JP2001226379A - フタロシアニン組成物およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
フタロシアニン組成物およびそれを用いた電子写真感光体Info
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Abstract
が高く高感度で、かつ繰返し使用しても諸特性が変化せ
ず安定した性能を発揮できる電子写真感光体およびそれ
に用いるフタロシアニン組成物を提供することである。 【解決手段】チタニルオキシフタロシアニンおよび無金
属フタロシアニンを含有する組成物において、アシッド
ペースト処理してアモルファス化した無金属フタロシア
ニンをβ形チタニルオキシフタロシアニンの存在下、溶
媒中で処理するか、またはアシッドペースト処理してア
モルファス化したチタニルオキシフタロシアニンを無金
属フタロシアニンおよびβ形チタニルオキシフタロシア
ニンの存在下、溶媒中で処理する。
Description
タロシアニンおよび無金属フタロシアニンを含有する組
成物において、アシッドペースト処理してアモルファス
化した無金属フタロシアニンをβ形チタニルオキシフタ
ロシアニンの存在下、溶媒中で処理するか、またはアシ
ッドペースト処理してアモルファス化したチタニルオキ
シフタロシアニンを無金属フタロシアニンおよびβ形チ
タニルオキシフタロシアニンの存在下、溶媒中で処理す
ることを特徴とするフタロシアニン組成物およびそれを
用いた電子写真感光体に関するものである。
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料およびそれを用いた電子写
真感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セ
レンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が
要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対し
て帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での
漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯
電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照
射後の残留電荷が少ないこと等である。
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持
し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
しては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、
アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討され、
中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、
高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、
実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料にお
いては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明ら
かになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適
の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感
光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等
の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
ー光を光源として、高速化、高画質化、ノンインパクト
化を長所としたレーザービームプリンター等が、情報処
理システムの進歩と相まって広く普及するに至り、その
要求に耐えうる材料の開発が要望されている。特にレー
ザー光の中でも近年コンパクトディスク、光ディスク等
への応用が増大し技術進歩が著しい半導体レーザーは、
コンパクトでかつ信頼性の高い光源材料としてプリンタ
ー分野でも積極的に応用されてきた。この場合の光源の
波長は780〜830nm前後であることから、近赤外
領域に高感度な特性を有する感光体の開発が強く望まれ
ている。その中で、特に近赤外領域に光吸収を有するフ
タロシアニン類を使用した感光体の開発が盛んに行われ
ている。
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
「TiOPc」と略記する)を例にとると、特開昭61
−217050号公報では、X線回折スペクトルにおけ
るブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°、10.2
°、22.3°、25.3°、28.6°に主たる回折
ピークを有するα形TiOPc、特開昭62−6709
4号公報には9.3°、10.6°、13.2°、1
5.1°、15.7°、16.1°、20.8°、2
3.3°、26.3°、27.1°に主たる回折ピーク
を有するβ形TiOPcが報告されているが、これらは
要求される高い特性を十分満足していない。
0.2°)が27.2°にピークを有するものに限って
みても、特開昭62−67094号公報に報告されてい
るII形TiOPcは帯電性に劣っており、感度も低い。
特開平1−17066号公報には9.5°、9.7°、
11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、2
7.3°に主たる回折ピークを有する、比較的良好な感
度を示すY形TiOPcが報告されているが、分散時に
他の結晶形へ転移してしまうことや分散液の経時安定性
