JP2007019850A - Dcオフセットキャンセル回路およびこれを用いた表示装置 - Google Patents
Dcオフセットキャンセル回路およびこれを用いた表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
バッファ回路間で発生するDCオフセットをキャンセルする。
【解決手段】
第1と第2のバッファ回路(31,46)と、第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧に対応する電流を発生する電流発生回路と、電流発生回路から出力された電流応じて補正電圧を発生させる電位差発生回路(41)とを有し、補正電圧を、第1のバッファ回路31または第2のバッファ回路46に供給することにより、誤差を検出する回路を設けることなく、符号を反転させる電位差発生回路で第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルするようにした。
【選択図】図3
バッファ回路間で発生するDCオフセットをキャンセルする。
【解決手段】
第1と第2のバッファ回路(31,46)と、第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧に対応する電流を発生する電流発生回路と、電流発生回路から出力された電流応じて補正電圧を発生させる電位差発生回路(41)とを有し、補正電圧を、第1のバッファ回路31または第2のバッファ回路46に供給することにより、誤差を検出する回路を設けることなく、符号を反転させる電位差発生回路で第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルするようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、異なるバッファ回路間のDC(直流)オフセット電圧をキャンセルするDCオフセットキャンセル回路およびそれを用いた表示装置に関する。
電子回路の中では、高いインピーダンスで入力して、低いインピーダンスで出力するバッファ回路としてエミッタフォロワ回路が広く用いられる。
図10(A)に示すように、NPN型のトランジスタ301を使ったエミッタフォロワ(回路)は入力端子Tin10の電圧に対して出力電圧はベース・エミッタ間電位差VBE(N)だけ下がった電圧(信号)が出力される。
また、図10(B)に示したPNP型のトランジスタ305を使った場合、入力端子Tin11の電圧に対してVBE(P)だけ上がった電圧(または信号)が出力される。
以後NPNトランジスタのベース・エミッタ間電位差をVBE(N)、またPNPトランジスタのベース・エミッタ間電位差をVBE(P)と記載する。
図10(A)に示すように、NPN型のトランジスタ301を使ったエミッタフォロワ(回路)は入力端子Tin10の電圧に対して出力電圧はベース・エミッタ間電位差VBE(N)だけ下がった電圧(信号)が出力される。
また、図10(B)に示したPNP型のトランジスタ305を使った場合、入力端子Tin11の電圧に対してVBE(P)だけ上がった電圧(または信号)が出力される。
以後NPNトランジスタのベース・エミッタ間電位差をVBE(N)、またPNPトランジスタのベース・エミッタ間電位差をVBE(P)と記載する。
図11に示すように、電子回路においては、トランジスタのVBEによる電圧の昇降をさせないようにNPN型トランジスタ331のエミッタフォロワ回路とPNP型トランジスタ337のエミッタフォロワ回路が組み合わせて使われる。
それぞれのエミッタフォロワ回路に流れるコレクタ電流を等しくすることで、VBE(N)VBE(P)をほぼ等しく設計することが出来る。NPN型とPNP型のトランジスタのベース・エミッタ間電位VBEは通常ほぼ等しいが、プロセス上のばらつきにより差が生じる。このとき図11に示す回路構成において入出力(Tin12とTout12)間で直流の電位差が生じる。
その電位差を補正しない場合は、差電圧を周辺回路も含めて性能として許容することが必要になる。ただ、図11に示すNPNトランジスタ331のエミッタフォロワ回路とPNPトランジスタ337のエミッタフォロワ回路を単位回路として、この単位回路構成を複数縦列接続した場合はその電位差が縦列した分だけ大きくなる。
それぞれのエミッタフォロワ回路に流れるコレクタ電流を等しくすることで、VBE(N)VBE(P)をほぼ等しく設計することが出来る。NPN型とPNP型のトランジスタのベース・エミッタ間電位VBEは通常ほぼ等しいが、プロセス上のばらつきにより差が生じる。このとき図11に示す回路構成において入出力(Tin12とTout12)間で直流の電位差が生じる。
その電位差を補正しない場合は、差電圧を周辺回路も含めて性能として許容することが必要になる。ただ、図11に示すNPNトランジスタ331のエミッタフォロワ回路とPNPトランジスタ337のエミッタフォロワ回路を単位回路として、この単位回路構成を複数縦列接続した場合はその電位差が縦列した分だけ大きくなる。
また、図11に示した回路構成の出力以降に増幅回路を設けた場合、その差電圧も増幅され、全体の回路として出力電圧範囲を制限することになるなど、許容できない場合が多く、差電圧の補償回路を設けたり、差電圧を発生しない回路を設けたりして、差電圧を回避することがある。
図11に示す回路構成において、入出力間(Tin12とTout12)で発生した電位差を検出し、補正回路を設ける方法がある。たとえば特許文献1に類似の回路構成とその動作について開示してある。
しかしながら、この特許文献1においては、基準となる電位を設け、差電圧を検出することで補正回路を実現している。そのため、誤差電圧を検出する回路を実現するには比較的多くの回路素子が必要になる。検出回路を設けた場合は帰還をかける場合も多く、回路の応答速度に制限が出てくる。
さらに、エミッタフォロワ回路を用いずに増幅器で帰還させることで入出力の電圧をそろえるバッファ回路が用いられるが、周波数特性が制限される。周波数特性を向上させるために、エミッタフォロワ回路によるバッファ回路を用いることがあり、VBE(N)とVBE(P)の差電圧を何らかの形で簡易な回路で補償する必要がある。
特開昭61−99405号公報
しかしながら、この特許文献1においては、基準となる電位を設け、差電圧を検出することで補正回路を実現している。そのため、誤差電圧を検出する回路を実現するには比較的多くの回路素子が必要になる。検出回路を設けた場合は帰還をかける場合も多く、回路の応答速度に制限が出てくる。
さらに、エミッタフォロワ回路を用いずに増幅器で帰還させることで入出力の電圧をそろえるバッファ回路が用いられるが、周波数特性が制限される。周波数特性を向上させるために、エミッタフォロワ回路によるバッファ回路を用いることがあり、VBE(N)とVBE(P)の差電圧を何らかの形で簡易な回路で補償する必要がある。
NPN型トランジスタを使ったエミッタフォロワ(回路)のベース・エミッタ間電圧VBE(N)とPNP型トランジスタを使ったエミッタフォロワ(回路)のVBE(P)は通常コレクタに流れる電流が同じであればほぼ等しい。
この2つのエミッタフォロワ回路を組み合わせた回路構成において、両エミッタフォロワ(回路)で挟まれた回路内に電位差を生じさせなければ、入出力間においても電位差は非常に小さい。通常は入出力間で電位差は生じない(Vout=Vin)が、プロセス上のばらつきによりVBE(N)とVBE(P)がばらつくことがある。
このばらつき量の符号を反転させた電位差を発生させることでプロセス上のばらつきを吸収できるようにし、誤差を検出する回路を設けることなく、平易な回路で符号を反転させた電位差を発生し、オフセットをキャンセルする。
この2つのエミッタフォロワ回路を組み合わせた回路構成において、両エミッタフォロワ(回路)で挟まれた回路内に電位差を生じさせなければ、入出力間においても電位差は非常に小さい。通常は入出力間で電位差は生じない(Vout=Vin)が、プロセス上のばらつきによりVBE(N)とVBE(P)がばらつくことがある。
このばらつき量の符号を反転させた電位差を発生させることでプロセス上のばらつきを吸収できるようにし、誤差を検出する回路を設けることなく、平易な回路で符号を反転させた電位差を発生し、オフセットをキャンセルする。
本発明は、第1と第2のバッファ回路と、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧に対応する電流を発生する電流発生回路と、前記電流発生回路から出力された電流応じて補正電圧を発生させる電位差発生回路とを有し、前記補正電圧を、前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給することにより、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とする。
本発明は、第1の導電型の第1のバッファ回路と、第2の導電型の第2のバッファ回路と、互いに異なる導電型の第1と第2のトランジスタを有し、該第1と第2のトランジスタ間の電圧差に応じて差電流を発生するカレントミラー回路と、前記カレントミラー回路からの出力電流を電圧に変換する電位差発生回路とを有し、前記電位差発生回路から出力された電圧を前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給し、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とする。
