JP2001207122A - ガラス着色用塗装剤およびその塗装物 - Google Patents

ガラス着色用塗装剤およびその塗装物

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JP2001207122A JP2000018686A JP2000018686A JP2001207122A JP 2001207122 A JP2001207122 A JP 2001207122A JP 2000018686 A JP2000018686 A JP 2000018686A JP 2000018686 A JP2000018686 A JP 2000018686A JP 2001207122 A JP2001207122 A JP 2001207122A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 ガラス基材に対して、従来より低温の20
0℃以下での焼き付け温度でも、耐アルカリ性に優れ、
しかも、耐薬品性、耐水性等も良好な塗膜を形成できる
ガラス着色用塗装剤と、これを塗装せしめて得られる塗
装物とを提供すること。 【解決手段】 珪素原子に結合した水酸基および/また
は珪素原子に結合した加水分解性基を有するポリシロキ
サンセグメント(A)と、ポリシロキサン以外の重合体
セグメント(B)とを必須の構成成分として含有する複
合樹脂(C)と、着色剤(D)とを、必須成分として含
有してなることを特徴とする、ガラス着色用塗装剤、お
よび、ガラス基材にこの塗装剤を塗装せしめて得られる
塗装物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
るガラス着色用塗装剤と、該塗装剤を塗装せしめた塗装
物とに関する。
【0002】さらに詳しくは、珪素原子に結合した水酸
基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有
するポリシロキサンセグメントと、ポリシロキサン以外
の重合体セグメントより構成される複合樹脂と、着色剤
と、さらに必要に応じて、該複合樹脂に含まれる硬化性
官能基と反応する硬化剤とを、含有してなる、ガラス着
色用塗装剤、ならびに該塗装剤を塗装せしめた塗装物に
関するものである。
【0003】さらに詳細には、ガラス基材に対し、20
0℃以下の焼き付けで、耐エタノール性などに代表され
る耐薬品性ならびに耐水性などの諸性能に優れ、且つ、
極めて優れた耐アルカリ性をも有するコーティングを施
すことができるガラス着色用塗装剤、ならびに該塗装剤
を塗装せしめた塗装物に関するものである。
【0004】加えて、再溶融することにより、無色透明
なガラス素材として再生することが出来る、コーティン
グにより着色されたガラス製品の塗装剤として、特に好
適なガラス着色用塗装剤、ならびに該塗装剤を塗装せし
めた塗装物に関するものである。
【0005】
【従来の技術】これまでにも、ガラス製品の表面に着色
コーティングを施し、再溶融により無色のガラス素材と
して再利用するのに適した塗装剤としては、フェニルト
リアルコキシシランを主成分とし、これを加水分解縮合
して得られるゾル−ゲル溶液に着色剤を添加してなる着
色用塗装剤(特開平10−204296号公報、特開平
10−237361号公報、特開平11−71552号
公報等)が、幅広く、利用されている。
【0006】しかしながら、こうした着色用塗装剤か
ら、耐水性および耐アルカリ性に優れる塗膜を得るため
には、200℃より高い温度で焼き付けを行う必要があ
り、このため、着色剤として有機顔料を使用した場合、
用いる有機顔料の種類によっては、この温度で分解を起
こし使用できない、という問題が生じる。
【0007】一方、200℃以下の焼き付けで、耐水性
に優れる塗膜を形成する、メチルシリケートおよびエチ
ルシリケート等の部分加水分解縮合物を主成分とするゾ
ル−ゲル溶液と着色剤とからなる着色用塗装剤(国際公
開WO9851752号公報等)も検討されているが、
耐アルカリ性に優れる塗膜が得られていないのが現状で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来型技術における種々の問題点
を、悉く、解消するべく、鋭意、研究を開始した。
【0009】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、ガラス基材に対して、200℃以下での焼き付け
で、耐アルカリ性に優れた塗膜を形成することが出来る
新規にして有用なるガラス着色用塗装剤を提供すること
にあるし、併せて、このガラス着色用塗装剤を塗装せし
めて得られる塗装物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、珪素
原子に結合した水酸基および/または珪素原子に結合し
た加水分解性基を有するポリシロキサンセグメントと、
ポリシロキサン以外の重合体セグメントより構成される
複合樹脂と、着色剤と、さらに必要に応じて、該複合樹
脂に含まれる硬化性官能基と反応する硬化剤とを含有し
てなる、ガラス着色用塗装剤が、ガラス基材に対して、
200℃以下の従来より低い温度の焼き付けで、耐アル
カリ性に優れたコーティングを施すことが出来ることを
見い出すと共に、該着色塗装剤を塗装せしめた塗装物
が、耐エタノール性などの耐薬品性に優れることに加え
て、耐水性にも優れること等を見い出し、本発明を完成
させるに到った。
【0011】すなわち、本発明は、1.珪素原子に結合
した水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解
性基を有するポリシロキサンセグメント(A)と、ポリ
シロキサン以外の重合体セグメント(B)とを必須の構
成成分として含有する複合樹脂(C)と、着色剤(D)
とを、必須成分として含有してなることを特徴とする、
ガラス着色用塗装剤、
【0012】2.複合樹脂(C)が硬化性官能基を有す
る樹脂であって、かつ、該複合樹脂(C)中の硬化性官
能基と反応する硬化剤(E)をも必須成分として含有す
る、上記1に記載のガラス着色用塗装剤、
【0013】3.前記した複合樹脂(C)を構成する、
前記した、それぞれ、ポリシロキサンセグメント(A)
と重合体セグメント(B)とが、下記の構造式(S−
1)
【0014】
【化4】
【0015】〔ただし、式中、炭素原子は重合体セグメ
ント(B)の一部分を構成し、2個の珪素原子はポリシ
ロキサンセグメント(A)またはポリシロキサンセグメ
ント(A)の一部分を構成する。〕で示される結合によ
り結合している、上記1または2に記載の塗装剤、
【0016】4.前記した複合樹脂(C)のうち、ポリ
シロキサンセグメント(A)の含有率が、全固形分の5
0〜95重量%である、上記1または2に記載の塗装
剤、
【0017】5.前記した着色剤(D)が有機顔料であ
る、上記1または2に記載の塗装剤、
【0018】6.前記した複合樹脂(C)が、加水分解
性基および/または水酸基とこれら以外の総炭素数が4
個以上の有機基とが共に結合した珪素原子、加水分解性
基または水酸基の1個とこれら以外の総炭素数が3個以
下の有機基の2個とが共に結合した珪素原子、および、
加水分解性基および/または水酸基とトリオルガノシロ
キシ基とが共に結合した珪素原子からなる群から選ばれ
る少なくとも1個の珪素原子を有するポリシロキサンセ
グメント(A−1)と、ポリシロキサン以外の重合体セ
グメント(B)とが、下記の構造式(S−1)
【0019】
【化5】
【0020】(ただし、式中、炭素原子は重合体セグメ
ント(B)の一部分を構成し、2個の珪素原子はポリシ
ロキサンセグメント(A−1)またはポリシロキサンセ
グメント(A−1)の一部分を構成する。)で示される
結合により結合してなる重合体(F−1)と、下記の一
般式(S−2)および/または(S−3)R1SiX3
………(S−2)SiX4
………(S−3)(ただし、式中、R1は炭素数
3以下のアルキル基を、Xは加水分解性基を表わす。)
で示されるシラン化合物を必須成分として含有してなる
シラン化合物類、該シラン化合物類の加水分解縮合物、
該シラン化合物類の共加水分解縮合物、該シラン化合物
類の部分加水分解縮合物、および、該シラン化合物類の
部分共加水分解縮合物からなる群から選ばれる少なくと
も1種の珪素化合物(G−1)とを、加水分解縮合反
応、共加水分解縮合反応または縮合反応せしめて得られ
るものである、上記1または2に記載の塗装剤、
【0021】7.前記した重合体セグメント(B)が、
ビニル系重合体およびポリウレタン系重合体よりなる群
から選ばれる少なくとも1種の重合体に由来するセグメ
ントである、上記1〜6のいずれか1つに記載の塗装
剤、
【0022】8.前記した、複合樹脂(C)が、珪素原
子に結合した水酸基および/または珪素原子に結合した
加水分解性基を有する、ビニル系重合体および/または
ポリウレタン系重合体(b)と、下記の一般式(S−
4)および/または(S−5)
【0023】
【化6】
【0024】(ただし、式中、R3は炭素数が4個以上
のアルキル基、炭素数が5個以上のシクロアルキル基、
アリール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる
少なくとも1種の有機基を、R4はアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基およびアラルキル基からなる群
から選ばれる少なくとも1種の有機基を、R5は炭素数
4個以下のアルキル基を、R6は炭素数が3個以下の有
機基をそれぞれ表わし、また、mは0または1であ
る。)で示されるアルコキシシラン化合物(s−1)を
必須成分として含有してなるアルコキシシラン化合物
類、該アルコキシシラン化合物類の加水分解縮合物、該
アルコキシシラン化合物類の共加水分解縮合物、該アル
コキシシラン化合物類の部分加水分解縮合物、および、
該アルコキシシラン化合物類の部分共加水分解縮合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a
−1)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反応ま
たは縮合反応せしめて得られる重合体(f−1)と、下
記の一般式(S−6)および/または(S−7)R7Si
(OR8)3 ………(S−6)Si(OR8)4
………(S−7)(ただし、式中、R7
炭素数3以下のアルキル基を、R8は炭素数4以下のア
ルキル基を表わす。)で示されるアルコキシシラン化合
物(s−2)を必須成分として含有してなるアルコキシ
シラン化合物類、該アルコキシシラン化合物類の加水分
解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の共加水分解縮
合物、該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解縮合
物、および、該アルコキシシラン化合物類の部分共加水
分解縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の珪
素化合物(a−2)とを、加水分解縮合反応、共加水分
解縮合反応または縮合反応せしめて得られるものであ
る、上記1〜7のいずれか1つに記載の塗装剤、
【0025】9.ガラス基材に上1〜8のいずれか1つ
に記載の塗装剤を塗装せしめて得られる塗装物、およ
び、
【0026】10.前記したガラス基材がガラス瓶であ
る、上記9に記載の塗装物、提供するものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、さらに一層、
詳細に、説明することにする。
【0028】本発明のガラス着色塗装剤の必須成分の一
つである、前記した複合樹脂(C)は、珪素原子に結合
した水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解
性基を有するポリシロキサンセグメント(A)と、ポリ
シロキサン以外の重合体セグメント(B)とを必須の構
成成分として含有する樹脂であり、例えば、該ポリシロ
キサンセグメント(A)が、該重合体セグメント(B)
の側鎖および/または末端に、化学的に結合したグラフ
ト構造および/またはブロック構造を有する樹脂等が挙
げられる。
【0029】そして、かかる複合樹脂(C)における、
ポリシロキサンゼグメント(A)と重合体セグメント
(B)の結合様式としては、前記したの構造式(S−
1)とか、下記の構造式(S−8)とかの結合様式を採
用することできるが、高度の耐水性または耐アルカリ性
を達成する観点からは、特に、構造式(S−1)の結合
様式を採用することが好ましい。
【0030】
【化7】
【0031】(ただし、式中、炭素原子は、重合体セグ
メント(B)の一部分を構成し、珪素原子は、ポリシロ
キサンセグメント(A)の一部分を構成するものとす
る。)
【0032】そして、複合樹脂(C)の調製に当たり、
本発明の塗装剤より得られる塗膜の耐アルカリ性と耐薬
品性の点から、ポリシロキサンセグメント(A)の含有
率が、全固形分の50〜95重量%になるように設定す
るのが適切であり、なかでも好ましくは60〜93重量
%、さらに好ましくは70〜90重量%である。
【0033】複合樹脂(C)を構成する、重合体セグメ
ント(B)として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重
合体、ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合
体、ポリオレフィン系重合体等の如き、各種のビニル系
重合体に由来するセグメントがあるし、さらには、ポリ
ウレタン系重合体、ポリエステル系重合体等の如き、ビ
ニル系重合体以外の、各種の重合体に基づくセグメント
などがある。
【0034】これらのうちでも特に好ましいものとして
は、ビニル系重合体セグメントおよび/またはポリウレ
タン系重合体セグメントが挙げられる。そして、ビニル
系重合体セグメントのうちで特に望ましいものは、アク
リル系重合体セグメントである。
【0035】重合体セグメント(B)には、前記した硬
化剤(E)と反応する硬化性官能基として、珪素原子に
結合した水酸基および珪素原子に結合した加水分解性基
以外の官能基を導入することが出来る。そして、かかる
硬化性官能基のうち、特に代表的なものを例示するにと
どめれば、カルボキシル基、ブロックされたカルボキシ
ル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、炭素原子に結
合した水酸基、ブロックされた水酸基、シクロカーボネ
ート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド、カー
バメート基、下記の構造式(S−9)
【0036】
【化8】
【0037】で示される官能基などがあり、なかでも炭
素原子に結合した水酸基が特に望ましい。
【0038】前記した複合樹脂(C)のうち、複合樹脂
(C)を構成するポリシロキサンセグメント(A)と重
合体セグメント(B)とが、前記した構造式(S−1)
で示される結合により結合しているものの製造法として
は、公知慣用の各種の方法を適用することができるが、
調製の容易さの点からすれば、下記(1)および(2)
の方法が好適であり、なかでも、かかる複合樹脂(C)
を必須の成分として含有するガラス着色用塗装剤に対し
て、優れた硬化性と優れた保存安定性の両者を付与する
という点から、特に(1)の製造法が好ましい。
【0039】(1)加水分解性基および/または水酸基
とこれら以外の総炭素数が4個以上の有機基とが共に結
合した珪素原子、加水分解性基または水酸基の1個とこ
れら以外の総炭素数が3個以下の有機基の2個とが共に
結合した珪素原子、および、加水分解性基および/また
は水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共に結合した珪
素原子なる群から選ばれる少なくとも1個の珪素原子を
有するポリシロキサンセグメント(A−1)と、ポリシ
ロキサン以外の重合体セグメント(B)とが、前記した
の構造式(S−1)で示される結合により結合してなる
重合体(F−1)と、下記一般式(S−2)および/ま
たは(S−3)R1SiX3 ………(S
−2)SiX4 ………(S−3)
(ただし、式中、R1は炭素数3以下のアルキル基を、
Xは加水分解性基を表わす。)で示されるシラン化合物
を必須成分として含有してなるシラン化合物類、該シラ
ン化合物類の加水分解縮合物、該シラン化合物類の共加
水分解縮合物、該シラン化合物類の部分加水分解縮合
物、および、該シラン化合物類の部分共加水分解縮合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合物
(G−1)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反
応または縮合反応せしめる方法。
【0040】(2)珪素原子に結合した水酸基および/
または珪素原子に結合した加水分解性基を有するポリシ
ロキサン以外の重合体(F−2)と、下記の一般式(S
−10)R4 nSiX4-n ………(S−1
0)(ただし、式中、R4はアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基およびアラルキル基からなる群から選
ばれる少なくとも1種の有機基を、Xは加水分解性基を
表わし、nは0、1または2なる整数とする。)で示さ
れるシラン化合物を必須成分として含有してなるシラン
化合物類、該シラン化合物類の加水分解縮合物、該シラ
ン化合物類の共加水分解縮合物、該シラン化合物類の部
分加水分解縮合物、および、該シラン化合物類の部分共
加水分解縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
の珪素化合物(G−2)とを、加水分解縮合反応、共加
水分解縮合反応または縮合反応せしめる方法。
【0041】次に、上記(1)の製造法について、更に
詳細に述べる。前記した(1)の製造法において使用さ
れる、複合樹脂(C)を構成する、ポリシロキサンセグ
メント(A−1)は、加水分解性基および/または水酸
基とこれら以外の総炭素数が4個以上の有機基とが共に
結合した珪素原子、加水分解性基または水酸基の1個と
これら以外の総炭素数が3個以下の有機基の2個とが共
に結合した珪素原子、および、加水分解性基および/ま
たは水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共に結合した
珪素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素
原子を有するものであり、線状、分岐状あるいは環状の
うちの、いずれの構造を有するものであってもよい。
【0042】このように、ポリシロキサンセグメント
(A−1)に含有される、加水分解性基および/または
水酸基が結合した珪素原子上に、総炭素数が4個以上の
有機基あるいはトリオルガノシロキシ基等の嵩高い置換
基を導入したり、当該珪素原子上に総炭素数が3個以下
の有機基の2個を導入することにより、これらの有機基
が結合した珪素原子上結合している加水分解性基や水酸
基の反応性を立体効果によって低下させるため、複合樹
脂(C)を調製する過程での著しい粘度増加やゲル化を
防止することができ、しかも、複合樹脂(C)を必須成
分として含有するガラス着色用塗装剤に優れた保存安定
性を付与することができる。
【0043】上述したポリシロキサンセグメント(A−
1)中に含まれる、珪素原子に結合した総炭素数が4個
以上の有機基の代表的なものとしては、3個以上の炭素
原子を有する置換基が結合したメチル基、2個以上の炭
素原子を有する置換基が結合したエチル基、炭素数が4
以上のアルキル基、置換基が結合した炭素数が4以上の
アルキル基、シクロアルキル基、置換基が結合したシク
ロアルキル基、シクロアルキル基が置換したアルキル
基、アリール基、置換アリール基、および、アラルキル
基もしくは置換基が結合したアラルキル基等が挙げられ
る。
【0044】かかる総炭素数が4個以上の有機基におけ
る炭素数の上限としては、実用性の面から18個程度で
ある。
【0045】かかる総炭素数が4個以上の有機基のいっ
そう具体的なものとしては、シクロペンチルメチル基、
シクロヘキシルメチル基の如きシクロアルキル基が置換
したメチル基;2−エトキシエチル基、2−n−プロポ
キシエチル基の如きアルコキシ基が置換したエチル基;
2−シクロペンチルエチル基、2−シクロヘキシルエチ
ル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
基の如きシクロアルキル基が置換したエチル基;n−ブ
チル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ド
デシル基、n−オクタデシル基の如き炭素数が3以上の
アルキル基;3−グリシドキシプロピル基、3−ウレイ
ドプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、3−アク
リロキシプロピル基、3−メタアクリロキシプロピル基
の如き置換プロピル基;シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロオクチル基の如きシクロアルキル基;フ
ェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基の如
きアリール基もしくは置換アリール基;ベンジル基、2
−フェニルエチル基の如きアラルキル基等が挙げられ
る。
【0046】上述した各種の有機基のうちで特に好まし
いものは、炭素数が4〜18のアルキル基、シクロアル
キル基およびアリール基である。
【0047】従って、加水分解性基および/または水酸
基とこれら以外の総炭素数が4以上なる有機基とが共に
結合した珪素原子として特に好ましいものとしては、加
水分解性基または水酸基と炭素数が4〜18のアルキル
基とが共に結合した珪素原子、加水分解性基および/ま
たは水酸基とシクロアルキル基とが共に結合した珪素原
子、および、加水分解性基および/または水酸基とアリ
ール基とが共に結合した珪素原子が挙げられる。
【0048】上述した炭素数が4〜18のアルキル基の
うちでも特に好ましいものは、iso−ブチル基であ
り、上述したシクロアルキル基のうちで特に好ましいも
のはシクロヘキシル基であり、そして、上述したアリー
ル基のうちで特に好ましいものはフェニル基である。
【0049】また、上記したポリシロキサンセグメント
(A−1)中に含まれる、珪素原子に結合したトリオル
ガノシロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、トリ
エチルシロキシ基、シクロヘキシルジメチルシロキシ
基、ジメチルフェニルシロキシ基、tert−ブチルジ
メチルシロキシ基等の各種のものが挙げられる。そして
かかる各種のトリオルガノシロキシ基のうちで、価格等
の実用性の点からは、トリメチルシロキシ基が特に好ま
しい。
【0050】上記したポリシロキサンセグメント(A−
1)、一般式(S−2)もしくは一般式(S−3)で示
される珪素化合物中に含まれる、珪素原子に結合した加
水分解性基とは、容易に加水分解を受けて脱離して、珪
素原子に結合した水酸基を生じさせる基を指称するもの
である。かかる基の特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、アルコキシ基、置換アルコキシ基、フェノ
キシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、イソプロペニル