等に問題がある。
晶、または単純に混合したものを電子写真感光体の電荷
発生物質として用いることも報告されている。例として
特開平1−142659号公報にはα形TiOPcと無
金属フタロシアニン(以下、「H2Pc」と略記する)
からなるα形TiOPc組成物が、特開平2−1701
66号公報には中心金属の異なる2種以上のフタロシア
ニンからなる混晶が、特開平2−272067号公報に
はTiOPcとH2PcからなるX形H2Pc組成物が、
特開平4−351673号公報にはTiOPcとヒドロ
キシメタルフタロシアニンの混晶結晶が、そして特開平
8−67829号公報にはX線回折スペクトルにおける
ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.8°、7.4°、
15.0°、24.7°、26.2°、27.2°に主
たる回折ピークを有するTiOPcとH2Pcの混晶体
が報告されている。しかし、これらも要求される特性を
有していない。
は種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体とし
て要求される基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分
に満足するものは未だ得られていないのが現状である。
電位が高く高感度で、かつ繰返し使用しても諸特性が変
化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体および
それに用いるフタロシアニン組成物を提供することであ
る。
達成すべく鋭意検討した結果、TiOPcおよびH2P
cを含有する組成物において、アシッドペースト処理し
てアモルファス化したH2Pcをβ形TiOPcの存在
下、溶媒中で処理するか、またはアシッドペースト処理
してアモルファス化したTiOPcをH2Pcおよびβ
形TiOPcの存在下、溶媒中で処理することにより、
良好な電子写真特性を有するフタロシアニン組成物を得
ることに成功した。
ン類は、公知の製造方法を使用することができる。製造
方法としては、F.H.Moser、A.L.Thomas著「Phthalocyanin
e Compounds」(1963年)に製造方法が記載されており、こ
の方法に従えばフタロシアニン類は容易に得られる。T
iOPcを例にとれば、フタロジニトリルと四塩化チタ
ンとの縮合反応による製造方法、またはPB8517
2.FIAT.FINAL REPORT 1313.
Feb.1.1948や特開平1−142658号公
報、特開平1−221461号公報に記載されている、
1,3−ジイミノイソインドリンとテトラアルコキシチ
タンとの反応により製造する方法等が挙げられる。ま
た、反応に用いる有機溶媒としては、α−クロロナフタ
レン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、
メトキシナフタレン、ジフェニルナフタレン、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジクロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、
ジクロロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒が望ま
しい。
を、酸、アルカリ、アセトン、メタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ピリジ
ン、キノリン、スルホラン、α−クロロナフタレン、ト
ルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、または水等により精製して電子写真
用途に用い得る高純度のフタロシアニン類が得られる。
精製法としては、洗浄法、再結晶法、ソックスレー等の
抽出法、および熱懸濁法、昇華法等がある。また、精製
方法はこれらに限定されるものではなく、未反応物や反
応副生成物を取り除く作業であれば何れでもよい。
PcとH2Pc以外のフタロシアニン類を更に含有して
もよい。その含有してもよいフタロシアニン類として
は、それ自体公知のフタロシアニンおよびその誘導体の
何れでもよい。誘導体とは、フタロシアニンのイソイン
ドール環に置換基を有するもの、または中心金属に配位
子を有するものを挙げることができる。含有してもよい
フタロシアニン類の具体例としてはH2Pc類、TiO
Pc類、バナジルフタロシアニン類、銅フタロシアニン
類、アルミニウムフタロシアニン類、ガリウムフタロシ
アニン類、インジウムフタロシアニン類、ゲルマニウム
フタロシアニン類、リチウムフタロシアニン類、ナトリ
ウムフタロシアニン類、カリウムフタロシアニン類、ジ
ルコニウムフタロシアニン類、ハフニウムフタロシアニ
ン、マグネシウムフタロシアニン類、スズフタロシアニ
ン類、亜鉛フタロシアニン類、コバルトフタロシアニン
類、ニッケルフタロシアニン類、バリウムフタロシアニ
ン類、ベリリウムフタロシアニン類、カドミウムフタロ
シアニン類、コバルトフタロシアニン類、鉄フタロシア
ニン類、シリコンフタロシアニン類、鉛フタロシアニン
類、銀フタロシアニン類、金フタロシアニン類、白金フ
タロシアニン類、ルテニウムフタロシアニン類、パラジ
ウムフタロシアニン類、無金属ナフタロシアニン類、チ
タニルナフタロシアニン類等が挙げられる。特にこの中
でもバナジルオキシフタロシアニン、クロロアルミニウ
ムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ク
ロロインジウムフタロシアニン、ジクロロゲルマニウム
フタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ヒドロキシイ
ンジウムフタロシアニン、ジヒドロキシゲルマニウムフ
タロシアニンが好ましい。
iOPcとH2Pcの比率は、重量部で50:50〜9
9:1が好ましく、70:30〜90:10がより好ま
しい。また、TiOPcとH2Pc以外のフタロシアニ
ン類の比率は、TiOPcとH2Pcとの合計100重
