JP2001234089A - フタロシアニン組成物およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
フタロシアニン組成物およびそれを用いた電子写真感光体Info
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Abstract
が高く高感度で、かつ繰返し使用しても諸特性が変化せ
ず安定した性能を発揮できる電子写真感光体およびそれ
に用いるフタロシアニン組成物を提供することである。 【解決手段】チタニルオキシフタロシアニンおよび無金
属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物にお
いて、アシッドペースト処理してアモルファス化したチ
タニルオキシフタロシアニンおよび無金属フタロシアニ
ンをラクトン系溶媒で処理する。
Description
タロシアニンおよび無金属フタロシアニンを含有するフ
タロシアニン組成物において、アシッドペースト処理し
てアモルファス化したチタニルオキシフタロシアニンお
よび無金属フタロシアニンをラクトン系溶媒で処理する
ことを特徴とするフタロシアニン組成物、およびそれを
用いた電子写真感光体に関するものである。
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料およびそれを用いた電子写
真感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セ
レンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が
要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対し
て帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での
漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯
電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照
射後の残留電荷が少ないこと等である。
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持
し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
しては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、
アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討され、
中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、
高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、
実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料にお
いては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明ら
かになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適
の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感
光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等
の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
ー光を光源として、高速化、高画質化、ノンインパクト
化を長所としたレーザービームプリンター等が、情報処
理システムの進歩と相まって広く普及するに至り、その
要求に耐えうる材料の開発が要望されている。特にレー
ザー光の中でも近年コンパクトディスク、光ディスク等
への応用が増大し技術進歩が著しい半導体レーザーは、
コンパクトでかつ信頼性の高い光源材料としてプリンタ
ー分野でも積極的に応用されてきた。この場合の光源の
波長は780〜830nm前後であることから、近赤外
領域に高感度な特性を有する感光体の開発が強く望まれ
ている。その中で、特に近赤外領域に光吸収を有するフ
タロシアニン類を使用した感光体の開発が盛んに行われ
ている。
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
「TiOPc」と略記する)を例にとると、特開昭61
−217050号公報では、X線回折スペクトルにおけ
るブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°、10.2
°、22.3°、25.3°、28.6°に主たる回折
ピークを有するα形TiOPc、特開昭62−6709
4号公報には9.3°、10.6°、13.2°、1
5.1°、15.7°、16.1°、20.8°、2
3.3°、26.3°、27.1°に主たる回折ピーク
を有するβ形TiOPcが報告されているが、これらは
要求される高い特性を十分満足していない。
晶、または単純に混合したものを電子写真感光体の電荷
発生物質として用いることも報告されている。例として
特開平1−142658号公報にはα形TiOPcと無
金属フタロシアニン(以下、「H2Pc」と略記する)
からなるα形TiOPc組成物が、特開平2−1701
66号公報には中心金属の異なる2種以上のフタロシア
ニンからなる混晶が、特開平2−272067号公報に
はTiOPcとH2PcからなるX形H2Pc組成物が、
特開平4−351673号公報にはTiOPcとヒドロ
キシメタルフタロシアニンの混晶結晶が、そして特開平
8−67829号公報にはX線回折スペクトルにおける
ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.8°、7.4°、
15.0°、24.7°、26.2°、27.2°に主
たる回折ピークを有するTiOPcとH2Pcの混晶体
が報告されている。しかし、これらも要求される特性を
有していない。
は種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体とし
て要求される基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分
に満足するものは未だ得られていないのが現状である。
電位が高く高感度で、かつ繰返し使用しても諸特性が変
化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体および
それに用いるフタロシアニン組成物を提供することであ
る。
達成すべく鋭意検討した結果、TiOPcおよびH2P
cを含有する組成物において、アシッドペースト処理し
てアモルファス化したTiOPcおよびH2Pcをラク
トン系溶媒で処理することにより、良好な電子写真特性
を有するフタロシアニン組成物を得ることに成功した。
ン類は、公知の製造方法を使用することができる。製造
方法としては、F.H.Moser、A.L.Thomas著「Phthalocyanin
e Compounds」(1963年)に製造方法が記載されており、こ
の方法に従えばフタロシアニン類は容易に得られる。T
iOPcを例にとれば、フタロジニトリルと四塩化チタ
ンとの縮合反応による製造方法、またはPB8517
2.FIAT.FINAL REPORT 1313.
