JP2001233966A - フェノール樹脂積層板 - Google Patents

フェノール樹脂積層板

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JP2001233966A JP2000048122A JP2000048122A JP2001233966A JP 2001233966 A JP2001233966 A JP 2001233966A JP 2000048122 A JP2000048122 A JP 2000048122A JP 2000048122 A JP2000048122 A JP 2000048122A JP 2001233966 A JP2001233966 A JP 2001233966A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた難燃性及び加工性を有するフェノール
樹脂積層板を提供する。 【解決手段】 不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル
とハロゲン化物とを反応させる。ここで得られた生成物
と、フェノール類と、アルデヒド類とを反応させる。そ
してこの反応で得られたフェノール樹脂組成物を基材に
含浸して積層成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に用
いられるプリント配線材料のうちフェノール樹脂積層板
に関するものであり、具体的には紙基材フェノール樹脂
積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙基材積層板は打抜き加工性が良好であ
るため、各種民生用電子機器に広く利用されている。な
かでもフェノール樹脂積層板は、安価で量産性に優れて
いるものであるが、最近の高密度実装の進展にともな
い、より一層信頼性が要求されているものである。そし
て、このフェノール樹脂積層板については、火災に対す
る安全性の確保という観点から難燃性を向上させること
が検討されている。
【0003】上記の積層板を形成するフェノール樹脂組
成物中には、加工性を向上させるという目的で不飽和脂
肪酸などの変性剤が用いられているが、これまでにこの
ような変性剤が難燃性を向上させる上で支障となってい
ることが判明している。このようなことから、ハロゲン
化エポキシ樹脂をフェノール樹脂中に添加して難燃化さ
せる方法が採られている。
【0004】ところが、この方法で難燃性を得るために
はハロゲン化エポキシ樹脂を多量に配合させる必要があ
り、これによって積層板が硬くなり加工性が低下した
り、積層板の製造コストが増大して経済的にも不利にな
ったりするなどの問題が生じるものであった。
【0005】また、旧東ドイツ特許DD230709や
DD273640に開示されているように、上記の不飽
和脂肪酸に直接臭素分子を付加させてフェノール樹脂積
層板に難燃性を付与し、加工性と難燃性との両立を図る
ことが検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の方
法であっても、樹脂化させる工程から積層板を製造する
工程の間に臭素が脱気してしまって、実際には難燃性を
向上させることが困難であった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、優れた難燃性及び加工性を有するフェノール樹脂
積層板を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
フェノール樹脂積層板は、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪
酸エステルとハロゲン化物との反応により得られる生成
物と、フェノール類と、アルデヒド類とを反応させて得
られるフェノール樹脂組成物を、基材に含浸して積層成
形して成ることを特徴とするものである。
【0009】また請求項2の発明は、不飽和脂肪酸又は
不飽和脂肪酸エステルとハロゲン化物とフェノール類と
を反応させて得られる生成物と、アルデヒド類とを反応
させて得られるフェノール樹脂組成物を、基材に含浸し
て積層成形して成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、ハロゲン化物が下記式(1)で表されることを
特徴とするものである。
【0011】
【化2】
【0012】また請求項4の発明は、不飽和脂肪酸又は
不飽和脂肪酸エステルとフェノール類とを反応させて得
られる生成物に臭素分子を反応させた後に、臭化水素を
脱気させて得られる生成物と、アルデヒド類とを反応さ
せて得られるフェノール樹脂組成物を、基材に含浸して
積層成形して成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、ハロゲン含有率が5〜15質量%で
あることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】まず本発明において、不飽和脂肪酸又は不
飽和脂肪酸エステルとしては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、桐油、アマニ油、大豆油、ナタネ油、
ゴマ油、エノ油等を用いることができる。これらは1種
