻
害するため、発光輝度は低下傾向となる。
【0011】リン酸系化合物の被覆の適量は、前記した
ようにリン(P)換算で蛍光体に対し0.001〜15
wt%の範囲である。この範囲よりもリンが少ないと、
被覆量が少なすぎ効果が期待できなくなり、逆に、この
範囲よりも多いと被覆量が多すぎることにより、蛍光体
の励起及び発光を阻害し、蛍光体の輝度低下が問題とな
る。このような理由でリン酸系化合物のさらに好ましい
範囲は0.1〜8wt%である。
【0012】本発明の蛍光体は、酸化リン、リン酸、及
びリン酸塩の内の少なくとも一種と、蛍光体を溶剤中で
混合してスラリー化し乾燥することにより、蛍光体の粒
子表面にリン酸系化合物を被覆することで得られる。
【0013】上述した方法により得られた蛍光体を、さ
らに200〜1000℃の温度範囲、好ましくは400
〜700℃の温度範囲で焼成することが望ましい。それ
はこの焼成により、蛍光体表面のリン酸系化合物は縮合
(分子内脱水)され、より安定化されるからである。ま
た、加熱前の被覆物には原料中或いは溶剤中に含まれる
水素、酸素、窒素、或いは炭素が残留しており、これが
特に真空紫外線による励起発光を阻害する。焼成時間に
もよるが焼成温度が1000℃よりも高温になると、リ
ンが殆どの蛍光体の粒子内部に拡散して、蛍光体により
大幅な輝度低下を引き起こすことがある。
【0014】酸化リンにはP410、P49、P48
46、(PO)nなどがあり、いずれも適用可能であ
る。リン酸はこれら酸化リンを加水分解することで得る
ことができ、代表的なものとしてオルトリン酸H3PO4
がある。また、リン酸塩には、リン酸アンモニウム(N
42PO4、(NH4)2HPO4、(NH4)3PO4)、或
いはリン酸カリウム、リン酸ナトリウム等アルカリ金属
リン酸塩に代表される水溶性リン酸塩と、リン酸カルシ
ウム、リン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属リン酸
塩或いはリン酸亜鉛等の水に不溶性或いは難溶性のリン
酸塩がある。本発明はこれらを限定しないが、基本的に
は水溶性のものが好ましい。それは水溶性のリン酸塩を
使用した場合、蛍光体表面に緻密なリン酸系化合物の被
膜が形成され、微量でより大きな効果を生むからであ
る。
【0015】水溶性リン酸塩の内アルカリ金属を使用す
る場合、最終製品へのアルカリ金属の残留が問題になる
場合がある。例えば、蛍光ランプのように、放電動作
中、水銀蒸気と直接接触する構造の場合、このアルカリ
金属の残留を避けるために、十分な洗浄をする必要があ
る。
【0016】不溶性或いは難溶性リン酸塩を使用する場
合は、リン酸塩粒子の平均粒径が0.1μm以下である
ことが望ましい。リン酸塩粒子はこれよりも大きいと、
緻密なリン酸系化合物の被膜が形成されず、効果が期待
できなくなる。
【0017】本発明は、基本的に紫外線励起発光蛍光体
であれば効果はある。すなわち、蛍光ランプ用蛍光体、
プラズマディスプレイ用蛍光体として通常用いられてい
る蛍光体に対し適用できる。例えば、(SrCaBaM
g)5(PO43Cl:Eu、BaMg2Al1627:E
u、BaMg2Al1627:Eu,Mn、Sr5(P
43Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl
1119:Ce,Tb、Y23:Eu、Y(PV)O4
Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca
10(PO46FCl:Sb,Mn、Sr10(PO46
Cl:Sb,Mn、(SrMg)227:Eu、Sr2
27:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO
4、(BaCa)5(PO43Cl:Eu、Sr4Al14
25:Eu、Zn2SiO4:Mn、BaSi25:P
b、SrB47:Eu、(CaZn)3(PO 42:T
l、LaPO4:Ce等の蛍光体に適用可能である。
【0018】これら蛍光体の中で、特に付活剤が、Eu
2+、Mn2+、Ce3+、Tb3+、Sb 3+、或いはSn2+
ある場合、還元雰囲気或いは弱還元雰囲気で焼成されて
いるため、空気中でベーキングされることでより高い酸
化状態に酸化されやすい。従って、そのような蛍光体に
リン酸系化合物を被覆することで、ベーキング特性は大
きく改良できる。さらに、このような種類の蛍光体の中
でも、BaMg2Al1 627:Eu、及びBaMg2Al
1627:Eu,Mn蛍光体に代表されるアルミン酸塩に
おいて特に効果的である。
【0019】
【作用】蛍光体励起発光に使用される紫外線は主とし
て、高圧水銀灯からの365nm、低圧水銀蒸気放電か
ら高効率に得られる253.7nm、同放電から一部放
射されている184.9nm、キセノン放電から放射さ
れる147nmの紫外線があるが、紫外線の波長が短い
ほど、透過力が小さく、逆に紫外線の波長が長いほど透
過力が大きくなる。すなわち、184.9nm或いは1
47nm等の真空紫外線で励起されるのは蛍光体の比較
的表面付近である。一方、ベーキングにより、酸化され
るのは蛍光体の表面付近であり、必ずしも蛍光体内部ま
で酸化されることはない。従って、真空紫外線で励起発
光するものほど、ベーキングによる酸化の影響を被りや