オキシ基、イミノキシ基、水素原子などがある。
【0051】そして、これらの加水分解性基のうちでも
特に望ましいものとしては、アルコキシ基が挙げられ
る。そしてかかるアルコキシ基の代表的のものとして
は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、is
o−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられ、これ
らのうちで、特に好ましいものとしては、メトキシ基、
エトキシ基が挙げられる。
【0052】上記した(1)の製造法による調製される
複合樹脂(C)のうち、ポリシロキサンセグメント(A
−1)として、加水分解性基および/または水酸基とこ
れら以外の総炭素数が4個以上の有機基とが共に結合し
た珪素原子、または、加水分解性基または水酸基の1個
とこれら以外の総炭素数が3個以下の有機基の2個とが
共に結合した珪素原子を有するポリシロキサンセグメン
トを有し、かつ、ポリシロキサン以外の重合体セグメン
ト(B)として、ビニル系重合体および/またはポリウ
レタン系重合体に由来する重合体セグメントを有するタ
イプの複合樹脂の、一層具体的な製造法として、特に代
表的なものを例示すると、珪素原子に結合した水酸基お
よび/または珪素原子に結合した加水分解性基を有す
る、ビニル系重合体および/またはポリウレタン系重合
体(b)と、前記した一般式(S−4)および/または
(S−5)で示されるアルコキシシラン化合物(s−
1)を必須成分として含有してなるアルコキシシラン化
合物類、該アルコキシシラン化合物類の加水分解縮合
物、該アルコキシシラン化合物類の共加水分解縮合物、
該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解縮合物、お
よび、該アルコキシシラン化合物類の部分共加水分解縮
合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合
物(a−1)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合
反応または縮合反応せしめて得られる重合体(f−1)
と、前記した一般式(S−6)および/または(S−
7)で示されるアルコキシシラン化合物(s−2)を必
須成分として含有してなるアルコキシシラン化合物類、
該アルコキシシラン化合物類の加水分解縮合物、該アル
コキシシラン化合物類の共加水分解縮合物、該アルコキ
シシラン化合物類の部分加水分解縮合物、および、該ア
ルコキシシラン化合物類の部分共加水分解縮合物よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a−
2)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反応また
は縮合反応せしめて方法等が挙げられる。
【0053】上記したビニル系重合体および/またはポ
リウレタン系重合体(b)が有する珪素原子に結合した
水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性基
とは、下記の一般式(S−11)
【0054】
【化9】
【0055】(ただし、式中のR9 はアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基の如き1
価の有機基を、R10は水素原子、ハロゲン原子、アルコ
キシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ
基、イソプロペニルオキシ基、イミノオキシ基の如き加
水分解性基、もしくは水酸基を表わし、また、p は0、
1または2なる整数である。)で示される、加水分解さ
れて珪素原子に結合した水酸基を生成する各種の加水分
解性基または水酸基が結合したシリル基として、当該重
合体に導入されているものであることが好ましい。そし
て、かかるシリル基としては、R10のうちの少なくとも
1個が加水分解性基である、いわゆる加水分解性シリル
基であることが特に好ましい。また、かかるシリル基
は、炭素原子と共有結合することによって、当該重合体
に結合していることが好ましい。
【0056】また、上記したビニル系重合体および/ま
たはポリウレタン系重合体(b)には、珪素原子に結合
した水酸基および珪素原子に結合した加水分解性基以外
の官能基をも導入すること出来る。そして、かかる官能
基の代表的なものとしては、前記した重合体セグメント
(B)に導入できるものとして既に記載した各種の硬化
性官能基がある。そして、それらのうちで特に好ましい
官能基は、炭素原子に結合した水酸基である。
【0057】そして、かかる重合体(b)としては、ビ
ニル系重合体(b−1)が特に好ましく、さらに、かか
るビニル系重合体(b−1)のうちでも、アクリル系重
合体が、特に好適である。
【0058】上述のビニル系重合体(b−1)を調製す
るには、公知慣用の各種の方法を適用できる。それらの
代表的なものとしては、(i)加水分解性シリル基を有
するビニル系単量体(m−1)と、該単量体(m−1)
と共重合可能なるその他のビニル系単量体類(m−2)
とを共重合せしめる方法、(ii)加水分解性シリル基を
有する連鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を
有するラジカル重合開始剤の存在下に、上記したビニル
系単量体類(m−2)を重合せしめる方法、(iii)加
水分解性シリル基を有する連鎖移動剤および/または加
水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤の存在下
に、上記したビニル系単量体(m−1)と、上記したビ
ニル系単量体類(m−2)とを共重合せしめる方法など
が挙げられる。
【0059】かかるビニル系重合体(b−1)のうち、
珪素原子に結合した水酸基および珪素原子に結合した加
水分解性基以外の官能基を有するものを調製するには、
たとえば、上述した(i)〜(iii) なる各種の方法に
おいて、共重合するべきビニル系単量体類(m−2)と
して、珪素原子に結合した水酸基および珪素原子に結合
した加水分解性基以外の官能基を有するビニル系単量体
を必須成分として含有するビニル系単量体類を使用すれ
ばよい。
【0060】前記した重合体(b−1)を調製する際に
用いられる、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体
(m−1)とは、前掲したような一般式(S−11)で
示される、シリル基のうち加水分解性シリル基を有する
単量体を指称するものであって、かかる単量体として特
に代表的なもののみを例示すれば、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)
シラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシ
シリルエチルビニルエーテル、3−トリメトキシシリル
プロピルビニルエーテル、3−(メチルジメトキシシリ
ル)プロピルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチ
ルジクロロシランなどがある。
【0061】また、これらの重合体(b−1)を調製す
る反応において用いられる、加水分解性シリル基を有す
る連鎖移動剤とは、上述したような加水分解性シリル基
と、メルカプト基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子の
ような、いわゆる遊離ラジカルにより活性化される基な
いしは原子とを併有する化合物を指称するものである。
【0062】かかる連鎖移動剤として特に代表的なもの
のみを例示すれば、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジクロロシラン、3−ブ
ロモプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピル
トリエトキシシランなどがある。
【0063】さらにまた、これらの重合体(b−1)を
調製する際に用いられる、前掲したような、加水分解性
シリル基を有するラジカル重合開始剤とは、分子中に、
上述したような加水分解性シリル基を有する化合物を指
称するものであり、これらのうちでも特に代表的なもの
のみを例示すれば、2,2′−アゾビス−(2−メチル
−4−トリメトキシシリルブチロニトリル)、2,2′
−アゾビス−(2−メチル−4−ジメトキシメチルシリ
ルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−メチ
ル−4−ジエトキシメチルシリルブチロニトリル)の如
き、各種のアゾ系化合物;tert−ブチルパーオキシ
−2,2−ジメチル−3−トリメトキシシリルプロパノ
エート、tert−ブチルパーオキシ−2,2−ジメチ
ル−3−トリエトキシシリルプロパノエート、tert
−ブチルパーオキシ−4−エチル−5−トリメトキシシ
リルヘキサノエートの如き、各種の過酸化物などがあ
る。
【0064】そして、前述した種々の方法に従って、か
かるビニル系重合体(b−1)を調製する際に使用す
る、当該ビニル系単量体(m−1)と共重合可能なるそ
の他のビニル系単量体類(m−2)として特に代表的な
もののみを例示するにとどめるれば、
【0065】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レートもしくはラウリル(メタ)アクリレート等の如
き、炭素原子数1 〜22の1級ないしは2級アルキル
アルコールと、(メタ)アクリル酸との各種エステル
類;
【0066】ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェ
ニルエチル(メタ)アクリレート等の如き、各種のアラ
ルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート
等の如き、各種のシクロアルキル(メタ)アクリレート
類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メ
トキシブチル(メタ)アクリレート等の如き、各種のω
−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0067】スチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の如き、各
種の芳香族ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等の如き、各種のカルボン酸ビニル
エステル類;
【0068】クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等の
如き、各種のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチ
ルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレ
ート、ジ−n−ブチルフマレート、ジメチルイタコネー
ト、ジ−n−ブチルイタコネート等の如き、各種の不飽
和二塩基酸のジアルキルエステル類;
【0069】(メタ)アクリロニトリル、クロトノニト
リル等の如き、各種のシアノ基含有単量体類;フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチエレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン等の如き、各種のフルオロオレフィン類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等の如き、各種のクロル化オレフィ
ン類;エチレン、プロピレン等の如き、各種のα−オレ
フィン類;
【0070】エチルビニルエーテル、n−ブチルビニル
エーテル、n−ヘキシルビニルエーテル等の如き、各種
のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−メチルシ
クロヘキシルビニルエーテル等の如き、各種のシクロア
ルキルビニルエーテル類;
【0071】N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メ
タ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン等
の如き、3級アミド基含有単量体類などがある。
【0072】また、前述した種々の方法に従って、かか
るビニル系重合体(b−1)のうち、珪素原子に結合し
た水酸基および珪素原子に結合した加水分解性基以外の
官能基として、カルボキシル基を有するものを調製する
際に、ビニル系単量体類(m−2)の一つとして使用さ
れる、カルボキシル基含有ビニル系単量体として特に代
表的なもののみを例示すれば、(メタ)アクリル酸、2
−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の如き、各種
の不飽和カルボン酸類;
【0073】イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−
n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−
n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−
ブチル等の如き、飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アル
コール類との各種のモノエステル類(ハーフエステル
類);アジピン酸モノビニル、コハク酸モノビニル等の
如き、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル
類;
【0074】無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸等の如き、各種の飽和ポリカ
ルボン酸の無水物類と、後掲するような各種の炭素原子
に結合した水酸基を含有するビニル系単量体類との付加
反応生成物;前掲したような各種のカルボキシル基含有
単量体類と、ラクトン類とを付加反応せしめて得られる
各種の単量体類などがある。
【0075】加えて、ビニル系重合体(b−1)とし
て、ブロックされたカルボキシル基を有するものを調製
する際に、ビニル系単量体類(m−2)の一つとしての
使用される、ブロックカルボキシル基を有する単量体と
して特に代表的なもののみを例示すれば、トリメチルシ
リル(メタ)アクリレート、ジメチル−tert−ブチ
ルシリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルクロ
トネート等の如き、特開昭62−254876号公報に
開示されているような、各種のシリルエステル基含有ビ
ニル系単量体類;1−エトキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−メトキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ
プロパン、2−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒド
ロフラン等の如き、特開平5−222134号公報に開
示されているような、各種の、ヘミアセタールエステル
基ないしはヘミケタールエステル基含有単量体類;te
rt−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル
クロトネート等の如き、各種のtert−ブチルエステ
ル基含有単量体類などがある。
【0076】さらに、ビニル系重合体(b−1)とし
て、カルボン酸無水基を有するものを調製する際に、ビ
ニル系単量体類(m−2)の一つとしての使用される、
カルボン酸無水基含有単量体として特に代表的なものの
みを例示すれば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
如き、各種の不飽和ポリカルボン酸の無水物類;無水ア
クリル酸、無水メタクリル酸等の如き、各種の不飽和モ
ノカルボン酸の無水物類;アクリル酸、メタクリル酸等
の如き、各種の不飽和カルボン酸と、酢酸、プロピオン
酸、安息香酸などのような、種々の飽和カルボン酸との
混合酸無水物などがある。
【0077】さらには、ビニル重合体(b−1)とし
て、3級アミノ基を有する重合体を調製する際にビニル
系単量体類(m−2)の一つとしての使用される、3級
アミノ基を有するビニル系単量体として代表的なものを
例示すれば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジ−n−プロピルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレー
ト、N−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エチルモ
ルホリン等の如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)ア
クリル酸エステル類;
【0078】ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルキノリン等の如き、各種の3級アミノ基
含有芳香族ビニル系単量体類;N−(2−ジメチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチ
ルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−
ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミ
ド等の如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)アクリル
アミド類;N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロトン
酸アミド、N−(4−ジメチルアミノ)ブチルクロトン
酸アミド等の如き、各種の3級アミノ基含有クロトン酸
アミド類;
【0079】2−ジメチルアミノエチルビニルエーテ
ル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、4−ジ
メチルアミノブチルビニルエーテル等の如き、各種の3
級アミノ基含有ビニルエーテル類などがある。
【0080】そして、ビニル重合体(b−1)として、
炭素原子に結合した水酸基を有するものを調製する際
に、ビニル系単量体類(m−2)の一つとしての使用さ
れる、炭素原子に結合した水酸基含有ビニル系単量体と
して特に代表的なもののみを例示すれば、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート等の如き、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチルビニルエー
テル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の如き水
酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリ
ルエーテル、2−ヒドロキシブチルアリルエーテル等の
如き、水酸基含有アリルエーテル類;前掲したような各
種の水酸基含有単量体類と、ε−カプロラクトンなどで
以て代表されるような、種々のラクトン類との付加物等
がある。
【0081】以上に掲げられたような種々の単量体を用
いて、目的とする、ビニル系重合体(b−1)を調製す
るには、溶液重合法、非水分散重合法、塊状重合法など
のような、公知慣用の種々の重合法を適用することが出
来るが、それらのうちでも、特に有機溶剤中での溶液ラ
ジカル重合法によるのが、最も簡便であり好ましい。
【0082】溶液ラジカル重合法を適用する際に使用で
きる重合開始剤としては、公知慣用の種々の化合物が使
用できるけれども、それらのうちでも特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、2,2′−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)等の如き、各種のアゾ化合物類;
tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブ
チルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ
イソプロピルパーオキシカーボネート等の如き、各種の
過酸化物類などがある。
【0083】また、溶液ラジカル重合法を適用する際に
使用できる有機溶剤としては、公知慣用の有機溶剤のい
ずれをも使用することが出来るし、しかも、それらは、
単独使用でも2種類以上の併有でもよいことは、勿論で
ある。
【0084】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示すれば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の如き、脂肪族
系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の如き、芳香族炭化水素類;酢酸
エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート等の如き、各種のエ
ステル類;
【0085】メタノール、エタノールiso−プロパノ
ール、n−ブタノール、iso−−ブタノール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル
等の如き、各種のアルコール類;
【0086】アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキ
サノン等の如き、各種のケトン類;ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の如き、エーテル
類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、
ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートなどがあ
る。
【0087】ビニル系重合体(b−1)を調製する際
に、加水分解性シリル基含有単量体(m−1)の使用量
が多くなると、重合時に、ゲル化が起こることがあるの
で、注意を要する。
【0088】こうしたゲル化を防止するためには、エチ
ルオルソアセテート、エチルオルソ−n−ブチレート、
エチルオルソフォーメイト、エチルオルソプロピオネー
ト、メチルオルソフォーメイト等の如き、加水分解性エ
ステル化合物を、前掲したような溶剤類と併用すればよ
い。
【0089】以上に掲げたような、単量体類、重合開始
剤類および有機溶剤類を使用して、公知慣用の溶液ラジ
カル重合法を適用することによって、目的とする、各種
のビニル系重合体(b−1)を調製することが出来る。
【0090】ビニル系重合体(b−1)中に導入される
べき加水分解性シリル基量としては、複合樹脂(C)を
調製する際の著しい粘度の上昇やゲル化を防ぐという
点、且つ、本発明の塗装剤より得られる塗膜の耐水性の
点から、それぞれの重合体の固形分1,000グラム当
たりの加水分解性シリル基のモル数として、0.01〜
3モルの範囲内が適切であり、なかでも0.05〜2.