量部に対して、TiOPcとH2Pc以外のフタロシア
ニン類は0.1〜100重量部が好ましく、1〜40重
量部がより好ましい。
は、TiOPc、またはH2Pcのいずれか一方、また
は両方を1重量部に対し、1〜100重量部の硫酸等の
強酸に20℃以下、好ましくは5℃以下に冷却しながら
溶液、またはスラリーとし、その液を1〜10000重
量部の水等の貧溶媒に攪拌しながら注ぎ込んで析出させ
る方法であるが、貧溶媒を冷却し、高速攪拌しながらそ
こにゆっくりと注ぎ込むことによってさらに条件良く微
粒子化することができる。また、アモルファス化する前
のフタロシアニン類の結晶形は、何を使用しても構わな
い。
残存する酸を除くには、溶媒による洗浄によって達成す
ることができる。その溶媒としては、たとえば、水、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系
溶媒、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン等のエーテル系溶媒、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、エチレングリ
コール等のグリコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル等を挙げることができる。これらは単
独、または2種以上の混合溶媒として使用することがで
きる。
させる際に予め加えておくβ形TiOPcは、β形Ti
OPcであれば何でもよく、その原料や合成方法、β形
TiOPcへの結晶転移の方法は特に問わないが、アモ
ルファス化したTiOPcをN−メチル−2−ピロリド
ン、または1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンで
処理するか、もしくは、アシッドペースト処理してアモ
ルファス化した後に、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドンおよびジメチルスルホキシドから選ばれる溶媒の
少なくとも1種以上による洗浄を行ったチタニルオキシ
フタロシアニンを水と芳香族化合物を含有する溶媒中で
処理することにより得られたものを使用するのが好まし
い。
させる際に予め加えておくβ形TiOPcの量は、全T
iOPcの重量に対し、アシッドペースト処理してアモ
ルファス化したH2Pcを使用する場合においては、1
〜100%が好ましく、10〜100%がより好まし
く、アシッドペースト処理してアモルファス化したH2
Pcを使用しない場合においては、1〜99%が好まし
く、10〜90%がより好ましい。
させる際に適用される溶媒として具体的には、メタノー
ル、エタノール、またはイソプロピルアルコール等のア
ルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、また
はメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチ
ル、酢酸エチル、または酢酸n−ブチル等のエステル系
溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、またはアニソ
ール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、またはN−メチル
−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、
クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロ
エタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロ
ロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、またはα−クロ
ロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペン
タン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジ
エン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロ
ヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m
−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、またはク
メン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これら
は単独、または2種以上の混合溶媒として使用すること
ができる。
させる際のフタロシアニン類と溶媒との比は、フタロシ
アニン類1重量部に対して、0.1〜100重量部が好
ましいが、フタロシアニン類を分散できる範囲であれば
この範囲に限定されるものではない。
させる際に水とともに適用される芳香族化合物の具体例
としては、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、m−ター
フェニル、またはクメン等の芳香族炭化水素系化合物、
クロロベンゼン、ブロモベンゼン、またはo−ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系化合物、ベン
ゾチオフェン、ベンゾフラン、またはN−エチルカルバ
ゾール等の芳香族ヘテロ環化合物を挙げることができ
る。これらの芳香族化合物は、常温で液体状態、または
固体状態の何れを形成していてもよいが、融点が100
℃以下であることが好ましい。これらは単独、または2
種以上の混合物として使用することができる。
み合わせることが可能である。組み合わせることができ
る有機溶媒としては、前述のアルコール系溶媒、ケトン
系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶
媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素
