JP5857931B2 - 差動増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、差動対を備える差動増幅器に関する。
差動対を備える差動増幅器に関する先行技術文献として、例えば特許文献1が知られている。図1は、特許文献1に開示された演算増幅器10の回路図である。演算増幅器10は、トランジスタQ1〜Q6と、電流源I1〜I3と、抵抗R1,R2とを備える構成に、トランジスタQA1,QA2を追加した回路である。演算増幅器10は、非反転入力端子IN+に入力される電圧が低電位から高電位に又は高電位から低電位に遷移する過渡状態のとき、トランジスタQA1又はQA2が一時的にオンすることで、その入力電圧の変化に対する応答速度を高速化させるものである。
特開2007−215127号公報
ところが、そのような過渡状態が開始する直後や終了する直前では、トランジスタQA1又はQA2のベース−エミッタ間の電圧は低く、トランジスタQA1又はQA2はオフ状態になっているため、応答速度を高速化できない。
図2は、図1の演算増幅器10の反転入力端子IN−と出力端子OUTとを直結した構成において、パルス状の入力電圧VIN+が非反転入力端子IN+に入力されたときの応答波形である。
入力電圧VIN+が低電位VLから高電位VHへ上昇する過渡状態の開始時点t1では、トランジスタQA1のエミッタ電圧は、(VIN+)+VBE(Q1)=VL+0.7であり、トランジスタQA1のベース電圧は、(VIN−)+VBE(Q2)+VBE(Q4)=VL+1.4である。ただし、VBE(Q*)は、トランジスタQ*のベース−エミッタ間の電圧を表し、便宜上、0.7Vと仮定する。したがって、トランジスタはそのトランジスタのベース−エミッタ間の電圧が0.7V以上確保されたときにオンすると便宜上仮定すると、過渡状態の開始時点t1の直後では、トランジスタQA1のエミッタ電圧はベース電圧よりも0.7V低いため、トランジスタQA1はオフしている。
トランジスタQA1がオンするためには、トランジスタQA1のエミッタ電圧がベース電圧よりも0.7V以上高くなる必要があるため、トランジスタQA1のエミッタ電圧は、過渡状態の開始時点t1よりも1.4V以上高くなる必要がある。つまり、非反転入力端子IN+の電圧が反転入力端子IN−の電圧よりも1.4V以上高いことが、トランジスタQA1がオンする条件(すなわち、応答性を上げる条件)である。このように、過渡状態の開始時点t1から、過渡状態において非反転入力端子IN+と反転入力端子IN−との電位差が1.4V以上確保され始める時点t2まで、トランジスタQA1はオンしないため、応答性を上げることができない。
同様の理由により、入力電圧VIN+が上昇するときの過渡状態の終了直前の期間(t3からt4まで)、入力電圧VIN+が低下するときの過渡状態の開始直後の期間(t6からt7まで)、入力電圧VIN+が低下するときの過渡状態の終了直前の期間(t7aからt8まで)でも、応答性を上げることができない。
本発明は、過渡状態の開始直後や終了直前において、入力に対する出力の応答性を上げることができる、差動増幅器の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
第1の入力ノードに接続される制御電極を有する第1のトランジスタと、第2の入力ノードに接続される制御電極を有する第2のトランジスタとを含んで構成される差動対を有する差動段と、
前記第1のトランジスタの一方の主電極と前記第2のトランジスタの一方の主電極に接続される定電流源と、
前記第1のトランジスタの他方の主電極と前記第2のトランジスタの他方の主電極の少なくとも一方の側に設けられる出力ノードとを備える差動増幅器であって、
前記第1の入力ノードに接続される制御電極と、前記定電流源に接続される一方の主電極と、第1の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第3のトランジスタと、
前記第2の入力ノードに接続される制御電極と、前記定電流源に接続される一方の主電極と、第2の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第4のトランジスタとを備え