5モルの範囲内が好ましく、さらに0.1〜2モルの範
囲内が好ましい。
【0091】したがって、上述したような好ましい量の
加水分解性シリル基が導入されるように、それぞれ、加
水分解性シリル基含有単量体、加水分解性シリル基含有
連鎖移動剤あるいは加水分解性シリル基含有重合開始剤
の使用量を、適切に設定することが好ましい。
【0092】また、ビニル系重合体(b−1)中に導入
されるべき、炭素原子に結合した水酸基の導入量として
は、これらのビニル系重合体(b−1)の固形分の1,
000グラム当たりの官能基のモル数として、0.1〜
5モルの範囲内が適切であり、なかでも0.2〜4モル
の範囲内が好ましく、さらに0.3〜3モルの範囲内が
一層好ましい。
【0093】これらのビニル系重合体(b−1)の数平
均分子量としては、本発明の塗装剤から得られる塗膜の
耐水性や耐薬品性の点、および、塗装剤の保存安定性や
塗膜外観の点から、500〜200,000の範囲内が
適切であり、なかでも1,000〜50,000の範囲
内が好ましく、1,500〜20,000の範囲内が一
層好ましい。
【0094】また、これらのビニル系重合体(b−1)
として、重合性不飽和二重結合を有するポリエステル樹
脂や重合性不飽和二重結合を有するアルキド樹脂などの
ような、ビニル系重合体以外の各種の重合体の存在下
に、(i)〜(iii) として前述したような方法で重合
を行なうことによって得られる、ビニル系重合体セグメ
ントをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂やア
ルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0095】さらに、複合樹脂(C)の製造において、
重合体(b)として、加水分解性シリル基を有するポリ
ウレタン系重合体を使用することにより、ポリシロキサ
ン以外の重合体セグメント(B)として、ポリウレタン
系重合体に由来する重合体セグメントを有する、複合樹
脂(C)を調製することもできる。
【0096】そして、上記した加水分解性シリル基を含
有するポリウレタン系重合体を調製するには、各種のジ
ヒドロキシ化合物および各種のジイソシアネート化合物
に加えて、加水分解性シリル基を導入するための原料成
分としての、加水分解性シリル基を有するジアミン化合
物や加水分解性シリル基を有するモノアミン化合物(以
下、加水分解性シリル基含有アミン化合物ともいう。)
を使用し、例えば、特開昭51−90391号公報、特
開昭55−73729号公報、特開昭60−25581
7号公報等に記述されているように、70〜90℃の加
熱下、ジヒドロキシ化合物をメチルエチルケトン等の溶
剤に溶解したものに、加水分解性シリル基含有アミン化
合物をゆっくり滴下し、続いて、この混合物にジイソシ
アネート化合物を加えるといった、方法を適用すればよ
い。
【0097】次いで、重合体(f−1)を調製する際に
使用する、もう一方の必須成分たる、珪素化合物(a−
1)とは、前記した一般式(S−4)および/または
(S−5)で示されるアルコキシシラン化合物(s−
1)種を必須成分として含有してなるアルコキシシラン
化合物類、あるいは、このアルコキシシラン化合物類を
加水分解縮合もしくは共加水分解縮合せしめることによ
って調製される、いわゆる加水分解縮合物あるいは共加
水分解縮合物たるポリシロキサン、さらには、このアル
コキシシラン化合物類を部分加水分縮合もしくは部分共
加水分解縮合せしめることによって調製される、いわゆ
る部分加水分解縮合物あるいは部分共加水分解縮合物た
るポリシロキサンを指称するものである。
【0098】当該アルコキシシラン化合物(s−1)の
うち、前記した一般式(S−4)で示されるアルコキシ
シランとして代表的なるもののみを例示するならば、n
−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシ
シラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、iso−
ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリメトキ
シシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、ter
t−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリ
エトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n
−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメト
キシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オ
クチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシ
シラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリメトキシシラン等の如き、炭素数が4〜
18個なるアルキル基が置換したアルキルトリアルコキ
シシラン類;
【0099】メチル−n−ブチルジメトキシシラン、メ
チル−n−ブチルジエトキシシラン、メチル−iso−
ブチルジメトキシシラン、メチル−iso−ブチルジエ
トキシシラン、メチル−tert−ブチルジメトキシシ
ラン、メチル−sec−ブチルジメトキシシラン、メチ
ル−sec−ブチルジエトキシシラン、メチル−ter
t−ブチルジエトキシシラン、メチル−n−ペンチルジ
メトキシシラン、メチル−n−ペンチルジエトキシシラ
ン、メチル−n−ヘキシルジメトキシシラン、メチル−
n−ヘキシルジエトキシシラン、メチル−n−オクチル
ジメトキシシラン、メチル−n−オクチルジエトキシシ
ラン、メチル−n−ヘキサデシルジメトキシシラン、メ
チル−n−オクタデシルジメトキシシラン等の如き、炭
素数が4〜18個のアルキル基が置換したメチルアルキ
ルジアルコキシシラン類;
【0100】エチル−n−ブチルジメトキシシラン、エ
チル−n−ブチルジエトキシシラン、エチル−iso−
ブチルジメトキシシラン、エチル−iso−ブチルジエ
トキシシラン、エチル−tert−ブチルジメトキシシ
ラン、エチル−sec−ブチルジメトキシシラン、エチ
ル−sec−ブチルジエトキシシラン、エチル−ter
t−ブチルジエトキシシラン、エチル−n−ペンチルジ
メトキシシラン、エチル−n−ペンチルジエトキシシラ
ン、エチル−n−ヘキシルジメトキシシラン、エチル−
n−ヘキシルジエトキシシラン、エチル−n−オクチル
ジメトキシシラン、エチル−n−オクチルジエトキシシ
ラン、エチル−n−ヘキサデシルジメトキシシラン、エ
チル−n−オクタデシルジメトキシシラン等の如き、炭
素数が4〜18個のアルキル基が置換したエチルアルキ
ルジアルコキシシラン類;
【0101】n−プロピル−n−ブチルジメトキシシラ
ン、n−プロピル−n−ブチルジエトキシシラン、n−
プロピル−iso−ブチルジメトキシシラン、n−プロ
ピル−iso−ブチルジエトキシシラン、n−プロピル
−sec−ブチルジメトキシシラン、n−プロピル−s
ec−ブチルジエトキシシラン、n−プロピル−ter
t−ブチルジメトキシシラン、n−プロピル−tert
−ブチルジエトキシシラン、n−プロピル−n−ペンチ
ルジメトキシシラン、n−プロピル−n−ペンチルジエ
トキシシラン、n−プロピル−n−ヘキシルジメトキシ
シラン、n−プロピル−n−ヘキシルジエトキシシラ
ン、n−プロピル−n−オクチルジメトキシシラン、n
−プロピル−n−オクチルジエトキシシラン、n−プロ
ピル−n−ヘキサデシルジメトキシシラン、n−プロピ
ル−n−オクタデシルジメトキシシラン等の如き、炭素
数が4〜18個のアルキル基が置換したn−プロピルア
ルキルジアルコキシシラン類;
【0102】iso−プロピル−n−ブチルジメトキシ
シラン、iso−プロピル−n−ブチルジエトキシシラ
ン、iso−プロピル−iso−ブチルジメトキシシラ
ン、iso−プロピル−iso−ブチルジエトキシシラ
ン、iso−プロピル−sec−ブチルジメトキシシラ
ン、iso−プロピル−sec−ブチルジエトキシシラ
ン、iso−プロピル−tert−ブチルジメトキシシ
ラン、iso−プロピル−tert−ブチルジエトキシ
シラン、iso−プロピル−n−ペンチルジメトキシシ
ラン、iso−プロピル−n−ペンチルジエトキシシラ
ン、iso−プロピル−n−ヘキシルジメトキシシラ
ン、iso−プロピル−n−ヘキシルジエトキシシラ
ン、iso−プロピル−n−オクチルジメトキシシラ
ン、iso−プロピル−n−オクチルジエトキシシラ
ン、iso−プロピル−n−ヘキサデシルジメトキシシ
ラン、iso−プロピル−n−オクタデシルジメトキシ
シラン等の如き、炭素数が4〜18個のアルキル基が置
換したiso−プロピルアルキルジアルコキシシラン
類;
【0103】ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n
−ブチルジエトキシシラン、ジ−iso−ブチルジメト
キシシラン、ジ−iso−ブチルジエトキシシラン、ジ
−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチ
ルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシ
シラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−
n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエ
トキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ
−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジ
メトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、
ジ−n−ヘキサデシルジメトキシシラン、ジ−n−オク
タデシルジメトキシシラン等の如き、炭素数が4〜18
個のアルキル基が置換したジアルキルジアルコキシシラ
ン類;
【0104】シクロペンチルトリメトキシシラン、シク
ロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエ
トキシシラン等の如き、各種のシクロアルキルトリアル
コキシシラン類;メチルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、メチルシ
クロヘキシルジエトキシシラン、エチルシクロペンチル
ジメトキシシラン、エチルシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、エチルシクロヘキシルジエトキシシラン等の如
き、アルキル基が置換した各種のシクロアルキルジアル
コキシシラン類;ジシクロペンチルジメトキシシラン、
ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシル
ジエトキシシラン等の如き、各種のジシクロアルキルジ
アルコキシシラン類;
【0105】フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン等の如き、フェニルトリアルコキシシ
ラン類;メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェ
ニルジエトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラ
ン、エチルフェニルジエトキシシラン等の如き、アルキ
ル基が置換したフェニルジアルコキシシラン類;ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等
の如き、ジフェニルジアルコキシシラン類;
【0106】3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン等の如き、各種の置換アルキルトリアルコキシ
シラン類;メチル−3−グリシドキシプロピルジメトキ
シシラン、メチル−3−メタクリロキシプロピルジメト
キシシラン、メチル−3−ウレイドプロピルジメトキシ
シラン、メチル−β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルジメトキシシラン、エチル−3−グリシドキ
シプロピルジメトキシシラン、エチル−3−メタクリロ
キシプロピルジメトキシシラン、エチル−3−ウレイド
プロピルジメトキシシラン、エチル−β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン等の如
き、アルキル基の置換した各種の置換アルキルジアルコ
キシシラン類;
【0107】シクロヘキシル−3−グリシドキシプロピ
ルジメトキシシラン、シクロヘキシル−3−メタクリロ
キシプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシル−3−
ウレイドプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシル−
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメト
キシシラン等の如き、シクロアルキル基の置換した各種
の置換アルキルジアルコキシシラン類;フェニル−3−
グリシドキシプロピルジメトキシシラン、フェニル−3
−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、フェニル
−3−ウレイドプロピルジメトキシシラン、フェニル−
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメト
キシシラン等の如き、アリール基の置換した各種の置換
アルキルジアルコキシシラン類などがある。
【0108】これらの上掲した各種のアルコキシシラン
化合物のうちでも、当該アルコキシシラン化合物(s−
1)として使用されるものとしては、有機基として炭素
数が4〜18なるアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基を有するものが好ましい。そしてこれらのう
ち、特に好ましいものは、有機基としてiso−ブチル
基、シクロヘキシル基もしくはフェニル基を少なくとも
一個有する、トリアルコキシシラン類やジアルコキシシ
ラン類である。
【0109】そして、当該アルコキシシラン化合物(s
−1)の中で、前掲したような一般式(S−5)で示さ
れるアルコキシシラン化合物のうち、特に代表的なるも
ののみを例示するならば、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキ
シシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ
メチルジ−n−ブトキシシラン等の如き、各種のジメチ
ルジアルコキシシラン類;ジエチルジメトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキ
シシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ
エチルジ−n−ブチトキシシラン等の如き、各種のジエ
チルジアルコキシシラン類;
【0110】ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−
n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−
n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−
プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブチトキ
シシラン等の如き、各種のジ−n−プロピルジアルコキ
シシラン類;ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、
ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−
プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロ
ピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロ
ピルジ−n−ブチトキシシラン等の如き、各種のジ−i
so−プロピルジアルコキシシラン類;メチルエチルジ
メトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチ
ルエチルジ−n−プロポキシシラン、メチルエチルジ−
iso−プロポキシシラン、メチルエチルジ−n−ブト
キシシラン等の如き、各種のメチルエチルジアルコキシ
シラン類などがある。
【0111】これらの上記したジアルコキシシラン化合
物のうちでも、実用性の面から、当該アルコキシシラン
化合物(s−1)として、特に好ましいものは、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシラン、ジエチ
ルジメトキシシラ、ジエチルジエトキシシランンなどで
ある。
【0112】そして、上述した各種のアルコキシシラン
化合物(s−1)を必須成分として含有するアルコキシ
シラン化合物類と、前記した重合体(b)とを加水分解
縮合反応または共加水分解縮合反応せしめることによ
り、重合体(f−1)が得られるが、この際に当該アル
コキシシラン化合物類として、上記(s−1)に加え
て、アルコキシシラン化合物(s−2)として後掲する
ような、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシランもしくはエチルト
リエトシシランの如き、総炭素数3以下のアルキル基の
置換したアルキルトリアルコキシシラン化合物を、本発
明の効果を損なわないような範囲内、例えば20モル%
未満の割合、で併用することができる。
【0113】また、前掲したようなアルコキシシラン化
合物(s−1)を必須成分として含有するアルコキシシ
ラン化合物類を加水分解縮合ないしは共加水分解縮合せ
しめることによって、当該珪素化合物(a−1)として
用いられる加水分解縮合物ないしは共加水分解縮合物が
調製できるし、該アルコキシシラン化合物類を部分加水
分解縮合ないは部分共加水分解縮合せしめることによっ
て、当該珪素化合物(a−1)として用いられる部分加
水分解縮合物ないしは部分共加水分解縮合物が調製でき
る。
【0114】この際には、触媒を使用してもよいし、使
用しなくてもよいが、これらの加水分解縮合反応を容易
に進行せしめるという面からは、触媒を使用することが
望ましい。触媒を使用する場合には、公知慣用の種々の
触媒のいずれをも使用することが出来るし、しかも、そ
れらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよいこと
は、勿論である。
【0115】かかる触媒として特に代表的なるもののみ
を例示するならば、塩酸、硫酸、燐酸等の如き、無機酸
類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、
酢酸等の如き、有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の如き、無機塩基類;テトライソプロピルチタ
ネート、テトラブチルチタネート等の如き、チタン酸エ
ステル類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等の
如き、錫カルボン酸塩類;1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DA
BCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メ
チルイミダゾール等の如き、各種の塩基性窒素原子を含
有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラ
ブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウ
ム塩等の如き各種の4級アンモニウム塩類であって、対
アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシ
レート、ハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニ
ウム塩類などがある。
【0116】かかる触媒の使用量としては、加水分解縮
合ないしは部分加水分解縮合に供されるシラン化合物に
対して、0.000001〜10重量%の範囲内が適切
であり、なかでも0.000005〜5重量%の範囲内
が好ましく、0.00001〜1重量%の範囲内が特に
好ましい。
【0117】また、加水分解反応ないしは部分加水分解
反応を行なうに当たって用いられる水の量としては、加
水分解反応を迅速に行うという観点から、シラン化合物
の珪素原子に結合している加水分解性基の1モルに対し
て、0.05モル以上が適切で、好ましくは0.1モル
以上、さらに好ましくは0.2モル以上であり、且つ、
水の量が5モルとか、10モルとか、珪素原子に結合し
ている加水分解性基の1モルに対して、過剰となるよう
に使用しても、一向に、支障が無い。
【0118】かかる反応における反応温度としては、0
〜150℃が適切であり、なかでも20〜100℃が好
ましい。
【0119】そして、かかる反応の副生成物である、ア
ルコールや水などが、引き続いて行なわれる、前記した
ビニル系重合体および/またはポリウレタン系重合体
(b)と、珪素化合物(a−1)との加水分解縮合反
応、共加水分解縮合反応または縮合反応の何れかを妨げ
たり、得られる複合樹脂(C)の保存安定性などを低下
させたりするようであれば、蒸留などの公知慣用の種々
の手段によって、系外に除くことが出来るし、そうした
問題が無ければ、そのまま、系内に存在させておいて
も、一向に、支障は無い。
【0120】また、かかる反応にあっては、有機溶剤を
使用してもよいし、使用しなくてもよいけれども、撹拌
などが、容易に、行なえるようにするためにも、有機溶
剤を使用することが望ましい。有機溶剤を使用する場合
には、公知慣用の種々の有機溶剤のいずれをも使用する
ことが出来るし、しかも、それらは、単独使用でも2種
類以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0121】その際に使用される有機溶剤としては、ビ
ニル系重合体(b−1)を調製する際に使用できるもの
として、すでに掲げたような、種々の化合物を使用する
ことが出来る。
【0122】次に、重合体(f−1)の調製方法につい
て、詳細に述べることにする。
【0123】当該重合体(f−1)は、(イ)前記した
重合体(b)が珪素原子に結合した加水分解性基を有
し、且つ、前記した珪素化合物(a−1)が珪素原子に
結合した加水分解性基を有する場合には、両者に含有さ
れる加水分解性基を共加水分解せしめ、さらに縮合反応
せしめてシロキサン結合を形成させることにより調製さ
れるし、
【0124】また、(ロ)前記した重合体(b)が珪素
原子に結合した加水分解性基を有し、且つ、前記した珪
素化合物(a−1)が珪素原子に結合した水酸基および
/または珪素原子に結合した加水分解性基のうちで該水
酸基のみを有する場合、あるいは、前記した重合体
(b)が珪素原子に結合した水酸基および/または珪素
原子に結合した加水分解性基のうちで該水酸基のみを有
し、且つ、前記した珪素化合物(a−1)が珪素原子に
結合した加水分解性基を有する場合には、これらのうち
一方のみに含有される加水分解性基を加水分解せしめ、
さらに縮合反応せしめてシロキサン結合を形成させるこ
とにより調製されるし、
【0125】さらには、(ハ)前記した重合体(b)が
珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子に結
合した加水分解性基のうちで該水酸基のみを有し、且
つ、前記した珪素化合物(a−1)も珪素原子に結合し
た水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性
基のうちで該水酸基のみを有する場合には、両者に含有
される該水酸基同志を縮合反応させてシロキサン結合を
形成させることにより調製される。
【0126】前記した重合体(b)と珪素化合物(a−
1)との間の反応をよりスムーズに進行させるために、
触媒を添加することが出来るが、こうした触媒として
は、珪素化合物(a−1)として使用される、前記した
アルコキシシラン化合物類の加水分解縮合物、該アルコ
キシシラン化合物類の共加水分解縮合物、該アルコキシ
シラン化合物類の部分加水分解縮合物または該アルコキ
シシラン化合物類の部分共加水分解縮合物などの調製に
使用されるものとして、すでに掲げた種々の触媒類を使
用することが出来る。
【0127】ここにおいて用いられる触媒の量として
は、重合体(b)と、珪素化合物(a−1)との合計1
00重量部に対して、0.0001〜10重量部の範囲
内が適切であり、なかでも0.0005〜3重量部の範
囲内が好ましく、0.0005〜1重量%の範囲内が特
に好ましい。
【0128】そして、当該触媒が珪素化合物(a−1)
として使用される、前記したアルコキシシラン化合物類
の加水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の共加
水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の部分加水
分解縮合物または該アルコキシシラン化合物類の部分共
加水分解縮合物中に残留している場合には、殊更に触媒
を添加せずとも、重合体(b)と珪素化合物(a−1)
の間の加水分解縮合反応、共加水分解縮合反応または縮
合反応を促進せしめることが可能である。
【0129】さらに、重合体(b)と珪素化合物(a−
1)との間の加水分解縮合反応もしくは共加水分解反応
をスムーズに進行せしめるためには、重合体(b)に含
まれる珪素原子に結合した加水分解性基の加水分解反応
と、当該珪素化合物(a−1)中に含まれる珪素原子に
結合した加水分解性基の加水分解反応とを円滑に進行せ
しめることが望ましく、したがって、こうした加水分解
縮合反応もしくは共加水分解縮合反応を、水の存在下で
行なうことが、特に望ましい。
【0130】そして、当該珪素化合物(a−1)として
使用される、前記したアルコキシシラン化合物類の加水
分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の共加水分解
縮合物、該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解縮
合物または該アルコキシシラン化合物類の部分共加水分
解縮合物を調製する際に用いられた水が、珪素化合物
(a−1)中に残留している場合には、殊更に水を添加
せずに共加水分解反応もしくは縮合反応を行なうことが
可能である。
【0131】こうした加水分解縮合反応あるいは共加水
分解縮合反応を行なうに際して用いられる水の量として
は、重合体(b)が有する珪素原子に結合した水酸基お
よび/または珪素原子に結合した加水分解性基と、当該
珪素化合物(a−1)中に存在する、珪素原子に結合し
た水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性
基との合計1モルに対して、0.05モル以上が適切で
あり、大過剰に設定しても、反応中に不溶物が析出して
来るなどの不都合が生じない限り、支障も無く、共加水
分解反応もしくは複合化反応を行なうことが出来るが、
なかでも0.05〜10モルが好ましく、0.1〜5モ
ルが更に好ましく、0.5〜3.5モルが最も好まし
い。
【0132】かかる方法において、加水分解縮合反応も
しくは共加水分解縮合反応あるいは縮合反応を行なう際
の反応温度としては、0〜150℃が適切であり、好ま
しくは20〜100℃である。
【0133】上述の方法により、重合体(f−1)を調
製するに当たり、重合体(b)と、珪素化合物(a−
1)との使用割合は、複合樹脂(C)の固形分中におけ
るポリシロキサンセグメント(A)の含有率が、適切な
含有率であるとして前記された50〜95重量%になる
ように設定されるものであるが、概ね、重合体(b)に
由来する重合体セグメント(B)と、珪素化合物(a−
1)より生成するポリシロキサンセグメント(A−1)
の重量比〔(B)/(A−1)〕として、5/95〜9
9/1の範囲内が適切であり、なかでも10/90〜9
7/3の範囲内が好ましく、15/85〜95/5の範
囲内が特に好ましい。
【0134】さらに、上述なる方法で、重合体(f−
1)を調製する際には、有機溶剤を使用してもよいし、
使用しなくてもよいが、撹拌などが容易に行なえるよう
にするためには、ビニル系重合体(b−1)を調製する
際に使用できるものとして、すでに掲げて来たような、
有機溶剤類を使用することが望ましい。
【0135】さらにまた、上述の方法で重合体(f−
1)の調製を行なうに際しての、各成分の合計濃度は、
該反応によって生成する重合体(f−1)の濃度が5〜
95重量%の範囲内に、好ましくは10〜90重量%の
範囲内に、さらに好ましくは、20〜80重量%の範囲
内になるように設定することが望ましい。そして、こう
した濃度の調整は、前掲したような各種の有機溶剤類を
使用して行なうことが出来る。
【0136】上述のようにして重合体(f−1)を調製
することが出来るが、かかる重合体中に含まれる、水お
よび有機溶剤は、除去しなくてもよいし、必要に応じ
て、蒸留よって除去することも出来る。
【0137】次に、前記した(1)なる方法で、複合樹
脂(C)を調製する際に使用される一方の構成成分であ
る、珪素化合物(a−2)について述べる。
【0138】かかる珪素化合物(a−2)とは、前記し
た一般式(S−6)および/または(S−7)で示され
るアルコキシシラン化合物(s−2)を必須成分として
含有してなるアルコキシシラン化合物類、あるいは、こ
のアルコキシシラン化合物類を加水分解縮合もしくは共
加水分解縮合せしめることによって調製される、いわゆ
る加水分解縮合物あるいは共加水分解縮合物たるポリシ
ロキサン、さらには、このアルコキシシラン化合物類を
部分加水分解もしくは部分共加水分解縮合せしめること
によって調製される、いわゆる部分加水分解縮合物ある
いは部分共加水分解縮合物たるポリシロキサンを指称す
るものである。
【0139】当該珪素化合物(a−2)のうち、前掲し
た一般式(S−6)で示されるアルコキシシラン化合物
として代表的なるもののみを例示するならば、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリ−n−ブトキシシラン等の如き、メチルトリアルコ
キシシラン類;エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン等の
如き、エチルトリアルコキシシラン類;n−プロピルト
リメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン等の如き、n−
プロピルトリアルコキシシラン類;iso−プロピルト
リメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラ
ン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン等の如
き、iso−プロピルトリアルコキシシラン類などがあ
る。
【0140】これらの上掲した各種のアルコキシシラン
化合物のうちでも、当該アルコキシシラン化合物(s−
2)として使用されるものとして特に好ましいものは、
有機基としてメチル基を有するメチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシランである。
【0141】そして、当該珪素化合物(a−2)のう
ち、前掲した一般式(S−7)で示されるアルコキシシ
ラン化合物として特に代表的なるもののみを例示するな
らば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−
iso−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシ
シラン等の如き、炭素数が4以下のアルコキシ基を有す
る各種のテトラアルコキシシラン類などがある。
【0142】また、上述した各種のアルコキシシラン化
合物(s−2)を必須成分として含有するアルコキシシ
ラン化合物類と、前記した重合体(f−1)を加水分解
縮合反応もしくは共加水分解縮合反応せしめることによ
り、複合樹脂(C)が得られるが、この際に当該アルコ
キシシラン化合物類として、上記(s−2)に加えて、
上述したアルコキシラン化合物(s−1)を、本発明の
効果を損なわない範囲内、例えば、20モル%未満の割
合、で併用することが出来るし、さらには、アルコキシ
シラン化合物(s−3)として後述するような、モノア
ルコキシシラン化合物を、本発明の効果を損なわない範
囲内、例えば、20モル%未満の割合、で併用すること
も出来るし、
【0143】さらに、ホウ素、チタン、ジルコニウムあ
るはアルミニウムなどの珪素原子以外の金属アルコキシ
ド化合物も、本発明の効果を損なわない範囲内、例え
ば、20モル%未満の割合、で併用することも出来る。
【0144】前記したアルコキシシラン化合物(s−
2)の少なくとも1種を必須成分として含有してなるア
ルコキシシラン化合物類を加水分解縮合ないしは共加水
分解縮合せしめることにより、当該珪素化合物(a−
2)として使用出来る、加水分解縮合物もしくは共加水
分解縮合物を調製することができるし、該アルコキシシ
ラン化合物類を部分加水分解縮合ないは部分共加水分解
縮合せしめることによって、当該珪素化合物(a−2)
として用いられる部分加水分解縮合物ないしは部分共加
水分解縮合物が調製できる。
【0145】その場合には、上述した珪素化合物(a−
1)としての加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物
の調製法、あるいは、当該(a−1)としての部分加水
分解縮合物もしくは部分共加水分解縮合物の調製法に準
じて調製を行えばよい。
【0146】次に、重合体(f−1)と珪素化合物(a
−2)から、当該複合樹脂(C)を調製する方法につい
て、詳細に述べることにする。
【0147】前掲の当該複合樹脂(C)は、(ニ)前記
した重合体(f−1)が珪素原子に結合した加水分解性
基を有し、且つ、前記した珪素化合物(a−2)が珪素
原子に結合した加水分解性基を有する場合には、両者に
含有される加水分解性基を共加水分解せしめ、さらに縮
合反応せしめてシロキサン結合を形成させることにより
調製されるし、
【0148】また、(ホ)前記した重合体(f−1)が
珪素原子に結合した加水分解性基を有し、且つ、前記し
た珪素化合物(a−2)が珪素原子に結合した水酸基お
よび/または珪素原子に結合した加水分解性基のうちで
該水酸基のみを含有する場合、あるいは、前記した重合
体(f−1)が珪素原子に結合した水酸基および/また
は珪素原子に結合した加水分解性基のうちで該水酸基の
みを含有し、且つ、前記した珪素化合物(a−2)が珪
素原子に結合した加水分解性基を有する場合には、これ
らのうち一方のみに含有される加水分解性基を加水分解
せしめ、さらに縮合反応せしめてシロキサン結合を形成
させることにより調製されるし、
【0149】さらには、(ヘ)前記した重合体(f−
1)が珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原
子に結合した加水分解性基のうちで該水酸基のみを含有
し、且つ、前記した珪素化合物(a−2)も珪素原子に
結合した水酸基および/または珪素原子に結合した加水
分解性基のうちで該水酸基のみを含有する場合には、両
者に含有される珪素原子に結合した水酸基同志を縮合反
応させてシロキサン結合を形成させることにより調製さ
れる。
【0150】そして、この場合の珪素化合物(a−2)
と重合体(f−1)との使用比率は、得られる複合樹脂
(C)の固形分に占めるポリシロキサンセグメント
(A)の含有率、即ち、珪素化合物(a−2)に由来す
るポリシロキサンセグメントと重合体(f−1)に含ま
れる珪素化合物(a−1)由来のポリシロキサンセグメ
ントの合計の含有率が、適切な含有率であるとして前記
された50〜95重量%になるようにすることが望まし
い。
【0151】重合体(f−1)と珪素化合物(a−2)
との間の共加水分解縮合反応もしくは加水分解縮合反応
あるいは縮合反応を行うには、必要に応じて触媒の存在
下に、20〜130℃、好ましくは40〜100℃の温
度で、1〜10時間のあいだ反応せしめればよい。
【0152】このような共加水分解縮合反応、加水分解
縮合反応またはは縮合反応を実施するに当たり、縮合の
程度を高くし過ぎると、縮合過程でゲル化したり縮合生
成物の溶液粘度が著しく高くなったりするため、かかる
縮合反応は、縮合過程でゲル化や著しい増粘が生じない
程度の反応率にとどめる必要がある。
【0153】従って、かかる反応により得られる複合樹
脂(C)は、厳密には、重合体(f−1)と、珪素化合
物(a−2)と、重合体(f−1)と珪素化合物(a−
2)の縮合物なる三成分の混合物である。
【0154】前記した(1)の製造法で調製される複合
樹脂(C)のうち、ポリシロキサンセグメント(A−
1)として、トリオルガノシロキシ基と加水分解性基お
よび/または水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共に
結合した珪素原子を有するポリシロキサンセグメントを
有し、且つ、ビニル系重合体および/またはポリウレタ
ン系重合体に由来する重合体セグメントを有するタイプ
の調製方法として、特に代表的なものを例示すれば、前
記した重合体(b)と、下記の一般式(S−12)
【0155】
【化10】
【0156】(ただし、式中のR11、R12またはR13
アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル基が置
換したアルキル基、アリール基およびアラルキル基の如
き有機基を、R14は炭素数4個以下のアルキル基を表わ
す。)で示されるモノアルコキシシラン化合物(s−
3)を必須成分として含有するアルコキシラン化合物類
を加水分解縮合反応もしくは共加水分解縮合反応せしめ
て得られる重合体(f−2)と、前記した珪素化合物
(a−2)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反
応または縮合反応せしめる方法や、
【0157】前記した重合体(b)と、上記したモノア
ルコキシシラン化合物(s−3)と前記したアルコキシ
シラン化合物(s−2)を必須成分として含有するアル
コキシラン化合物類、該アルコキシシラン化合物類の加
水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の共加水分
解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解
縮合物および該アルコキシシラン化合物類の部分共加水
分解縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の珪
素化合物(a−3)を加水分解縮合反応、共加水分解縮
合反応または縮合反応せしめて得られる重合体(f−
3)と、前記した珪素化合物(a−2)とを、加水分解
縮合反応、共加水分解縮合反応または縮合反応せしめる
方法が挙げられる。
【0158】前掲したモノアルコキシシラン化合物(s
−3)として特に代表的なるもののみを例示するなら
ば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリエチルメトキシシラン、ジメチル−iso−
ブチルメトキシシラン、ジメチル−tert−ブチルメ
トキシシラン、ジメチルシクロヘキシルメトキシシラ
ン、ジメチルフェニルメトキシシラン等の如き、各種の
トリオルガノモノアルコキシシラン類などがある。
【0159】前記した、アルコキシシラン化合物(s−
2)およびモノアルコキシシラン化合物(s−3)を必
須成分として含有するアルコキシシラン化合物類中にお
ける(s−3)成分の使用割合としては、当該複合樹脂
(C)の製造時のゲル化を防止するという点、且つ、本
発明の塗装剤の貯蔵安定性の点から、20モル%以上に
設定することが好ましい。
【0160】また、前記したアルコキシシラン化合物
(s−2)およびモノアルコキシシラン化合物(s−
3)を必須成分として含有するアルコキシシラン化合物
類から、当該珪素化合物(a−3)として用いられる、
該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解縮合物、部
分共加水分解縮合物、部分加水分解縮合物あるいは部分