本発明の表示装置は、入力信号が直流オフセットキャンセル回路に供給され、該DCオフセットキャンセル回路からの出力信号を増幅器でさらに増幅した後、ディスプレイに供給し、映像信号を表示する表示装置であって、前記DCオフセットキャンセル回路は、第1の導電型の第1のバッファ回路と、第2の導電型の第2のバッファ回路と、第1と第2のトランジスタで構成され、該第1と第2のトランジスタ間の電圧差に応じて差電流を発生するカレントミラー回路と、前記カレントミラー回路からの出力電流を電圧に変換する電位差発生回路とを有し、前記電位差発生回路から出力された電圧を前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給し、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とする。
本発明は、第1の導電型の第1のバッファ回路と、第2の導電型の第2のバッファ回路と、互いに異なる導電型の第1と第2のトランジスタを有し、該第1と第2のトランジスタ間の電圧差に応じて差電流を発生するカレントミラー回路と、前記カレントミラー回路からの出力電流を電圧に変換する電位差発生回路とを有し、前記電位差発生回路から出力された電圧を前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給し、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とする。
本発明の表示装置は、入力信号が直流オフセットキャンセル回路に供給され、該DCオフセットキャンセル回路からの出力信号を増幅器でさらに増幅した後、ディスプレイに供給し、映像信号を表示する表示装置であって、前記DCオフセットキャンセル回路は、第1の導電型の第1のバッファ回路と、第2の導電型の第2のバッファ回路と、第1と第2のトランジスタで構成され、該第1と第2のトランジスタ間の電圧差に応じて差電流を発生するカレントミラー回路と、前記カレントミラー回路からの出力電流を電圧に変換する電位差発生回路とを有し、前記電位差発生回路から出力された電圧を前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給し、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とする。
NPNトランジスタとPNPトランジスタを用いたエミッタフォロワ回路のVBEがばらついても、このばらつき量の符号を反転させた電位差を発生させることで、プロセス上のばらつきを吸収できるようにし、誤差を検出する回路を設けることなく、符号を反転させる電位差発生回路でDCオフセットをキャンセルできる。
図1にDC(直流)オフセット回路10の回路構成について示す。
DC(直流)オフセット回路10において、入力端子Tin1はPNPトランジスタ11のベースに接続され、このPNPトランジスタ11のエミッタは抵抗12の一方の端子に接続されている。抵抗12の他方の端子は回路Bの入力と、定電流源13の一方の端子に接続され、定電流源13の他方の端子は電源+VCCに接続されている。また、PNPトランジスタ11のコレクタは基準電位たとえばGND(グランド)に接続されている。また、バンドギャップレファレンス回路17を用いて定電流源13から電流を出力するようにしている。このような構成により、プロセスのばらつきに対して電流を安定することができる。
DC(直流)オフセット回路10において、入力端子Tin1はPNPトランジスタ11のベースに接続され、このPNPトランジスタ11のエミッタは抵抗12の一方の端子に接続されている。抵抗12の他方の端子は回路Bの入力と、定電流源13の一方の端子に接続され、定電流源13の他方の端子は電源+VCCに接続されている。また、PNPトランジスタ11のコレクタは基準電位たとえばGND(グランド)に接続されている。また、バンドギャップレファレンス回路17を用いて定電流源13から電流を出力するようにしている。このような構成により、プロセスのばらつきに対して電流を安定することができる。
回路B14の出力はNPNトランジスタ15のベースに接続され、このNPNトランジスタ15のコレクタは電源+VCCに接続されている。またNPNトランジスタ15のエミッタは、出力端子Tout1と定電流源16の一方の端子に接続され、この定電流源16の他方の端子はGND(グランド)に接続されている。
次に、図1に示したDC(直流)オフセット回路10の回路動作について説明する。
入力端子Tin1と出力端子Tout1の入出力間で固定の電位差を生じさせている場合がある。いま回路B(14)においては、理想状態とし、この回路B14においてはDCオフセット電圧がないものとする。
固定の電位差(Vofst)は、例えば、定電流源13から出力される一定電流を抵抗12の固定抵抗に流すことにより発生させることができる。
入力電圧をVin、出力電圧をVout、オフセット電圧(差電圧)をVofstと記載し、また例えばNPNトランジスタ15のVBE(N)がPNPトランジスタ11のVBE(P)よりδVだけ大きいとする。
このとき、回路B14の入力は入力端子Tin1に対してVBE(P)+Vofstだけ電位が上昇している。回路B14の入出力間の電位差は無いと仮定しているので、NPNトランジスタ15のエミッタは、ベースよりVBE(N)だけ下がる。
すなわち、NPNトランジスタ15のエミッタ、出力端子Tout1のDC電位は、VBE(P)+Vofst−VBE(N)=Vofst−δVとなる。このVofstに+δVを発生させることで常に固定の電位差(Vofst)を保つことが出来る。
また、定電流源13に供給する電源にバンドギャップレファレンスを用いると、プロセスがばらついても通常のばらつきは抑えられ、Vofstは一定にでき安定した動作が確保できる。
この結果、入力側のエミッタフォロワ回路と出力側のエミッタフォロワ回路間のDCオフセットはキャンセルされる。
入力端子Tin1と出力端子Tout1の入出力間で固定の電位差を生じさせている場合がある。いま回路B(14)においては、理想状態とし、この回路B14においてはDCオフセット電圧がないものとする。
固定の電位差(Vofst)は、例えば、定電流源13から出力される一定電流を抵抗12の固定抵抗に流すことにより発生させることができる。
入力電圧をVin、出力電圧をVout、オフセット電圧(差電圧)をVofstと記載し、また例えばNPNトランジスタ15のVBE(N)がPNPトランジスタ11のVBE(P)よりδVだけ大きいとする。
このとき、回路B14の入力は入力端子Tin1に対してVBE(P)+Vofstだけ電位が上昇している。回路B14の入出力間の電位差は無いと仮定しているので、NPNトランジスタ15のエミッタは、ベースよりVBE(N)だけ下がる。
すなわち、NPNトランジスタ15のエミッタ、出力端子Tout1のDC電位は、VBE(P)+Vofst−VBE(N)=Vofst−δVとなる。このVofstに+δVを発生させることで常に固定の電位差(Vofst)を保つことが出来る。
また、定電流源13に供給する電源にバンドギャップレファレンスを用いると、プロセスがばらついても通常のばらつきは抑えられ、Vofstは一定にでき安定した動作が確保できる。
この結果、入力側のエミッタフォロワ回路と出力側のエミッタフォロワ回路間のDCオフセットはキャンセルされる。
このように、図1に示すDC(直流)オフセット回路10の場合は入力よりも高い電圧を発生させる回路である。
VBE(P)とVBE(N)にばらつきによる電位差がなければ、入出力間の電位差は一定となる。しかし、VBE(P)とVBE(N)がばらつくとVofstが変化することになる。図1に示したDC(直流)オフセット回路10において、Vofstを常に一定に保つようにしている。
VBE(P)とVBE(N)にばらつきによる電位差がなければ、入出力間の電位差は一定となる。しかし、VBE(P)とVBE(N)がばらつくとVofstが変化することになる。図1に示したDC(直流)オフセット回路10において、Vofstを常に一定に保つようにしている。
図2に図1の定電流源をカレントミラー回路で構成したDCオフセット回路30の回路構成を示す。この回路構成において、Vofstは電流Irefと抵抗41によって発生させているが、バンドギャップリファレンス回路を利用してIrefを発生させることで通常ばらつきが抑えられている。
DC(直流)オフセット回路30の回路構成について説明する。
入力端子Tin2はPNPトランジスタ31のベースに接続され、このPNPトランジスタ31のコレクタはGNDに、またエミッタはオフセット抵抗Rofst(抵抗41)の一方の端子に接続されている。抵抗41の他方の端子は回路C45の入力とPNPトランジスタ40のコレクタに接続されている。このPNPトランジスタ40のベースはダイオード構成のPNPトランジスタ36のベースとコレクタに接続され、またエミッタは抵抗39の一方の端子に接続されている。抵抗39の他方の端子は電源+VCCに接続されている。
抵抗35の一方の端子は電源+VCCに、他方の端子はPNPトランジスタ36のエミッタに接続され、PNPトランジスタ36の共通接続されたコレクタとベースはNPNトランジスタ37のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ37のエミッタは抵抗38の一方の端子に接続され、この抵抗38の他方の端子はGNDに接続されている。
ここで、抵抗39とPNPトランジスタ40は、抵抗35とPNPトランジスタ36に対してカレントミラー回路構成となっている。
