JP2001237676A - ヒステリシスコンパレータ - Google Patents

ヒステリシスコンパレータ

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JP2001237676A
JP2001237676A JP2000043292A JP2000043292A JP2001237676A JP 2001237676 A JP2001237676 A JP 2001237676A JP 2000043292 A JP2000043292 A JP 2000043292A JP 2000043292 A JP2000043292 A JP 2000043292A JP 2001237676 A JP2001237676 A JP 2001237676A
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Teruyoshi Koyama
輝芳 小山
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Denso Ten Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小規模回路で小さなヒステリシス幅を確実に
得られるようにする。 【解決手段】 入力電圧Vinがしきい値VTHより高
くなると、差動増幅回路22の出力が反転して、ヒステ
リシス回路26のスイッチSW1がONになる。トラン
ジスタP2に流れる電流は、トランジスタP1に流れる
電流よりI2だけ少なくなり、VBE1>VBE2とな
る。このベース・エミッタ間電圧差分だけしきい値が下
がり、小さいヒステリシス幅のヒステリシス特性が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電気回路で、
電圧の比較を行い、かつチャタリングなどを防ぐために
ヒステリシスが付加されるヒステリシスコンパレータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図20に示すような減電圧リ
セット回路には、ヒステリシス幅が小さいヒステリシス
コンパレータ1が使用されている。図20に示す減電圧
リセット回路は、マイクロコンピュータなどの供給する
電源電圧の低下時に、マイクロコンピュータにリセット
信号を与えるために用いられる。リセット信号を発生さ
せるばかりではなく、重要なデータの保存やフェールセ
ーフのためにも同様な減電圧検出回路が設けられる。こ
のような減電圧検出回路では、電源電圧VCCの値を、
抵抗R1およびR2で分圧して基準電圧VREFと比較
する。すなわち、電源電圧VCCを抵抗R1および抵抗
R2の抵抗値の比に従って分圧した値が基準電圧VRE
Fよりも低下すると、出力Outはローレベルになり、
リセット信号が発生される。
【0003】マイクロコンピュータなどの電源には大容
量のコンデンサなどが接続されており、電源電圧VCC
の低下は、比較的低速で行われる。このため、電源電圧
VCCを抵抗で分圧した電圧が基準電圧VREFに近い
値でしばらく留まり、その間に基準電圧VREFに対し
て大きくなったり小さくなったりすることを繰返すチャ
タリングが発生しやすい。このチャタリングを防ぐため
に、ヒステリシスコンパレータ1が用いられ、たとえば
VCCが通常の5Vから4Vに低下した時点で出力Ou
tがハイレベルからローレベルに低下してリセット信号
を発生すると、電源電圧VCCが4.2Vまで上昇しな
いと出力が再びハイレベルにはならないようにしてい
る。
【0004】一般に、ヒステリシスコンパレータ1を半
導体集積回路(IC)で形成する場合に、IC内部の基
準電圧は、いわゆるバンドギャップ電圧を用いて形成す
るので、VREF=1.25V程度となる。したがっ
て、VCC=4Vで減電圧検知を行おうとすれば、抵抗
R1と抵抗R2との抵抗値の比は2.75:1.25と
なる。この抵抗値の比率で200mVのヒステリシスを
得るためには、ヒステリシスコンパレータ1単体のヒス
テリシス幅を62.5mVとする必要がある。
【0005】図21は、従来から一般に用いられている
IC化されたヒステリシスコンパレータ1の等価的な回
路構成を示す。入力端子Inからの入力電圧Vinは、
差動増幅回路2を構成する一対のPNPトランジスタP
1,P2のうちの一方のPNPトランジスタP1のベー
スに入力される。PNPトランジスタP1,P2のエミ
ッタは共通接続され、定電流源3から一定の定電流値I
1が供給される。PNPトランジスタP1,P2のコレ
クタは、カレントミラー回路4を構成する一対のNPN
トランジスタN1,N2のコレクタにそれぞれ接続され
る。NPNトランジスタN1,N2のベースは共通接続
され、さらにNPNトランジスタN2のコレクタに接続
されている。NPNトランジスタN1,N2のエミッタ
は、接地GNDに接続される。
【0006】カレントミラー回路4で、NPNトランジ
スタN1,N2は同一の特性を有しているので、ベース
が共通接続されている結果、NPNトランジスタN1,
N2のコレクタとエミッタとの間には同一の電流値が流
れる。この場合、共通接続されたベースがNPNトラン
ジスタN2のコレクタ側に接続されているので、NPN
トランジスタN2側が入力端となり、NPNトランジス
タN1側が出力端となる。
【0007】差動増幅回路2で、PNPトランジスタP
1のベースへの入力電圧がPNPトランジスタP2のベ
ースの電圧よりも接地GND側に低ければ、PNPトラ
ンジスタP1のエミッタ・コレクタ間に流れる電流の方
がPNPトランジスタP2のエミッタ・コレクタ間に流
れる電流よりも多くなる。カレントミラー回路4では、
入力端のNPNトランジスタN2に差動増幅回路2のP
NPトランジスタP2のエミッタ・コレクタ間電流が流
れ、出力端のNPNトランジスタN1にも同一の電流が
流れる。しかしながら、差動増幅回路2のPNPトラン
ジスタP1のエミッタ・コレクタ間電流は、カレントミ
ラー回路4の出力端のNPNトランジスタN1のコレク
タ・エミッタ間に流れる電流よりも多くなるので、余分
な電流はNPNトランジスタN3のベース・エミッタ間
に流れ、NPNトランジスタN3は、導通状態となる。
NPNトランジスタN3のコレクタには、電源電圧VC
Cが、定電流源5を介して与えられる。NPNトランジ
スタN3が導通してON状態になると、コレクタ電圧は
NPNトランジスタN3の飽和電圧程度まで低下する。
このため、NPNトランジスタN3のコレクタに抵抗R
1を介してベースが接続されるNPNトランジスタN4
は、遮断してOFF状態となる。NPNトランジスタN
3,N4および抵抗R1は、ヒステリシス回路6を構成
する。NPNトランジスタN4のコレクタとエミッタと
は、抵抗分割回路7を構成する3つの抵抗R3,R4,
R5のうちの1つの抵抗R5と並列であり、NPNトラ
ンジスタN4のコレクタ・エミッタ間が遮断されると、
抵抗分割回路7は、電源電圧VCCを、抵抗R3の抵抗
値と、抵抗R4およびR5の抵抗値の合計の抵抗値との
比で分圧し、差動増幅回路2のPNPトランジスタP2
のベースにしきい値VTHを与える。
【0008】差動増幅回路2の入力側のPNPトランジ
スタP1のベースに与えられる入力電圧Vinが基準電
圧側のPNPトランジスタP2のベースの電圧と等しい
か、電源電圧VCC側に高いときには、NPNトランジ
スタ3のベース・エミッタ間には電流が流れず、NPN
トランジスタN3は遮断状態となる。このとき、NPN
トランジスタN3のコレクタ電圧は電源電圧VCCに近
くなり、抵抗R1を介してNPNトランジスタN4のベ
ース・エミッタ間には電流が流れ、NPNトランジスタ
N4は導通状態となる。抵抗分割回路7では、電源電圧
VCCを抵抗R3と抵抗R4とで分圧する状態となり、
PNPトランジスタP2のベースに基準電圧VREFと
して与えるしきい値は低下してVTLとなる。このよう
に、抵抗R5をNPNトランジスタN4を導通させて短
絡すると、差動増幅回路2のしきい値は低下し、NPN
トランジスタN4を遮断させると、差動増幅回路2のし
きい値は上昇して、ヒステリシス特性が得られる。な
お、NPNトランジスタN3のコレクタからは、抵抗R
2を介してNPNトランジスタN5のベースに出力が与
えられ、さらにNPNトランジスタN5はコレクタでN
PNトランジスタN6のベースを駆動し、NPNトラン
ジスタN6のコレクタから出力Outが得られる。NP
NトランジスタN5,N6は、出力回路8を構成する。
【0009】図22は、図21のヒステリシスコンパレ
ータの出力回路8のNPNトランジスタN6のコレクタ
側と電源電圧VCCとの間に負荷抵抗を接続するときに
ついて、入力Inの電圧と出力Outの電圧との関係を
示す。入力Inに与える入力電圧Vinを接地GND側
から電源電圧VCC側に上昇させると、抵抗分割回路7
の抵抗R5と並列にコレクタ・エミッタ間が接続されて
いるNPNトランジスタN4は、初めは遮断状態であ
り、差動増幅回路2のPNPトランジスタP2のベース
には、抵抗R3と、抵抗R4および抵抗R5とで電源電
圧VCCを分割したしきい値VTHが与えられ、入力電
圧Vinがしきい値VTHよりも接地GND側にあると
きには、出力Outはローレベルである。入力電圧Vi
nがしきい値VTHを超えると、出力Outはハイレベ
ルに変化し、かつNPNトランジスタN4が導通して、
抵抗分割回路7からは差動増幅回路2のPNPトランジ
スタP2のベースに、しきい値VTLが与えられる。V
TL<VTHであるので、入力電圧Vinが元のしきい
値VTHより低くなっても、新たなしきい値VTLより
高い範囲では、出力Outはハイレベルを続ける。入力
電圧Vinが新たなしきい値VTLよりも接地GND側
に低くなると、出力Outは再びハイレベルに変化し、
差動増幅回路2のPNPトランジスタP2のベースに与
えられるしきい値もVTHに変化する。しきい値VTH
とVTLとの差がヒステリシスとなる。
【0010】図23は、精度を高めることができるヒス
