JP4199530B2 - 水銀蒸気放電ランプ用蛍光体及び水銀蒸気放電ランプ - Google Patents

水銀蒸気放電ランプ用蛍光体及び水銀蒸気放電ランプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水銀蒸気放電ランプ用蛍光体(以下、単に蛍光ランプ用蛍光体ともいう)及び水銀蒸気放電ランプ(以下、単に蛍光ランプともいう)に関する。さらに詳細には、水銀封入型の蛍光ランプの蛍光膜として使用した際、経時的な輝度低下の少ない蛍光体並びに光束維持率の改善された蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般照明用の蛍光ランプとしては、ハロ燐酸塩系蛍光体を蛍光膜とする旧来の白色発光蛍光ランプに加えて、いわゆる三波長域発光形の蛍光ランプが実用化され、高効率性と高演色性とを同時に満足することから三波長域発光形蛍光ランプが、近年、一般照明用の蛍光ランプの主流になってきている。三波長域発光形蛍光ランプは、比較的狭帯域の発光スペクトル分布を有する、青色発光、緑色発光及び赤色発光の3種の蛍光体を任意の割合で混合し、この混合蛍光体からなる蛍光膜(蛍光体層)を蛍光ランプの外囲器であるガラス管の内壁面に形成した構成を有している。これらの蛍光ランプはランプの管内に封入された水銀蒸気の放電によって生じる紫外線でランプ管内壁に形成された蛍光膜を励起して発光させる水銀蒸気の放電により発光させる従来のタイプの熱陰極型蛍光ランプや液晶用バックライト等に用いられる冷陰極型蛍光ランプの外に、OA機器用光源等を中心に、管内に封入されたアルゴン、キセノン等の希ガスの放電によって生じる波長が200nm以下の真空紫外線で蛍光膜を励起して発光させるタイプがあり、近年、これら蛍光ランプは一般照明用に限らず、OA機器用光源や液晶ディスプレイのバックライトなどにも利用される等、その利用分野が拡大してきている。
【0003】
ところで、従来の三波長域発光形蛍光ランプや希ガスランプでは、継続的な点灯中での光束維持率の低下があり、その寿命が必ずしも十分ではないためにその応用分野の拡大を妨げていた。
【0004】
蛍光ランプにおける光束維持率の低下(蛍光体輝度の低下)の原因としては、主に蛍光体表面に蛍光ランプ中の水銀やその化合物等が付着することや、その波長が185nmの低波長紫外線による蛍光体表面のダメージ等によるものと考えられている。そこで、従来、蛍光ランプ中の水銀や水銀の化合物等による蛍光体の汚染を抑制するために、蛍光体表面に酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の酸化物を被覆させたり、あるいは水酸化マグネシウムを付着させる(特開平5−25475号公報参照)等の改善策が提案されている。しかし、これらの表面処理が施された蛍光体を用いた蛍光ランプでは、ランプの光束維持率の低下を抑制する効果は、必ずしも十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような問題点に対処するためになされたもので、特に蛍光ランプの蛍光膜として使用した場合、点灯中のランプの輝度低下を効果的に抑制することを可能にした蛍光体、および光束維持率の高い長寿命の蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために、蛍光体の表面処理方法、特に蛍光体表面に付着させる表面処理物質について詳細な検討を重ねた結果、蛍光体粒子表面に特定の炭酸塩化合物を付着させた蛍光体は、長時間紫外線照射を受けても発光輝度の低下が少なく、この蛍光体を蛍光膜として用いると光束維持率の高い長寿命の蛍光ランプが得られることを見いだし、本発明に至った。
【0007】
(1)蛍光体粒子表面に希土類金属炭酸塩化合物が付着していることを特徴とする水銀蒸気放電ランプ用蛍光体。
(2)上記希土類金属炭酸塩が炭酸ランタン、炭酸ガドリニウムもしくは炭酸イットリウムの中の少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載の水銀蒸気放電ランプ用蛍光体。
【0008】
(3)上記希土類炭酸塩化合物の付着量が上記蛍光体に対して0.005〜5重量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の水銀蒸気放電ランプ用蛍光体。
【0009】
)ガラス管の内壁面に形成された蛍光膜を具備する蛍光ランプにおいて、上記蛍光膜は上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水銀蒸気放電ランプ用蛍光体を含むことを特徴とする水銀蒸気放電ランプ。
)上記蛍光体が水銀蒸気放電ランプ用蛍光体であることを特徴とする上記()記載の蛍光体。
)ガラス管の内壁面に形成された蛍光膜を具備する蛍光ランプにおいて、上記蛍光膜は、上記(1)〜()のいずれかに記載の蛍光体を含むことを特徴とする蛍光ランプ。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