Irefの電流入力端子32はダイオード構成されたNPNトランジスタ33のコレクタとベースに接続されるとともに、NPNトランジスタ37,47のベースに接続されている。
また、Irefの電流入力端子32の端子には不図示のバンドギャップレファレンスを介して電流が供給されている。
NPNトランジスタ33のエミッタは抵抗34の一方の端子に接続され、この抵抗34の他方の端子はGNDに接続されている。
ここで、NPNトランジスタ37と抵抗38は、NPNトランジスタ33と抵抗34に対して、カレントミラー回路を構成する。
PNPトランジスタ40のコレクタと抵抗41の共通接続点は回路C45の入力に接続され、この回路C45の出力はNPNトランジスタ46のベースに接続されている。
NPNトランジスタ46のコレクタは電源+VCCに接続され、エミッタは出力端子Tout2とNPNトランジスタ47のコレクタに接続されている。
NPNトランジスタ47のベースはNPNトランジスタ33のベースに接続され、エミッタは抵抗48の一方の端子に接続され、抵抗48の他方の端子はGNDに接続されている。また抵抗48、NPNトランジスタ47と抵抗34、ダイオード構成のNPNトランジスタ33はカレントミラー回路を構成する。
DC(直流)オフセット回路30の回路構成について説明する。
入力端子Tin2はPNPトランジスタ31のベースに接続され、このPNPトランジスタ31のコレクタはGNDに、またエミッタはオフセット抵抗Rofst(抵抗41)の一方の端子に接続されている。抵抗41の他方の端子は回路C45の入力とPNPトランジスタ40のコレクタに接続されている。このPNPトランジスタ40のベースはダイオード構成のPNPトランジスタ36のベースとコレクタに接続され、またエミッタは抵抗39の一方の端子に接続されている。抵抗39の他方の端子は電源+VCCに接続されている。
抵抗35の一方の端子は電源+VCCに、他方の端子はPNPトランジスタ36のエミッタに接続され、PNPトランジスタ36の共通接続されたコレクタとベースはNPNトランジスタ37のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ37のエミッタは抵抗38の一方の端子に接続され、この抵抗38の他方の端子はGNDに接続されている。
ここで、抵抗39とPNPトランジスタ40は、抵抗35とPNPトランジスタ36に対してカレントミラー回路構成となっている。
Irefの電流入力端子32はダイオード構成されたNPNトランジスタ33のコレクタとベースに接続されるとともに、NPNトランジスタ37,47のベースに接続されている。
また、Irefの電流入力端子32の端子には不図示のバンドギャップレファレンスを介して電流が供給されている。
NPNトランジスタ33のエミッタは抵抗34の一方の端子に接続され、この抵抗34の他方の端子はGNDに接続されている。
ここで、NPNトランジスタ37と抵抗38は、NPNトランジスタ33と抵抗34に対して、カレントミラー回路を構成する。
PNPトランジスタ40のコレクタと抵抗41の共通接続点は回路C45の入力に接続され、この回路C45の出力はNPNトランジスタ46のベースに接続されている。
NPNトランジスタ46のコレクタは電源+VCCに接続され、エミッタは出力端子Tout2とNPNトランジスタ47のコレクタに接続されている。
NPNトランジスタ47のベースはNPNトランジスタ33のベースに接続され、エミッタは抵抗48の一方の端子に接続され、抵抗48の他方の端子はGNDに接続されている。また抵抗48、NPNトランジスタ47と抵抗34、ダイオード構成のNPNトランジスタ33はカレントミラー回路を構成する。
図2に示した実施形態例であるDC(直流)オフセット回路30の回路動作について説明する。
このDC(直流)オフセット回路30は、図1の回路構成の変形例であり、Vofstを発生させる回路例である。
バンドギャップリファレンス回路を用いて生成された基準電流Irefをカレントミラー回路を構成するダイオード構成のNPNトランジスタ33のコレクタ、ベースに供給し、このNPNトランジスタ33のコレクタに流れる電流と同じ電流をNPNトランジスタ37のコレクタから取り出す。
また、NPNトランジスタ37のコレクタ電流と同じ電流が抵抗35とPNPトランジスタ36にも流れる。この抵抗35とダイオード構成のPNPトランジスタ36は抵抗39とPNPトランジスタ40とカレントミラー回路を構成するので、PNPトランジスタ40のコレクタにはPNPトランジスタ(ダイオード)36と同じ電流が流れる。
したがって、Irefの基準電流が、最終的に、NPNトランジスタ40によって折り返され、コレクタから同じ電流を取り出し、Rofst(抵抗41)に電圧Vofstを発生させ、その大きさを一定にすることが出来る。
このDC(直流)オフセット回路30は、図1の回路構成の変形例であり、Vofstを発生させる回路例である。
バンドギャップリファレンス回路を用いて生成された基準電流Irefをカレントミラー回路を構成するダイオード構成のNPNトランジスタ33のコレクタ、ベースに供給し、このNPNトランジスタ33のコレクタに流れる電流と同じ電流をNPNトランジスタ37のコレクタから取り出す。
また、NPNトランジスタ37のコレクタ電流と同じ電流が抵抗35とPNPトランジスタ36にも流れる。この抵抗35とダイオード構成のPNPトランジスタ36は抵抗39とPNPトランジスタ40とカレントミラー回路を構成するので、PNPトランジスタ40のコレクタにはPNPトランジスタ(ダイオード)36と同じ電流が流れる。
したがって、Irefの基準電流が、最終的に、NPNトランジスタ40によって折り返され、コレクタから同じ電流を取り出し、Rofst(抵抗41)に電圧Vofstを発生させ、その大きさを一定にすることが出来る。
図3に本発明の実施形態例であるDC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路構成例を示す。
図3に示したDC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路構成素子の番号は、図2の回路構成と同じ回路を構成する素子と同じ番号を付与し、それ以外の回路構成素子に新たな番号を付与することとする。以後の図においても同様とする。
次に、DC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路構成について述べる。ここでは図2に示したDC(直流)オフセット回路30の回路構成と異なる構成について主に述べる。
図3に示したDC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路構成素子の番号は、図2の回路構成と同じ回路を構成する素子と同じ番号を付与し、それ以外の回路構成素子に新たな番号を付与することとする。以後の図においても同様とする。
次に、DC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路構成について述べる。ここでは図2に示したDC(直流)オフセット回路30の回路構成と異なる構成について主に述べる。
図3のDC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路構成はIrefからIref+Icom電流を発生させる初段のカレントミラー回路と回路C45の出力NPNトランジスタ46の電流源を構成するトランジスタ構成が異なっている。
基準電流Irefが供給され、Iref+Icomの電流を発生する初段のカレントミラー回路において、ダイオード構成のNPNトランジスタ33のエミッタにさらにNPNトランジスタ(ダイオード)51のコレクタとベースが接続され、エミッタは抵抗52の一方に接続され、この抵抗の他方の端子はGNDに接続される。また、このカレントミラー回路の一部を構成するNPNトランジスタ37のエミッタにPNPトランジスタ53のエミッタが接続され、コレクタとベースが共通接続され、この共通接続点が抵抗54の一方の端子に接続される。この抵抗54の他方の端子はGNDに接続される。
基準電流Irefが供給され、Iref+Icomの電流を発生する初段のカレントミラー回路において、ダイオード構成のNPNトランジスタ33のエミッタにさらにNPNトランジスタ(ダイオード)51のコレクタとベースが接続され、エミッタは抵抗52の一方に接続され、この抵抗の他方の端子はGNDに接続される。また、このカレントミラー回路の一部を構成するNPNトランジスタ37のエミッタにPNPトランジスタ53のエミッタが接続され、コレクタとベースが共通接続され、この共通接続点が抵抗54の一方の端子に接続される。この抵抗54の他方の端子はGNDに接続される。
ここで、図2のDC(直流)オフセット回路30と図3のDC(直流)オフセットキャンセル回路50において、新たに追加されたNPNトランジスタ51とPNPトランジスタ53で構成されているダイオード(の導電型)が異なっている。
このNPNトランジスタ51とPNPトランジスタ53で構成されたダイオードのVBE(N)とVBE(P)にプロセス変動などによる電圧差が生じ、この差電圧を電流に変換してNPNトランジスタ37のコレクタからオフセット用キャンセル電流を出力する。
このNPNトランジスタ51とPNPトランジスタ53で構成されたダイオードのVBE(N)とVBE(P)にプロセス変動などによる電圧差が生じ、この差電圧を電流に変換してNPNトランジスタ37のコレクタからオフセット用キャンセル電流を出力する。