共加水分解縮合物を調製することができるが、その具体
的な方法は、既に、前記した珪素化合物(a−1)の調
製法に準ずる。
【0161】そして、前記したアルコキシシラン化合物
(s−2)と重合体(b)との反応あるいは前記した珪
素化合物(a−3)と重合体(b)との反応により、当
該重合体(f−2)または(f−3)が調製されるが、
この調製法は、既に前記した重合体(f−1)の調製方
法に準ずる。
【0162】そして、前記したアルコキシシラン化合物
(f−2)またはモノアルコキシシラン化合物(f−
3)と、前記した珪素化合物(a−2)との反応によ
り、ポリシロキサンセグメント(A−1)として、加水
分解性基および/または水酸基とトリオルガノシロキシ
基とが共に結合した珪素原子を含有するポリシロキサン
セグメントを有する複合樹脂(C)が調製されるが、こ
の調製法については、既に上述したような、重合体(f
−1)と珪素化合物(a−2)を使用した調製方法に準
ずる。
【0163】上述した(1)の製造法で調製される複合
樹脂(C)のうち、ポリシロキサンセグメント(A−
1)として、加水分解性基および/または水酸基とこれ
ら以外の総炭素数が4個以上の有機基とが共に結合した
珪素原子と、加水分解性基および/または水酸基とトリ
オルガノシロキシ基とが共に結合した珪素原子とを共有
するポリシロキサンセグメントを有し、且つ、ビニル系
重合体および/またはポリウレタン系重合体に由来する
重合体セグメントを有するタイプの調製方法として、特
に代表的なもののみを例示すれば、前記した重合体
(b)と、前記したモノアルコキシシラン化合物(s−
3)および前記した一般式(S−4)で示されるアルコ
キシシラン化合物中のトリアルコキシシラン化合物を必
須成分として含有するアルコキシシラン化合物類、該ア
ルコキシシラン化合物類の加水分解縮合物、該アルコキ
シシラン化合物類の共加水分解縮合物、該アルコキシシ
ラン化合物類の部分加水分解縮合物および該アルコキシ
シラン化合物類の部分共加水分解縮合物よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a−4)を、加
水分解縮合反応、共加水分解縮合反応または縮合反応せ
しめて得られる重合体(f−4)と、前記した珪素化合
物(a−2)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合
反応または縮合反応せしめる方法等が挙げられる。
【0164】また、前記したモノアルコキシシラン化合
物(s−3)および前記した一般式(S−4)で示され
るアルコキシシラン化合物中のトリアルコキシシラン化
合物を必須成分として含有するアルコキシシラン化合物
類から、当該珪素化合物(a−4)として用いられる、
該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解縮合物、部
分共加水分解縮合物、部分加水分解縮合物あるいは部分
共加水分解縮合物を調製することができるが、その具体
的な方法は、前記した珪素化合物(a−1)の調製法に
準ずる。
【0165】そして、前記した珪素化合物(a−4)と
重合体(b)との反応により、当該重合体(f−4)が
調製されるが、この調製法は、前記した重合体(f−
1)の調製方法に準ずる。
【0166】さらに、前記した重合体(f−4)と、前
記した珪素化合物(a−2)との反応により、ポリシロ
キサンセグメント(A−1)として、加水分解性基およ
び/または水酸基とこれら以外の総炭素数が4個以上の
有機基とが共に結合した珪素原子と、加水分解性基およ
び/または水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共に結
合した珪素原子を含有するポリシロキサンセグメントを
有する複合樹脂(C)が調製されるが、この調製法は、
前記した重合体(f−1)と珪素化合物(a−2)を使
用した複合樹脂の調製方法に準ずる。
【0167】さらには、前記した(1)の製造法で調製
される複合樹脂(C)のうち、ポリシロキサンセグメン
ト(A−1)として、加水分解性基および/または水酸
基の1個とこれら以外の総炭素数が3個以下の有機基の
2個とが共に結合した珪素原子と、加水分解性基および
/または水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共に結合
した珪素原子を共有するポリシロキサンセグメントを有
し、且つ、ビニル系重合体および/またはポリウレタン
系重合体に由来する重合体セグメントを有するタイプの
調製方法として、特に代表的なもののみを例示すれば、
前記した重合体(b)と、前記したモノアルコキシシラ
ン化合物(s−3)と前記した一般式(S−5)で示さ
れるジアルコキシシラン化合物と前記したアルコキシシ
ラン化合物(s−2)の三者を必須の成分として含有す
るアルコキシシラン化合物類、該アルコキシシラン化合
物類の加水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の
共加水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の部分
加水分解縮合物および該アルコキシシラン化合物類の部
分共加水分解縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の珪素化合物(a−5)を加水分解縮合反応、共加
水分解縮合反応または縮合反応せしめて得られる重合体
(f−5)と、前記した珪素化合物(a−2)とを、加
水分解縮合反応、共加水分解縮合反応または縮合反応せ
しめが方法等が挙げられる。
【0168】前記したアルコキシシラン化合物(s−
2)と前記したモノアルコキシシラン化合物(s−3)
と前記した一般式(S−5)で示されるジアルコキシシ
ラン化合物の三者を必須成分として含有するアルコキシ
シラン化合物類中における(s−3)成分の使用割合と
しては、当該複合樹脂のゲル化を防止するという点、且
つ、本発明の塗装剤の貯蔵安定性の点から、20モル%
以上に設定することが好ましい。
【0169】また、前記したアルコキシシラン化合物
(s−2)とモノアルコキシシラン化合物(s−3)と
前記した一般式(S−5)で示されるジアルコキシシラ
ン化合物の三者を必須成分として含有するアルコキシシ
ラン化合物類から、当該珪素化合物(a−5)として用
いられる、該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解
縮合物、部分共加水分解縮合物、部分加水分解縮合物あ
るいは部分共加水分解縮合物を調製することができる
が、その具体的な方法は、前記した珪素化合物(a−
1)の調製法に準ずる。
【0170】そして、前記した珪素化合物(a−5)と
重合体(b)との反応により、当該重合体(f−5)が
調製されるが、この調製法は、前記した重合体(f−
1)の調製方法に準ずる。
【0171】さらに、前記した重合体(f−5)と、前
記した珪素化合物(a−5)との反応により、ポリシロ
キサンセグメント(A−1)として、加水分解性基また
は水酸基の1個とこれら以外の総炭素数が3個以下の有
機基の2個とが共に結合した珪素原子と、加水分解性基
および/または水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共
に結合した珪素原子を含有するポリシロキサンセグメン
トを有する複合樹脂(C)が調製されるが、この調製法
は、前記した重合体(f−1)と珪素化合物(a−2)
を使用した複合樹脂の調製方法に準ずる。
【0172】また、上述した(1)の製造法で調製され
る複合樹脂(C)のうち、ポリシロキサンセグメント
(A−1)として、加水分解性基および/または水酸基
とこれら以外の総炭素数が4個以上の有機基とが共に結
合した珪素原子と、加水分解性基または水酸基の1個と
これら以外の総炭素数が3個以下の有機基の2個とが共
に結合した珪素原子と、加水分解性基および/または水
酸基とトリオルガノシロキシ基とが共に結合した珪素原
子の三者を共有するポリシロキサンセグメントを有し、
且つ、ビニル系重合体および/またはポリウレタン系重
合体に由来する重合体セグメントを有するタイプの調製
方法として、特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、前記した重合体(b)と、前記したモノアルコキ
シシラン化合物(s−3)と前記した一般式(S−4)
で示されるアルコキシシラン化合物中のトリアルコキシ
シラン化合物と前記した一般式(S−5)で示されるジ
アルコキシシラン化合物の三者を必須の成分として含有
するアルコキシシラン化合物類、該アルコキシシラン化
合物類の加水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類
の共加水分解縮合物、該アルコキシシラン化合物類の部
分加水分解縮合物および該アルコキシシラン化合物類の
部分共加水分解縮合物よりなる群から選ばれる少なくと
も1種の珪素化合物(a−6)を加水分解縮合反応、共
加水分解縮合反応またはは縮合反応せしめて得られる重
合体(f−6)と、前記した珪素化合物(a−2)と
を、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反応または縮合
反応せしめて方法等が挙げられる。
【0173】前記したモノアルコキシシラン化合物(s
−3)と前記した一般式(S−5)で示されるジアルコ
キシシラン化合物と前記した一般式(S−4)で示され
るアルコキシシラン化合物中のトリアルコキシシラン化
合物の三者を必須成分として含有するアルコキシシラン
化合物類から、当該珪素化合物(a−6)として用いら
れる、該アルコキシシラン化合物類の部分加水分解縮合
物、部分共加水分解縮合物、部分加水分解縮合物あるい
は部分共加水分解縮合物を調製することができるが、そ
の具体的な方法は、前記した珪素化合物(a−1)の調
製法に準ずる。
【0174】そして、前記した珪素化合物(a−6)と
重合体(b)との反応により、当該重合体(f−6)が
調製されるが、この調製法は、前記した重合体(f−
1)の調製方法に準ずる。
【0175】さらに、前記した重合体(f−6)と、前
記した珪素化合物(a−2)との反応により、ポリシロ
キサンセグメント(A−1)として、加水分解性基およ
び/または水酸基とこれら以外の総炭素数が4個以上の
有機基とが共に結合した珪素原子と、加水分解性基また
は水酸基の1個とこれら以外の総炭素数が3個以下の有
機基の2個とが共に結合した珪素原子と、加水分解性基
および/または水酸基とトリオルガノシロキシ基とが共
に結合した珪素原子の三者を含有するポリシロキサンセ
グメントを有する複合樹脂(C)が調製されるが、この
調製法も、前記した重合体(f−1)と珪素化合物(a
−2)を使用した複合樹脂の調製方法に準ずる。
【0176】このように、上述した(1)なる製造法で
調製される複合樹脂(C)から、本発明のガラス着色用
塗装剤を調製するには、一つには、複合樹脂(C)は、
それ自体で自己硬化性を有する処から、複合樹脂(C)
と着色剤(D)とを必須成分として含有してなる自己硬
化性の塗装剤とすればよいし、二つには、複合樹脂
(C)および着色剤(D)に対して、さらに、当該複合
樹脂(C)に含有される反応性官能基と反応する硬化剤
(E)を配合せしめることによって、複合樹脂(C)に
含まれる硬化性官能基と、硬化剤(E)中に含まれる官
能基との間の架橋反応をも利用する形の塗装剤とすれば
よい。
【0177】本発明のガラス着色塗装剤の必須成分であ
る着色剤(D)としては、公知慣用の着色剤のいずれを
も使用することができるが、ガラスの再利用を念頭にお
いた場合、ガラスの再溶融の際に分解して無色化すると
いう理由から、有機染料、有機顔料、カーボンブラック
の使用が好適であるし、さらには、本発明の塗装剤から
得られる塗膜の耐久性の観点から、有機顔料の使用が特
に好適である。
【0178】かかる有機顔料のうちでも、ペリレン、キ
ナクリドン、アンスラキノン、イソインドリノン、イソ
インドリン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなど
の縮合多環系顔料や、アゾ系顔料が好ましい。また、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフ
タロシアニン系顔料は銅を含有するが、少量であれば、
再溶融時の無色化という面からも問題はない。
【0179】かかる着色剤(D)、なかでも有機顔料の
添加方法としては、予め、複合樹脂(C)の一部ないし
は全部に分散させて添加する方法が好適であり、なかで
も、ポリシロキサンセグメント(A)の含有率が高い複
合樹脂に比べて着色剤の分散性に優れる、ポリシロキサ
ンセグメント(A)が固形分の50重量%未満の複合樹
脂〔以下、顔料分散用複合樹脂(P−1)と略す〕に着
色剤(D)を予め分散させたものを、ポリシロキサンセ
グメントが固形分の50重量%以上の複合樹脂と併用す
る方法が、本発明の塗装剤の貯蔵安定性の観点から、特
に好適である。
【0180】この際の顔料分散用複合樹脂(P−1)の
使用量は、本発明の塗装剤の特性を損なわない範囲内
に、例えば、ポリシロキサンセグメントが固形分の50
重量%以上の複合樹脂と顔料分散用複合樹脂(P−1)
の合計固形分に占める、それぞれのポリシロキサンセグ
メントの合計の含有率が、50〜95重量%となるよう
に設定するのが望ましい。
【0181】また、かかる有機顔料を分散させることが
可能な、前記(P−1)以外の樹脂類〔以下、顔料分散
用樹脂(P−2)と略す〕を、本発明の塗装剤の特性を
損なわない範囲内で使用し、当該有機顔料を塗装剤に添
加する方法も好適である。
【0182】かかる顔料分散用樹脂(P−2)として
は、公知慣用の各種の樹脂類を使用することが出来るけ
れども、その中で特に代表的なもののみを例示すれば、
ビニル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエステル
系重合体などがある。
【0183】さらに、上述のガラス着色用塗装剤のう
ち、後記する硬化剤(E)を必須成分として用いる場合
は、予め硬化剤(E)の一部ないし全部に有機顔料を分
散させて添加する方法も好適である。
【0184】後者のガラス着色用塗装剤の調製に際して
使用される硬化剤(E)とは、前述した複合樹脂(C)
中に含まれる、前述のような各種の硬化性官能基と反応
する官能基を少なくとも1種有する、公知慣用の種々の
化合物が挙げられる。
【0185】こうした官能基として特に代表的なものの
みを例示すれば、イソシアネート基、ブロックされたイ
ソシアネート基、エポキシ基、シクロカーボネート基、
オキサゾリン基、アジリジン基、カーボジイミド基、珪
素原子に結合した水酸基、珪素原子に結合した加水分解
性基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシ
メチルアミノ基、N−ヒドロキシメチルカルボン酸アミ
ド基もしくはN−アルコキシメチルカルボン酸アミド基
などがある。
【0186】そして、当該硬化剤(E)中に含まれる官
能基は、複合樹脂(C)中に含まれる硬化性官能基の種
類に応じて、適宜選択される。そうした組み合わせとし
て特に代表的なもののみを例示すれば、珪素原子に結合
した水酸基−珪素原子に結合した水酸基、珪素原子に結
合した水酸基−珪素原子に結合した加水分解性基、珪素
原子に結合した加水分解性基−珪素原子に結合した加水
分解性基、カルボキシル基−エポキシ基、カルボキシル
基−シクロカーボネート基、カルボキシル基−アジリジ
ニル基、カルボキシル基−カーボジイミド基、3級アミ
ノ基−エポキシ基、カルボキシル基−N−ヒドロキシメ
チルアミノ基、カルボキシル基−N−アルコキシメチル
アミノ基、炭素原子に結合した水酸基−イソシアネート
基、炭素原子に結合した水酸基−ブロックイソシアネー
ト基、カルボキシル基−オキサゾリン基、N−ヒドロキ
シメチルアミノ基−炭素原子に結合した水酸基、N−ア
ルコキシメチルアミノ基−炭素原子に結合した水酸基、
N−ヒドロキシメチルカルボン酸アミド基−炭素原子に
結合した水酸基、N−アルコキシメチルカルボン酸アミ
ド基−炭素原子に結合した水酸基などがある。
【0187】当該硬化剤(E)としては、複合樹脂
(C)中に含まれる硬化性官能基によっては、前述した
ような種々の官能基のうちの2種以上を有するものであ
ってもよい。また、当該硬化剤(E)としては、比較的
分子量の低い化合物に加えて、各種の樹脂類を使用する
ことも出来るが、このような樹脂類として特に代表的な
もののみを例示すれば、アクリル樹脂、フッ素樹脂の如
き、各種のビニル系重合体、ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などがある。
そして、当該硬化剤(E)として、特に、前記した官能
基を2種以上有するような化合物を使用する際には、当
該硬化剤(E)としては、ビニル系重合体を使用するの
が簡便である。
【0188】かかる硬化剤(E)として特に代表的なも
ののみを例示すれば、珪素原子に結合した水酸基および
/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する化合
物、一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分
解性基とを併有する化合物、ポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ
化合物、ポリアジリジン化合物、ポリカーボジイミド化
合物、ポリオキサゾリン化合物、アミノ樹脂などがあ
り、これらの種々の化合物は、単独使用であってもよい
し、2種以上の併用であってもよいことは、勿論、可能
である。
【0189】前記した、珪素原子に結合した水酸基およ
び/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪
素化合物のうちでも特に代表的なもののみを例示すれ
ば、一分子に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加
水分解性基を有するシラン化合物;これらのシラン化合
物の加水分解物あるいは加水分解縮合物;これらのシラ
ン化合物の1種の部分加水分解縮合によって得られる部
分加水分解縮合物;これらのシラン化合物の2種以上の
部分加水分解縮合によって得られる部分共加水分解縮合
物などがある。
【0190】これらのうちでも、当該シラン化合物とし
て特に代表的なもののみを例示すれば、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、これらの部分加水分解
縮合物、これらの部分共加水分解縮合物、前掲した如き
各種のシラン化合物などがある。
【0191】前記した、一分子中にエポキシ基と珪素原
子に結合した加水分解性基とを併有する化合物として特
に代表的なる化合物のみを例示すれば、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン等の如き、エポキシ
基を含有するシラン化合物;これらのシラン化合物を部
分加水分解縮合させることによって得られる部分加水分
解縮合物;これらのシラン化合物の2種以上の部分加水
分解縮合によって得られる部分共加水分解縮合物;
【0192】「EGM−202」〔東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の、珪素原子に結合したメトキ
シ基と、3−グリシドキシプロピルとを併有する、環状
のポリシロキサン〕;「KP−392」〔信越化学
(株)製の、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの部分加水分解縮合物〕;
【0193】エポキシ基含有ビニル単量体と、前掲した
ような各種の加水分解性シリル基含有ビニル系単量体と
からなる種々の共重合体またはこれら両単量体を、該両
単量体と共重合可能な、(メタ)アクリル系、ビニルエ
ステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系、フルオ
ロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめて得
られる、エポキシ基と加水分解性シリル基を併有するビ
ニル系共重合体類などがある。
【0194】前記したポリイソシアネート化合物として
特に代表的なもののみを例示すれば、トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ート等の如き、各種の芳香族ジイソシアネート類;メタ
−キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−
テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等の
如き、各種のアラルキルジイソシアネート類;
【0195】ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナートメチル
シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナー
トシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナ
ートシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート等の
如き、各種の脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート
類;
【0196】前掲したような各種のポリイソシアネート
類を、多価アルコール類と付加反応せしめることによっ
て得られる、イソシアネート基を有する各種のプレポリ
マー類;前掲したような各種のポリイソシアネート類を
環化三量化せしめることによって得られる、イソシアヌ
レート環を有する各種のプレポリマー類;前掲したよう
な各種のポリイソシアネート類と、水とを反応せしめる
ことによって得られる、ビウレット構造を有する各種の
ポリイソシアネート類;
【0197】2−イソシアナートエチル(メタ)アクリ
レート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジ
ルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト等の如き、各種のイソシアネート基を有するビニル単
量体の単独重合体;
【0198】これらのイソシアネート基含有ビニル単量
体を、該単量体と共重合可能な、(メタ)アクリル系、
ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族、ビニル
系、フルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合
せしめることによって得られる、イソシアネート基を含
有する各種のビニル系共重合体類などがある。
【0199】そして、かかるポリイソシアネートのうち
にあって、特に耐候性などの面からは、脂肪族、アラル
キル系ないしは脂環式ジイソシアネート化合物、それら
の各種のジイソシアネート化合物から誘導される、種々
のタイプのプレポリマーあるいはイソシアネート基含有
ビニル系重合体などの使用が、特に望ましい。
【0200】前記したブロック・ポリイソシアネート化
合物として特に代表的なもののみを例示すれば、前掲し
たような各種のポリイソシアネート化合物を、後掲する
ような種々のブロック剤でブブロック化せしめることに
よって得られる種々のブロックポリイソシアネート化合
物や、イソシアネート基を環化二量化せしめることによ
って得られる種々のウレトジオン構造を含む化合物のよ
うに、熱によってイソシアネート基を再生する化合物な
どがある。
【0201】そして、ブロック・ポリイソシアネート化
合物を調製する際に使用されるブロック剤として特に代
表的なもののみを例示すれば、メタノール、エタノー
ル、乳酸エステル等の如き、各種のアルコール類;フェ
ノール、サリチル酸エステル等の如き、フェノール性水
酸基含有化合物類;ε−カプロラクタム、2−ピロリド
ン等の如き、各種のアマイド類;アセトンオキシム、メ
チルエチルケトオキシム等の如き、各種のオキシム類;
アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセト
ン等の如き、各種の活性メチレン化合物類などがある。
【0202】前記したポリエポキシ化合物として特に代
表的なもののみを例示すれば、エチレングリコール、ヘ
キサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、
水添ビスフェノールA等の如き、各種の脂肪族ないしは
脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル類;ビスフ
ェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等の
如き、各種の芳香族系ジオールのポリグリシジルエーテ
ル類;
【0203】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如き、
各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテ
ル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−
トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタンテ
トラカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸等の如き、各
種の脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシ
ジルエステル類;
【0204】シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセ
ン等の如き、各種の炭化水素系ジエン類のビスエポキシ
ド類;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等の
如き、各種の脂環式ポリエポキシ化合物;「EGM−4
00」〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製
の、3−グリシドキシプロピルを有する、環状のポリシ
ロキサン〕;
【0205】エポキシ基含有ビニル単量体の単独重合体
またはこれらエポキシ基含有ビニル単量体を、該単量体
と共重合可能な、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニ
ルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系、フ
ルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめ
ることによって得られる、エポキシ基を含有するビニル
系共重合体類などがある。
【0206】そして、前記したポリオキサゾリン化合物
の代表的なものとしては、2,2′−p−フェニレン−
ビス−(1,3−オキサゾリン)、2,2′−テトラメ
チレン−ビス−(1,3−オキサゾリン)、2,2′−
オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)等の如き
低分子量のポリ(1,3−オキサゾリン)化合物;2−
イソプロペニル−1,3−オキサゾリン等の如き1,3
−オキサゾリン基含有ビニル系単量体の単独重合体もし
くはこれと共重合可能な各種のビニル系単量体とを共重
合せしめて得られる、1,3−オキサゾリン基を含有す
るビニル系重合体などが挙げられる。
【0207】N−ヒドロキシメチルアミノ基またはN−
アルコキシメチルアミノ基を含有する化合物の代表的な
ものとしては、各種のアミノ樹脂類がある。
【0208】かかるアミノ樹脂の代表的なるものとして
は、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、
尿素、グリコウリル等の如き、各種のアミノ基含有化合
物を、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の如き、
各種のアルデヒド化合物(ないしはアルデヒド供給物
質)と反応せしめることによって得られるアルキロール
基を有する種々のアミノ樹脂;かかるアルキロール基を
有するアミノ樹脂を、メタノール、エタノール、n−ブ
タノール、iso−ブタノール等の如き、各種の低級ア
ルコールと反応せしめることによって得られる、種々の
アルコキシアルキル基含有アミノ樹脂などがある。
【0209】N−アルコキシメチルカルボン酸アミド基
を含有する化合物の代表的なものとしては、N−ヒドロ
キシメチル(メタ)アクリルアミドをこれと共重合する
ビニル系単量体と共重合せしめて得られるビニル系重合
体などが挙げられる。
【0210】N−アルコキシメチルカルボン酸アミド基
を含有する化合物の代表的なものとしては、N−メトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシメチル
カルボン酸アミド基を含有するビニル系単量体類を、こ
れらと共重合するビニル系単量体と共重合せしめて得ら
れる、N−アルコキシメチルカルボン酸アミド基を含有
するビニル系重合体が挙げられる。
【0211】前記した複合樹脂(C)と当該硬化剤
(E)を必須成分として含有するガラス着色用塗装剤を
調製するには、当該硬化剤(E)が、珪素原子に結合し
た水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性
基を有する化合物である場合には、複合樹脂(C)の固
形分100重量部に対して、当該硬化剤(E)の固形分
量が、0.1〜200重量部の範囲内、好ましくは0.
5〜150重量部の範囲内、一層好ましくは1〜100
重量部の範囲内となるように配合すればよい。
【0212】また、当該硬化剤(E)が、ポリイソシア
ネート化合物またはブロックポリイソシアネート化合物
である場合には、複合樹脂(C)中に含まれる、イソシ
アネート基またはブロックイソシアネート基と反応する
硬化性官能基の1当量に対して、当該硬化剤(E)中に
含まれる、イソシアネート基またはブロックイソシアネ
ート基の量が0.1〜10当量の範囲内、好ましくは
0.3〜5当量の範囲内、一層好ましくは0.5〜2当
量の範囲内となるように、当該硬化剤(E)を配合すれ
ばよい。
【0213】また、当該硬化剤(E)が、一分子中にエ
ポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有す
る化合物あるいはポリエポキシ化合物である場合には、
複合樹脂(C)の中に含まれる、エポキシ基と反応する
硬化性官能基の1当量に対して、当該硬化剤(E)中に
含まれるエポキシ基量の合計量が、0.2〜5.0当量
の範囲内、好ましくは0.5〜3.0当量の範囲内、一
層好ましくは0.7〜2当量の範囲内となるように、当
該硬化剤(E)を配合すればよい。
【0214】当該硬化剤(E)が、アミノ樹脂である場
合には、複合樹脂(C)の固形分100重量部に対し
て、アミノ樹脂の固形分量が、0.1〜200重量部の
範囲内、好ましくは0.5〜150重量部の範囲内、一
層好ましくは1〜100重量部の範囲内となるように配
合すればよい。
【0215】当該硬化剤(E)が、ポリオキサゾリン化
合物である場合には、複合樹脂(C)の中に含まれる、
オキサゾリン基と反応する硬化性官能基の1当量に対し
て、当該硬化剤(E)中に含まれるオキサゾリン基量の
合計量が、0.2〜5.0当量の範囲内、好ましくは
0.5〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは0.7〜
2当量の範囲内となるように、当該硬化剤(E)を配合
すればよい。
【0216】上述のようにして調製される、複合樹脂
(C)と着色剤(D)とを必須の成分として含有する本
発明のガラス着色用塗装剤、あるいは複合樹脂(C)と
着色剤(D)に、さらに、硬化剤(E)をも配合せしめ
てなる、本発明のガラス着色用塗装剤は、硬化触媒、流
動調整剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、
赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤など
のような、公知慣用の種々の添加剤類などをも配合せし
めた形で使用することも出来る。
【0217】前記した添加剤類のうち、硬化触媒として
特に代表的なもののみを例示すれば、前記したような複
合樹脂(C)の調製に使用されるものとして、すでに、
前掲しているような各種の触媒類を使用することも出来
るし、これらの諸化合物に加えて、テトラメチルホスホ
ニウム塩、テトラエチルホスホニウム塩、テトラブチル
ホスホニウム塩、トリフェニルホスホニウム塩類などで
あって、対アニオンとして、たとえば、フルオライド、
クロライド、ブロマイド、カルボキシレートの如き、各
種のアニオンを有するような種々の化合物を使用するこ
とも出来る。
【0218】本発明のガラス着色用塗装剤に、触媒を添
加する場合には、かかる硬化触媒の添加量を、含有され
る樹脂固形分の合計量の100重量部に対して、0.0
1〜15重量部の範囲に、好ましくは0.05〜10重
量部の範囲に、特に好ましくは0.1〜5重量部の範囲
に設定するのが適切である。
【0219】かくして得られる、本発明にかかるガラス
着色用塗装剤は、これを構成する複合樹脂(C)と着色
剤(D)の種類により、あるいは該硬化剤(E)成分を
添加したような場合には、その種類と量とにより、最適
なる硬化条件は異なるけれども、200℃未満の温度
で、2分間〜1時間程度の焼き付けを行なうことによっ
て、ガラス基材に対して、耐アルカリ性に優れた塗膜を
形成することが出来る。
【0220】そして、本発明のガラス着色用塗装剤の塗
装方法としては、ディッピング法、刷毛塗り法、ローラ
ー塗装法、スプレー塗装法、電着塗装法などの公知慣用
の種々の塗装方法を用いることができる。
【0221】上述した塗装方法により、ガラス基材上に
塗装された本発明の塗装剤を、上記した如き、種々の条
件で硬化させることによって、とりわけ、耐アルカリ性
ならびに耐アルコール性に代表される耐薬品性と、耐水
性に優れる硬化塗膜で被覆された塗装物が製造される。
【0222】このようにして製造される塗装物のうち、
ガラス基材がガラス瓶であるものについては、再溶融す
ることにより、無色のガラス素材として再利用可能なガ
ラス瓶として利用することが出来る。
【0223】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層具体的に説明をすることにするが、本発
明は、決して、これらの例のみに限定されるものではな
い。なお、以下において、部および%は、特に断りの無
い限り、すべて、重量基準であるものとする。
【0224】参考例1〔ビニル系重合体(b−1)の調
製〕温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下漏斗および窒素
導入管を備えた反応容器に、iso−プロパノール(I
PA)5,000部を仕込んで、窒素ガスの通気下に8
0℃に昇温した。次いで、同温度で、メチルメタアクリ
レート(MMA)200部、n−ブチルメタクリレート
(BMA)222部、iso−ブチルメタクリレート
(IBMA)200部、n−ブチルアクリレート(B
A)168部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン(MPTMS)200部およびアクリル
酸(AA)10部からなる混合物と、IPA 50部と
tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト(TBPOEH)50部とからなる混合物とを、別々
に、4時間かけて滴下した。滴下終了後も同温度で16
時間撹拌することによって、不揮発分22.5%、数平
均分子量5,700なる、トリメトキシシリル基を有す
るビニル系重合体の溶液を得た。以下、これを(b−1
−1)と略記する。
【0225】参考例2(同上)参考例1と同様の反応容
器に、IPA 5,000部を仕込んで、窒素ガスの通
気下に80℃に昇温した。次いで、同温度で、MMA
400部、BMA 22部、BA 168部、MPTM
S 150部、AA 10部および2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(HEMA)200部からなる混合物
と、IPA 50部とTBPOEH 50部からなる混
合物と、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン4
0部とを、それぞれ別々に、4時間かけて滴下した。滴
下終了後も同温度で16時間撹拌することによって、不
揮発分23.0%、数平均分子量4,500なる、トリ
メトキシシリル基および炭素原子に結合した水酸基を併
有するビニル系重合体の溶液を得た。以下、これを(b
−1−2)と略記する。
【0226】参考例3および4(同上)単量体の種類お
よび使用量と、重合開始剤の種類および使用量とを、下
記第1表に示すように変更した以外は、参考例1と同様
に重合を行なって、同表に示すような性状値を有する、
各種のビニル系重合体(b−1−3)および(b−1−
4)を得た。
【0227】
【表1】
【0228】《第1表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*1)
CHMA :シクロヘキシルメタクリレート*2)T
BPOTMS:tert−ブチルパーオキシ−2,2−
ジメチル−3−トリメトキシシリルプロパノエート
【0229】
【表2】
【0230】参考例5〔珪素化合物(a−1)の調製〕
温度計、環流冷却管および滴下漏斗を備えた反応容器
に、iso−ブチルトリメトキシシラン(IBTMS)
1,000部とIPA 620部を仕込んで、60℃ま
で昇温し、同温で「A−3」〔堺化学(株)製の、is
o−プロピルアシッドホスフェート〕9部と脱イオン水
303部との混合物を、5分間を要して滴下した。次い
で、80℃まで昇温し、同温度で4時間のあいだ撹拌を
行なった後、減圧蒸留でメタノールと水を除いて、数平
均分子量が1,200で、反応液中の有効成分(使用し
たアルコキシシランが完全に加水分解し、さらに完全に
縮合した場合の固形分、以下同様)が50.1%なる、
珪素化合物を得た。以下、これを(a−1−1)と略記
する
【0231】しかるのち、核磁気共鳴分析(1H−NM
R )により、この珪素化合物(a−1−1)の分析を
行ったところ、使用したIBTMSの加水分解が100
%進行していることが確認された。したがって、得られ
た珪素化合物(a−1−1)は、IBTMSの完全加水
分解縮合物である、珪素原子に結合した水酸基を有する
ポリシロキサンである。
【0232】参考例6〜8(同上)アルコキシシランの
種類および使用量と、IPA、脱イオン水または「A−
3」の使用量とを、下記の第2表に示すように変更した
以外は参考例5と同様にして、同表に示すような性状を
有する、各種の珪素化合物(a−1−2)〜(a−1−
4)を得た。
【0233】得られた珪素化合物(a−1−2)は、1
H−NMR の分析結果より、使用するアルコキシシラ
ンが100%加水分解した完全加水分解縮合物である、
珪素原子に結合した水酸基を有するポリシロキサンであ
ることが確認された。
【0234】また、珪素化合物(a−1−3)、(a−
1−4)は、1H−NMR の分析結果より、珪素原子に
結合した水酸基とともに珪素原子に結合した加水分解性
基をも有する、部分共加水分解縮合物たるポリシロキサ
ンであることが確認された。
【0235】
【表3】
【0236】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*3)
PTMS :フェニルトリメトキシシラン*4)DM
DMS :ジメチルジメトキシシラン*5)CHTMS
:シクロヘキシルトリメトキシシラン
【0237】
【表4】
【0238】参考例9〔珪素化合物(a−2)の調製〕
参考例5と同様の反応容器に、メチルトリメトキシシラ
ン(MTMS)583部、PTMS 142部およびI
PA 380部を仕込んで、80℃まで昇温した。次い
で、同温で、「A−3」0.1部と脱イオン水270部
との混合物を1時間を要して滴下した。滴下終了後も同
温度で4時間撹拌を行なったのち、減圧蒸留でメタノー
ルを除くことによって、数平均分子量が1,300で、
有効成分が50.5%なる、珪素化合物を得た。以下、
これを(a−2−1)と略記する。
【0239】しかるのち、1H−NMR により、珪素化
合物(a−2−1)の分析を行ったところ、使用したア
ルコキシシラン類の加水分解が100%進行しているこ
とが確認された。したがって、得られた珪素化合物(a
−2−1)は、該アルコキシシラン類の完全加水分解縮