前記第3のトランジスタがオフのときに前記差動段に流れる電流値は、前記定電流源に流れる定電流値から、前記第2の電流供給部によって前記第4のトランジスタに流れる電流値を引いた電流値に等しく、
前記第4のトランジスタがオフのときに前記差動段に流れる電流値は、前記定電流源に流れる定電流値から、前記第1の電流供給部によって前記第3のトランジスタに流れる電流値を引いた電流値に等しい、差動増幅器を提供するものである。
本発明によれば、過渡状態の開始直後や終了直前において、入力に対する出力の応答性を上げることができる。
従来の演算増幅器の回路図 従来の演算増幅器の応答波形 一実施形態に係る差動増幅器の回路図 一実施形態に係る差動増幅器の回路図 差動増幅器を演算増幅器に使用したときの回路図 差動増幅器を演算増幅器に使用したときの電流波形 演算増幅器の入力に対する出力の応答波形 一実施形態に係る差動増幅器の回路図 一実施形態に係る差動増幅器の回路図 一実施形態に係る差動増幅器の回路図 差動増幅器をユニティバッファに使用したときの回路図 差動増幅器をユニティバッファに使用したときの回路図 差動増幅器をユニティバッファに使用したときの回路図
図3は、第1の実施形態に係る差動増幅器100の構成を示した回路図である。差動増幅器100は、集積回路によって構成されてもよいし、ディスクリート部品によって構成されてもよい。
差動増幅器100は、第1の入力ノードに接続される制御電極を有する第1のトランジスタと、第2の入力ノードに接続される制御電極を有する第2のトランジスタとを含んで構成される差動対を有する差動段を備えている。図3には、そのような差動対を有する差動段として、入力段21を有する差動段20が例示され、第1の入力ノードとして、ノードN1が例示され、第1のトランジスタとして、トランジスタTr1が例示され、第2の入力ノードとして、ノードN2が例示され、第2のトランジスタとして、トランジスタTr2が例示されている。
入力段21は、一対のトランジスタTr1とトランジスタTr2とによって差動入力対を構成する差動入力回路である。トランジスタTr1は、ノードN1に接続される制御電極であるベース(B)と、後述の定電流源C1に接続される一方の主電極であるエミッタ(E)と、後述のカレントミラー回路22に接続される他方の主電極であるコレクタ(C)とを備えた、NPN型のバイポーラ素子である。同様に、トランジスタTr2は、ノードN2に接続される制御電極であるベース(B)と、後述の定電流源C1に接続される一方の主電極であるエミッタ(E)と、後述のカレントミラー回路22に接続される他方の主電極であるコレクタ(C)とを備えた、NPN型のバイポーラ素子である。
差動増幅器100が例えば演算増幅回路(オペアンプ)に使用される場合、ノードN1は、演算増幅器の非反転入力端子に相当し、ノードN2は、演算増幅器の反転入力端子に相当する。
また、差動段20は、入力段21の他に、カレントミラー回路22を備えた回路である。カレントミラー回路22は、入力段21の上流側に接続される回路であり、入力段21と高電位電源部VDDとの間に挿入されている。カレントミラー回路22は、PNP型のバイポーラ素子であるトランジスタTr3,Tr4を備えている。
差動増幅器100は、第1のトランジスタの一方の主電極と第2のトランジスタの一方の主電極に接続される定電流源を備えている。図3には、そのような定電流源として、定電流源C1が例示されている。
定電流源C1は、差動段20の入力段21の下流側に接続される定電流回路であって、入力段21とグランド等の低電位電源部VSSとの間に挿入される回路である。定電流源C1は、トランジスタTr1,Tr2,Tr5,Tr6の各エミッタに共通に接続されている(トランジスタTr5,Tr6については後述する)。定電流源C1には、差動増幅器100の差動段20が安定状態を確保できる電流値I1以上の一定の電流値(I1+I2+I3)が流れる。差動段20が安定状態のときには、ノードN1とN2は同電位であり、トランジスタTr1,Tr2は共にオン状態が継続している。