を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりするこ
とができる。
【0016】またハロゲン化物としては、特に限定され
るものではないが、式(1)で表されるものを用いるこ
とが好ましい。このものは難燃性を向上させる他に、上
記の不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルと特に反応
し易いことから、さらに加工性を高めることができるも
のである。具体的には、ブロムフェノール(R=OH,
X=Br,n=1)、ジブロモフェノール(R=OH,
X=Br,n=2)、クロロフェノール(R=OH,X
=Cl,n=1)、ジクロロフェノール(R=OH,X
=Cl,n=2)、ブロモベンゼン(R=H,X=B
r,n=1)、ジブロモベンゼン(R=H,X=Br,
n=2)等を用いることができる。これらは1種を単独
で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることがで
きる。
【0017】ここでハロゲン含有率は、紙基材を含めた
フェノール樹脂積層板全量中の5〜15質量%であるこ
とが好ましい。ハロゲン含有率が5質量%未満である
と、難燃性を十分に高めることができないおそれがあ
り、逆に15質量%を超えると、加工性が悪化するおそ
れがあるものである。
【0018】またフェノール類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、
レゾルシン、プロピルフェノール、ノニルフェノ−ル等
を用いることができる。これらは1種を単独で用いた
り、2種以上を混合して用いたりすることができる。
【0019】またアルデヒド類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、パラホルムアルデヒド、ホ
ルムアルデヒド溶液等を用いることができる。これらは
1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりす
ることができる。
【0020】そして、本発明に係るフェノール樹脂積層
板は、以下に説明する3通りの方法で、まずフェノール
樹脂組成物を調製し、次にこのものを基材に含浸させた
後、積層成形することによって得られるものである。
【0021】フェノール樹脂組成物を調製する第1の方
法は、まず上記の不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステ
ルとハロゲン化物とを反応させるものである。この反応
に用いる不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルとハロ
ゲン化物との好ましい配合比は、質量比で1:(0.6
〜1.5)である。また、この反応は酸性条件下、60
〜150℃で行うことが好ましい。ここで用いる酸性触
媒としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、
塩酸、硝酸等を挙げることができ、これらは1種を単独
で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることがで
きる。
【0022】次に上記の反応で得られた生成物に、フェ
ノール類とアルデヒド類とを加えて反応させるものであ
る。このときフェノール類は、上記の生成物100質量
部に対して、10〜70質量部であることが好ましい。
10質量部未満であると、積層板を形成する基板の強度
が低下するおそれがあり、逆に70質量部を超えると、
硬くなってパンチング加工の際クラックが発生するおそ
れがあるものである。またこのときのアルデヒド類は、
フェノール類1モルに対して、0.4〜2.0モルであ
ることが好ましい。0.4モル未満であると、未反応の
フェノールが多量に残存しフェノール臭気が多くなるお
それがあり、逆に2.0モルを超えると、ホルマリン臭
気が多くなるおそれがあるものである。そして、この反
応は塩基性条件下、50〜150℃で行うことが好まし
い。ここで用いる塩基性触媒としては、例えば、アンモ
ニア、トリメチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジ−n−プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、トリ
エタノールアミン、トリメタノールアミン、ピリジン、
ジベンジルアミン、ベンジルアミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチ
ウム等を挙げることができ、これらは1種を単独で用い
たり、2種以上を混合して用いたりすることができる。
そして、このようにしてフェノール樹脂組成物(レゾー
ル樹脂)を得ることができる。
【0023】またフェノール樹脂組成物を調製する第2
の方法は、まず上記の不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エ
ステルとハロゲン化物とフェノール類とを反応させるも
のである。この反応に用いる不飽和脂肪酸又は不飽和脂
肪酸エステルとハロゲン化物とフェノール類との好まし
い配合比は、質量比で1:(0.6〜1.5):(0.