出力回路において、NPNトランジスタ46のエミッタは電流源を構成するNPNトランジスタ47のコレクタに接続されるとともに、出力端子Tout3に接続される。
またNPNトランジスタ47のベースはNPNトランジスタ33のベースに接続され、エミッタはPNPトランジスタ56のエミッタに接続される。このPNPトランジスタ56はベースとコレクタが共通接続されダイオードを構成している。コレクタは抵抗57の一方の端子に接続され、抵抗57の他方の端子はGNDに接続されている。
ここで、NPNトランジスタ47とPNPトランジスタ56で構成するダイオードと抵抗57は、Irefが供給されるダイオード構成のNPNトランジスタ33とNPNトランジスタ(ダイオード)51と抵抗52で構成される回路と、カレントミラー回路を構成している。
またNPNトランジスタ47のベースはNPNトランジスタ33のベースに接続され、エミッタはPNPトランジスタ56のエミッタに接続される。このPNPトランジスタ56はベースとコレクタが共通接続されダイオードを構成している。コレクタは抵抗57の一方の端子に接続され、抵抗57の他方の端子はGNDに接続されている。
ここで、NPNトランジスタ47とPNPトランジスタ56で構成するダイオードと抵抗57は、Irefが供給されるダイオード構成のNPNトランジスタ33とNPNトランジスタ(ダイオード)51と抵抗52で構成される回路と、カレントミラー回路を構成している。
カレントミラー回路によってエミッタフォロワ回路を駆動する電流が同じためVBE(P)とVBE(N)は設計上等しいが、NPN型トランジスタとPNP型トランジスタは同一集積回路内においても構造が異なるためばらつきが生じやすい。
しかし、NPN型トランジスタ同士、PNP型トランジスタ同士では同一集積回路内においては近い特性が得られるので、そのばらつき量をダミーのNPN型トランジスタ、PNP型トランジスタにより発生させることが可能である。
通常カレントミラー回路のエミッタには抵抗のみを配置して、ある整数比で表される電流比を得る回路として用いられる。
図3に示す本発明の実施形態例のDC(直流)オフセットキャンセル回路50では、初段のカレントミラー回路のエミッタにNPN型トランジスタとPNP型トランジスタでダイオードを配置する回路構成となっている。
バッファ回路の1例としてエミッタフォロワ回路を示した。以後同様である。
しかし、NPN型トランジスタ同士、PNP型トランジスタ同士では同一集積回路内においては近い特性が得られるので、そのばらつき量をダミーのNPN型トランジスタ、PNP型トランジスタにより発生させることが可能である。
通常カレントミラー回路のエミッタには抵抗のみを配置して、ある整数比で表される電流比を得る回路として用いられる。
図3に示す本発明の実施形態例のDC(直流)オフセットキャンセル回路50では、初段のカレントミラー回路のエミッタにNPN型トランジスタとPNP型トランジスタでダイオードを配置する回路構成となっている。
バッファ回路の1例としてエミッタフォロワ回路を示した。以後同様である。
次に、図3に示したDC(直流)オフセットキャンセル回路50の回路動作について説明する。
定電流Irefはダイオードを構成するNPNトランジスタ33とこれに直列接続されたNPNトランジスタ51と抵抗52を介してGNDに流れる。これらのトランジスタ(33,51)はいずれもNPNトランジスタで構成されている。
これに対して、定電流Iref+Icomを発生するカレントミラー回路はNPNトランジスタ37とダイオードを構成するPNPトランジスタ53と抵抗54で構成され、Icomの補正(キャンセル)電流を発生するためダイオードを構成するPNPトランジスタ53が用いられている。
具体的には、ダイオードを構成するNPNトランジスタ51のVBE(N)とダイオードを構成するPNPトランジスタのBVE(P)の差により上述のIcomを発生させている。
定電流Irefはダイオードを構成するNPNトランジスタ33とこれに直列接続されたNPNトランジスタ51と抵抗52を介してGNDに流れる。これらのトランジスタ(33,51)はいずれもNPNトランジスタで構成されている。
これに対して、定電流Iref+Icomを発生するカレントミラー回路はNPNトランジスタ37とダイオードを構成するPNPトランジスタ53と抵抗54で構成され、Icomの補正(キャンセル)電流を発生するためダイオードを構成するPNPトランジスタ53が用いられている。
具体的には、ダイオードを構成するNPNトランジスタ51のVBE(N)とダイオードを構成するPNPトランジスタのBVE(P)の差により上述のIcomを発生させている。
NPNトランジスタ37のコレクタから出力された電流Iref+Icomが、抵抗35とダイオードを構成するPNPトランジスタ36に供給され、これと同じ電流(Iref+Icom)が、カレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ40と抵抗39に流れる。
その結果、Vofstを発生する抵抗41の両端には、通常のNPNトランジスタで構成されたカレントミラー回路の場合と比較して、さらにIcom×R41だけ電圧がシフトすることになる。
いま回路C45の入出力端子でオフセット電圧が発生しないと仮定すると、このIcom×R41のVofst電圧は、出力用NPNトランジスタ46のVBE(N)の変動分に相当するので、エミッタからその変動分も含んだVBE(N)だけ電圧が降下する。
その結果、入力側のエミッタフォロワ回路(PNPトランジスタ31)と出力側のNPNトランジスタ間のDCオフセットキャンセルされた信号が出力端子Tout3から導出される。
その結果、Vofstを発生する抵抗41の両端には、通常のNPNトランジスタで構成されたカレントミラー回路の場合と比較して、さらにIcom×R41だけ電圧がシフトすることになる。
いま回路C45の入出力端子でオフセット電圧が発生しないと仮定すると、このIcom×R41のVofst電圧は、出力用NPNトランジスタ46のVBE(N)の変動分に相当するので、エミッタからその変動分も含んだVBE(N)だけ電圧が降下する。
その結果、入力側のエミッタフォロワ回路(PNPトランジスタ31)と出力側のNPNトランジスタ間のDCオフセットキャンセルされた信号が出力端子Tout3から導出される。
さらに詳述すると、たとえばカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ51のVBE(N)がPNPトランジスタ53のVBE(P)よりδV大きくかつ抵抗52と抵抗54の値が等しいとすると、Icom=δV/R54となる。
そのため、通常のばらつきの無い電圧より、δV/R54の電流にR41を乗算した値の電圧Vofstだけ高い方向にシフトされて回路C45に供給される。
回路C45の出力に接続されているNPNトランジスタ46のVBE(N)はPNPトランジスタ31のVBE(P)よりδVだけ大きいので、NPNトランジスタ46のベースとエミッタ間の電圧ドロップは大きい。
その結果、エミッタすなわち出力端子Tout3から出力される電圧は通常の設定電圧よりさらにδVだけ電圧が降下され、入力端子Tin3と出力端子Tout3間のDCオフセットがキャンセルされ、この状態でAC信号が出力されることになる。
そのため、通常のばらつきの無い電圧より、δV/R54の電流にR41を乗算した値の電圧Vofstだけ高い方向にシフトされて回路C45に供給される。
回路C45の出力に接続されているNPNトランジスタ46のVBE(N)はPNPトランジスタ31のVBE(P)よりδVだけ大きいので、NPNトランジスタ46のベースとエミッタ間の電圧ドロップは大きい。
その結果、エミッタすなわち出力端子Tout3から出力される電圧は通常の設定電圧よりさらにδVだけ電圧が降下され、入力端子Tin3と出力端子Tout3間のDCオフセットがキャンセルされ、この状態でAC信号が出力されることになる。
以上のべたように、カレントミラー回路を構成するトランジスタのエミッタにVBE(P)とVBE(N)の差に相当する電圧を発生させたことになり、それによる差電流(Icom)を付加することで、Vofstを発生させるNPN型とPNP型のエミッタフォロワ回路で発生するVBE(N)とVBE(P)の差電圧の符号を反転させた電圧を発生することが出来る。
このときのVBE(N)とVBE(P)の差電圧はカレントミラー回路の抵抗R(52,54)とRofst(抵抗41)の比で一意に決まる。ここで、図3の回路C45では入出力間での電位差はないとしている。
また、図3にはIrefが流れる初段のカレントミラー回路にNPN型のトランジスタを使っているが、この回路に限定されるべきものでなく、PNP型のトランジスタを使った場合も同様に形成することが出来、これに伴い他のトランジスタは導電型を適宜変形するとよい。
このときのVBE(N)とVBE(P)の差電圧はカレントミラー回路の抵抗R(52,54)とRofst(抵抗41)の比で一意に決まる。ここで、図3の回路C45では入出力間での電位差はないとしている。
また、図3にはIrefが流れる初段のカレントミラー回路にNPN型のトランジスタを使っているが、この回路に限定されるべきものでなく、PNP型のトランジスタを使った場合も同様に形成することが出来、これに伴い他のトランジスタは導電型を適宜変形するとよい。
