JP2001221023A - エンジンのデコンプ装置 - Google Patents
エンジンのデコンプ装置Info
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Abstract
する構造を採りながら、カム軸が塑性変形することがな
いとともにデコンプレバーが円滑に回動するデコンプ装
置を提供する。 【解決手段】 デコンプレバー支持用のピン4の軸線方
向の中央部を圧入部とするとともに、このピン4の両端
部と、このピン4を圧入するカム軸2のピン孔21との
間に隙間を形成した。
Description
レバーでロッカーアームをカムの代わりに押圧するエン
ジンのデコンプ装置に関するものである。
プ装置としては、カム軸の排気弁用カムの上方近傍にデ
コンプレバーをカム軸の軸線とは直交する軸線回りに回
動自在に取付け、このデコンプレバーによってエンジン
始動時にロッカーアームをカムの代わりに押圧するよう
にしたものがある。前記デコンプレバーは、平面視コ字
状に形成し、互いに平行な二辺の中央部分をカム軸にピ
ンを介して枢支させ、前記二辺の一端どうしを互いに接
続する部位(以下、この部位を押圧子という)が重力で
排気弁用カムの基礎円部の軸方向端面に上方から当接す
るようにしている。
状態(エンジン始動時の状態)では、この押圧子がロッ
カーアームのスリッパにカムの基礎円部の代わりに接触
する。また、前記二辺の他端側は、前記押圧子との重量
バランスをとるための遠心ウェイトを構成している。前
記ピンは、外径が全域にわたって一定になるように形成
し、カム軸に両端部がカム軸から突出するように圧入に
よって固定している。この両端部の突出部分にデコンプ
レバーを回動自在に支持させている。ピンを圧入するカ
ム軸のピン孔は、一定の孔径でカム軸を貫通するように
形成している。
おいては、エンジン始動時であってクランキング開始か
らエンジンが始動するまでの間に前記押圧子が前記スリ
ッパに接触することにより、圧縮行程で排気弁が僅かに
開いた状態に維持されてエンジンの圧縮力が低減され
る。このため、ハンドスタータによる始動時の負荷が軽
減される。エンジン始動後は、デコンプレバーが遠心力
によって枢支部を中心にしてカム軸に対して回動し、押
圧子がスリッパの側方へ移動してスリッパがカムの全域
に摺接するようになる。この結果、デコンプ装置による
いわゆる圧縮抜けの現象が解消されてエンジンの回転が
正常になる。
たように構成した従来のデコンプ装置においては、デコ
ンプレバー支持用のピンをカム軸に圧入するときに、圧
入荷重によってカム軸が僅かに塑性変形してしまうとい
う問題があった。塑性変形が起こるのは、前記ピンの圧
入を冷間で実施しなければならず、圧入荷重が相対的に
大きくなることと、圧入部の近傍にはカムやジャーナル
部が形成されているために、カム軸における圧入時に支
える部位が圧入部から大きく離間してしまい、カム軸に
作用する曲げモーメントが大きくなることが原因であ
る。熱間圧入を行うと、カム表面の硬化処理層が変質し
てしまうおそれがある。
コンプレバーとの間に製造時に発生した切削屑や、長期
にわたって使用することにより発生した摩耗粉などが固
着することがあり、これらの異物によってデコンプレバ
ーが回動し難くなるという問題もあった。
になされたもので、カム軸にデコンプレバー支持用のピ
ンを圧入する構造を採りながら、カム軸が塑性変形する
ことがなく、しかもデコンプレバーが円滑に回動するコ
ンプ装置を提供することを目的とする。
め、本発明に係るエンジンのデコンプ装置は、デコンプ
レバー支持用のピンの軸線方向の中央部を圧入部とする
とともに、このピンの両端部と、このピンを圧入するカ
ム軸のピン孔との間に隙間を形成したものである。本発
明によれば、圧入部の長さが短縮されて圧入時の荷重を
低減することができる。また、デコンプレバー支持用の
ピンの両端部とピン孔との間の隙間にオイルが保持され
るから、カム軸の回転上昇に伴って前記オイルが遠心力
で前記隙間から噴出されるように勢いよく流出し、デコ
ンプレバーの内面にかかるようになる。
明に係るエンジンのデコンプ装置の一実施の形態を図1
ないし図6によって詳細に説明する。図1は本発明に係
るエンジンのデコンプ装置を示す正面図で、同図(a)
はエンジン始動時の状態を示し、同図(b)はエンジン
始動後の状態を示す。図2はピンの正面図、図3はカム
軸におけるピン孔部分の断面図で、同図は図1(a)に
おけるカム軸のIII−III線断面図である。、図4はピン
を圧入したカム軸の断面図、図5はデコンプレバーを組
付けたカム軸の断面図である。図6はデコンプレバーを