4〜1.2)である。また、この反応は酸性条件下、6
0〜150℃で行うことが好ましい。ここで用いる酸性
触媒としては、上記と同じものを挙げることができ、1
種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりする
ことができる。
【0024】次に上記の反応で得られた生成物に、アル
デヒド類を加えて反応させるものである。このときのア
ルデヒド類は、フェノール類1モルに対して、0.4〜
2.0モルであることが好ましい。0.4モル未満であ
ると、未反応のフェノールが多量に残存しフェノール臭
気が多くなるおそれがあり、逆に2.0モルを超える
と、ホルマリン臭気が多くなるおそれがあるものであ
る。そして、この反応は塩基性条件下、50〜150℃
で行うことが好ましい。ここで用いる塩基性触媒として
は、上記と同じものを挙げることができ、1種を単独で
用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができ
る。そして、このようにしてフェノール樹脂組成物(レ
ゾール樹脂)を得ることができるものであるが、特にこ
の第2の方法は、反応の制御が容易であるため好ましい
ものである。
【0025】またフェノール樹脂組成物を調製する第3
の方法は、まず上記の不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エ
ステルとフェノール類とを反応させるものである。この
反応に用いる不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルと
フェノール類との好ましい配合比は、質量比で1:
(0.4〜1.2)である。また、この反応は酸性条件
下、60〜150℃で行うことが好ましい。ここで用い
る酸性触媒としては、上記と同じものを挙げることがで
き、1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いた
りすることができる。
【0026】次に上記の反応で得られた生成物に臭素分
子を反応させ、二重結合などの不飽和性の炭素間多重結
合に臭素を付加させた後、余分な臭化水素を脱気させる
ものである。この反応は中性条件下で行うことが好まし
い。このような反応を行うと、不飽和性の多重結合を形
成する炭素原子に臭素を結合させることができて、良好
な加工性を維持しつつ、難燃性を高めることができるも
のである。
【0027】その後、このようにして得られた生成物
に、アルデヒド類を加えて反応させるものである。この
ときのアルデヒド類は、フェノール類1モルに対して、
0.4〜2.0モルであることが好ましい。0.4モル
未満であると、未反応のフェノールが多量に残存しフェ
ノール臭気が多くなるおそれがあり、逆に2.0モルを
超えると、ホルマリン臭気が多くなるおそれがあるもの
である。そして、この反応(レゾール化反応)は、まず
トリエタノールアミン等を用いて中和し、次に塩基性条
件下、50〜150℃で行うことが好ましい。ここで用
いる塩基性触媒としては、上記と同じものを挙げること
ができ、1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用
いたりすることができる。
【0028】そして、このようにして得られたフェノー
ル樹脂組成物は、縮合水等の水を留去した後、メタノー
ル等の溶剤に溶解し、希釈することによってワニス状と
することができる。次いでこのワニスをクラフト紙など
の基材に含浸させた後、加熱乾燥させることによって溶
剤を除去すると共に、樹脂成分を半硬化(Bステージ
化)させると、レジンペーパーを得ることができるもの
である。こうして得られたレジンペーパーを1枚又は2
枚以上重ねて積層板を形成し、必要に応じてこの積層板
の片面又は両面に金属箔を重ねる。ここで用いる金属箔
としては、銅箔等を用いることができる。その後、この
積層板を金属箔と共に加熱加圧成形することによって、
フェノール樹脂積層板を得ることができるものである。
【0029】このようにして形成されるフェノール樹脂
積層板は、難燃性を付与するハロゲン化物が、難燃性以
外の特性に悪影響を及ぼさないように不飽和脂肪酸など
の変性剤と直接反応することによって、良好な加工性を
維持しつつ、難燃性を向上させることができるものであ
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1)桐油232g、パラブロモフェノール(和
光純薬製特級)395gとメタノール20gとパラトル
エンスルホン酸0.1gを四ツ口フラスコに採り、撹拌
下30分かけて65℃まで昇温し、30分反応させた
後、冷却し、これにトリエタノールアミンを0.03g
添加して中和した。生成物は暗褐色の溶液となった。こ
の生成物にフェノール136gと37%ホルムアルデヒ
ド310gとトリエチルアミン4.5gを添加し、30
分かけて90℃まで昇温し、60分反応させた後、アン
モニア1.4gを入れてさらに同温度で20分反応させ
た。続いて20kPaで80℃になるまで減圧脱水し、
常圧に戻した後、65℃でメタノール130gを添加し
て難燃性桐油変性樹脂ワニスを得た。
【0031】このワニスをクラフト紙に含浸させ、15
0℃の乾燥機で100秒間乾燥させレジンペーパーを得
た。次にこのレジンペーパーを8枚重ね、最上層に厚さ
0.035mmの銅箔を接着剤を介して配設し、これを