系溶媒を挙げることができる。これらは単独、または2
種以上の混合溶媒として使用することができる。
の、フタロシアニン類と水の比は、フタロシアニン類1
重量部に対して、2〜100重量部が好ましいが、フタ
ロシアニン類を分散できる範囲であれば、この範囲に限
定されるものではない。同様に、フタロシアニン類と芳
香族化合物の比は、フタロシアニン類100重量部に対
して、芳香族化合物10〜5000重量部が好ましく、
50〜500重量部がより好ましい。また、芳香族化合
物と有機溶媒を併用して結晶転移する場合、芳香族化合
物と有機溶媒の比は、芳香族化合物100重量部に対し
て、1000重量部以下が好ましく、200重量部以下
がより好ましい。
く、更に攪拌しながら行うことがより好ましい。攪拌す
る方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコ
ンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパ
ーザー、または超音波分散等が挙げられるが、攪拌処理
を行えれば何でもよく、これらに限定されるものではな
い。転移に要する時間は、5秒〜120時間が好まし
く、10秒〜50時間がより好ましく、1分〜50時間
が更に好ましい。
てもよい。界面活性剤としては、カチオン系、ノニオン
系、またはアニオン系の何れでもよい。添加量として
は、フタロシアニン組成物100重量部に対して0.0
01〜50重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより
好ましい。
れを用いることもできる。例えば、導電性支持体上に電
荷発生物質、電荷輸送物質、および結着剤樹脂からなる
感光層を設けた単層型の感光体がある。また、導電性支
持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生
層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層を
設けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と電
荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必
要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感
光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合は
電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けることも
できる。本発明の化合物を用いて感光体を作製する支持
体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施し
た紙やプラスチックフィルムのシート状、ドラム状、ま
たはベルト状の支持体等が使用される。
着剤樹脂としては、利用分野に応じて種々のものが挙げ
られる。例えば複写用感光体の用途では、ポリスチレン
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、酢ビ・クロトン酸共重合体樹
脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート
樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、
塩ビ樹脂等や、ポリアミド、ポリイミド等やエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。こ
れらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂
等は感光体としての電位特性に優れている。また、これ
らの樹脂は、単独、または共重合体の何れでもよく、こ
れらは単独、または2種以上の混合物として用いること
ができる。
圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良
するために、可塑性を与える物質を加えることができ
る。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、D
BP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP
等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニト
リルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの物
質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及
ぼすので、その割合は樹脂100重量部に対し20重量
部以下が好ましい。
止剤やカール防止剤等、塗工性の改良のためレベリング
剤等を必要に応じて添加することができる。
と電荷輸送物質および結着剤樹脂の混合で感光層が構成
される。電荷発生物質は結着剤樹脂100重量部に対し
1〜100重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲で
用いられる。電荷輸送物質は結着剤樹脂100重量部に
対し25〜500重量部、好ましくは50〜200重量
部の範囲で用いられる。感光層の厚さは、5〜100μ
mが好ましく、10〜40μmがより好ましい。
生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、少なくとも
電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層で構成さ
れる。電荷発生層の電荷発生物質は、結着剤樹脂100
重量部に対し10〜1000重量部、好ましくは50〜
500重量部の範囲で用いられる。電荷発生層の厚さ
は、0.01〜20μmが好ましく、0.1〜1μmが
より好ましい。電荷輸送層の電荷輸送物質は、結着剤樹