差動増幅器100は、第1のトランジスタの他方の主電極と第2のトランジスタの他方の主電極の少なくとも一方の側に設けられる出力ノードを備えている。図3には、そのような出力ノードとして、ノードN4が例示されている。ただし、ノードN3を出力ノードとしてもよいし、差動増幅器100の出力を図示のようなシングルエンド出力ではなく差動出力に設定する場合には、ノードN3とノードN4の両方を出力ノードとしてもよい。ノードN3は、トランジスタTr3のコレクタとトランジスタTr1のコレクタとの接続点であり、ノードN4は、トランジスタTr4のコレクタとトランジスタTr2のコレクタとの接続点である。
差動増幅器100は、第1の入力ノードに接続される制御電極と、定電流源に接続される一方の主電極と、第1の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第3のトランジスタを備えている。図3には、第3のトランジスタとして、トランジスタTr5が例示され、第1の電流供給部として、定電流源C2が例示されている。
トランジスタTr5は、ノードN1に接続される制御電極であるベース(B)と、定電流源C1に接続される一方の主電極であるエミッタ(E)と、定電流源C2に接続される他方の主電極であるコレクタ(C)とを備えた、NPN型のバイポーラ素子である。定電流源C2は、トランジスタTr5の上流側に接続される定電流回路であって、トランジスタTr5のコレクタと高電位電源部VDDとの間に挿入される回路である。定電流源C2は、トランジスタTr5のコレクタに一定のバイアス電流I2を流す。
差動増幅器100は、第2の入力ノードに接続される制御電極と、定電流源に接続される一方の主電極と、第2の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第4のトランジスタを備えている。図3には、第4のトランジスタとして、トランジスタTr6が例示され、第2の電流供給部として、定電流源C3が例示されている。
トランジスタTr6は、ノードN2に接続される制御電極であるベース(B)と、定電流源C1に接続される一方の主電極であるエミッタ(E)と、定電流源C3に接続される他方の主電極であるコレクタ(C)とを備えた、NPN型のバイポーラ素子である。定電流源C3は、トランジスタTr6の上流側に接続される定電流回路であって、トランジスタTr6のコレクタと高電位電源部VDDとの間に挿入される回路である。定電流源C3は、トランジスタTr6のコレクタに一定のバイアス電流I3を流す。
第3及び第4のトランジスタは、第1及び第2のトランジスタと並列接続される同じ導電型のトランジスタである。図3の構成の場合、トランジスタTr5,Tr6は、トランジスタTr1,Tr2と同じ導電型のNPN型のトランジスタである。また、第3及び第4のトランジスタは、第1及び第2のトランジスタと特性相似でなくてもよい。
図3の構成によれば、差動増幅器100の安定状態では、トランジスタTr5,Tr6にベース電流が流れると、トランジスタTr5,Tr6を両方ともオンさせることができる。一方、差動増幅器100の過渡状態では、ノードN1とN2との間の電位差が大きくなるので、トランジスタTr5,Tr6のどちらか一方をオフさせることができる。このように、差動増幅器100の安定状態と過渡状態のいずれかの状態を、入力段21と共に差動増幅器100の入力部に構成されたトランジスタTr5,Tr6によって判定(検知)できる。
つまり、ノードN1がトランジスタTr1,Tr5のベースに共通接続され、ノードN2がトランジスタTr2,Tr6のベースに共通接続されているため、トランジスタTr1,Tr5(又は、トランジスタTr2,Tr6)は同時にオン状態になる。よって、ノードN4を流れる電流量及び電流方向の決定動作(トランジスタTr1又はTr2のオン動作)の開始と同時に、ノードN4を流れる電流量の増幅動作(トランジスタTr5又はTr6のオン動作)が開始する。