Feb.1.1948や特開平1−142658号公
報、特開平1−221461号公報に記載されている、
1,3−ジイミノイソインドリンとテトラアルコキシチ
タンとの反応により製造する方法等が挙げられる。ま
た、反応に用いる有機溶媒としては、α−クロロナフタ
レン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、
メトキシナフタレン、ジフェニルナフタレン、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジクロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、
ジクロロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒が望ま
しい。
を、酸、アルカリ、アセトン、メタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ピリジ
ン、キノリン、スルホラン、α−クロロナフタレン、ト
ルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、または水等により精製して電子写真
用途に用い得る高純度のフタロシアニン類が得られる。
精製法としては、洗浄法、再結晶法、ソックスレー等の
抽出法、および熱懸濁法、昇華法等がある。また、精製
方法はこれらに限定されるものではなく、未反応物や反
応副生成物を取り除く作業であれば何れでもよい。
PcとH2Pc以外のフタロシアニン類を更に含有して
もよい。その含有してもよいフタロシアニン類として
は、それ自体公知のフタロシアニンおよびその誘導体の
何れでもよい。誘導体とは、フタロシアニンのイソイン
ドール環に置換基を有するもの、または中心金属に配位
子を有するものを挙げることができる。含有してもよい
フタロシアニン類の具体例としてはTiOPc類、H2
Pc類、バナジルフタロシアニン類、銅フタロシアニン
類、アルミニウムフタロシアニン類、ガリウムフタロシ
アニン類、インジウムフタロシアニン類、ゲルマニウム
フタロシアニン類、リチウムフタロシアニン類、ナトリ
ウムフタロシアニン類、カリウムフタロシアニン類、ジ
ルコニウムフタロシアニン類、ハフニウムフタロシアニ
ン、マグネシウムフタロシアニン類、スズフタロシアニ
ン類、亜鉛フタロシアニン類、コバルトフタロシアニン
類、ニッケルフタロシアニン類、バリウムフタロシアニ
ン類、ベリリウムフタロシアニン類、カドミウムフタロ
シアニン類、コバルトフタロシアニン類、鉄フタロシア
ニン類、シリコンフタロシアニン類、鉛フタロシアニン
類、銀フタロシアニン類、金フタロシアニン類、白金フ
タロシアニン類、ルテニウムフタロシアニン類、パラジ
ウムフタロシアニン類、無金属ナフタロシアニン類、チ
タニルナフタロシアニン類等が挙げられる。特にこの中
でもバナジルオキシフタロシアニン、クロロアルミニウ
ムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ク
ロロインジウムフタロシアニン、ジクロロゲルマニウム
フタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ヒドロキシイ
ンジウムフタロシアニン、ジヒドロキシゲルマニウムフ
タロシアニンが好ましい。
iOPcとH2Pcの比率は、重量部で50:50〜9
9:1が好ましく、70:30〜90:10がより好ま
しい。また、TiOPcとH2Pc以外のフタロシアニ
ン類の比率は、TiOPcとH2Pcとの合計100重
量部に対して、TiOPcとH2Pc以外のフタロシア
ニン類は0.1〜100重量部が好ましく、1〜40重
量部がより好ましい。
は、TiOPcおよびH2Pcそれぞれを単独で行って
も良いし、予めTiOPcとH2Pcを混合してアシッ
ドペースト処理しても良く、TiOPc、またはH2P
cのいずれか一方、または両方を1重量部に対し、1〜
100重量部の硫酸等の強酸に20℃以下、好ましくは
5℃以下に冷却しながら溶液、またはスラリーとし、そ
の液を1〜10000重量部の水等の貧溶媒に攪拌しな
がら注ぎ込んで析出させる方法であるが、貧溶媒を冷却
し、高速攪拌しながらそこにゆっくりと注ぎ込むことに
よってさらに条件良く微粒子化することができる。ま
た、アモルファス化する前のフタロシアニン類の結晶形
は、何を使用しても構わない。
残存する酸を除くには、溶媒による洗浄によって達成す
ることができる。その溶媒としては、たとえば、水、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系
溶媒、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン等のエーテル系溶媒、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、エチレングリ
コール等のグリコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル等を挙げることができる。これらは単
独、または2種以上の混合溶媒として使用することがで
きる。
させる際に適用されるラクトン系溶媒として具体的に
は、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラク
トン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−
オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカノラクト
ン、δ−デカノラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−
ウンデカラクトン、ω−ウンデカラクトン、またはω−
ペンタデカラクトン等のラクトン系溶媒を挙げることが
できる。これらは単独、または2種以上の混合溶媒とし
て使用することができる。なお、アシッドペースト処理
をTiOPcおよびH2Pc単独で行った場合には、ラ
クトン系溶媒による処理に先立って両者を混合してお
く。
させる際のフタロシアニン類とラクトン系溶媒との比
は、フタロシアニン類1重量部に対して、1〜1000
重量部が好ましいが、フタロシアニン類を分散できる範
囲であればこの範囲に限定されるものではない。
組み合わせることが可能である。組み合わせることがで
きる有機溶媒としては、水、メタノール、エタノール、
またはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトン、またはメチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、
または酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、また
は1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ま