テリシスコンパレータ10の回路構成を示す。このよう
な高精度のヒステリシスコンパレータ10では、2つの
コンパレータ11,12とRSフリップフロップから成
るラッチ回路13とを必要とする。ヒステリシス幅は、
抵抗R1,R2,R3で形成する抵抗分割回路14の、
抵抗R2の両端間に生じる電圧で設定することができ
る。
【0011】ヒステリシス幅を小さくすることができる
回路構成についての先行技術には、特開平6−1777
18号公報に開示されているものがある。この先行技術
では、一対のPNPトランジスタによる差動増幅回路の
コレクタ側に、入力側と出力側との間の電流利得が1以
上のカレントミラー回路を、2つ接続する。一方のカレ
ントミラー回路の入力側と他方のカレントミラー回路の
出力側とが差動増幅回路の一方のPNPトランジスタの
コレクタ側に接続され、他方のPNPトランジスタのコ
レクタ側には一方のカレントミラー回路の出力側と他方
のカレントミラー回路の入力側とが接続される。この先
行技術のヒステリシス幅は、カレントミラー回路の電流
利得に基づいて決定され、約±10mV程度の微小なヒ
ステリシスを得ることが可能であると記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図20に示すような減
電圧リセット回路などに使用するヒステリシスコンパレ
ータ1として、図21に示すような回路構成を用いる
と、抵抗分割回路7の抵抗R5の抵抗値を小さくし、抵
抗R5による電圧降下を小さくしなければならない。し
かしながら、抵抗R5にはNPNトランジスタN4のコ
レクタ・エミッタ間が並列に接続され、NPNトランジ
スタN4が導通するON状態であるときにも、コレクタ
・エミッタ間にはトランジスタの飽和電圧Vsatの電
圧が残り、完全に短絡することはできない。飽和電圧V
satは、最大で0.3V程度ある。このため、図22
に示す2つのしきい値VTHおよびVTLは、次の第1
式および第2式で表すことができる。
【0013】
【数1】
【0014】図23に示すようなヒステリシスコンパレ
ータ10では、コンパレータ11,12が2個必要とな
るうえ、ラッチ回路13も必要となるので、回路規模が
大きくなり、ICとして集積化するうえでも不利であ
る。また、図21および図23に示すヒステリシスコン
パレータ1,10では、しきい値として電源電圧VCC
を利用するので、抵抗分割回路7,14を用いて減衰さ
せてやる必要があり、直接しきい値として用いることが
できない。直接しきい値として用いると、ヒステリシス
を付けることができなくなってしまうからである。
【0015】特開平6−177718号公報の先行技術
では、カレントミラー回路の入力側と出力側との電流利
得Nの値と、差動増幅回路の平衡状態での各PNPトラ
ンジスタの電流Ioとに従ってヒステリシス幅が決定さ
れる旨が記載されている。すなわち、特開平6−177
718号公報の[0026]段落には、「電流利得Nが
1.5の場合には、当該ヒステリシス回路10のヒステ
リシス量が±0.2Ioとなるため約±10[mV]程
度の微小なヒステリシスが得られ」と記載され、さらに
N=2の場合には約±18[mV]程度の微小なヒステ
リシスが得られる旨が記載されている。しかしながら、
電流のヒステリシス量がどのような過程で電圧のヒステ
リシスに対応するかについは説明されていない。また、
差動増幅回路の出力側に2つのカレントミラー回路を接
続するだけで、ヒステリシスコンパレータとして動作す
るか否かについても疑問がある。図1で、2つのトラン
ジスタQ3,Q6は、双安定マルチバイブレータを形成
しているようにも見える。ただし、トランジスタQ4,
Q5が接続されているので、たとえば、2つのカレント
ミラー回路が両方とも非飽和状態で動作して、差動増幅
回路の2つのトランジスタのコレクタ電流は同一とな
り、安定な平衡状態となるのではないかという疑問があ
る。
【0016】本発明の目的は、数十mV程度の小さなヒ
ステリシス幅を、比較的小さな回路規模でも確実に得る
ことができるヒステリシスコンパレータを提供すること
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対のトラン
ジスタを含み、一方のトランジスタに入力電圧Vinが
与えられ、他方のトランジスタに基準電圧VREFが与
えられる差動増幅回路を備え、入力電圧Vinと基準電
圧VREFとの比較結果の論理出力を導出し、該論理出
力に対応するように基準電圧VREFの切換えを行うヒ
ステリシスコンパレータにおいて、該基準電圧VREF
の切換えのために、該差動増幅回路の一対のトランジス
タに流す電流に差を付ける電流差付加回路を含むことを
特徴とするヒステリシスコンパレータである。
【0018】本発明に従えば、ヒステリシスコンパレー
タは、一対のトランジスタを含む差動増幅回路で、一方
のトランジスタに入力電圧Vinが与えられ、他方のト
ランジスタに基準電圧VREFが与えられ、入力電圧V
inと基準電圧VREFとの比較結果の論理出力が導出
されるとともに、論理出力に対応するように基準電圧V
REFの切換えが行われる。基準電圧VREFの切換え
は、差動増幅回路の一対のトランジスタに流す電流に差
を付ける電流差付加回路によって行われる。差動増幅回
路の一対のトランジスタに流す電流に差を付けると、ト
ランジスタの入出力特性に基づき、実質的にバイアス電
圧が変化して、入力電圧Vinと比較する基準電圧VR
EFの変化として取扱うことができ、数十mV程度の微
小なヒステリシスを確実に得ることができる。電流差付
加回路は、差動増幅回路の一対のトランジスタに流す電
流に差を付ければよいので、1つのコンパレータ回路内
で実現することができ、2つのコンパレータを使用する
ような回路規模の増大を招くことなく、確実なヒステリ
シスを得ることができる。
【0019】また本発明は、前記差動増幅回路の一対の
トランジスタに、和が一定の第1の定電流I1となるよ
うに電流を供給する第1の定電流源と、前記電流差付加
回路に備えられ、該一対のトランジスタの一方の出力側
に接続され、第2の定電流I2で該出力側に流す電流を
変化させる第2の定電流源とを含むことを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、第1の定電流源で、差動
増幅回路の一対のトランジスタに、和が一定の第1の定
電流I1となるように電流を供給するので、差動増幅回
路の2つのトランジスタの出力電流の和も第1の定電流
I1で一定にすることができる。一対のトランジスタの
一方の出力側に第2の定電流源を接続し、第2の定電流
I2で電流を変化させるので、一対のトランジスタ間で
出力電流が確実に異なり、トランジスタの入出力特性に
基づいて基準電圧VREFを変化させることができる。
基準電圧VREFの変化は、第2の定電流値I2に対応
してトランジスタの入出力特性に基づいて決定されるの
で、ヒステリシス幅を精度よく設定することができる。
【0021】また本発明は、前記第1の定電流源および
前記第2の定電流源として、共通な入力端と、前記第1
の定電流I1を導出する第1の出力端と、前記第2の定
電流I2を導出する第2の出力端とを有する電源用カレ
ントミラー回路をさらに含むことを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、第1の定電流I1と第2
の定電流I2とを入力端を共通にした電源用カレントミ
ラー回路から供給するので、差動増幅回路のバイアス電
流となる第1の定電流I1の精度がヒステリシス幅に対
してほとんど影響しないようにすることができる。
【0023】また本発明は、前記差動増幅回路の一対の
トランジスタのうちで前記基準電圧VREFが与えられ
るトランジスタの出力側に出力端が接続され、入力端に
前記第2の定電流源からの電流が流れる負荷用カレント
ミラー回路をさらに含むことを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、差動増幅回路の一対のト
ランジスタのうち基準電圧VREFが入力される側のト
ランジスタの出力側に負荷用カレントミラー回路の出力
端を接続し、負荷用カレントミラー回路の入力端には第
1の定電流I1を流し、負荷用カレントミラー回路の電
流値を第2の定電流I2で変化させることによって、ヒ
ステリシスを得ることができる。差動増幅回路の一対の
トランジスタのうち入力電圧Vinが与えられるトラン
ジスタの出力側にはカレントミラー回路を接続しないの
で、入力電圧Vinのとり得る範囲を広げることができ
る。
【0025】また本発明は、前記差動増幅回路の一対の
トランジスタの出力側に入力端と出力端とがそれぞれ接
続され、該入力端と該出力端とには同一の電流が流れる
負荷用カレントミラー回路をさらに含むことを特徴とす
る。
【0026】本発明に従えば、差動増幅回路の一対のト
ランジスタの出力側には、負荷用カレントミラー回路の
入力端と出力端とがそれぞれ接続されるので、電流差付
加回路による第2の定電流I2の変化を確実に差動増幅
回路の一対のトランジスタに流れる電流の変化に反映さ
せ、基準電圧VREFの変化に対応させることができ
る。
【0027】また本発明で前記負荷用カレントミラー回
路は、一対のトランジスタから成り、各トランジスタは
入力電極、出力電極および基準電極を有し、両方のトラ
ンジスタの入力電極が共通接続され、各トランジスタの
出力電極が前記差動増幅回路の一対のトランジスタの出
力側にそれぞれ接続され、入力端となるトランジスタの
出力電極が共通接続された入力電極に接続され、該負荷
用カレントミラー回路の一対のトランジスタの基準電極
にそれぞれ接続され、同一の抵抗値を有する一対の抵抗
をさらに含み、前記電流差付加回路は、前記第2の定電
流源を、該負荷用カレントミラー回路の一対のトランジ
スタのうちの1つの基準電極と該抵抗との接続点に接続
することを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、負荷用カレントミラー回