すい。言い換えれば、真空紫外線励起蛍光体はベーキン
グ改良により蛍光体性能を大幅に改善することができる
ということになる。
【0020】従って、本発明が効果的に作用するのは、
付活剤が、Eu2+、Mn2+、Ce3+、Tb3+、Sb3+
或いはSn2+である蛍光体である。酸化されやすくしか
も真空紫外線により効率的に励起発光する蛍光体であ
る。このような蛍光体として、BaMg2Al1627
Eu、BaMg2Al1627:Eu,Mn、Sr4Al14
25:Eu、Zn2SiO4:Mn、LaPO4:Ce,
Tb、MgAl1119:Ce,Tb等がある。この中で
も、特にEu2+或いはMn2+を付活剤とするアルミン塩
酸系の蛍光体である。
【0021】BaMg2All627:Eu蛍光体粒子表
面に、リン酸系化合物を被覆した場合について、リンP
量に対するベーキング前及びベーキング後の147nm
励起発光時の相対輝度を図1の曲線a、bにそれぞれプ
ロットした。図中○点及び●点はリン酸系化合物被覆量
が0である比較例のそれぞれベーキング前、ベーキング
後の相対輝度値を示す。この場合被覆物質原料は(N
4)2HPO4を使用している。これより、被覆量が増加
するにしたがいベーキング前輝度は徐々に低下するが、
ベーキング後の輝度は大幅に向上している。このような
事実から、リン酸系化合物被覆量はPとして0.001
〜15wt%が実用範囲であり、0.1〜8wt%の範
囲がさらに好ましいことが分かる。
【0022】BaMg2Al1627:Eu蛍光体粒子表
面に、種々の原料種を用いてリン酸系化合物を被覆した
場合について、リン(P)量に対するベーキング前及び
ベーキング後の147nm励起発光時の相対輝度と、輝
度維持率について表1に示した。輝度維持率について
は、本発明の実施例が比較例に比べすべて改善されてい
ることが分かる。
【0023】
【表1】
【0024】原料種として金属リン酸塩を使用した実施
例5、6、及び7については、非金属であるアンモニウ
ム塩の実施例1、2、3、及び9或いは実施例4に比べ
るとベーキング前の相対輝度が十数パーセント低い。こ
れは、被覆物質の中に金属が存在することで、147n
mの真空紫外線を一部吸収され、蛍光体の励起分が減少
したことによる。しかし、この金属が存在しても、ベー
キングによる輝度維持率が低下することはない。
【0025】また、実施例8において、ベーキング前後
で輝度維持率が127%と大幅に増加しているのは、被
覆量が他に比べ多いために、乾燥後もアンモニアが多量
に残留することで、ベーキング前の相対輝度が低くなっ
ている。しかし、ベーキングする事でアンモニアは除去
され、相対輝度が向上している。
【0026】本発明の蛍光体に類似したものとして、E
2+、Mn2+共付活のバリウム・マグネシウムアルミネ
ート蛍光体の組成にリン酸を導入することにより、蛍光
体の温度特性が改善されることが特公昭54−3678
号公報に開示されている。しかし、これは本発明の粒子
表面にリン酸系化合物を被覆された蛍光体とは全く異な
る。この蛍光体を試作したものを比較例2に示す。
【0027】蛍光体表面のPと、蛍光体母体に含有され
るPを次のように分別して分析することができる。蛍光
体を過塩素酸で重量で約1割程度溶解し、溶解液中の蛍
光体母体に対するPの割合wt%を求める。また、未溶
解の約9割の蛍光体を分離し、引き続き溶解して同様に
蛍光体母体に対するPの割合wt%を求める。表2に上
述した分析を本発明の蛍光体と、比較例の蛍光体に適用
した結果を示す。
【0028】
【表2】
【0029】このように、本発明の蛍光体は粒子表面に
リン酸系化合物を形成することで、その保護作用によ
り、蛍光体の粒子表面がベーキング等により酸化され難
くなり、特に、真空紫外線による励起発光が殆ど損なわ
れなくなる。
【0030】
【実施例】ここでは特に真空紫外線励起で良好な青色発
光を示すBaMg2Al1627:Eu蛍光体へのリン酸
系化合物の被覆について説明するが、それ以外の蛍光
体、特に真空紫外線励起発光蛍光体についても効果があ
る。
【0031】[実施例1]0.5gの(NH42HPO
4を100gの純水に溶解し、そこへBaMg2Al16
27:Eu蛍光体100gを加え、混練しスラリー状とす
る。得られたスラリーを全量乾燥し、乾燥後200メッ
シュのフルイを通し、本発明の蛍光体を得た。ここで、
本発明に適用するBaMg2Al1627:Eu蛍光体
は、特別な製法は必要なく、以下に示す通常の方法で得
られるものをそのまま使用した。
【0032】原料としてBaCO3、Mg4(CO33
H・3H2O、Eu23、及びAl23を必要量計量
し、これにAlF3を原料全体に対し1wt%添加しボ
ールミルで混合し、窒素及び水素からなる還元雰囲気中
1300℃で5時間焼成する。次に焼成物を冷却後ボー
ルミルで粉砕し、湿潤還元性ガス中で1300℃で3時
間焼成し、焼成物を冷却後200メッシュのフルイを通
すことでBaMg2Al1627:Eu蛍光体を得た。
【0033】本発明の蛍光体のP被覆量について、蛍光
体を過塩素酸で全量溶解し、化学分析により蛍光体に対
するP量を測定した。得られた蛍光体を真空紫外線分光
光度計を用い、147nm紫外線で励起し、基準蛍光体
に対する(a)ベーキング前相対輝度を測定する。この
蛍光体のベーキングによる劣化を測定するため、空気中