このように、図3に示すバッファ回路の入出力間で固定電圧差を発生させる回路において、NPN型トランジスタとPNP型トランジスタそれぞれのエミッタフォロワ回路において生じるVBE(P)とVBBE(N)間でのプロセスばらつきが発生してもそのオフセット電圧は補正される。また、エミッタフォロワ回路を用いているので、増幅回路による帰還で電圧差を抑えた回路よりも周波数特性を向上させることが出来る。
さらに、図3のDC(直流)オフセットキャンセル回路50では、NPN型とPNP型のエミッタフォロワ回路を組み合わせたバッファ回路の対が1対の例を示しているが、複数個設けた場合でも図3の抵抗R(35,39;52,54)とRofst(抵抗41)の比を制御することで同様な補正が可能である。
さらに、図3のDC(直流)オフセットキャンセル回路50では、NPN型とPNP型のエミッタフォロワ回路を組み合わせたバッファ回路の対が1対の例を示しているが、複数個設けた場合でも図3の抵抗R(35,39;52,54)とRofst(抵抗41)の比を制御することで同様な補正が可能である。
図4に他の実施形態例である、DC(直流)オフセットキャンセル回路80の回路構成を示す。
このDC(直流)オフセットキャンセル回路80は、図3に示す定電流IrefとIcomを発生させる定電流源の回路構成と、それに対応した出力NPNトランジスタ46の電流源を構成する回路構成が異なる。ここでは両者の異なる回路構成について説明する。
基準電流Irefが流れる回路は、ダイオード構成のNPNトランジスタ33とさらに同じ導電型のダイオード構成されたNPNトランジスタ81,82が直列接続され、NPNPトランジスタ82のエミッタは抵抗83を介してGNDに接続されている。
これに対応して、カレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ37のエミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ84,85が直列接続され、PNPトランジスタ85のコレクタ(ベース)は抵抗86を介してGNDに接続されている。
出力NPNトランジスタ46の電流源を構成しているNPNトランジスタ47とダイオードを構成するPNPトランジスタ91,92が直列接続され、PNPトランジスタ92のコレクタ(ベース)は抵抗93を介してGNDに接続されている。したがって、NPNトランジスタ46の、コレクタまたはエミッタに流れる電流は、NPNトランジスタ47のコレクタに流れる電流と同じである。
このDC(直流)オフセットキャンセル回路80は、図3に示す定電流IrefとIcomを発生させる定電流源の回路構成と、それに対応した出力NPNトランジスタ46の電流源を構成する回路構成が異なる。ここでは両者の異なる回路構成について説明する。
基準電流Irefが流れる回路は、ダイオード構成のNPNトランジスタ33とさらに同じ導電型のダイオード構成されたNPNトランジスタ81,82が直列接続され、NPNPトランジスタ82のエミッタは抵抗83を介してGNDに接続されている。
これに対応して、カレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ37のエミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ84,85が直列接続され、PNPトランジスタ85のコレクタ(ベース)は抵抗86を介してGNDに接続されている。
出力NPNトランジスタ46の電流源を構成しているNPNトランジスタ47とダイオードを構成するPNPトランジスタ91,92が直列接続され、PNPトランジスタ92のコレクタ(ベース)は抵抗93を介してGNDに接続されている。したがって、NPNトランジスタ46の、コレクタまたはエミッタに流れる電流は、NPNトランジスタ47のコレクタに流れる電流と同じである。
次に、DC(直流)オフセットキャンセル回路80の回路動作について、図4を用いて説明する。
基準電流Irefがカレントミラー回路を構成するダイオード(NPNトランジスタ33,81,82)と抵抗83に流れる。
これに対応して、カレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ37とダイオードを構成するPNPトランジスタ84,85と抵抗86にIref+Icomの電流が流れる。
この電流Icomは、抵抗83と抵抗86の値が等しいと仮定すると、Icom=2×δV/R(83,86)=2×(VBE(N)−VBE(P))/R(83,86)と表される。これ以外に抵抗比が異なったり、トランジスタの面積比が異なったりしても同様に計算することができる。
基準電流Irefがカレントミラー回路を構成するダイオード(NPNトランジスタ33,81,82)と抵抗83に流れる。
これに対応して、カレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ37とダイオードを構成するPNPトランジスタ84,85と抵抗86にIref+Icomの電流が流れる。
この電流Icomは、抵抗83と抵抗86の値が等しいと仮定すると、Icom=2×δV/R(83,86)=2×(VBE(N)−VBE(P))/R(83,86)と表される。これ以外に抵抗比が異なったり、トランジスタの面積比が異なったりしても同様に計算することができる。
上述したIref+Icomが抵抗35とダイオードを構成するPNPトランジスタ36と、抵抗39とPNPトランジスタ40で構成されるカレントミラー回路で折り返されてオフセット抵抗Rofst(抵抗41)に供給される。
したがって、この抵抗41に発生する電圧は、通常の電圧Iref×R41よりIcom×R41だけ更に上昇する。
いま、VBE(N)がVBE(P)よりδVだけ大きいと仮定すると、回路C45の入力は、通常の電位よりさらにIcom×R41のδVだけ上昇する。
これに対して、出力トランジスタのNPNトランジスタ46のベース・エミッタ電位すなわちVBE(N)は通常よりδVだけ大きいので、エミッタの電位はδVの増加分を含んだVBE(N)降下する。すなわち、NPNトランジスタ46のエミッタの出力電位は通常の電圧よりさらにδVだけ下がる。
その結果、Rofst(抵抗41)で発生したIcom×抵抗41の電圧上昇分により、出力のNPNトランジスタ46のベース・エミッタ間電圧の増加分δVはキャンセルされ、入力端子Tin4と出力端子Tout4間のDCオフセットはキャンセルすることができる。
上述した例では、1例として、NPNトランジスタのVBE(N)がPNPトランジスタのVBE(P)より大きいとしたが、明らかに逆の場合でも成立する。
したがって、この抵抗41に発生する電圧は、通常の電圧Iref×R41よりIcom×R41だけ更に上昇する。
いま、VBE(N)がVBE(P)よりδVだけ大きいと仮定すると、回路C45の入力は、通常の電位よりさらにIcom×R41のδVだけ上昇する。
これに対して、出力トランジスタのNPNトランジスタ46のベース・エミッタ電位すなわちVBE(N)は通常よりδVだけ大きいので、エミッタの電位はδVの増加分を含んだVBE(N)降下する。すなわち、NPNトランジスタ46のエミッタの出力電位は通常の電圧よりさらにδVだけ下がる。
その結果、Rofst(抵抗41)で発生したIcom×抵抗41の電圧上昇分により、出力のNPNトランジスタ46のベース・エミッタ間電圧の増加分δVはキャンセルされ、入力端子Tin4と出力端子Tout4間のDCオフセットはキャンセルすることができる。
上述した例では、1例として、NPNトランジスタのVBE(N)がPNPトランジスタのVBE(P)より大きいとしたが、明らかに逆の場合でも成立する。
図4では、NPN型とPNP型のエミッタフォロワ回路を組み合わせたバッファ回路の対が1対の例を示したが、複数個設けた場合でも図4のR(抵抗35,39;83,86)とRofst(抵抗41)の比を制御することで同様な補正が可能である。
このように、電流源を構成するカレントミラー回路のエミッタにダイオードを挿入するだけで、補正回路が実現できるため、非常に簡易な回路で補正が実現できる。
また、図4の場合はダイオードが2段であるが、このダイオードを複数段設けることで、バッファ回路の対が2対以上になった場合のR(抵抗35,39;83,86)とRofst(抵抗41)の比の補正量を制御することが出来る。
このように、電流源を構成するカレントミラー回路のエミッタにダイオードを挿入するだけで、補正回路が実現できるため、非常に簡易な回路で補正が実現できる。
また、図4の場合はダイオードが2段であるが、このダイオードを複数段設けることで、バッファ回路の対が2対以上になった場合のR(抵抗35,39;83,86)とRofst(抵抗41)の比の補正量を制御することが出来る。
図5に他の実施形態例であるDC(直流)オフセットキャンセル回路100の回路構成を示す。
このDC(直流)オフセットキャンセル回路100は、図3に示したDC(直流)オフセットキャンセル回路50の出力用NPNトランジスタ46の電流源の回路構成とこれを駆動する回路構成が異なる。ここでは、図3の回路構成と異なる部分について説明する。
図5に示すように、Iref+Icomが流れるPNPトランジスタ36のベースにPNPトランジスタ111のベースを接続し、エミッタは抵抗110の一方の端子に接続し、この抵抗110の他方の端子は電源+VCCに接続される。
PNPトランジスタ111のコレクタはダイオードを構成するNPNトランジスタ112のコレクタとベースに接続されると共にNPNトランジスタ115のベースに接続される。
NPNトランジスタ112のエミッタは抵抗113を介してGNDに接続される。