路の基準電極側に同一の抵抗値を有する一対の抵抗をさ
らに接続し、負荷用カレントミラー回路の一対のトラン
ジスタの1つの基準電極と抵抗との接続点に第2の定電
流源を接続するので、抵抗値に基づいてヒステリシス幅
を抵抗値で調整することができる。
【0029】また本発明で前記差動増幅回路の一対のト
ランジスタは、前記入力側に前置増幅用のトランジスタ
をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、差動増幅回路は入力側に
前置増幅用のトランジスタを備えるので、電流利得を高
く取ることができる。
【0031】また本発明で前記差動増幅回路の一対のト
ランジスタには、前記第1の定電流源から同一の抵抗値
を有する一対の抵抗を介して電流を流すことを特徴とす
る。
【0032】本発明に従えば、差動増幅回路の一対のト
ランジスタには、第1の定電流源から同一の抵抗値を有
する抵抗を介して電流を流すので、抵抗値を変化させる
ことによってヒステリシス幅の微調整を行うことができ
る。
【0033】また本発明で前記第2の定電流源は、前記
基準電圧VREFの切換え時の温度変動が小さくなるよ
うに、予め温度特性が与えられることを特徴とする。
【0034】本発明に従えば、ヒステリシスを発生させ
る第2の定電流源に、基準電圧VREFの切換え時の温
度変動が小さくなるように予め温度特性を与えるので、
ヒステリシス幅の温度変動を小さくすることができる。
【0035】また本発明で前記電流差付加回路は、前記
差動増幅回路の一対のトランジスタに流す電流に差を付
けるか否かを、外部から設定可能であることを特徴とす
る。
【0036】本発明に従えば、電流差付加回路は、差動
増幅回路の一対のトランジスタに流す電流に差を付ける
か否かを外部から設定可能であるので、ヒステリシスの
有無を外部から変更することができる。
【0037】また本発明は、前記差動増幅回路の出力側
に前段側の入力が接続され、該前段側の出力によって、
外部に出力を導出する後段側が駆動されるダーリントン
回路をさらに含み、前記電流差付加回路は、該ダーリン
トン回路の前段側の出力によって、前記差動増幅回路の
一対のトランジスタに流す電流に差を付けるための切換
えを行うことを特徴とする。
【0038】本発明に従えば、差動増幅回路の出力をダ
ーリントン回路を介して外部に出力すると同時に、ダー
リントン回路の前段側の出力でヒステリシスを付けるた
めの電流に差を付ける切換えを行うので、回路構成を簡
略化することができる。
【0039】また本発明は、前記ダーリントン回路の前
段側の出力で後段側を駆動するための負荷として、出力
端が接続される駆動用カレントミラー回路と、該駆動用
カレントミラー回路の入力端に入力端が接続されで該ダ
ーリントン回路の前段側とともに前記第2の定電流源か
ら電流が供給され、出力端が前記差動増幅回路の一対の
トランジスタのうちの1つの出力側に接続される電流差
発生用カレントミラーとをさらに含むことを特徴とす
る。
【0040】本発明に従えば、差動増幅回路の出力を外
部に導出するダーリントン回路の出力電流能力を高める
ことができる。
【0041】また本発明で前記電流差発生用カレントミ
ラー回路は、前記基準電圧VREFの切換え時の温度変
動が小さくなるように、予め温度特性が与えられること
を特徴とする。
【0042】本発明に従えば、電流差発生用カレントミ
ラー回路の温度特性が、基準電圧VREFの切換え時の
温度と変動が小さくなるように与えられるので、ヒステ
リシス幅の温度変動を小さくすることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1形態
としてのヒステリシスコンパレータ20の概念的な電気
的構成を示す。ヒステリシスコンパレータ20は、しき
い値電圧源21が出力するしきい値VTHを基準電圧と
して入力する差動増幅回路22を有する。差動増幅回路
22は、一対のPNPトランジスタP1,P2の基準電
極であるエミッタを第1の定電流源であり第1の定電流
I1を供給する定電流回路23に共通接続して形成され
る。差動増幅回路22の出力側には、負荷用のカレント
ミラー回路24が接続される。差動増幅回路22には一
対のPNPトランジスタP1,P2が含まれ、カレント
ミラー回路24には一対のNPNトランジスタN1,N
2が含まれる。なお、以下の説明では、PNPトランジ
スタおよびNPNトランジスタを単に「トランジスタ」
と称し、PNPとNPNとの区別は、参照符に「P」に
番号を続けるか、「N」に番号を続けるかによって区別
することとする。
【0044】差動増幅回路22のトランジスタP2の入
力電極であるベースには、しきい値電圧源21からのし
きい値VTHが与えられる。トランジスタP1のベース
には、入力電圧Vinが与えられる。トランジスタP
1,P2の出力電極であるコレクタは、カレントミラー
回路24のトランジスタN1,N2のコレクタにそれぞ
れ接続される。トランジスタN1,N2のベースは共通
接続され、さらにトランジスタN1のコレクタに接続さ
れる。トランジスタN1,N2のエミッタは、接地GN
Dに共通接続される。カレントミラー回路24では、ト
ランジスタN1が入力端となり、トランジスタN2が出
力端となる。トランジスタN1,N2を同一のエミッタ
電極面積となるように形成することによって、トランジ
スタN1のコレクタ・エミッタ間に流れる電流と同一の
電流がトランジスタN2のコレクタ・エミッタ間に流れ
るようにすることができ、これが「カレントミラー」と
呼ばれる理由である。
【0045】本実施形態のヒステリシスコンパレータ2
0では、差動増幅回路22の基準電圧として与えるしき
い値電圧源21の出力電圧は変えずに、差動増幅回路2
2の出力側の電流値を変化させる。電流値の変化は、第
2の定電流源である定電流回路25が第2の定電流I2
を変化させるか否かで行う。ヒステリシスを生じさせる
ための電流差付加回路であるヒステリシス回路26に
は、スイッチ回路27が設けられる。スイッチ回路27
は、差動増幅回路22からの出力に基づいて、第2の定
電流I2の変化を差動増幅回路22の出力電流に生じさ
せるか否かを切換える。
【0046】図2は、図1のヒステリシスコンパレータ
20を半導体集積回路として実現する際の等価的な回路
構成を示す。図1では省略しているけれども、差動増幅
回路22の出力は、出力回路28を介して外部にOut
として導出される。差動増幅回路22のトランジスタP
2のコレクタとカレントミラー回路24のトランジスタ
N2のコレクタとの接続点がトランジスタN6のベース
に接続され、トランジスタN6のコレクタから抵抗R4
を介してトランジスタN7のベースに、さらにトランジ
スタN7のコレクタからトランジスタN8のベースに信
号が伝えられ、最終的にトランジスタN8のコレクタか
ら外部に導出される。トランジスタN6のコレクタから
は、抵抗R5を介してトランジスタN5のベースにも接
続される。図1のスイッチ回路27のスイッチSW1に
対応するトランジスタN5のコレクタは、カレントミラ
ー回路29の入力側となるトランジスタN4のコレクタ
に接続される。カレントミラー回路29のトランジスタ
N4には、定電流回路25から第2の定電流I2が与え
られる。トランジスタN4のコレクタとエミッタには、
トランジスタN5のコレクタとエミッタとがそれぞれ接
続される。トランジスタN6のコレクタ側の出力でトラ
ンジスタN5が導通状態となると、トランジスタN3お
よびN4の共通接続されたベースの電圧は、トランジス
タN3,N4のベース・エミッタ間順方向電圧である約
0.6Vよりも低いトランジスタN5のコレクタ・エミ
ッタ間の飽和電圧程度となるので、カレントミラー回路
29はカットオフ状態となり、図1ではヒステリシス回
路26のスイッチSW1が開いた状態に対応する。すな
わち、差動増幅回路22は、一対のトランジスタP1,
P2の出力電流がI3で等しい状態を基準として動作す
ることとなる。電源電圧VCCを抵抗R1と抵抗R2と
で分圧してトランジスタP2のベースに与え、このトラ
ンジスタP2のベース電圧よりもトランジスタP1のベ
ースに与えられる入力電圧Vinの方が接地GND側に
低くなれば、トランジスタP1のコレクタ側から導出さ
れる電流は増大し、トランジスタP2のコレクタ側から
導出する電流は小さくなる。このためトランジスタN6
のベースに充分な電流が供給されなくなり、トランジス
タN6はOFF状態となって、トランジスタN5のベー
スには抵抗R5を介してベース電流が流れ込み、コレク
タ・エミッタ間で導通している状態を継続する。したが
って、カレントミラー回路29はカットオフの状態を続
け、図1のヒステリシス回路26に設けられるスイッチ
SW1は、OFF状態である。
【0047】入力電圧VinがトランジスタP2のベー
スに与えられるしきい値電圧源21からのしきい値VT
Hよりも電源電圧VCC側に高くなると、トランジスタ
P1を流れる電流は減少し、トランジスタP2を流れる
電流が増大する。入力電圧Vinが、しきい値電圧VT
Hよりも接地GND側に低くなると、トランジスタP1
を流れる電流が増大し、トランジスタP2を流れる電流
が減少する。一対のトランジスタP1,P2間でエミッ
タ・コレクタ間に流れる電流は変化しても、両方のエミ
ッタ・コレクタ間に流れる電流の和は第1の定電流I1
で変わらない。
【0048】差動増幅回路22の出力側には、カレント
ミラー回路24が接続され、入力端のトランジスタN1
のコレクタ・エミッタ間を流れる電流と同一の電流が出
力端のトランジスタN2のコレクタ・エミッタ間を流れ
る。したがって、入力電圧Vinがしきい値電圧VTH
よりも接地GND側のローレベルで、ヒステリシス回路
26のスイッチSW1がOFFの状態で入力電圧Vin
が上昇してしきい値VTH以上になると、出力が反転し
てヒステリシス回路26のSW1がON状態となる。ス
イッチSW1がON状態となると、差動増幅回路22の
トランジスタP1のコレクタ側から定電流回路23に定
電流値I2が流出するので、トランジスタP1のエミッ