脂100重量部に対し10〜1000重量部、好ましく
は50〜500重量部の範囲で用いられる。電荷輸送層
の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μm
がより好ましい。
荷発生物質と組み合わせて使用してもよい。使用しても
良い電荷発生物質としては、トリフェニルメタン系染
料、ザンセン系染料、アクリジン系染料、チアジン系染
料、ピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チイリウ
ム系染料、シアニン系染料、スクエアリウム系染料、ピ
ロロピロール系染料、多環キノン系顔料、ペリレン系顔
料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、アゾ顔料、またはフタロシアニン類等が挙
げられる。これらは、単独、または2種以上の混合物と
して用いることができる。
物質としては、TiOPcおよびH 2Pcを含有する組
成物であり、アシッドペースト処理してアモルファス化
したH2Pcをβ形TiOPcの存在下、溶媒中で処理
するか、またはアシッドペースト処理してアモルファス
化したTiOPcをH2Pcおよびβ形TiOPcの存
在下、溶媒中で処理したフタロシアニン組成物を用い
る。
には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例とし
ては、例えば特公昭34−5466号公報等に示されて
いるオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等
に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4
188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭5
5−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、
特開昭56−123544号公報等に示されているオキ
サジアゾール類、特開昭54−58445号公報に示さ
れているテトラアリールベンジジン類、特開昭58−6
5440号公報、または特開昭60−98437号公報
に示されているスチルベン類等を挙げることができる。
その中でも、本発明に使用される電荷輸送物質として
は、特開昭60−24553号公報、特開平2−967
67号公報、特開平2−183260号公報、並びに特
開平2−226160号公報に示されているヒドラゾン
類、特開平2−51162号公報、並びに特開平3−7
5660号公報に示されているスチルベン類が特に好ま
しい。また、これらは単独、または2種以上の混合物と
して用いることができる。
ラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8
−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン、または1,3,7−トリニトロジ
ベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等がある。これ
らの電荷輸送物質は単独、または2種以上の混合物とし
て用いることができる。
して、ある種の電子吸引性化合物を添加することもでき
る。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキ
ノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、または3,3′,5,5′−
テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタル
酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレフ
タラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロ
ノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、また
は4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノ
ニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリド、3
−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、また
は3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等を挙げ
ることができる。
上記の種々の添加物質を溶媒中に溶解、または分散し、
その塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥
して感光体を製造することができる。分散液を作製する
際に好ましい溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、またはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、またはメチルイソ
ブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチ
ル、または酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチ
ルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジオキソラン、ジオキサン、またはアニソール等のエー
テル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、またはN−メチル−2−ピロリ
ドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモ
ベンゼン、ヨードベンゼン、またはα−クロロナフタレ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−
ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエ
ン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、エチルベンゼン、またはクメン等の
炭化水素系溶媒を挙げることができる。特にその中で
も、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、
またはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは
単独、または2種以上の混合溶媒として用いることがで
きる。
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
00mlに溶かし、窒素雰囲気下、四塩化チタン9.0
gを滴下した。滴下終了後、240℃で加熱攪拌した。
3時間後反応を停止し、析出した結晶を濾取し、α−ク
ロロナフタレン、メタノールでよく洗浄してジクロロチ
タニルフタロシアニンを得た。このジクロロチタニルフ
タロシアニンを、濃アンモニア水150mlと共に、攪
拌下、加熱環流した。1時間後に反応を停止し、結晶を
濾取してTiOPcを17.4g得た。得られた結晶形
はCuKα線を用いたX線回折スペクトル(理学電機製
X線回折装置RAD−Cシステム)を測定することによ
り結晶形を確認した。測定結果を図1に示す。
冷却した濃硫酸100mlにゆっくりと加えて溶解させ
た。この溶液を冷却した氷水1000mlにゆっくり注
ぎ込んで結晶を析出させた。結晶を濾取し、中性になる
まで水で洗浄して9.4gの結晶を得た。この結晶のX
線回折スペクトルを図2に示す。図2より、この結晶は
結晶配列の乱れたアモルファス状態であることがわか
る。
日精化製MCP−80)10.0gのみに変更した以外
は合成例2と同様にしてアシッドペースト処理を行っ
た。その結果9.5gの結晶を得た。この結晶のX線回
折スペクトルを図3に示す。図3より、この結晶は結晶
配列の乱れたアモルファス状態であることがわかる。
冷却した濃硫酸100mlにゆっくりと加えて溶解させ
た。この溶液を冷却した氷水1000mlにゆっくり注
ぎ込んで結晶を析出させた。結晶を濾取し、中性になる
まで水で洗浄した後、N,N−ジメチルホルムアミド5
00mlで30分間室温で攪拌し、更に水500mlで
30分間室温で攪拌し、9.4gの結晶を得た。この結
晶のX線回折スペクトルを図4に示す。図4より、この
結晶は結晶配列の乱れたアモルファス状態であることが
わかる。
水280.0gを1000mlフラスコに入れ、90℃
で加熱攪拌した。10分後、ナフタレン20.0gを添
加し、引き続き同温で加熱攪拌した。1時間後に反応を
停止し室温まで放冷した。結晶を濾取し、メタノールで
洗浄した。その結果、9.2gの結晶が得られた。得ら
れた結晶のX線回折スペクトルを図5に示す。図5よ
り、この結晶形はブラッグ角が9.3°、10.5°、
12.4°、13.2°、15.1°、15.6°、1
6.0°、20.7°、23.2°、25.5°、2
6.2°、27.2°にピークを有するβ形TiOPc
であることがわかる。
N,N−ジメチルホルムアミド280.0gを1000
mlフラスコに入れ、100℃で加熱攪拌した。2時間
後に攪拌を停止し室温まで放冷した。結晶を濾取し、メ
タノールで洗浄した。その結果、9.0gの結晶が得ら
れた。得られた結晶のX線回折スペクトルを図6に示
す。
例5で得たβ形TiOPc0.8g、N,N−ジメチル
ホルムアミド28.0gを100mlフラスコに入れ、
100℃で加熱攪拌した。2時間後に攪拌を停止し室温
まで放冷した。結晶を濾取し、メタノールで洗浄した。
その結果、0.9gの結晶が得られた。得られた結晶の
X線回折スペクトルを図7に示し、赤外吸収スペクトル
(パーキン・エルマー製FT−IR、1760X)を図
8に示す。図7より、この結晶形はブラッグ角が7.0
°、9.0°、9.3°、10.5°、13.1°、2
0.7°、26.2°、27.2°にピークを有してい
ることがわかる。また、図8より、赤外吸収スペクトル
における吸収ピークは、1333.0cm-1、112
0.5cm-1、1070.0cm-1、963.0c
m-1、894.0cm-1、785.0cm-1、752.
0cm-1、732.0cm-1にピークを示すことがわか
る。
得たアモルファス性TiOPc0.70g、合成例5で
得たβ形TiOPc0.10gに変更した以外は、合成
例6と同様にして結晶転移を行った。その結果、0.9
gの結晶が得られた。この結晶のX線回折スペクトルは
図7と同様であり、赤外吸収スペクトルは図8と同様で
あった。
0gをN−メチル−2−ピロリドン28.0gに変更し
た以外は合成例7と同様にして結晶転移を行った。その
結果、0.9gの結晶が得られた。この結晶のX線回折
スペクトルは図7と同様であり、赤外吸収スペクトルは
図8と同様であった。
例2で得たアモルファス性TiOPc0.7g、合成例
5で得たβ形TiOPc0.1gを水28.0gととも
に100mlフラスコに入れ、100℃で加熱攪拌し
た。10分後、ナフタレン2.0gを加え、さらに同温
で攪拌した。2時間後に攪拌を停止し室温まで放冷し
た。結晶を濾取し、メタノールで洗浄した。その結果、
0.9gの結晶が得られた。この結晶のX線回折スペク
トルは図7と同様であり、赤外吸収スペクトルは図8と
同様であった。
アモルファス性TiOPc0.7gをそれぞれ0.1
g、0.8gに変更した以外は、合成例10と同様にし
て結晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶が得ら
れた。この結晶のX線回折スペクトルを図9に示し、赤
外吸収スペクトルを図10に示す。図9より、この結晶
形はブラッグ角が7.0°、9.0°、9.3°、1
0.5°、13.1°、20.7°、26.2°、2
7.2°にピークを有していることがわかる。また、図
10より、赤外吸収スペクトルにおける吸収ピークは、
1333.0cm-1、1120.0cm-1、1070.