合物である、珪素原子に結合した水酸基を有するポリシ
ロキサンである。
【0240】参考例10〜13(同上)アルコキシシラ
ンの種類および使用量と、IPA、脱イオン水または
「A−3」の使用量とを、下記の第3表に示すように変
更した以外は参考例9と同様にして、同表に示すような
性状を有する、各種の珪素化合物(a−2−2)〜(a
−2−5)を得た。
【0241】ここで得られた珪素化合物(a−2−2)
は、1H−NMR の分析結果より、使用するアルコキシ
シラン類が100%加水分解した完全加水分解縮合物で
ある、珪素原子に結合した水酸基を有するポリシロキサ
ンであることが確認された。
【0242】また、珪素化合物(a−2−3)、(a−
2−4)、(a−2−5)は、1H−NMRの分析結果
より、珪素原子に結合した水酸基とともに珪素原子に結
合した加水分解性基をも有する、部分共加水分解縮合物
たるポリシロキサンであることが確認された。
【0243】
【表5】
【0244】《第3表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*6)
TMOS :テトラメトキシシラン*7)TEOS
:テトラエトキシシラン
【0245】
【表6】
【0246】参考例14〔顔料分散用複合樹脂(P−
1)の調製〕温度計、還流冷却器、撹拌機および滴下漏
斗を備えた反応容器に、n−ブタノール(n−BuO
H)505部と、PTMS 255部と、DMDMS
154部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃ま
で昇温した。次いで、同温度で撹拌しながら、MMA
379部、BMA 352部、BA 159部、AA2
8部およびMPTMS 28部からなる混合物と、n−
BuOH 95部およびTBPOEH 95部からなる
混合物とを、それぞれ、別々に、4時間をかけて滴下し
た。
【0247】滴下終了後、同温度で2時間攪拌を行った
のち、「A−3」4.2部と脱イオン水116部の混合
物を、5分間をかけて滴下し、さらに16時間攪拌を続
行して、アクリル系重合体とPTMSとDMDMSとを
縮合せしめた。次いで、10〜300mmHgの減圧下
に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸留を行うこと
により、生成するメタノールと水を除去した。最後に、
キシレン600部で希釈することによって、不揮発分が
50.0%なる、顔料分散用複合樹脂の溶液を得た。以
下、これを顔料分散用複合樹脂(P−1−1)と略記す
る。
【0248】かくして得られた顔料分散用複合樹脂(P
−1−1)を、1H−NMR で分析したところ、MPT
MS、PTMSおよびDMDMSのそれぞれに含有され
る珪素原子に結合したメトキシ基の加水分解が100%
進行していることが判明した。
【0249】参考例15(同上)参考例14と同様の反
応容器に、n−BuOH 686部と、PTMS 74
部と、DMDMS 45部とを仕込んで、窒素ガスの通
気下に、80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌し
ながら、MMA 390部、BMA 188部、BA
164部、AA 29部、MPTMS 10部およびH
EMA 195部からなる混合物と、n−BuOH 4
9部およびTBPOEH 49部からなる混合物とを、
それぞれ、別々に、4時間をかけて滴下した。
【0250】滴下終了後、同温度で、2時間のあいだ攪
拌を行ったのち、「A−3」1.2部と脱イオン水34
部の混合物を5分間をかけて滴下し、さらに16時間攪
拌を続行して、アクリル系重合体とPTMSとDMDM
Sとを縮合せしめた。次いで、10〜300mmHgの
減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸留を行
うことにより、生成するメタノールと水を除去した。最
後に、キシレン315部で希釈することによって、不揮
発分が49.9%なる、顔料分散用複合樹脂の溶液を得
た。以下、これを顔料分散用複合樹脂(P−1−2)と
略記する。
【0251】かくして得られた顔料分散用複合樹脂(P
−1−2)を、1H−NMR で分析したところ、MPT
MS、PTMSおよびDMDMSのそれぞれに含有され
る珪素原子に結合したメトキシ基の加水分解が100%
進行していることが判明した。
【0252】参考例16(同上)参考例14と同様の反
応容器に、n−BuOH 686部と、PTMS 74
部と、DMDMS 45部とを仕込んで、窒素ガスの通
気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌しな
がら、MMA 390部、BMA 188部、BA 1
64部、AA 29部、MPTMS 10部およびIB
MA 195部からなる混合物と、n−BuOH 49
部およびTBPOEH 49部からなる混合物とを、そ
れぞれ、別々に、4時間をかけて滴下した。
【0253】滴下終了後、同温度で2時間のあいだ攪拌
を行ったのち、「A−3」1.2部と脱イオン水34部
の混合物を5分間かけて滴下し、さらに16時間攪拌を
続行して、アクリル系重合体とPTMSとDMDMSと
を縮合せしめた。次いで、10〜300mmHgの減圧
下に40〜60℃で4時間を要して減圧蒸留を行うこと
により、生成するメタノールと水を除去した。最後に、
キシレン315部で希釈することによって、不揮発分が
50.1%なる、顔料分散用複合樹脂の溶液を得た。以
下、これを顔料分散用複合樹脂(P−1−3)と略記す
る。
【0254】かくして得られた顔料分散用複合樹脂(P
−1−3)を、1H−NMR で分析したところ、PTM
S、DMDMSおよびMPTMSのそれぞれに含有され
る珪素原子に結合したメトキシ基の加水分解が100%
進行していることが判明した。
【0255】参考例17(同上)参考例14と同様の反
応容器に、n−BuOH 686部と、PTMS 74
部と、DMDMS 45部とを仕込んで、窒素ガスの通
気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌しな
がら、CHMA 98部、MMA 292部、BMA
383部、BA 164部、AA 29部およびMPT
MS 10部からなる混合物と、n−BuOH 49部
およびTBPOEH 49部からなる混合物とを、それ
ぞれ、別々に、4時間をかけて滴下した。
【0256】滴下終了後、同温度で2時間のあいだ攪拌
を行ったのち、「A−3」1.2部と脱イオン水34部
の混合物を5分間かけて滴下し、さらに16時間攪拌を
続行して、アクリル系重合体とPTMSとDMDMSと
を縮合せしめた。次いで、10〜300mmHgの減圧
下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸留を行うこ
とにより、生成するメタノールと水を除去した。最後
に、キシレン315部で希釈することによって、不揮発
分が50.0%なる、顔料分散用複合樹脂の溶液を得
た。以下、これを顔料分散用複合樹脂(P−1−4)と
略記する。
【0257】かくして得られた顔料分散用複合樹脂(P
−1−4)を、1H−NMR で分析したところ、MPT
MS、PTMSおよびDMDMSのそれぞれに含有され
る珪素原子に結合したメトキシ基の加水分解が100%
進行していることが判明した。
【0258】参考例18〔対照用樹脂(R)の調製〕温
度計、還流冷却器および撹拌機を備えた反応容器に、P
TMS 397部とIPA 511部の混合物と、60
%硝酸2部と水90部の混合物を投入し、室温下で8時
間反応を行って、不揮発分25.8%の対照用樹脂(R
−1)を得た。
【0259】参考例19(同上)参考例18と同様の反
応容器に、PTMS 79部、「MS−51」〔三菱化
学(株)製のテトラメトキシシランオリゴマー:有効固
形分=51%〕185部およびIPA 689部の混合
物と、60%硝酸2部と水45部の混合物を投入し、室
温下で8時間反応を行って、不揮発分21.0%の対照
用樹脂(R−2)を得た。
【0260】参考例20(同上)参考例18と同様の反
応容器に、PTMS 357部、「MS−51」23部
およびIPA 633部の混合物と、60%硝酸2部と
水85部の混合物を投入し、室温下で8時間反応を行っ
て、不揮発分が27.5%の対照用樹脂(R−3)を得
た。
【0261】参考例21(同上)温度計、還流冷却器、
撹拌機および滴下漏斗を備えた反応容器に、PTMS5
3部、DMDMS 32部およびIPA 300部を仕
込んだのち、80℃まで昇温した。ついで、同温度にて
撹拌下、「A−3」0.9部と水24部の混合物を5分
間をかけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間反応
を行ったのち、「MS−51」176部と「XR−3
1」〔GE東芝シリコーン(株)製のMTMSオリゴマ
ー:有効固形分=70%〕220部の混合物を容器内に
素早く投入した。次いで、同温度で撹拌下、水130部
を5分間かけて滴下したのち、さらに同温度で24時間
反応を行った。最後に、10〜300mmHgの減圧下
に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸留を行うこと
により、生成するメタノールと水を除去しのち、IPA
400部を添加することによって、不揮発分が28.
5%なる、対照用樹脂(R−4)を得た。
【0262】参考例22〔複合樹脂(C)の調製〕本例
は、複合樹脂(C)を調製するための一つの例を示すも
のである。温度計、還流冷却器、撹拌機および滴下漏斗
を備えた反応容器に、参考例1で得られたビニル系重合
体(b−1−1)1,330部と、参考例5で得られた
珪素化合物(a−1−1)400部を仕込んで、80℃
まで昇温し、同温度で4時間撹拌を行うことによって、
ビニル系重合体(b−1−1)の加水分解反応およびビ
ニル系重合体(b−1−1)と珪素化合物(a−1−
1)とのあいだの縮合反応を行った。反応溶液を、1
−NMR で分析したところ、ビニル系重合体(b−1
−1)中に含まれていたトリメトキシシリル基の加水分
解が100%進行していることが判明した。
【0263】引き続き、この反応溶液中に、参考例11
で得られた珪素化合物(a−2−3)490部および参
考例12で得られた珪素化合物(a−2−4)490部
を撹拌しながら素早く投入し、さらに脱イオン水280
部を5分間かけて滴下したのち、80℃で20時間撹拌
を行った。最後に、10〜300mmHgの減圧下に、
40〜60℃で4時間を要して減圧蒸留を行うことによ
り、生成するメタノールと水を除去しのち、IPA
1,300部を添加することによって、不揮発分が2
9.8%なる複合樹脂を得た。以下、これを(C−1)
と略記する。
【0264】参考例23(同上)参考例22と同様の反
応容器に、参考例2で得られたビニル系重合体(b−1
−2)870部と、参考例6で得られた珪素化合物(a
−1−2)105部を仕込んで、80℃まで昇温し、同
温度で4時間撹拌を行うことによって、ビニル系b−1
−2)の加水分解反応およびビニル系重合体(b−1−
2)と珪素化合物(a−1−2)とのあいだの縮合反応
を行った。反応溶液を、1H−NMR で分析したとこ
ろ、ビニル系重合体(b−1−2)中に含まれていたト
リメトキシシリル基の加水分解が100%進行している
ことが判明した。
【0265】引き続き、この反応溶液中に、参考例10
で得られた珪素化合物(a−2−2)783部および
「MS−51」392部を撹拌しながら素早く投入し、
さらに脱イオン水336部を5分間かけて滴下したの
ち、80℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜3
00mmHgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要し
て減圧蒸留を行うことにより、生成するメタノールと水
を除去しのち、IPA 1,700部を添加することに
よって、不揮発分が30.1%なる複合樹脂を得た。以
下、これを(C−2)と略記する。
【0266】参考例24(同上)参考例22と同様の反
応容器に、参考例3で得られたビニル系重合体(b−1
−3)2,180部と、参考例7で得られた珪素化合物
(a−1−3)274部を仕込んで、80℃まで昇温し
た。次いで、ここに脱イオン水の48部を5分間かけて
滴下しのち、同温度で4時間撹拌を行うことによって、
珪素化合物(a−1−3)とビニル系重合体(b−1−
3)との共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1
H−NMR で分析したところ、ビニル系重合体(b−
1−3)および珪素化合物(a−1−3)中に含まれて
いたトリメトキシシリル基の加水分解が100%進行し
ていることが判明した。
【0267】引き続き、この反応溶液中に、参考例9で
得られた珪素化合物(a−2−1)415部を撹拌しな
がら素早く投入し、さらに脱イオン水153部を5分間
かけて滴下したのち、80℃で20時間撹拌を行った。
最後に、10〜300mmHgの減圧下に、40〜60
℃で4時間を要して減圧蒸留を行うことにより、生成す
るメタノールと水を除去しのち、IPA 650部を添
加することによって、不揮発分が30.3%なる複合樹
脂を得た。以下、これを(C−3)と略記する。
【0268】参考例25(同上)参考例22と同様の反
応容器に、参考例4で得られたビニル系重合体(b−1
−4)652部と、参考例8で得られた珪素化合物(a
−1−4)278部を仕込んで、80℃まで昇温した。
次いで、ここに脱イオン水67部を5分間かけて滴下し
のち、同温度で4時間撹拌を行うことによって、珪素化
合物(a−1−4)とビニル系重合体(b−1−4)と
の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1H−N
MR で分析したところ、ビニル系重合体(b−1−
4)および珪素化合物(a−1−4)中に含まれていた
トリメトキシシリル基の加水分解が100%進行してい
ることが判明した。
【0269】引き続き、この反応溶液中に、参考例12
で得られた珪素化合物(a−2−4)395部と「XR
−31」643部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水370部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 1,830部を添加することによって、
不揮発分が29.6%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−4)と略記する。
【0270】参考例26(同上)参考例22と同様の反
応容器に、参考例3で得られたビニル系重合体(b−1
−3)437部と、CHTMS265部を仕込んで、8
0℃まで昇温した。次いで、ここに脱イオン水76部と
「A−3」2.3部の混合物を5分間かけて滴下しの
ち、同温度で4時間撹拌を行うことによって、CHTM
Sとビニル系重合体(b−1−3)との共加水分解縮合
反応を行った。反応溶液を、1H−NMR で分析したと
ころ、ビニル系重合体(b−1−4)およびCHTMS
中に含まれていたトリメトキシシリル基の加水分解が1
00%進行していることが判明した。
【0271】引き続き、この反応溶液中に、参考例13
で得られた珪素化合物(a−2−5)444部と「XR
−31」714部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水400部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 2,100部を添加することによって、
不揮発分が29.6%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−5)と略記する。
【0272】参考例27(同上)参考例22と同様の反
応容器に、参考例2で得られたビニル系重合体(b−1
−2)870部、PTMS195部およびDMDMS1
18部を仕込んで、80℃まで昇温した。次いで、ここ
に脱イオン水88部と「A−3」3.2部の混合物を5
分間かけて滴下しのち、同温度で4時間撹拌を行うこと
によって、PTMS、DMDMSおよびビニル系重合体
(b−1−3)の共加水分解縮合反応を行った。反応溶
液を、1H−NMR で分析したところ、ビニル系重合体
(b−1−4)、PTMSおよびDMDMS中に含まれ
ていたトリメトキシシリル基の加水分解が100%進行
していることが判明した。
【0273】引き続き、この反応溶液中に、参考例10
で得られた珪素化合物(a−2−2)783部と「MS
−51」392部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水342部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 1,660部を添加することによって、
不揮発分が30.0%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−6)と略記する。
【0274】参考例28(同上)参考例22と同様の反
応容器に、参考例4で得られたビニル系重合体(b−1
−4)870部と、参考例8で得られた珪素化合物(a
−1−4)278部を仕込んで、80℃まで昇温した。
次いで、ここに脱イオン水67部を5分間かけて滴下し
のち、同温度で4時間撹拌を行うことによって、珪素化
合物(a−1−4)とビニル系重合体(b−1−4)と
の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1H−N
MR で分析したところ、ビニル系重合体(b−1−
4)および珪素化合物(a−1−4)中に含まれていた
トリメトキシシリル基の加水分解が100%進行してい
ることが判明した。
【0275】引き続き、この反応溶液中に、MTMS
812部とTMOS 507部を撹拌しながら素早く投
入し、さらに脱イオン水480部を5分間かけて滴下し
たのち、80℃で20時間撹拌を行った。最後に、10
〜300mmHgの減圧下に、40〜60℃で4時間を
要して減圧蒸留を行うことにより、生成するメタノール
と水を除去しのち、IPA 1,660部を添加するこ
とによって、不揮発分が29.9%なる複合樹脂を得
た。以下、これを(C−7)と略記する。
【0276】参考例29(同上)参考例22と同様の反
応容器に、IPA 1,188部と、PTMS 212
部と、DMDMS 129部とを仕込んで、窒素ガスの
通気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌し
ながら、MMA 96部、BMA 53.2部、BA
40.4部、AA 2.4部およびMPTMS 48部
の混合物と、IPA 12部およびTBPOEH 12
部からなる混合物とを、それぞれ、別々に、4時間をか
けて滴下した。
【0277】滴下終了後、同温度で2時間攪拌を行った
のち、「A−3」3.4部と脱イオン水96部の混合物
を5分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌を続行するこ
とによって、PTMS、DMDMSおよびアクリル系重
合体の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1
−NMR で分析したところ、アクリル系重合体、PT
MSおよびDMDMS中に含まれていたトリメトキシシ
リル基の加水分解が100%進行していることが判明し
た。
【0278】引き続き、この反応溶液中に、参考例11
で得られた珪素化合物(a−2−3)695部と「MS
−51」479部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水396部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 1,600部を添加することによって、
不揮発分が30.1%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−8)と略記する。
【0279】参考例30(同上)参考例22と同様の反
応容器に、IPA 1,191部と、PTMS 212
部と、DMDMS 129部とを仕込んで、窒素ガスの
通気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌し
ながら、MMA 72部、BMA 40部、BA30.