このように、トランジスタTr5,Tr6の動作が差動段20に流れる電流を直接変化させることができるため、安定状態から過渡状態への遷移又は過渡状態から安定状態への遷移を速やかに判定できる。その結果、差動増幅器100の過渡状態の開始直後や終了直前でも、差動増幅器100の入力に対する出力の応答性を上げる(すなわち、ノードN1又はN2における入力電圧又は入力電流の変化に対するノードN4における出力電圧又は出力電流の応答速度を上げる)ことができる。また、応答性を向上させるために追加される素子がトランジスタTr5,Tr6等の回路素子に抑えることができるため、差動増幅器100の回路規模やコストの増大を抑えたまま、応答性を向上できる。
例えば、何らかの原因でノードN1の電圧が上昇又はノードN2の電圧が低下することにより、ノードN1,N2が同電位の安定状態から異なる電位の過渡状態に遷移する場合、トランジスタTr2,Tr6それぞれのベース−エミッタ間の電圧は下がるため、トランジスタTr2,Tr6は共にオフする。この場合、定電流源C3の電流I3は、トランジスタTr6のオフにより遮断され、定電流源C1に流れない。これにより、ノードN1の電圧が上昇している過渡状態又はノードN2の電圧が低下している過渡状態を速やかに判定でき、差動段20を速やかに制御できる。
つまり、ノードN2にベースが接続される入力部であるトランジスタTr6が直接差動段20を制御するため、過渡状態の開始直後及び終了直前の応答性を高速化できる。また、トランジスタTr6がオフのときに差動段20に流れる電流の電流値は、定電流源C1に流れる電流の定電流値(I1+I2+I3)から、定電流源C2によってトランジスタTr5のコレクタ−エミッタ間に流れる電流の電流値I2を引いた電流値(I1+I3)に等しい。すなわち、過渡状態で差動段20に流れる電流は、トランジスタTr6のオフによって、安定状態で差動段20に流れる電流の電流値I1よりも大きい電流値(I1+I3)に増大するため、過渡状態での差動段20の動作を高速化できる。
逆に、何らかの原因でノードN1の電圧が低下又はノードN2の電圧が上昇することにより、ノードN1,N2が同電位の安定状態から異なる電位の過渡状態に遷移する場合、トランジスタTr1,Tr5それぞれのベース−エミッタ間の電圧は下がるため、トランジスタTr1,Tr5は共にオフする。この場合、定電流源C2の電流I2は、トランジスタTr5のオフにより遮断され、定電流源C1に流れない。これにより、ノードN1の電圧が低下している過渡状態又はノードN2の電圧が上昇している過渡状態を速やかに判定でき、差動段20を速やかに制御できる。
つまり、ノードN1にベースが接続される入力部であるトランジスタTr5が直接差動段20を制御するため、過渡状態の開始直後及び終了直前の応答性を高速化できる。また、トランジスタTr5がオフのときに差動段20に流れる電流の電流値は、定電流源C1に流れる電流の定電流値(I1+I2+I3)から、定電流源C3によってトランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間に流れる電流の電流値I3を引いた電流値(I1+I2)に等しい。すなわち、過渡状態で差動段20に流れる電流は、トランジスタTr5のオフによって、安定状態で差動段20に流れる電流の電流値I1よりも大きい電流値(I1+I2)に増大するため、過渡状態での差動段20の動作を高速化できる。
図4は、第2の実施形態に係る差動増幅器200の構成を示した回路図である。差動増幅器200は、図3の差動増幅器100の構成を反転させた回路であるので、その詳細説明は省略又は簡略する。
差動増幅器200は、第1の入力ノードに接続される制御電極を有する第1のトランジスタと、第2の入力ノードに接続される制御電極を有する第2のトランジスタとを含んで構成される差動対を有する差動段を備えている。図4には、そのような差動対を有する差動段として、入力段26を有する差動段25が例示され、第1の入力ノードとして、ノードN11が例示され、第1のトランジスタとして、PNP型のバイポーラ素子であるトランジスタTr11が例示され、第2の入力ノードとして、ノードN12が例示され、PNP型のバイポーラ素子である第2のトランジスタとして、トランジスタTr12が例示されている。
差動増幅器200は、第1のトランジスタの一方の主電極と第2のトランジスタの一方の主電極に接続される定電流源を備えている。図4には、そのような定電流源として、定電流源C11が例示されている。