タ・コレクタ間を流れる電流値をI3とすると、カレン
トミラー回路24の入力側のトランジスタN1のコレク
タ・エミッタ間にはI3−I2の電流が流れることにな
る。この電流値は、トランジスタN2のコレクタ・エミ
ッタ間にも流れるので、差動増幅回路22のトランジス
タP2のエミッタ・コレクタ間にはI3−I2の電流が
流れることになる。差動増幅回路22を構成するトラン
ジスタP1よりもトランジスタP2に流れる電流がI2
だけ小さくなった状態で差動増幅回路22が釣り合うよ
うになると、トランジスタP1のベース・エミッタ間電
圧をVBE1、トランジスタP2のベース・エミッタ間
電圧をVBE2として、トランジスタP2に流れるエミ
ッタ・コレクタ電流の方が少ないので、VBE1>VB
E2となる。このベース・エミッタ間電圧差分だけ差動
増幅回路22としてのしきい値が下がることになるの
で、入力電圧Vinがハイレベル状態のヒステリシスコ
ンパレータ20のしきい値VTLは、次の第3式で表さ
れる。
【0049】
【数2】
【0050】ここでVTは熱電圧であり、ボルツマン定
数k=1.38066×10-23とし、電子電荷q=
1.60218×10-19Cとし、絶対温度をTで表わ
すと次の第4式のように表される。
【0051】
【数3】
【0052】第4式で表される熱電圧VTは、25℃で
は26mVとなる。ヒステリシス幅をVHSとすると、
第3式から次の第5式が得られる。
【0053】
【数4】
【0054】第5式から、第1の定電流I1と第2の定
電流I2との電流比で、ヒステリシス幅VHSが決定さ
れることが判る。たとえば、I1=3×I2となるよう
な電流値に設定すると、25℃ではヒステリシス幅は次
の第6式のように、18mVのような小さな値を得るこ
とができる。このように、差動増幅回路22の出力反転
後に流れる電流に差を付けることによって生じるベース
・エミッタ間電圧差をヒステリシスとして利用すること
ができる。
【0055】
【数5】
【0056】図3は、本発明の実施の第2形態としての
ヒステリシスコンパレータ30の概念的な構成を示す。
本実施形態のヒステリシスコンパレータ30は、図1に
示すヒステリシスコンパレータ20と相補的な構成を有
し、しきい値電圧源31は、電源電圧VCCを基準に負
の電圧をしきい値VTHとして与えると考えることもで
きる。差動増幅回路32は、NPN型の一対のトランジ
スタN1,N2によって形成され、両方のエミッタ電極
が共通接続されて、第1の定電流源33を介して接地G
ND側に接続される。差動増幅回路32の出力側には、
電源電圧VCCとの間に一対のPNPトランジスタP
1,P2によって構成されるカレントミラー回路34が
接続される。差動増幅回路32に電流差を付けるための
第2の定電流回路35は、電源電圧VCC側からトラン
ジスタN2のコレクタ側に第2の定電流I2をヒステリ
シス回路36のスイッチSW1のON/OFFに応じて
流したり流さなかったりすることができる。本実施形態
のヒステリシスコンパレータ30は、図1に示すヒステ
リシスコンパレータ20と、電気的な極性が反対になる
ことを除いて、基本的に同一の動作を行う。
【0057】図4は、本発明の実施の第3形態および第
4形態としてのヒステリシスコンパレータ40,50の
概念的な構成をそれぞれ示す。図4(a)に示すヒステ
リシスコンパレータ40と、図4(b)に示すヒステリ
シスコンパレータ50とは、図1に示すヒステリシスコ
ンパレータ20と図3に示すヒステリシスコンパレータ
30との関係と同様に、極性が逆となる相補的な関係で
動作は基本的に同一である。しきい値電圧源41,51
は、差動増幅回路42,52に対ししきい値VTHをそ
れぞれ与える。差動増幅回路42,52は、一対のトラ
ンジスタP1,P2;N1,N2の入力側に、さらにト
ランジスタP3,P4;N3,N4によるエミッタホロ
ア回路が前置されている。差動増幅回路42,52の入
力側にエミッタホロア回路を前置するので、トランジス
タP3,P4;N3,N4の電流増幅により、入力電流
を減少させ、入力インピーダンスを高くすることができ
る。差動増幅回路42,52の負荷となるカレントミラ
ー回路44,54、定電流回路45,55およびヒステ
リシス回路46,56の構成は、図1および図3に示す
ヒステリシスコンパレータ20,30のカレントミラー
回路24,34、定電流回路25,35およびヒステリ
シス回路26,36とそれぞれ基本的に同等である。な
お、差動増幅回路42,52の前段側のエミッタフォロ
ア回路を構成するトランジスタP3,P4;N3,N4
のエミッタ側には、定電流回路47,48;57,58
がそれぞれ接続される。
【0058】図5は、本発明の実施の第5形態および第
6形態のヒステリシスコンパレータ60,70の概念的
な構成をそれぞれ示す。これらのヒステリシスコンパレ
ータ60,70は、図4(a)に示すヒステリシスコン
パレータ40と図4(b)に示すヒステリシスコンパレ
ータ50との関係と同様に、それぞれ相補的な構成とす
ることもできる。以下説明する各実施形態のヒステリシ
スコンパレータも、同様に相補的な関係とすることもで
きるけれども、一方の構成のみをそれぞれ示す。
【0059】図5(a)に示すヒステリシスコンパレー
タ60は、しきい値電圧源61、差動増幅回路62、定
電流回路63、カレントミラー回路64、定電流回路6
5およびヒステリシス回路66のうち、カレントミラー
回路64を除いて、それぞれ図1のしきい値電圧源2
1、差動増幅回路22、定電流回路23、定電流回路2
5およびヒステリシス回路26とそれぞれ基本的に同等
である。ただし、カレントミラー回路64は、トランジ
スタN2が入力端となり、トランジスタN1が出力端と
なるように、共通接続されたベースは、トランジスタN
2側のコレクタに接続される。トランジスタN1のコレ
クタは、ベースにしきい値電圧VTHが与えられる差動
増幅回路62のトランジスタP2のコレクタに接続され
る。差動増幅回路62で、ベースに入力電圧Vinが与
えられるトランジスタP1のコレクタは、接地GND側
に直接接続される。カレントミラー回路64を構成する
トランジスタN1,2は、エミッタ面積が異なり、入力
端のトランジスタN2のエミッタ面積は、出力端のトラ
ンジスタN1のエミッタ面積の2倍となるように形成さ
れている。入力端のトランジスタN2のコレクタ・エミ
ッタ間には、第1の定電流値I1を差動増幅回路62に
供給する第1の定電流回路63と同様に、第1の定電流
値I1を流す定電流回路67から電流が供給される。
【0060】本実施形態のヒステリシスコンパレータ6
0では、入力電圧Vinが入力されるトランジスタP1
のコレクタ側にカレントミラー回路64が接続されてい
ないので、入力電圧Vinの電圧を接地GNDまで低下
させることができる。前述の各実施形態では、差動増幅
回路の出力側にカレントミラー回路が接続されており、
カレントミラー回路および差動増幅回路を構成するトラ
ンジスタのコレクタ・エミッタ間電圧は飽和電圧よりは
小さくならず、その一方で差動増幅回路のトランジスタ
ではベース・エミッタ間順方向電圧VBE1を確保しな
ければならないので、差動増幅回路に与える入力電圧V
inで差動増幅回路が正常に動作する範囲には制限があ
る。
【0061】図5(b)に示すヒステリシスコンパレー
タ70では、しきい値電圧源71を、マルチコレクタ構
造のトランジスタP1,P2で形成する差動増幅回路7
2のトランジスタP2のエミッタに与え、差動増幅回路
を構成するトランジスタP1のエミッタには入力電圧V
inを与える。第1の定電流I1を流す第1の定電流源
である定電流回路73は、マルチコレクタ構造のトラン
ジスタP1,P2のうちで共通接続されるベースおよび
共通接続される1組のコレクタと接地GNDとの間に接
続される。マルチコレクタ構造のトランジスタP1,P
2のもう1つのコレクタは、カレントミラー回路74を
構成するトランジスタN1,N2のコレクタにそれぞれ
接続される。カレントミラー回路74、定電流回路75
およびヒステリシス回路76は、図1のヒステリシスコ
ンパレータ20のカレントミラー回路24、定電流回路
25およびヒステリシス回路26とそれぞれ同等であ
る。
【0062】図6は、本発明の実施の第7形態としての
ヒステリシスコンパレータ80の等価的な回路構成を示
す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ80は、し
きい値電圧源81および差動増幅回路82として、図2
に示すしきい値電圧源21および差動増幅回路22とそ
れぞれ同等の構成を有する。第1の定電流源となる定電
流回路83は、電源電圧VCCと差動増幅回路82の一
対のトランジスタP3,P4の共通接続されるエミッタ
との間に接続されるトランジスタP2によって形成され
る。差動増幅回路82のトランジスタP3,P4のコレ
クタには、図2に示すカレントミラー回路24と同等な
カレントミラー回路84が接続される。第2の定電流源
となる定電流回路85は、トランジスタP5を含むよう
に形成される。ヒステリシス回路86は、スイッチ回路
87を含む。差動増幅回路82の出力は、出力回路88
を介して外部に導出される。ヒステリシス回路86に
は、カレントミラー回路89も含む。カレントミラー回
路89の入力端のトランジスタN4のコレクタ・エミッ
タ間には、スイッチ回路87のトランジスタN5のコレ
クタ・エミッタ間が並列に接続される。このようなスイ
ッチ回路87、出力回路88およびカレントミラー回路
89の構成は、図2に示すスイッチ回路27、出力回路
28およびカレントミラー回路29の構成と基本的に同
等である。
【0063】ただし、本実施形態のヒステリシス回路8
6に設けらるカレントミラー回路89では、トランジス
タN3,N4のエミッタ面積の比がC:Bとなってい
る。また、第1の定電流源となるトランジスタP2と第
2の定電流源となるトランジスタP6とは、トランジス
タP1を入力端とする1つのカレントミラー回路90の
それぞれ出力端となっている。入力側となるトランジス
タP1のコレクタ側は、第1の定電流値I1の電流が流