たはN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、
エチレングリコール等のグリコール系溶媒、クロロホル
ム、ジクロロメタン、または1,2−ジクロロエタン等
のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、またはナフタレン等の芳香族炭化水素系
溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセ
トニトリル等のニトリル類を挙げることができる。これ
らは単独、または2種以上の混合溶媒として使用するこ
とができる。
く、更に攪拌しながら行うことがより好ましい。攪拌す
る方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコ
ンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパ
ーザー、または超音波分散等が挙げられるが、攪拌処理
を行えれば何でもよく、これらに限定されるものではな
い。転移に要する時間は、5秒〜120時間が好まし
く、10秒〜50時間がより好ましく、1分〜50時間
が更に好ましい。
てもよい。界面活性剤としては、カチオン系、ノニオン
系、ベタイン系、またはアニオン系の何れでもよい。添
加量としては、フタロシアニン組成物100重量部に対
して0.001〜50重量部が好ましく、0.5〜5重
量部がより好ましい。
れを用いることもできる。例えば、導電性支持体上に電
荷発生物質、電荷輸送物質、および結着剤樹脂からなる
感光層を設けた単層型の感光体がある。また、導電性支
持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生
層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層を
設けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と電
荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必
要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感
光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合は
電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けることも
できる。本発明の化合物を用いて感光体を作製する支持
体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施し
た紙やプラスチックフィルムのシート状、ドラム状、ま
たはベルト状の支持体等が使用される。
着剤樹脂としては、利用分野に応じて種々のものが挙げ
られる。例えば複写用感光体の用途では、ポリスチレン
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、酢ビ・クロトン酸共重合体樹
脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート
樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、
塩ビ樹脂等や、ポリアミド、ポリイミド等やエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。こ
れらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂
等は感光体としての電位特性に優れている。また、これ
らの樹脂は、単独、または共重合体の何れでもよく、こ
れらは単独、または2種以上の混合物として用いること
ができる。
圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良
するために、可塑性を与える物質を加えることができ
る。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、D
BP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP
等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニト
リルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの物
質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及
ぼすので、その割合は樹脂100重量部に対し20重量
部以下が好ましい。
止剤やカール防止剤等、塗工性の改良のためレベリング
剤等を必要に応じて添加することができる。
と電荷輸送物質および結着剤樹脂の混合で感光層が構成
される。電荷発生物質は結着剤樹脂100重量部に対し
1〜100重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲で
用いられる。電荷輸送物質は結着剤樹脂100重量部に
対し25〜500重量部、好ましくは50〜200重量
部の範囲で用いられる。感光層の厚さは、5〜100μ
mが好ましく、10〜40μmがより好ましい。
生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、少なくとも
電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層で構成さ
れる。電荷発生層の電荷発生物質は、結着剤樹脂100
重量部に対し10〜1000重量部、好ましくは50〜
500重量部の範囲で用いられる。電荷発生層の厚さ
は、0.01〜20μmが好ましく、0.1〜1μmが
より好ましい。電荷輸送層の電荷輸送物質は、結着剤樹
脂100重量部に対し10〜1000重量部、好ましく
は50〜500重量部の範囲で用いられる。電荷輸送層
の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μm
がより好ましい。
荷発生物質と組み合わせて使用してもよい。使用しても
良い電荷発生物質としては、トリフェニルメタン系染
料、ザンセン系染料、アクリジン系染料、チアジン系染
料、ピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チイリウ
ム系染料、シアニン系染料、スクエアリウム系染料、ピ
ロロピロール系染料、多環キノン系顔料、ペリレン系顔
料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、アゾ顔料、またはフタロシアニン類等が挙
げられる。これらは、単独、または2種以上の混合物と
して用いることができる。
物質としては、TiOPcおよびH 2Pcを含有する組
成物であり、アシッドペースト処理してアモルファス化
したTiOPcおよびH2Pcをラクトン系溶媒で処理