蛍光体粒子の表面に希土類金属の炭酸塩(以下、単に炭酸塩化合物ともいう)が付着した本発明の蛍光体は、所定量の該炭酸塩化合物の微粉末とコアとなる蛍光体(コア蛍光体)とを溶媒中で混合して蛍光体スラリーとし、このスラリーを十分に混合した後、脱水、乾燥することにより、製造することができる。この時用いられる溶媒としては水を用いるのが取り扱い性の点で好ましいが、例えば、エタノール等のアルコールやアセトンなどの有機溶剤を使用してもよい。
また、本発明の蛍光体は、蛍光体のスラリー中に所定量の炭酸イオンを含有する溶液と、この炭酸イオンと化学反応して希土類金属炭酸塩を生成し得るだけの希土類の各イオンを含有する溶液とを投入するか、または所定量の水に可溶性の炭酸塩化合物及び希土類の金属化合物を蛍光体スラリー中に投入して十分に混合し、その蛍光体スラリー中で反応して生成した希土類金属炭酸塩化合物を蛍光体表面に沈積、付着させることによっても製造することが出来る。
【0011】
本発明の蛍光体において、蛍光体表面に最終的に付着させる炭酸塩化合物は、水に対し難溶性もしくは不溶性の化合物であり、炭酸アンモニウム等の非金属の炭酸塩化合物よりも、金属の炭酸塩化合物であることが好ましい。金属炭酸塩化合物の中でもアルカリ金属の炭酸塩は、Hgを用いた本発明の蛍光ランプ用として用いた場合、蛍光体への水銀付着を加速し光束の劣化を促進するため好ましくなく、水銀などに対してより安定であり、水に難溶性もしくは不溶性であり蛍光体表面に安定に付着させられることから、希土類の炭酸塩化合物が使用される。
【0012】
本発明の蛍光体の表面に付着させる炭酸塩化合物は、例えば、従来検討されている酸化物に比べてより疎水性であり、また、結晶水を取り込んだ場合も本発明の炭酸塩の方がより安定化されるため、酸化物を表面に付着させた蛍光体に比べて炭酸塩化合物を付着させた蛍光体の方が蛍光体全体にとって水分の取り込みが抑制される。
従って、希土類金属炭酸塩化合物を表面に付着させた本発明の蛍光体を用いて蛍光ランプを作製すると、ランプ作製時におけるベーキング工程での残留付着水分の低減化がはかられ、蛍光ランプ使用時において、脱ガス化が効果的に抑制され、出来上がった蛍光ランプの管内のガス汚染が抑制される。
そのため炭酸塩化合物は脱炭酸温度が600℃以上の物が好ましく、800℃以上の物は更に好ましい。ここで述べる脱炭酸温度とは炭酸塩化合物が脱炭酸し炭酸塩全てが酸化物に変化してしまう温度を示す。
【0013】
本発明の蛍光体の表面に付着させる炭酸塩化合物は単独の化合物であっても、また複数種の炭酸塩化合物の混合物であっても良い。またここで述べている炭酸塩は結晶水を含有している物、希土類金属及び炭酸根を主成分とする複塩の形を形成している場合も含む。
蛍光体表面に付着させる炭酸塩化合物の好ましい付着量は、コア蛍光体に対してそのおよそ0.005〜5.0重量%、更に好ましくはコア蛍光体に対して0.01〜3.0重量%の範囲に調整することが好ましい。コア蛍光体表面に付着させる炭酸塩化合物の量が蛍光体に対しておよそ0.005重量%より少ないと、経時的な発光輝度の低下を防ぐ効果が得られず、逆に5重量%を超えると、蛍光体に対する非発光成分の比率が高くなるために、蛍光体の発光輝度が低下し、これを蛍光膜として使用した蛍光ランプの全光束が低下してしまうので共に好ましくない。
【0014】
本発明の炭酸塩化合物が表面に付着されるコア蛍光体としては、例えば、(Sr,Ca,Ba,Mg)(POCl:Eu、(Ba,Ca,Sr)(Mg,Zn)Al1017:Eu、(Ba,Ca,Sr)(Mg,Zn)Al1017:Eu,Mn、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、Sr(POCl:Eu、LaPO:Ce,Tb、MgAl1119:Ce,Tb、Y:Eu、Y(P,V)O:Eu、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、Ca10(POFCl:Sb,Mn、Sr10(POFCl:Sb,Mn、(Sr,Mg):Eu、Sr:Eu、CaWO、CaWO:Pb、MgWO、(Ba,Ca)(POCl:Eu、SrAl1425:Eu、ZnSiO:Mn、BaSi:Pb、SrB:Eu、(Ca、Zn)(PO:Tl、LaPO:Ce、(Y,Gd)BO:Eu、(Y,Gd):Eu等をはじめ、水銀使用の通常の蛍光ランプ、冷陰極ランプ、あるいは希ガスランプ、PDP等に用いられる、紫外線や波長が200nm以下の真空紫外線で励起したとき高効率に発光する蛍光体(紫外線励起用蛍光体や真空紫外線励起用蛍光体)であれば特に制限はない。
【0015】
また、本発明の蛍光ランプはポリエチレンオキサイドなどの水溶性バインダー溶液もしくはニトロセルロースのような有機バインダー溶液に、上述のようにして得られた、炭酸塩化合物が表面に付着した本発明の所望の蛍光体を分散させ、これに結着剤を添加してスラリー化して蛍光体塗布液を調製し、この蛍光体塗布液をガラス管の内壁に塗布する以外は、一般に知られている従来の製造方法で製造される。
【0016】
【作用】