5部、AA 1.5部およびMPTMS 36部の混合
物と、IPA9部およびTBPOEH 9部からなる混
合物を、4時間をかけて滴下した。
【0280】滴下終了後、同温度で、2時間攪拌を行っ
たのち、「A−3」3.4部と脱イオン水96部の混合
物を5分間をかけて滴下し、さらに1時間攪拌を続行す
ることによって、PTMS、DMDMSおよびアクリル
系重合体の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、
1H−NMR で分析したところ、アクリル系重合体、P
TMSおよびDMDMS中に含まれていたトリメトキシ
シリル基の加水分解が100%進行していることが判明
した。
【0281】引き続き、この反応溶液中に、参考例11
で得られた珪素化合物(a−2−3)774部と「MS
−51」479部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水425部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 1,600部を添加することによって、
不揮発分が29.4%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−9)と略記する。
【0282】参考例31(同上)参考例22と同様の反
応容器に、IPA 1,188部と、PTMS 212
部と、DMDMS 129部とを仕込んで、窒素ガスの
通気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌し
ながら、MMA 96部、BMA 5.2部、BA 4
0.4部、AA 2.4部、MPTMS 48部および
HEMA 48部からなる混合物と、IPA 12部お
よびTBPOEH 12部からなる混合物とを、それぞ
れ、別々に、4時間をかけて滴下した。
【0283】滴下終了後、同温度で2時間攪拌を行った
のち、「A−3」0.3部と脱イオン水96部の混合物
を5分間をかけて滴下し、さらに1時間攪拌を続行する
ことによって、PTMS、DMDMSおよびアクリル系
重合体の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1
H−NMR で分析したところ、アクリル系重合体、P
TMSおよびDMDMS中に含まれていたトリメトキシ
シリル基の加水分解が100%進行していることが判明
した。
【0284】引き続き、この反応溶液中に、参考例11
で得られた珪素化合物(a−2−3)695部と「MS
−51」479部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水396部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 1,600部を添加することによって、
不揮発分が29.7%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−10)と略記する。
【0285】参考例32(同上)参考例22と同様の反
応容器に、IPA 1,185部と、PTMS 212
部と、DMDMS 129部とを仕込んで、窒素ガスの
通気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌し
ながら、MMA 120部、BMA 6.6部、BA
50.4部、AA 3部、MPTMS 60部およびH
EMA 60部からなる混合物と、IPA 15部およ
びTBPOEH 15部からなる混合物とを、それぞ
れ、別々に、4時間をかけて滴下した。
【0286】滴下終了後、同温度で2時間攪拌を行った
のち、「A−3」3.4部と脱イオン水96部の混合物
を5分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌を続行するこ
とによって、PTMS、DMDMSおよびアクリル系重
合体の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1
−NMR で分析したところ、アクリル系重合体、PT
MSおよびDMDMS中に含まれていたトリメトキシシ
リル基の加水分解が100%進行していることが判明し
た。
【0287】引き続き、この反応溶液中に、参考例11
で得られた珪素化合物(a−2−3)615部と「MS
−51」479部を撹拌しながら素早く投入し、さらに
脱イオン水366部を5分間かけて滴下したのち、80
℃で20時間撹拌を行った。最後に、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で4時間を要して減圧蒸
留を行うことにより、生成するメタノールと水を除去し
のち、IPA 1,600部を添加することによって、
不揮発分が30.0%なる複合樹脂を得た。以下、これ
を(C−11)と略記する。
【0288】参考例33(同上)参考例25と同様の反
応容器に、IPA 1191部と、PTMS 212部
と、DMDMS 129部とを仕込んで、窒素ガスの通
気下に80℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌しな
がら、MMA 72部、BMA 40部、BA30.5
部、AA 1,5部およびMPTMS 36部からなる
混合物と、IPA 9部およびTBPOEH 9部から
なる混合物とを、それぞれ、別々に、4時間をかけて滴
下した。
【0289】滴下終了後、同温度で2時間攪拌を行った
のち、「A−3」3.4部と脱イオン水96部の混合物
を5分間をかけて滴下し、さらに1時間攪拌を続行する
ことによって、PTMS、DMDMSおよびアクリル系
重合体の共加水分解縮合反応を行った。反応溶液を、1
H−NMR で分析したところ、アクリル系重合体、P
TMSおよびDMDMS中に含まれていたトリメトキシ
シリル基の加水分解が100%進行していることが判明
した。
【0290】引き続き、この反応溶液中に、MTMS
1,137部とTMOS 935部を撹拌しながら素早
く投入し、さらに脱イオン水1,160部を5分間かけ
て滴下したのち、80℃で20時間撹拌を行った。最後
に、10〜300mmHgの減圧下に、40〜60℃で
4時間を要して減圧蒸留を行うことにより、生成するメ
タノールと水を除去しのち、IPA 1,600部を添
加することによって、不揮発分が29.9%なる複合樹
脂を得た。以下、これを(C−12)と略記する。
【0291】実施例1〜13および比較例1〜4下記の
第4表に示す、顔料と、溶剤と、顔料分散用アクリル樹
脂または顔料分散用複合樹脂(P−1−1)〜(P−1
−4)とを、同表に示す配合組成で混合した混合物を、
ペイントコンディショナーで3時間振とうすることによ
り着色ベース得たのち、この着色ベースと、複合樹脂
(C−1)〜(C−12)または対照用樹脂(R−1)
〜(R−4)と、溶剤と、さらに必要に応じて、硬化剤
(E)を、第4表に示すように配合せしめて、各種のガ
ラス着色用塗装剤を調製した。
【0292】
【表7】
【0293】《第4表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*8)
「MG−6YCL」:ゼネカ(株)製の、臭化フタロシ
アニングリーン顔料「モナストラルグリーン6YCL」
*9)「A−131」 :顔料分散用に使用した大日本
インキ化学工業(株)製アクリル樹脂「アクリディック
A−131−50」;不揮発分=50%
【0294】
【表8】
【0295】《第4表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*10)
「MLB−3R」:ゼネカ(株)製の、アンスラキノン
系青色顔料「モノライトブルー3R」
【0296】
【表9】
【0297】《第4表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*11)
「PY1841K」:BASF(株)製の、イソインド
リン系黄色顔料「パリオトールイエロー1841K」*1
2)「L−110」 :大日本インキ化学工業(株)製
のiso−ブチル化メラミン「スーパーベッカミン L
−110−60」;不揮発分=60%*13)「L−12
7」 :大日本インキ化学工業(株)製のn−ブチル
化メラミン「スーパーベッカミン L−127−6
0」;不揮発分=60%
【0298】
【表10】
【0299】《第4表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。*14)
「D−550」:大日本インキ化学工業(株)製の無黄
変型ブロックイソシアネート「バーノック D−55
0」;NCO含有量=6.0〜7.0%、不揮発分=5
5%
【0300】
【表11】
【0301】《第4表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0302】実施例14〜34および比較例5〜13実
施例1〜13および比較例1〜4で調製した各種のガラ
ス着色用塗装剤(塗−1)〜(塗−13)および(比塗
−1)〜(比塗−4)を、予め60℃の2.5%水酸化
ナトリウム水溶液に15分間以上浸漬してアルカリ洗浄
したのち、十分に水で洗浄した1リットルの透明な円筒
状ガラス瓶の表面に、それぞれ、乾燥膜厚が平均2μm
となるように、ディップ法によりを塗装せしめた。塗装
後、5分間予備乾燥(自然乾燥)を行ったのち、下記の
第5表に示す通りの条件で本乾燥を行い、それぞれのガ
ラス着色塗装剤が塗装された、塗装物たる着色ガラス瓶
を得た。
【0303】得られた各種の着色ガラス瓶について、塗
膜の性能評価試験を実施した。試験項目は、目視による
外観、密着性、耐エタノール性、耐水性ならびに耐アル
カリ性である。それらの結果も、まとめて第5表に示
す。
【0304】
【表12】
【0305】《第5表の脚注》「密着性」は、カッター
ナイフ等で塗膜表面に縦5×横5=25個の一辺が2m
mの碁盤目を刻みつけ、その上に粘着テープを貼り付け
たのち、それを勢い良く剥がしたときの基材に残った碁
盤目の数を表示したものである。25で100%密着し
ているということを示している。
【0306】「耐エタノール性」は、エタノール(9
9.5vol%)を含浸させた綿布で塗膜を50往復擦
り、その表面状態を目視により評価判定したものであ
る。その評価判定の基準は次の通りである。 ○…異常なし △…光沢低下 ×…色落ち、または、塗膜のはく離
【0307】「耐水性」は、各種の塗装物を、90℃の
水に20分間浸漬したのち、その表面状態を目視により
評価判定したものである。その評価判定の基準は次の通
りである。 ○…異常なし △…光沢低下 ×…塗膜のはく離
【0308】「耐アルカリ性1」は、各種の塗装物を、
60℃の2.5%水酸化ナトリウム水溶液に15分間浸
漬したのち、その表面状態を目視により評価判定したも
のである。その評価判定の基準は次の通りである。 ○…異常なし △…光沢低下 ×…塗膜のはく離、または、塗膜の溶出
【0309】「耐アルカリ性2」は、各種の塗装物を、
60℃の2.5%水酸化ナトリウム水溶液に60分間浸
漬したのち、その表面状態を目視により評価判定したも
のである。その評価判定の基準は「耐アルカリ性1」の
評価判定に従うものとする。
【0310】
【表13】
【0311】
【表14】
【0312】
【表15】
【0313】
【表16】
【0314】
【表17】
【0315】
【表18】
【0316】
【表19】
【0317】
【表20】
【0318】
【発明の効果】本発明のガラス着色用塗装剤は、ガラス
基材に対して、耐エタノール性などに代表される耐薬品
性ならびに耐水性などの諸性能に優れ、且つ、極めて優
れた耐アルカリ性をも有するコーティングを施すことが
できる、極めて実用性の高いものである。
【0319】加えて、本発明のガラス着色用塗装剤をガ
ラス製品に塗装せしめた塗装物は、再溶融することによ
り、無色透明なガラス素材として再生することができ
る、極めて実用性の高いものである。
【0320】さらに、本発明のガラス着色用塗装剤を使
用し、各種の塗装方法により塗装せしめ、硬化せしめる
ことにより得られる塗膜は、ガラス基材の種類に関わら
ず、普遍的に、良好なる塗膜性能を示すものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月28日(2000.1.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 〔ただし、式中、炭素原子は重合体セグメント(B)の
一部分を構成し、2個の珪素原子はポリシロキサンセグ
メント(A)またはポリシロキサンセグメント(A)の
一部分を構成する。〕で示される結合により結合してい
る、請求項1または2に記載の塗装剤。
【化2】 〔ただし、式中、炭素原子は重合体セグメント(B)の
一部分を構成し、2個の珪素原子はポリシロキサンセグ
メント(A−1)またはポリシロキサンセグメント(A
−1)の一部分を構成する。〕で示される結合により結
合してなる重合体(F−1)と、下記の一般式(S−
2)および/または(S−3) R1SiX3 ………(S−2) SiX4 ………(S−3) (ただし、式中、R1は炭素数3以下のアルキル基を、
Xは加水分解性基を表わす。)で示されるシラン化合物
を必須成分として含有してなるシラン化合物類、該シラ
ン化合物類の加水分解縮合物、該シラン化合物類の共加
水分解縮合物、該シラン化合物類の部分加水分解縮合
物、および、該シラン化合物類の部分共加水分解縮合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合物
(G−1)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反
応または縮合反応せしめて得られるものである、請求項
1または2に記載の塗装剤。
【化3】 (ただし、式中、R3は炭素数が4個以上のアルキル
基、炭素数が5個以上のシクロアルキル基、アリール基
およびアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも
1種の有機基を、R4はアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基およびアラルキル基からなる群から選ば
れる少なくとも1種の有機基を、R5は炭素数4個以下
のアルキル基を、R6は炭素数が3個以下の有機基をそ
れぞれ表わし、また、mは0または1である。)で示さ
れるアルコキシシラン化合物(s−1)を必須成分とし
て含有してなるアルコキシシラン化合物類、該アルコキ
シシラン化合物類の加水分解縮合物、該アルコキシシラ
ン化合物類の共加水分解縮合物、該アルコキシシラン化
合物類の部分加水分解縮合物、および、該アルコキシシ
ラン化合物類の部分共加水分解縮合物からなる群から選
ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a−1)とを、加
水分解縮合反応、共加水分解縮合反応または縮合反応せ
しめて得られる重合体(f−1)と、下記の一般式(S
−6)および/または(S−7)R7Si(OR8)3
………(S−6)Si(OR8)4
……(S−7)(ただし、式中、R7は炭素数3以下の
アルキル基を、R8は炭素数4以下のアルキル基を表わ
す。)で示されるアルコキシシラン化合物(s−2)を
必須成分として含有してなるアルコキシシラン化合物
類、該アルコキシシラン化合物類の加水分解縮合物、該
アルコキシシラン化合物類の共加水分解縮合物、該アル
コキシシラン化合物類の部分加水分解縮合物、および、
該アルコキシシラン化合物類の部分共加水分解縮合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a
−2)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反応ま
たは縮合反応せしめて得られるものである、請求項1〜
7のいずれか1項に記載の塗装剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【化6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【化9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0155
【補正方法】変更
【補正内容】
【0155】
【化10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA44 DB13 DC43 EB43 EC07 EC11 EC37 4G059 AA04 AC08 FA22 FA28 FB03 FB05 4J038 DL131 KA08 PC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素原子に結合した水酸基および/また
    は珪素原子に結合した加水分解性基を有するポリシロキ
    サンセグメント(A)と、ポリシロキサン以外の重合体
    セグメント(B)とを必須の構成成分として含有する複
    合樹脂(C)と、着色剤(D)とを、必須成分として含
    有してなることを特徴とする、ガラス着色用塗装剤。
  2. 【請求項2】 複合樹脂(C)が硬化性官能基を有する
    樹脂であって、かつ、該複合樹脂(C)中の硬化性官能
    基と反応する硬化剤(E)をも必須成分として含有す
    る、請求項1に記載のガラス着色用塗装剤。
  3. 【請求項3】 前記した複合樹脂(C)を構成する、前
    記した、それぞれ、ポリシロキサンセグメント(A)と
    重合体セグメント(B)とが、下記の構造式(S−1) 【化1】 〔ただし、式中、炭素原子は重合体セグメント(B)の
    一部分を構成し、2個の珪素原子はポリシロキサンセグ
    メント(A)またはポリシロキサンセグメント(A)の
    一部分を構成する。〕で示される結合により結合してい
    る、請求項1または2に記載の塗装剤。
  4. 【請求項4】 前記した複合樹脂(C)のうち、ポリシ
    ロキサンセグメント(A)の含有率が、全固形分の50
    〜95重量%である、請求項1または2に記載の塗装
    剤。
  5. 【請求項5】 前記した着色剤(D)が有機顔料であ
    る、請求項1または2に記載の塗装剤。
  6. 【請求項6】 前記した複合樹脂(C)が、加水分解性
    基および/または水酸基とこれら以外の総炭素数が4個
    以上の有機基とが共に結合した珪素原子、加水分解性基
    または水酸基の1個とこれら以外の総炭素数が3個以下
    の有機基の2個とが共に結合した珪素原子、および、加
    水分解性基および/または水酸基とトリオルガノシロキ
    シ基とが共に結合した珪素原子からなる群から選ばれる
    少なくとも1個の珪素原子を有するポリシロキサンセグ
    メント(A−1)と、ポリシロキサン以外の重合体セグ
    メント(B)とが、下記の構造式(S−) 【化2】 〔ただし、式中、炭素原子は重合体セグメント(B)の
    一部分を構成し、2個の珪素原子はポリシロキサンセグ
    メント(A−1)またはポリシロキサンセグメント(A
    −1)の一部分を構成する。〕で示される結合により結
    合してなる重合体(F−1)と、下記の一般式(S−
    2)および/または(S−3)R1SiX3
    ………(S−2)SiX4 ……
    …(S−3)(ただし、式中、R1は炭素数3以下のア
    ルキル基を、Xは加水分解性基を表わす。)で示される
    シラン化合物を必須成分として含有してなるシラン化合
    物類、該シラン化合物類の加水分解縮合物、該シラン化
    合物類の共加水分解縮合物、該シラン化合物類の部分加
    水分解縮合物、および、該シラン化合物類の部分共加水
    分解縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の珪
    素化合物(G−1)とを、加水分解縮合反応、共加水分
    解縮合反応または縮合反応せしめて得られるものであ
    る、請求項1または2に記載の塗装剤。
  7. 【請求項7】 前記した重合体セグメント(B)が、ビ
    ニル系重合体およびポリウレタン系重合体よりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の重合体に由来するセグメン
    トである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗装
    剤。
  8. 【請求項8】 前記した、複合樹脂(C)が、珪素原子
    に結合した水酸基および/または珪素原子に結合した加
    水分解性基を有する、ビニル系重合体および/またはポ
    リウレタン系重合体(b)と、下記の一般式(S−4)
    および/または(S−5) 【化3】 (ただし、式中、R3は炭素数が4個以上のアルキル
    基、炭素数が5個以上のシクロアルキル基、アリール基
    およびアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の有機基を、R4はアルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基およびアラルキル基からなる群から選ば
    れる少なくとも1種の有機基を、R5は炭素数4個以下
    のアルキル基を、R6は炭素数が3個以下の有機基をそ
    れぞれ表わし、また、mは0または1である。)で示さ
    れるアルコキシシラン化合物(s−1)を必須成分とし
    て含有してなるアルコキシシラン化合物類、該アルコキ
    シシラン化合物類の加水分解縮合物、該アルコキシシラ
    ン化合物類の共加水分解縮合物、該アルコキシシラン化
    合物類の部分加水分解縮合物、および、該アルコキシシ
    ラン化合物類の部分共加水分解縮合物からなる群から選
    ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a−1)とを、加
    水分解縮合反応、共加水分解縮合反応または縮合反応せ
    しめて得られる重合体(f−1)と、下記の一般式(S
    −6)および/または(S−7)R7Si(OR8)3
    ………(S−6)Si(OR8)4
    ……(S−7)(ただし、式中、R7は炭素数3以下の
    アルキル基を、R8は炭素数4以下のアルキル基を表わ
    す。)で示されるアルコキシシラン化合物(s−2)を
    必須成分として含有してなるアルコキシシラン化合物
    類、該アルコキシシラン化合物類の加水分解縮合物、該
    アルコキシシラン化合物類の共加水分解縮合物、該アル
    コキシシラン化合物類の部分加水分解縮合物、および、
    該アルコキシシラン化合物類の部分共加水分解縮合物か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の珪素化合物(a
    −2)とを、加水分解縮合反応、共加水分解縮合反応ま
    たは縮合反応せしめて得られるものである、請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の塗装剤。
  9. 【請求項9】 ガラス基材に請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の塗装剤を塗装せしめて得られる塗装物。
  10. 【請求項10】 前記したガラス基材がガラス瓶であ
    る、請求項9に記載の塗装物。
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