したフタロシアニン組成物を用いる。
には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例とし
ては、例えば特公昭34−5466号公報等に示されて
いるオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等
に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4
188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭5
5−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、
特開昭56−123544号公報等に示されているオキ
サジアゾール類、特開昭54−58445号公報に示さ
れているテトラアリールベンジジン類、特開昭58−6
5440号公報、または特開昭60−98437号公報
に示されているスチルベン類等を挙げることができる。
その中でも、本発明に使用される電荷輸送物質として
は、特開昭60−24553号公報、特開平2−967
67号公報、特開平2−183260号公報、並びに特
開平2−226160号公報に示されているヒドラゾン
類、特開平2−51162号公報、並びに特開平3−7
5660号公報に示されているスチルベン類が特に好ま
しい。また、これらは単独、または2種以上の混合物と
して用いることができる。
ラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8
−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン、または1,3,7−トリニトロジ
ベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等がある。これ
らの電荷輸送物質は単独、または2種以上の混合物とし
て用いることができる。
して、ある種の電子吸引性化合物を添加することもでき
る。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキ
ノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、または3,3′,5,5′−
テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタル
酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレフ
タラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロ
ノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、また
は4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノ
ニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリド、3
−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、また
は3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等を挙げ
ることができる。
上記の種々の添加物質を溶媒中に溶解、または分散し、
その塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥
して感光体を製造することができる。分散液を作製する
際に好ましい溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、またはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、またはメチルイソ
ブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチ
ル、または酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチ
ルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジオキソラン、ジオキサン、またはアニソール等のエー
テル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、またはN−メチル−2−ピロリ
ドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモ
ベンゼン、ヨードベンゼン、またはα−クロロナフタレ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−
ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエ
ン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、エチルベンゼン、またはクメン等の
炭化水素系溶媒を挙げることができる。特にその中で
も、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、
またはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは
単独、または2種以上の混合溶媒として用いることがで
きる。
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
00mlに溶かし、窒素雰囲気下、四塩化チタン9.0
gを滴下した。滴下終了後、240℃で加熱攪拌した。
3時間後反応を停止し、析出した結晶を濾取し、α−ク
ロロナフタレン、メタノールでよく洗浄してジクロロチ
タニルフタロシアニンを得た。このジクロロチタニルフ
タロシアニンを、濃アンモニア水150mlと共に、攪
拌下、加熱環流した。1時間後に反応を停止し、結晶を
濾取してTiOPcを17.4g得た。
した濃硫酸100mlにゆっくりと加えて溶解させた。
この溶液を冷却した氷水1000mlにゆっくり注ぎ込
んで結晶を析出させた。結晶を濾取し、中性になるまで
水で洗浄して9.3gの結晶を得た。この結晶形はCu
Kα線を用いたX線回折スペクトル(理学電機製X線回
折装置RAD−Cシステム)を測定することにより結晶
形を確認した。測定結果を図1に示す。図1より、この
結晶は結晶配列の乱れたアモルファス状態であることが
わかる。
を、H2Pc(大日精化製MCP−80)10.0gの
みに変更した以外は合成例2と同様にしてアシッドペー
スト処理を行った。その結果9.5gの結晶を得た。こ
の結晶のX線回折スペクトルを図2に示す。図2より、
この結晶は結晶配列の乱れたアモルファス状態であるこ
とがわかる。
を、合成例1で得たTiOPc8.0g、合成例3で用
いたH2Pc2.0gに変更した以外は、合成例2と同
様にしてアシッドペースト処理を行った。その結果9.