9.8MPa、160℃、70分間成形し1.6mmの
積層板を得た。 (実施例2)桐油232g、ブロモベンゼン(和光純薬
製特級)586gとメタノール23gとパラトルエンス
ルホン酸0.8gを実施例1と同様にして、30分かけ
て90℃まで昇温し、180分反応させた後、冷却し、
これにトリエタノールアミンを0.03g添加して中和
した。この生成物にフェノール239gと37%ホルム
アルデヒド310gとトリエチルアミン4.5gを添加
し、30分かけて90℃まで昇温し、60分反応させた
後、アンモニア2.4gを入れて20分反応させた。続
いて20kPaで80℃になるまで減圧脱水し、常圧に
戻した後、65℃でメタノール250gを添加して難燃
性桐油変性樹脂ワニスを得た。このワニスを用いて実施
例1と同様にして積層板を得た。 (実施例3)桐油232g、パラブロモフェノール39
5gとメタノール20gとフェノール136gとパラト
ルエンスルホン酸0.1gを30分かけて75℃まで昇
温し、30分反応させた後、冷却し、これにトリエタノ
ールアミンを0.03g添加して中和した。この生成物
に37%ホルムアルデヒド310gとトリエチルアミン
4.5gを添加し、30分かけて90℃まで昇温し、6
0分反応させた後、さらにアンモニア1.4gを入れて
20分反応させた。続いて20kPaで80℃になるま
で減圧脱水し、常圧に戻した後、65℃でメタノール1
30gを添加して難燃性桐油変性樹脂ワニスを得た。こ
のワニスを用いて実施例1と同様にして積層板を得た。 (実施例4)桐油232g、フェノール170gとメタ
ノール20gとパラトルエンスルホン酸0.1gを30
分かけて80℃まで昇温し、60分反応させた後、冷却
し、これにトリエタノールアミンを0.03g添加して
中和した。この反応物を氷/水バスで冷却し、10℃と
なってから、この温度を保ちながら120分かけてBr
2を294g滴下し、さらに同温度で60分撹拌した。
その後室温に戻し、減圧下生成したHBrを除去した。
系内が中性となった後、フェノール180gと37%ホ
ルムアルデヒド310gとトリエチルアミン4.5gを
添加し、30分かけて90℃まで昇温し、60分反応さ
せた後、さらにアンモニア1.4gを入れて20分反応
させた。続いて120kPaで80℃になるまで減圧脱
水し、常圧に戻した後、65℃でメタノール137gを
添加して難燃性桐油変性樹脂ワニスを得た。このワニス
を用いて実施例1と同様にして積層板を得た。 (実施例5)桐油232g、ジブロモフェノール250
gとメタノール20gとパラトルエンスルホン酸0.1
gを30分かけて65℃まで昇温し、30分反応させた
後、冷却し、これにトリエタノールアミンを0.03g
添加して中和した。生成物は暗褐色の溶液となった。こ
の生成物にフェノール240gと37%ホルムアルデヒ
ド310gとトリエチルアミン4.5gを添加し、30
分かけて90℃まで昇温し、60分反応させた後、アン
モニア1.4gを入れて20分反応させた。続いて20
kPaで80℃になるまで減圧脱水し、常圧に戻した
後、65℃でメタノール130gを添加して難燃性桐油
変性樹脂ワニスを得た。このワニスを用いて実施例1と
同様にして積層板を得た。 (比較例1)桐油232gとフェノール350gとメタ
ノール20gとパラトルエンスルホン酸2gを30分か
けて85℃まで昇温し、120分反応させた後、冷却
し、これにトリエタノールアミンを1.5g添加して中
和した。この生成物に37%ホルムアルデヒド310g
とトリエチルアミン4.5gを添加し、30分かけて9
0℃まで昇温し、60分反応させた後、さらにアンモニ
ア1.4gを入れて20分反応させた。続いて20kP
aで80℃になるまで減圧脱水し、常圧に戻した後、6
5℃でメタノール220gとテトラブロムビスフェノー
ルAグリシジルエーテル390gを添加して難燃性桐油
変性樹脂ワニスを得た。このワニスを用いて実施例1と
同様にして積層板を得た。 (比較例2)桐油に直接Brを付加した化合物を合成す
るために、桐油232gをフラスコに入れて、10〜1
5℃に冷却後、Br2を30g撹拌しながら約40分か
けて導入した。この後15℃に保ち60分撹拌し、反応
を終了した。生成物は、暗褐色でクリアーな液体として
得られた。これにフェノール170gとメタノール20
gとパラトルエンスルホン酸0.1gを30分かけて8
0℃まで昇温し、60分反応させた後、冷却し、これに
トリエタノールアミンを0.03g添加して中和した。
その後、フェノール180gと37%ホルムアルデヒド
310gとトリエチルアミン4.5gを添加し、30分
かけて90℃まで昇温したところ、ゲル化が起こりワニ
スを得ることはできなかった。ゲル化物を水で抽出した
ものをイオンクロマトで分析した結果、Brイオンが検
出されたことから、脱HBrによるノボラック反応が進
行したものと推測される。 (評価)難燃性の評価は、UL94V−0の試験法に基
づいて行った。また加工性の評価は、金型を用いて図1
に示すように、50℃で積層板1に160個の穴2を打
抜き、クラック3の発生した穴2の個数を数えて行っ
た。
【0032】
【表1】
【0033】表1にみられるように、各実施例のものは
難燃性と加工性とが共に良好であった。また比較例1の
ものは、難燃性を高めることはできたものの加工性が悪
化してしまった。
【0034】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るフ