本発明の蛍光体は、蛍光体表面に化学的に安定なアルカリ土類及び/又は希土類の炭酸塩化合物が付着していることにより、この蛍光体を蛍光膜として用いた蛍光ランプのランプ点灯中における、水銀やその化合物等による蛍光膜中の蛍光体の汚染に基く光束維持率の低下を、効果的に抑制することができる。その理由としては、蛍光ランプ点灯中にランプ内に放射されている波長185nmの紫外線等、200nm以下の短波長紫外線による蛍光体表面のダメージを効果的に抑制していると考えられる。
【0017】
更に詳細には、本発明の蛍光体において、表面に付着した炭酸塩化合物は、化学的に安定な化合物であり、また酸化物等に比べてより疎水性が高い。そのため蛍光体粒子の表面への水分やガス成分の付着が抑制され、この蛍光体を用いて蛍光ランプを作製する場合は、ベーキング処理工程での残留付着水分の低減化がはかられる。また蛍光ランプ使用時においても、脱ガス化が起こり難く、ランプ系内のガス汚染を効果的に抑制することができる。これについての詳細な検討結果では、本発明の炭酸塩化合物が付着した蛍光体は、水銀を用いた蛍光ランプにおいて、蛍光体への水銀付着を低減する効果が有ることが分かった。
【0018】
一般的には、二酸化炭素は水銀の付着を加速されると言われており、蛍光体表面に付着した二酸化炭素は取り除くことが好ましい。しかし驚くべき事に、本発明で用いられる炭酸塩化合物は、熱による脱炭酸温度が600℃以上と高温であるため、脱炭酸せず化学的にも安定であり、水銀付着を抑制するものと考えられる。また、蛍光体表面に保護層を形成するため、水銀蒸気を含む管内で紫外線照射を受けるダメージを緩和でき、蛍光体表面の結晶性が低下とか、非発光層が形成とかを防止することができると考えられる。
【0019】
通常、蛍光体表面は空気中の炭酸ガスを吸着し、多少なりの炭酸塩を表面に付着した形態を有しているが、この様な形態では効果が無く、本発明の様に本発明の形態の炭酸塩化合物を積極的に付着させる事により初めて、上記の様な効果を得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
〔実施例1〕
(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体(コア蛍光体)100gと重炭酸アンモニウム3.5gを純水300ml中に投入して充分に撹拌してコア蛍光体スラリーを調製した。次に、このコア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加し、その蛍光体スラリー中において炭酸イットリウムの沈殿を生成させ、さらにこの蛍光体スラリーを十分に攪拌してから濾過した後、水洗と脱水を行って乾燥し、蛍光体に対して1重量%の炭酸イットリウムが表面に付着した実施例1の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0021】
次に、コア蛍光体として実施例1の蛍光体を用いた以外は常法に従って40Wの直管形蛍光ランプを製造した。すなわち、上記実施例1の蛍光体をニトロセルロース−酢酸ブチルの混合溶剤によく分散させて蛍光体塗布スラリーを調製し、このスラリーを40W−S管用のガラスバルブの内壁面に塗布し、これを乾燥させた後、およそ550℃でベーキングし、ガラスバルブの両端に電極を取り付け、ガラスバルブの中を真空排気した後にアルゴンガスと水銀を注入することにより、実施例1の蛍光ランプを製造した。
【0022】
〔比較例1〕
これとは別に、比較のために、実施例1の蛍光体の代わりに、実施例1の蛍光体を製造するために用いた、表面に炭酸イットリウムが付着される前のコア蛍光体である、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして比較例1の蛍光ランプを製造した。
【0023】
〔実施例2〕
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、1.2mol/lの硝酸ランタン水溶液を3.7ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して1重量%の炭酸ランタンが表面に付着した実施例2の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0024】
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸ランタンを付着させた実施例2の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして実施例2の蛍光ランプを作製した。
【0025】
〔実施例3〕
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、1.2mol/lの硝酸ガドリニウム水溶液を3.3ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して1重量%の炭酸ガドリニウムが表面に付着した実施例3の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0026】