0gの結晶を得た。この結晶のX線回折スペクトルを図
3に示す。図3より、この結晶は結晶配列の乱れたアモ
ルファス状態であることがわかる。
成例3で得たアモルファス性H2Pc0.2g、γ−ブ
チロラクトン30.0gを100mlフラスコに入れ、
100℃で加熱攪拌した。2時間後に反応を停止し、室
温まで放冷した。結晶を濾取し、メタノールで洗浄し
た。その結果、0.9gの結晶を得た。この結晶のX線
回折スペクトルを図4に示し、赤外吸収スペクトル(パ
ーキン・エルマー製FT−IR、1760X)を図5に
示す。図4より、この結晶はブラッグ角が、6.7°、
7.5°、10.2°、22.3°、25.4°、2
8.6°にピークを有することが分かる。
アモルファス性H2Pc0.2gをそれぞれ0.9g、
0.1gに変更した以外は、合成例5と同様にして結晶
転移を行った。その結果、0.9gの結晶を得た。この
結晶のX線回折スペクトルを図6、赤外吸収スペクトル
を図7に示す。図6より、この結晶はブラッグ角が、
6.7°、7.5°、10.2°、22.3°、25.
4°、28.6°にピークを有することが分かる。
アモルファス性H2Pc0.2gをそれぞれ0.7g、
0.3gに変更した以外は、合成例5と同様にして結晶
転移を行った。その結果、0.9gの結晶を得た。この
結晶のX線回折スペクトルを図8、赤外吸収スペクトル
を図9に示す。図8より、この結晶はブラッグ角が、
6.7°、7.5°、10.2°、22.3°、25.
4°、28.6°にピークを有することが分かる。
アモルファス性H2Pc0.2gを合成例4で得たアモ
ルファス性フタロシアニン組成物に変更した以外は、合
成例5と同様にして結晶転移を行った。その結果、0.
9gの結晶を得た。この結晶のX線回折スペクトルは、
図4と同様であり、赤外吸収スペクトルは図5と同様で
あった。
カプロラクトン30.0gに変更した以外は、合成例5
と同様にして結晶転移を行った。その結果、0.9gの
結晶を得た。この結晶のX線回折スペクトルは、図4と
同様であり、赤外吸収スペクトルは図5と同様であっ
た。
ロロメタン30.0gで還流下加熱攪拌した以外は、合
成例5と同様にして結晶転移を行った。その結果、0.
9gの結晶を得た。この結晶のX線回折スペクトルを図
10に示す。
エチル30.0gに変更した以外は、合成例5と同様に
して結晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶を得
た。この結晶のX線回折スペクトルを図11に示す。
N,N−ジメチルホルムアミド30.0gを100ml
フラスコに入れ、100℃で加熱攪拌した。2時間後に
反応を停止し、室温まで放冷した。結晶を濾取し、メタ
ノールで洗浄した。その結果、0.9gの結晶を得た。
この結晶のX線回折スペクトルを図12に示す。
ン−ブタジエン共重合樹脂(GOODYEAR製;Plio
lite S−5D)1重量部を酢酸エチル100重量部に
混合し、レッドデビル社製のペイントコンディショナー
装置により直径1mmのガラスビーズと共に1時間分散
した。得られた分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸
着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μm
の電荷発生層を形成した。
100重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
製;Z−400)100重量部、DL−α−トコフェロ
ール(理研ビタミン製;E1000)1重量部を、テト
ラヒドロフラン2000重量部に溶解させて、この溶液
をアプリケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥
し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
て、静電記録試験装置(川口電機製EPA−8200)
を用いて電子写真特性の評価を行なった。測定条件:印
加電圧−4.7kV、スタティックNo.3(ターンテ
ーブルの回転スピードモード:10m/min )。そ
の結果、帯電電位(V0)が−723V、半減露光量
(E1/2)が0.42ルックス・秒と非常に高感度の値
を示した。
光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクル
とする繰返し使用に対する特性評価を行った。1000
回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1
回目の帯電電位(V0)−723Vに対し、1000回
目の帯電電位(V0)は−710Vであり、繰返しによ
る電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。ま
た、1回目の半減露光量(E1/2)0.42ルックス・
秒に対して1000回目の半減露光量(E1/2)は0.
42ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
成例で得たフタロシアニン組成物、TiOPc、H2P
c、または混合物に変更した以外は、実施例1と同様に
して感光体を作製した。電子写真特性を表1に示す。
く、高感度であり、繰り返し後の変化もほとんどなく優
れた特性を示したのに対し、比較例1および2より、ジ
クロロメタン、酢酸エチルを用いて結晶転移したもの
は、比較的低感度であり、帯電性も若干ではあるが、低
めであった。また、比較例3および4では、TiOP
c、またはH2Pc単独では感度が悪く、それぞれを単
純に混合した比較例5では、それぞれ単独に用いたもの
に比べ若干ではあるが感度が高くなっており、増感はし
ているものの、低感度であった。
ヒドロフラン100重量部をジルコニアビーズと共にボ
ールミルで分散した。48時間後、こうして得た分散液
に、前記構造式(1)で示される化合物50重量部、ポ
リカーボネート樹脂(三菱ガス化学製PCZ−200)
100重量部、テトラヒドロフラン700重量部を加
え、更にボールミルで30分間分散処理を行った後、ア
プリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布し、
膜厚約15μmの感光層を形成した。この様にして作製
した単層型感光体の電子写真特性を、実施例1と同様に
して評価した。ただし、印加電圧のみ+5kVに変更し
た。その結果、1回目の帯電電位(V0)+468V、
半減露光量(E1/2)0.70ルックス・秒、1000
回繰り返し後の帯電電位(V0)+478V、半減露光
量(E1/2)0.70ルックス・秒と優れた特性を示し
た。
成例で得たフタロシアニン組成物、TiOPc、H2P
c、または混合物に変更した以外は、実施例6と同様に
して感光体を作製した。電子写真特性を表2に示す。
く、高感度であり、繰り返し後の変化もほとんどなく優
れた特性を示したのに対し、比較例6および7より、ジ
クロロメタン、酢酸エチルを用いて結晶転移したもの
は、比較的低感度であった。また、比較例8および9で
は、TiOPc、またはH2Pc単独では感度が悪く、
それぞれを単純に混合した比較例10では、それぞれ単
独に用いたものに比べ感度が高くなっており、増感はし
ているものの、低感度であった。
アニン組成物を用いれば帯電電位が高く高感度で、かつ
繰返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮
できる電子写真感光体を提供することができる。
ル。
ル。
折スペクトル。
折スペクトル。
収スペクトル。
折スペクトル。
収スペクトル。
折スペクトル。
収スペクトル。
線回折スペクトル。
線回折スペクトル。
クトル。
Claims (4)
- 【請求項1】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、アシッドペースト処理してアモルファス化した
チタニルオキシフタロシアニンおよび無金属フタロシア
ニンをラクトン系溶媒で処理することを特徴とするフタ
ロシアニン組成物。 - 【請求項2】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に対する
ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.7°、7.5°、
10.2°、22.3°、25.4°、28.6°にピ
ークを有することを特徴とする請求項1に記載のフタロ
シアニン組成物。 - 【請求項3】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、チタニルオキシフタロシアニンと無金属フタロ
シアニンの比が重量比で70:30〜90:10である
請求項1、または2のいずれかに記載のフタロシアニン
組成物。 - 【請求項4】 導電性支持体上に、請求項1〜3のいず
れかに記載のフタロシアニン組成物を電荷発生物質とし
て、少なくとも1種以上含有する感光層を設けてなるこ
とを特徴とする電子写真感光体。
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JP2011225806A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-11-10 | Fujifilm Corp | 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示素子 |
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CN111471051A (zh) * | 2020-04-29 | 2020-07-31 | 广州安国科技股份有限公司 | 一种酞菁共晶及其制备方法和应用 |
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JPH0867829A (ja) * | 1994-06-22 | 1996-03-12 | Mitsubishi Chem Corp | フタロシアニン混晶体の製造方法及びフタロシアニン混晶体 |
JPH08110649A (ja) * | 1994-08-18 | 1996-04-30 | Mitsubishi Chem Corp | 電子写真感光体 |
JPH08176458A (ja) * | 1994-12-27 | 1996-07-09 | Mitsubishi Chem Corp | フタロシアニン組成物及び電子写真感光体 |
JPH08176457A (ja) * | 1994-12-22 | 1996-07-09 | Mitsubishi Chem Corp | フタロシアニン結晶の製造方法 |
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2000
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