ェノール樹脂積層板は、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸
エステルとハロゲン化物との反応により得られる生成物
と、フェノール類と、アルデヒド類とを反応させて得ら
れるフェノール樹脂組成物を、基材に含浸して積層成形
して成るので、難燃性を付与するハロゲン化物が、難燃
性以外の特性に悪影響を及ぼさないように不飽和脂肪酸
などの変性剤と直接反応することによって、良好な加工
性を維持しつつ、難燃性を向上させることができるもの
である。
【0035】また請求項2の発明は、不飽和脂肪酸又は
不飽和脂肪酸エステルとハロゲン化物とフェノール類と
を反応させて得られる生成物と、アルデヒド類とを反応
させて得られるフェノール樹脂組成物を、基材に含浸し
て積層成形して成るので、難燃性を付与するハロゲン化
物が、難燃性以外の特性に悪影響を及ぼさないように不
飽和脂肪酸などの変性剤と直接反応することによって、
良好な加工性を維持しつつ、難燃性を向上させることが
できるものである。しかも、上記のフェノール樹脂組成
物を得る反応は、容易に制御することができるものであ
る。
【0036】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、ハロゲン化物が式(1)で表されるので、難燃
性を向上させる他に、不飽和脂肪酸などの変性剤と特に
反応し易いことから、さらに加工性を高めることができ
るものである。
【0037】また請求項4の発明は、不飽和脂肪酸又は
不飽和脂肪酸エステルとフェノール類とを反応させて得
られる生成物に臭素分子を反応させた後に、臭化水素を
脱気させて得られる生成物と、アルデヒド類とを反応さ
せて得られるフェノール樹脂組成物を、基材に含浸して
積層成形して成るので、難燃性を付与する臭素が、不飽
和性の多重結合を形成する炭素原子に直接結合すること
によって、難燃性以外の特性に悪影響を及ぼすことな
く、良好な加工性を維持しつつ、難燃性を向上させるこ
とができるものである。
【0038】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、ハロゲン含有率が5〜15質量%で
あるので、優れた難燃性と加工性との両立を図ることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】穴を打抜いた後の積層板の一部を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 積層板 2 穴 3 クラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 14/04 C08G 14/04 C08L 61:14 C08L 61:14 (72)発明者 野上 晃一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 松村 昌弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA01 AB03 AB31 AD17 AD18 AH02 AH31 AJ04 AK05 AL13 4F100 AK33A AL06A AT00A BA01 DG10A DH01 EJ82A GB43 JJ07 JL01 4J033 CA02 CA03 CA11 CA12 CA13 CA37 CA46 CB12 CB14 CC02 CC04 CC07 FA01 FA02 FA08 HA07 HA13 HB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル
    とハロゲン化物との反応により得られる生成物と、フェ
    ノール類と、アルデヒド類とを反応させて得られるフェ
    ノール樹脂組成物を、基材に含浸して積層成形して成る
    ことを特徴とするフェノール樹脂積層板。
  2. 【請求項2】 不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル
    とハロゲン化物とフェノール類とを反応させて得られる
    生成物と、アルデヒド類とを反応させて得られるフェノ
    ール樹脂組成物を、基材に含浸して積層成形して成るこ
    とを特徴とするフェノール樹脂積層板。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化物が下記式(1)で表される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフェノール樹
    脂積層板。 【化1】
  4. 【請求項4】 不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル
    とフェノール類とを反応させて得られる生成物に臭素分
    子を反応させた後に、臭化水素を脱気させて得られる生
    成物と、アルデヒド類とを反応させて得られるフェノー
    ル樹脂組成物を、基材に含浸して積層成形して成ること
    を特徴とするフェノール樹脂積層板。
  5. 【請求項5】 ハロゲン含有率が5〜15質量%である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフ
    ェノール樹脂積層板。
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