示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、
同図(c)は底面図、同図(d)は正面図である。
は、この実施の形態によるデコンプ装置である。このデ
コンプ装置1は、図示していない船外機用2気筒エンジ
ンのカム軸2に設けるもので、カム軸2にデコンプレバ
ー3をピン4によって回動自在に取付けた構造を採って
いる。このカム軸2は、図1に示すように、軸線方向が
上下方向を指向する状態でシリンダヘッド(図示せず)
に回転自在に支持させている。図1の上側が上下方向の
上側である。
定形状に成形することによって、気筒毎の吸気弁用カム
5および排気弁用カム6を軸部7に一体に形成してい
る。また、このカム軸2は、両端部と上下方向の中央部
にジャーナル部を形成している。両端部のジャーナル部
を符号2a,2bで示し、中央部のジャーナル部を符号
2cで示す。この実施の形態では、吸気弁用カム5を排
気弁用カム6の上側に形成し、排気弁用カム6の下方近
傍に本発明に係るデコンプ装置1を配設している。
に、互いに平行な2枚のレバー本体11,11と、これ
らのレバー本体11の一端部どうしを互いに結合する押
圧子12とによって平面視においてコ字状に形成し、レ
バー本体11の長手方向の中央部を支持用ピン4によっ
てカム軸2に上下方向に回動自在に支持させている。ま
た、このデコンプレバー3は、前記レバー本体11にお
ける押圧子12とは反対側の端部に遠心ウェイト13を
一体に形成し、カム軸2が停止している状態(エンジン
停止時の状態)では、前記遠心ウェイト13の重量で支
持用ピン4を中心にして回動し、押圧子12が排気弁用
カム6の基礎円部6aに当接する構造を採っている。
ウェイト13との間に支持用ピン4を挿通させるための
円形孔14{図6(b)参照}を穿設している。前記押
圧子12は、図1(a)に示すように、前記基礎円部6
aに当接している状態では基礎円部6aより側方(カム
軸2の径方向の外方)へ突出し、排気弁用ロッカーアー
ム15のスリッパ15aを押圧するように形成してい
る。この実施の形態では、押圧子12の上面に突起16
を突設し、この突起16が前記基礎円部6aに下方から
当接するようにしている。
接する部位(下側の端面の一部)を他の部位より下方に
突出するように形成している。基礎円部6aの前記突出
部分を図3、図4および図5中に符号17で示す。この
基礎円部6aに押圧子12が当接している状態からカム
軸2が回転し、遠心ウェイト13と押圧子12とに遠心
力が作用することによって、このデコンプレバー3は前
記押圧子12が下方へ移動するように支持用ピン4を中
心にして回動する。
のうち一方には、図1(b)に示すように、遠心力でデ
コンプレバー3が回動するときの回動範囲を規制するた
めのストッパー18を一体に形成している。このストッ
パー18は、支持用ピン4の近傍であって、デコンプレ
バー3が遠心力で回動する方向(押圧子12が下がる方
向)の前側に配設し、排気弁用カム6とはデコンプレバ
ー3を挟んで反対側に設けた円板状凸部19に当接する
ようにしている。この円板状凸部19には、前記遠心ウ
ェイト13を収容するための切欠き19aを形成してい
る。
ン4は、図2に示すように、一端から他端まで外径が一
定な丸棒からなり、カム軸2に圧入によって固定してい
る。このピン4を圧入するカム軸2のピン孔21は、図
3に示すように、カム軸2の軸部7を貫通するように穿
設しており、両端部21aを中央部21bより径が大き
くなるように形成している。このピン孔21の形成は、
先ず、相対的に細いドリル(図示せず)で貫通孔を軸部
7に穿設し、次に、この貫通孔の両端部に相対的に太い
ドリルで孔加工を施すことによって行う。
の外径より僅かに小さくなるように設定し、この中央部
21bにピン4が圧入されるようにしている。ピン孔2
1にピン4を圧入した状態を図4に示し、ピン4にデコ
ンプレバー3を組付けた状態を図5に示す。この実施の
形態においては、ピン4をピン孔21に容易に挿入でき
るように、ピン孔21の両端開口部に外方へ向かうにし
たがって次第に径が大きくなるテーパー面21cを形成
している。
ン孔21に圧入する工程で行う。すなわち、デコンプレ
バー3の一対のレバー本体11の間にカム軸2の軸部7
を挿入し、レバー本体11の円形孔14とピン孔21と
を同一軸線上に位置付けた状態で、ピン4を一方のレバ
ー本体11の円形孔14を通してピン孔21に圧入す
る。ピン4の圧入は、図示していない油圧式のプレス装
置によって静荷重を付与するようにして行う。そして、
軸部7を貫通したピン4の先端部を他方のレバー本体1