れる定電流回路91が接続される。第1の定電流源とな
るトランジスタP2のエミッタの面積は、入力端のトラ
ンジスタP1のエミッタ面積に等しく形成され、トラン
ジスタP2のコレクタからは、第1の定電流値I1が差
動増幅回路82に供給される。第2の定電流源となるト
ランジスタP5のエミッタの面積は、入力端となるトラ
ンジスタP1のエミッタのA倍となるように形成され、
トランジスタN5がOFF状態のとき、カレントミラー
回路89の入力端となるトランジスタN4のコレクタ・
エミッタ間には、トランジスタP5から、第1の定電流
値I1のA倍の電流が流れる。カレントミラー回路89
で、出力端となるトランジスタN3のコレクタ・エミッ
タ間に第2の定電流値I2を流すためには、次の第7式
の関係を満たすように、A,B,Cの値を設定すればよ
い。
【0064】
【数6】
【0065】図7は、本発明の実施の第8形態としての
ヒステリシスコンパレータ100の概念的な構成を示
す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ100は、
しきい値電圧源101は、低い方のしきい値電圧VTL
を差動増幅回路102のトランジスタP2のベースに与
える。差動増幅回路102、定電流回路103およびカ
レントミラー回路104については、図1に示す差動増
幅回路22、定電流回路23およびカレントミラー回路
24とそれぞれ同等である。第2の定電流源である定電
流回路105は、ヒステリシス回路106の動作でスイ
ッチSW1がONとなるとき、差動増幅回路102のト
ランジスタP2のコレクタとカレントミラー回路104
のトランジスタN2のコレクタとの接続点に流れ込む電
流値を、I2だけ増加させるように接続される。ヒステ
リシス回路106のスイッチSW1は、出力からインバ
ータ106aを介して駆動される。
【0066】図8は、図7に示すヒステリシスコンパレ
ータ100の等価的な回路構成を示す。本実施形態のヒ
ステリシス回路106は、図6に示す回路構成に、図7
に示すインバータ106aとなるトランジスタN7が付
加され、トランジスタN7の出力でスイッチSW1とし
て動作するトランジスタN5を駆動するとともに、出力
回路108の前段側のトランジスタN8も駆動する。ト
ランジスタN7によるトランジスタN8,N5の駆動
は、抵抗R3,R4を介してそれぞれ行われる。第1の
定電流源である定電流回路103と第2の定電流源であ
る定電流回路105とは、図6に示す実施形態と同様
に、共通のカレントミラー回路110からそれぞれ電流
を供給する出力端として形成される。共通のカレントミ
ラー回路110の入力端には、第1の定電流値I1を流
す定電流回路111が入力側に接続される。このような
出力回路108、カレントミラー回路110の主要部お
よび定電流回路111は、図6に示す出力回路88、カ
レントミラーミラー回路84の主要部および定電流回路
91とそれぞれ同等である。
【0067】本実施形態のヒステリシスコンパレータ1
00では、第2の定電流源である定電流回路105によ
って差動増幅回路102の出力側で第2の定電流値I2
を変化させる方法を、図1の実施形態のように、入力電
圧Vinが与えられる側のトランジスタP1とカレント
ミラー回路24の入力側のトランジスタN1のコレクタ
との接続点側からではなく、しきい値VTLが与えられ
る差動増幅回路102のトランジスタP2のコレクタと
カレントミラー回路104の出力側のトランジスタN2
のコレクタ側との接続点から取出す方式に変更してい
る。これによって、差動増幅回路102のトランジスタ
P2のベースに接続されるしきい値電圧源101から
は、低い方のしきい値電圧VTLを与えることとなる。
【0068】図1に示すヒステリシスコンパレータ20
では、入力電圧Vinがハイレベルで、ヒステリシス回
路26のスイッチSW1がON状態であるときに、差動
増幅回路22としてのしきい値がしきい値電圧源21の
出力であるVTHからVTLに下がってヒステリシスを
付けることができる。しかしながら、しきい値がVTL
の状態は、通常のコンパレータのオフセット電圧に加
え、定電流回路23からの電流値I1と定電流回路25
からの電流I2との電流比精度によるばらつきが重畳さ
れるために、しきい値VTLはしきい値VTHに比べて
精度が悪くなる。特に、しきい値VTLは、第5式に示
すように、熱電圧VTの項があるため、絶対温度Tに比
例して変化する。
【0069】通常、コンパレータにヒステリシスを付け
てヒステリシスコンパレータとして使用するのは、出力
のチャタリング防止のためである場合が多い。したがっ
て、どちらかのしきい値で精度がよければ問題ないこと
が多い。図1に示す実施の第1形態のヒステリシスコン
パレータ20では、高い方のしきい値VTHの精度の方
が低い方のしきい値VTLの精度よりも良好である。低
い方のしきい値VTLの精度の方をよくするためには、
図7に示す実施形態のヒステリシスコンパレータ100
を用いればよい。本実施形態で、第2の定電流値I2を
しきい値VTLが与えられるトランジスタP2のコレク
タ側から取出すようにしているのは、入力電圧Vinが
ローレベルのときにしきい値をVTLより高くする必要
があるので、VBE1<VBE2とするために、電流値
I2の接続先を変更している。高い方のしきい値の値V
THは、次の第8式で与えられる。
【0070】
【数7】
【0071】第8式から前述の第5式と同等の式が得ら
れ、ヒステリシス幅VHSが図1に示すヒステリシスコ
ンパレータ20と同様になることが判る。このようにし
て、差動増幅回路102の出力側の構成を変更すること
なく、精度が必要な方のしきい値を変更することができ
る。
【0072】図9は、本発明の実施の第9形態としての
ヒステリシスコンパレータ120の概念的な構成を示
す。本実施形態のしきい値電圧源121は、図7に示す
ヒステリシスコンパレータ100のしきい値電圧源10
1と同様に、差動増幅回路122のトランジスタP2の
ベースに低い方のしきい値電圧VTLを与える。
【0073】差動増幅回路122、定電流回路123お
よびカレントミラー回路124は、図1に示すヒステリ
シスコンパレータ20の差動増幅回路22、定電流回路
23およびカレントミラー回路24とそれぞれ同等であ
る。本実施形態では、第2の定電流源である定電流回路
125からトランジスタP1のコレクタとトランジスタ
N1のコレクタとの接続点に第2の定電流I2を流し込
むように、第2の定電流源である定電流回路125の接
続方法を変更している。すなわち、ヒステリシス回路1
26は、定電流回路125からダイオード126aを介
して第2の定電流I2を供給する。定電流回路125と
ダイオード126aとの接続点は、スイッチSW1を介
して接地GNDに接続する状態に切換えることができ
る。
【0074】図10は、図9に示すヒステリシスコンパ
レータ120の等価的な回路構成を示す。トランジスタ
N3が、図9に示すダイオード126aに相当し、コレ
クタとベースとの間が接続されてダイオードとして動作
する。図9のスイッチSW1に対応するスイッチ回路1
27はトランジスタN4によって構成される。トランジ
スタN4のベースに抵抗R4を介して差動増幅回路12
2の出力を与え、また抵抗R3を介して出力回路128
に差動増幅回路122の出力を与える構成は、図8に示
すヒステリシスコンパレータ100と同様である。ま
た、カレントミラー回路130で、第1の定電流値I1
を流す定電流回路131を入力側のトランジスタP1に
流し、出力側のトランジスタP2,P5から第1の定電
流I1および第2の定電流I2を供給する考え方は、図
6や図8に示すカレントミラー回路90,110と同様
である。本実施形態のヒステリシスコンパレータ120
でも、第2の定電流値I2で差動増幅回路122のしき
い値電圧VTLが与えられるトランジスタP2のエミッ
タ・コレクタ間に流れる電流を減らしてヒステリシスを
付加する構成である。ヒステリシス幅VHSとしては、
図6に示す値が得られる。
【0075】図11は、本発明の実施の第10形態とし
てのヒステリシスコンパレータ140の概念的な構成を
示し、図12は等価的な回路構成を示す。本実施形態の
ヒステリシスコンパレータ140は、図9および図10
に示すヒステリシスコンパレータ120で、定電流回路
125から供給される第2の定電流I2の接続先を変更
し、ヒステリシス幅の微調整ができるようにしている。
しきい値電圧源141、差動増幅回路142、定電流回
路143、カレントミラー回路144および定電流回路
145は、図9および図10に示すヒステリシスコンパ
レータ120のしきい値電圧源121、差動増幅回路1
22、定電流回路123、カレントミラー回路124お
よび定電流回路125とそれぞれ同等である。ヒステリ
シス回路146は、図10に示すダイオード126aと
同等なダイオード146aの接続先を、カレントミラー
回路144のトランジスタN1,N2のエミッタ側に変
更している。カレントミラー回路144の一対のトラン
ジスタN1,N2のエミッタは、図9および図10に示
すように接地GNDに共通接続するのではなく、同一の
抵抗値R1を有する抵抗を挿入してから接地GNDに接
続する。第2の定電流値I2は、トランジスタN1のエ
ミッタと抵抗R1との接続点に供給される。
【0076】図9および図10に示すヒステリシスコン
パレータ120では、ヒステリシスを付けるための第2
の定電流源である定電流回路125で、ヒステリシス幅
の調整のために第2の電流値I2の調整が必要になる。
電流値の調整のためには、トランジスタのエミッタ面積
やエミッタに抵抗を挿入してカレントミラー比を変える
方法もあるけれども、第2の定電流I2は第1の定電流
I1を供給するカレントミラー回路130で、第2の定
電流値I2を供給する出力側のトランジスタP5のエミ
ッタ面積を、第1の定電流値I1を供給するトランジス
タP2のエミッタ面積のA倍にして調整している。本実
施の形態では、スイッチ回路147、出力回路148は