出力用NPNトランジスタ46のベースは回路C45の出力に接続され、コレクタは電源+VCCに接続され、またエミッタはNPNPトランジスタ115のコレクタと出力端子Tout5に接続される。
NPNトランジスタ115のエミッタは抵抗116を介してGNDに接続される。
このDC(直流)オフセットキャンセル回路100は、図3に示したDC(直流)オフセットキャンセル回路50の出力用NPNトランジスタ46の電流源の回路構成とこれを駆動する回路構成が異なる。ここでは、図3の回路構成と異なる部分について説明する。
図5に示すように、Iref+Icomが流れるPNPトランジスタ36のベースにPNPトランジスタ111のベースを接続し、エミッタは抵抗110の一方の端子に接続し、この抵抗110の他方の端子は電源+VCCに接続される。
PNPトランジスタ111のコレクタはダイオードを構成するNPNトランジスタ112のコレクタとベースに接続されると共にNPNトランジスタ115のベースに接続される。
NPNトランジスタ112のエミッタは抵抗113を介してGNDに接続される。
出力用NPNトランジスタ46のベースは回路C45の出力に接続され、コレクタは電源+VCCに接続され、またエミッタはNPNPトランジスタ115のコレクタと出力端子Tout5に接続される。
NPNトランジスタ115のエミッタは抵抗116を介してGNDに接続される。
このDC(直流)オフセットキャンセル回路100の回路動作は図4のDC(直流)オフセットキャンセル回路80と基本的に同じである。しかし、出力用NPNトランジスタ46に接続された電流源NPNトランジスタ115のエミッタは抵抗116を介してGNDに接続されていて、このNPNトランジスタ115と抵抗116間にダイオードは接続されていない。
これは、抵抗110、PNPトランジスタ111、図5に示す(2)ブロックのNPNトランジスタ112(ダイオード)と抵抗113に対して、NPNトランジスタ115と抵抗116でカレントミラー回路を構成するようにして、NPNトランジスタ115と抵抗116間にダイオードを設ける必要が無い構成としたことによる。
その結果、NPNトランジスタ115のVcesat(コレクタ・エミッタ)飽和電圧におけるコレクタ電圧、すなわち出力端子Toutの電圧を1VBE(P)だけ下げることができ、NPNトランジスタ46のダイナミックレンジを拡大することができる。
これは、抵抗110、PNPトランジスタ111、図5に示す(2)ブロックのNPNトランジスタ112(ダイオード)と抵抗113に対して、NPNトランジスタ115と抵抗116でカレントミラー回路を構成するようにして、NPNトランジスタ115と抵抗116間にダイオードを設ける必要が無い構成としたことによる。
その結果、NPNトランジスタ115のVcesat(コレクタ・エミッタ)飽和電圧におけるコレクタ電圧、すなわち出力端子Toutの電圧を1VBE(P)だけ下げることができ、NPNトランジスタ46のダイナミックレンジを拡大することができる。
このように、抵抗39、PNPトランジスタ40、Rofst(抵抗41)とPNPトランジスタ31で構成された補正電圧比を発生するブロック(1)と、抵抗110、PNPトランジスタ111、ダイオード(NPNトランジスタ112)と抵抗113で構成された電流を折り返すブロック(2)の2つに分けることで、内部回路の電位を1VBE分ロスすることを減らすことができる。
図6に本発明の他の実施形態例のDC(直流)オフセットキャンセル回路150の回路構成例を示す。
この図6に示す主要な回路構成は、図5に示した回路構成に使用されたトランジスタの導電形を逆にした例であり、入力端子Tin6に接続されたエミッタフォロワ回路を構成するトランジスタをNPN型とし、IrefとIref+Icomが流れる初段のカレントミラー回路のダイオードをPNPとNPNトランジスタで構成するトランジスタを入れ替えることで昇圧方向のVofstだけでなく、降圧方向のVofstも可能とした。
入力端子Tin6はNPNトランジスタ151のベースに接続され、このNPNトランジスタ151のコレクタは電源+VCCに接続され、エミッタは抵抗161の一方の端子に接続されている。
抵抗161の他方の端子は回路C165の入力とNPNトランジスタ162のコレクタに接続され、このNPNトランジスタ162のベースはNPNトランジスタ153,158のベースに接続され、エミッタはNPNトランジスタ163のコレクタとベースに接続されている。ダイオードを構成するNPNトランジスタ163のエミッタは抵抗164を介してGNDに接続される。
基準電流Irefが供給される入力端子152はダイオード構成のNPNトランジスタ153のコレクタとベースに接続され、このNPNトランジスタ153のエミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ154のエミッタに接続される。PNPトランジスタ154のベースとコレクタは抵抗155を介してGNDに接続される。
抵抗156の一方の端子は電源+VCCに接続され、他方の端子はダイオードを構成するPNPトランジスタ157のエミッタに接続され、PNPトランジスタ157のベースとコレクタはNPNトランジスタ158のコレクタに接続される。
NPNトランジスタ158のベースはNPNトランジスタ153のベースに接続され、エミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ159のコレクタ、ベースに接続される。PNPトランジスタ159のエミッタは抵抗160を介してGNDに接続される。
回路C165の出力はPNPトランジスタ168のベースに接続され、PNPトランジスタ168のコレクタはGNDに接続され、エミッタは出力端子Tout6とPNPトランジスタ167のコレクタに接続される。
PNPトランジスタ167のベースはPNPトランジスタ157のベースとコレクタに接続され、エミッタは抵抗166を介して電源+VCCに接続される。
この図6に示す主要な回路構成は、図5に示した回路構成に使用されたトランジスタの導電形を逆にした例であり、入力端子Tin6に接続されたエミッタフォロワ回路を構成するトランジスタをNPN型とし、IrefとIref+Icomが流れる初段のカレントミラー回路のダイオードをPNPとNPNトランジスタで構成するトランジスタを入れ替えることで昇圧方向のVofstだけでなく、降圧方向のVofstも可能とした。
入力端子Tin6はNPNトランジスタ151のベースに接続され、このNPNトランジスタ151のコレクタは電源+VCCに接続され、エミッタは抵抗161の一方の端子に接続されている。
抵抗161の他方の端子は回路C165の入力とNPNトランジスタ162のコレクタに接続され、このNPNトランジスタ162のベースはNPNトランジスタ153,158のベースに接続され、エミッタはNPNトランジスタ163のコレクタとベースに接続されている。ダイオードを構成するNPNトランジスタ163のエミッタは抵抗164を介してGNDに接続される。
基準電流Irefが供給される入力端子152はダイオード構成のNPNトランジスタ153のコレクタとベースに接続され、このNPNトランジスタ153のエミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ154のエミッタに接続される。PNPトランジスタ154のベースとコレクタは抵抗155を介してGNDに接続される。
抵抗156の一方の端子は電源+VCCに接続され、他方の端子はダイオードを構成するPNPトランジスタ157のエミッタに接続され、PNPトランジスタ157のベースとコレクタはNPNトランジスタ158のコレクタに接続される。
NPNトランジスタ158のベースはNPNトランジスタ153のベースに接続され、エミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ159のコレクタ、ベースに接続される。PNPトランジスタ159のエミッタは抵抗160を介してGNDに接続される。
回路C165の出力はPNPトランジスタ168のベースに接続され、PNPトランジスタ168のコレクタはGNDに接続され、エミッタは出力端子Tout6とPNPトランジスタ167のコレクタに接続される。
PNPトランジスタ167のベースはPNPトランジスタ157のベースとコレクタに接続され、エミッタは抵抗166を介して電源+VCCに接続される。
図6に示すDC(直流)オフセットキャンセル回路150の回路動作について説明する。
Irefの電流がダイオード構成のNPNトランジスタ153とPNPトランジスタ154と抵抗155に流れると、それに応じてカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ162、ダイオード構成のNPNトランジスタ163と抵抗164にIref+Icomの電流が流れる。
このIref+Icomの電流により、Rofst(抵抗161)にオフセットキャンセル電圧が発生し、DC電圧のレベルがシフトされ、NPNトランジスタ151で構成されるエミッタフォロワ回路と回路C165の出力に接続されているPNPトランジスタ168のエミッタフォロワ(回路)間の電圧差をキャンセルする。
すなわち、VBE(N)とVBE(P)との差電圧をキャンセルする。たとえば、NPNトランジスタ151のVBE(N)が、PNPトランジスタのVBE(P)より大きく、この差をδVとすると、NPNトランジスタ151のエミッタにはIref+Icom(δV/R164)流れ、このIcomだけ電流が小さくなる。その結果、回路C165の入力と出力はIcom=δV/R164だけ電位が上がる。