差動増幅器200は、第1のトランジスタの他方の主電極と第2のトランジスタの他方の主電極の少なくとも一方の側に設けられる出力ノードを備えている。図4には、そのような出力ノードとして、ノードN13が例示されている。
差動増幅器200は、第1の入力ノードに接続される制御電極と、定電流源に接続される一方の主電極と、第1の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第3のトランジスタを備えている。図4には、第3のトランジスタとして、PNP型のバイポーラ素子であるトランジスタTr15が例示され、第1の電流供給部として、定電流源C12が例示されている。
差動増幅器200は、第2の入力ノードに接続される制御電極と、定電流源に接続される一方の主電極と、第2の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第4のトランジスタを備えている。図4には、第4のトランジスタとして、PNP型のバイポーラ素子であるトランジスタTr16が例示され、第2の電流供給部として、定電流源C13が例示されている。
図4の差動増幅器200の動作は、図3の差動増幅器100と同様であるため、その説明を省略する。このように、図3の差動増幅器100又は図4の差動増幅器200によれば、差動増幅器100又は200の過渡状態の開始直後や終了直前でも、差動増幅器100又は200の入力に対する出力の応答性を上げる(すなわち、入力の変化に対する出力の応答速度を上げる)ことができる。
図5は、差動増幅器を演算増幅器11に使用した例を示している。差動増幅器100又は200を演算増幅器11に使用する場合、図1と同様に、Gm増幅器1と、位相補償用コンデンサCcと、バッファ回路2とが、差動増幅器100のノードN4又は差動増幅器200のノードN13と演算増幅器11の出力端子OUTとの間に挿入されて接続される。このように構成される演算増幅器11を、図5に示すように、反転入力端子IN−と出力端子OUTとを直結してボルテージホロワを構成し、非反転入力端子IN+に、低電位VLと高電位HLを有するパルス状の入力電圧VIN+が入力されるように接続した。
図6は、演算増幅器11を図5のボルテージホロワで動作させたときの差動増幅器の出力電流の変化を示した図である。図6において、実線は、図4の差動増幅器200のトランジスタTr13のコレクタ電流を示し、破線は、図1の従来回路のトランジスタQ5のコレクタ電流IC5を示す。図7は、演算増幅器11を図5のボルテージホロワで動作させたときの応答波形を示した図である。図7において、一点鎖線は、入力電圧VIN+を表し、実線は、演算増幅器11に図4の差動増幅器200を使用した場合の出力端子OUTにおける出力電圧Voutを表し、破線は、演算増幅器11に図1の従来回路を使用した場合の出力端子OUTにおける出力電圧Voutを表す。
図6,7に示されるように、従来技術の場合(破線)、高速動作を開始させるためには(図1のトランジスタQA1又はQA2をオンさせるためには)、過渡状態の開始時点t1(又はt6)から時点t2(又はt7)まで待つ必要がある。これに対し、図3,図4の本実施形態の差動増幅器の場合(実線)、過渡状態が開始すると、時点t2(又はt7)まで待たずに、高速動作を開始させることができる(トランジスタTr5,Tr6(Tr15,Tr16)をオフさせることができる)。
また、従来技術では、入力電圧VIN+とVIN−との間に電圧差が1.4V以上なければ、高速動作を開始することができない。これに対し、本実施形態の場合、入力電圧VIN+とVIN−との間に電圧差が少しでもあれば、高速動作を開始できる。よって、本実施形態によれば、過渡状態の終了直前を含む過渡状態の全期間で高速動作が可能となる。すなわち、図6の電流の上昇速度及び図7の電圧の上昇速度を、過渡状態の全期間で、従来技術に比べて高速化できる。言い換えれば、過渡状態の期間を短縮できる。
図8は、図3の差動増幅器100の第1の変形例を示した差動増幅器101の構成を示した回路図である。差動増幅器101は、差動増幅器100に対して、抵抗R11,R15,R12,R16を追加した回路である。