図10に示すスイッチ回路127および出力回路128
と同等にしているけれども、カレントミラー回路150
では第2の定電流値I2を出力するトランジスタP5の
エミッタ面積を、第1の定電流値I1を出力するトラン
ジスタP2のエミッタ面積と等しくして、第2の定電流
値としては実質的に第1の定電流値I1と等しい電流を
出力するようにしている。これによって、第2の定電流
源である定電流回路145の調整を不要にしている。第
2の定電流値I2を抵抗R1の一方に流すことによっ
て、カレントミラー回路145では、抵抗に発生する電
圧降下の差によってカレントミラー比が変わり、その結
果、差動増幅回路142に流れる電流に差が生じるた
め、ヒステリシスが発生するようになる。本実施形態で
は抵抗R1の電圧降下を利用するので、電流値を調整す
るよりも調整を容易に行うことができ、容易にヒステリ
シス幅を調整することができる。本実施形態のようなヒ
ステリシス幅の調整の考え方は、図3〜図8に示す各実
施形態にも同様に適用することができる。
【0077】図13は、本発明の実施の第11形態とし
てのヒステリシスコンパレータ160の概念的な構成を
示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ160
は、図4(a)に示すようなヒステリシスコンパレータ
40に対し、第2の定電流値I2を変化させる方法を変
更している構成を有する。しきい値電圧源161、差動
増幅回路162、定電流回路163、カレントミラー回
路164および定電流回路165は、図4(a)に示す
ヒステリシスコンパレータ40のしきい値電圧源41、
差動増幅回路42、定電流回路43、カレントミラー回
路44および定電流回路45とそれぞれ同等である。本
実施形態のヒステリシス回路166では、差動増幅回路
162でしきい値電圧源161からのしきい値VTHが
与えられる側のエミッタフォロアのトランジスタP2の
エミッタから第2の定電流I2をスイッチSW1をON
にすることによって取出す構成としている。差動増幅回
路162のエミッタフォロアとなるトランジスタP3,
P4のエミッタには、定電流源167,168がそれぞ
れ接続されており、この定電流回路167,168は、
図4(a)に示す定電流回路47,48と同等である。
【0078】ヒステリシス回路166のスイッチSW1
をONにすると、定電流回路168から供給される定電
流値IBのうちのI2の値はトランジスタP2のエミッ
タには流れ込まなくなり、トランジスタP4のエミッタ
・コレクター間にはIB−I2の電流が流れるようにな
る。これによってエミッタフォロアとなるトランジスタ
P4のベース・エミッタ間電圧VBE4が、トランジス
タP3のベース・エミッタ間電圧VBE3よりも小さく
なる。トランジスタP4のベースは、しきい値電圧源1
61によってしきい値VTHが与えられているので、差
動増幅回路162としてのしきい値が変化することにな
る。ヒステリシス幅VHSは、次の第9式のように与え
られる。
【0079】
【数8】
【0080】第9式から、I2をIBの半分とし、25
℃である場合には、最終的に第6式と同様にVHSとし
て18mVが得られる。
【0081】図14は、本発明の実施の第12形態とし
てのヒステリシスコンパレータ170の概念的な構成を
示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ170
は、図1に示すヒステリシスコンパレータ20の構成を
基本とし、ヒステリシス幅の微調整を可能にしている。
すなわち、しきい値電圧源171、差動増幅回路17
2、定電流回路173、カレントミラー回路174、定
電流回路175、ヒステリシス回路176は、図1に示
すヒステリシスコンパレータ20のしきい値電圧源2
1、差動増幅回路22、定電流回路23、カレントミラ
ー回路24、定電流回路25およびヒステリシス回路2
6とそれぞれ同等である。本実施形態のヒステリシスコ
ンパレータ170では、差動増幅回路172を構成する
一対のトランジスタP1,P2のエミッタを共通接続し
て定電流回路173に接続するのではなく、各エミッタ
と定電流回路173との間に同一の抵抗値を有する抵抗
R1をそれぞれ挿入している。本実施形態でヒステリシ
ス幅VHSは、次の第10式で与えられる。
【0082】
【数9】
【0083】本実施形態のヒステリシス幅VHSは、第
5式に示す図1のヒステリシスコンパレータ20に比
べ、R1×I2の積の分だけ大きくなっている。抵抗値
R1の調整は電流値I2の調整よりも容易であるので、
微妙なヒステリシス幅VHSを合わせ込む必要がある場
合に、エミッタ抵抗R1を挿入することで簡単に行うこ
とができる。通常差動増幅回路にエミッタ抵抗を挿入す
ると相互コンダクタンス(gm)が低下するため、コン
パレータにはあまり抵抗を用いることはないけれども、
微少な値であれば総合コンダクタンスの低下を小さくし
て、しかも微妙なヒステリシス幅の調整を行うことがで
きる。本実施形態の考え方は、図3〜図13に示す各実
施形態でも同様に適用することができる。
【0084】図15は、本発明の実施の第13形態とし
てのヒステリシスコンパレータ180の等価的な回路構
成を示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ18
0は、図6に示すヒステリシスコンパレータ80に対し
て、ヒステリシス幅の温度変動を小さくするように改良
を加えた構成を有する。本実施形態のヒステリシスコン
パレータ180のしきい値電圧源181、差動増幅回路
182、定電流回路183、カレントミラー回路18
4、定電流回路185、ヒステリシス回路186、スイ
ッチ回路187、出力回路188およびカレントミラー
回路190は、図6に示すヒステリシスコンパレータ8
0のしきい値電圧源81、差動増幅回路82、定電流回
路83、カレントミラー回路84、定電流回路85、ヒ
ステリシス回路86、スイッチ回路87、出力回路88
およびカレントミラー回路89,90とそれぞれ同等で
ある。ただし本実施形態のカレントミラー回路189で
は、トランジスタN3,N4のエミッタと接地GNDと
の間に、抵抗値R3,R4を有する抵抗をそれぞれ挿入
している。本実施形態でも、第5式に示すようなヒステ
リシス幅VHSが得られ、熱電圧VTの項があるために
ヒステリシス幅VHSには温度変動が現れる。そこで、
第2の定電流I2を差動増幅回路182から引出すカレ
ントミラー回路189に温度特性を持たせ、熱電圧VT
の影響を極力小さくし、ヒステリシス幅の温度変動を抑
えるために、抵抗R3,R4を挿入している。
【0085】ヒステリシス幅をVHSにするための電流
値I1,I2には、次の第11式に示すような関係があ
る。
【0086】
【数10】
【0087】第11式の両辺を温度で微分すると、次の
第12式が得られる。
【0088】
【数11】
【0089】第12式から、負の温度変動を持った定電
流源から第2の定電流値I2を供給するようにすれば、
ヒステリシス幅VHSの温度変動が抑えられることが判
る。たとえば、図15でカレントミラー回路189を構
成するトランジスタN4,N3のエミッタ面積の比を
B:Cとし、エミッタに挿入する抵抗値をR4,R3と
すれば、B>Cであれば、エミッタ面積比でトランジス
タN4のコレクタ・エミッタ間に流れる電流よりもトラ
ンジスタN3のコレクタ・エミッタ間に流れる電流I2
を小さくすることができる。さらに、R4×B>R3×
Cとすれば、負の温度変動を持つようになる。このよう
にしてヒステリシス幅VHSとその温度変動とを小さく
することができるように、エミッタ面積比と抵抗値とを
調整することができる。本実施形態の考え方は図3〜図
5や図7〜図14に示す各実施形態にも同様に適用する
ことができる。
【0090】図16は、本発明の実施の第14形態とし
てのヒステリシスコンパレータ200の等価的な回路構
成を示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ20
0は、図2に示すヒステリシスコンパレータ20に加え
て、外部からヒステリシスの有無を変更するための構成
を加えている。すなわち、ヒステリシスコンパレータ2
00で、しきい値電圧源201、差動増幅回路202、
定電流回路203、カレントミラー回路204、定電流
回路205、ヒステリシス回路206、スイッチ回路2
07、出力回路208およびカレントミラー回路209
は、図2に示すしきい値電圧源21、差動増幅回路2
2、定電流回路23、カレントミラー回路24、定電流
回路25、ヒステリシス回路26、スイッチ回路27、
出力回路28およびカレントミラー回路29とそれぞれ
同等である。本実施形態のヒステリシスコンパレータ2
00では、スイッチ回路207でカレントミラー回路2
09のON/OFFを切換えるトランジスタN5のコレ
クタ・エミッタ間に、トランジスタN9のコレクタ・エ
ミッタ間が並列に接続される。トランジスタN9のベー
スには、外部からヒステリシスの有無を変更するための
信号Swが抵抗R7,R8で分圧して与えられる。信号
Sw端子をハイレベルにすると、トランジスタN9がO
N状態となり、差動増幅回路202の出力電流に差を付
けるための定電流回路25をOFF状態にして、ヒステ
リシスコンパレータとしての動作を停止させることがで
きる。ヒステリシスコンパレータ200としての動作が
停止すると、ヒステリシスが無い状態のコンパレータと
して動作する。本実施形態での考え方は、図3〜図15
に示す各実施形態にも同様に適用することができる。
【0091】図17は、本発明の実施の第15形態とし
てのヒステリシスコンパレータ220の等価的な回路構
成を示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ22
0は、図10に示すヒステリシスコンパレータ120の
出力回路128を簡略化した構成を有している。図10
に示すヒステリシスコンパレータ120では、差動増幅
回路122からの出力をトランジスタN5で受けた後、