すると、PNPトランジスタ168のベースもIcom×R161だけ電位が上昇するが、VBE(P)はδVだけ低いのでその差分は打ち消され、PNPトランジスタ168のエミッタすなわち出力端子の電位は固定される。したがって、エミッタフォロワ回路を構成する、NPNトランジスタ151とPNPトランジスタ168間のDC電位差はキャンセルされる。
このように、図5に示したNPN型とPNP型のダイオードをそれぞれ入れ替えることで昇圧方向のVofstだけでなく、降圧方向のVofstもできる。
Irefの電流がダイオード構成のNPNトランジスタ153とPNPトランジスタ154と抵抗155に流れると、それに応じてカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタ162、ダイオード構成のNPNトランジスタ163と抵抗164にIref+Icomの電流が流れる。
このIref+Icomの電流により、Rofst(抵抗161)にオフセットキャンセル電圧が発生し、DC電圧のレベルがシフトされ、NPNトランジスタ151で構成されるエミッタフォロワ回路と回路C165の出力に接続されているPNPトランジスタ168のエミッタフォロワ(回路)間の電圧差をキャンセルする。
すなわち、VBE(N)とVBE(P)との差電圧をキャンセルする。たとえば、NPNトランジスタ151のVBE(N)が、PNPトランジスタのVBE(P)より大きく、この差をδVとすると、NPNトランジスタ151のエミッタにはIref+Icom(δV/R164)流れ、このIcomだけ電流が小さくなる。その結果、回路C165の入力と出力はIcom=δV/R164だけ電位が上がる。
すると、PNPトランジスタ168のベースもIcom×R161だけ電位が上昇するが、VBE(P)はδVだけ低いのでその差分は打ち消され、PNPトランジスタ168のエミッタすなわち出力端子の電位は固定される。したがって、エミッタフォロワ回路を構成する、NPNトランジスタ151とPNPトランジスタ168間のDC電位差はキャンセルされる。
このように、図5に示したNPN型とPNP型のダイオードをそれぞれ入れ替えることで昇圧方向のVofstだけでなく、降圧方向のVofstもできる。
図7に本発明の他の実施形態例である、DC(直流)オフセットキャンセル回路180の回路構成例を示す。この回路構成は図3に示した回路構成と主要部は同じである。しかし、Iref+Icom電流を発生する回路構成が異なる。
図7に示す初段のカレントミラー回路では、NPN型のダイオードとPNP型のダイオード差分の電圧に対応する電流が発生するが、厳密にはIrefとIref+Icomの電流差があるため電流密度が異なり、エミッタ電位が異なる。
IrefとIref+Icom分の差は抵抗R(抵抗184,186,190,191)とRofst(抵抗193)の比で一意に調整は可能であるが、図7に示す演算増幅器を用いることでその差分も吸収し、より厳密にVofstが制御可能になる。
図7に示す初段のカレントミラー回路では、NPN型のダイオードとPNP型のダイオード差分の電圧に対応する電流が発生するが、厳密にはIrefとIref+Icomの電流差があるため電流密度が異なり、エミッタ電位が異なる。
IrefとIref+Icom分の差は抵抗R(抵抗184,186,190,191)とRofst(抵抗193)の比で一意に調整は可能であるが、図7に示す演算増幅器を用いることでその差分も吸収し、より厳密にVofstが制御可能になる。
図7のDC(直流)オフセットキャンセル回路180は、基準電流Irefがダイオードを構成するNPNトランジスタ183のコレクタとベースと演算増幅器185の非反転入力端子に接続され、このPNPトランジスタ183のエミッタは抵抗184を介してGNDに接続される。
演算増幅器185の出力はNPNトランジスタ188のベースに接続され、このNPNトランジスタ188のエミッタは演算増幅器185の反転入力端子とダイオードを構成するPNPトランジスタ189のエミッタに接続され、コレクタはダイオード構成のPNPトランジスタ187のコレクタとベースにそれぞれ接続される。
PNPトランジスタ189のベースとコレクタは抵抗190を介してGNDに接続される。
また、PNPトランジスタ187のエミッタは抵抗186を介して電源+VCCに接続される。PNPトランジスタ187のベースにベースが接続されたPNPトランジスタ192のエミッタは抵抗191を介して電源+VCCに接続され、コレクタは抵抗193の一方の端子と回路C195の入力に接続される。
抵抗193の他方の端子はエミッタフォロワ回路を構成するPNPトランジスタ181のエミッタに接続され、このPNPトランジスタ181のベースは入力端子Tin7に、コレクタはGNDにそれぞれ接続される。
回路C195の出力はNPNトランジスタ196のベースに接続され、NPNトランジスタ196のコレクタは電源+VCCに接続され、エミッタはNPNトランジスタ197のコレクタと出力端子Tout7に接続される。
NPNトランジスタ197のベースはNPNトランジスタ188のベースに、またエミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ198のエミッタにそれぞれ接続される。
PNPトランジスタ198のベースとコレクタは抵抗199を介してGNDに接続される。
演算増幅器185の出力はNPNトランジスタ188のベースに接続され、このNPNトランジスタ188のエミッタは演算増幅器185の反転入力端子とダイオードを構成するPNPトランジスタ189のエミッタに接続され、コレクタはダイオード構成のPNPトランジスタ187のコレクタとベースにそれぞれ接続される。
PNPトランジスタ189のベースとコレクタは抵抗190を介してGNDに接続される。
また、PNPトランジスタ187のエミッタは抵抗186を介して電源+VCCに接続される。PNPトランジスタ187のベースにベースが接続されたPNPトランジスタ192のエミッタは抵抗191を介して電源+VCCに接続され、コレクタは抵抗193の一方の端子と回路C195の入力に接続される。
抵抗193の他方の端子はエミッタフォロワ回路を構成するPNPトランジスタ181のエミッタに接続され、このPNPトランジスタ181のベースは入力端子Tin7に、コレクタはGNDにそれぞれ接続される。
回路C195の出力はNPNトランジスタ196のベースに接続され、NPNトランジスタ196のコレクタは電源+VCCに接続され、エミッタはNPNトランジスタ197のコレクタと出力端子Tout7に接続される。
NPNトランジスタ197のベースはNPNトランジスタ188のベースに、またエミッタはダイオードを構成するPNPトランジスタ198のエミッタにそれぞれ接続される。
PNPトランジスタ198のベースとコレクタは抵抗199を介してGNDに接続される。
図7に示すDC(直流)オフセットキャンセル回路180の回路動作について説明する。
基準電流Irefがダイオード(NPNトランジスタ183)と抵抗184に流れると、NPNトランジスタ183のコレクタとベース電位が演算増幅器185に供給され、出力がNPNトランジスタ188のエミッタを介して反転入力端子に供給される。この演算増幅器185は負帰還回路を構成しているので、ダイオードを構成するPNPトランジスタ189のエミッタ電位はNPNトランジスタ183のコレクタとベース電位に正確に等しくなる。
ダイオードを構成するNPNトランジスタ183のVBE(N)とPNPトランジスタ189のVBE(P)の差電圧δVによりIcom=δV/R190のキャンセル電流が発生し、Iref+Icomがカレントミラー回路を構成する抵抗186、PNPトランジスタ187と抵抗191、PNPトランジスタ192で折り返され、Rofst(抵抗193)でキャンセル電圧Vofstが発生する。
このVofst電圧が、回路C195の出力に接続されているエミッタフォロワ回路のNPNトランジスタ196のベースに供給され、エミッタではNPNトランジスタ196の(δVを含んだ)VBE(N)だけ電圧が下がり、PNPトランジスタ181とNPNトランジスタ196のVBE(P)とVBE(N)の差電圧δVの変動はキャンセルされ、出力端子Tout7のDC電位は固定される。
基準電流Irefがダイオード(NPNトランジスタ183)と抵抗184に流れると、NPNトランジスタ183のコレクタとベース電位が演算増幅器185に供給され、出力がNPNトランジスタ188のエミッタを介して反転入力端子に供給される。この演算増幅器185は負帰還回路を構成しているので、ダイオードを構成するPNPトランジスタ189のエミッタ電位はNPNトランジスタ183のコレクタとベース電位に正確に等しくなる。
ダイオードを構成するNPNトランジスタ183のVBE(N)とPNPトランジスタ189のVBE(P)の差電圧δVによりIcom=δV/R190のキャンセル電流が発生し、Iref+Icomがカレントミラー回路を構成する抵抗186、PNPトランジスタ187と抵抗191、PNPトランジスタ192で折り返され、Rofst(抵抗193)でキャンセル電圧Vofstが発生する。
このVofst電圧が、回路C195の出力に接続されているエミッタフォロワ回路のNPNトランジスタ196のベースに供給され、エミッタではNPNトランジスタ196の(δVを含んだ)VBE(N)だけ電圧が下がり、PNPトランジスタ181とNPNトランジスタ196のVBE(P)とVBE(N)の差電圧δVの変動はキャンセルされ、出力端子Tout7のDC電位は固定される。