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸ガドリニウムを付着させた実施例3の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして実施例3の蛍光ランプを作製した。
【0027】
参考
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、1.2mol/lの酢酸バリウム水溶液を4.3ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して1重量%の炭酸バリウムが表面に付着した参考の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0028】
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸バリウムを付着させた参考の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして参考の蛍光ランプを作製した。
【0029】
参考
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、1.2mol/lの硝酸カルシウム水溶液を8.3ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して1重量%の炭酸カルシウムが表面に付着した参考の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0030】
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸カルシウムを付着させた参考の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして参考の蛍光ランプを作製した。
【0031】
参考
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、1.2mol/lの硝酸ストロンチウム水溶液を5.7ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して1重量%の炭酸ストロンチウムが表面に付着した参考の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0032】
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸ストロンチウムを付着させた参考の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして参考の蛍光ランプを作製した。
【0033】
〔実施例
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、0.6mol/lの硝酸ランタン水溶液を3.7ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して0.5重量%の炭酸ランタンが表面に付着した実施例の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸ランタンを付着させた実施例の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして実施例の蛍光ランプを作製した。
【0034】
〔実施例
実施例1の蛍光体の製造時において、コア蛍光体スラリー中に1.2mol/lの硝酸イットリウム水溶液を4.7ml添加する代わりに、1.2mol/lの硝酸ランタン水溶液を11ml添加した以外は実施例1の蛍光体と同様にして蛍光体に対して3重量%の炭酸ランタンが表面に付着した実施例の(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を製造した。
【0035】
次に、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸ランタンを付着させた実施例の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして実施例の蛍光ランプを作製した。
【0036】
〔実施例
コア蛍光体としてY:Eu蛍光体及びLaPO:Ce,Tb蛍光体を用い、実施例1の蛍光体と同様にしてこれらのコア蛍光体の表面にそれぞれ0.5重量%の炭酸ランタンを付着させた赤色発光成分であるY:Eu蛍光体と緑色発光成分蛍光体であるLaPO:Ce,Tb蛍光体を製造した。
【0037】
次に、青色発光成分である実施例の蛍光体と、上述のようにして得た表面にそれぞれ炭酸ランタンを付着させた赤色発光成分であるY:Eu蛍光体と緑色発光成分蛍光体であるLaPO:Ce,Tb蛍光体とを、発光色がEX−D色を呈するような混合比で混合して実施例の混合蛍光体を得た。
【0038】
次いで、蛍光体として、表面に炭酸イットリウムを付着させた実施例1の蛍光体に代えて表面に炭酸ランタンを付着させた実施例の蛍光体を用いた以外は実施例1の蛍光ランプと同様にして実施例の蛍光ランプを作製した。