さらにトランジスタN6で増幅して抵抗R3,R4を介
し、出力回路128とスイッチ回路127とに分岐させ
ている。本実施形態のヒステリシスコンパレータ220
では、しきい値電圧源221、差動増幅回路222、定
電流回路223およびカレントミラー回路224は、図
10に示すヒステリシスコンパレータ120のしきい値
電圧源121、差動増幅回路122、定電流回路123
およびカレントミラー回路124とそれぞれ同等であ
る。
【0092】本実施形態の定電流回路225では、差動
増幅回路222のトランジスタP4のコレクタとカレン
トミラー回路224のトランジスタN2のコレクタとの
接続点からトランジスタN3のベースに接続される部分
に一定の定電流N2を流し込むように構成される。トラ
ンジスタN3は、ヒステリシス回路226としても機能
し、また出力回路228を差動増幅回路222の出力で
駆動する動作も行う。すなわち、出力回路228をダー
リントン構成にし、前段側のトランジスタNをソースフ
ォロアの回路として、トランジスタN5のベースを駆動
する電流を小さくし、トランジスタN3でコンパレータ
出力とヒステリシス用の電流切換えとを行う構成を簡略
化している。ダーリントン回路の前段のトランジスタN
5のエミッタには、リークカット抵抗R3を挿入し、後
段側のトランジスタN6のベースを駆動している。
【0093】なお、カレントミラー回路224のトラン
ジスタN2のコレクタとトランジスタN4のエミッタと
の間には、ダイオード236が挿入される。このダイオ
ード236は、ダーリントン構成の出力回路228がO
Nになっているときに、差動対に電流が流れないように
し、確実にダーリントン回路がONになるようにするた
めのものである。
【0094】図18は、本発明の実施の第16形態とし
てのヒステリシスコンパレータ240の等価的な電気的
構成を示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ2
40は、図17に示すヒステリシスコンパレータ220
の出力回路228の構成を変更し、図17に示すリーク
カット抵抗R3を不要にしている。本実施形態のヒステ
リシスコンパレータ240では、しきい値電圧源24
1、差動増幅回路242、定電流回路243およびカレ
ントミラー回路244の構成は、図17に示すヒステリ
シスコンパレータ220のしきい値電圧源221、差動
増幅回路222、定電流回路223およびカレントミラ
ー回路224とそれぞれ同等である。本実施形態の定電
流源245は、ヒステリシス回路246によってトラン
ジスタN3のベースとトランジスタN2のコレクタに流
し込む定電流値を切換える点は、図17に示す実施形態
の定電流回路225と同様である。しかしながら、スイ
ッチ回路247では、図17に示すダイオード接続され
るトランジスタN4ではなく、トランジスタP7,P8
から成るカレントミラー回路249が接続される。また
出力回路248でも、図17に示す出力回路228のよ
うなリークカット抵抗R3の代りに、カレントミラー回
路252の出力端のトランジスタN5のコレクタ・エミ
ッタ側が接続される。カレントミラー回路252の入力
端のトランジスタN4のコレクタ・エミッタ側には、カ
レントミラー回路249の入力端のトランジスタP8の
エミッタ・コレクタ側と同一の電流が流れる。図17の
実施形態のヒステリシスコンパレータ220では、出力
回路228をダーリントン構成にしているので、電源と
なるカレントミラー回路230のトランジスタP6から
供給される電流で集団のトランジスタN6のベースにト
ランジスタN6を充分に導通させることができる程度の
電流を流すことができるように、リークカット抵抗R3
の抵抗値を大きくしておく必要がある。また出力回路2
28がダーリントン構成であるので、回路としての最低
動作電圧が高くなってしまう問題が出てくる。
【0095】本実施形態では、リークカット抵抗を用い
ず、出力回路248のトランジスタN6,N7がOFF
状態のときには、カレントミラー回路249のトランジ
スタP8とカレントミラー回路252のトランジスタN
4およびN5がON状態となるので、トランジスタN5
のコレクタ・エミッタ間がリークカットの働きをするよ
うになる。また、出力回路249のトランジスタN6お
よびN7がON状態のときには、カレントミラー回路2
52のトランジスタN5がOFF状態となるので、リー
クカット抵抗を挿入した場合に比べ、不要な電流が流れ
なくなり、出力回路249の後段側のトランジスタN7
の電流駆動能力を高めることができる。なお、本実施形
態のヒステリシスコンパレータ240の最低動作電圧
は、図17に示すヒステリシスコンパレータ220と同
一となる。
【0096】図19は、本発明の実施の第17形態とし
てのヒステリシスコンパレータ260の等価的な回路構
成を示す。本実施形態のヒステリシスコンパレータ26
0は、図18に示すヒステリシスコンパレータ240の
構成を変更して、図15に示す実施形態と同様に第2の
定電流源に温度特性を持たせ、ヒステリシス幅自体の温
度特性を小さくしている。すなわち、本実施形態のヒス
テリシスコンパレータ260は、しきい値電圧源26
1、差動増幅回路262、定電流回路263、カレント
ミラー回路264、定電流回路265、ヒステリシス回
路266、スイッチ回路267、出力回路268、カレ
ントミラー回路269,270,272に関して、基本
的には図18に示すしきい値電圧源241、差動増幅回
路242、定電流回路243、カレントミラー回路24
4、定電流回路245、ヒステリシス回路246、スイ
ッチ回路247、出力回路248、カレントミラー回路
249,250,252とそれぞれ同等である。本実施
形態のカレントミラー回路269のトランジスタP7,
P8のエミッタ側には、抵抗R3,R4をそれぞれ挿入
する。またカレントミラー回路269を構成するトラン
ジスタP7,P8のエミッタ面積は、A:Bにして、図
15の実施形態と同様に温度特性を持たせる。これによ
って、図15の実施形態のヒステリシスコンパレータと
同様の効果が得られる。
【0097】以上説明した各実施形態では、差動増幅回
路やカレントミラー回路にバイポーラトランジスタを使
用しているけれども、接合形やMOS形の電界効果トラ
ンジスタ(FET)を使用することもできる。ただしバ
イポーラトランジスタでは、ベース・エミッタ間電圧V
BEの温度特性やコレクタ・エミッタ電流との関係が容
易に求められるので、精度の高いヒステリシス幅の調整
を行うことができる。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、小規模な
回路構成で小さなヒステリシス幅を有するヒステリシス
コンパレータを実現することができる。ヒステリシス
は、差動増幅回路を構成する一対のトランジスタの出力
側の電流を変化させることによって、トランジスタの入
出力特性に基づいて付加されるので、大半の差動入力回
路形式に対してもヒステリシスを付けることが可能であ
る。
【0099】また本発明によれば、差動増幅回路には、
第1の定電流I1を供給し、ヒステリシスを第2の定電
流I2に基づいて得ることができるので、小さな電圧の
ヒステリシス幅を、精度よくかつ確実に得ることができ
る。
【0100】また本発明によれば、差動増幅回路のバイ
アス電流となる第1の定電流源と、ヒステリシス幅を決
定する第2の定電流源とを、共通化して、ヒステリシス
幅の精度向上と電流源の簡素化を可能にすることができ
る。
【0101】また本発明によれば、負荷用カレントミラ
ー回路の出力側は差動増幅回路の一対のトランジスタの
うち基準電圧VREFが与えられるトランジスタの出力
側に接続され、入力電圧Vinが与えられるトランジス
タの出力側には接続されないので、入力電圧Vinの動
作可能な範囲がカレントミラー回路の存在によって制限
されず、入力電圧Vinの範囲を広げることができる。
【0102】また本発明によれば、差動増幅回路の一対
のトランジスタの出力側には、負荷用カレントミラー回
路の入力側と出力側とがそれぞれ接続されるので、第2
の定電流I2による一対のトランジスタの出力側の電流
の変化を、トランジスタの入出力特性に基づく基準電圧
VREFの変化に確実に対応させることができる。
【0103】また本発明によれば、負荷用カレントミラ
ー回路の基準電極側に挿入する抵抗値を調整することに
よって、ヒステリシス幅の調整を容易に行うことができ
る。
【0104】また本発明によれば、差動増幅回路の利得
を高くしたり、入力インピーダンスを高めたりすること
ができる。
【0105】また本発明によれば、差動増幅回路に第1
の定電流源から抵抗を介して電流を供給し、抵抗値の調
整によってヒステリシス幅を微調整することができる。
【0106】また本発明によれば、簡単な回路構成でヒ
ステリシス幅の温度変動を小さく抑えることができる。
【0107】また本発明によれば、外部からの信号でヒ
ステリシスの有無の設定を行うことができる。
【0108】また本発明によれば、差動増幅回路の出力
とヒステリシス幅の変更とに要する回路規模を簡略化す
ることができる。
【0109】また本発明によれば、出力の電流能力を強
化したり、ダーリントン回路に大きなリークカット抵抗
を不要にすることができる。
【0110】また本発明によれば、ヒステリシスの温度
変動を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態としてのヒステリシス
コンパレータ20の概念的な構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のヒステリシスコンパレータ20の等価的
な電気回路図である。
【図3】本発明の実施の第2形態としてのヒステリシス
コンパレータ30の概念的な構成を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の実施の第3形態および第4形態のヒス
テリシスコンパレータ40,50の概念的な構成を示す
ブロック図である。
【図5】本発明の実施の第5形態および第6形態のヒス