500℃で30分間ベーキング試験する。ベーキング後
の輝度を同じく147nm紫外線で励起し測定し、
(b)ベーキング後相対輝度を得る。また、(b)/
(a)×100を計算することで輝度維持率(%)を得
る。これら測定値を表1にまとめた。
【0034】[実施例2]被覆物質の原料として(NH
42HPO4が0.1gである以外実施例1と同様にし
て蛍光体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0035】[実施例3]被覆物質の原料として(NH
42HPO4が2.5gである以外実施例1と同様にし
て蛍光体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0036】[実施例4]被覆物質の原料としてP4
10が0.5gである以外実施例1と同様にして蛍光体を
調製し、結果を表1にまとめた。
【0037】[実施例5]被覆物質の原料としてCa
(H2PO42が1.0gである以外実施例1と同様に
して蛍光体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0038】[実施例6]被覆物質の原料としてKH2
PO4が0.1gである以外実施例1と同様にして蛍光
体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0039】[実施例7]被覆物質の原料としてAlP
4が0.5gである以外実施例1と同様にして蛍光体
を調製し、結果を表1にまとめた。
【0040】[実施例8]被覆物質の原料として(NH
42HPO4を0.5g使用し、得られた蛍光体を50
0℃で1時間焼成すること以外実施例1と同様にして蛍
光体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0041】[実施例9]被覆物質の原料として(NH
42HPO4を20.0g使用し、得られた蛍光体を5
00℃で1時間焼成すること以外実施例1と同様にして
蛍光体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0042】[比較例1]リン酸系化合物の原料を蛍光
体に被覆しない以外実施例1と同様にして比較例の蛍光
体を調製し、結果を表1にまとめた。
【0043】[比較例2]特公昭54−3678に開示
される方法に従い、蛍光体母体の形成時、蛍光体原料1
00gに対し、(NH42HPO4を0.85gを混合
し焼成することにより比較例の蛍光体を得た。これにつ
いても実施例1と同様な測定を行い、結果を表1にまと
めた。表中の分析値は蛍光体母体のP含有量である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、紫
外線励起発光蛍光体、特に真空紫外線励起発光蛍光体の
ベーキング劣化を大幅に改善することができる。
【0045】このようなベーキングによる輝度低下要因
を最小限に抑えることにより、紫外線、特に主としてキ
セノンの147nm真空紫外線を利用するカラープラズ
マディスプレイパネルや、キセノン放電型蛍光ランプ、
或いは184.9nmの放射エネルギーの比率が比較的
大きい高負荷型の蛍光ランプ等の発光デバイスの発光輝
度を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体のベーキング前後の相対輝度
と、リン酸系化合物被覆量の関係を示すグラフ図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体の粒子表面に、リン酸系化合物が
    リン(P)として蛍光体に対し0.001〜15wt%
    被覆されていることを特徴とする真空紫外線励起発光蛍
    光体。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体の付活剤が、Eu2+、M
    2+、Ce3+、Tb3+、Sb3+、Sn2+からなる群より
    選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項
    1に記載の真空紫外線励起発光蛍光体。
  3. 【請求項3】 酸化リン、リン酸、及びリン酸塩の内の
    少なくとも一種と、蛍光体を溶剤中で混合してスラリー
    とし、前記スラリーを乾燥することで、蛍光体粒子表面
    にリン酸系化合物を被覆させることを特徴とする真空紫
    外線励起発光蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化リン、リン酸、及びリン酸塩の内の
    少なくとも一種と、蛍光体を溶剤中で混合してスラリー
    とし、前記スラリーを乾燥させた後に、200〜100
    0℃の温度範囲で焼成することを特徴とする真空紫外線
    励起発光蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記蛍光体がBaMg2Al16O27:E
    u、及びBaMg2Al16O27:Eu,Mn蛍光体に代
    表されるアルミン酸塩蛍光体蛍光体であることを特徴と
    する請求項1に記載の真空紫外線励起発光蛍光体。
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