1の円形孔14に挿入する。円形孔14の孔径は、ピン
4の外径より僅かに大きくなるように設定し、カム軸2
に固着したピン4にデコンプレバー3が回動自在に支持
されるようにしている。
は、エンジン始動時に図1(a)に示すように押圧子1
2が排気弁用ロッカーアーム15のスリッパ15aを押
圧するから、図示していない排気弁が圧縮行程で僅かに
開いて圧縮力が低減される。このため、ハンドスタータ
(図示せず)でエンジンを始動するときの負荷を軽減す
ることができ、始動が容易になる。
昇すると、デコンプレバー3に作用する遠心力によって
デコンプレバー3が支持用ピン4を中心にして回動し、
図1(b)に示すように、押圧子12が下方へ移動して
前記スリッパ15aがカム6の全域に摺接するようにな
るとともに、ストッパー18が下方の円板状凸部19に
当接する。ストッパー18が円板状凸部19に当接する
ことによって、デコンプレバー3が過度に回動して遠心
ウェイト13が排気弁用ロッカーアーム15のスリッパ
15aに当接するのを阻止することができる。
は、デコンプレバー支持用のピン4を一端から他端まで
外径が一定になるように形成し、このピン4を挿入する
カム軸2のピン孔21の両端部21aを中央部21bよ
り径が大きくなるように形成し、前記中央部21bを圧
入部としているから、圧入部の長さが短縮されて圧入時
の荷重を低減することができる。このため、前記ピン4
を圧入するときにカム軸2が圧入荷重によって塑性変形
するのを阻止することができる。
との間に微小な隙間が形成され、この隙間にオイルが保
持されるから、カム軸2の回転上昇に伴って前記オイル
が遠心力で前記隙間から噴出されるように勢いよく流出
し、デコンプレバー3のレバー本体11の内面にかかる
ようになる。このため、デコンプレバー組付時に残存し
た切削屑や、長期にわたって使用することにより発生し
た摩耗粉などがオイルによって洗浄されてレバー本体1
1と軸部7との間に詰まるのを阻止することができるか
ら、デコンプレバー3が常に円滑に回動できるようにな
る。
は図7および図8に示すように形成することができる。
図7はピン孔の他の実施の形態を示す断面図、図8はピ
ンの他の実施の形態を示す正面図である。これらの図に
おいて、前記図1ないし図6で説明したものと同一もし
くは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明
は省略する。
で孔径が一定になるように形成している。なお、図7に
おいて下側の開口端部には、ピン4の挿入を容易にする
ために、外方へ向かうにしたがって次第に径が大きくな
るテーパ面21cを形成している。
4bより外径が小さくなるように形成している。前記中
央部4bの外径は、ピン孔21の孔径より僅かに大きく
なるように設定し、この中央部4bのみが圧入部になる
ようにしている。このようにピン4とピン孔21を形成
しても第1の実施の形態を採るときと同等の効果を奏す
る。
エンジンに本発明に係るデコンプ装置1を適用する例を
示したが、このデコンプ装置1は、カム軸が上下方向を
指向するように設けられたエンジンであれば、どのよう
なものにも適用することができる。
入代が短縮されて圧入時の荷重を低減することができる
から、デコンプレバー支持用のピンをカム軸に圧入する
ときにカム軸が塑性変形するのを阻止することができ
る。また、ピン孔の両端部と前記ピンとの間の隙間にオ
イルが保持されるから、カム軸の回転上昇に伴って前記
オイルが遠心力で前記隙間から噴出されるように勢いよ
く流出し、デコンプレバーの内面にかかるようになる。
このため、デコンプレバー組付時に残存した切削屑や、
長期にわたって使用することにより発生した摩耗粉など
がオイルによって洗浄されるから、デコンプレバーが常
に円滑に回動できるようになる。
正面図である。
ある。
る。
4…ピン、4a…両端部、4b…中央部、6…排気弁用
カム、15…ロッカーアーム、21…ピン孔、21a…
両端部、21b…中央部。
Claims (1)
- 【請求項1】 ロッカーアームをカムの代わりに押圧す
るデコンプレバーを、カム軸に圧入によって固定したピ
ンを介して回動自在に支持させたエンジンのデコンプ装
置において、前記ピンの軸線方向の中央部を圧入部とす
るとともに、このピンの両端部と、このピンを圧入する
カム軸のピン孔との間に隙間を形成したことを特徴とす
るエンジンのデコンプ装置。
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2001
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