0cm-1、963.0cm-1、894.0cm-1、78
4.0cm-1、752.5cm-1、733.0cm-1に
ピークを示すことがわかる。
アモルファス性TiOPc0.7gをそれぞれ0.3
g、0.6gに変更した以外は、合成例10と同様にし
て結晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶が得ら
れた。この結晶のX線回折スペクトルを図11に示し、
赤外スペクトルを図12に示す。図11より、この結晶
形はブラッグ角が7.0°、9.0°、9.3°、1
0.5°、13.1°、20.7°、26.2°、2
7.2°にピークを有していることがわかる。また、図
12より、赤外吸収スペクトルにおける吸収ピークは、
1333.0cm-1、1120.0cm-1、1069.
5cm-1、963.0cm-1、894.0cm-1、78
5.0cm-1、752.0cm-1、730.5cm-1に
ピークを示すことがわかる。
アモルファス性TiOPc0.7gをそれぞれ0.7
g、0.2gに変更した以外は、合成例10と同様にし
て結晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶が得ら
れた。この結晶のX線回折スペクトルを図13に示し、
赤外スペクトルを図14に示す。図13より、この結晶
形はブラッグ角が7.0°、9.0°、9.3°、1
0.5°、13.1°、20.7°、26.2°、2
7.2°にピークを有していることがわかる。また、図
14より、赤外吸収スペクトルにおける吸収ピークは、
1334.0cm-1、1120.0cm-1、1071.
0cm-1、964.0cm-1、874.0cm-1、78
0.5cm-1、752.0cm-1、730.0cm-1に
ピークを示すことがわかる。
ベンゼン2.0gに変更した以外は、合成例10と同様
にして結晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶が
得られた。この結晶のX線回折スペクトルは図7と同様
であり、赤外吸収スペクトルは図8と同様であった。
1.0gとエチルシクロヘキサン1.0gに変更した以
外は、合成例10と同様にして結晶転移を行った。その
結果、0.9gの結晶が得られた。この結晶のX線回折
スペクトルは図7と同様であり、赤外吸収スペクトルは
図8と同様であった。
ン−ブタジエン共重合樹脂(GOODYEAR製;Plio
lite S−5D)1重量部を酢酸エチル100重量部に
混合し、レッドデビル社製のペイントコンディショナー
装置により直径1mmのガラスビーズと共に1時間分散
した。得られた分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸
着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μm
の電荷発生層を形成した。
100重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
製;Z−400)100重量部、DL−α−トコフェロ
ール(理研ビタミン製;E1000)1重量部を、テト
ラヒドロフラン2000重量部に溶解させて、この溶液
をアプリケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥
し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
て、静電記録試験装置(川口電機製EPA−8200)
を用いて電子写真特性の評価を行なった。測定条件:印
加電圧−4.7kV、スタティックNo.3(ターンテ
ーブルの回転スピードモード:10m/min )。そ
の結果、帯電電位(V0)が−753V、半減露光量
(E1/2)が0.59ルックス・秒と非常に高感度の値
を示した。
光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクル
とする繰返し使用に対する特性評価を行った。1000
回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1
回目の帯電電位(V0)−753Vに対し、1000回
目の帯電電位(V0)は−740Vであり、繰返しによ
る電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。ま
た、1回目の半減露光量(E1/2)0.59ルックス・
秒に対して1000回目の半減露光量(E1/2)は0.
59ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
成例で得たフタロシアニン組成物、TiOPc、H2P
c、または混合物に変更した以外は、実施例1と同様に
して感光体を作製した。電子写真特性を表1に示す。
はH2Pc単独では感度が悪く、それぞれを単純に混合
した比較例3では、それぞれ単独に用いたものに比べ感
度が高くなっており、増感はしているものの、低感度で
あった。
ラヒドロフラン100重量部をジルコニアビーズと共に
ボールミルで分散した。48時間後、こうして得た分散
液に、前記構造式(1)で示される化合物50重量部、
ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製PCZ−20
0)100重量部、テトラヒドロフラン700重量部を
加え、更にボールミルで30分間分散処理を行った後、
アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布
し、膜厚約15μmの感光層を形成した。この様にして
作製した単層型感光体の電子写真特性を、実施例1と同
様にして評価した。ただし、印加電圧のみ+5kVに変
更した。その結果、1回目の帯電電位(V0)+444
V、半減露光量(E1/2)0.70ルックス・秒、10
00回繰り返し後の帯電電位(V0)+421V、半減
露光量(E1/2)0.71ルックス・秒と優れた特性を
示した。
成例5で得たTiOPc4重量部、合成例6で得たH2
Pc1重量部に変更した以外は、実施例10と同様にし
て感光体を作製した。その感光体を評価したところ、帯
電電位(V0)は+333Vと帯電電位が低く、半減露
光量(E1/2)は1.06ルックス・秒と低感度であっ
た。
アニン組成物を用いれば帯電電位が高く高感度で、かつ
繰返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮
できる電子写真感光体を提供することができる。
ル。
ル。
ル。
ル。
ル。
ル。
折スペクトル。
収スペクトル。
回折スペクトル。
外吸収スペクトル。
線回折スペクトル。
外吸収スペクトル。
線回折スペクトル。
外吸収スペクトル。
Claims (6)
- 【請求項1】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、アシッドペースト処理してアモルファス化した
無金属フタロシアニンをβ形チタニルオキシフタロシア
ニンの存在下、溶媒中で処理することを特徴とするフタ
ロシアニン組成物。 - 【請求項2】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、アシッドペースト処理してアモルファス化した
チタニルオキシフタロシアニンを無金属フタロシアニン
およびβ形チタニルオキシフタロシアニンの存在下、溶
媒中で処理することを特徴とするフタロシアニン組成
物。 - 【請求項3】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、アシッドペースト処理してアモルファス化した
チタニルオキシフタロシアニンを無金属フタロシアニン
およびβ形チタニルオキシフタロシアニンの存在下、水
と芳香族化合物を含有する溶媒中で処理することを特徴
とするフタロシアニン組成物。 - 【請求項4】 チタニルオキシフタロシアニンおよび無
金属フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物に
おいて、CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に対する
ブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、9.0°、
9.3°、10.5°、13.1°、20.7°、2
6.2°、27.2°にピークを有することを特徴とす
る請求項1〜3のいずれかに記載のフタロシアニン組成
物。 - 【請求項5】 チタニルオキシフタロシアニンと無金属
フタロシアニンを含有するフタロシアニン組成物におい
て、チタニルオキシフタロシアニンと無金属フタロシア
ニンの比が重量比で70:30〜90:10である請求
項1〜4のいずれかに記載のフタロシアニン組成物。 - 【請求項6】 導電性支持体上に、請求項1〜5のいず
れかに記載のフタロシアニン組成物を電荷発生物質とし
て、少なくとも1種以上含有する感光層を設けてなるこ
とを特徴とする電子写真感光体。
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