このように、IrefとIref+Icom分の差はR(抵抗184,186,190,191)とRofst(抵抗193)の比で一意に調整は可能であるが、演算増幅器を用いることでその差分も吸収し、より厳密にVofstを制御することができる。
図8に本発明の他の実施形態例である表示装置210を示す。
表示装置210は、RGBディジタル信号処理回路211、D/A(ディジタル/アナログ)変換器212、6dBアンプとディスプレイ214などで構成され、ディジタル映像信号をアナログ信号に変換して、増幅してディスプレイに表示するようにしている。
この表示装置210の一部を構成する、6dBアンプ213のブロック構成を図9に示す。入力端子Tin8A,Tin8Bからたとえば映像信号(A,B)がそれぞれアンプ231とアンプ232に供給され、このアンプ出力をスイッチ233で切り替え、DCオフセットキャンセル回路234に出力する。DCオフセットキャンセル回路234の出力は、利得6dBを有する負帰還増幅回路を構成しているアンプ235の非反転入力端子に供給され、利得倍された信号が出力端子Tout8から導出され、図8に示してあるディスプレイ214に出力される。
図9に示すDCオフセットキャンセル回路234は図1から図7に示した回路で構成されていて、エミッタフォロワ回路によるVBEの差電圧をキャンセルすることにより、後段の6dBアンプ(負帰還増幅回路)で、前段のオフセット電圧を増幅しないようにした。
この結果、6dBアンプの出力電圧の範囲を制限することがなくなり、ダイナミックレンジを減少させることは無く、安定した動作が確保できる。
表示装置210は、RGBディジタル信号処理回路211、D/A(ディジタル/アナログ)変換器212、6dBアンプとディスプレイ214などで構成され、ディジタル映像信号をアナログ信号に変換して、増幅してディスプレイに表示するようにしている。
この表示装置210の一部を構成する、6dBアンプ213のブロック構成を図9に示す。入力端子Tin8A,Tin8Bからたとえば映像信号(A,B)がそれぞれアンプ231とアンプ232に供給され、このアンプ出力をスイッチ233で切り替え、DCオフセットキャンセル回路234に出力する。DCオフセットキャンセル回路234の出力は、利得6dBを有する負帰還増幅回路を構成しているアンプ235の非反転入力端子に供給され、利得倍された信号が出力端子Tout8から導出され、図8に示してあるディスプレイ214に出力される。
図9に示すDCオフセットキャンセル回路234は図1から図7に示した回路で構成されていて、エミッタフォロワ回路によるVBEの差電圧をキャンセルすることにより、後段の6dBアンプ(負帰還増幅回路)で、前段のオフセット電圧を増幅しないようにした。
この結果、6dBアンプの出力電圧の範囲を制限することがなくなり、ダイナミックレンジを減少させることは無く、安定した動作が確保できる。
以上述べたように、NPNトランジスタとPNPトランジスタを用いたエミッタフォロワ回路のVBEがばらついても、このばらつき量の符号を反転させた電位差を発生させることで、プロセス上のばらつきを吸収できるようにし、誤差を検出する回路を設けることなく、符号を反転させる電位差発生回路でDCオフセットをキャンセルできるようにした。
10,30…DCオフセット回路、50,80,100,150,180,234…DCオフセットキャンセル回路、11,31,36,40,53,56,84,85,91,92,103,111,154,157,167,168,181,187,189,192,198,305,337…PNPトランジスタ、15,33,37,46,47,51,81,82,101,112,115,151,153,7,158,159,163,183,188,196,197,301,331…NPNトランジスタ、12,34,35,38,39,41,48,52,54,57,83,86,93,102,104,110,113,116,155,156,160,161,164,166,184,186,190,191,193,199,236,237…抵抗、13,16,302,306,332,336…定電流源、14…回路(B)、17…バンドギャップレファレンス回路、45,165,195…回路C、185…演算増幅器、210…表示装置、211…RGBディジタル信号処理回路、212…D/A(ディジタル/アナログ)変換器、213…6dBアンプ、214…ディスプレイ、231,232,235…アンプ、233…スイッチ、335…回路A。
Claims (9)
- 第1と第2のバッファ回路と、
前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧に対応する電流を発生する電流発生回路と、
前記電流発生回路から出力された電流応じて補正電圧を発生させる電位差発生回路と
を有し、
前記補正電圧を、前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給することにより、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とするDCオフセットキャンセル回路。 - 前記第1と第2のバッファ回路は互いに異なる第1と第2の導電型のバイポーラトランジスタを有するエミッタフォロワ回路である
請求項1記載のDCオフセットキャンセル回路。 - 前記電位差発生回路は、前記第1のバッファの出力に接続された抵抗を有し、該抵抗で補正電圧を発生する
請求項1記載のDCオフセットキャンセル回路。 - 前記電流発生回路は、第1と第2の導電型のバイポーラトランジスタを有するカレントミラー回路を有し、該第1と第2の導電型のバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の電位差に応じた電流を発生する
請求項1記載のDCオフセットキャンセル回路。 - 前記カレントミラー回路は、直列に複数個のトランジスタを接続し、少なくとも1個のトランジスタを第1の導電型とし、他のトランジスタを第2の導電型とする
請求項4記載のDCオフセットキャンセル回路。 - 第1の導電型の第1のバッファ回路と、
第2の導電型の第2のバッファ回路と、
互いに異なる導電型の第1と第2のトランジスタを有し、該第1と第2のトランジスタ間の電圧差に応じて差電流を発生するカレントミラー回路と、
前記カレントミラー回路からの出力電流を電圧に変換する電位差発生回路と
を有し、
前記電位差発生回路から出力された電圧を前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給し、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とするDCオフセットキャンセル回路。 - 前記第1と第2のバッファ回路はエミッタフォロワ回路である
請求項6記載のDCオフセットキャンセル回路。 - 入力信号がDCオフセットキャンセル回路に供給され、該DCオフセットキャンセル回路からの出力信号を増幅器でさらに増幅した後、ディスプレイに供給し、映像信号を表示する表示装置であって、
前記DCオフセットキャンセル回路は、
第1の導電型の第1のバッファ回路と、
第2の導電型の第2のバッファ回路と、
第1と第2のトランジスタで構成され、該第1と第2のトランジスタ間の電圧差に応じて差電流を発生するカレントミラー回路と、
前記カレントミラー回路からの出力電流を電圧に変換する電位差発生回路と
を有し、
前記電位差発生回路から出力された電圧を前記第1のバッファ回路または第2のバッファ回路に供給し、前記第1と第2のバッファ回路間の直流オフセット電圧をキャンセルすることを特徴とする
表示装置。 - 前記第1と第2のバッファ回路は互いに導電型が異なるバイポーラトランジスタを有するエミッタフォロワ回路である
請求項8記載の表示装置。
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---|---|---|---|
JP2005199053A JP2007019850A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | Dcオフセットキャンセル回路およびこれを用いた表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010004193A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Mitsumi Electric Co Ltd | 半導体集積回路装置及びオフセットキャンセル設定システム |
JP2012114870A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-14 | Mitsumi Electric Co Ltd | 映像信号出力回路 |
-
2005
- 2005-07-07 JP JP2005199053A patent/JP2007019850A/ja active Pending
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CN102545807A (zh) * | 2010-11-29 | 2012-07-04 | 三美电机株式会社 | 图像信号输出电路 |
KR101834255B1 (ko) * | 2010-11-29 | 2018-03-06 | 미쓰미덴기가부시기가이샤 | 영상신호 출력 회로 |
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