ノードN1は、抵抗R11を介して、トランジスタTr1のベースに接続され、抵抗R15を介して、トランジスタTr5のベースに接続される。ノードN2は、抵抗R12を介して、トランジスタTr2のベースに接続され、抵抗R16を介して、トランジスタTr6のベースに接続される。
これらの抵抗が構成されていない図3の差動増幅器100のトランジスタTr5又はTr6は、過渡状態のとき、ベース電流の上昇によって、コレクタ−エミッタ間の電圧が低下し、ベースが過度に低インピーダンス化する場合がある。また、トランジスタTr5又はTr6のコレクタ−エミッタ間の電圧低下によって、トランジスタTr5又はTr6のコレクタ−エミッタ間に流れる電流が増加し、過渡状態で差動段20に流れる電流が過度に低下する場合がある。
これに対し、図8のように抵抗R11,R12,R15,R16を追加することによって、ベース電流が上昇しても、トランジスタTr5又はTr6のベース−エミッタ間の電圧を下げることができるため、コレクタ−エミッタ間の電圧を上昇させ、ベースが過度に低インピーダンス化することを防止できる。また、コレクタ−エミッタ間の電圧を上昇させることができるので、コレクタ−エミッタ間に流れる電流が減少し、過渡状態で差動段20に流れる電流が過度に低下することを防止できる。
図9は、図3の差動増幅器100の第2の変形例を示した差動増幅器102の構成を示した回路図である。図8では、ベースに抵抗を追加したが、図9に示されるように、定電流源C1と各トランジスタのエミッタとの間に配置してもよい。
抵抗R21,R22,R25,R26を追加することによって、トランジスタTr5又はTr6のコレクタ−エミッタ間の電圧を減少させてコレクタ−エミッタ間に流れる電流を減少させることができるので、過渡状態で差動段20に流れる電流が過度に低下することを防止できる。
図10は、図3の差動増幅器100の第3の変形例を示した差動増幅器103の構成を示した回路図である。図3では、各トランジスタはバイポーラ素子で構成したが、MOSで構成してもよい。つまり、NPN型のバイポーラトランジスタは、Nチャネル型のMOSFETに置き換えてもよいし、PNP型のバイポーラトランジスタは、Pチャネル型のMOSFETに置き換えてもよい。
図11は、図8の差動増幅器101を構成に含んだ電子回路の一例であるユニティゲインバッファ(1倍アンプ)12の構成を示した回路図である。ユニティゲインバッファ12は、差動増幅器101の他に、動作安定化のための位相補償コンデンサC1と、出力電流能力アップのための出力段30とを備えている。出力段30には、ノードN4に接続されるベースを有するトランジスタTr7が構成されている。ユニティゲインバッファ12は、基準電圧生成回路等の任意の回路40から出力される電圧Vrefと同じ電圧を生成してノードN2から出力する回路である。
安定時には、差動段20の各トランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4のエミッタ電流は、直流増幅率hFEが極めて高いとすれば、0.5×I1に近似できる。位相補償コンデンサC1の容量値と差動段20に流れる電流I1を、ユニティゲインバッファ12がこの安定状態で安定的に動作できるように設定する。
例えば、何らかの原因でノードN1の電圧が上昇又はノードN2の電圧が低下することにより、ノードN1,N2が同電位の安定状態から異なる電位の過渡状態に遷移する場合、トランジスタTr2,Tr6それぞれのベース−エミッタ間の電圧は下がるため、トランジスタTr2,Tr6は共にオフする。この場合、定電流源C3の電流I3は、トランジスタTr6のオフにより遮断され、定電流源C1に流れない。
しかしながら、定電流源C1は一定の電流値(I1+I2+I3)で電流を流し続け、トランジスタTr5から定電流源C1に流れる電流値I2には変化はないため、トランジスタTr1のコレクタ−エミッタ間には、(I1+I3)の電流が流れる。その結果、カレントミラー回路22のトランジスタTr3,Tr4を介して、差動段20のノードN4から出力段30のトランジスタTr7のベースに向けて、(I1+I3)の電流が流れ出る。