テリシスコンパレータ60,70の概念的な構成を示す
ブロック図である。
【図6】本発明の実施の第7形態としてのヒステリシス
コンパレータ80の概念的な構成を示すブロック図であ
る。
【図7】本発明の実施の第8形態としてのヒステリシス
コンパレータ100の概念的な構成を示すブロック図で
ある。
【図8】図7に示すヒステリシスコンパレータ100の
等価回路図である。
【図9】本発明の実施の第9形態としてのヒステリシス
コンパレータ120の概念的な構成を示すブロック図で
ある。
【図10】図9に示すヒステリシスコンパレータ120
の等価回路図である。
【図11】本発明の実施の第10形態としてのヒステリ
シスコンパレータ140の概念的な構成を示すブロック
図である。
【図12】図11に示すヒステリシスコンパレータ14
0の等価回路図である。
【図13】本発明の実施の第11形態としてのヒステリ
シスコンパレータ160の概念的な構成を示すブロック
図である。
【図14】本発明の実施の第12形態としてのヒステリ
シスコンパレータ170の概念的な構成を示すブロック
図である。
【図15】本発明の実施の第13形態としてのヒステリ
シスコンパレータ180の等価回路図である。
【図16】本発明の実施の第14形態としてのヒステリ
シスコンパレータ200の等価回路図である。
【図17】本発明の実施の第15形態としてのヒステリ
シスコンパレータ220の等価回路図である。
【図18】本発明の実施の第16形態としてのヒステリ
シスコンパレータ240の等価回路図である。
【図19】本発明の実施の第17形態としてのヒステリ
シスコンパレータ260の等価回路図である。
【図20】従来からの減電圧リセット回路の例を示すブ
ロック図である。
【図21】図20の減電圧リセット回路などに使用する
従来からのヒステリシスコンパレータ1の等価回路図で
ある。
【図22】図21のヒステリシスコンパレータ1の入出
力特性を示すグラフである。
【図23】従来からのヒステリシスコンパレータとして
の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
20,30,40,50,60,70,80,100,
120,140,160,170,180,200,2
20,240,260 ヒステリシスコンパレータ 22,32,42,52,62,72,82,102,
122,142,162,172,182,202,2
22,242,262 差動増幅回路 23,25,33,35,43,45,47,48,5
3,55,63,65,73,75,83,85,10
3,105,123,125,143,145,16
3,165,168,170,173,175,18
3,185,203,205,223,225,24
3,245,263,265 定電流回路 24,29,34,44,54,64,74,84,8
9,90,104,110,124,130,144,
150,164,184,189,190,204,2
09,224,244,249,252,264,26
9,270,272 カレントミラー回路 26,36,46,56,66,76,86,106,
126,146,166,176,186,206,2
26,246,266 ヒステリシス回路

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のトランジスタを含み、一方のトラ
    ンジスタに入力電圧Vinが与えられ、他方のトランジ
    スタに基準電圧VREFが与えられる差動増幅回路を備
    え、入力電圧Vinと基準電圧VREFとの比較結果の
    論理出力を導出し、該論理出力に対応するように基準電
    圧VREFの切換えを行うヒステリシスコンパレータに
    おいて、 該基準電圧VREFの切換えのために、該差動増幅回路
    の一対のトランジスタに流す電流に差を付ける電流差付
    加回路を含むことを特徴とするヒステリシスコンパレー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記差動増幅回路の一対のトランジスタ
    に、和が一定の第1の定電流I1となるように電流を供
    給する第1の定電流源と、 前記電流差付加回路に備えられ、該一対のトランジスタ
    の一方の出力側に接続され、第2の定電流I2で該出力
    側に流す電流を変化させる第2の定電流源とを含むこと
    を特徴とする請求項1記載のヒステリシスコンパレー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記第1の定電流源および前記第2の定
    電流源として、共通な入力端と、前記第1の定電流I1
    を導出する第1の出力端と、前記第2の定電流I2を導
    出する第2の出力端とを有する電源用カレントミラー回
    路をさらに含むことを特徴とする請求項2記載のヒステ
    リシスコンパレータ。
  4. 【請求項4】 前記差動増幅回路の一対のトランジスタ
    のうちで前記基準電圧VREFが与えられるトランジス
    タの出力側に出力端が接続され、入力端に前記第2の定
    電流源からの電流が流れる負荷用カレントミラー回路を
    さらに含むことを特徴とする請求項2または3記載のヒ
    ステリシスコンパレータ。
  5. 【請求項5】 前記差動増幅回路の一対のトランジスタ
    の出力側に入力端と出力端とがそれぞれ接続され、該入
    力端と該出力端とには同一の電流が流れる負荷用カレン
    トミラー回路をさらに含むことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のヒステリシスコンパレータ。
  6. 【請求項6】 前記負荷用カレントミラー回路は、一対
    のトランジスタから成り、各トランジスタは入力電極、
    出力電極および基準電極を有し、両方のトランジスタの
    入力電極が共通接続され、各トランジスタの出力電極が
    前記差動増幅回路の一対のトランジスタの出力側にそれ
    ぞれ接続され、入力端となるトランジスタの出力電極が
    共通接続された入力電極に接続され、 該負荷用カレントミラー回路の一対のトランジスタの基
    準電極にそれぞれ接続され、同一の抵抗値を有する一対
    の抵抗をさらに含み、 前記電流差付加回路は、前記第2の定電流源を、該負荷
    用カレントミラー回路の一対のトランジスタのうちの1
    つの基準電極と該抵抗との接続点に接続することを特徴
    とする請求項5記載のヒステリシスコンパレータ。
  7. 【請求項7】 前記差動増幅回路の一対のトランジスタ
    は、前記入力側に前置増幅用のトランジスタをそれぞれ
    備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載のヒステリシスコンパレータ。
  8. 【請求項8】 前記差動増幅回路の一対のトランジスタ
    には、前記第1の定電流源から同一の抵抗値を有する一
    対の抵抗を介して電流を流すことを特徴とする請求項2
    〜7のいずれかに記載のヒステリシスコンパレータ。
  9. 【請求項9】 前記第2の定電流源は、前記基準電圧V
    REFの切換え時の温度変動が小さくなるように、予め
    温度特性が与えられることを特徴とする請求項2〜8の
    いずれかに記載のヒステリシスコンパレータ。
  10. 【請求項10】 前記電流差付加回路は、前記差動増幅
    回路の一対のトランジスタに流す電流に差を付けるか否
    かを、外部から設定可能であることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれかに記載のヒステリシスコンパレータ。
  11. 【請求項11】 前記差動増幅回路の出力側に前段側の
    入力が接続され、該前段側の出力によって、外部に出力
    を導出する後段側が駆動されるダーリントン回路をさら
    に含み、 前記電流差付加回路は、該ダーリントン回路の前段側の
    出力によって、前記差動増幅回路の一対のトランジスタ
    に流す電流に差を付けるための切換えを行うことを特徴
    とする請求項1〜10のいずれかに記載のヒステリシス
    コンパレータ。
  12. 【請求項12】 前記ダーリントン回路の前段側の出力
    で後段側を駆動するための負荷として、出力端が接続さ
    れる駆動用カレントミラー回路と、 該駆動用カレントミラー回路の入力端に入力端が接続さ
    れで該ダーリントン回路の前段側とともに前記第2の定
    電流源から電流が供給され、出力端が前記差動増幅回路
    の一対のトランジスタのうちの1つの出力側に接続され
    る電流差発生用カレントミラーとをさらに含むことを特
    徴とする請求項11記載のヒステリシスコンパレータ。
  13. 【請求項13】 前記電流差発生用カレントミラー回路
    は、前記基準電圧VREFの切換え時の温度変動が小さ
    くなるように、予め温度特性が与えられることを特徴と
    する請求項12記載のヒステリシスコンパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014049889A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Lapis Semiconductor Co Ltd 電圧比較回路
WO2022070569A1 (ja) * 2020-10-01 2022-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 検出回路及び給電制御装置
CN117579043A (zh) * 2023-11-28 2024-02-20 北京伽略电子股份有限公司 一种带迟滞功能的电压比较器

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