【0039】
〔比較例2〕
実施例の蛍光ランプとの比較のため、実施例の混合蛍光体を製造するため赤色発光成分であるY:Eu蛍光体、緑色発光成分蛍光体であるLaPO:Ce,Tb蛍光体及び青色発光成分である比較例1の蛍光体を実施例の混合蛍光体と同じEX−D色を呈するような混合比で混合して比較例2の混合蛍光体を製造し、実施例の混合蛍光体に代えて比較例2の混合蛍光体を用いた以外は実施例の蛍光ランプと同様にして比較例2の蛍光ランプを製造した。
【0040】
上述の実施例1〜6、参考例1〜3、並びに比較例1、2の各蛍光ランプについて、一定時間連続して点灯し、その際の各ランプの光束維持率(Pfm)を測定し、その結果を各蛍光ランプの蛍光膜として用いられている蛍光体の表面に付着されている炭酸塩の種類とその付着量と共に表1、2に示す。
【0041】
なお、それぞれのランプについて、点灯した直後の全光束(Lm0)と500時間連続点灯後の全光束(Lm500)をそれぞれ測定し、点灯した直後の全光束(Lm0)に対する500時間連続点灯後の全光束(Lm500)の比(Lm500/Lm0)の相対百分率を求め、この値を各ランプの光束維持率(Pfm)と定義して各蛍光ランプの経時劣化の程度を判断する評価の目安とした。
【0042】
【表1】
Figure 0004199530
【0043】
【表2】
Figure 0004199530
【0044】
表1、表2の結果から明らかなように、表面にアルカリ土類及び/又は希土類の炭酸塩化合物を付着させた本発明の単一の蛍光体を蛍光膜として用いた青色発光蛍光ランプ(実施例1〜5、並びに参考例1〜3の蛍光ランプと比較例1の蛍光ランプとの比較)においても、混合蛍光体を蛍光膜として用いた白色発光蛍光ランプ(実施例の蛍光ランプと比較例2の蛍光ランプとの比較)においても、該炭酸塩化合物を表面に付着させた本発明の蛍光体を蛍光膜として用いた蛍光ランプでは、光束維持率を改善することができ、連続点灯による経時的な明るさの低下が少なく、蛍光ランプの長寿命化が達成できる。
【0045】
なお、上記実施例では炭酸塩化合物を付着させるコア蛍光体粒子として、特に真空紫外線励起で良好な青色発光を示す(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を使用した場合について例示しているが、其の他の蛍光ランプ用蛍光体についても、同様の光束維持率を向上させることが期待できる。
代表的な蛍光ランプ用蛍光体を用い、実施例1と同様の方法で、表3に示されるような内容の実施例10、比較例3〜6の単色蛍光ランプ作製し確認を行った。
表3の結果で明らかなように、これらの蛍光体についても、同様な効果があることが確認できた。
【0046】
【表3】
Figure 0004199530
【0047】
また同様に代表的な蛍光ランプ用蛍光体を用い、表4に示される様に、各成分蛍光体について表のような内容にて処理された蛍光体を作製し、それらの蛍光体を用いて実施例1114、比較例7の白色蛍光ランプを作製した。
表4の結果で明らかなように、表の様な内容で構成された白色発光の混合蛍光体についても、同様な効果があることが確認できた。
【0048】
【表4】
Figure 0004199530
【0049】
この表4の結果にあるように、実施例1113の一成分の蛍光体のみ、本発明の処理がなされた場合でも、実施例14の全ての成分の蛍光体に本発明の処理がなされているものに比較して、ほぼ同様の効果がでることが示されている。
したがい、混合蛍光体を蛍光膜として用いた白色蛍光ランプでは、必ずしも白色を構成する蛍光体各々全てに、炭酸塩化合物を表面に付着させた本発明の蛍光体を用いる必要はなく、少なくとも一成分に炭酸塩化合物を表面に付着させた本発明の蛍光体を用いることで効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の蛍光体は上述のような構成としたので、継続的な紫外線励起による発光輝度の低下が抑制され、従って、本発明の蛍光体からなる蛍光膜を具備した本発明の蛍光ランプの光束維持率が向上し、光束維持率の高く、長寿命で高品質の水銀蒸気放電ランプを提供することが可能となる。

Claims (4)

  1. 蛍光体粒子表面に希土類金属炭酸塩化合物が付着していることを特徴とする水銀蒸気放電ランプ用蛍光体。
  2. 上記希土類金属炭酸塩が炭酸ランタン、炭酸ガドリニウムもしくは炭酸イットリウムの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の水銀蒸気放電ランプ用蛍光体。
  3. 上記希土類炭酸塩化合物の付着量が上記蛍光体に対して0.005〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水銀蒸気放電ランプ用蛍光体。
  4. ガラス管の内壁面に形成された蛍光膜を具備する蛍光ランプにおいて、上記蛍光膜は請求項1〜3のいずれか1項に記載の水銀蒸気放電ランプ用蛍光体を含むことを特徴とする水銀蒸気放電ランプ。
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