(I1+I3)のベース電流で、出力段30のトランジスタTr7が駆動されるため、過渡状態において、トランジスタTr7のエミッタから供給される出力電流Ie7を増やすことができる。このように、差動段20の過渡状態の出力電流が安定状態の電流値I1よりも増えるため、ユニティゲインバッファ12を高速に動作できる。
逆に、何らかの原因でノードN1の電圧が低下又はノードN2の電圧が上昇することにより、ノードN1,N2が同電位の安定状態から異なる電位の過渡状態に遷移する場合、トランジスタTr1,Tr5それぞれのベース−エミッタ間の電圧は下がるため、トランジスタTr1,Tr5は共にオフする。この場合、定電流源C2の電流I2は、トランジスタTr5のオフにより遮断され、定電流源C1に流れない。
しかしながら、定電流源C1は一定の電流値(I1+I2+I3)で電流を流し続け、トランジスタTr6から定電流源C1に流れる電流値I3には変化はないため、トランジスタTr2のコレクタ−エミッタ間には、(I1+I2)の電流が流れる。
トランジスタTr1はオフしているため、カレントミラー回路22のトランジスタTr3,Tr4のコレクタ−エミッタ間には電流が流れない。したがって、(I1+I2)のベース電流で、出力段30のトランジスタTr7が駆動されるため、過渡状態において、トランジスタTr7のエミッタから供給される出力電流Ie7を減らすことができる。このように、差動段20の過渡状態の出力電流が安定状態の電流値I1よりも増えるため、ユニティゲインバッファ12を高速に動作できる。
図12は、図11のユニティバッファ12の第1の変形例を示したユニティゲインバッファ13の構成を示した回路図である。ユニティゲインバッファ13は、図9の差動増幅器102を構成に含んだ電子回路の一例である。
図13は、図11のユニティバッファ12の第2の変形例を示したユニティバッファ14の構成を示した回路図である。ユニティゲインバッファ14は、図10の差動増幅器103を構成に含んだ電子回路の一例である。
以上、差動増幅器を実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、上述の実施形態例では、第1の電流供給部として、定電流源C2,C12を示し、第2の電流供給部として、定電流源C3,C13を示した。しかし、第1の電流供給部及び第2の電流供給部は、図示の定電流源C2,C12,C3,C13を抵抗に置き換えた回路でもよい。
10,11 演算増幅器
12,13,14 ユニティゲインバッファ
20,25 差動段
21,26 入力段
22,27 カレントミラー回路
100,101,102,103,200 差動増幅器
C1,C2,C3,C11,C12,C13 定電流源
N* ノード
Tr* トランジスタ

Claims (1)

  1. 第1の入力ノードに接続される制御電極を有する第1のトランジスタと、第2の入力ノードに接続される制御電極を有する第2のトランジスタとを含んで構成される差動対を有する差動段と、
    前記第1のトランジスタの一方の主電極と前記第2のトランジスタの一方の主電極に接続される定電流源と、
    前記第1のトランジスタの他方の主電極と前記第2のトランジスタの他方の主電極の少なくとも一方の側に設けられる出力ノードとを備える差動増幅器であって、
    前記第1の入力ノードに接続される制御電極と、前記定電流源に接続される一方の主電極と、第1の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第3のトランジスタと、
    前記第2の入力ノードに接続される制御電極と、前記定電流源に接続される一方の主電極と、第2の電流供給部に接続される他方の主電極とを有する第4のトランジスタとを備え、
    前記第3のトランジスタがオフのときに前記差動段に流れる電流値は、前記定電流源に流れる定電流値から、前記第2の電流供給部によって前記第4のトランジスタに流れる電流値を引いた電流値に等しく、
    前記第4のトランジスタがオフのときに前記差動段に流れる電流値は、前記定電流源に流れる定電流値から、前記第1の電流供給部によって前記第3のトランジスタに流れる電流値を引いた電流値に等しい、差動増幅器。
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